JP2004157746A - 過去または将来の、複数の対象物総量の、環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システム、評価・予測・計画・管理方法、およびそのプログラム - Google Patents
過去または将来の、複数の対象物総量の、環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システム、評価・予測・計画・管理方法、およびそのプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の対象物総量が環境に与える環境負荷を評価・予測・計画(目標設定)・管理する。
【解決手段】環境負荷または環境効率を評価する対象期間の入力を受け付け、複数の対象物それぞれの環境負荷量を対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、対象期間における複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得し、取得された環境負荷量に基づいて、対象期間における複数の対象物総量による環境負荷または環境効率の実績値を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】環境負荷または環境効率を評価する対象期間の入力を受け付け、複数の対象物それぞれの環境負荷量を対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、対象期間における複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得し、取得された環境負荷量に基づいて、対象期間における複数の対象物総量による環境負荷または環境効率の実績値を算出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物が環境に与える環境負荷を評価し、または、環境負荷の目標値を算出する過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システム、評価・予測・計画方法、およびそのプログラムに関する。なお、本明細書において、計画とは目標値設定を含む概念である。また、評価・予測・計画・管理とは、評価、予測、計画、または管理に用いることができることを示している。
【0002】
【従来の技術】
1つの製品は、この製品の材料・部品の準備段階、製造段階、流通段階、使用段階、回収段階、および再利用・廃棄段階等のそれぞれの段階(以下、ライフステージ)で環境に対して負荷を与える。そこで、製品のLCA(Life Cycle Assessment)では、1つの製品が各ライフステージで環境に対して与えた環境負荷が、二酸化炭素発生量などの実績値に基づいて定量的に評価されていた。
また、近年、環境と調和した人間社会の持続可能な発展のため地球環境の保全と経済活動との調和が叫ばれている。このような状況の中、環境保全と経済活動とのバランスを評価する指標として、環境効率が提案されている(例えば、非特許文献1)。
また、多世代製品系列全体として環境影響を見積もる手段(例えば、特許文献1)や、部品リユースや材料リサイクルを加味した物作りを実施するに当たり、多世代製品系列の製品集団から発生する環境影響を予測し、評価できるようにして部品リユースや材料リサイクルを実行可能にする手段(例えば、特許文献2)などが開示されている。
しかし、一つの製品、または一つの製品系列だけに対して環境負荷の低減を図ったとしても、ある対象期間においていずれかのライフステージにある、製品総量の環境負荷が、前の対象期間におけるそれに対して、低減されていなければ、企業が環境保全に寄与することはできない。
また、過去の対象期間における製品総量の環境負荷を評価したとしても、将来の対象期間における製品総量の環境負荷の目標を設定し、その環境負荷を予測し、目標達成できるような活動をしなければ、企業は環境保全に寄与する経営を行うことができない。
現在、過去の対象物1台の環境負荷を評価する手段として、ISO14040に基づくLCAがある。
しかし、将来の対象物1台の環境負荷を予測するLCAの手法はない。
また、過去のある対象時期にいずれかのライフステージにある複数の対象製品総量の環境負荷を評価するLCAの手法はない。
さらに、将来のある対象時期にいずれかのライフステージにある複数の対象製品総量の環境負荷を予測するLCAの手法もない。
さらに、将来の対象物1台または上記製品総量の環境負荷の目標値を設定したり、その目標値を達成する為の管理の手法もない。
【0003】
【非特許文献1】http://www.fujixerox.co.jp/release/2002/0603_ecoplan.html
【特許文献1】特開2002−109184号公報
【特許文献2】特開2002−117106号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、過去または将来の、ある対象期間においていずれかのライフステージにある、複数の対象物総量が環境に与える環境負荷または環境効率を評価し、その環境負荷または環境効率を予測し、または、その環境負荷または環境効率の目標値を設定し、その目標を達成する為に管理することができる過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システム、評価・予測・計画・管理方法、およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システム]
上記目的を達成するために、本発明にかかる過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システムは、複数の対象物総量による環境負荷の実績値・予測値・目標値・修正目標値を算出する複数の対象物総量の環境効率または環境負荷評価・予測・計画・管理システムであって、前記複数の対象物それぞれの環境負荷量を、前記対象物それぞれのライフステージに対応させて格納する負荷量データベースと、前記負荷量データベースにアクセスして、前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得する負荷量取得手段と、前記負荷量取得手段により取得された環境負荷量に基づいて、前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する総量算出手段とを有する。
【0006】
好適には、前記総量算出手段により算出された環境負荷と、経営指標とを関連付ける関連付け手段をさらに有する。
【0007】
好適には、環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付ける入力手段をさらに有し、前記負荷量取得手段は、前記対象期間における対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、前記総量算出手段は、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する。
【0008】
また、本発明にかかる評価・予測・計画・管理方法は、複数の対象物総量による環境負荷を算出する環境負荷評価方法であって、コンピュータが環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付け、前記複数の対象物それぞれの環境負荷量を前記対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、コンピュータが、前記対象期間における前記複数の対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、コンピュータが、前記環境負荷量に基づいて、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する。
【0009】
好適には、コンピュータが、さらに、算出された環境負荷を、経営指標に関連付ける。
【0010】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを含む評価・予測・計画・管理システムにおいて、複数の対象物それぞれの環境負荷量を前記対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得する負荷量取得ステップと、前記環境負荷量に基づいて、前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する算出ステップとを前記評価・予測・計画・管理システムのコンピュータに実行させる。
【0011】
好適には、前記算出ステップにより算出された環境負荷と、経営指標とを関連付ける関連付けステップをさらに前記コンピュータに実行させる。
【0012】
好適には、環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付ける期間入力ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記負荷量取得ステップは、前記対象期間における対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、前記算出ステップは、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する。
【0013】
好適には、前記ライフステージは、前記対象物の材料・部品製造段階、製造段階、流通段階、使用段階、回収段階、再利用・廃棄段階を含み、前記負荷量取得ステップは、前記負荷量データベースにアクセスして、少なくとも、前記対象物それぞれの材料・部品を製造するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを製造するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを輸送するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを使用するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを回収する時の環境負荷量、および、前記対象物それぞれを再利用・廃棄する時の環境負荷量を取得する。
【0014】
好適には、前記対象期間における前記対象物の数量を前記対象物のライフステージに対応付けて格納する数量データベースにアクセスして、前記対象期間において前記ライフステージそれぞれに対応する前記対象物の数量を取得する数量取得ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記算出ステップは、前記負荷量取得ステップにより取得された環境負荷量と、前記数量取得ステップにおいて取得された数量とに基づいて、前記環境負荷を算出する。
【0015】
好適には、前記対象物と性能が類似する類似物の環境負荷量の実績値をライフステージに対応付けて格納する実績データベースにアクセスして、前記対象期間に対応するライフステージにおける環境負荷量の実績値を取得する実績値取得ステップと、前記環境負荷量の実績値に基づいて、前記対象物の環境負荷量を算出し、前記負荷量データベースに対して出力する負荷量算出ステップとをさらに前記コンピュータに実行させる。
【0016】
好適には、前記関連付けステップは、前記対象期間の対象物による経営指標と、前記対象物による環境負荷との比を示す環境効率を算出して、環境負荷と経営指標とを関連付け、前記環境効率の目標値の入力を受け付ける環境効率入力ステップと、前記対象期間の対象物による経営指標の目標値の入力を受け付ける売上入力ステップと、前記環境効率入力ステップにより受け付けられた環境効率の目標値と、前記売上入力ステップにより受け付けられた経営指標の目標値とに基づいて基準となる環境負荷を設定する基準設定ステップとをさらに前記コンピュータに実行させる。
【0017】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを含む評価・予測・計画・管理システムにおいて、対象物と性能が類似する類似物の所定のライフステージにおける環境負荷量の実績値を取得する実績値取得ステップと、前記対象物と前記類似物との属性の差異、および、前記類似物の環境負荷の実績値に基づいて、前記対象物の前記ライフステージにおける環境負荷量を算出する負荷量算出ステップとを前記評価・予測・計画・管理システムのコンピュータに実行させる。
【0018】
[用語の説明]
