JP2004158929A - 動画像処理方法および動画像処理装置ならびに動画像伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】削除処理部55は、可変長ビットレートのMPEG2符号化方式で符号化されている動画像データにおけるGOPの容量と、予め定めるGOPパラメータとを比較する。また削除処理部55は、前記GOPパラメータを越える容量となるGOPに対して、前記GOPパラメータと前記GOPの容量との差に基づいた枚数のBフレームおよびPフレームを前記GOPから削除して、前記GOPの容量を前記GOPパラメータ以下にする。このときフレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないBフレームを優先的に削除する。このようにフレームが削除された動画像データを、通信回線100を介して端末装置60に送信する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データを処理する動画像処理方法および動画像処理装置、ならびに動画像データを伝送する動画像伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばMPEG2(Motion Picture coding Experts Group 2 )符号化方式で符号化されている動画像(以後、このような動画像を単に「動画像」と表記することがある。)を、パーソナルコンピュータなどの通信端末装置から、前記通信端末装置にローカルエリアネットワーク(Local Area Network;略称:LAN)などの通信回線を介して接続される他の通信端末装置へ送信するために、通信回線の通信速度にあわせて動画像に対して行う動画像処理がある。
【0003】
MPEG2符号化方式で符号化されている動画像は、フレーム内符号化フレーム(Intra−coded picture ;略称:Iフレーム)と、フレーム間符号化フレーム(Predictive−coded picture;略称:Pフレーム)と、フレーム内挿符号化フレーム(Bidrectionally−coded picture;略称:Bフレーム)との3種類の静止画像であるフレームを有する。Iフレームは、そのフレームが圧縮符号化されるフレームである。Pフレームは、直前のIフレームおよびPフレームのうち、最も時間的に近いフレームを参照して差分をとり、圧縮符号化されるフレームである。Bフレームは、直前のIフレームおよびPフレームのうち、最も時間的に近いフレームと、直後のIフレームおよびPフレームのうち、最も時間的に近いフレームとを参照して差分をとり、圧縮符号化されるフレームである。
【0004】
第1の従来技術として、動画像を送信する場合、動画像の符号化ビットレートと通信回線の通信速度とを比較して、符号化ビットレートの方が高いときに、前記動画像のBフレームを間引く方法がある(たとえば特許文献1参照)。この従来技術では、間引かれたBフレームの代わりに、前記Bフレームよりも前に送信したフレームのコピーを生成するように指示するデータを送信する。
【0005】
第2の従来技術として、可変ビットレートの動画像から、ビットレートに応じてデータ長が変化する係数データを切出してビットレート変換処理を施し、前記動画像の係数データを変換処理したデータに置換する方法がある(たとえば特許文献2参照)。
【0006】
第3の従来技術として、動画像からBフレームおよびPフレームを間引いて、間引いたフレームの代わりに、周期的に前後のフレームをコピーすることを指示するビットストリームを挿入して送信する方法がある(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
第4の従来技術として、動きベクトルから動物体を検出して、その検出結果に基づいて、BフレームおよびPフレームを間引く方法がある(たとえば特許文献4参照)。
【0008】
第5の従来技術として、Bフレームを周期的に間引いた動画像を、受信側の端末の復号能力に応じて、コピーするためのフレームの保管を指示する信号を挿入するかしないかを判断する(たとえば特許文献5参照)。
【0009】
さらに他の従来技術として、動画像の送信時に、動画像を一旦復号化してから、通信回線の通信帯域に応じた符号化ビットレートで再び符号化する装置もある。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−336670号公報
【特許文献2】
特開平7−312756号公報
【特許文献3】
特開平10−42295号公報
【特許文献4】
特開2000−165815号公報
【特許文献5】
特開2001−8212号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術において、動画像処理をする対象となる動画像の符号化ビットレートは、固定ビットレートである。このような従来技術では、表示装置の表示画面において高速に動く物体が表示されるシーンでは符号化ビットレートを高くし、動きの少ない物体を表示するシーンでは符号化ビットレートを低くして、画質を可及的に劣化させないようにして動画像の容量を小さくする可変ビットレートで符号化される動画像には適用できない。
【0012】
前述の第2の従来技術は、処理対象とする動画像は可変ビットレートで符号化されているけれども、符号化ビットレートを低くするために置換する係数データは、符号化ビットレートに関係なく一定であり、動画像において符号化ビットレートの低い部分で置換する係数データを、符号化ビットレートの高い部分と同様にして置換すると、符号化ビットレートが不必要に低くなりすぎて、画質が劣化してしまう。またこのような係数データの置換は非常に複雑な処理であるので、専用のハードウェアが必要となる。
【0013】
前述のさらに他の従来技術のように動画像の送信時に、動画像を一旦復号化してから再び符号化する場合、復号化処理と符号化処理とを同時に行うときは、装置の処理に対する負荷が非常に大きくなる。また動画像を全て復号化してから符号化する場合には、処理時間が長くなる。
【0014】
また符号化ビットレートを低くするために、動画像のBフレームおよびPフレームを間引くことは、固定ビットレートおよび可変ビットレートに係らず、一般的である。しかしながら前述のように、フレームの間引きが動画像全般にわたってパターン化すると、可変ビットレートの動画像の場合、符号化ビットレートの高い部分の符号化ビットレートを、所定の符号化ビットレートに低くするようにして、符号化ビットレートの低い部分と高い部分とで同じパターンでフレームを間引くと、符号化ビットレートの低い部分で、不必要にフレームが間引かれて、画質が劣化してしまう。
【0015】
また符号化ビットレートの高い部分の符号化ビットレートを低くする場合にも、通信速度よりも低い符号化ビットレートにするだけでは、このように動画像処理された動画像を再生するときに、動画像処理前の動画像の符号化ビットレートが高かった部分は、残余の部分に比べて画質の劣化が目立ってしまう。
【0016】
したがって本発明の目的は、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少なくしてフレームを削除して、伝送速度に応じた動画像データを得ることができる動画像処理方法および動画像処理装置ならびに動画像伝送装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とを比較する比較工程と、
前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除して、前記フレーム群の容量を前記閾値以下にする工程であって、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除する削除工程とを含むことを特徴とする動画像処理方法である。
【0018】
本発明に従えば、比較工程では、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とが比較される。削除工程では、前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除されて、前記フレーム群の容量を前記閾値以下になる。このように前記閾値を越える容量となるフレーム群の容量を前記閾値以下にすることによって、動画像データの容量を小さくすることができる。また前記閾値以下の容量となるフレーム群に対しては、当該フレーム群に含まれるフレームを削除しないで、前記閾値を越える容量となるフレーム群に対してだけ、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除するので、動画像データの画像品質の低下を、可及的に少なくすることができる。このように動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各フレーム群の容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。このような処理が施された動画像データにおいて、全てのフレーム群の容量は、前記閾値以下になるので、たとえば前記動画像データを伝送元から伝送先に伝送するとき、伝送路の伝送速度に対応させて閾値を設定して、容量が前記閾値を超えるフレーム群のフレームを削除した動画像データを円滑に伝送することができる。
【0019】
また本発明は、前記削除工程において、他のフレームからの参照度合いが低いフレームから順次削除することを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、削除工程では、他のフレームからの参照度合いの低いフレームから順次削除される。他のフレームからの参照度合いの低いフレームは、削除されても、他のフレームの復号化における影響の度合いも低いので、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0021】
また本発明は、前記削除工程において、削除されるべきフレームの枚数に基づいて、削除するフレームを決定することを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、削除工程では、削除されるべきフレームの枚数に基づいて、削除するフレームが決定される。たとえば削除されるべきフレームの枚数にかかわらず、予め定めるフレームが削除される場合、フレーム群において削除されるフレームの位置が偏ってしまい、動画像データの画像品質が低下してしまう。削除されるべきフレームの枚数に基づいて、削除するフレームを決定することによって、このようなフレーム群において削除されるフレームの位置が偏よることを防止して、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0023】
また本発明は、フレーム群に含まれる全フレームの枚数を、削除されるべきフレームの枚数で除したときの商よりも1枚少ない最小削除フレーム間枚数以上のフレームが、削除されるフレームの間に残存するように、削除するフレームを決定することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、削除されるフレームの間に、フレーム群に含まれる全フレームの枚数を、削除されるべきフレームの枚数で除したときの商よりも1枚少ない最小削除フレーム間枚数以上のフレームが残存する。これによって、フレーム群において削除されるフレームの位置が偏よることを防止して、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0025】
また本発明は、閾値は、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定され、
