JP2004157310A - 触覚出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】指先の触覚に基づき全体画像を容易に認識でき、画像表面の材質の相違なども指先のなぞり動作により得られる場合と同様な触覚により認識させることのできる触角出力装置を提案すること。
【解決手段】触覚出力装置1は、3個の指先接触ユニット11〜13と手首ユニット14を備え、各指先接触ユニット11〜13の指先接触面22には表示画像に応じて突出量が変化する複数本の駆動ピン23が取り付けられている。指先接触ユニット11〜13は同一平面上を前後左右にスライド可能であり、スライド時の移動抵抗を、モータ36、40、67の逆起電力により流れるモータ電流を制御して調整している。表示画像の輪郭を駆動ピン23による凹凸状態で表現でき、表示画像の表面素材の相違を各指先接触ユニット11〜13の移動抵抗を増減することにより表現できる。指先接触ユニット11〜13に載せた各指先の感触に基づき表示画像の全体を容易に把握でき、素材表面の相違も知覚できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視覚障害者などがパソコン等の表示画面上に表示されている画像などを指先の触覚情報として認識することのできる触角出力装置および触覚出力方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
視覚障害者などが表示画像を触覚により認識するために用いる触覚出力装置としては、多数本の接触子がマトリックス状に配列された構成のものが知られている。この構造の触覚出力装置では、各接触子の突出量を制御することにより、表示画像の輪郭に対応する凹凸状の触覚表示面を形成し、ここを指先でなぞることにより、表示画像を指先からの触覚により認識できるようになっている。このような触覚出力装置は例えば、次の特許文献1に開示されている。
【0003】
また、従来においては、パソコン画面上に表示されている表示部材にカーソルを合わせるためのポインティング操作を指先の触覚により認識して行い得るようにした装置が例えば、次の特許文献2に開示されている。
【0004】
さらに、接触子を駆動するための機構としてはプリンタの印字ヘッドとして用いられているインパクトドットヘッドの各印字用ワイヤを駆動するためのアクチュエータを利用することができる。このようなアクチュエータは例えば次の特許文献3に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−69539号公報
【特許文献2】
特開平8−161117号公報
【特許文献3】
特開平6−229841号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、表示画面全体に対応する触覚画面上に多数本の接触子を配列し、これらの突出量を制御する必要がある。従って、接触子の駆動機構および駆動制御回路が大掛かりとなってしまい、装置全体が大型化し、実用的でない。
【0006】
また、特許文献2に開示されている装置では、1本の指先を接触させる大きさの触角表示面を備えているので、そこに配列されている少ない本数の接触子を駆動するための駆動機構や駆動制御回路をコンパクトにすることが可能である。しかしながら、表示画像の全体像を指先一本で認識する必要があるので、全体像を把握するのに時間が掛かり不便である。
【0007】
さらには、これら従来技術による触覚出力装置では、物の表面を指先で「なぞる」ことにより得られるなぞり感覚を出力できない。このために、なぞりによる知覚により得られる表面の粗さなどといった感触を認識することができない。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、パソコン等の表示画像の全体を容易に把握できる小型でコンパクトな触覚出力装置および方法を提案することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、指先のなぞりにより得られる感触を出力可能な触覚出力装置および方法を提案することある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、指先に伝わる触覚により情報を認識させる触覚出力装置において、
少なくとも第1および第2の指先接触ユニットと、