なお、ライフステージとは、環境負荷評価の対象となる対象物(製品等)のライフサイクルにおける各段階のことであり、例えば、対象物の材料を準備する段階、材料の部品を準備する段階、対象物を組み立てる段階、対象物等を輸送する段階、対象物を販売する段階、対象物を使用する段階、対象物を廃棄する段階、および、対象物を再利用する段階等が含まれる。
また、環境負荷とは、対象物が環境に対して与える負荷のことであり、例えば、対象物の材料製造による二酸化炭素発生および化石資源の消費、対象物使用時の電力消費によるエネルギー資源の消費、対象物の使用による消耗品の原料消費、対象物をメンテナンスするための要員移動による自動車の排気、対象物の廃棄(埋立て、焼却等)による大気・水質・土壌汚染等が含まれる。
また、経営指標とは、広義の企業活動による経営状態の変化を示す変数のことであり、例えば、売上高または利益、経常利益、当期利益、総資本回転率、総資産利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)、経費率(OHR)等が含まれる。
また、対象物または類似物の属性とは、対象物または類似物に属する性質のことであり、例えば、対象物または類似物の性能、重量、大きさまたは価格等が含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[背景]
本発明の理解を助けるために、まず、本発明がなされるに至った背景を説明する。
製品のLCAは、この製品の全ライフステージが終了しないと、各ライフステージにおける実績値を得ることができないため、全ライフステージ終了後でないと実施できなかった。そのため、現在、市場に供給されている製品や将来の製品などのライフステージが終了していない製品について、環境負荷を評価することができなかった。
また、製造メーカ等の企業においては、年度単位または四半期単位等の所定の期間(以下、対象期間)ごとに、企業または事業部全体として環境に与える環境負荷を評価・予測・計画したいという要望があった。しかしながら、このような製造メーカは、異なるタイミングで複数の製品を次々と市場に供給する為、それぞれの製品のライフステージが異なる。製品の環境負荷量は、ライフステージによって異なる場合が多く、対象期間中に複数の製品がそれぞれ異なるライフステージにある場合には、環境負荷の総量を評価・予測・計画することが困難であった。
【0020】
また、最近では、売上高または利益等の経営指標とのバランスにおいて、環境負荷を評価したいという要望もでてきている。例えば、売上高または利益と、環境負荷との比を示す環境効率が提案されている。一方で、環境対策は、環境負荷に対して具体的な目標値を設定して行うことが望ましい。しかしながら、LCAは、製品の各ライフステージにおける実績値に基づいて行われるため、現在または将来のライフステージにおける環境負荷を数値化することができず、経営指標との比較や目標値の設定に利用することができなかった。
【0021】
そこで、過去または将来の対象期間ごとの環境負荷を算出する手段として、本発明にかかる環境負荷評価システムは、市場への供給時期が異なる製品群について、それぞれの製品のライフステージに応じた環境負荷量を算出し、それぞれの製品のライフステージ毎の台数を基に、対象期間の環境負荷の実績値を算出する。
また、現在、市場に供給されている製品や将来の製品など環境負荷量の実績値が得られていない製品に対しては、本発明にかかる環境負荷評価システムは、それぞれのライフステージにおける環境負荷とこれを決定するパラメータのモデルを構築し、このパラメータの予測値や目標値を基に、仮想的なLCAを実施して、それぞれのライフステージにおける将来の環境負荷の予測値を算出する。
さらに、経営指標とのバランスにおいて環境負荷を評価する手段として、本発明にかかる環境負荷評価・予測・計画システムは、経営指標の目標値および製品総量の環境効率の目標値に基づいて、基準となる将来の対象期間における製品総量の環境負荷の目標値を算出する。
【0022】
[実施例]
次に、本発明にかかる評価・予測・計画・管理システムの実施例を、具体例を挙げて説明する。なお、本実施例では、評価・予測・計画・管理システムが算出する環境負荷量の一例として、二酸化炭素発生量について説明するが、環境負荷評価システム2は、資源またはエネルギーの消費量、他の地球温暖化ガスの排出量、オゾン層破壊物質の放出量、または、大気・水質・土壌汚染物質の放出量等を算出してもよい。
【0023】
図1は、本発明にかかる環境負荷評価システム2(評価・予測・計画・管理システム)のハードウェア構成を例示する図である。図1に示すように、環境負荷評価システム2は、LCD表示装置あるいはCRT表示装置などのモニタ22、キーボードおよびポインティングデバイスなどの入力装置24、CPU262およびメモリ264などを含む処理装置26、HDD・CD装置などの記録装置28、並びに、通信装置29などから構成される。
【0024】
図2は、環境負荷評価システム2に実行され、本発明にかかる評価・予測・計画・管理方法を実現する環境負荷評価プログラム5の構成を例示する図である。図2に示すように、環境負荷評価プログラム5は、実績値取得部510、負荷量算出部520、負荷量取得部530、数量取得部540、総量算出部550、ユーザ・インタフェース部(以下、UI部)560、目標値予測値算出部570および環境効率算出部580(関連付け手段)から構成される。
また、環境負荷評価プログラム5は、原単位データベース610、環境負荷を決定するパラメータである設計情報のパラメータデータベース620、環境負荷の改善メニューおよび改善効果の改善データベース625、負荷量データベース630、各ライフステージにある製品の数量データベース640、環境効率データベース650、および、経営指標データベース660にアクセスして、データの書込みおよび読出しを行う。
なお、環境負荷評価プログラム5は、例えば記録媒体280を介して制御装置26に供給され、メモリ264にロードされて実行される。また、原単位データベース610、パラメータデータベース620、改善データベース625、負荷量データベース630、数量データベース640、環境効率データベース650、および、経営指標データベース660などの各データベースは、例えばメモリ264または記録装置26の記憶領域を用いて実現される。
【0025】
環境負荷評価プログラム5において、実績値取得部510は、パラメータデータベース620にアクセスして、対象製品に性能が類似する前任機に関する環境負荷の実績値、予測値または目標値のデータ(いずれも二酸化炭素発生量)を取得し、負荷量算出部520に対して出力する。また、環境負荷の予測値の算出が指示された場合には、実績値取得部510は、改善データベース625にアクセスして、対象商品による環境負荷の改善メニューおよび改善効果のデータを取得し、負荷量算出部570に対して出力する。
【0026】
負荷量算出部520は、実績値取得部510から入力された実績データ、原単位データベース610から取得した原単位データ、および、各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値または目標値データ、前任機と比べて改善する予定の環境負荷量を示す改善効果データに基づいて、各ライフステージにおいて対象製品が環境に与える負荷量をそれぞれ算出する。
新製品の環境負荷量を算出する場合、負荷量算出部520は、各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値または目標値を基に、各ライフサイクルにおける環境負荷の予測値1を算出する。上記パラメータの予測値または目標値は、過去の製品の実績値データに基づいて製品の性能値の推移の回帰曲線を求め、この回帰曲線を用いて設定してもよい。
また、負荷量算出部520は、前任機の性能値に基づく各ライスステージにおける環境負荷の実績値と、新製品の改善性能値に基づく各ライフサイクルステージにおける環境負荷の予測値すなわち改善効果データを特定し、前任機とほぼ同一の性能値に関しては前任機の実績データを、前任機と異なる性能値に関しては改善データをそれぞれ適用して環境負荷量の予測値2を算出する。ただし、予測値2が予測値1より大きい場合は、下回る様に新製品の性能の目標値を修正する。
ただし、将来の新製品の各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値および将来の経営指標の目標値を達成すれば、将来の環境効率の目標値が達成できるように、パラメータの目標値を設定しておくことが望ましい。このようにパラメータの目標値設定しておけば、予測値1は目標値になる。
また、材料・部品の準備段階における環境負荷量を算出する場合に、負荷量算出部520は、実績値データに基づいて製品の性能値と環境負荷量との回帰曲線を求め、この回帰曲線を用いて新製品の性能値に対応する目標値を設定し、この目標値に応じた環境負荷量を算出してもよい。たとえば、製品の重量または価格と環境負荷との回帰曲線によって単位重量または単位価格あたりの環境負荷実績値を求め、これに基づいて、対象製品の重量または価格に応じた環境負荷量の目標値を算出してもよい。
なお、対象製品が現在ライフサイクルの途中にある場合には、負荷量算出部520は、終了したライフステージについては、この対象製品の環境負荷の実績値を適用し、終了していないライフステージについては、対象製品のパラメータの予測値または目標値に基づいて算出された環境負荷の予測値1または対象製品の改善データに基づいて算出された環境負荷量の予測値2を適用する。
【0027】
負荷量取得部530は、負荷量データベース630にアクセスして、対象期間に対応するライフステージにおける対象製品の環境負荷量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
数量取得部540は、数量データベース640にアクセスして、対象期間においてそれぞれのライフステージにある対象製品の数量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
総量算出部550は、負荷量取得部530から入力された各対象製品の各ライフステージにおける環境負荷量と、数量取得部540から入力された各ライフステージにある対象製品の数量とに基づいて、対象期間における複数の対象製品により発生する環境負荷を算出し、UI部560に対して出力する。例えば、総量算出部550は、各ライフステージにおける環境負荷量に、このライフステージにある対象製品の数量を掛けた値を、合算して環境負荷を算出する。
【0028】
UI部560は、入力装置24(図1)に対する利用者の操作を受け入れ、対象期間等を受け入れ、総量算出部550により算出された環境負荷をモニタ22(図1)に対して出力し表示させる。
また、UI部560は、利用者から新製品の設計情報に応じた予測値算出の指示を受け付けると、目標値予測値算出部570に対して改善目標率および設計情報に応じた環境負荷の予測値の算出を指示し、算出された環境負荷の予測値をモニタ22に表示する。また、UI部560は、利用者から環境効率および売上高または利益に応じた予測値の算出指示を受け付けると、環境効率算出部580に対して環境効率および売上高または利益に応じた基準となる環境負荷の算出を指示し、算出された基準となる環境負荷の目標値をモニタ22に表示する。
【0029】
目標値予測値算出部570は、UI部560から新製品の設計情報および改善目標率を受け取ると、実績値取得部510から入力された実績データと、新製品の設計情報とに基づいて新製品の各ライフステージにおける環境負荷のパラメータ(予測値または目標値)を算出し、パラメータデータベース620を更新する。負荷量算出部520は、目標値予測値算出部570により算出されたパラメータ(予測値または目標値)に基づいて、新製品の各ライフステージの環境負荷量を算出する。このように将来の新製品の環境負荷の予想値の算出方法を仮想LCAと呼ぶ。
例えば、目標値予測値算出部570は、新製品の設計情報として新製品の性能を受け取った場合、新製品と性能の類似する製品(例えば前任機)のパラメータの実績値を用いて、各ライフステージにおける環境負荷量を特定し、特定された環境負荷量に改善予測率を乗じて各ライフステージにおける環境負荷を決定するパラメータの予測値2を求める。この場合、負荷量算出部520は、将来の新製品の各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値または目標値に基づいて、仮想LCAを実施して、各ライフステージにおける環境負荷の予測値を求め、さらにそれらを加算して、新製品のライフサイクルにおける環境負荷の予測値1を算出する。