比較工程では、フレーム群の容量を前記フレーム群の瞬間符号化ビットレートに基づいて算出し、前記閾値とフレーム群の容量とを比較することを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、比較工程において、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定される閾値と、前記フレーム群の瞬間符号化ビットレートに基づいて算出されたフレーム群の容量とが比較されるので、比較処理を円滑に行うことができる。
【0027】
また本発明は、閾値は、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定され、
比較工程では、フレーム群の容量を動画像の平均符号化ビットレートに基づいて算出し、前記閾値とフレーム群の容量とを比較することを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、比較工程において、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定される閾値と、動画像の平均符号化ビットレートに基づいて算出されたフレーム群の容量とが比較されるので、比較処理を円滑に行うことができる。
【0029】
また本発明は、動画像データを伝送元から、バッファを有する伝送先に伝送する場合に、閾値は前記バッファの空き容量に基づいて設定されることを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、動画像データを伝送元から、バッファを有する伝送先に伝送する場合に、閾値は前記バッファの空き容量に基づいて設定される。これによって動画像データを伝送元から伝送先に伝送するときに、伝送先の伝送された動画像データを処理する速度が、動画像データの伝送速度よりも遅く、バッファが動画像データで満たされてしまって、バッファがさらに伝送されてくる動画像データを蓄積できなくなるバッファオーバーラン、および伝送先の動画像データを処理する速度が、動画像データの伝送速度よりも速く、バッファに動画像データが蓄積されなくなって、伝送先が動画像データを処理できなくなるバッファアンダーランが起こることを確実に防止することができる。
【0031】
また本発明は、上述の動画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0032】
本発明に従えば、コンピュータに読取らせて、記録されるプログラムを実行させて、上述の動画像処理方法を実行させることができる。また記録媒体を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができる。
【0033】
また本発明は、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とを比較する比較手段と、
前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除して、前記フレーム群の容量を前記閾値以下にする手段であって、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除する削除手段とを含むことを特徴とする動画像処理装置である。
【0034】
本発明に従えば、比較手段によって、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とが比較される。削除手段によって、前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除されて、前記フレーム群の容量を前記閾値以下になる。このように前記閾値を越える容量となるフレーム群の容量を前記閾値以下にすることによって、動画像データの容量を小さくすることができる。また前記閾値以下の容量となるフレーム群に対しては、当該フレーム群に含まれるフレームを削除しないで、前記閾値を越える容量となるフレーム群に対してだけ、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除するので、動画像データの画像品質の低下を、可及的に少なくすることができる。このように動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各フレーム群の容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。このような処理が施された動画像データにおいて、全てのフレーム群の容量は、前記閾値以下になるので、たとえば前記動画像データを伝送元から伝送先に伝送するとき、伝送路の伝送速度に対応させて閾値を設定して、容量が前記閾値を超えるフレーム群のフレームを削除した動画像データを円滑に伝送することができる。
【0035】
また本発明は、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データを、伝送路を介して接続される端末装置に伝送する動画像伝送装置であって、前記動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とを比較する比較手段と、
前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除して、前記フレーム群の容量を前記閾値以下にする手段であって、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除する削除手段と、
前記動画像データを伝送路を介して伝送する伝送手段とを含むことを特徴とする動画像伝送装置である。
【0036】
本発明に従えば、比較手段によって、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とが比較される。削除手段によって、前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除されて、前記フレーム群の容量を前記閾値以下になる。このように前記閾値を越える容量となるフレーム群の容量を前記閾値以下にすることによって、動画像データの容量を小さくすることができる。また前記閾値以下の容量となるフレーム群に対しては、当該フレーム群に含まれるフレームを削除しないで、前記閾値を越える容量となるフレーム群に対してだけ、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除するので、動画像データの画像品質の低下を、可及的に少なくすることができる。このように動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各フレーム群の容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。伝送手段によって、前記動画像データが伝送路を介して接続される端末装置に伝送される。このように伝送手段によって伝送される動画像データにおいて、全てのフレーム群の容量は、前記閾値以下になるので、動画像データを前記端末装置に円滑に伝送することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の動画像伝送装置50の構成を示すブロック図である。図2は、動画像伝送装置50に通信回線100を介して接続される端末装置60の構成を示すブロック図である。動画像伝送装置50は、フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データを、伝送路である通信回線100を介して接続される端末装置60に伝送する装置である。伝送元でもある動画像伝送装置50は、たとえばパーソナルコンピュータおよびワークステーションなどの計算装置で実現されてもよい。
【0038】
動画像伝送装置50は、動画像記録部51、読出部52、伝送部53、削除制御部54、削除処理部55、作業メモリ56および送信待ちバッファ57を含んで構成される。動画像記録部51は、たとえばハードディスクドライブで実現され、動画像データを記録している。読出部52は、動画像記録部51に記録されている動画像データを読み出して、削除処理部55に与える。
【0039】
伝送手段である伝送部53は、通信回線100を介して接続される端末装置60と通信可能である。伝送部53は、送信待ちバッファ57に蓄積されている動画像データなどのデータを前記端末装置60に送信する送信部53aと、前記端末装置60からのデータを受信する受信部53bとを備える。受信部53bは、通信回線100の伝送速度を検出可能である。送信部53aは、受信部53bによって検出された伝送速度に基づいて、端末装置60へのデータの伝送速度を変更可能である。
【0040】
削除制御部54は、伝送部53からの伝送速度および予め定められるパラメータに基づいて、動画像データの動画像処理に用いられる閾値を設定する。削除処理部54は、後述する動画像処理方法に従って、動画像データに動画像処理を施す。作業メモリ56は、たとえばランダムアクセスメモリ(Random Access
Memory;略称:RAM)などの揮発性メモリで実現され、削除制御部53および削除処理部54による動画像処理において一時的に生成されるデータを蓄積する。送信待ちバッファ57は、たとえばRAMなどの揮発性メモリで実現され、削除処理部55によって動画像処理が施された動画像データを一時的に蓄積する。
【0041】
本実施の形態において、比較手段は削除制御部54および削除処理部55で実現され、削除手段は、削除処理部55で実現される。読出部52、削除制御部54および削除処理部55は、1つの中央演算処理装置(Central Processing
Unit ;略称:CPU)で実現されてもよい。伝送路である通信回線100は、たとえばローカルエリアネットワークおよびインターネットなどのコンピュータネットワークで実現される。
【0042】
伝送先でもある端末装置60は、たとえばパーソナルコンピュータおよびワークステーションなどの計算装置で実現されてもよい。端末装置60は、通信部61、バッファ62、デマルチプレクサ63、ビデオバッファ64、音声バッファ65、端末計時部66、ビデオデコーダ67、音声デコーダ68、表示装置69およびスピーカ70を含んで構成される。
【0043】
通信部61は、通信回線100を介して接続される動画像伝送装置50および他の端末装置と通信可能である。通信部61は、受信部61aおよび送信部62bを備える。受信部61aは、動画像伝送装置50および他の端末装置からの動画像データなどのデータを受信して、バッファ62に与える。送信部61bは、バッファ62に蓄積されているデータを、動画像伝送装置50および他の端末装置に送信する。バッファ62は、RAMなどの揮発性メモリで実現され、通信部61から与えられる動画像データなどのデータを蓄積する。
【0044】
デマルチプレクサ(Demultiplexer )69は、動画像データに含まれる、画像を表すビデオデータと、音声を表す音声データとに分離して、ビデオデータをビデオバッファ64に与え、音声データを音声バッファ65に与える。ビデオバッファ64は、RAMなどの揮発性メモリで実現され、デマルチプレクサ69からのビデオデータを一時的に蓄積する。音声バッファ64は、RAMなどの揮発性メモリで実現され、デマルチプレクサ69からの音声データを一時的に蓄積する。
【0045】
