JP2004157170A - ビーム整形光学素子、設計方法および設計プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】収差を最小とする、非球面を使用するビーム整形光学素子を提供する。
【解決手段】本発明によるビーム整形光学素子は、入射側面と反対側の出射側面と光軸とを有し、入射側面と出射側面の両方が、光軸を含むいかなる面内の断面においても非円形である。1実施形態によるビーム整形光学素子は、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明によるビーム整形光学素子は、入射側面と反対側の出射側面と光軸とを有し、入射側面と出射側面の両方が、光軸を含むいかなる面内の断面においても非円形である。1実施形態によるビーム整形光学素子は、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタルディスク(DVD)などの、光記憶用途のための光ピックアップシステム、光通信システムおよびその他の分野に使用されるビーム整形光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に光ピックアップシステムの概略の構成を示す。半導体レーザ1から放射される光束は、コリメータレンズ2によって平行ビームに変換される。つぎに光は、立ち上げミラー3によって反射され対物レンズ4に導かれる。対物レンズ4は、光を光情報記録媒体5上に集光させ、情報の記録・再生が行われる。
【0003】
ここで、半導体レーザ1から放射される光のエネルギー分布は、図7に示すように、層方向(接合面)に垂直な方向を長軸とする楕円形状となる。すなわち、光束は断面方向に楕円のエネルギー分布を持つ。記録用途のための、通常の半導体レーザでは、FWHM(半値全角)は、層方向に約8.5度、層方向に垂直な方向に約17度となる。層方向(接合面)に垂直な方向では、半導体レーザ1からの光束の一部がコリメータレンズ2に結合されず、平行ビームに変換されないため、光学系への光量ロスが生じる。さらに、平行光束化された光束の断面形状も楕円形状のエネルギー分布を有する。ここで、光束をそのまま対物レンズ4により光情報記録媒体5の記録面上にスポットとして集光させると光スポットの形状も楕円形状となる。
【0004】
そこで、半導体レーザから放射される楕円のエネルギー分布の光を、円形に近いエネルギー分布の光に整形するための様々な技術がこれまでに開発されている。
【0005】
図6は、プリズムを組み合わせることにより、断面形状が楕円の光束を、断面形状が円形に近い光束にビーム整形する光学系である。この光学系の問題点としては、プリズムを使用するため、寸法が大きくなり、高価額となり、さらに組立て作業が繁雑となる点がある。さらに、新たな収差を発生させる原因ともなる。平行ビームが必要であり、コリメータのための大きな開口数が要求される。
【0006】
また、立ち上げミラーを使用してビーム整形を行う技術も開発されている(たとえば、特開平9−167375号公報)。この場合、ビーム整形を行うミラーは、コリメータレンズの後方に配置され、半導体レーザとの間隔が大きくなる。したがって、コリメータのための大きな開口数が要求される。
【0007】
さらに、光軸に垂直な2方向の焦点距離が異なる非球面レンズを用いてビーム整形を行う技術が開発されている。このような非球面レンズとしてトロイダルレンズを使用する技術を開示したものとして特開平6−274931号公報および特開平6−294940号公報などがある。また、後に説明するアナモルフィック曲面のレンズを使用する技術を開示したものとして特開2001−6202号公報および特開2001−160234号公報などがある。上記のいずれの従来技術も、コリメータレンズの片面または両面を非球面としてビーム整形機能を持たせている。
【0008】
一般的な非球面トロイダルは、XZ平面において以下に示す数式(1)の第1項で輪郭を定義し、Z軸上で原点からRy離れた一点を通るX軸に平行な軸の周りに輪郭を回転させることによって得られる。この形状は、YZ切平面では球面となるがXZ平面では非球面となる。
【0009】
ここで、cxは、XZ切断面の曲線の中心曲率であり、Ryは、YZ切断面の曲線(円)の半径である。第2項以下は曲面からのずれを表す補正項である。Aiは、補正係数(定数)である。
【0010】
アナモルフィック曲面は以下の数式(2)で表すこともできる。
【0011】
(2)
ここで、cxは、XZ切断面の曲線の中心曲率であり、cx=1/Rx、cyは、YZ切断面の曲線の中心曲率であり、cy=1/Ryである。第2項以下は曲面からのずれを表す補正項である。AR,BR,CR,DR,AP,BP,CPおよびDPは、補正係数(定数)である。
【0012】
ところで、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタルディスク(DVD)などの光ピックアップシステムにおいては、正確かつ高速の記録・再生を行うために収差をできるだけ小さくすることが要求される。したがって、上記のビーム整形機能を備えたレンズも収差をできるだけ小さくすることが要求される。
【0013】
さらに、半導体レーザを使用する光通信システムにおいては、特開平11−218649号に記載されているように、半導体レーザによって発光されたビームを光ファイバに効率的に結合するために、同様のビーム整形光学素子が必要とされる。
【0014】
しかしながら、上記の非球面を使用する従来技術のビーム整形光学素子は、収差をできるだけ小さくするという観点からは十分な結果をもたらすものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
非球面を使用するビーム整形光学素子の収差を最小とするために、異なる面の記述を使用することに対する大きなニーズがある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によるビーム整形光学素子は、入射側面と反対側の出射側面と光軸とを有し、入射側面と出射側面の両方が、光軸を含むいかなる面内の断面においても非円形である。
【0017】
また、本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される。
【0018】
したがって、非球面プロファイルからの補正を行う際に、X軸方向とY軸方向に独立に補正を行うことができ設計の自由度が高まる。
【0019】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Xの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であり、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Yの累乗からなる項に補正係数を乗じた項である。したがって、非球面式からの補正を行う際に、Xに関する補正係数とYに関する補正係数とを独立に操作することができるので、容易に補正を行うことができる。
【0020】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、cxおよびcyがそれぞれX軸およびY軸方向の面の曲率であり、kxおよびkyおよび補正係数AiおよびBiが定数であるとして、入射側および出射側の少なくとも一方の曲面が、数式
で表せる。したがって、第1項の非球面プロファイルを表す項の係数を調整することにより、主にビーム形状の変更などの機能を達成することができる。さらに、XおよびY補正項の係数を独立に操作することにより波面収差を最小とするなどの機能を達成することができる。
