JP5591095B2 - 触覚ディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、触覚ディスプレイに関する。特に、コンピュータの仮想空間内にデータとして構築された物体表面起伏を、触覚を通じて人に知覚させるデバイスに関する。
人の手に機械刺激を与え、あたかも物体を触っているかのごとく知覚させるデバイスが研究されている。そのようなデバイスは、触覚ディスプレイ、ハプティックデバイス、あるいは、触覚デバイスと呼ばれることがある。
例えば、特許文献1には、手の指の関節部位にチューブを配置し、指の動作に同期してチューブ内の圧力を制御し、指の動作に対するチューブの反力の変化を利用して力覚を与える装置が開示されている。この装置は、物体を掴むために指を曲げる際に指関節が受ける反力をチューブ反力で模擬する。すなわち、この装置は、あたかも物体を掴んでいるような感覚(力覚)をユーザに与える。
また、特許文献2には、多数のピンを平行に格子状に配置し、夫々のピンの高さを変えることで、物体表面の起伏を再現する装置が開示されている。この装置は、物体表面の起伏を物理的に模擬するものである。さらに、本願の発明者らが開発した触覚ディスプレイが、非特許文献1に開示されている。
特開平11−167419号公報 特開2005−4058号公報
井口憲二、佐野明人、田中由浩、他、「3×3面歪ディスプレイの開発」、計測自動制御学会第10回システムインテグレーション部門講演会(2009年12月24日〜26日)講演集、第153−154頁
発明者らは、物体表面の僅かな起伏を仮想的に感じさせる装置(触覚ディスプレイ)を開発した。その装置は、ユーザが掌を載せるプレート上に、指関節の掌側の部位を押圧する刺激子を配置し、平面上を、掌ごとプレートを滑らせながら、コンピュータ内でその平面上に仮想的に設定された起伏のデータに応じて指関節の掌側部位を刺激する構成を有している。この装置は、掌が起伏を通過する際に指が僅かに曲がるそのときの感覚を、指関節部位を刺激することで擬似的にユーザに与えるものである。なお、この装置は、発明者らによる国際特許出願PCT/JP2009/066745(本願出願時は未公開)に詳しく開示されている。
理解を助けるために、国際特許出願PCT/JP2009/066745の第1図を本願の図1に再記して触覚ディスプレイの原理を説明する。図1は、発明者らが開発した実験装置1の模式図である。実験装置1は、触覚ディスプレイの効果を確認するために構築されたものである。符号W1は、対象物体を示しており、その表面の略中央に長さ100mmに亘って最大高さ0.2mmの起伏Waが形成されている。なお、図1では、表面の起伏を強調して描いてある。対象物体W1はテーブル上に置かれている。触覚デバイス2は、対象物体W1の両側でローラ3によってテーブルに支持されており、対象物体W1の上方で、その長手方向に沿ってスライドする。触覚デバイス2には自由に上下動する3本のロッド4a、4b、及び4cが取り付けてある。ロッドの長さは約20mmである。なお、3本のロッドをロッド4と総称する。ロッド4の下端にはローラが取り付けられている。ローラを介してロッド4の下端が対象物体W1の表面に触れている。触覚デバイス2を前後にスライドさせると、各ロッド4の下端がローラによってスムーズに表面起伏の上を移動する。触覚デバイス2を前後にスライドさせると、ロッド4の夫々の上端は対象物体W1の表面起伏に応じて上下動する。このとき、ロッド4の上下方向のストロークは、起伏高さに厳密に等しい。人差指、中指、及び、薬指の各指の3つの関節J1、J2、J3の位置に相当する掌側皮膚に夫々のロッド上端が当るように被験者の手Hを触覚デバイス2の上面に置き、触覚デバイス2を動かす。触覚デバイス2の動きに応じて、3本のロッド4が、起伏高さに等しいストロークで掌側皮膚の9つの指関節部位を局所的に押圧する。