端末計時部66は、たとえばリアルタイムクロック(Real Time Clock ;略称:RTC)で実現される。端末計時部66は、ビデオデコーダ67および音声デコーダ68の動作の基準となるシステムクロック、ならびに現在時刻などを含むの計時情報をビデオデコーダ67および音声デコーダ68に与える。ビデオデコーダ67は、端末計時部66からの計時情報に基づいて、ビデオバッファ64に蓄積されているビデオデータを復号化して、表示装置69に与える。音声デコーダ68は、端末計時部66からの計時情報に基づいて、音声バッファ65に蓄積されている音声データを復号化して、スピーカ70に与える。
【0046】
表示装置69は、たとえば陰極線管および液晶パネルを備える表示装置で実現され、ビデオデコーダ67からの復号化されたビデオデータに基づく動画像を表示する。スピーカ70は、音声デコーダ68からの復号化された音声データに基づく音声を出力する。
【0047】
本実施の形態において、デマルチプレクサ69、ビデオデコーダ67および音声デコーダ68は、1つのCPUで実現されてもよい。またビデオバッファ64および音声バッファ65は、1つのRAMで実現されてもよい。
【0048】
本実施の形態において、動画像データは、国際標準化機構(International
Organization For Standardization;略称:ISO)の下部組織にあたる標準化団体である符号化専門家集団(Moving Picture coding Experts Group ;略称:MPEG)による勧告に基づくMPEG2符号化方式によって可変長符号化されている。動画像データには、画像を表すビデオデータと、音声を表す音声データとが含まれる。
【0049】
図3は、MPEG2符号化方式によって符号化される動画像データのプログラムストリームPSの構造を模式的に示す図である。MPEG2システムにおいて、動画像データのプログラムストリームPSは、図3(1)に示すように、パック(pack)Pcと呼ばれる単位に分割されている。このようにプログラムストリームPSがパックPcに分割されていることによって、プログラムストリームPSのランダムアクセス性と、伝送の途中でデータが欠落したときに欠落したデータの復旧可能な障害復旧性とを有する。パックPcは、図3(1)に示すように、パケット(packet)Ptと呼ばれる、パックよりも小さな単位に分割されている。このようにパックPcがパケットPtに分割されていることによって、パックPcと同様のランダムアクセス性および障害復旧性を有する。
【0050】
またパックPcは、パックヘッダPhおよびシステムヘッダShを備える。パックヘッダPhは、動画像データを再生するときに用いられる基準時間情報(
System Clock Reference;略称:SCR)を有する。システムヘッダShは、図3(2)に示すように、システムヘッダ開始コード、映像解像度、音声チャンネル数および音声ビットレートなどの情報を有する。
【0051】
パケットPtは、図3(3)に示すように、パック開始コード、パケット種類、再生時刻、サイズおよびパケットデータなどの情報を有する。前記パケット種類には、Iフレーム、Pフレーム、Bフレーム、音声データおよびシステムデータなどがあり、これによって当該パケットPtがどのような種類であるかを区別可能である。また再生時刻(Presentation Time Stamp ;略称:PTS)は、動画像データを再生するときに、ビデオデータと音声データとの同期を取るために用いられる。
【0052】
図4は、MPEG2符号化方式によって符号化される動画像データにおけるビデオデータVDのデータ構造を模式的に示す図である。動画像データにおけるビデオデータVDは、図4(1)に示すように、シーケンスヘッダSHとピクチャグループ(Group Of Pictures ;略称:GOP)GOP(ピクチャグループに関しては、略称GOPを参照符号としても用いる。)とが、交互に配置されるデータ構造となっている。
【0053】
シーケンスヘッダSHは、図4(2)に示すように、シーケンス開始コード、水平画素数、垂直画素数、フレームレートおよびビットレートなどの情報を有する。フレームレートは、動画像データを再生するときに、後に続くGOPに含まれるフレームを、1秒間に何枚表示させるかを示す。ビットレートは、GOPを符号化したときの、1秒当たりのデータ容量を表す瞬間符号化ビットレートである。
【0054】
フレーム群であるGOPには、図4(3)に示すように、論理的構成と物理的構成とがある。GOPは、フレーム内符号化フレーム(Intra−coded picture ;略称:Iフレーム)と、フレーム間符号化フレーム(Predictive−coded picture;略称:Pフレーム)と、フレーム内挿符号化フレーム(Bidrectionally−coded
picture;略称:Bフレーム)との3種類の静止画像であるフレームを有する。Iフレームは、他のフレームを参照することなく、自分自身の画像情報だけを参照して圧縮符号化されるフレームである。
【0055】
Pフレームは、時間的に過去のIフレームおよびPフレームのうち、最も時間的に近いフレームを参照して差分をとり、その差分情報を用いて圧縮符号化されるフレームである。Bフレームは、時間的に過去のIフレームおよびPフレームのうち、最も時間的に近いフレームと、時間的に未来のIフレームおよびPフレームのうち、最も時間的に近いフレームとを参照して差分をとり、その差分情報を用いて圧縮符号化されるフレームである。本実施の形態において、参照フレームは、PフレームおよびBフレームである。Bフレームは、IフレームおよびPフレームに比べて、他のフレームからの参照度合いが低い。またPフレームは、Iフレームに比べて、他のフレームからの参照度合いが低い。
【0056】
このようにBフレームは、時間的に過去および未来のIフレームおよびPフレームを参照するので、符号化前および復号化後の動画像データにおけるGOPが図4(3)に示すような論理的構成であっても、実際に動画像記録部51に記録されている状態、およびプログラムストリームとなって伝送されている状態では、動画像データは図4(4)に示すような物理的構成となっている。
【0057】
図5は、作業メモリ56のメモリ空間を模式的に示す図である。作業メモリ56には、GOPバッファ領域56a、1stBフラグ記憶領域56b、フレームデータサイズ記憶領域56cおよびその他データサイズ記憶領域56dが設けられる。GOPバッファ56aには、フレームが削除される前の動画像データの1つの物理的構成のGOPが記憶可能である。1stBフラグ記憶領域56bは、GOPバッファ領域56aに記憶されている物理的構成のGOPに対応する論理的構成のGOPにおける先頭の2個のBフレームを削除するか否かを示す1stBフラグ情報が記憶される。フレームデータサイズ記憶領域56cは、GOPバッファ56aに記憶されている、先頭のIフレームを除いた各Bフレームおよび各Pフレームを削除したときに減少するデータ容量が、各Bフレームおよび各Pフレームに対応して記憶される。その他データサイズ記憶領域56dは、Iフレーム、音声データおよびシステムデータなどの削除されないデータの容量が記憶される。
【0058】
図6は、作業メモリ56の各領域56a〜56dの記憶状態の一例を模式的に示す図である。GOPバッファ56aに記憶されているGOPにおいて、S0、S2、S7、SjおよびSlは、制御用のシステムデータを示し、A3およびAkは、音声データを示す。また前記GOPにおいてI1は、Iフレームを示し、P6、Pa、PdおよびPgは、Pフレームを示し、B4、B5、B8、B9、Bb、Bc、Be、Bf、BhおよびBiは、Bフレームを示す。ここでGOPの容量を減らすために、たとえばシステムデータを削除すると、動画像の再生が全くできなくなる。また音声データを削除すると、音飛びと呼ばれる、一時的な音声の途切れが発生する。このような音飛びは、動画像データの視聴者にとって、画像品質の劣化よりも不快な気分にさせる。したがってGOPの容量を減らすために、システムデータおよび音声データを削除しない。
【0059】
1stBフラグ記憶領域56bに記憶されている「1stB:normal」は、GOPバッファ領域56aに記憶されている物理的構成のGOPに対応する論理的構成のGOPにおける先頭の2個のBフレームを削除しないことを示す。また1stBフラグ記憶領域56bに「1stB:削除」が記憶されている場合、GOPバッファ領域56aに記憶されている物理的構成のGOPに対応する論理的構成のGOPにおける先頭の2個のBフレームを削除することを示す。
【0060】
フレームデータサイズ記憶領域56cには、各Bフレームおよび各Pフレームの容量が、バイト単位で記憶されている。その他データサイズ記憶領域56dには、GOPバッファ領域56aに記憶されている物理的構成のGOPからすべてのBフレームおよびPフレームを削除した場合の容量が記憶されている。また作業メモリ56には、GOPバッファ領域56aに記憶されている物理的構成のGOPの容量が記憶される。
【0061】
図7は、動画像伝送装置50における動画像処理方法の手順を示すフローチャートである。ステップs0で動画像処理方法の手順が開始されて、ステップs1に進む。
【0062】
ステップs1では、動画像伝送装置50の削除処理部55は、読出部52を制御して、動画像記録部51に記録されている動画像データのGOPを1つ読込んで、ステップs2に進む。
【0063】
ステップs2では、削除処理部55は、ステップs1で読込んだGOPのデータ構造と、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されている前回読込んだGOPのデータ構成とを比較して、2つのGOPのデータ構成が同じであるか否かを判断する。削除処理部55が、前記2つのデータ構成が同じであると判断するとステップs4に進み、同じでないと判断するとステップs3に進む。またステップs2において、ステップs1で読込んだGOPが動画像データにおいて第1番目のGOPである場合は、ステップs3に進む。ここでデータ構成が同じであるとは、Iフレーム、PフレームおよびBフレームの個数および並び方が、2つのGOPにおいて同じであることを表す。
【0064】
またステップs2では、削除処理部55は、前述の判断の後に、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されている前回読込んだGOPを消去して、ステップs1で読込んだGOPを前記GOPバッファ56aに記憶する。このとき前記GOPバッファ56aは、たとえば図6に示すような記憶状態であるとする。また前回読込んだGOPに基づいて、1stBフラグ情報が作成されており、作業メモリ56の1stBフラグ記憶領域56bに記憶される。またステップs1で読込んだGOPの各Bフレームおよび各Pフレームを削除したときに減少するデータ容量が、各Bフレームおよび各Pフレームに対応して、作業メモリ56のフレームデータサイズ記憶領域56cに記憶される。さらにステップs1で読込んだGOPのIフレーム、音声データおよびシステムデータなどの削除されないデータの容量が、作業メモリ56のその他データサイズ記憶領域56d記憶される。
【0065】
図8は、図7に示す動画像処理方法のステップs3の削除パターン作成の手順を示すフローチャートである。図7に示す動画像処理方法のステップs2において、ステップs1で読込んだGOPのデータ構造と、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されている前回読込んだGOPのデータ構造とが同じでないと判断されてステップs3に進むと、図8に示す削除パターン作成t0の手順が開始されて、ステップt1に進む。
【0066】
ステップt1では、削除処理部55は、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPにおいて、削除するフレームの枚数mを1に設定して、ステップt2に進む。
【0067】