【0021】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、cxおよびcyの値が異なる。したがって、非球面プロファイルは、X軸方向とY軸方向で異なる。
【0022】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、少なくとも1つのiの値に対して、Aiがゼロではなく、少なくとも1つのjの値に対して、Bjがゼロではない。X軸方向とY軸方向で独立に補正を行うことができる。
【0023】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子の入射側面および出射側面は、ビーム整形光学素子を通過した後の、光源からの光ビームの波面収差ができるだけ小さくなるような形状を有する。X軸方向とY軸方向に独立に補正を行うことにより、波面収差を従来技術よるものよりさらに小さくすることができる。
【0024】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、光源から供給されるビームの楕円形状の断面が円形断面に近づくように変換する。
【0025】
したがって、光ピックアップシステムに使用された場合に、半導体レーザのエネルギー効率が向上し、光情報記録媒体における記録・再生の高速化が達成される。
【0026】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、半導体レーザと、半導体レーザからのビームを平行光、発散光あるいは収束光に変換する光学素子との間に配置される。したがって、ビーム整形光学素子を半導体レーザの近くに配置することができ、エネルギー利用効率の向上、収差補正の点から有利である。
【0027】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子においては、半導体レーザの発光点から入射側面までの距離がビーム整形光学素子によって形成される発光点の像から入射側面までの距離よりも小さく、像が物空間に位置する。
【0028】
また、本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子においては、NAoutを出射側面の開口数、NAinxおよびNAinyをそれぞれX−Z平面およびY−Z平面内の入射側面の開口数とした場合に、数式
(NAout/2)(1/NAinx+1/NAiny)<1
が満たされる。
【0029】
上記の条件を満たすことにより、ビーム整形光学素子に、コーティングされたビームスプリッタなどのミラー上での入射角度差を小さくする、プリコリメータ機能を持たせることができる。このようにビーム整形光学素子にプリコリメータ機能を組み込むことにより部品点数を削減できる。
【0030】
本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの別の関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される、ビーム整形光学素子を対象とする。本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、収差が最小となるように設計する。本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、入射側面におけるビームの収束・発散状態および出射側面におけるビームの収束・発散状態を含む制約条件を決めるステップと、少なくとも波面収差を含む評価関数を求めるステップとを含む。さらに、本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、上記の制約条件の下で評価関数の値を求めるステップと、評価関数の値が目標の値に達したか否か判断するステップと、評価関数が目標値に近づくように、当該ビーム整形光学素子の形状を記述する数式の少なくとも1つの補正項を調整するステップとを含む。
【0031】
したがって、Xのみの関数からなる補正項とYのみの関数からなる補正項とを独立に調整することによって、従来の技術に比較して収差をより小さくすることができる。
【0032】
本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの別の関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される、ビーム整形光学素子を対象とする。本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、収差が最小となるように設計する。本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、入射側面におけるビームの収束・発散状態および出射側面におけるビームの収束・発散状態を含む制約条件を決めるステップと、少なくとも波面収差を含む評価関数を求めるステップとをコンピュータに実行させる。さらに、本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、上記の制約条件の下で評価関数の値を求めるステップと、評価関数の値が目標の値に達したか否か判断するステップと、評価関数が目標値に近づくように、当該ビーム整形光学素子の形状を記述する数式の少なくとも1つの補正項を調整するステップとをコンピュータに実行させる。
【0033】
したがって、Xのみの関数からなる補正項とYのみの関数からなる補正項とを独立に調整することによって、従来の技術に比較して収差をより小さくすることができる。
【0034】
本発明の1態様による設計方法および設計プログラムは、Xのみの関数からなる補正項が、Xの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であり、Yのみの関数からなる補正項が、Yの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であるビーム整形光学素子を対象とする。したがって、非球面式からの補正を行う際に、Xに関する補正係数とYに関する補正係数とを独立に操作することができるので、容易に補正を行うことができる。
【0035】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子の設計方法および設計プログラムは、cxおよびcyがそれぞれX軸およびY軸方向の面の曲率であり、kxおよびkyおよび補正係数AiおよびBiが定数であるとして、入射側および出射側の少なくとも一方の曲面が、数式
で表せるビーム整形光学素子を対象とする。したがって、第1項の非球面プロファイルを表す項の係数を調整することにより、主にビーム形状の変更などの機能を達成することができる。さらに、XおよびY補正項の係数を独立に操作することにより波面収差を最小とするなどの機能を達成することができる。
【0036】
本発明によるビーム整形光学素子を製造する方法は、本発明によるビーム整形光学素子を設計する方法を利用する。したがって、従来の技術に比較して収差をより小さくしたビーム整形光学素子を製造することができる。