比較実験として、被験者に対象物体W1の表面を直接に撫でてもらった。数十人程度の被験者ではあるが、全ての被験者が、触覚デバイス2を介して撫でた場合の方が、対象物体W1の表面を直接に撫でた場合よりもはるかに明確に起伏を知覚したと報告した。この実験によって、指関節部位の掌側を局所的に刺激する方が、じかに撫でる場合よりも明確と物体表面の起伏を知覚できることが確かめられた。このように、触覚デバイス2は、指関節部位の掌側に局所的に刺激を加えることで、直接に物体表面を撫でる場合よりもユーザにはっきりと起伏を知覚させることができる。
図1の装置は、ロッド4が現実の起伏Waをトレースするものであったが、起伏Waをコンピュータ内のデータとして構築し、ロッド4をアクチュエータで駆動する構成を採用することによって、現実には存在しない起伏をユーザに知覚させる装置を実現することができる。別言すれば、物体表面の実際には存在しない起伏を仮想現実として知覚させ得る触覚ディスプレイを実現することができる。以下、物体表面の起伏を仮想現実として知覚させる触覚ディスプレイを単に「触覚ディスプレイ」と称する。
触覚ディスプレイの適用先としては、例えば、自動車ボディその他の部品の形状デザインのためのツール、或いは、そのような部品の表面形状の品質チェックが考えられる。デザインツールとしては、実物を試作することなく、コンピュータ内の仮想空間内に構築された数値モデルによる物体をあたかも撫でているような感覚をユーザに与えることができる。また、プレス加工の現場では、熟練工が成形品を撫でてその表面の起伏を確認しているという。そのような熟練工の技術をさらに有効に活用するにもこの触覚ディスプレイの実用化が期待される。なお、非特許文献1に開示された触覚ディスプレイは、図1の実験装置の発展型である。
触覚ディスプレイでは、指関節部位の掌側に、アクチュエータと刺激子を配置することが要求される。なお、刺激子とは、実験装置1のロッド4に相当し、指関節部位の掌側皮膚を押圧する部材を意味する。他方、触覚ディスプレイはユーザの手とともに動かされるため、小型軽量であることが望ましい。本明細書が開示する技術は、刺激子の駆動機構を工夫し、小型軽量の触覚ディスプレイを提供する。
本明細書が開示する技術は、アクチュエータとしてピエゾ素子(圧電素子)を採用するとともに、レバーアームによって圧電素子の変位を拡大して刺激子を指関節部位に向けてスライドさせる。本明細書が開示する触覚ディスプレイは、人の指関節部位の掌側に対向するように配置され、指関節部位の掌側皮膚を押圧する触覚刺激ユニットを備える。触覚刺激ユニットは、ピエゾ素子、刺激子、及び、レバーアームを備える。刺激子は、指関節部位の掌側に向けてスライドするように取り付けられている。レバーアームは、触覚刺激ユニットのケースに軸支されている。またレバーアームは、その一端(力点)がピエゾ素子の端部に連結しているとともに他端(作用点)が刺激子に連結しており、ピエゾ素子の変位量を拡大して刺激子をスライドさせるように動作する。別言すると、レバーアームは、その一端がピエゾ素子の端部に当接しており、ピエゾ素子の変位量(伸展量)が他端において拡大される。この触覚刺激ユニットは、圧電効果によるピエゾ素子の変位量をレバーアームによって拡大し、刺激子を大きく動かす。レバーアームを採用することによって、変位が小さい圧電素子であっても指関節部位に十分な刺激を加えることができる。ピエゾ素子とレバーアームの併用が、指関節部位に対向配置する触覚刺激ユニットの小型軽量化を実現する。ピエゾ素子とレバーアームと刺激子の配置の具体例は後に実施例にて詳しく説明する。なお、レバーアームと刺激子は、直接に連結せず、間に部材(例えば実施例にて述べるスライダやスペーサなど)を介して連結していてもよい。刺激子は、レバーアームの端部の動きに連動して動くように構成されていればよい。レバーアームと刺激子は離間不能に連結されている必要はなく当接していればよい。レバーアームと圧電素子の連結についても同様である。