ただし、予測値2が予測値1より大きい場合は、下回る様に将来の新製品の性能の目標値を修正する。
【0030】
また、目標値予測値算出部570は、対象期間における環境効率の目標値および売上高または利益の計画値を基に、環境負荷のパラメータの目標値を算出する。
また、目標値予測値算出部570は、予測値2が目標値より大きい場合は、下回る様に将来の新製品の性能の目標値を修正する。
ただし、将来の新製品の各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値および将来の経営指標の目標値を達成すれば、将来の環境効率の目標値が達成できるように、パラメータの目標値を設定しておくことが望ましい。
このようにパラメータの目標値を設定しておけば、予測値1は目標値となる。
【0031】
環境効率算出部580は、環境効率データベース650にアクセスして、環境効率の向上目標を取得し、経営指標データベース660にアクセスして、売上高または利益の目標を取得すると、環境効率の向上目標および売上高または利益の目標に応じた環境負荷目標を算出し、UI部560に対して出力する。また、売上高または利益の目標および環境負荷の目標が取得された場合には、環境効率算出部580は、売上高または利益の目標および環境負荷の目標に基づいて環境効率の目標を算出する。例えば、環境効率算出部580は、(対象製品の売上高または利益)/(対象製品による環境負荷)を(環境効率)と定義して、環境負荷または環境効率を算出する。
なお、環境効率算出部580は、製品単位や製品総量単位の他に、企業単位または事業部単位で環境効率を算出してもよい。また、売上高または利益には、対象製品の売上高または利益、対象製品に使用する消耗品の売上高または利益、および、対象製品の修理の売上高または利益等が含まれる。
このように、環境効率算出部580は、環境負荷と売上高または利益とを関連付ける環境効率を算出し、環境効率の目標設定を可能にする。さらに、環境効率算出部580は、環境効率目標と売上高または利益目標とに基づいて環境負荷の基準値を算出し、環境負荷の具体的な基準値の提示を可能にする。
【0032】
原単位データベース610は、対象製品の材料および部品の準備、製造工程、使用、並びに、廃棄および再利用の各ライフステージにおける環境負荷の原因となる各要素に対応付けて、環境負荷の原単位を格納する。原単位とは、材料、部品または製品の単位量あたりの環境負荷量である。原単位データベース610は、例えば、産業連関表を用いて算出された原単位データを通信装置29(図1)等を介して受信し、環境負荷評価システム2の処理に適した単位に変換して格納する。
図3は、原単位データベース610が格納するテーブルを例示する。図3(A)は、材料および部品の準備段階と、廃棄および再利用段階とに関する原単位を記録した原単位(部品・材料)テーブルを例示し、図3(B)は、対象製品の製造工程に関する原単位を記録した原単位(製造)テーブルを例示し、図3(C)は、対象製品使用時に関する原単位を記録した原単位(使用)テーブルを例示する。
なお、本例は、実績値に関する原単位テーブルであるが、原単位データベース610は、これと同様に、予測値および目標値として算出された原単位テーブルを格納する。
【0033】
図3(A)に例示するように、原単位データベース610は、対象製品を構成する部品または材料に対応付けて、この部品または材料を準備するときの環境負荷の単位量を格納する。本例の環境負荷の単位量(すなわち、原単位)は、部品1個または材料1kgあたりの二酸化炭素発生量である。
図3(B)に例示するように、原単位データベース610は、対象製品を組み立てる工程に対応付けて、この工程を実施するときに発生する環境負荷の単位量を格納する。本例の環境負荷の単位量は、対象製品をたとえば千台組み立てるときの二酸化炭素発生量である。
図3(C)に例示するように、原単位データベース610は、対象製品に対応付けて、この対象製品の材料・部品を製造、対象製品を輸送、使用、回収、再利用、廃棄したときの環境負荷の単位量を格納する。本例の環境負荷の単位量は、対象製品をたとえば1ヶ月間使用した場合の、電力消費により発生する二酸化炭素発生量、対象製品で使用する紙により発生する二酸化炭素発生量、トナー等の消耗品により発生する二酸化炭素発生量、および、対象製品のメンテナンスにより発生する二酸化炭素発生量である。
【0034】
図4は、パラメータデータベース620が格納するパラメータテーブルを例示する。図4に例示するように、パラメータデータベース620は、製品に対応付けて、この製品の各ライフステージにおける環境負荷の実績値、予測値および目標値を格納する。本例では、パラメータデータベース620は、製品1台の材料・部品の準備段階、製造段階、流通段階、使用段階、回収段階、再利用段階および、廃棄段階の二酸化炭素発生量を格納する。
【0035】
改善データベース625は、リプレース、リデュース、リサイクルおよびリユースの各メニュー(改善メニュー)と、これらのメニューを実施した場合の改善効果とを互いに対応付けて各ライフステージ毎に格納する。
【0036】
図5は、負荷量データベース630が格納する負荷量テーブルを例示する。図5に例示するように、負荷量データベース630は、対象製品に対応付けて、この対象製品の各ライフステージにおける環境負荷量を格納する。本例の環境負荷量は、この対象製品1台の材料・部品の準備段階、製造段階、輸送段階、使用段階、回収段階、および、再利用・廃棄段階の二酸化炭素発生量である。
なお、負荷量データベース630に格納される環境負荷量は、負荷量算出部520が原単位データベース610およびパラメータデータベース620に基づいて対象製品に関して算出した数値であり、前任機等について算出された環境負荷量(実績値)、新製品について算出された環境負荷量(予想値1および予測値2)および、新製品について算出された環境負荷量(目標値値)のいずれをも含むが、これらは明確に区別されて管理される。
【0037】
図6は、数量データベース640が格納する数量テーブルを例示する。図6に示すように、数量データベース640は、対象製品に対応付けて、各ライフステージにある対象製品の数量を格納する。本例の場合、数量テーブルは、2002年上期に「製品A」について、材料および部品の準備が30000台分、製造が20000台、設置台数が5000台、廃棄または再利用が0台であることを示す。なお、数量テーブルにおける数値は、過去についての実績データ、将来についての予測データ1および予測データ2および将来についての目標データのいずれでもよいが、これらは明確に区別されて管理される
数量テーブルは、対象期間ごとに作成されて、それぞれ数量データベース640に格納される。
【0038】
図7は、数量データベース640が数量テーブルに基づいて作成したグラフを例示する。図7(A)は、発売時を基準とした時間経過と、対象製品の製造台数とをプロットしたグラフを例示し、図7(B)は、時間経過と、対象製品の設置台数とをプロットしたグラフを例示する。
図7(A)に例示するように、数量データベース640は、対象製品の製造実績量または製造予定量のグラフを作成し、数値データの無い部分のデータをグラフ上から読み出してもよい。また、図7(B)に例示するように、数量データベース640は、対象製品の設置実績量または設置予定量のグラフを作成し、数値データの無い部分のデータをグラフ上から読み出してもよい。このように他のライフステージにおける実績台数または予定台数をグラフ化することにより、数量取得部540は、任意の対象期間について、対象製品の製造数量、流通製品の台数、設置数量、回収台数、再利用台数および廃棄台数を取得することができる。ただし、実績量と予定量は明確に区別され管理される。また、数量データベース640は、本例と同様に、流通台数、回収台数、再利用台数および廃棄台数などのグラフも作成し、数値データの読出しに利用する。
【0039】
環境効率データベース650は、過去の環境効率、および、向上目標に応じて算出された将来の環境効率目標などを、所定の期間(年度、半期等)に対応付けて格納する。
また、経営指標データベース660は、過去の売上高または利益と、将来の売上高目標または利益目標とを、所定の期間(年度、半期等)に対応付けて格納する。
【0040】
次に、環境負荷評価システム2の処理フローを説明する。以下、対象製品が新製品である場合を具体例として説明する。
【0041】
[新製品の環境負荷量の予測値の算出処理]
図8は、環境負荷評価システム2が対象製品(新製品)について環境負荷量を算出する負荷量算出フロー(S10)のフローチャートである。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、環境負荷評価プログラム5は、環境負荷量の予測値算出方法を選択する。すなわち、環境負荷量の予想値は、設計情報と前任機の環境負荷量実績値とに基づいて算出される場合と、環境効率の目標からブレイクダウンして算出される場合とがある。環境負荷評価プログラム5は、設計情報等に基づいて算出する場合には、S102の処理に移行し、環境効率に基づいて算出する場合には、S114の処理に移行する。
ステップ102(S102)において、負荷量算出部520は、入力装置24または記録装置28等を介して、設計情報および改善目標率を取得する。
なお、設計情報は、対象製品の構成ユニットそれぞれの性能(単位時間あたりの印刷枚数、印刷用紙転送速度、トナーカートリッジの容量等)、材料名、部品名および重量などを示す。
ステップ104(S104)において、負荷量算出部520は、実績値取得部510を介して、前任機と対象製品との間で類似する要素に関する環境負荷のパラメータの実績値を取得する。
ステップ106(S106)において、負荷量算出部520は、前任機と対象製品との間で異なる要素(材料、工程等)について、原単位データベース610にアクセスして、原単位データ(対象製品毎の各ライフステージ毎の負荷量。対象製品総量から見れば原単位として扱うことが出来る。)を取得し、取得された原単位データと設計情報(材料名、重量等)とに基づいて、異なる要素の環境負荷量を算出する。
ステップ108(S108)において、負荷量算出部520は、設計情報から、前任機と比べて環境負荷の改善部分(改善メニュー)を抽出し、実績値取得部510を介して、改善部分に対応する改善効率データ(リサイクル部品の増加、消費電力の低減量、保守管理の容易化等に伴う二酸化炭素発生量の減少量)を改善データベース625から取得する。
ステップ110(S110)において、負荷量算出部520は、各ライフステージ毎に、前任機と類似する部分の環境負荷実績値と、原単位データおよび設計情報に基づいて算出した環境負荷量の予測値とを合算し、合算した値に改善目標率を乗じ、これから環境負荷量の改善効率を引いて、対象製品の環境負荷量の予測値を算出する。
ステップ112(S112)において、負荷量算出部520は、算出された対象製品の環境負荷量を、対象製品および各ライフステージに対応付けて負荷量データベース630に書き込む。
【0042】
ステップ114(S114)において、環境効率算出部580は、環境効率データベース650から取得した環境効率目標値を、経営指標データベース660から取得した売上目標値または利益目標値で除して、環境負荷目標を算出し、目標値予測値算出部570に対して出力する。
ステップ116(S116)において、目標値予測値算出部570は、環境負荷目標値を、新製品の各ライフステージに割り当てて、各ライフステージの環境負荷量を決定するパラメータの予測値を算出する。
ステップ118(S118)において、目標値予測値算出部570は、算出されたパラメータの予測値を、パラメータデータベース620に書き込む。
ステップ120(S120)において、負荷量算出部520は、実績値取得部510を介して、パラメータの予測値を取得し、このパラメータの予測値に基づいて、環境負荷量の予測値を算出する。
以上のように、環境負荷評価システム2は、前任機の実績データ、原単位データおよび改善データなどに基づいて、新製品の環境負荷量の予想値を各ライフステージについて算出する。
【0043】
[過去の対象期間の製品総量の環境負荷の算出処理]
図9は、環境負荷評価システム2が対象期間の製品総量の環境負荷量を算出する総量算出フロー(S20)のフローチャートである。
図9に示すように、ステップ200(S200)において、UI部560は、入力装置24(図1)を介して、製品総量の環境負荷の算出を求める対象期間の入力を受け付け、数量取得部540および総量算出部550などに対して製品総量の環境負荷の算出を指示する。
ステップ210(S210)において、負荷量取得部530は、負荷量データベース630にアクセスして、対象期間中にいずれかのライフステージにある製品について環境負荷量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