【0037】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、本発明によるビーム整形光学素子を設計する方法を実施するようにコンピュータとともに使用される。したがって、本発明によるコンピュータプログラム製品を使用して、従来の技術に比較して収差をより小さくしたビーム整形光学素子を設計することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明によるビーム整形光学素子を使用する光ピックアップシステムの1実施形態について図2を参照しながら説明する。半導体レーザ10と、半導体レーザ10からの光束を平行光あるいは収束光に変換する素子(たとえば、コリメータレンズ)11との間に本発明によるビーム整形光学素子9を配置する。半導体レーザ10からの断面が楕円形状のビームは、ビーム整形光学素子9を通過することで断面が円形に近いビームに整形される。また、ビーム整形光学素子9は、光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11の開口数にあった開き角で光線を出射する。立ち上げミラー12で反射した光線は、光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11を通過し、対物レンズ13を通過することで光情報記録媒体14に集光することとなる。ビーム整形光学素子は、単一のエレメントからなるのが好ましい。
【0039】
なお、本実施形態の構成は、ビーム整形光学素子9と光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11(たとえば、コリメータレンズ)とを個別に備えている。個別に備える構成は、以下の点で有利である。第1に、コリメータレンズを使用することにより光軸と垂直方向の対物レンズの移動による収差変化を押さえることが可能となる。対物レンズの移動による収差変化を押さえるためには、コリメータレンズのサイズを対物レンズに比べて十分に大きくする必要がある。このため、コリメータレンズは、半導体レーザからある程度離す必要がある。第2に、ビーム整形光学素子は、エネルギー利用効率の向上、よりよい収差補正の点から半導体レーザの近くに配置することができる。コリメータレンズは、上述の点から半導体レーザからある程度離す必要がある。この点からビーム整形光学素子とコリメータレンズを分離する方が有利である。
【0040】
このように、本実施形態の構成は、ビーム整形光学素子9と光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11とを個別に備えている。しかし、ビーム整形機能と光束を平行光あるいは収束光に変換する機能とをともに備えた一体型の素子に対しても本発明は同様に適用できる。
【0041】
また、本発明のビーム整形光学素子にプリコリメータの機能、すなわち、コーティングされたビームスプリッタなどのミラー上での光線角度を小さくする機能を持たせることができる。
【0042】
光ピックアップシステムにプリコリメータの機能が必要な理由について、図3および図4を参照して説明する。図3において、コリメータの手前に立ち上げミラーとしてコーティングされたビームスプリッタを配置する。コーティングされたビームスプリッタは、光の偏光方向にしたがって光を反射または透過させる。コーティングされたビームスプリッタで反射した光は、コリメータ、1/4波長板、対物レンズを通過して光記録媒体上に集光する。光記録媒体で反射した光線は、対物レンズを通過後、1/4波長板を通過することによって偏光方向が90度回転し、ビームスプリッタを透過して光検出器(PD)へ向かう。 往路においてコーティングされたビームスプリッタで反射させ、復路においてコーティングされたビームスプリッタを透過させた場合、コーティングされたビームスプリッタの特性はコーティングされたビームスプリッタ上での入射角度に依存する。コーティングされたビームスプリッタ上での入射角度差が大きくなると位相の変化や反射率の変化が発生する。たとえば、図4に示したように、コーティングされたビームスプリッタに反射として光線を入射させた場合、発散角度が大きいと半導体レーザからのUpper光線とLower光線の間の、コーティングされたビームスプリッタ上での入射角度差が大きくなる。このように入射角度差が大きいと光記録媒体上でのビームスポットの上下あるいは左右で位相やエネルギーが均一でなくなるという問題点が生じる。この問題を回避するため、コーティングされたビームスプリッタ上での光線角度を小さくするプリコリメータを、半導体レーザとビームスプリッタとの間に追加する必要がある。
【0043】
本発明のビーム整形光学素子にプリコリメータの機能を持たせるためには、半導体レーザの発光点から入射側面までの距離がビーム整形光学素子の虚像点から入射側面までの距離よりも小さくなるようにする。このためには、以下の設計条件を追加する。具体的には、後で図15を参照して説明する設計方法において、以下の条件を制約条件に加える。
【0044】
(NAout/2)(1/NAinx+1/NAiny)<1
ここで、NAoutは、出射側の開口数である。NAinxおよびNAinyは、光軸をZ軸として、Z軸に垂直でありかつ相互に垂直な、X軸およびY軸方向の入射側の開口数である。図8に示すように、上記の条件を満たすことによって、半導体レーザの発光点から入射側面までの距離S1は、ビーム整形光学素子の虚像点から入射側面までの距離S2よりも小さくなる。
【0045】
光情報記録媒体に集光するスポットは、対物レンズ13の開口数により目標のスポットサイズとなり、光情報記録媒体14への記録・再生が行われる。ビームは断面のエネルギー分布が円形に近づくように整形されているのでスポット形状もほぼ円形となる。また、光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11の前でビームの断面のエネルギー分布が円形に近づくように整形されているので、スポットに至るまでのエネルギー損失が少ない。さらに、収差が極めて少ない光束が実現される。したがって、ビームのエネルギー効率が高まり、光情報記録媒体14の記録・再生の高密度化および高速化に対応することが可能となる。
【0046】
つぎに、本発明によるビーム整形光学素子9について説明する。本発明によるビーム整形光学素子9は、以下の数式(3)によって表される曲面を少なくとも片側に有するものである。数式(3)の第1項は、数式(2)の第1項と同じであるが、第2項以下の補正項が異なっている。数式(3)の補正項は、X、Yについて独立の係数によって補正を行うことができるようになっているのが特徴である。
【0047】
【0048】
ここで、cxおよびcyがそれぞれX軸およびY軸方向の面の曲率であり、kxおよびkyおよび補正係数AiおよびBiが定数である。
【0049】
以下に、数式(3)の補正項の役割について図9ないし図14を参照しながら説明する。図9は数式(3)の第1項のみによる、バイコニック面形状の1例を示す。図10は、数式(3)による面形状の1例を示す。図9において、X軸方向とY軸方向の曲率が異なっていることがわかる。図10においては、さらにX軸方向に複雑な形状をなしている。図11は、図9の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す。また、図12は、図11の切断面形状の微分曲線を示す。図13は、図10の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す。また、図14は、図13の切断面形状の微分曲線を示す。
【0050】
これらの図から理解されるように、X、Yについて独立の係数によって補正を行うことができる補正項によって曲面の自由度が高まり、ビームの断面形状を円形に近づくようにしながら、収差をより小さくする素子の設計が可能となる。これに対して、数式(2)の第2項以下の補正項では、X、Yについて独立に補正を行うことができないため設計の自由度が小さくなる。