ステップt2では、削除処理部55は、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPからフレームがm枚削除される場合の削除パターンを全て算出して、ステップt3に進む。
【0068】
ステップt3では、削除処理部55は、ステップt2で算出した各削除パターンに関して、それぞれの分散値Sを求めて、ステップt4に進む。分散値Sは、式(1)で表される。また式(1)におけるC(k)は、式(2)で表される。
【0069】
【数1】
【0070】
前式(2)において、Nは、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPに含まれるIフレームの枚数とPフレームの枚数とBフレームの枚数とを合計した枚数である。したがって削除するフレームの枚数mは、1以上、N以下の自然数である。n(k)は、先頭から数えてk番目に削除するフレームの、先頭からのフレーム位置を表す。すなわち式(1)および式(2)は、理想位置と削除位置との差の2乗の和を示している。
【0071】
ステップt4では、削除処理部55は、ステップt3で求めた分散値Sのうち、最も小さい値になる削除パターンを抽出して、ステップt5に進む。
【0072】
図9は、フレーム数N=6のGOPにおいて、2つのBフレームを削除するときの削除パターンを模式的に示す図である。前記GOPは、フレーム数N=6であって、Iフレーム、Bフレーム、Bフレーム、Pフレーム、Bフレーム、Bフレームの順番で並んで構成される。このようなGOPから2つのBフレームを削除する場合、すなわち削除フレーム数m=2の場合の削除パターンは、図9に示すように6パターン存在する。図9において、「I」はIフレームを示し、「P」はPフレームを示し、「B」はBフレームを示し、「*」は削除されるBフレームを示す。
【0073】
第1削除パターンにおいて、k=1番目に削除されるフレームの位置n(1)は5であり、k=2番目に削除されるフレームの位置n(2)=6である。式(1)および式(2)に代入して計算すると、第1削除パターンの分散値Sは、
S=(1/2−5/6)2+(2/2−6/6)2=0.111111
となる。
【0074】
同様にして第2〜第6削除パターンについても計算すると、
第2削除パターンの分散値S=0
第3削除パターンの分散値S=0.0277778
第4削除パターンの分散値S=0.0277778
第5削除パターンの分散値S=0.0555556
第6削除パターンの分散値S=0.27778
となる。このような計算が前述のステップt3で行われる。このとき第2削除パターンの分散値S=0が、6つの削除パターンのうちで最も小さい。したがって前述のステップt4では、第2削除パターンが抽出される。
【0075】
ステップt5では、削除処理部55は、削除するフレームの枚数mに1を加算した(m+1)を、新たな削除するフレームの枚数mに設定して、ステップt6に進む。
【0076】
ステップt6では、削除処理部55は、ステップt5で設定された削除するフレームの枚数mが、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPに含まれるIフレームの枚数とPフレームの枚数とBフレームの枚数とを合計した枚数Nに等しいか否かを判断する。ステップt6において、等しくないと判断されると、ステップt2に戻る。またステップt6において、等しいと判断されると、ステップt7に進み、図7に示す動画像処理方法の手順に復帰して、ステップs4に進む。このようにして各削除枚数mに対応する削除パターンが作成される。作成された削除パターンは、たとえば作業メモリ56に記憶され、GOPの構成が変る度に更新される。
【0077】
図8に示す削除パターン作成の手順において、削除するフレームは、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームが優先的に削除されるように選択される。さらに他のフレームからの参照度合いが低いフレームから順次削除されるように、削除すべきフレームが選択される。したがって作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPにおいて、先にBフレームが順次削除され、全てのBフレームが削除された後にPフレームが順次削除される。またBフレームのうち、たとえば図6のGOPバッファ56aに記憶されているGOPにおいて、フレームBhおよびフレームBiのような、時間的に後方のBフレームから優先的に削除していく。
【0078】
フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを選択するとき、他のフレームからの参照度合いの低い、ここでは、他のフレームから参照されないBフレームの間の距離のばらつきが最小になるように、削除するBフレームを選択する。このような選択は、具体的には、ステップt3およびステップt4において、削除するフレームの位置の理想位置に対する分散値Sが最小となる削除パターンが選択されることによって行われる。
【0079】
またPフレームは、時間的に過去のIフレームまたはPフレームの差分であるので、GOPにおいて時間的に後方のPフレームの方が、パケットロスなどの影響を受け易い。したがって、ステップt4において、分散値Sが似通った削除パターンが複数存在する場合、出来るだけ時間的に後方のBフレームが削除される削除パターンを選択することが好ましい。このような考え方は、どのようなGOP構成にも適用することができる。
【0080】
またGOPに含まれる全フレームの枚数Nを、削除されるべきフレームの枚数mで除したときの商よりも1枚少ない最小削除フレーム間枚数以上のフレームが、削除されるフレームの間に残存するように、削除するフレームを決定するようにしてもよい。これによって、GOPにおいて削除されるフレームの位置が偏よることを防止して、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0081】
図10および図11は、図8に示す削除パターン作成の手順にしたがって求めた削除パターンの一例を模式的に示す図である。図10および図11において、フレームが削除される前のGOPは、図6に示す作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPと同様である。詳細に述べると、削除される前のGOPは、5個のシステムデータS0,S2,S7,Sj,Slと、2個の音声データA3,Akと、1枚のIフレームであるフレームI1と、4枚のPフレームであるフレームP6,Pa,Pd,Pgと、10枚のBフレームであるフレームB4,B5,B8,B9,Bb,Bc,Be,Bf,Bh,Biとを含んで構成される。このときGOPに含まれるIフレームの枚数とPフレームの枚数とBフレームの枚数とを合計した枚数Nは、15である。
【0082】
図10(1)は、削除するフレームの枚数mが1のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(2)は、削除するフレームの枚数mが2のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(3)は、削除するフレームの枚数mが3のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(4)は、削除するフレームの枚数mが4のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(5)は、削除するフレームの枚数mが5のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(6)は、削除するフレームの枚数mが6のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(7)は、削除するフレームの枚数mが7のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(8)は、削除するフレームの枚数mが8のときの削除パターンの一例を示す図である。図10(9)は、削除するフレームの枚数mが9のときの削除パターンの一例を示す図である。
【0083】
図11(1)は、削除するフレームの枚数mが10のときの削除パターンの一例を示す図である。図11(2)は、削除するフレームの枚数mが11のときの削除パターンの一例を示す図である。図11(3)は、削除するフレームの枚数mが12のときの削除パターンの一例を示す図である。図11(4)は、削除するフレームの枚数mが13のときの削除パターンの一例を示す図である。図11(5)は、削除するフレームの枚数mが14のときの削除パターンの一例を示す図である。図11(2)〜図11(5)に示す削除パターンにおいては、最後のPフレームであるフレームPgが削除されている。次のGOPの初めの2つのBフレームは、このPフレームを参照しているので、同時にこれら2つのBフレームも削除しなければならない。このとき作業メモリ56の1stBフラグ記憶領域56bに、「1stB:削除」が記憶される。
【0084】
たとえば図10(6)に示すような削除パターンでは、Bフレームの1つであるフレームBfおよびPフレームの1つであるフレームPgが連続しているにもかかわらず、それらよりも時間的に後方のBフレームが2つ連続で削除されている。これは前述したように、Bフレームよりも先にPフレームを削除してはならないことが原因である。このとき前記フレームPgに関して、本来フレームBhが再生されるべき時間に再生されるように再生時刻を書き換えることによって、この部分のフレームの間隔が平均化され、滑らかに再生できるようになる。このような処理を端末装置60が行ってもよい。
【0085】
図11(2)〜図11(5)に示すような、Pフレームが削除される削除パターンでは、GOPに含まれるPフレームのうち、最も時間的に後方のPフレームは、次に読込まれるGOPに含まれるBフレームのうち、最も時間的に前方の2つのBフレームによって参照される。このような削除パターンとなる場合、削除処理部55は、前述の次に読込まれるGOPの削除パターンを作成するときに、当該GOPに含まれるBフレームのうち、最も時間的に前方の2つのBフレームを削除することを示す「1stB:削除」となる1stBフラグ情報を、作業メモリ56の1stBフラグ記憶領域56bに記憶する。
【0086】
図12は、N=6のときの各削除枚数mに関する削除パターンの一例を模式的に示す図である。図13は、「1stB:削除」が1stBフラグ記憶領域56bに記憶されている、すなわち、直前のGOPに含まれる直前のPフレームが削除されており、参照関係に基づいて初めの2つのBフレームが復元できない場合の、N=6のときの各削除枚数mに関する削除パターンの他の例を模式的に示す図である。図12および図13では、GOPにおいて、Iフレーム、PフレームおよびBフレームだけを示している。このようにGOPの構成によらず、図8に示す削除パターン作成の手順に従って、削除パターンを作成することができる。
【0087】
図7に示す動画像処理方法の手順における比較工程であるステップs4では、削除処理部55は、予め定める閾値であるGOPパラメータsと、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているフレームが削除される前のGOPの容量とを比較して、削除するフレームの枚数mを決定する。ステップs4において、前記GOPの容量が前記GOPパラメータs以下である場合、削除するフレームの枚数mは0(零)とする。またステップs4において、前記GOPの容量が前記GOPパラメータsを超えている場合、前記GOPの容量が前記GOPパラメータs以下となるように、削除するフレームの枚数mを決定する。GOPパラメータの設定に関しては、後述する。