緩やかな起伏をよりはっきりと知覚させるためには、触覚ディスプレイは、いくつかの指関節部位を同期して刺激することが好ましい。従って、複数の触覚刺激ユニットが夫々に指関節部位に対向配置されることが望ましい。その場合、複数の触覚刺激ユニットが掌の動きを妨げないことも重要である。そのため、本明細書が開示する触覚ディスプレイは次の態様を有することが好ましい。即ち、触覚ディスプレイは、人差指の第1、第2、第3関節、中指の第1、第2、第3関節、及び、薬指の第1、第2、第3関節の夫々に対向する9個の触覚刺激ユニットを有しており、それら9個の触覚刺激ユニットが、指の各部の自由度と対応する自由度を有して相互に連結されている。
本発明によれば、小型軽量の触覚ディスプレイを実現できる。
触覚ディスプレイの効果確認のための実験装置の模式図である。 実施例の触覚ディスプレイの斜視図である。 実施例の触覚ディスプレイの模式的側面図である。 触覚刺激ユニットと回転ユニットの接続関係を示す模式図である。 実施例の触覚刺激ユニットの分解図である。 レバーアームの動作を説明する図である(1)。 レバーアームの動作を説明する図である(2)。
図2は、実施例の触覚ディスプレイ10の斜視図である。図3は、触覚ディスプレイ10の模式的側面図である。なお、触覚ディスプレイ10には、ピエゾ素子25(後述)を制御するコンピュータも備えるが、その図示は省略している。本明細書は、触覚ディスプレイ10の機械的構造を説明し、制御については説明を省略する。以下、触覚ディスプレイ10の全体の構造をまず説明し、次いで、触覚刺激ユニット12(後述)の内部構造について説明する。なお、図における座標系では、掌を広げたときの中指の伸びる方向をX軸に定め、手の甲の法線方向をZ軸に定め、X軸とZ軸に直交する方向にY軸を定めている。
触覚ディスプレイ10は、9個の触覚刺激ユニット12を備える。9個の触覚刺激ユニット12は、ユーザの手Hの人差指F1の第1、第2、第3関節(図3のJ1、J2、J3)、中指F2の第1、第2、第3関節、及び、薬指F3の第1、第2、第3関節の夫々に対向するように相互に連結されている。複数の触覚刺激ユニット12の構造はみな同じである。以下では主として人差指F1に対向配置されている触覚刺激ユニット12a、12b、12cについて説明する。なお、図2、図3では、人差指F1に対向配置された触覚刺激ユニットにだけ符号(12a、12b、12c)を付しており、他の指に対向配置されている触覚刺激ユニットには符号を付していないことに留意されたい。また、9個の触覚刺激ユニットを総称する場合、及び、いずれか一つの触覚刺激ユニット(どれでもよい)について言及する場合は、「触覚刺激ユニット12」と呼称する。
触覚刺激ユニット12a、12b、及び、12cは、夫々、人差指F1の第1関節J1、第2関節J2、及び、第3関節J3の掌側部位に対向するように連結されている。なお、触覚刺激ユニット12aの先端に取り付けられている部品13は、第1関節より先の指先部分を載せる台である。
夫々の触覚刺激ユニット12は、指関節部位に向かって伸びる刺激子21を有している。刺激子21は後述するようにZ軸方向に沿ってスライドするように取り付けられている。刺激子21は、指関節部位に向かってスライドし、その掌側部位を押圧する。触覚刺激ユニット12aと12bはジョイント16によって連結されている。触覚刺激ユニット12bと12cも別のジョイント16によって連結されている。触覚刺激ユニット12cと回転ユニット14aも別のジョイント16によって連結されている。ジョイント16は、Y軸方向(指関節の回転軸と平行の方向)に伸びる回転軸を有しており、連結している2個のユニットはY軸周りに相互に回転することができる。