【0051】
つぎに、図15を参照しながら本発明によるビーム整形光学素子の設計方法の概要を説明する。なお、設計には、ビーム整形光学素子の光学的挙動をシミュレートすることができる市販のプログラム(たとえば、Focus Software, Inc.のZemax)を使用してもよい。ステップS10において、ビーム整形光学素子の初期形状を決める。ビーム整形光学素子の初期形状は、半導体レーザ10からのビームの断面形状や半導体レーザ10からの光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11の開口数などに基づいて決定される。ステップS20において、制約条件と評価関数とを決定する。制約条件は、ビーム整形光学素子の入射側および出射側のビームの状態などである。評価関数は、たとえばビームの収差などである。ステップS30において、制約条件の下で評価関数を求める。ステップ40において、評価関数が目標の値に達したか否か判断する。目標の値に達していれば終了する。目標の値に達していなければ、ステップS50において、数式(3)の各パラメータを調整する。ここで、本発明の補正項においては、X、Yについて独立の係数によって補正を行うことができるので、パラメータ調整の自由度があり有利である。さらに、ステップS60において、必要に応じて制約条件を調整する。その後、ステップS30に戻り、評価関数が目標の値に達するまで処理を繰り返す。
【0052】
なお、上記の設計方法を実現するような設計プログラムを作成することもできる。設計プログラムは、ビーム整形光学素子の光学的挙動をシミュレートすることができるプログラムを組み込んでもよい。設計プログラムは、図15に示した各ステップをコンピュータに実行させるように構成される。また、設計プログラムに対話型機能を持たせて、ステップS20における制約条件、評価関数の決定、ステップS50におけるパラメータ調整、ステップS60における制約条件の調整などを設計者との対話により実行するようにしてもよい。この場合に、制約条件や評価関数をコンピュータの記憶装置に記憶させ、設計者に表示して選択させるようにしてもよい。また、ステップS50におけるパラメータ調整の仕方や、ステップS60における制約条件の調整の仕方を種々の方法でコンピュータの記憶装置に記憶させ、設計者に表示して選択させるようにしてもよい。
【0053】
上記の方法によって求めたビーム整形光学素子の形状の1例を表1に示す。本例では、入射側および出射側のいずれの面も数式(3)によって表される。したがって、表1は、数式(3)の各係数を示している。
【0054】
【表1】
【0055】
また、表1によって表される曲面を持つビーム整形光学素子の光軸を含むYZ断面およびXZ断面の形状を図1に示す。入射側面のYZ断面7aとXZ断面7bにおいて、曲率が逆符号となっており、楕円から円への断面形状の整形が行われることに対応している。
【0056】
なお、本例においてビーム整形光学素子は、素材として環状オレフィンコポリマーを使用しているが、他のプラスチック素材およびガラスなどの他の光学材料によっても製造することができる。
【0057】
本例のビーム整形光学素子の設計上の収差を、数式(1)および数式(2)の曲面を両面とするビーム整形光学素子の収差と比較して表2に示す。数式(1)および数式(2)の曲面を両面とするビーム整形光学素子についても、図15と同様の方法によって設計したものである。
【0058】
【表2】
【0059】
表2において、SAは球面収差、ASは非点収差を表す。また、Quadratic ASは、2次非点収差を表す。さらに、Totalは波面収差を表す。いずれの収差も2乗平均(RMS)に対して波長λを単位として表している。本発明のビーム整形光学素子の収差は、数式(1)または数式(2)で表せる曲面を有するビーム整形光学素子の収差と比較してかなり改善している。
【0060】
数式(3)の補正項により曲面の自由度が高まり、収差を最小とするビーム整形光学素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1態様によるビーム整形光学素子を示す図である。
【図2】本発明の1態様によるビーム整形光学素子を含む光ピックアップシステムを示す図である。
【図3】コーティングされたビームスプリッタを含む光ピックアップシステムを示す図である。
【図4】コーティングされたビームスプリッタを示す図である。
【図5】一般的な光ピックアップシステムを示す図である。
【図6】プリズムの組み合わせにより断面が楕円形状のビームを断面が円形に近づくように変換するシステムを示す図である。
【図7】半導体レーザのビームの断面形状を示す図である。
【図8】ビーム整形光学素子の入射側および出射側の開口数の関係を示す図である。
【図9】数式(3)の第1項のみによる面形状の1例を示す図である。
【図10】数式(3)による面形状の1例を示す図である。
【図11】図9の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す図である。
【図12】図11の切断面形状の微分曲線を示す図である。
【図13】図10の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す図である。
【図14】図13の切断面形状の微分曲線を示す図である。
【図15】本発明によるビーム整形光学素子の設計方法を示す図である。
【符号の説明】
1,10 半導体レーザ
2 コリメートレンズ
3,12 立ち上げミラー
4 対物レンズ
5,14 光情報記録媒体
6 レーザ発光点
9 ビーム整形光学素子
11 半導体レーザからの光束を平行光あるいは収束光に変換する光学素子
13 対物レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタルディスク(DVD)などの、光記憶用途のための光ピックアップシステム、光通信システムおよびその他の分野に使用されるビーム整形光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に光ピックアップシステムの概略の構成を示す。半導体レーザ1から放射される光束は、コリメータレンズ2によって平行ビームに変換される。つぎに光は、立ち上げミラー3によって反射され対物レンズ4に導かれる。対物レンズ4は、光を光情報記録媒体5上に集光させ、情報の記録・再生が行われる。
【0003】
ここで、半導体レーザ1から放射される光のエネルギー分布は、図7に示すように、層方向(接合面)に垂直な方向を長軸とする楕円形状となる。すなわち、光束は断面方向に楕円のエネルギー分布を持つ。記録用途のための、通常の半導体レーザでは、FWHM(半値全角)は、層方向に約8.5度、層方向に垂直な方向に約17度となる。層方向(接合面)に垂直な方向では、半導体レーザ1からの光束の一部がコリメータレンズ2に結合されず、平行ビームに変換されないため、光学系への光量ロスが生じる。さらに、平行光束化された光束の断面形状も楕円形状のエネルギー分布を有する。ここで、光束をそのまま対物レンズ4により光情報記録媒体5の記録面上にスポットとして集光させると光スポットの形状も楕円形状となる。
【0004】
そこで、半導体レーザから放射される楕円のエネルギー分布の光を、円形に近いエネルギー分布の光に整形するための様々な技術がこれまでに開発されている。
【0005】