【0088】
削除工程であるステップs5では、ステップs4で決定した削除するフレームの枚数mに対応する削除パターンに従って、作業メモリ56のGOPバッファ56aに記憶されているGOPからフレームを削除して、ステップs6に進む。すなわち削除されるべきフレームの枚数に基づいて、削除するフレームが決定されて、決定されたフレームが削除される。
【0089】
ステップs6では、削除処理部55は、GOPの容量が前記GOPパラメータs以下となったGOPを送信待ちバッファ57に与えて、適宜、端末装置60に送信するように伝送部53を制御して、ステップs7に進む。
【0090】
ステップs7では、削除処理部55は、ステップs1において読込んだGOPが、動画像データにおける最後のGOPであるか否かを判断し、最後のGOPでないと判断するとステップs1に戻り、最後のGOPであると判断するとステップs8に進み、全ての手順を終了する。
【0091】
このように本実施の形態では、図7に示す動画像処理方法の手順において、ステップs1において読込んだGOPが、前回読込んだGOPとデータ構成が同じ場合には、新たに削除パターンを作成することなく、前回読込んだGOPの削除パターンをそのまま適用して、フレームの削除を行う。これによって削除パターン作成による削除処理部55の負荷を大幅に軽減し、動画像処理を高速に行うことができる。また削除処理部55の処理性能が極めて高い場合には、GOPを読込む毎に削除パターンを作成するようにしてもよい。
【0092】
またGOPのフレームを削除するとき、Bフレームだけを削除することと、BフレームおよびPフレームを削除することとを、利用者によって選択させるようにしてもよい。GOPのPフレームまで削除すると、動画像の画像品質が不必要に劣化してしまう恐れがある。
【0093】
Bフレームだけを削除することが選択される場合、削除するフレームの枚数mに対応する削除パターンは、たとえば図10および図11(1)に示される削除パターンとなる。GOPにおいてBフレームを全て削除すると、たとえば図4(2)および図11(1)に示すように、1秒間に再生されるフレームの枚数は10となる。さらにPピクチャを全て削除すると、たとえば図4(2)および図11(5)に示すように、1秒間に再生されるフレームの枚数は2となる。一時的に符号化ビットレートが高くなっても、端末装置60のバッファ62によって、前記ビットレートが高くなった分を吸収するようにすれば、Bピクチャだけを削除することによって、画像品質をある程度確保することが出来る。
【0094】
GOPパラメータsは、削除制御部54によって、伝送元である動画像処理装置50から伝送先である端末装置60への伝送路である通信回線100の伝送速度、および前記端末装置60のバッファ62の空き容量の少なくともいずれか一方に基づいて設定される。一般に動画像データの再生するときのビットレートは可変である。特にMPEG2のプログラムストリームは、平均符号化ビットレートが4メガビット毎秒(以後、単位「メガビット毎秒」を[Mbps]と表記する。)の動画像データでも、一般的に、動画像データを再生するときのビットレートが2[Mbps]〜6[Mbps]程度の範囲で変化する。このように動画像データにおいて、表示される物体の動きの激しいところでは、符号化ビットレートを高くすることによって、滑らかに再生でき、また物体の動きの静かなところでは、符号化ビットレートを低くすることによって、動画像データの容量を小さくできる。
【0095】
したがって動画像伝送装置50が常に一定速度で動画像データを端末装置60に送信していると、端末装置60のバッファ62の空き容量が無くなって動画像データをバッファ62に記憶できなくなるバッファオーバーラン、およびバッファ62に再生に必要な動画像データを記憶できなくなるバッファアンダーランが発生する危険性がある。このような危険性を回避するために、端末装置60から動画像処理装置60に、バッファ62の空き容量をフィードバックして、バッファ62の空き容量に基づいて、動画像伝送装置50の送信速度を制御して、変化させる。
【0096】
ここで送信速度の制御を行わない場合について考える。動画像伝送装置50の伝送部53は、常に一定の送信速度4[Mbps]で動画像データを送信する。端末装置60は、常に一定の速度4[Mbps]で動画像データを受信し、その速度でバッファ62に動画像データを記憶する。
【0097】
端末装置60の動画像データを再生するときのビットレートが、たとえば4[Mbps]であれば、動画像データを再生する速度は、動画像データがバッファ62に記憶される速度と等しく、バッファオーバーランおよびバッファアンダーランは発生しない。
【0098】
端末装置60の動画像データを再生するときのビットレートが、たとえば2[Mbps]である場合、動画像データを再生する速度は、動画像データがバッファ62に記憶される速度よりも遅くなり、この状態がある期間続くと、バッファオーバーランが発生する。このような場合、動画像伝送装置50の伝送部53による動画像データの送信速度を、下げる必要がある。
【0099】
端末装置60の動画像データを再生するときのビットレートが、たとえば6[Mbps]である場合、動画像データを再生する速度は、動画像データがバッファ62に記憶される速度より速くなり、この状態がある期間続くと、バッファアンダーランが発生する。このような場合、動画像伝送装置50の伝送部53による動画像データの送信速度を、上げる必要がある。
【0100】
表1は、端末装置60から動画像伝送装置60に送信されるフィードバック情報を示す表である。
【0101】
【表1】
【0102】
フィードバック情報には、バッファ空き容量、バッファサイズ、最終受信パケット番号およびパケット欠落割合が含まれる。バッファ空き容量は、端末装置60のバッファ62の空き容量を表す。バッファサイズは、前記バッファ62の全記憶容量を表す。最終受信パケット番号は、前記フィードバック情報を動画像伝送装置50に送信するときに受信したパケットの番号を表す。パケット欠落割合は、前記フィードバック情報を動画像伝送装置50に送信するまでに受信した動画像データのパケット総数に対する欠落したパケットの割合を表す。このようなフィードバック情報は、端末装置60から動画像伝送装置50に送信される。フィードバック情報を送信するときの通信プロトコルとして、たとえばリアルタイム転送中にネットワークの状態を監視するときに一般的に用いられるRTCP(Real−Time Transport Control Protocol)を用いてもよい。
【0103】
ここでは、通信回線の通信帯域が2[Mbps]であるとし、端末装置60の動画像を再生するときのビットレートは、4[Mbps]であるとする。また動画像データのフレームレートは、図4(1)に示すような、30フレーム毎秒であるとする。また動画像データのGOPに含まれるIフレーム、PフレームおよびBフレームの総枚数Nは、図6に示すような、15であるとする。この場合、GOP1個分を再生するとき、0.5秒が経過することになる。したがって、この場合、GOPの容量が、GOPパラメータsに等しくなるときには、GOPの送信速度は、
s[byte/GOP] × 8[bit/byte] × 2[GOP/sec] = 16・s[bps]
となる。前式において、[byte/GOP]は、GOP1個当たりの容量(バイト)を示し、[bit/byte]は、1バイト当たりのビット数を示し、[GO P/sec] は、1秒当たりに再生されるGOPの数を示す。また前式において、演算記号「×」および「・」は積の演算記号である。したがって、送信速度を2[Mbps]に下げるときには、GOPパラメータsを128キロバイトにすればよい。このようにGOPパラメータsを128キロバイトに設定にして、前述の図7に示す動画像処理方法の手順を実行することによって、動画像データの各GOPの容量を128キロバイト以下にすることができる。
【0104】
また動画像伝送装置50の動画像データの送信速度は、表1に示すフィードバック情報に含まれるバッファ空き容量およびバッファサイズに基づいて、動画像処理装置50の伝送部53は、送信速度を変化させる。たとえばバッファ空き容量がバッファサイズの5分の1未満であるときは、バッファオーバーラン直前の状態であると推測されるので、動画像処理装置50の伝送部53は、送信速度を20パーセント低くする。またバッファ空き容量がバッファサイズの5分の1以上、5分の2未満であるときは、バッファオーバーランに近い状態であると推測されるので、動画像処理装置50の伝送部53は、送信速度を10パーセント低くする。
【0105】
バッファ空き容量がバッファサイズの5分の2以上、5分の3未満であるときは、端末装置60の動画像データの再生のビットレートと、送信速度とが釣合っていて良好な状態であると推測されるので、動画像処理装置50の伝送部53は、送信速度を変化させない。バッファ空き容量がバッファサイズの5分の3以上、5分の4未満であるときは、バッファアンダーランに近い状態であると推測されるので、動画像処理装置50の伝送部53は、送信速度を10パーセント高くする。バッファ空き容量がバッファサイズの5分の4以上であるときは、バッファアンダーラン直前であると推測されるので、動画像処理装置50の伝送部53は、送信速度を20パーセント高くする。
【0106】
前述の送信速度を高くしたり低くしたりするときの値は、あくまで一例であって、動画像データの符号化ビットレートの可変幅およびバッファサイズなどに基づいて調整してもよい。またバッファ空き容量に基づいて送信速度を変化させているけれども、バッファ空き容量の増減幅に基づいて送信速度を変化させてもよい。さらにN次予測に基づいて、送信速度を変化させてもよいけれども、動画像データの符号化ビットレートの変化は、一般的には数学的に連続でないので、予測が難しい。したがって前述のようにバッファ空き容量およびバッファサイズに基づいて、送信速度を変化させるような単純な方法の方が、計算量も少なくて効果的である。
【0107】
表2は、通信回線の通信帯域が2[Mbps]であるときの、送信速度およびバッファ空き容量に対応して設定されるGOPパラメータsの一例を示す表である。
【0108】
【表2】
【0109】
送信速度が高く、換言すれば再生するときのビットレートが高く、かつバッファ62の空き容量が少ないときは、単位時間当たりに送信可能な動画像データの再生時間を長くする必要があるので、GOPパラメータsを小さめ、たとえばs=128キロバイトに設定する。ただしバッファ62の空き容量が少ないということは、送信速度を制御した結果、送信速度が低くなっている可能性が高いので、送信速度だけでGOPパラメータsを設定してもよい。
【0110】
送信速度は低いけれども、バッファ62の空き容量が少なくないときは、バッファ62の空き容量および通信回線100の通信帯域ともに余裕があるので、GOPパラメータsは、バッファ62の空き容量に比例して増やすようにしてもよい。この場合のGOPパラメータsの設定例として、たとえば「s=128+バッファ空き容量÷2」としてもよい。また表1に示すようなフィードバック情報にパケット欠落割合が含まれる場合、前記パケット欠落割合に基づいて、GOPパラメータsを小さくしてもよい。
【0111】
このようにGOPパラメータsを、伝送元である動画像処理装置50から伝送先である端末装置60への伝送路である通信回線100の伝送速度、および前記端末装置60のバッファ62の空き容量の少なくともいずれか一方に基づいて設定することによって、動画像を再生するときのビットレートが低い状態から高い状態に変化する瞬間の動画像データの画像品質を向上することができる。
【0112】
表3は、動画像記録部51に記録されている動画像データの一覧を示す表である。