これら第1および第2の指先接触ユニットを同一の平面上において相対移動可能に連結している第1の連結機構と、
前記第1および第2の指先接触ユニットの前記平面上における移動抵抗を制御する移動抵抗制御手段とを有し、
各指先接触ユニットは、操作者の指先を乗せるための指先接触面と、この指先接触面に配列した複数本の接触子と、各接触子を個別に駆動可能なアクチュエータとを備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明の触覚出力装置によれば、複数本の指先に伝わる触覚により、表示画像を把握できるので、その全体像を容易に認識できる。また、表示画像の全体を包含するような多数本の接触子を必要としないので、その駆動機構および駆動制御回路を小型でコンパクトに構成できる。さらに、各指先接触ユニットの移動抵抗を制御できるので、指先のなぞり感覚に相当する触覚を指先に伝えることができる。
【0012】
ここで、触覚出力装置の操作を容易に行い得るようにするためには、上記構成に加えて、
操作者の手首を載せるための手首ユニットと、
当該手首ユニットと各指先接触ユニットとを、各指先接触ユニットが前記平面上において相対移動可能な状態で連結している第2の連結機構とを有していることが望ましい。
【0013】
次に、各指先接触ユニットを連結している上記の第1の連結機構は、第1の回転軸と、この第1の回転軸の回転に伴って当該第1回転軸に沿ってスライド可能な第1のスライドナットと、前記第1の回転軸の端部分を回転自在かつ、前記平面方向に回動可能な状態で支持している軸受とを備えた構成とすることができる。この場合には、前記第1のスライドナットが一方の前記指先接触ユニットに取り付けられ、前記第1の軸受が他方の指先接触ユニットに搭載される。
【0014】
同様に、手首ユニットと各指先接触ユニットとの間を連結している前記第2の連結機構も、第2の回転軸と、この第2の回転軸の回転に伴って当該回転軸に沿ってスライド可能な第2のスライドナットと、前記第2の回転軸の端部分を回転自在かつ、前記平面方向に回動可能な状態で支持している軸受とを備えた構成とすることができる。この場合においては、前記第2のスライドナットが前記手首ユニットおよび各指先接触ユニットの一方に取り付けられ、前記軸受が他方に搭載される。
【0015】
次に、前記移動抵抗制御機構として、前記第1および第2の回転軸の回転に、それぞれ制動力を付与する制動機構を用いることができる。
【0016】
前記制動機構としては、前記第1および第2の回転軸のそれぞれに連結されたモータに発生する逆起電圧により流れる電流、あるいは各モータに流す電流を制御可能なモータ駆動回路を備えたものとすることができる。
【0017】
ここで、前記指先接触ユニットおよび前記手首ユニットの少なくとも一つのユニットは、当該ユニットが平面上を移動する場合に、当該ユニットに移動抵抗を付加する移動抵抗付加手段を備えていることが望ましい。
【0018】
前記移動抵抗付加手段としては、前記ユニットの移動に伴って前記平面上を転動するボールに制動をかける構成のものを用いることができる。
【0019】
一方、上記構成の触覚出力装置を用いて対象物の表面形状および表面性状を触覚情報として出力する触覚出力方法においては、
各指先接触ユニットにおける各指先接触面から選択的に前記接触子を突出させて、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面凹凸状態をそれぞれ知覚させ、
各指先接触ユニットの移動抵抗を調整することにより、対象物におけ各指先接触ユニットに対応する部位の表面荒さあるいは平滑度を知覚させることができる。
【0020】
また、各指先接触ユニットの移動抵抗を調整することにより、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面が、当該指先接触ユニットの移動方向に向けて隆起および陥没のいずれに変化しているのかを知覚させることができる。
【0021】
さらに、前記触覚出力装置の移動抵抗制御手段が前記モータから構成されている場合に、前記モータに発生する逆起電圧による電流を増加させることにより各指先接触ユニットの移動抵抗を増加させて、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面が粗面であること、あるいは、当該表面が各指先接触ユニットの移動方向に沿って隆起していることを知覚させることができる。
【0022】