図6は、プリズムを組み合わせることにより、断面形状が楕円の光束を、断面形状が円形に近い光束にビーム整形する光学系である。この光学系の問題点としては、プリズムを使用するため、寸法が大きくなり、高価額となり、さらに組立て作業が繁雑となる点がある。さらに、新たな収差を発生させる原因ともなる。平行ビームが必要であり、コリメータのための大きな開口数が要求される。
【0006】
また、立ち上げミラーを使用してビーム整形を行う技術も開発されている(たとえば、特開平9−167375号公報)。この場合、ビーム整形を行うミラーは、コリメータレンズの後方に配置され、半導体レーザとの間隔が大きくなる。したがって、コリメータのための大きな開口数が要求される。
【0007】
さらに、光軸に垂直な2方向の焦点距離が異なる非球面レンズを用いてビーム整形を行う技術が開発されている。このような非球面レンズとしてトロイダルレンズを使用する技術を開示したものとして特開平6−274931号公報および特開平6−294940号公報などがある。また、後に説明するアナモルフィック曲面のレンズを使用する技術を開示したものとして特開2001−6202号公報および特開2001−160234号公報などがある。上記のいずれの従来技術も、コリメータレンズの片面または両面を非球面としてビーム整形機能を持たせている。
【0008】
一般的な非球面トロイダルは、XZ平面において以下に示す数式(1)の第1項で輪郭を定義し、Z軸上で原点からRy離れた一点を通るX軸に平行な軸の周りに輪郭を回転させることによって得られる。この形状は、YZ切平面では球面となるがXZ平面では非球面となる。
【0009】
ここで、cxは、XZ切断面の曲線の中心曲率であり、Ryは、YZ切断面の曲線(円)の半径である。第2項以下は曲面からのずれを表す補正項である。Aiは、補正係数(定数)である。
【0010】
アナモルフィック曲面は以下の数式(2)で表すこともできる。
【0011】
(2)
ここで、cxは、XZ切断面の曲線の中心曲率であり、cx=1/Rx、cyは、YZ切断面の曲線の中心曲率であり、cy=1/Ryである。第2項以下は曲面からのずれを表す補正項である。AR,BR,CR,DR,AP,BP,CPおよびDPは、補正係数(定数)である。
【0012】
ところで、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタルディスク(DVD)などの光ピックアップシステムにおいては、正確かつ高速の記録・再生を行うために収差をできるだけ小さくすることが要求される。したがって、上記のビーム整形機能を備えたレンズも収差をできるだけ小さくすることが要求される。
【0013】
さらに、半導体レーザを使用する光通信システムにおいては、特開平11−218649号に記載されているように、半導体レーザによって発光されたビームを光ファイバに効率的に結合するために、同様のビーム整形光学素子が必要とされる。
【0014】
しかしながら、上記の非球面を使用する従来技術のビーム整形光学素子は、収差をできるだけ小さくするという観点からは十分な結果をもたらすものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
非球面を使用するビーム整形光学素子の収差を最小とするために、異なる面の記述を使用することに対する大きなニーズがある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によるビーム整形光学素子は、入射側面と反対側の出射側面と光軸とを有し、入射側面と出射側面の両方が、光軸を含むいかなる面内の断面においても非円形である。
【0017】
また、本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される。
【0018】
したがって、非球面プロファイルからの補正を行う際に、X軸方向とY軸方向に独立に補正を行うことができ設計の自由度が高まる。
【0019】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Xの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であり、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Yの累乗からなる項に補正係数を乗じた項である。したがって、非球面式からの補正を行う際に、Xに関する補正係数とYに関する補正係数とを独立に操作することができるので、容易に補正を行うことができる。
【0020】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、cxおよびcyがそれぞれX軸およびY軸方向の面の曲率であり、kxおよびkyおよび補正係数AiおよびBiが定数であるとして、入射側および出射側の少なくとも一方の曲面が、数式
で表せる。したがって、第1項の非球面プロファイルを表す項の係数を調整することにより、主にビーム形状の変更などの機能を達成することができる。さらに、XおよびY補正項の係数を独立に操作することにより波面収差を最小とするなどの機能を達成することができる。
【0021】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、cxおよびcyの値が異なる。したがって、非球面プロファイルは、X軸方向とY軸方向で異なる。
【0022】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、少なくとも1つのiの値に対して、Aiがゼロではなく、少なくとも1つのjの値に対して、Bjがゼロではない。X軸方向とY軸方向で独立に補正を行うことができる。
【0023】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子の入射側面および出射側面は、ビーム整形光学素子を通過した後の、光源からの光ビームの波面収差ができるだけ小さくなるような形状を有する。X軸方向とY軸方向に独立に補正を行うことにより、波面収差を従来技術よるものよりさらに小さくすることができる。
【0024】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、光源から供給されるビームの楕円形状の断面が円形断面に近づくように変換する。
【0025】
したがって、光ピックアップシステムに使用された場合に、半導体レーザのエネルギー効率が向上し、光情報記録媒体における記録・再生の高速化が達成される。
【0026】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子は、半導体レーザと、半導体レーザからのビームを平行光、発散光あるいは収束光に変換する光学素子との間に配置される。したがって、ビーム整形光学素子を半導体レーザの近くに配置することができ、エネルギー利用効率の向上、収差補正の点から有利である。
【0027】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子においては、半導体レーザの発光点から入射側面までの距離がビーム整形光学素子によって形成される発光点の像から入射側面までの距離よりも小さく、像が物空間に位置する。
【0028】
また、本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子においては、NAoutを出射側面の開口数、NAinxおよびNAinyをそれぞれX−Z平面およびY−Z平面内の入射側面の開口数とした場合に、数式
(NAout/2)(1/NAinx+1/NAiny)<1
が満たされる。
【0029】