回転ユニット14aは、人差指F1の関節に対向する3個の触覚刺激ユニット12a、12b、12cの一群と、中指F2の関節に対向する3個の触覚刺激ユニット群と、薬指F3の関節に対向する3個の触覚刺激ユニット群を相互に連結する部品である。図4に、9個の触覚刺激ユニットと3個の回転ユニットの接続関係を示すとともに、ユニット間の回転自由度を示す。軸線C1、C2、及びC3は、Y軸に平行に伸びる回転軸線を示している。軸線C4はX軸に平行に伸びる回転軸線を示している。軸線C5はZ軸に平行に伸びる回転軸線を示している。人差指の第1関節と第2関節に対向する触覚刺激ユニット12aと12bはジョイント16で連結され、回転軸線C1の周りに相互に回転することが許容される。人差指の第2関節と第3関節に対向する触覚刺激ユニット12bと12cはジョイント16で連結され、回転軸線C2の周りに相互に回転することが許容される。人差指の第3関節に対向する触覚刺激ユニット12cとさらに掌側に位置する回転ユニット14aはジョイント16で連結され、回転軸線C3の周りに相互に回転することが許容される。回転ユニット14aは内部に回転軸を有しており、触覚刺激ユニット12cを、(12a、12bともども)回転軸線C5の周りに回転することを許容している。中指に対向配置される3個の触覚刺激ユニットと回転ユニット14bも同様の構造を有している。薬指に対向配置される3個の触覚刺激ユニットと回転ユニット14cも同様の構造を有している。回転ユニット14aと14bは、ジョイント18で連結されており、回転軸線C4の周りに相互に回転することが許容される。回転ユニット14bと14cとの関係も同様である。
以上の接続関係から明らかなとおり、9個の触覚刺激ユニットと3個の回転ユニットは、人の掌が有する自由度に対応する自由を有して相互に接続されている。さらに詳しく言うと、9個の触覚刺激ユニットは、人差指の第1、第2、第3関節、中指の第1、第2、第3関節、及び、薬指の第1、第2、第3関節の夫々に対向するように配置されているとともに、指の各部の自由度に対応する自由度を有して相互に連結されている。触覚ディスプレイ10が上記の連結構造を有することによって、触覚刺激ユニット12は指の動作を妨げない。そのため、触覚ディスプレイ10の下面全体は、湾曲した板に沿って湾曲することができる。例えば、触覚ディスプレイ10は、車両ボディの湾曲面の上に置くことができ、このとき、触覚ディスプレイ10全体が車両ボディの湾曲面に沿って湾曲する。従って、触覚ディスプレイ10の上に置かれた掌全体も、車両ボディ湾曲面に沿って湾曲し、ユーザは、車両ボディの現実の湾曲を知覚することができる。
なお、回転ユニット14aは軸線C5周りの触覚刺激ユニット12c(及び12a、12b)の回転角を検知する角度センサを備えている。回転ユニット14b、14cも同様の角度センサを備えている。角度センサが計測する角度は、隣接する2本の指の開き角度を表す。また、触覚ディスプレイ10は、その3次元位置を特定する位置センサ(不図示)も備えている。それらセンサのデータはコンピュータ(不図示)に送られる。コンピュータでは、位置センサと角度センサのセンサデータから、XY平面内での各触覚刺激ユニット12の位置を特定する。コンピュータは、起伏の数値モデルが定義された仮想空間内に各触覚刺激ユニットの位置を投影し、その位置の起伏高さを特定する。特定された起伏高さに対応した変位を刺激子21の端部で実現する。