また、前記モータを回転させて、各指先接触ユニットに対してその移動方向に向に推力を与えることにより、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面が平滑面であること、あるいは、当該表面が各指先接触ユニットの移動方向に沿って陥没していることを知覚させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した触覚出力装置の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本実施の形態に係る触覚出力装置を示す斜視図であり、図2はその触覚マウスを示す説明図である。これらの図を参照して説明すると、触覚出力装置1は、パーソナルコンピュータ2と、ここに接続されている液晶表示装置3および触覚マウス4を有している。触覚マウス4は一般的に使用されているパソコン用マウスと同様にマウスパッド5などの表面に沿って同一平面上を上下左右に移動可能である。
【0025】
触覚マウス4は、操作者の手、例えば右手Hの3本の指先P1、P2、P3を載せるための第1、第2および第3の指先接触ユニット11、12、13と、手首hを載せるための手首ユニット14とを備えている。手首ユニット14は、マウスパッド5上をスライド可能であると共に、上面が手首載置面14aとされている。なお、ここに載せた操作者の手首hに当該手首ユニット14を固定するための固定バンドを備えたものとすることもできる。
【0026】
各指先接触ユニット11〜13は後述する第1の連結機構30および、移動抵抗付加機構90関連の機構部分を除いてほぼ同一構造であり、マウスパッド5上をスライド可能な直方体形状のユニットケース21と、このユニットケース21の上面に形成されている指先接触面22と、この指先接触面22から垂直に突出可能な状態にマトリックス状に配列されている複数本の接触子としての駆動ピン23と、各駆動ピン23を個別に駆動して指先接触面22からの突出量を制御するピンアクチュエータ24とを備えている。ピンアクチュエータ24は、例えば、特開平6−229841号公報に開示されているインパクトドットヘッドに組み込まれるワイヤ駆動用のアクチュエータを用いることができる。本例では、一定ピッチで6行4列状態で24本の駆動ピン23が配列されている。
【0027】
各指先接触ユニット11〜13の間は第1の連結機構30によって連結されており、手首ユニット14と各指先接触ユニット11〜13との間は第2の連結機構50によって連結されている。これらの連結機構30、50によって、各指先接触ユニット11〜13は相対移動可能となっている。
【0028】
まず、第2の連結機構50について説明すると、この第2の連結機構50は、手首ユニット14と各指先接触ユニット11〜13の間を連結している3本の回転軸51〜53を備えている。各回転軸51〜53は手首ユニット14から放射状に延びており、それらの先端部分は、各指先接触ユニット11〜13に取り付けたスライドナット54、55、56にねじ込まれている。各回転軸51〜53の手首ユニット14の側の端部分は、手首ユニット14に取り付けた軸受57、58、59によって回転自在の状態で支持されている。各軸受57〜59は、垂直軸線を中心として各回転軸51〜53を左右にスイング可能な状態でこれらの回転軸51〜53を支持している。
【0029】
また、各回転軸51〜53における軸受57〜59から突出している端部は可撓性の連結軸61、62、63、例えばコイルばねからなる連結軸を介して、従動歯車64、65、66に連結されている。これらの従動歯車64〜66は、減速歯車列(図示せず)を介して、手首ユニット14に搭載されているモータ67によって駆動されるようになっている。
【0030】
手首ユニット14と各指先接触ユニット11〜13の間を連結している回転軸51〜53は、その外周面に螺旋溝51a〜53aが形成されており、この螺旋溝51a〜53aに噛み合っている螺旋溝が内周面に形成されているスライドナット54〜56は、回転軸51〜53の回転に伴って、これら回転軸51〜53に沿ってスライド可能である。換言すると、各指先接触ユニット11〜13を回転軸51〜53の方向に指先P1〜P3によって押すと、回転軸51〜53が回転して、スライドナット54〜56が回転軸51〜53に沿ってスライド可能である。よって、スライドナット54〜56が取り付けられている指先接触ユニット11〜13を回転軸51〜53に沿った方向にスライドさせることができる。