上記の条件を満たすことにより、ビーム整形光学素子に、コーティングされたビームスプリッタなどのミラー上での入射角度差を小さくする、プリコリメータ機能を持たせることができる。このようにビーム整形光学素子にプリコリメータ機能を組み込むことにより部品点数を削減できる。
【0030】
本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの別の関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される、ビーム整形光学素子を対象とする。本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、収差が最小となるように設計する。本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、入射側面におけるビームの収束・発散状態および出射側面におけるビームの収束・発散状態を含む制約条件を決めるステップと、少なくとも波面収差を含む評価関数を求めるステップとを含む。さらに、本発明によるビーム整形光学素子の設計方法は、上記の制約条件の下で評価関数の値を求めるステップと、評価関数の値が目標の値に達したか否か判断するステップと、評価関数が目標値に近づくように、当該ビーム整形光学素子の形状を記述する数式の少なくとも1つの補正項を調整するステップとを含む。
【0031】
したがって、Xのみの関数からなる補正項とYのみの関数からなる補正項とを独立に調整することによって、従来の技術に比較して収差をより小さくすることができる。
【0032】
本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの別の関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される、ビーム整形光学素子を対象とする。本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、収差が最小となるように設計する。本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、入射側面におけるビームの収束・発散状態および出射側面におけるビームの収束・発散状態を含む制約条件を決めるステップと、少なくとも波面収差を含む評価関数を求めるステップとをコンピュータに実行させる。さらに、本発明によるビーム整形光学素子の設計プログラムは、上記の制約条件の下で評価関数の値を求めるステップと、評価関数の値が目標の値に達したか否か判断するステップと、評価関数が目標値に近づくように、当該ビーム整形光学素子の形状を記述する数式の少なくとも1つの補正項を調整するステップとをコンピュータに実行させる。
【0033】
したがって、Xのみの関数からなる補正項とYのみの関数からなる補正項とを独立に調整することによって、従来の技術に比較して収差をより小さくすることができる。
【0034】
本発明の1態様による設計方法および設計プログラムは、Xのみの関数からなる補正項が、Xの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であり、Yのみの関数からなる補正項が、Yの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であるビーム整形光学素子を対象とする。したがって、非球面式からの補正を行う際に、Xに関する補正係数とYに関する補正係数とを独立に操作することができるので、容易に補正を行うことができる。
【0035】
本発明の1実施形態によるビーム整形光学素子の設計方法および設計プログラムは、cxおよびcyがそれぞれX軸およびY軸方向の面の曲率であり、kxおよびkyおよび補正係数AiおよびBiが定数であるとして、入射側および出射側の少なくとも一方の曲面が、数式
で表せるビーム整形光学素子を対象とする。したがって、第1項の非球面プロファイルを表す項の係数を調整することにより、主にビーム形状の変更などの機能を達成することができる。さらに、XおよびY補正項の係数を独立に操作することにより波面収差を最小とするなどの機能を達成することができる。
【0036】
本発明によるビーム整形光学素子を製造する方法は、本発明によるビーム整形光学素子を設計する方法を利用する。したがって、従来の技術に比較して収差をより小さくしたビーム整形光学素子を製造することができる。
【0037】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、本発明によるビーム整形光学素子を設計する方法を実施するようにコンピュータとともに使用される。したがって、本発明によるコンピュータプログラム製品を使用して、従来の技術に比較して収差をより小さくしたビーム整形光学素子を設計することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明によるビーム整形光学素子を使用する光ピックアップシステムの1実施形態について図2を参照しながら説明する。半導体レーザ10と、半導体レーザ10からの光束を平行光あるいは収束光に変換する素子(たとえば、コリメータレンズ)11との間に本発明によるビーム整形光学素子9を配置する。半導体レーザ10からの断面が楕円形状のビームは、ビーム整形光学素子9を通過することで断面が円形に近いビームに整形される。また、ビーム整形光学素子9は、光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11の開口数にあった開き角で光線を出射する。立ち上げミラー12で反射した光線は、光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11を通過し、対物レンズ13を通過することで光情報記録媒体14に集光することとなる。ビーム整形光学素子は、単一のエレメントからなるのが好ましい。
【0039】
なお、本実施形態の構成は、ビーム整形光学素子9と光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11(たとえば、コリメータレンズ)とを個別に備えている。個別に備える構成は、以下の点で有利である。第1に、コリメータレンズを使用することにより光軸と垂直方向の対物レンズの移動による収差変化を押さえることが可能となる。対物レンズの移動による収差変化を押さえるためには、コリメータレンズのサイズを対物レンズに比べて十分に大きくする必要がある。このため、コリメータレンズは、半導体レーザからある程度離す必要がある。第2に、ビーム整形光学素子は、エネルギー利用効率の向上、よりよい収差補正の点から半導体レーザの近くに配置することができる。コリメータレンズは、上述の点から半導体レーザからある程度離す必要がある。この点からビーム整形光学素子とコリメータレンズを分離する方が有利である。
【0040】
このように、本実施形態の構成は、ビーム整形光学素子9と光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11とを個別に備えている。しかし、ビーム整形機能と光束を平行光あるいは収束光に変換する機能とをともに備えた一体型の素子に対しても本発明は同様に適用できる。
【0041】
また、本発明のビーム整形光学素子にプリコリメータの機能、すなわち、コーティングされたビームスプリッタなどのミラー上での光線角度を小さくする機能を持たせることができる。
【0042】