【0113】
【表3】
【0114】
表3において、記録開始日時は、動画像データの記録を開始した年月日および時刻を示し、記録終了日時は、前記動画像データの記録を終了した年月日および日時を示し、チャンネルは、前記動画像データを提供した提供元に対応するチャンネル番号を示し、記録内容は、動画像データのタイトルを示す。記録時間は、記録終了日時から記録開始日時を減算した値であり、動画像データを再生開始したから再生終了するまでの時間を示す。使用容量は、動画像記録部51における動画像データの記憶容量を示す。
【0115】
平均符号化ビットレートは、記録時間に対する使用容量に基づいて算出される。たとえば表1に示すような、記録時間3600秒の使用容量が3600メガバイトの動画像データは、1メガバイト毎秒、換言すれば8[Mbps]の平均符号化ビットレートとなる。また記録中の動画像データに関しては、符号化するときに指定する記録ビットレートを、平均符号化ビットレートとする。
【0116】
このようにして求めた平均符号化ビットレートに基づいて、フレームが削除される前の動画像データのGOPの容量を算出してもよい。またフレームが削除される前の動画像データのGOPは、図4(2)に示す、瞬間符号化ビットレートに基づいて算出してもよい。前述の図7に示す動画像処理方法の手順のステップs4では、このようにして算出したフレームが削除される前のGOPの容量とGOPパラメータsをと比較して、削除するフレームの枚数mを決定する。
【0117】
以上のようにしてフレームが削除されたGOPを有する動画像データを、端末装置60が再生するときの処理について、以下に述べる。たとえばフレームが削除される前のフレームレートが30であるGOPを、フレームを削除した結果、フレームレートが20になってしまったGOPを有する動画像データを再生する場合を考える。図3(3)に示すように、それぞれのフレームを構成するパケットは、再生時刻を有しているので、Iフレーム、PフレームおよびBフレームの各フレームの再生時刻と、音声データを構成するパケットの再生時刻とを、端末装置60の計時部66に同期させることによって、削除したフレームによって生じるずれを修正して動画像データを再生することができる。
【0118】
また、たとえば図10(6)で示されるようなGOPは、Bフレームの1つであるフレームBfおよびPフレームの1つであるフレームPgが連続しているにもかかわらず、それらよりも時間的に後方のBフレームが2つ連続で削除されている。このような場合、前述したようにフレームPgの再生時刻を書き換えて、本来フレームBhが再生されるべき時間に再生されるようにすることによって、この部分のフレームの間隔が平均化されて、滑らかに再生できるようになる。このような処理を動画像伝送装置50が行ってもよい。
【0119】
以上のように本実施の形態の動画像伝送装置60および動画像処理方法によれば、可変長ビットレートのMPEG2符号化方式で符号化される動画像に含まれるGOPパラメータsを越える容量となるGOPの容量を前記GOPパラメータs以下にすることによって、動画像データの容量を小さくすることができる。また前記GOPパラメータs以下の容量となるGOPに対しては、当該GOPに含まれるBフレームおよびPフレームを削除しないで、前記GOPパラメータsを越える容量となるGOPに対してだけ、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除するので、動画像データの画像品質の低下を、可及的に少なくすることができる。このように動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各GOPの容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。このような処理が施された動画像データにおいて、全てのGOPの容量は、前記閾値以下になるので、たとえば前記動画像データを動画像伝送装置50から端末装置60に送信するとき、通信回線100の通信速度に対応させてGOPパラメータsを設定して、容量が前記GOPパラメータsを超えるGOPのBフレームおよびPフレームを削除した動画像データを円滑に送信することができる。
【0120】
また前述の図7および図8に示す動画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、コンピュータに読取らせて、記録されるプログラムを実行させて、前述の動画像処理方法を実行させることができる。またフレキシブルディスク(略称:FD)およびコンパクトディスク(略称:CD)などの記録媒体を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができる。またLANおよびインターネットなどの通信回線を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができる。
【0121】
また本実施の形態の動画像伝送装置50の構成から、伝送部53を省略することで、動画像処理装置とすることができる。
【0122】
本実施の形態において、動画像データの符号化方式は、MPEG2符号化方式であるとしたけれども、これに限ることはない。たとえばMPEG1符号化方式およびMPEG4符号化方式においても、MPEG2符号化方式と同様のIフレーム、PフレームおよびBフレームを用いているので、MPEG1符号化方式およびMPEG4符号化方式で符号化される動画像データに、前述の動画像処理を施すことができる。また他の符号化方式であっても、前述のIフレーム、PフレームおよびBフレームを用いている符号化方式であれば、前述の動画像処理を施すことが可能である。
【0123】
図14は、動画像処理方法を実行可能な画像記録再生装置1の構成を示すブロック図である。画像記録再生装置1は、たとえば動画像および音声が含まれる動画像などの経時的に変化するコンテンツを、予め設定される提供時間枠に区切られる提供予定に従って提供する複数の放送局20からのコンテンツを取得し、取得したコンテンツを、画像記録再生装置1に接続される表示装置21に表示させる。また画像記録再生装置1は、取得したコンテンツを記録し、記録されたコンテンツを再生して表示装置21に表示させる。画像記録再生装置1は、画像入出力部2、オンスクリーンディスプレイ生成部3、記録部4、プログラムメモリ5、データメモリ6、指示入力部7、計時部8、通信部9、メモリカード接続部10および中央制御部11を含んで構成される。
【0124】
画像入出力部2は、アナログテレビチューナ2a、ADコンバータ2b、MPEG2エンコーダ2c、MPEG2デコーダ2dおよびDAコンバータ2eを備える。画像入出力部2には、放送局20からのアナログテレビジョン放送電波を受信するためのアンテナ2fが接続される。また画像入出力部2には、たとえばテレビジョン受像装置などで実現される表示装置21および図示しないアナログ方式のビデオテープレコーダ(Video Tape Recorder ;略称:VTR)などに接続可能なアナログ画像出力端子およびアナログ音声出力端子ならびにアナログ画像入力端子およびアナログ音声入力端子が備えられる。以後これらの入力端子および出力端子をまとめて、アナログ入出力端子と表記することがある。
【0125】
各放送局20からのコンテンツは、各放送局20に割り振られたチャンネルに対応する搬送波周波数のアナログテレビジョン放送電波によって提供され、アナログテレビチューナ2aは、選局される放送局20からのアナログテレビジョン放送電波、換言すれば選択されるチャンネルに対応する搬送波周波数のアナログテレビジョン放送電波を、アンテナ2fを介して受信して増幅する。さらにアナログテレビチューナ2aは、受信したアナログテレビジョン放送電波に含まれ、コンテンツを表すアナログコンテンツ信号を抽出する検波を行う。前記アナログテレビチューナ2aによって検波されたアナログコンテンツ信号は、ADコンバータ2aおよびアナログ入出力端子に接続される表示装置21およびVTRに与えられてもよい。コンテンツは、アナログテレビチューナ2aによって、アナログデータとして取得される。
【0126】
ADコンバータ2bは、アナログコンテンツ信号をデジタルコンテンツ信号に変換するアナログ・デジタル(Analog to Digital ;略称:AD)変換を行う。前記アナログコンテンツ信号は、アナログテレビチューナ2aおよびアナログ入出力端子に接続されるVTRから与えられてもよい。前記デジタルコンテンツ信号は、MPEG2エンコーダ2cおよび中央制御部11に与える。コンテンツは、このADコンバータ2bでAD変換されてデジタルデータ化される。
【0127】
MPEG2エンコーダ2cは、MPEG2規格に基づいて、デジタルコンテンツ信号を符号化して、符号化コンテンツ信号を生成する。前記デジタルコンテンツ信号は、ADコンバータ2bから与えられてもよい。前記符号化コンテンツ信号は、中央制御部11を介して、記録部4、通信部9およびメモリカード接続部10に与えられてもよい。コンテンツは、このMPEG2エンコーダ2cで符号化される。
【0128】
MPEG2デコーダ2dは、MPEG2規格で符号化される符号化コンテンツ信号を復号化して、デジタルコンテンツ信号を生成する。前記符号化コンテンツ信号は、記録部4、通信部9およびメモリカード接続部10から与えられてもよい。前記デジタルコンテンツ信号は、DAコンバータ2eに与えられてもよい。コンテンツは、このMPEG2デコーダ2dで複合化され、デジタルデータ化される。
【0129】
DAコンバータ2eは、デジタルコンテンツ信号をアナログコンテンツ信号に変換するデジタル・アナログ(Digital to Analog ;略称:DA)変換を行う。前記デジタルコンテンツ信号は、MPEG2デコーダ2dから与えられてもよい。前記アナログコンテンツ信号は、アナログ入出力端子に接続される表示装置21およびVTRに与えられてもよい。コンテンツは、このDAコンバータ2aでDA変換されてアナログデータ化される。
【0130】
表示装置21は、画像記録装置1からアナログコンテンツ信号によってコンテンツが与えられ、コンテンツである動画像を表示したり、音声を出力したりする。
【0131】
画像入出力部2は、アンテナ2fを介して受信される、放送局20からのデジタルテレビジョン放送電波に含まれ、コンテンツを表すデジタルコンテンツ信号を抽出する検波を行うデジタルテレビチューナを、さらに備えるようにしてもよい。この場合、デジタルコンテンツ信号は、MPEG2規格に基づいて符号化される符号化コンテンツ信号である。前記符号化コンテンツ信号は、MPEG2デコーダ2dに与えられたり、中央制御部11を介して記録部4に与えられるようにしてもよい。このようにデジタルデータとしてコンテンツを取得するようにしてもよい。
【0132】
また画像入出力部2は、たとえばデジタル方式でコンテンツを記録可能なハードディスクレコーダ(Hard Disk Recorder)、パーソナルビデオレコーダ(
Personal Video Recorder ;略称:PVR)およびDVD(Digital Versatile Disk)レコーダなどに接続可能なデジタル画像入出力端子およびデジタル音声入出力端子(以後これらの端子をまとめて「デジタル入出力端子」と表記することがある。)を備えるようにしてもよい。この場合、コンテンツは、デジタルコンテンツ信号によって、デジタル入出力端子に接続されるデジタル方式のビデオレコーダに与えられてもよい。
【0133】
オンスクリーンディスプレイ(On−Screen Display ;略称:OSD)生成部3は、中央制御部11によって制御され、画像入出力部2から表示装置21に出力されるアナログデータ形式のコンテンツに合成して、表示装置21に表示させるための合成データを生成する。