【0031】
次に、各指先接触ユニット11〜13の間を連結している第1の連結機構30は、第1の指先接触ユニット11および第2の指先接触ユニット12の間を連結している回転軸31と、第2の指先接触ユニット12と第3の指先接触ユニット13の間を連結している回転軸32を備えている。
【0032】
回転軸31における第1の指先接触ユニット11の側の端部は軸受34によって回転自在の状態で支持されていると共に、可撓性の連結軸35を介してモータ36に連結されている。軸受34はまた、水平方向に回転軸31をスイング可能な状態で当該回転軸31を支持している。回転軸31における第2の指先接触ユニット12の側の端部は当該第2の指先接触ユニット12に取り付けたスライドナット37に噛み合っている。回転軸31の外周面には螺旋溝31aが形成され、スライドナット37の内周面にはこれに噛み合う螺旋溝が形成されている。スライドナット37は、回転軸31の回転に伴って、回転軸31に沿ってスライド可能である。換言すると、指先接触ユニット11あるいは12を回転軸31の方向に指先P1あるいはP2によって押すと、回転軸31が回転して、スライドナット37が回転軸31に沿ってスライド可能である。よって、この回転軸31によって連結されている第1および第2の指先接触ユニット11、12を、回転軸31に沿って、相対的に接近する方向および離れる方向にスライドさせることができる。
【0033】
第2および第3の指先接触ユニット12、13の間の連結している回転軸32の両端部分も同様に支持されている。すなわち、回転軸32における第3の指先接触ユニット13の側の端部は軸受38によって回転自在の状態で支持されていると共に、可撓性の連結軸39を介してモータ40に連結されている。軸受38はまた、水平方向に回転軸32をスイング可能な状態で当該回転軸32を支持している。回転軸32における第2の指先接触ユニット12の側の端部は当該第2の指先接触ユニット12に取り付けたスライドナット42に噛み合っている。回転軸32の外周面には螺旋溝32aが形成され、スライドナット42の内周面にはこれに噛み合う螺旋溝が形成されており、スライドナット42は、回転軸42の回転に伴って、回転軸42に沿ってスライド可能である。換言すると、指先接触ユニット12あるいは13を回転軸32の方向に指先P2あるいはP3によって押すと、回転軸32が回転して、スライドナット42が回転軸32に沿ってスライド可能である。よって、この回転軸32によって連結されている第2および第3の指先接触ユニット12、13を、回転軸32に沿って、相対的に接近する方向および離れる方向にスライドさせることができる。
【0034】
ここで、第1の指先接触ユニット11には移動抵抗付加機構90が付設されている。本例の移動抵抗付加機構90は、ボール91および電磁石92を備えている。ボール91は鉄球93をゴム被覆94で覆った構造となっている。電磁石92に通電することで、鉄球93を吸引し、ボール91に回転負荷をかけることができる。ボール91は第1の指先接触ユニット11の移動に伴って平面上を転動するので、ボール91に回転付加を掛けることにより、第1の指先接触ユニット11の移動抵抗を制御できる。この移動抵抗付加機構90は、第2あるいは第3の指先接触ユニット12、13に付設してもよい。
【0035】
図3は触覚出力装置1の制御系を示す概略ブロック図である。触覚出力装置1の制御系は、出力画像を生成する出力画像生成部71と、ここで生成された出力画像を液晶表示装置の画面上に出力させるための表示制御部72と、出力画像生成部71で生成された出力画像に対応する触覚情報を生成する触覚情報生成部73と、ここで生成された触覚情報に基づき各指先接触ユニット11〜13を駆動制御する指先接触ユニット制御部74とを備えている。
【0036】
指先接触ユニット制御部74は、各ユニット11〜13のピンアクチュエータ24を駆動制御することにより、各ユニット11〜13の指先接触面22に配列されている各駆動ピン23を、出力画像情報に応じて突出させる。また、モータドライバ75、76、77を介して、出力情報に応じてモータ36、40、67を駆動制御し、さらには、電磁石ドライバ95を介して電磁石92を駆動制御する。
【0037】
液晶表示装置3の表示画面上に表示されている出力画像に、各指先接触ユニット11、12、13が位置している部位をカーソルにより表示させるために、位置検出部78において各指先接触ユニット11〜13の位置を検出している。また、移動方向検出部79では、各指先接触ユニット11〜13の移動方向を検出している。