ステップ220(S220)において、数量取得部540は、数量データベース640にアクセスして、対象期間に各ライフステージにある製品の数量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
ステップ230(S230)において、総量算出部550は、負荷量取得部530から受け取った各ライフステージにおける環境負荷量と、このライフステージにある製品の数量とを乗算して、この製品総量の環境負荷を算出する。
ステップ240(S240)において、環境負荷評価プログラム5は、対象期間中に2種類以上の製品がいずれかのライフステージにある場合には、S210からS230までの処理を繰り返して全ての製品の総量について環境負荷を算出する。
ステップ250(S250)において、総量算出部550は、全ての製品総量について算出された環境負荷を合算し、合算結果を対象期間の製品総量の環境負荷としてUI部560に対して出力する。UI部560は、対象期間の製品総量の環境負荷をモニタ22(図1)に表示する。
以上のように、環境負荷評価システム2は、対象期間中に、材料または部品の準備段階から製品の再利用または廃棄の段階までのいずれかにある製品総量の環境負荷を算出し、企業または事業所または製品総量が対象期間中に発生させる環境負荷として表示する。
【0044】
図10は、総量算出部550が図7に例示した製造台数および設置台数等に基づいて1種類の製品について算出した環境負荷の変化を例示するグラフである。図10に例示するように、総量算出部550は、時間経過と共に変化する製造台数および設置台数などに基づいて、対象期間に応じた環境負荷(二酸化炭素発生量)を算出する。この場合、総量算出部550は、製造台数に「材料・部品の準備段階」および「製造段階」の環境負荷量を掛けて合算し、設置台数に「使用段階」の環境負荷量を掛けて合算する。さらに、総量算出部550は、「廃棄・再利用の段階」の環境負荷量なども併せて、図10に例示する環境負荷を算出する。
【0045】
[来期の製品総量の環境負荷目標設定処理]
図11は、環境負荷評価システム2が環境負荷量総量の目標値を算出する目標算出フロー(S30)のフローチャートである。本フローでは、今期の環境負荷量の実績値および今期売上高または利益などに基づく来期の環境効率目標と、新製品の環境負荷量(予想値)などに基づく来期の環境効率予想とを算出して表示し、利用者に比較・検討を促す。
図11に示すように、ステップ300(S300)において、UI部560は、入力装置24(図1)を介して、目標値を設定する目標値設定期間(来期)の入力と、この目標値設定の比較対象となる比較対象期間(今期)の入力とを受け付ける。
ステップ310(S310)において、総量算出部550は、図9を参照して説明したS20と同様の処理により、目標値設定期間の環境負荷と、比較対象期間の環境負荷とを算出し、環境効率算出部580に対して出力する。
ステップ320(S320)において、環境効率算出部580は、経営指標データベース660にアクセスして、目標値設定期間の売上目標および比較対象期間の売上実績を取得する。
ステップ330(S330)において、環境効率算出部580は、目標値設定期間の売上目標と、目標値設定期間の環境負荷とに基づいて、目標値設定期間の環境効率予想を算出し、UI部580に対して出力する。さらに、環境効率算出部580は、比較対象期間の売上実績と、比較対象期間の環境負荷とに基づいて、比較対象期間の環境効率を算出する。
ステップ340(S340)において、UI部560は、利用者から、環境効率の向上目標の入力を受け付けて、環境効率算出部570に対して出力する。
ステップ350(S350)において、環境効率算出部580は、比較対象期間の環境効率と、環境効率の向上目標とに基づいて、目標値設定期間の環境効率目標を算出し、UI部560に対して出力する。
ステップ360(S360)において、UI部560は、環境効率目標と、環境効率予想とをモニタ22に表示させる。利用者は、環境効率目標と環境効率予想とを比較・検討して、乖離が大きい場合には、環境効率予想を環境効率目標に近づけるように、新製品の設計情報の変更(再利用部品のさらなる適用等)、製品単価の見直し等を行う。
【0046】
設計情報の変更を行う方法の一例としては、利用者は、新製品の各ライフステージについてリデュース、リプレース、リユースおよびリサイクルのいずれかによる環境負荷量の改善効果データと、前任機からの環境負荷改善率の見直しデータとを入力する。環境負荷評価システム2は、利用者により入力された改善効果データおよび環境負荷改善目標率に応じて、新製品の各ライフステージの環境負荷量の目標値を算出する。
【0047】
このように、本発明にかかる環境負荷評価システム2によれば、市場への供給時期が異なる製品群について、それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を算出し、対象期間の環境負荷を算出することができる。また、前任機等の実績値と対象製品の設計情報に基づいて、および環境負荷のパラメータの予測値または計画値に基づいて、仮想的なLCAを実施し、将来のそれぞれのライフステージにおける環境負荷量の予測値を算出することができる。
また、環境負荷評価システム2によれば、売上高または利益等の経営指標の目標値および環境効率の目標値に基づいて、基準となる環境負荷の目標値を算出することができる。これによって、ライフサイクルにおける環境負荷量の予測値と目標値を比較することができる。環境負荷量の予測値が目標値より大きい場合は、下回る様に、設計性能やパラメータを修正することで将来の環境負荷を管理することができる。
【0048】
[変形例]
なお、環境負荷評価システム2は、製品系列全体のライフサイクルの途中である対象期間の、製品総量の環境負荷の目標値と環境負荷の実績値とを比較し、次の対象期間の製品総量の環境負荷目標値の見直しを行ってもよい。
実績値取得部510は、パラメータデータベース620に対象製品系列全体のライフサイクル中の所定のライフステージについての環境負荷実績値が新たに格納されたことを検知すると、格納された環境負荷実績値と、この環境負荷実績値に対応する対象製品名とを取得し、目標値予測値算出部570に対して出力する。目標値予測値算出部570は、この環境負荷実績値が入力される前にこの対象製品系列全体について算出した環境負荷目標値と、入力された環境負荷実績値とを比較し、環境負荷実績値が環境負荷目標値を超える値に基づいて、このライフステージより後の対象製品系列全体のライフステージの環境負荷目標値を補正する。すなわち、目標値予測値算出部570は、対象製品系列全体の現在までの環境負荷実績値により環境負荷目標値を達成できなかった分を、今後の対象製品系列全体のライフステージにおいて相殺できるように環境負荷目標値を補正する。具体的にはより環境負荷の少ない新製品の投入、環境負荷の少ない製品の拡販、環境負荷の少ない製造方法への切り替え、環境負荷の少ない物流方法への切り替え、環境負荷を少なくする再利用製品の増加などを行う。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる過去または将来の、複数の対象物総量の、環境効率または環境負荷の評価・予測・計画(目標値設定)・管理システム、環境負荷評価・予測・計画(目標値設定)・管理方法、およびそのプログラムによると、ある対象期間にいずれかのライフステージにある複数の対象物総量が環境に与える環境負荷を評価・予測・計画(目標値設定)・管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる環境負荷評価システム2のハードウェア構成を例示する図である。
【図2】環境負荷評価プログラム5の構成を例示する図である。
【図3】、原単位データベース610が格納するテーブルを例示する図である。(A)は、材料および部品の準備段階と、廃棄および再利用段階とに関する原単位を記録した原単位(部品・材料)テーブルを例示し、(B)は、対象製品の製造工程に関する原単位を記録した原単位(製造)テーブルを例示し、(C)は、対象製品使用時に関する原単位を記録した原単位(使用)テーブルを例示する図である。
【図4】パラメータデータベース620が格納するパラメータテーブルを例示する図である。
【図5】負荷量データベース630が格納する負荷量テーブルを例示する図である。
【図6】数値データベース640が格納する数値テーブルを例示する図である。
【図7】数値データベース640が数値テーブルに基づいて作成したグラフを例示する図である。(A)は、発売時を基準とした時間経過と、対象製品の製造台数とをプロットしたグラフを例示し、(B)は、時間経過と、対象製品の設置台数とをプロットしたグラフを例示する図である。
【図8】環境負荷評価システム2が対象製品(新製品)について環境負荷量を算出する負荷量算出フロー(S10)のフローチャートである。
【図9】
環境負荷評価システム2が対象期間の環境負荷量総量を算出する総量算出フロ
ー(S20)のフローチャートである。
【図10】
総量算出部550が図7に例示した製造台数および設置台数等に基づいて1種
類の製品について算出した環境負荷の変化を例示するグラフである。
【図11】
環境負荷評価システム2が環境負荷量総量の目標値を算出する目標算出フロー(S30)のフローチャートである。
【符号の説明】
2・・・環境負荷評価システム
22・・・モニタ
24・・・入力装置
26・・・処理装置
262・・・CPU
264・・・メモリ
28・・・記録装置
280・・・記録媒体
29・・・通信装置
5・・・環境負荷評価プログラム
510・・・実績値取得部
520・・・負荷量算出部
530・・・負荷量取得部
540・・・数量取得部
550・・・総量算出部
560・・・ユーザ・インタフェース部
570・・・目標値予測値算出部
580・・・環境効率算出部
610・・・原単位データベース
620・・・パラメータデータベース
625・・・改善データベース
630・・・負荷量データベース
640・・・数量データベース
650・・・環境効率データベース
660・・・経営指標データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物が環境に与える環境負荷を評価し、または、環境負荷の目標値を算出する過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システム、評価・予測・計画方法、およびそのプログラムに関する。なお、本明細書において、計画とは目標値設定を含む概念である。また、評価・予測・計画・管理とは、評価、予測、計画、または管理に用いることができることを示している。
【0002】
【従来の技術】
1つの製品は、この製品の材料・部品の準備段階、製造段階、流通段階、使用段階、回収段階、および再利用・廃棄段階等のそれぞれの段階(以下、ライフステージ)で環境に対して負荷を与える。そこで、製品のLCA(Life Cycle Assessment)では、1つの製品が各ライフステージで環境に対して与えた環境負荷が、二酸化炭素発生量などの実績値に基づいて定量的に評価されていた。
また、近年、環境と調和した人間社会の持続可能な発展のため地球環境の保全と経済活動との調和が叫ばれている。このような状況の中、環境保全と経済活動とのバランスを評価する指標として、環境効率が提案されている(例えば、非特許文献1)。
また、多世代製品系列全体として環境影響を見積もる手段(例えば、特許文献1)や、部品リユースや材料リサイクルを加味した物作りを実施するに当たり、多世代製品系列の製品集団から発生する環境影響を予測し、評価できるようにして部品リユースや材料リサイクルを実行可能にする手段(例えば、特許文献2)などが開示されている。
しかし、一つの製品、または一つの製品系列だけに対して環境負荷の低減を図ったとしても、ある対象期間においていずれかのライフステージにある、製品総量の環境負荷が、前の対象期間におけるそれに対して、低減されていなければ、企業が環境保全に寄与することはできない。
また、過去の対象期間における製品総量の環境負荷を評価したとしても、将来の対象期間における製品総量の環境負荷の目標を設定し、その環境負荷を予測し、目標達成できるような活動をしなければ、企業は環境保全に寄与する経営を行うことができない。
現在、過去の対象物1台の環境負荷を評価する手段として、ISO14040に基づくLCAがある。
しかし、将来の対象物1台の環境負荷を予測するLCAの手法はない。
また、過去のある対象時期にいずれかのライフステージにある複数の対象製品総量の環境負荷を評価するLCAの手法はない。