この触覚ディスプレイ10の一つの適用例を説明する。実際に存在する金型(例えば、車両ボディを成形するプレス機械の金型)の成形面(目的の形状を有する面であり、その成形面に板材を載置しプレスすることにより板材を目的の形状に成形する)上に触覚ディスプレイ10を置き、その成形面上に、仮想的な起伏をコンピュータ内に設定する。コンピュータ内のモデルは、具体的には成形面の形状(車両ボディ形状にほぼ等しい形状)を規定するCADデータでよい。触覚ディスプレイ10が備える位置センサと角度センサのデータから、現実の触覚ディスプレイ10と成形面の相対位置関係を、コンピュータの仮想空間内での仮想的な触覚ディスプレイと成形面の相対位置関係をリンクさせる。なお、仮想空間内の成形面の数値モデルには、現実には存在しない起伏が設定されている。触覚ディスプレイ10を成形面上で滑らせながら、CADデータに基づいて刺激子を上下させる。そうすると、現実の成形面の曲面の上に、CADデータ上の仮想的な起伏が重畳した形状をユーザに知覚させることができる。CADデータ上にて起伏の位置や大きさを僅かずつ変化させ、その度に触覚ディスプレイ10でコンピュータ上の起伏を知覚させる。そうすると、CAD上の数値で表された僅かな起伏の相違をユーザ(作業者)に知覚によって判別する訓練を行わせることができる。触覚ディスプレイの利用方法は、発明者らが出願した国際特許出願PCT/JP2009/066745にも開示されているので詳しくはそちらを参照されたい。
図5〜図7を参照して触覚刺激ユニット12の内部構造を説明する。ケース27内には、ピエゾ素子25、レバーアーム24、スライダ23が収められている。レバーアーム24は、X軸に平行に伸びる回転軸線Cpの周りに回転できるようにケース27に軸支されている。ピエゾ素子25は、伸縮方向の一端がレバーアーム24の短手側の端部24aに当接するようにケース27に収められている。ピエゾ素子25は、積層型であり、電圧を加えると図のY軸方向に伸縮する。別言すれば、ピエゾ素子25は積層型であり、その積層方向がY軸方向に平行となるようにケース27内に配置される。
スライダ23は、Z軸方向にスライドすることができるようにケース27に収められている。スライダ23は、ケース27に収められたベース(不図示)によってZ方向にスライド可能に支持されている。より詳しくは、スライダ23は、ベースに設けられたレールに嵌合しており、そのレールに沿ってスライドする。スライダ23のカムフォロワ23aが、レバーアーム24の長手側の一端24bに当接している。スライダ23の上端にはケース27に対応した蓋26が連結されている。蓋26の上には、刺激子21が乗せられている。なお、蓋26は磁性体でできており、刺激子21には磁石が付けられているため、刺激子21の位置を各人の関節部の位置に合うように微調整できる。また、刺激子21の上部は、指の関節部位の掌側にフィットするように鞍型に湾曲している。なお、図5中の蓋26の切欠は、スライダ23のベースが干渉しないように設けられたものであり、これにより、全体の厚みを小さくしている。ベースには、スライダ23がZ軸方向に上昇した際に、ベースから外れないようにするため、上面にストッパーが取り付けられている。
ピエゾ素子25は、電圧を印加するとY軸方向に伸びる(矢印A1を参照)。このとき、レバーアーム24の短手側の端部24aが押され、レバーアーム24は軸線Cpの周りに回転する(矢印A2を参照)。そうすると、レバーアーム24の長手側の端部24bが上昇する(矢印A3を参照)。端部24bに当接しているスライダ23(カムフォロワ23a)、及び、刺激子21が、レバーアーム24の回転に伴って上昇する(矢印A4を参照)。結果、刺激子21が指関節部位に向かってスライドし、その掌側を押圧する。図6の仮想線B1は、回転後のレバーアームの位置を示しており、仮想線B2は上昇後の刺激子21を示している。なお、理解を助けるために図6では蓋26の図示を省略しているが、図5から理解されるように、蓋26は刺激子21と一体となって上下する。