【0134】
記録部4は、たとえばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive ;略称:HDD)などの固定型の磁気記録媒体用いた手段およびデジタル多機能ディスク(Digital Versatile Disk;略称:DVD)などの着脱可能な光記録媒体を用いた手段によって実現される。記録部4は、画像データ記録部4aおよびインデックスデータ記録部4bを有する。画像データ記録部4aには、符号化されたコンテンツが記録される。前記符号化されたコンテンツは、画像入出力部2およびメモリカード接続部10から与えられてもよい。インデックスデータ記録部4bには、前記符号化されたコンテンツの、記録部4における記録アドレス、記録日時、チャンネルおよび符号化ビットレートなどの記録情報、ならびにコンテンツのタイトルなどを含むインデックスが記録される。記録部4は、後述する中央制御部11によって制御される。
【0135】
指示入力部7は、キーボードおよびリモートコントローラ(略称:リモコン)22からのリモコン信号を受信するリモコン受信部などで実現される。指示入力部7は、利用者の入力操作によって、各種入力指令が入力される。
【0136】
プログラムメモリ5は、たとえばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory )およびフラッシュメモリ(flash memory)などの書換え可能な不揮発性メモリで実現される。プログラムメモリ5には、中央制御部11が実行可能な、記録再生制御プログラム5a、画像変換プログラム5b、EPG取得プログラム5c、記録予約制御プログラム5d、キーワード予約制御プログラム5e、おすすめ予約制御プログラム5f、フォトアルバム制御プログラム5g、嗜好データ抽出プログラム5hおよびEPG表示プログラム5iが記憶されている。各プログラム5a〜5iの詳細な説明は後述する。
【0137】
データメモリ6は、たとえばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;略称:RAM)などの揮発性メモリで実現される。データメモリ6は、記録再生予約データ記憶部6a、EPGデータ記憶部6b、キーワードデータ記憶部6cおよび嗜好データ記憶部6dを有する。
【0138】
記録再生予約データ記憶部6aは、放送局20からのコンテンツを記録部4に記録することを予約する記録予約に必要な予約情報を記憶する。キーワードデータ記憶部6cは、指示入力部7から入力された利用者に関する嗜好キーワードを記憶する。嗜好データ記憶部6dは、利用者の利用状況に基づく嗜好データを記憶する。
【0139】
EPGデータ記憶部6bは、インターネット25を介して接続されるEPGサーバ27に蓄積される電子番組案内(Electronic Program Guide;略称:EPG)を記憶する。放送局20は、前記EPGで表され、予め設定される提供時間枠に区切られる提供予定に従って、アナログテレビジョン放送電波を送信することによって、コンテンツを提供する。EPGは、詳細に述べると、搬送波周波数に対応する各チャンネル毎に、各提供時間枠で提供されるコンテンツのタイトル、ジャンル、出演者名などのキーワードを含むインデックスを有する。EPGは、放送局20からのデジタルコンテンツ信号に重畳して画像記録再生装置1に与えるようにしてもよい。この場合、画像入出力部2によって、デジタルコンテンツ信号からEPGが抽出され、抽出されたEPGは、EPGデータ記憶部6bに記憶される。また、EPGは、放送局20からのアナログテレビジョン放送電波における映像信号の垂直帰線区間(Vertical Blanking Interval ;略称:VBI)に重畳して画像記録再生装置1に与えるようにしてもよい。この場合、画像入出力部2によって、映像信号のVBIからEPGが抽出され、抽出されたEPGは、EPGデータ記憶部6bに記憶される。
【0140】
キーワードデータ記憶部6cは、指示入力部7から入力される嗜好キーワードを記憶する。嗜好データ記憶部6dは、嗜好データを記憶する。前記嗜好データは、利用者の利用状況に基づいて設定される。また嗜好データは、指示入力部7から入力されてもよい。嗜好データは、たとえば利用者の興味のあるジャンル、高頻度で記録されるコンテンツのタイトルなどである。
【0141】
計時部8は、たとえばリアルタイムクロック(Real Time Clock ;略称:RTC)で実現される。計時部8は、中央制御部11、プログラムメモリ5およびデータメモリ6の動作の基準となるシステムクロック、ならびに現在時刻などを含むの計時情報を中央制御部11に与える。
【0142】
通信部9は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network;略称:LAN)23を介して第1パーソナルコンピュータ(以後「第1PC」と略して表記する。)24に接続して通信可能である。また通信部9は、インターネット25を介して、第2パーソナルコンピュータ(以後「第2PC」を略して表記する。)26、EPGサーバ27および携帯電話装置28に接続して通信可能である。また通信部9は、LAN23を介して接続される第1PC24が、インターネット25を介して、第2PC26、EPGサーバ27および携帯電話装置28に接続して通信できるようにするゲートウェイ機能およびルーティング機能を有する。第1および第2PC24,25は、それぞれ1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0143】
また通信部9は、インターネット25を介して接続されるパーソナルコンピュータなどの通信端末装置から、不正なデータが入って来ないようにするファイアウォール機能を有するようにしてもよい。またLAN23は、有線であっても無線であってもよい。
【0144】
メモリカード接続部10は、たとえばフラッシュメモリなどの書換え可能な不揮発性メモリを備えるメモリカードを着脱自在にして接続可能である。メモリカード接続部10にメモリカードを装着することによって接続され、中央制御部11による制御によって、メモリカードに記憶されている情報を読出したり、メモリカードに情報を記憶させたりする。メモリカードには、たとえばデジタルスチルカメラによって撮影された静止画像を表すフォトデータが記憶されてもよい。
【0145】
中央制御部11は、たとえば中央演算処理装置(Central Processing Unit ;略称:CPU)で実現され、計時部8からの計時情報に基づいて駆動し、プログラムメモリ5に記憶されている各プログラム5a〜5iを実行して、各種処理を行う。
【0146】
中央制御部11は、記録再生制御プログラム5aを実行することによって、指示入力部7からの入力指令およびデータメモリ6の記録再生予約データ記憶部6aに記憶される予約情報に従って、予約されるコンテンツを取得して画像データ記録部4aに記録するように、画像入出力部2および記録部4を制御する。またこのとき、中央制御部11は、画像データ記録部4aに記録されるコンテンツに関連するインデックスを、インデックスデータ記録部4bに記録するように、記録部4を制御する。また中央制御部11は、記録再生制御プログラム5aを実行することによって、指示入力部7からの、画像データ記録部4aに記録されているコンテンツを再生することを示す入力指令に従って、画像データ記録部4aに記録されているコンテンツを表示装置21に表示および出力させるように、画像入出力部2および記録部4を制御する。このとき記録部4に記録されているコンテンツは、MPEG2デコーダ2dに与えられて復号化され、さらにDAコンバータ2eに与えられてDA変換されて、アナログ入出力端子から表示装置21に与えられる。
【0147】
画像入出力部2がデジタル入出力端子を備えている場合、中央制御部11は、記録再生制御プログラム5aを実行することによって、記録部4に記録されているコンテンツを、DAコンバータ2eを介さずに、デジタル入出力端子に接続されているデジタル方式のビデオレコーダなどに与えるようにしてもよい。
【0148】
中央制御部11は、画像変換プログラム5bを実行することによって、記録部4に記録されているコンテンツに対して、たとえば符号化ビットレートを変更したり、符号化方式をMPEG2からMPEG4に変換したりする画像変換処理を行う。さらに中央制御部11は、記録再生制御プログラム5aを実行することによって、前述のような画像変換処理が施されたコンテンツを記録するように記録部4を制御したり、LAN23を介して接続される第1PC24およびインターネット25を介して接続される第2PC26に与えるように通信部9を制御してもよい。
【0149】
中央制御部11は、EPG取得プログラム5cを実行することによって、インターネット25を介して接続されるEPGサーバ27に蓄積されるEPGを取得するように通信部9を制御するとともに、取得したEPGをデータメモリ6のEPGデータ記憶部6bに記憶する。またEPGが放送局20からのデジタルコンテンツ信号に重畳して画像記録再生装置1に与えられる場合、中央制御部11は、EPG取得プログラム5cを実行することによって、デジタルコンテンツ信号からEPGを抽出するように画像入出力部2を制御するとともに、抽出されたEPGをEPGデータ記憶部6bに記憶する。
【0150】
中央制御部11は、EPG表示プログラム5iを実行することによって、EPGデータ記憶部6bに記憶されているEPGを、利用者が容易に理解できるような一覧表形式に加工して、画像入出力部2から表示装置21に与えられるコンテンツに重畳するようにOSD生成部3を制御する。これによって表示装置21には、EPGの一覧表が重畳されるコンテンツが表示される。
【0151】
利用者がリモコン22および指示入力部7を入力操作して入力指令が入力されると、中央制御部11は、記録予約制御プログラム5dを実行して、表示装置21に表示されている一覧表上にカーソルを形成し、入力指令に応じてカーソルを移動させるようにOSD生成部3を制御する。利用者の入力操作によって所望のコンテンツが指定されると、中央制御部11は、記録予約制御プログラム5dを実行して、EPGデータ記憶部6bに記憶されているEPGに基づいて、指定されたコンテンツの記録開始日時、記録終了日時およびチャンネルなどを含む予約情報を、記録再生予約データ記憶部6aに記憶する。
【0152】
利用者がリモコン22および指示入力部7を入力操作して、コンテンツの記録開始日時、記録終了日時、チャンネル、記録予定画質および記録または視聴の区別などを含む予約情報が入力されると、中央制御部11は、記録予約制御プログラム5dを実行して、前記予約情報を記録再生予約データ記憶部6aに記憶する。利用者が第1PC24、第2PC26および携帯電話装置28を操作して、予約情報を入力して、前記記録予約がLAN23およびインターネット25を介して通信部9に与えられると、中央制御部11は、記録予約制御プログラム5dを実行して、前記記録予約を記録再生予約データ記憶部6aに記憶する。このようにして手動予約が行われる。
【0153】
中央制御部11は、キーワード予約制御プログラム5eを実行することによって、データメモリ6のキーワードデータ記憶部6cに記憶されている嗜好キーワードに基づいて、EPGデータ記憶部6bに記憶されているEPGを検索して、前記嗜好キーワードを含むインデックスに対応するコンテンツを抽出し、前記コンテンツの提供時間枠およびチャンネルなどを含む予約情報を、記録再生予約データ記憶部6aに記憶する。このようにしてキーワード予約が行われる。このとき記録開始日時は、提供時間枠におけるコンテンツの提供開始日時であり、記録終了日時は、提供時間枠におけるコンテンツの提供終了日時である。
【0154】