さらに、将来のある対象時期にいずれかのライフステージにある複数の対象製品総量の環境負荷を予測するLCAの手法もない。
さらに、将来の対象物1台または上記製品総量の環境負荷の目標値を設定したり、その目標値を達成する為の管理の手法もない。
【0003】
【非特許文献1】http://www.fujixerox.co.jp/release/2002/0603_ecoplan.html
【特許文献1】特開2002−109184号公報
【特許文献2】特開2002−117106号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、過去または将来の、ある対象期間においていずれかのライフステージにある、複数の対象物総量が環境に与える環境負荷または環境効率を評価し、その環境負荷または環境効率を予測し、または、その環境負荷または環境効率の目標値を設定し、その目標を達成する為に管理することができる過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システム、評価・予測・計画・管理方法、およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システム]
上記目的を達成するために、本発明にかかる過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画・管理システムは、複数の対象物総量による環境負荷の実績値・予測値・目標値・修正目標値を算出する複数の対象物総量の環境効率または環境負荷評価・予測・計画・管理システムであって、前記複数の対象物それぞれの環境負荷量を、前記対象物それぞれのライフステージに対応させて格納する負荷量データベースと、前記負荷量データベースにアクセスして、前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得する負荷量取得手段と、前記負荷量取得手段により取得された環境負荷量に基づいて、前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する総量算出手段とを有する。
【0006】
好適には、前記総量算出手段により算出された環境負荷と、経営指標とを関連付ける関連付け手段をさらに有する。
【0007】
好適には、環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付ける入力手段をさらに有し、前記負荷量取得手段は、前記対象期間における対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、前記総量算出手段は、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する。
【0008】
また、本発明にかかる評価・予測・計画・管理方法は、複数の対象物総量による環境負荷を算出する環境負荷評価方法であって、コンピュータが環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付け、前記複数の対象物それぞれの環境負荷量を前記対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、コンピュータが、前記対象期間における前記複数の対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、コンピュータが、前記環境負荷量に基づいて、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する。
【0009】
好適には、コンピュータが、さらに、算出された環境負荷を、経営指標に関連付ける。
【0010】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを含む評価・予測・計画・管理システムにおいて、複数の対象物それぞれの環境負荷量を前記対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得する負荷量取得ステップと、前記環境負荷量に基づいて、前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する算出ステップとを前記評価・予測・計画・管理システムのコンピュータに実行させる。
【0011】
好適には、前記算出ステップにより算出された環境負荷と、経営指標とを関連付ける関連付けステップをさらに前記コンピュータに実行させる。
【0012】
好適には、環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付ける期間入力ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記負荷量取得ステップは、前記対象期間における対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、前記算出ステップは、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する。
【0013】
好適には、前記ライフステージは、前記対象物の材料・部品製造段階、製造段階、流通段階、使用段階、回収段階、再利用・廃棄段階を含み、前記負荷量取得ステップは、前記負荷量データベースにアクセスして、少なくとも、前記対象物それぞれの材料・部品を製造するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを製造するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを輸送するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを使用するときの環境負荷量、前記対象物それぞれを回収する時の環境負荷量、および、前記対象物それぞれを再利用・廃棄する時の環境負荷量を取得する。
【0014】
好適には、前記対象期間における前記対象物の数量を前記対象物のライフステージに対応付けて格納する数量データベースにアクセスして、前記対象期間において前記ライフステージそれぞれに対応する前記対象物の数量を取得する数量取得ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記算出ステップは、前記負荷量取得ステップにより取得された環境負荷量と、前記数量取得ステップにおいて取得された数量とに基づいて、前記環境負荷を算出する。
【0015】
好適には、前記対象物と性能が類似する類似物の環境負荷量の実績値をライフステージに対応付けて格納する実績データベースにアクセスして、前記対象期間に対応するライフステージにおける環境負荷量の実績値を取得する実績値取得ステップと、前記環境負荷量の実績値に基づいて、前記対象物の環境負荷量を算出し、前記負荷量データベースに対して出力する負荷量算出ステップとをさらに前記コンピュータに実行させる。
【0016】
好適には、前記関連付けステップは、前記対象期間の対象物による経営指標と、前記対象物による環境負荷との比を示す環境効率を算出して、環境負荷と経営指標とを関連付け、前記環境効率の目標値の入力を受け付ける環境効率入力ステップと、前記対象期間の対象物による経営指標の目標値の入力を受け付ける売上入力ステップと、前記環境効率入力ステップにより受け付けられた環境効率の目標値と、前記売上入力ステップにより受け付けられた経営指標の目標値とに基づいて基準となる環境負荷を設定する基準設定ステップとをさらに前記コンピュータに実行させる。
【0017】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを含む評価・予測・計画・管理システムにおいて、対象物と性能が類似する類似物の所定のライフステージにおける環境負荷量の実績値を取得する実績値取得ステップと、前記対象物と前記類似物との属性の差異、および、前記類似物の環境負荷の実績値に基づいて、前記対象物の前記ライフステージにおける環境負荷量を算出する負荷量算出ステップとを前記評価・予測・計画・管理システムのコンピュータに実行させる。
【0018】
[用語の説明]
なお、ライフステージとは、環境負荷評価の対象となる対象物(製品等)のライフサイクルにおける各段階のことであり、例えば、対象物の材料を準備する段階、材料の部品を準備する段階、対象物を組み立てる段階、対象物等を輸送する段階、対象物を販売する段階、対象物を使用する段階、対象物を廃棄する段階、および、対象物を再利用する段階等が含まれる。
また、環境負荷とは、対象物が環境に対して与える負荷のことであり、例えば、対象物の材料製造による二酸化炭素発生および化石資源の消費、対象物使用時の電力消費によるエネルギー資源の消費、対象物の使用による消耗品の原料消費、対象物をメンテナンスするための要員移動による自動車の排気、対象物の廃棄(埋立て、焼却等)による大気・水質・土壌汚染等が含まれる。
また、経営指標とは、広義の企業活動による経営状態の変化を示す変数のことであり、例えば、売上高または利益、経常利益、当期利益、総資本回転率、総資産利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)、経費率(OHR)等が含まれる。
また、対象物または類似物の属性とは、対象物または類似物に属する性質のことであり、例えば、対象物または類似物の性能、重量、大きさまたは価格等が含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[背景]
本発明の理解を助けるために、まず、本発明がなされるに至った背景を説明する。
製品のLCAは、この製品の全ライフステージが終了しないと、各ライフステージにおける実績値を得ることができないため、全ライフステージ終了後でないと実施できなかった。そのため、現在、市場に供給されている製品や将来の製品などのライフステージが終了していない製品について、環境負荷を評価することができなかった。
また、製造メーカ等の企業においては、年度単位または四半期単位等の所定の期間(以下、対象期間)ごとに、企業または事業部全体として環境に与える環境負荷を評価・予測・計画したいという要望があった。しかしながら、このような製造メーカは、異なるタイミングで複数の製品を次々と市場に供給する為、それぞれの製品のライフステージが異なる。製品の環境負荷量は、ライフステージによって異なる場合が多く、対象期間中に複数の製品がそれぞれ異なるライフステージにある場合には、環境負荷の総量を評価・予測・計画することが困難であった。
【0020】
また、最近では、売上高または利益等の経営指標とのバランスにおいて、環境負荷を評価したいという要望もでてきている。例えば、売上高または利益と、環境負荷との比を示す環境効率が提案されている。一方で、環境対策は、環境負荷に対して具体的な目標値を設定して行うことが望ましい。しかしながら、LCAは、製品の各ライフステージにおける実績値に基づいて行われるため、現在または将来のライフステージにおける環境負荷を数値化することができず、経営指標との比較や目標値の設定に利用することができなかった。
【0021】
そこで、過去または将来の対象期間ごとの環境負荷を算出する手段として、本発明にかかる環境負荷評価システムは、市場への供給時期が異なる製品群について、それぞれの製品のライフステージに応じた環境負荷量を算出し、それぞれの製品のライフステージ毎の台数を基に、対象期間の環境負荷の実績値を算出する。
また、現在、市場に供給されている製品や将来の製品など環境負荷量の実績値が得られていない製品に対しては、本発明にかかる環境負荷評価システムは、それぞれのライフステージにおける環境負荷とこれを決定するパラメータのモデルを構築し、このパラメータの予測値や目標値を基に、仮想的なLCAを実施して、それぞれのライフステージにおける将来の環境負荷の予測値を算出する。
さらに、経営指標とのバランスにおいて環境負荷を評価する手段として、本発明にかかる環境負荷評価・予測・計画システムは、経営指標の目標値および製品総量の環境効率の目標値に基づいて、基準となる将来の対象期間における製品総量の環境負荷の目標値を算出する。
【0022】
[実施例]
次に、本発明にかかる評価・予測・計画・管理システムの実施例を、具体例を挙げて説明する。なお、本実施例では、評価・予測・計画・管理システムが算出する環境負荷量の一例として、二酸化炭素発生量について説明するが、環境負荷評価システム2は、資源またはエネルギーの消費量、他の地球温暖化ガスの排出量、オゾン層破壊物質の放出量、または、大気・水質・土壌汚染物質の放出量等を算出してもよい。
【0023】