【0038】
触覚情報生成部73では、移動方向検出部79によって検出された各指先接触ユニット11〜13の移動方向と、移動方向に沿った出力画像の部位の触覚情報とに基づき、指先接触ユニット制御部74およびモータドライバ75〜77を介して各モータ36、40、67を駆動制御すると共に、電磁石ドライバ95を介して電磁石92を駆動制御する。これにより、各指先接触ユニット11〜13の移動抵抗が増減する。また、各指先接触ユニット11〜13の移動方向に推力が付与される。
【0039】
図4は触覚出力装置1の触覚マウス4における第1〜第3の指先接触ユニット11〜13による触覚情報の出力動作例を示すための説明図である。図4(a)に示すように、表示対象物が、平坦な矩形のガラス面81の表面の中央部分に所定厚さのゴム板82が貼り付けられたものであるとする。液晶表示装置3の表示面3aにはこの画像80が表示されている。また、各指先接触ユニット11〜13による触覚表示領域を示す矩形枠(カーソル)11A〜13Aも表示されている。
【0040】
各手指先接触ユニット11〜13が、ゴム板82よりも上側に位置しているとする。この状態において、各指先接触ユニット11〜13に操作者が人差し指、中指および薬指を載せ、下方にこれら指先接触ユニット11〜13をスライドさせ、図4(b)に示すように各指先接触ユニット11〜13をゴム板82の上まで移動させるものとする。
【0041】
ここで、各指先接触ユニット11〜13は、平滑なガラス面81の上を移動する間は、その移動抵抗が低減するように、モータ67がモータドライバ77により駆動制御される。すなわち、各指先接触ユニット11〜13のスライドに伴い各回転軸31〜33が回転するので、これらが連結されているモータ67には逆起電圧が発生して、所定の制動力が各回転軸31〜33に作用する。本例では、逆起電力により流れるモータ電流を低減することにより制動力を低減している。また、場合によっては、モータ67を回転駆動することにより、各指先接触ユニット11〜13に対してそれらの移動方向に推力を与え、移動抵抗を負にするようにしている。
【0042】
これに対して、各指先接触ユニット11〜13がガラス面81からゴム板82に乗り上げる時点では、モータ67の逆起電力により流れるモータ電流を増加させることにより回転軸31〜33に作用する制動力を一次的に増加させ、また電磁石92に通電することで指先接触ユニット11の移動抵抗を上げて、異なる素材の表面に乗り上げたことを指先に伝わる触角により認識させる。
【0043】
さらに、図4(c)に示すように、ゴム板82の上に沿って各指先接触ユニット11〜13を左右にスライドさせる場合には、ガラス面81上をこれらがスライドする場合に比べて、大きな移動抵抗が指先に伝わるように、モータ36、40を駆動制御する。各指先接触ユニット11〜13と手首ユニット14の相対位置が変化しない場合には、電磁石92の通電量で全体の移動抵抗を呈示でき、モータ36、40、67で各指先間の剛性を提示できる。
【0044】
このように、各指先接触ユニット11〜13の移動抵抗を制御することにより、指先のなぞりにより得られる触覚と同様な刺激を各指先接触ユニット11〜13から各指先に与えることができる。よって、表面粗さや表面の摩擦抵抗などが相違している異質の素材が表示されていることを、操作者は、指先に伝わる「なぞり」に似た触角から認識できる。
【0045】
また、ガラス面81の上にゴム板82が貼り付けられている状態は、各指先接触ユニット11〜13の指先接触面22に配列されている駆動ピン23をゴム板82に対応した状態で所定量突出させることにより知覚させることができる。これは、従来における触覚出力装置の場合と同様である。すなわち、図4(b)あるいは(c)に示すように、ゴム板82に乗り上げている指先接触面22上の駆動ピン23は図において黒丸で示すように一定量だけ指先接触面22から突出させ、ガラス面81上に残っている駆動ピンの先端は図において白丸で示してあるが、指先接触面と同一の高さ位置にそのまま保持する。
【0046】
従って、各指先接触ユニット11〜13を上下左右に移動させながら、各指先で指先接触面22上の駆動ピン23の凹凸状態を知覚することにより、ゴム板82の輪郭を認識できる。
【0047】