なお、「短手側」、「長手側」とは、回転軸線Cpに対して相対的に近い位置と遠い位置を意味する。また、短手側端部24aは、力点に相当し、長手側端部24bは作用点に相当する。従って別言すると、レバーアーム24は、力点24aがピエゾ素子25の端部に連結(当接)しているとともに作用点がスライダ23を介して刺激子21に連結しており、ピエゾ素子25の変位量を拡大して刺激子21をスライドさせる。また、レバーアーム24がピエゾ素子25の変位量を拡大できる条件は、レバーアームの回転軸Cpから作用点(刺激子21との連結点24b)までの距離Lが、レバーアームの回転軸Cpから力点(ピエゾ素子25との連結点24a)までの距離Dよりも長いことである。
ピエゾ素子25の移動量と刺激子21の移動量の関係は図7に示してある。図7では、レバーアーム24を線画表示してある。ピエゾ素子25の変位量だけ、レバーアーム24の短手側端部24aがY方向に移動する。このときの移動量は符号Rinで示す長さである。レバーアーム24は回転軸線Cpを中心に回転するから、レバーアーム24の長手側端部24bはRoutだけZ方向(指関節部位に向かう方向)に移動する。回転軸線Cpから短手側端部24aまでの距離を「D」、回転軸線Cpから長手側端部24bまでの距離を「L」とすると、Rout/Rin=L/Dである。即ち、レバーアーム24は、ピエゾ素子25の変位量Dを、「L/D」倍に拡大して刺激子21をスライドさせることになる。
以上説明したように、触覚ディスプレイ10は、ピエゾ素子25とレバーアーム24を組み合わせた刺激子駆動機構を有している。ピエゾ素子25は小型であるが変位量が小さい。その小さい変位量をレバーアームが増幅し、刺激子21を駆動する。触覚ディスプレイ10は、上記の刺激子駆動機構を採用することによって、小型軽量化を実現している。
発明者らが試作した触覚ディスプレイでは、採用したピエゾ素子は、全長20[mm]、最大変位量17.4[μm]、耐荷重850[N]である。レバーアームの短手側の長さ(図7の距離D)は1[mm]であり、長手側の長さ(図7の距離L)は20[mm]である。即ち、試作した触覚ディスプレイでは、ピエゾ素子の変位を20倍に拡大して刺激子を動かすことができる。なお、試作した触覚刺激ユニットは、24.5[mm]×18.0[mm]×9.0[mm]の直方体に収まるサイズに仕上がった。
実施例の触覚ディスプレイ10についての留意点を述べる。図2に示す触覚ディスプレイ10を内蔵するグローブを用意することも好適である。そのようなグローブを備えると、触覚ディスプレイがさらに扱い易くなる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:触覚デバイス
3:ローラ
4:ロッド
10:触覚ディスプレイ
12:触覚刺激ユニット
14:回転ユニット
16、18:ジョイント
21:刺激子
22:スペーサ
23:スライダ
23a:カムフォロワ
24:レバーアーム
25:ピエゾ素子
27:ケース

Claims (2)

  1. 人の指関節部位の掌側に対向するように配置され、指関節部位の掌側を押圧する触覚刺激ユニットを有する触覚ディスプレイであり、触覚刺激ユニットは、
    ピエゾ素子と、
    指関節部位の掌側に向けてスライドするように取り付けられている刺激子と、
    触覚刺激ユニットに軸支されており、一端がピエゾ素子の端部に連結しているとともに他端が刺激子に連結しており、ピエゾ素子の変位量を拡大して刺激子をスライドさせるレバーアームと、
    を備えていることを特徴とする触覚ディスプレイ。
  2. 人差指の第1、第2、第3関節、中指の第1、第2、第3関節、及び、薬指の第1、第2、第3関節の夫々に対向する9個の触覚刺激ユニットが、指の各部の自由度と対応する自由度を有して相互に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の触覚ディスプレイ。
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