図1は、本発明にかかる環境負荷評価システム2(評価・予測・計画・管理システム)のハードウェア構成を例示する図である。図1に示すように、環境負荷評価システム2は、LCD表示装置あるいはCRT表示装置などのモニタ22、キーボードおよびポインティングデバイスなどの入力装置24、CPU262およびメモリ264などを含む処理装置26、HDD・CD装置などの記録装置28、並びに、通信装置29などから構成される。
【0024】
図2は、環境負荷評価システム2に実行され、本発明にかかる評価・予測・計画・管理方法を実現する環境負荷評価プログラム5の構成を例示する図である。図2に示すように、環境負荷評価プログラム5は、実績値取得部510、負荷量算出部520、負荷量取得部530、数量取得部540、総量算出部550、ユーザ・インタフェース部(以下、UI部)560、目標値予測値算出部570および環境効率算出部580(関連付け手段)から構成される。
また、環境負荷評価プログラム5は、原単位データベース610、環境負荷を決定するパラメータである設計情報のパラメータデータベース620、環境負荷の改善メニューおよび改善効果の改善データベース625、負荷量データベース630、各ライフステージにある製品の数量データベース640、環境効率データベース650、および、経営指標データベース660にアクセスして、データの書込みおよび読出しを行う。
なお、環境負荷評価プログラム5は、例えば記録媒体280を介して制御装置26に供給され、メモリ264にロードされて実行される。また、原単位データベース610、パラメータデータベース620、改善データベース625、負荷量データベース630、数量データベース640、環境効率データベース650、および、経営指標データベース660などの各データベースは、例えばメモリ264または記録装置26の記憶領域を用いて実現される。
【0025】
環境負荷評価プログラム5において、実績値取得部510は、パラメータデータベース620にアクセスして、対象製品に性能が類似する前任機に関する環境負荷の実績値、予測値または目標値のデータ(いずれも二酸化炭素発生量)を取得し、負荷量算出部520に対して出力する。また、環境負荷の予測値の算出が指示された場合には、実績値取得部510は、改善データベース625にアクセスして、対象商品による環境負荷の改善メニューおよび改善効果のデータを取得し、負荷量算出部570に対して出力する。
【0026】
負荷量算出部520は、実績値取得部510から入力された実績データ、原単位データベース610から取得した原単位データ、および、各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値または目標値データ、前任機と比べて改善する予定の環境負荷量を示す改善効果データに基づいて、各ライフステージにおいて対象製品が環境に与える負荷量をそれぞれ算出する。
新製品の環境負荷量を算出する場合、負荷量算出部520は、各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値または目標値を基に、各ライフサイクルにおける環境負荷の予測値1を算出する。上記パラメータの予測値または目標値は、過去の製品の実績値データに基づいて製品の性能値の推移の回帰曲線を求め、この回帰曲線を用いて設定してもよい。
また、負荷量算出部520は、前任機の性能値に基づく各ライスステージにおける環境負荷の実績値と、新製品の改善性能値に基づく各ライフサイクルステージにおける環境負荷の予測値すなわち改善効果データを特定し、前任機とほぼ同一の性能値に関しては前任機の実績データを、前任機と異なる性能値に関しては改善データをそれぞれ適用して環境負荷量の予測値2を算出する。ただし、予測値2が予測値1より大きい場合は、下回る様に新製品の性能の目標値を修正する。
ただし、将来の新製品の各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値および将来の経営指標の目標値を達成すれば、将来の環境効率の目標値が達成できるように、パラメータの目標値を設定しておくことが望ましい。このようにパラメータの目標値設定しておけば、予測値1は目標値になる。
また、材料・部品の準備段階における環境負荷量を算出する場合に、負荷量算出部520は、実績値データに基づいて製品の性能値と環境負荷量との回帰曲線を求め、この回帰曲線を用いて新製品の性能値に対応する目標値を設定し、この目標値に応じた環境負荷量を算出してもよい。たとえば、製品の重量または価格と環境負荷との回帰曲線によって単位重量または単位価格あたりの環境負荷実績値を求め、これに基づいて、対象製品の重量または価格に応じた環境負荷量の目標値を算出してもよい。
なお、対象製品が現在ライフサイクルの途中にある場合には、負荷量算出部520は、終了したライフステージについては、この対象製品の環境負荷の実績値を適用し、終了していないライフステージについては、対象製品のパラメータの予測値または目標値に基づいて算出された環境負荷の予測値1または対象製品の改善データに基づいて算出された環境負荷量の予測値2を適用する。
【0027】
負荷量取得部530は、負荷量データベース630にアクセスして、対象期間に対応するライフステージにおける対象製品の環境負荷量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
数量取得部540は、数量データベース640にアクセスして、対象期間においてそれぞれのライフステージにある対象製品の数量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
総量算出部550は、負荷量取得部530から入力された各対象製品の各ライフステージにおける環境負荷量と、数量取得部540から入力された各ライフステージにある対象製品の数量とに基づいて、対象期間における複数の対象製品により発生する環境負荷を算出し、UI部560に対して出力する。例えば、総量算出部550は、各ライフステージにおける環境負荷量に、このライフステージにある対象製品の数量を掛けた値を、合算して環境負荷を算出する。
【0028】
UI部560は、入力装置24(図1)に対する利用者の操作を受け入れ、対象期間等を受け入れ、総量算出部550により算出された環境負荷をモニタ22(図1)に対して出力し表示させる。
また、UI部560は、利用者から新製品の設計情報に応じた予測値算出の指示を受け付けると、目標値予測値算出部570に対して改善目標率および設計情報に応じた環境負荷の予測値の算出を指示し、算出された環境負荷の予測値をモニタ22に表示する。また、UI部560は、利用者から環境効率および売上高または利益に応じた予測値の算出指示を受け付けると、環境効率算出部580に対して環境効率および売上高または利益に応じた基準となる環境負荷の算出を指示し、算出された基準となる環境負荷の目標値をモニタ22に表示する。
【0029】
目標値予測値算出部570は、UI部560から新製品の設計情報および改善目標率を受け取ると、実績値取得部510から入力された実績データと、新製品の設計情報とに基づいて新製品の各ライフステージにおける環境負荷のパラメータ(予測値または目標値)を算出し、パラメータデータベース620を更新する。負荷量算出部520は、目標値予測値算出部570により算出されたパラメータ(予測値または目標値)に基づいて、新製品の各ライフステージの環境負荷量を算出する。このように将来の新製品の環境負荷の予想値の算出方法を仮想LCAと呼ぶ。
例えば、目標値予測値算出部570は、新製品の設計情報として新製品の性能を受け取った場合、新製品と性能の類似する製品(例えば前任機)のパラメータの実績値を用いて、各ライフステージにおける環境負荷量を特定し、特定された環境負荷量に改善予測率を乗じて各ライフステージにおける環境負荷を決定するパラメータの予測値2を求める。この場合、負荷量算出部520は、将来の新製品の各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値または目標値に基づいて、仮想LCAを実施して、各ライフステージにおける環境負荷の予測値を求め、さらにそれらを加算して、新製品のライフサイクルにおける環境負荷の予測値1を算出する。
ただし、予測値2が予測値1より大きい場合は、下回る様に将来の新製品の性能の目標値を修正する。
【0030】
また、目標値予測値算出部570は、対象期間における環境効率の目標値および売上高または利益の計画値を基に、環境負荷のパラメータの目標値を算出する。
また、目標値予測値算出部570は、予測値2が目標値より大きい場合は、下回る様に将来の新製品の性能の目標値を修正する。
ただし、将来の新製品の各ライフステージの環境負荷を決定するパラメータの予測値および将来の経営指標の目標値を達成すれば、将来の環境効率の目標値が達成できるように、パラメータの目標値を設定しておくことが望ましい。
このようにパラメータの目標値を設定しておけば、予測値1は目標値となる。
【0031】
環境効率算出部580は、環境効率データベース650にアクセスして、環境効率の向上目標を取得し、経営指標データベース660にアクセスして、売上高または利益の目標を取得すると、環境効率の向上目標および売上高または利益の目標に応じた環境負荷目標を算出し、UI部560に対して出力する。また、売上高または利益の目標および環境負荷の目標が取得された場合には、環境効率算出部580は、売上高または利益の目標および環境負荷の目標に基づいて環境効率の目標を算出する。例えば、環境効率算出部580は、(対象製品の売上高または利益)/(対象製品による環境負荷)を(環境効率)と定義して、環境負荷または環境効率を算出する。
なお、環境効率算出部580は、製品単位や製品総量単位の他に、企業単位または事業部単位で環境効率を算出してもよい。また、売上高または利益には、対象製品の売上高または利益、対象製品に使用する消耗品の売上高または利益、および、対象製品の修理の売上高または利益等が含まれる。
このように、環境効率算出部580は、環境負荷と売上高または利益とを関連付ける環境効率を算出し、環境効率の目標設定を可能にする。さらに、環境効率算出部580は、環境効率目標と売上高または利益目標とに基づいて環境負荷の基準値を算出し、環境負荷の具体的な基準値の提示を可能にする。
【0032】
原単位データベース610は、対象製品の材料および部品の準備、製造工程、使用、並びに、廃棄および再利用の各ライフステージにおける環境負荷の原因となる各要素に対応付けて、環境負荷の原単位を格納する。原単位とは、材料、部品または製品の単位量あたりの環境負荷量である。原単位データベース610は、例えば、産業連関表を用いて算出された原単位データを通信装置29(図1)等を介して受信し、環境負荷評価システム2の処理に適した単位に変換して格納する。
図3は、原単位データベース610が格納するテーブルを例示する。図3(A)は、材料および部品の準備段階と、廃棄および再利用段階とに関する原単位を記録した原単位(部品・材料)テーブルを例示し、図3(B)は、対象製品の製造工程に関する原単位を記録した原単位(製造)テーブルを例示し、図3(C)は、対象製品使用時に関する原単位を記録した原単位(使用)テーブルを例示する。
なお、本例は、実績値に関する原単位テーブルであるが、原単位データベース610は、これと同様に、予測値および目標値として算出された原単位テーブルを格納する。
【0033】
図3(A)に例示するように、原単位データベース610は、対象製品を構成する部品または材料に対応付けて、この部品または材料を準備するときの環境負荷の単位量を格納する。本例の環境負荷の単位量(すなわち、原単位)は、部品1個または材料1kgあたりの二酸化炭素発生量である。
図3(B)に例示するように、原単位データベース610は、対象製品を組み立てる工程に対応付けて、この工程を実施するときに発生する環境負荷の単位量を格納する。本例の環境負荷の単位量は、対象製品をたとえば千台組み立てるときの二酸化炭素発生量である。
図3(C)に例示するように、原単位データベース610は、対象製品に対応付けて、この対象製品の材料・部品を製造、対象製品を輸送、使用、回収、再利用、廃棄したときの環境負荷の単位量を格納する。本例の環境負荷の単位量は、対象製品をたとえば1ヶ月間使用した場合の、電力消費により発生する二酸化炭素発生量、対象製品で使用する紙により発生する二酸化炭素発生量、トナー等の消耗品により発生する二酸化炭素発生量、および、対象製品のメンテナンスにより発生する二酸化炭素発生量である。
【0034】