なお、上記の触覚出力装置1の触覚マウス4は3個の指先接触ユニット11〜13を用いているが、指先接触ユニットは2個であってもよく、4個あるいは5個とすることもできる。
【0048】
また、手首ユニット14を省略して複数の指先接触ユニットと、これらを相互に連結している連結機構から触覚マウスを構成することもできる。
【0049】
さらに、各指先接触ユニットの移動抵抗を調整するための制動機構はモータを利用せずに専用の制動機構を配置してもよい。
【0050】
さらには、上記の触覚出力装置は液晶表示装置を備えているがこれを省略することも勿論可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の触覚出力装置および方法においては、各指先接触ユニットの指先接触面に配列した接触子を指先で触ることにより出力画像などの輪郭や凹凸を知覚できる。また、各指先接触ユニットの移動抵抗を制御するようにしているので、出力画像などにおける表面素材を指先でなぞったときに得られる触覚と同様な触覚を指先に伝えることができる。各指先接触ユニット・手首ユニット間の移動抵抗は、外部摩擦部材と独立した部材、すなわち軸・スライドナット・モータからなる機構により調整されるので、移動抵抗を高精度に調整できる。よって、表面粗さの異なる素材や摩擦係数の異なる素材を認識させることができ、また、指先の移動方向に沿って表面が隆起あるいは陥没しているのかなどの表面情報も指先の触覚により認識させることが可能になる。
【0052】
さらに、複数の指先接触ユニットを備え、各指先接触ユニットに載せた各指先に触覚を伝えるようにしているので、触覚情報により表現されている画像などの全体像を認識しやすいという利点がある。また、表示画像全体を包含する領域に接触子を配列する場合に比べて、接触子の駆動機構および駆動制御回路を小型でコンパクトに構成できるという利点もある。
【0053】
次に、本発明では、指先接触ユニットの移動抵抗を制御するためにモータの逆起電力により流れる電流を制御するようにしているので、移動抵抗の増減を小型でコンパクトな機構により実現できる。また、モータを回転駆動することにより、指先接触ユニットをその移動方向にスライドさせることができるので、指先に伝えることのできる触角を大きく変動させることができ、表現幅を広くできるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した触覚出力装置の斜視図である。
【図2】図1の触覚出力装置における触覚マウスを示す説明図、その断面構成図、および移動抵抗付加機構を示す概略構成図である。
【図3】図1の触覚出力装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図4】図1の触覚出力装置による動作例を示すための説明図である。
【符号の説明】
1 触覚出力装置
2 パーソナルコンピュータ
3 液晶表示装置
4 触覚マウス
11〜13 指先接触ユニット
14 手首ユニット
22 指先接触面
23 駆動ピン
24 ピンアクチュエータ
30 第1の連結機構
31〜33 回転軸
34、38 軸受
35、39 連結軸
36、40 モータ
37、42 スライドナット
50 第2の連結機構
51〜53 回転軸
54〜56 スライドナット
57〜59 軸受
61〜63 連結軸
67 モータ
71 出力画像生成部
72 表示制御部
73 触覚情報生成部
74 指先接触ユニット制御部
78 位置検出部
79 移動方向検出部
90 移動抵抗付加機構
91 ボール
92 電磁石
93 鉄球
94 ゴム被覆

Claims (12)

  1. 指先に伝わる触覚により情報を認識させる触覚出力装置において、
    少なくとも第1および第2の指先接触ユニットと、
    これら第1および第2の指先接触ユニットを同一の平面上において相対移動可能に連結している第1の連結機構と、
    前記第1および第2の指先接触ユニットの前記平面上における移動抵抗を制御する移動抵抗制御手段とを有し、
    各指先接触ユニットは、操作者の指先を乗せるための指先接触面と、この指先接触面に配列した複数本の接触子と、各接触子を個別に駆動可能なアクチュエータとを備えていることを特徴とする触覚出力装置。
  2. 請求項1において、
    操作者の手首を載せるための手首ユニットと、