光ピックアップシステムにプリコリメータの機能が必要な理由について、図3および図4を参照して説明する。図3において、コリメータの手前に立ち上げミラーとしてコーティングされたビームスプリッタを配置する。コーティングされたビームスプリッタは、光の偏光方向にしたがって光を反射または透過させる。コーティングされたビームスプリッタで反射した光は、コリメータ、1/4波長板、対物レンズを通過して光記録媒体上に集光する。光記録媒体で反射した光線は、対物レンズを通過後、1/4波長板を通過することによって偏光方向が90度回転し、ビームスプリッタを透過して光検出器(PD)へ向かう。 往路においてコーティングされたビームスプリッタで反射させ、復路においてコーティングされたビームスプリッタを透過させた場合、コーティングされたビームスプリッタの特性はコーティングされたビームスプリッタ上での入射角度に依存する。コーティングされたビームスプリッタ上での入射角度差が大きくなると位相の変化や反射率の変化が発生する。たとえば、図4に示したように、コーティングされたビームスプリッタに反射として光線を入射させた場合、発散角度が大きいと半導体レーザからのUpper光線とLower光線の間の、コーティングされたビームスプリッタ上での入射角度差が大きくなる。このように入射角度差が大きいと光記録媒体上でのビームスポットの上下あるいは左右で位相やエネルギーが均一でなくなるという問題点が生じる。この問題を回避するため、コーティングされたビームスプリッタ上での光線角度を小さくするプリコリメータを、半導体レーザとビームスプリッタとの間に追加する必要がある。
【0043】
本発明のビーム整形光学素子にプリコリメータの機能を持たせるためには、半導体レーザの発光点から入射側面までの距離がビーム整形光学素子の虚像点から入射側面までの距離よりも小さくなるようにする。このためには、以下の設計条件を追加する。具体的には、後で図15を参照して説明する設計方法において、以下の条件を制約条件に加える。
【0044】
(NAout/2)(1/NAinx+1/NAiny)<1
ここで、NAoutは、出射側の開口数である。NAinxおよびNAinyは、光軸をZ軸として、Z軸に垂直でありかつ相互に垂直な、X軸およびY軸方向の入射側の開口数である。図8に示すように、上記の条件を満たすことによって、半導体レーザの発光点から入射側面までの距離S1は、ビーム整形光学素子の虚像点から入射側面までの距離S2よりも小さくなる。
【0045】
光情報記録媒体に集光するスポットは、対物レンズ13の開口数により目標のスポットサイズとなり、光情報記録媒体14への記録・再生が行われる。ビームは断面のエネルギー分布が円形に近づくように整形されているのでスポット形状もほぼ円形となる。また、光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11の前でビームの断面のエネルギー分布が円形に近づくように整形されているので、スポットに至るまでのエネルギー損失が少ない。さらに、収差が極めて少ない光束が実現される。したがって、ビームのエネルギー効率が高まり、光情報記録媒体14の記録・再生の高密度化および高速化に対応することが可能となる。
【0046】
つぎに、本発明によるビーム整形光学素子9について説明する。本発明によるビーム整形光学素子9は、以下の数式(3)によって表される曲面を少なくとも片側に有するものである。数式(3)の第1項は、数式(2)の第1項と同じであるが、第2項以下の補正項が異なっている。数式(3)の補正項は、X、Yについて独立の係数によって補正を行うことができるようになっているのが特徴である。
【0047】
【0048】
ここで、cxおよびcyがそれぞれX軸およびY軸方向の面の曲率であり、kxおよびkyおよび補正係数AiおよびBiが定数である。
【0049】
以下に、数式(3)の補正項の役割について図9ないし図14を参照しながら説明する。図9は数式(3)の第1項のみによる、バイコニック面形状の1例を示す。図10は、数式(3)による面形状の1例を示す。図9において、X軸方向とY軸方向の曲率が異なっていることがわかる。図10においては、さらにX軸方向に複雑な形状をなしている。図11は、図9の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す。また、図12は、図11の切断面形状の微分曲線を示す。図13は、図10の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す。また、図14は、図13の切断面形状の微分曲線を示す。
【0050】
これらの図から理解されるように、X、Yについて独立の係数によって補正を行うことができる補正項によって曲面の自由度が高まり、ビームの断面形状を円形に近づくようにしながら、収差をより小さくする素子の設計が可能となる。これに対して、数式(2)の第2項以下の補正項では、X、Yについて独立に補正を行うことができないため設計の自由度が小さくなる。
【0051】
つぎに、図15を参照しながら本発明によるビーム整形光学素子の設計方法の概要を説明する。なお、設計には、ビーム整形光学素子の光学的挙動をシミュレートすることができる市販のプログラム(たとえば、Focus Software, Inc.のZemax)を使用してもよい。ステップS10において、ビーム整形光学素子の初期形状を決める。ビーム整形光学素子の初期形状は、半導体レーザ10からのビームの断面形状や半導体レーザ10からの光束を平行光あるいは収束光に変換する素子11の開口数などに基づいて決定される。ステップS20において、制約条件と評価関数とを決定する。制約条件は、ビーム整形光学素子の入射側および出射側のビームの状態などである。評価関数は、たとえばビームの収差などである。ステップS30において、制約条件の下で評価関数を求める。ステップ40において、評価関数が目標の値に達したか否か判断する。目標の値に達していれば終了する。目標の値に達していなければ、ステップS50において、数式(3)の各パラメータを調整する。ここで、本発明の補正項においては、X、Yについて独立の係数によって補正を行うことができるので、パラメータ調整の自由度があり有利である。さらに、ステップS60において、必要に応じて制約条件を調整する。その後、ステップS30に戻り、評価関数が目標の値に達するまで処理を繰り返す。
【0052】
なお、上記の設計方法を実現するような設計プログラムを作成することもできる。設計プログラムは、ビーム整形光学素子の光学的挙動をシミュレートすることができるプログラムを組み込んでもよい。設計プログラムは、図15に示した各ステップをコンピュータに実行させるように構成される。また、設計プログラムに対話型機能を持たせて、ステップS20における制約条件、評価関数の決定、ステップS50におけるパラメータ調整、ステップS60における制約条件の調整などを設計者との対話により実行するようにしてもよい。この場合に、制約条件や評価関数をコンピュータの記憶装置に記憶させ、設計者に表示して選択させるようにしてもよい。また、ステップS50におけるパラメータ調整の仕方や、ステップS60における制約条件の調整の仕方を種々の方法でコンピュータの記憶装置に記憶させ、設計者に表示して選択させるようにしてもよい。
【0053】
上記の方法によって求めたビーム整形光学素子の形状の1例を表1に示す。本例では、入射側および出射側のいずれの面も数式(3)によって表される。したがって、表1は、数式(3)の各係数を示している。
【0054】
【表1】
【0055】
また、表1によって表される曲面を持つビーム整形光学素子の光軸を含むYZ断面およびXZ断面の形状を図1に示す。入射側面のYZ断面7aとXZ断面7bにおいて、曲率が逆符号となっており、楕円から円への断面形状の整形が行われることに対応している。
【0056】