中央制御部11は、おすすめ予約制御プログラム5fを実行することによって、データメモリ6の嗜好データ記憶部6dに記憶されている嗜好データに基づいて、EPGデータ記憶部6bを検索して、前記嗜好データを含むインデックスに対応するコンテンツを抽出し、前記コンテンツの提供時間枠およびチャンネルなどを含む予約情報を記録再生予約データ記憶部6aに記憶する。このようにして、おすすめ予約が行われる。このとき記録開始日時は、コンテンツの提供時間枠におけるコンテンツの提供開始日時であり、記録終了日時は、提供時間枠におけるコンテンツの提供終了日時である。
【0155】
中央制御部11は、フォトアルバム制御プログラム5gを実行することによって、メモリカード接続部10によって読取られたメモリカードに記憶されているフォトデータを記録部4に記録する。また中央制御部11は、フォトアルバム制御プログラム5gを実行することによって、表示装置21、第1PC24、第2PC26および携帯電話装置28に、記録部4に記録されているフォトデータを一覧表形式で表示できるようなフォトアルバムデータを生成する。このように生成されたフォトアルバムデータは、LAN23を介して接続される第1PC24、ならびにインターネット25を介して接続される第2PC26および携帯電話装置28に与えることができる。
【0156】
中央制御部11は、嗜好データ抽出プログラム5hを実行することによって、利用者の利用状況に基づいて嗜好データを生成して、データメモリ6の嗜好データ記憶部6dに記憶する。この嗜好データは、おすすめ予約が行われるときに用いられる。
【0157】
比較手段および削除手段である中央制御部11は、動画像伝送プログラム5jを実行することによって、前述の図7および図8に示す動画像処理方法を実行することができる。
【0158】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各フレーム群の容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。このような処理が施された動画像データにおいて、全てのフレーム群の容量は、前記閾値以下になるので、たとえば前記動画像データを伝送元から伝送先に伝送するとき、伝送路の伝送速度に対応させて閾値を設定して、容量が前記閾値を超えるフレーム群のフレームを削除した動画像データを円滑に伝送することができる。
【0159】
また本発明によれば、削除されるフレームは、他のフレームからの参照度合いの低いフレームであるので、このようなフレームは、削除されても、他のフレームの復号化における影響の度合いも低いので、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0160】
また本発明によれば、削除されるべきフレームの枚数に基づいて、削除するフレームを決定することによって、このようなフレーム群において削除されるフレームの位置が偏よることを防止して、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0161】
また本発明によれば、フレーム群において削除されるフレームの位置が偏よることを防止して、動画像データの画像品質の低下を少なくすることができる。
【0162】
また本発明によれば、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定される閾値と、前記フレーム群の瞬間符号化ビットレートに基づいて算出されたフレーム群の容量とが比較されるので、比較処理を円滑に行うことができる。
【0163】
また本発明によれば、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定される閾値と、動画像の平均符号化ビットレートに基づいて算出されたフレーム群の容量とが比較されるので、比較処理を円滑に行うことができる。
【0164】
また本発明によれば、動画像データを伝送元から伝送先に伝送するときに、伝送先の伝送された動画像データを処理する速度が、動画像データの伝送速度よりも遅く、バッファが動画像データで満たされてしまって、バッファがさらに伝送されてくる動画像データを蓄積できなくなるバッファオーバーラン、および伝送先の動画像データを処理する速度が、動画像データの伝送速度よりも速く、バッファに動画像データが蓄積されなくなって、伝送先が動画像データを処理できなくなるバッファアンダーランが起こることを確実に防止することができる。
【0165】
また本発明によれば、コンピュータに読取らせて、記録されるプログラムを実行させて、上述の動画像処理方法を実行させることができる。また記録媒体を介して、複数のコンピュータにプログラムを容易に供給することができる。
【0166】
また本発明によれば、動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各フレーム群の容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。このような処理が施された動画像データにおいて、全てのフレーム群の容量は、前記閾値以下になるので、たとえば前記動画像データを伝送元から伝送先に伝送するとき、伝送路の伝送速度に対応させて閾値を設定して、容量が前記閾値を超えるフレーム群のフレームを削除した動画像データを円滑に伝送することができる。
【0167】
また本発明によれば、動画像データの画像品質の低下を可及的に少なくして、各フレーム群の容量を前記閾値以下にして、動画像データの容量を小さくすることができる。このような処理が施された動画像データにおいて、全てのフレーム群の容量は、前記閾値以下になるので、たとえば前記動画像データを伝送元から伝送先に伝送するとき、伝送路の伝送速度に対応させて閾値を設定して、容量が前記閾値を超えるフレーム群のフレームを削除した動画像データを円滑に伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の動画像伝送装置50の構成を示すブロック図である。
【図2】動画像伝送装置50に通信回線100を介して接続される端末装置60の構成を示すブロック図である。
【図3】MPEG2符号化方式によって符号化される動画像データのプログラムストリームPSの構造を模式的に示す図である。
【図4】MPEG2符号化方式によって符号化される動画像データにおけるビデオデータVDのデータ構造を模式的に示す図である。
【図5】作業メモリ56のメモリ空間を模式的に示す図である。
【図6】作業メモリ56の各領域56a〜56dの記憶状態の一例を模式的に示す図である。
【図7】動画像伝送装置50における動画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す動画像処理方法のステップs3の削除パターン作成の手順を示すフローチャートである。
【図9】フレーム数N=6のGOPにおいて、2つのBフレームを削除するときの削除パターンを模式的に示す図である。
【図10】図8に示す削除パターン作成の手順にしたがって求めた削除パターンの一例を模式的に示す図である。
【図11】図8に示す削除パターン作成の手順にしたがって求めた削除パターンの一例を模式的に示す図である。
【図12】N=6のときの各削除枚数mに関する削除パターンの一例を模式的に示す図である。
【図13】「1stB:削除」が1stBフラグ記憶領域56bに記憶されている、すなわち、直前のGOPに含まれる直前のPフレームが削除されており、参照関係に基づいて初めの2つのBフレームが復元できない場合の、N=6のときの各削除枚数mに関する削除パターンの他の例を模式的に示す図である。
【図14】動画像処理方法を実行可能な画像記録再生装置1の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
50 動画像伝送装置
53 伝送部
54 削除制御部
55 削除処理部
60 端末装置
100 通信回線
Claims (10)
- フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とを比較する比較工程と、
前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除して、前記フレーム群の容量を前記閾値以下にする工程であって、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除する削除工程とを含むことを特徴とする動画像処理方法。 - 前記削除工程において、他のフレームからの参照度合いが低いフレームから順次削除することを特徴とする請求項1記載の動画像処理方法。
- 前記削除工程において、削除されるべきフレームの枚数に基づいて、削除するフレームを決定することを特徴とする請求項1または2記載の動画像処理方法。
- フレーム群に含まれる全フレームの枚数を、削除されるべきフレームの枚数で除したときの商よりも1枚少ない最小削除フレーム間枚数以上のフレームが、削除されるフレームの間に残存するように、削除するフレームを決定することを特徴とする請求項3記載の動画像処理方法。
- 閾値は、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定され、
比較工程では、フレーム群の容量を前記フレーム群の瞬間符号化ビットレートに基づいて算出し、前記閾値とフレーム群の容量とを比較することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の動画像処理方法。 - 閾値は、伝送元から伝送先への伝送路の伝送速度に基づいて設定され、
比較工程では、フレーム群の容量を動画像の平均符号化ビットレートに基づいて算出し、前記閾値とフレーム群の容量とを比較することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の動画像処理方法。 - 動画像データを伝送元から、バッファを有する伝送先に伝送する場合に、閾値は前記バッファの空き容量に基づいて設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の動画像処理方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の動画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とを比較する比較手段と、
前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除して、前記フレーム群の容量を前記閾値以下にする手段であって、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除する削除手段とを含むことを特徴とする動画像処理装置。 - フレーム内符号化方式で可変長符号化されるフレーム内符号化フレームと、時間的に過去および未来の少なくともいずれか一方のフレームを参照して可変長符号化される参照フレームとを含むフレーム群を有する動画像データを、伝送路を介して接続される端末装置に伝送する動画像伝送装置であって、
前記動画像データにおけるフレーム群の容量と、予め定める閾値とを比較する比較手段と、
前記閾値を越える容量となるフレーム群に対して、前記閾値と前記フレーム群の容量との差に基づいた枚数のフレームを前記フレーム群から削除して、前記フレーム群の容量を前記閾値以下にする手段であって、フレームの削除による動画像データの画像品質の低下が少ないフレームを優先的に削除する削除手段と、
前記動画像データを伝送路を介して伝送する伝送手段とを含むことを特徴とする動画像伝送装置。
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