    当該手首ユニットと各指先接触ユニットとを、各指先接触ユニットが前記平面上において相対移動可能な状態で連結している第2の連結機構とを有していることを特徴とする触覚出力装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1の連結機構は、第1の回転軸と、この第1の回転軸の回転に伴って当該第1回転軸に沿ってスライド可能な第1のスライドナットと、前記第1の回転軸の端部分を回転自在かつ、前記平面方向に回動可能な状態で支持している軸受とを備えており、
    前記第1のスライドナットが一方の前記指先接触ユニットに取り付けられ、前記第1の軸受が他方の指先接触ユニットに搭載されていることを特徴とする触覚出力装置。
  4. 請求項2または3において、
    前記第2の連結機構は、第2の回転軸と、この第2の回転軸の回転に伴って当該回転軸に沿ってスライド可能な第2のスライドナットと、前記第2の回転軸の端部分を回転自在かつ、前記平面方向に回動可能な状態で支持している軸受とを備えており、
    前記第2のスライドナットが前記手首ユニットおよび各指先接触ユニットの一方に取り付けられ、前記軸受が他方に搭載されていることを特徴とする触覚出力装置。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
    前記移動抵抗制御手段は、前記第1および第2の回転軸の回転に、それぞれ制動力を付与する制動機構であることを特徴とする触覚出力装置。
  6. 請求項5において、
    前記制動機構は、前記第1および第2の回転軸のそれぞれに連結されたモータと、各モータに発生する逆起電圧により流れる電流あるいは各モータに流す電流を制御可能なモータ駆動回路とを備えたものであることを特徴とする触覚出力装置。
  7. 請求項6において、
    前記指先接触ユニットおよび前記手首ユニットの少なくとも一つのユニットは、当該ユニットが平面上を移動する場合に、当該ユニットに移動抵抗を付加する移動抵抗付加手段を備えていることを特徴とする触覚出力装置。
  8. 請求項7において、
    前記移動抵抗付加手段は、前記ユニットの移動に伴って前記平面上を転動するボールに制動をかけるものであることを特徴とする触覚出力装置。
  9. 請求項1ないし8のうちのいずれかの項に記載の触覚出力装置を用いて対象物の表面形状および表面性状を触覚情報として出力する触覚出力方法であって、
    各指先接触ユニットにおける各指先接触面から選択的に前記接触子を突出させて、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面凹凸状態をそれぞれ知覚させ、
    各指先接触ユニットの移動抵抗を調整することにより、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面荒さあるいは平滑度を知覚させることを特徴とする触覚出力方法。
  10. 請求項9において、
    各指先接触ユニットの移動抵抗を調整することにより、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面が、当該指先接触ユニットの移動方向に向けて隆起および陥没のいずれに変化しているのかを知覚させることを特徴とする触覚出力方法。
  11. 請求項10において、
    前記触覚出力装置の移動抵抗制御手段が前記モータにより構成されている場合に、前記モータに発生する逆起電圧による電流を増加させることにより各指先接触ユニットの移動抵抗を増加させて、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面が粗面であること、あるいは、当該表面が各指先接触ユニットの移動方向に沿って隆起していることを知覚させることを特徴とする触覚出力方法。
  12. 請求項11において、
    前記モータを回転駆動させて、各指先接触ユニットに対してその移動方向への推力を付与して、対象物における各指先接触ユニットに対応する部位の表面が平滑面であること、あるいは、当該表面が各指先接触ユニットの移動方向に沿って陥没していることを知覚させることを特徴とする触覚出力方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108508603A (zh) * 2017-02-28 2018-09-07 精工爱普生株式会社 头部佩戴型显示装置及其控制方法、以及记录介质

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