なお、本例においてビーム整形光学素子は、素材として環状オレフィンコポリマーを使用しているが、他のプラスチック素材およびガラスなどの他の光学材料によっても製造することができる。
【0057】
本例のビーム整形光学素子の設計上の収差を、数式(1)および数式(2)の曲面を両面とするビーム整形光学素子の収差と比較して表2に示す。数式(1)および数式(2)の曲面を両面とするビーム整形光学素子についても、図15と同様の方法によって設計したものである。
【0058】
【表2】
【0059】
表2において、SAは球面収差、ASは非点収差を表す。また、Quadratic ASは、2次非点収差を表す。さらに、Totalは波面収差を表す。いずれの収差も2乗平均(RMS)に対して波長λを単位として表している。本発明のビーム整形光学素子の収差は、数式(1)または数式(2)で表せる曲面を有するビーム整形光学素子の収差と比較してかなり改善している。
【0060】
数式(3)の補正項により曲面の自由度が高まり、収差を最小とするビーム整形光学素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1態様によるビーム整形光学素子を示す図である。
【図2】本発明の1態様によるビーム整形光学素子を含む光ピックアップシステムを示す図である。
【図3】コーティングされたビームスプリッタを含む光ピックアップシステムを示す図である。
【図4】コーティングされたビームスプリッタを示す図である。
【図5】一般的な光ピックアップシステムを示す図である。
【図6】プリズムの組み合わせにより断面が楕円形状のビームを断面が円形に近づくように変換するシステムを示す図である。
【図7】半導体レーザのビームの断面形状を示す図である。
【図8】ビーム整形光学素子の入射側および出射側の開口数の関係を示す図である。
【図9】数式(3)の第1項のみによる面形状の1例を示す図である。
【図10】数式(3)による面形状の1例を示す図である。
【図11】図9の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す図である。
【図12】図11の切断面形状の微分曲線を示す図である。
【図13】図10の曲面をy=0の面で切断した場合の切断面形状を示す図である。
【図14】図13の切断面形状の微分曲線を示す図である。
【図15】本発明によるビーム整形光学素子の設計方法を示す図である。
【符号の説明】
1,10 半導体レーザ
2 コリメートレンズ
3,12 立ち上げミラー
4 対物レンズ
5,14 光情報記録媒体
6 レーザ発光点
9 ビーム整形光学素子
11 半導体レーザからの光束を平行光あるいは収束光に変換する光学素子
13 対物レンズ
Claims (18)
- 入射側面と反対側の出射側面と光軸とを有するビーム整形光学素子であって、入射側面と出射側面の両方が、光軸を含むいかなる面内の断面においても非円形であるビーム整形光学素子。
- 光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される請求項1に記載のビーム整形光学素子。
- 変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Xの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であり、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Yの累乗からなる項に補正係数を乗じた項である請求項2に記載のビーム整形光学素子。
- cxおよびcyの値が異なる請求項4に記載のビーム整形光学素子。
- 少なくとも1つのiの値に対して、Aiがゼロではなく、少なくとも1つのjの値に対して、Bjがゼロではない請求項4に記載のビーム整形光学素子。
- 入射側面および出射側面が、ビーム整形光学素子を通過した後の、光源からの光ビームの波面収差ができるだけ小さくなるような形状を有する請求項1から6のいずれか1項に記載のビーム整形光学素子。
- 光源から供給されるビームの楕円形状断面が円形断面に近づくように変換する請求項1から7のいずれか1項に記載のビーム整形光学素子。
- 半導体レーザと、半導体レーザからのビームを平行光、発散光あるいは収束光に変換する光学素子との間に配置される請求項1から8のいずれか1項に記載のビーム整形光学素子。
- 半導体レーザの発光点から入射側面までの距離がビーム整形光学素子によって形成される発光点の像から入射側面までの距離よりも小さく、像が物空間に位置する請求項1から9のいずれか1項に記載のビーム整形光学素子。
- NAoutを出射側面の開口数、NAinxおよびNAinyをそれぞれX−Z平面およびY−Z平面内の入射側面の開口数とした場合に、数式
(NAout/2)(1/NAinx+1/NAiny)<1
が満たされる請求項2から10のいずれか1項に記載のビーム整形光学素子。 - 光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの別の関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される、ビーム整形光学素子を、収差が最小となるように設計するための設計方法であって、
入射側面におけるビームの収束・発散状態および出射側面におけるビームの収束・発散状態を含む制約条件を決めるステップと、
少なくとも波面収差に対する評価関数を求めるステップと、
上記の制約条件の下で評価関数の値を求めるステップと、
評価関数の値が目標の値に達したか否か判断するステップと、
評価関数が目標値に近づくように、当該ビーム整形光学素子の形状を記述する数式の少なくとも1つの補正項を調整するステップとを含む設計方法。 - ビーム整形光学素子を製造する方法であって、請求項12に記載の設計方法に従ってビーム整形光学素子を設計するステップと、当該設計にしたがってビーム整形素子を製造するステップとを含むビーム整形光学素子を製造する方法。
- 光軸が3軸直交XYZ座標系のZ軸と一致し、入射側面と出射側面とが、非回転対称の非球面プロファイルを表す項と、変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項と、変数Yのみの別の関数からなる少なくとも1つの補正項とを含む数式によって表される、ビーム整形光学素子を、収差が最小となるように設計するためのコンピュータプログラムであって、
入射側面におけるビームの収束・発散状態および出射側面におけるビームの収束・発散状態を含む制約条件を決めるステップと、
少なくとも波面収差に対する評価関数を求めるステップと、
上記の制約条件の下で評価関数の値を求めるステップと、
評価関数の値が目標の値に達したか否か判断するステップと、
評価関数が目標値に近づくように、当該ビーム整形光学素子の形状を記述する数式の少なくとも1つの補正項を調整するステップとをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。 - 変数Xのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Xの累乗からなる項に補正係数を乗じた項であり、変数Yのみの関数からなる少なくとも1つの補正項が、Yの累乗からなる項に補正係数を乗じた項である請求項15に記載のコンピュータプログラム。
- 請求項12に記載の方法を実施する際にコンピュータと協働する有形媒体に収められたコンピュータプログラム製品。
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