図4は、パラメータデータベース620が格納するパラメータテーブルを例示する。図4に例示するように、パラメータデータベース620は、製品に対応付けて、この製品の各ライフステージにおける環境負荷の実績値、予測値および目標値を格納する。本例では、パラメータデータベース620は、製品1台の材料・部品の準備段階、製造段階、流通段階、使用段階、回収段階、再利用段階および、廃棄段階の二酸化炭素発生量を格納する。
【0035】
改善データベース625は、リプレース、リデュース、リサイクルおよびリユースの各メニュー(改善メニュー)と、これらのメニューを実施した場合の改善効果とを互いに対応付けて各ライフステージ毎に格納する。
【0036】
図5は、負荷量データベース630が格納する負荷量テーブルを例示する。図5に例示するように、負荷量データベース630は、対象製品に対応付けて、この対象製品の各ライフステージにおける環境負荷量を格納する。本例の環境負荷量は、この対象製品1台の材料・部品の準備段階、製造段階、輸送段階、使用段階、回収段階、および、再利用・廃棄段階の二酸化炭素発生量である。
なお、負荷量データベース630に格納される環境負荷量は、負荷量算出部520が原単位データベース610およびパラメータデータベース620に基づいて対象製品に関して算出した数値であり、前任機等について算出された環境負荷量(実績値)、新製品について算出された環境負荷量(予想値1および予測値2)および、新製品について算出された環境負荷量(目標値値)のいずれをも含むが、これらは明確に区別されて管理される。
【0037】
図6は、数量データベース640が格納する数量テーブルを例示する。図6に示すように、数量データベース640は、対象製品に対応付けて、各ライフステージにある対象製品の数量を格納する。本例の場合、数量テーブルは、2002年上期に「製品A」について、材料および部品の準備が30000台分、製造が20000台、設置台数が5000台、廃棄または再利用が0台であることを示す。なお、数量テーブルにおける数値は、過去についての実績データ、将来についての予測データ1および予測データ2および将来についての目標データのいずれでもよいが、これらは明確に区別されて管理される
数量テーブルは、対象期間ごとに作成されて、それぞれ数量データベース640に格納される。
【0038】
図7は、数量データベース640が数量テーブルに基づいて作成したグラフを例示する。図7(A)は、発売時を基準とした時間経過と、対象製品の製造台数とをプロットしたグラフを例示し、図7(B)は、時間経過と、対象製品の設置台数とをプロットしたグラフを例示する。
図7(A)に例示するように、数量データベース640は、対象製品の製造実績量または製造予定量のグラフを作成し、数値データの無い部分のデータをグラフ上から読み出してもよい。また、図7(B)に例示するように、数量データベース640は、対象製品の設置実績量または設置予定量のグラフを作成し、数値データの無い部分のデータをグラフ上から読み出してもよい。このように他のライフステージにおける実績台数または予定台数をグラフ化することにより、数量取得部540は、任意の対象期間について、対象製品の製造数量、流通製品の台数、設置数量、回収台数、再利用台数および廃棄台数を取得することができる。ただし、実績量と予定量は明確に区別され管理される。また、数量データベース640は、本例と同様に、流通台数、回収台数、再利用台数および廃棄台数などのグラフも作成し、数値データの読出しに利用する。
【0039】
環境効率データベース650は、過去の環境効率、および、向上目標に応じて算出された将来の環境効率目標などを、所定の期間(年度、半期等)に対応付けて格納する。
また、経営指標データベース660は、過去の売上高または利益と、将来の売上高目標または利益目標とを、所定の期間(年度、半期等)に対応付けて格納する。
【0040】
次に、環境負荷評価システム2の処理フローを説明する。以下、対象製品が新製品である場合を具体例として説明する。
【0041】
[新製品の環境負荷量の予測値の算出処理]
図8は、環境負荷評価システム2が対象製品(新製品)について環境負荷量を算出する負荷量算出フロー(S10)のフローチャートである。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、環境負荷評価プログラム5は、環境負荷量の予測値算出方法を選択する。すなわち、環境負荷量の予想値は、設計情報と前任機の環境負荷量実績値とに基づいて算出される場合と、環境効率の目標からブレイクダウンして算出される場合とがある。環境負荷評価プログラム5は、設計情報等に基づいて算出する場合には、S102の処理に移行し、環境効率に基づいて算出する場合には、S114の処理に移行する。
ステップ102(S102)において、負荷量算出部520は、入力装置24または記録装置28等を介して、設計情報および改善目標率を取得する。
なお、設計情報は、対象製品の構成ユニットそれぞれの性能(単位時間あたりの印刷枚数、印刷用紙転送速度、トナーカートリッジの容量等)、材料名、部品名および重量などを示す。
ステップ104(S104)において、負荷量算出部520は、実績値取得部510を介して、前任機と対象製品との間で類似する要素に関する環境負荷のパラメータの実績値を取得する。
ステップ106(S106)において、負荷量算出部520は、前任機と対象製品との間で異なる要素(材料、工程等)について、原単位データベース610にアクセスして、原単位データ(対象製品毎の各ライフステージ毎の負荷量。対象製品総量から見れば原単位として扱うことが出来る。)を取得し、取得された原単位データと設計情報(材料名、重量等)とに基づいて、異なる要素の環境負荷量を算出する。
ステップ108(S108)において、負荷量算出部520は、設計情報から、前任機と比べて環境負荷の改善部分(改善メニュー)を抽出し、実績値取得部510を介して、改善部分に対応する改善効率データ(リサイクル部品の増加、消費電力の低減量、保守管理の容易化等に伴う二酸化炭素発生量の減少量)を改善データベース625から取得する。
ステップ110(S110)において、負荷量算出部520は、各ライフステージ毎に、前任機と類似する部分の環境負荷実績値と、原単位データおよび設計情報に基づいて算出した環境負荷量の予測値とを合算し、合算した値に改善目標率を乗じ、これから環境負荷量の改善効率を引いて、対象製品の環境負荷量の予測値を算出する。
ステップ112(S112)において、負荷量算出部520は、算出された対象製品の環境負荷量を、対象製品および各ライフステージに対応付けて負荷量データベース630に書き込む。
【0042】
ステップ114(S114)において、環境効率算出部580は、環境効率データベース650から取得した環境効率目標値を、経営指標データベース660から取得した売上目標値または利益目標値で除して、環境負荷目標を算出し、目標値予測値算出部570に対して出力する。
ステップ116(S116)において、目標値予測値算出部570は、環境負荷目標値を、新製品の各ライフステージに割り当てて、各ライフステージの環境負荷量を決定するパラメータの予測値を算出する。
ステップ118(S118)において、目標値予測値算出部570は、算出されたパラメータの予測値を、パラメータデータベース620に書き込む。
ステップ120(S120)において、負荷量算出部520は、実績値取得部510を介して、パラメータの予測値を取得し、このパラメータの予測値に基づいて、環境負荷量の予測値を算出する。
以上のように、環境負荷評価システム2は、前任機の実績データ、原単位データおよび改善データなどに基づいて、新製品の環境負荷量の予想値を各ライフステージについて算出する。
【0043】
[過去の対象期間の製品総量の環境負荷の算出処理]
図9は、環境負荷評価システム2が対象期間の製品総量の環境負荷量を算出する総量算出フロー(S20)のフローチャートである。
図9に示すように、ステップ200(S200)において、UI部560は、入力装置24(図1)を介して、製品総量の環境負荷の算出を求める対象期間の入力を受け付け、数量取得部540および総量算出部550などに対して製品総量の環境負荷の算出を指示する。
ステップ210(S210)において、負荷量取得部530は、負荷量データベース630にアクセスして、対象期間中にいずれかのライフステージにある製品について環境負荷量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
ステップ220(S220)において、数量取得部540は、数量データベース640にアクセスして、対象期間に各ライフステージにある製品の数量を取得し、総量算出部550に対して出力する。
ステップ230(S230)において、総量算出部550は、負荷量取得部530から受け取った各ライフステージにおける環境負荷量と、このライフステージにある製品の数量とを乗算して、この製品総量の環境負荷を算出する。
ステップ240(S240)において、環境負荷評価プログラム5は、対象期間中に2種類以上の製品がいずれかのライフステージにある場合には、S210からS230までの処理を繰り返して全ての製品の総量について環境負荷を算出する。
ステップ250(S250)において、総量算出部550は、全ての製品総量について算出された環境負荷を合算し、合算結果を対象期間の製品総量の環境負荷としてUI部560に対して出力する。UI部560は、対象期間の製品総量の環境負荷をモニタ22(図1)に表示する。
以上のように、環境負荷評価システム2は、対象期間中に、材料または部品の準備段階から製品の再利用または廃棄の段階までのいずれかにある製品総量の環境負荷を算出し、企業または事業所または製品総量が対象期間中に発生させる環境負荷として表示する。
【0044】
図10は、総量算出部550が図7に例示した製造台数および設置台数等に基づいて1種類の製品について算出した環境負荷の変化を例示するグラフである。図10に例示するように、総量算出部550は、時間経過と共に変化する製造台数および設置台数などに基づいて、対象期間に応じた環境負荷(二酸化炭素発生量)を算出する。この場合、総量算出部550は、製造台数に「材料・部品の準備段階」および「製造段階」の環境負荷量を掛けて合算し、設置台数に「使用段階」の環境負荷量を掛けて合算する。さらに、総量算出部550は、「廃棄・再利用の段階」の環境負荷量なども併せて、図10に例示する環境負荷を算出する。
【0045】
[来期の製品総量の環境負荷目標設定処理]
図11は、環境負荷評価システム2が環境負荷量総量の目標値を算出する目標算出フロー(S30)のフローチャートである。本フローでは、今期の環境負荷量の実績値および今期売上高または利益などに基づく来期の環境効率目標と、新製品の環境負荷量(予想値)などに基づく来期の環境効率予想とを算出して表示し、利用者に比較・検討を促す。
図11に示すように、ステップ300(S300)において、UI部560は、入力装置24(図1)を介して、目標値を設定する目標値設定期間(来期)の入力と、この目標値設定の比較対象となる比較対象期間(今期)の入力とを受け付ける。
ステップ310(S310)において、総量算出部550は、図9を参照して説明したS20と同様の処理により、目標値設定期間の環境負荷と、比較対象期間の環境負荷とを算出し、環境効率算出部580に対して出力する。
ステップ320(S320)において、環境効率算出部580は、経営指標データベース660にアクセスして、目標値設定期間の売上目標および比較対象期間の売上実績を取得する。
ステップ330(S330)において、環境効率算出部580は、目標値設定期間の売上目標と、目標値設定期間の環境負荷とに基づいて、目標値設定期間の環境効率予想を算出し、UI部580に対して出力する。さらに、環境効率算出部580は、比較対象期間の売上実績と、比較対象期間の環境負荷とに基づいて、比較対象期間の環境効率を算出する。
ステップ340(S340)において、UI部560は、利用者から、環境効率の向上目標の入力を受け付けて、環境効率算出部570に対して出力する。
ステップ350(S350)において、環境効率算出部580は、比較対象期間の環境効率と、環境効率の向上目標とに基づいて、目標値設定期間の環境効率目標を算出し、UI部560に対して出力する。
ステップ360(S360)において、UI部560は、環境効率目標と、環境効率予想とをモニタ22に表示させる。利用者は、環境効率目標と環境効率予想とを比較・検討して、乖離が大きい場合には、環境効率予想を環境効率目標に近づけるように、新製品の設計情報の変更(再利用部品のさらなる適用等)、製品単価の見直し等を行う。
【0046】
設計情報の変更を行う方法の一例としては、利用者は、新製品の各ライフステージについてリデュース、リプレース、リユースおよびリサイクルのいずれかによる環境負荷量の改善効果データと、前任機からの環境負荷改善率の見直しデータとを入力する。環境負荷評価システム2は、利用者により入力された改善効果データおよび環境負荷改善目標率に応じて、新製品の各ライフステージの環境負荷量の目標値を算出する。
【0047】
このように、本発明にかかる環境負荷評価システム2によれば、市場への供給時期が異なる製品群について、それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を算出し、対象期間の環境負荷を算出することができる。また、前任機等の実績値と対象製品の設計情報に基づいて、および環境負荷のパラメータの予測値または計画値に基づいて、仮想的なLCAを実施し、将来のそれぞれのライフステージにおける環境負荷量の予測値を算出することができる。
また、環境負荷評価システム2によれば、売上高または利益等の経営指標の目標値および環境効率の目標値に基づいて、基準となる環境負荷の目標値を算出することができる。これによって、ライフサイクルにおける環境負荷量の予測値と目標値を比較することができる。環境負荷量の予測値が目標値より大きい場合は、下回る様に、設計性能やパラメータを修正することで将来の環境負荷を管理することができる。
【0048】
[変形例]
なお、環境負荷評価システム2は、製品系列全体のライフサイクルの途中である対象期間の、製品総量の環境負荷の目標値と環境負荷の実績値とを比較し、次の対象期間の製品総量の環境負荷目標値の見直しを行ってもよい。
実績値取得部510は、パラメータデータベース620に対象製品系列全体のライフサイクル中の所定のライフステージについての環境負荷実績値が新たに格納されたことを検知すると、格納された環境負荷実績値と、この環境負荷実績値に対応する対象製品名とを取得し、目標値予測値算出部570に対して出力する。目標値予測値算出部570は、この環境負荷実績値が入力される前にこの対象製品系列全体について算出した環境負荷目標値と、入力された環境負荷実績値とを比較し、環境負荷実績値が環境負荷目標値を超える値に基づいて、このライフステージより後の対象製品系列全体のライフステージの環境負荷目標値を補正する。すなわち、目標値予測値算出部570は、対象製品系列全体の現在までの環境負荷実績値により環境負荷目標値を達成できなかった分を、今後の対象製品系列全体のライフステージにおいて相殺できるように環境負荷目標値を補正する。具体的にはより環境負荷の少ない新製品の投入、環境負荷の少ない製品の拡販、環境負荷の少ない製造方法への切り替え、環境負荷の少ない物流方法への切り替え、環境負荷を少なくする再利用製品の増加などを行う。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる過去または将来の、複数の対象物総量の、環境効率または環境負荷の評価・予測・計画(目標値設定)・管理システム、環境負荷評価・予測・計画(目標値設定)・管理方法、およびそのプログラムによると、ある対象期間にいずれかのライフステージにある複数の対象物総量が環境に与える環境負荷を評価・予測・計画(目標値設定)・管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる環境負荷評価システム2のハードウェア構成を例示する図である。
【図2】環境負荷評価プログラム5の構成を例示する図である。
【図3】、原単位データベース610が格納するテーブルを例示する図である。(A)は、材料および部品の準備段階と、廃棄および再利用段階とに関する原単位を記録した原単位(部品・材料)テーブルを例示し、(B)は、対象製品の製造工程に関する原単位を記録した原単位(製造)テーブルを例示し、(C)は、対象製品使用時に関する原単位を記録した原単位(使用)テーブルを例示する図である。
【図4】パラメータデータベース620が格納するパラメータテーブルを例示する図である。
【図5】負荷量データベース630が格納する負荷量テーブルを例示する図である。
【図6】数値データベース640が格納する数値テーブルを例示する図である。
【図7】数値データベース640が数値テーブルに基づいて作成したグラフを例示する図である。(A)は、発売時を基準とした時間経過と、対象製品の製造台数とをプロットしたグラフを例示し、(B)は、時間経過と、対象製品の設置台数とをプロットしたグラフを例示する図である。
【図8】環境負荷評価システム2が対象製品(新製品)について環境負荷量を算出する負荷量算出フロー(S10)のフローチャートである。
【図9】
環境負荷評価システム2が対象期間の環境負荷量総量を算出する総量算出フロ
ー(S20)のフローチャートである。
【図10】
総量算出部550が図7に例示した製造台数および設置台数等に基づいて1種
類の製品について算出した環境負荷の変化を例示するグラフである。
【図11】
環境負荷評価システム2が環境負荷量総量の目標値を算出する目標算出フロー(S30)のフローチャートである。
【符号の説明】
2・・・環境負荷評価システム
22・・・モニタ
24・・・入力装置
26・・・処理装置
262・・・CPU
264・・・メモリ
28・・・記録装置
280・・・記録媒体
29・・・通信装置
5・・・環境負荷評価プログラム
510・・・実績値取得部
520・・・負荷量算出部
530・・・負荷量取得部
540・・・数量取得部
550・・・総量算出部
560・・・ユーザ・インタフェース部
570・・・目標値予測値算出部
580・・・環境効率算出部
610・・・原単位データベース
620・・・パラメータデータベース
625・・・改善データベース
630・・・負荷量データベース
640・・・数量データベース
650・・・環境効率データベース
660・・・経営指標データベース
Claims (13)
- 複数の対象物総量による環境負荷を算出する過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システムであって、
前記複数の対象物それぞれの環境負荷量を、前記対象物それぞれのライフステージに対応させて格納する負荷量データベースと、
前記負荷量データベースにアクセスして、前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得する負荷量取得手段と、
前記負荷量取得手段により取得された環境負荷量に基づいて、前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する総量算出手段と
を有する過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システム。 - 前記総量算出手段により算出された環境負荷と、経営指標とを関連付ける関連付け手段
をさらに有する請求項1に記載の過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システム。 - 環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付ける入力手段
をさらに有し、
前記負荷量取得手段は、前記対象期間における対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、
前記総量算出手段は、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する
請求項1または2に記載の過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システム。 - 複数の対象物総量による環境負荷を算出する過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画方法であって、
コンピュータが環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付け、
前記複数の対象物それぞれの環境負荷量を前記対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、コンピュータが、前記対象期間における前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得し、
コンピュータが、前記環境負荷量に基づいて、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する
評価・予測・計画方法。 - コンピュータが、さらに、算出された環境負荷を、経営指標に関連付ける
請求項4に記載の評価・予測・計画方法。 - コンピュータを含む過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システムにおいて、
複数の対象物それぞれの環境負荷量を前記対象物のライフステージに対応させて格納する負荷量データベースにアクセスして、前記複数の対象物それぞれのライフステージに応じた環境負荷量を取得する負荷量取得ステップと、
前記環境負荷量に基づいて、前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する算出ステップと
を前記過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システムのコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記算出ステップにより算出された環境負荷と、経営指標とを関連付ける関連付けステップ
をさらに前記コンピュータに実行させる請求項6に記載のプログラム。 - 環境負荷を評価する対象期間の入力を受け付ける期間入力ステップ
をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記負荷量取得ステップは、前記対象期間における対象物のライフステージに応じた環境負荷量を取得し、
前記算出ステップは、前記対象期間における前記複数の対象物総量による環境負荷を算出する
請求項6または8に記載のプログラム。 - 前記ライフステージは、前記対象物の製造段階および使用段階を含み、
前記負荷量取得ステップは、前記負荷量データベースにアクセスして、少なくとも、前記対象物それぞれを製造するときの環境負荷量、および、前記対象物それぞれを使用するときの環境負荷量を取得する
請求項6〜8のいずれかに記載のプログラム。 - 前記対象期間における前記対象物の数量を前記対象物のライフステージに対応付けて格納する数量データベースにアクセスして、前記対象期間において前記ライフステージそれぞれに対応する前記対象物の数量を取得する数量取得ステップ
をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記算出ステップは、前記負荷量取得ステップにより取得された環境負荷量と、前記数量取得ステップにおいて取得された数量とに基づいて、前記環境負荷を算出する
請求項8に記載のプログラム。 - 前記対象物と性能が類似する類似物の環境負荷量の実績値をライフステージに対応付けて格納する実績データベースにアクセスして、前記対象期間に対応するライフステージにおける環境負荷量の実績値を取得する実績値取得ステップと、前記環境負荷量の実績値に基づいて、前記対象物の環境負荷量を算出し、前記負荷量データベースに対して出力する負荷量算出ステップと
をさらに前記コンピュータに実行させる請求項8に記載のプログラム。 - 前記関連付けステップは、前記対象期間の対象物による経営指標と、前記対象物による環境負荷環境負荷との比を示す環境効率を算出して、環境負荷環境負荷と経営指標とを関連付け、
前記環境効率の目標値の入力を受け付ける環境効率入力ステップと、
前記対象期間の対象物による経営指標の目標値の入力を受け付ける売上入力ステップと、
前記環境効率入力ステップにより受け付けられた環境効率の目標値と、前記売上入力ステップにより受け付けられた経営指標の目標値とに基づいて、基準となる環境負荷を設定する基準設定ステップと
をさらに前記コンピュータに実行させる請求項7に記載のプログラム。 - コンピュータを含む過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システムにおいて、
対象物と性能が類似する類似物の所定のライフステージにおける環境負荷量の実績値を取得する実績値取得ステップと、
前記対象物と前記類似物との属性の差異、および、前記類似物の環境負荷の実績値に基づいて、前記対象物の前記ライフステージにおける環境負荷量を算出する負荷量算出ステップと
を前記過去または将来の、複数の対象物総量の環境効率または環境負荷の、評価・予測・計画システムのコンピュータに実行させるプログラム。
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