JP2004153582A - デジタル画像の認証方法、認証システムおよび撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影装置で撮影したデジタル画像の証拠能力が低い。
【解決手段】デジタルカメラ20は、撮影したデジタル画像を保持する画像データ保持部24と、内蔵時計28と、時刻設定部32と,撮影したデジタル画像に認証情報を関連づける処理を行う認証情報制御部50と、を備える。認証情報制御部50は、内蔵時計28の進行が中断するたびに異なる時刻IDを設定し保持する時刻ID制御部36と、撮影したデジタル画像に撮影時刻や撮影時点の時刻IDなどを付加する認証情報付加部44と、認証のタイミングで時刻IDと内蔵時計が示す時刻を認証サーバに通知する認証情報送信部46と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】デジタルカメラ20は、撮影したデジタル画像を保持する画像データ保持部24と、内蔵時計28と、時刻設定部32と,撮影したデジタル画像に認証情報を関連づける処理を行う認証情報制御部50と、を備える。認証情報制御部50は、内蔵時計28の進行が中断するたびに異なる時刻IDを設定し保持する時刻ID制御部36と、撮影したデジタル画像に撮影時刻や撮影時点の時刻IDなどを付加する認証情報付加部44と、認証のタイミングで時刻IDと内蔵時計が示す時刻を認証サーバに通知する認証情報送信部46と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル画像の認証技術に関する。
【従来の技術】
近年、従来型のカメラに替わりデジタルカメラが普及しつつあり、その性能の向上は目を見張るものがある。撮影能力は従来型のカメラと遜色のないレベルに達しつつある。デジタルカメラで撮影した画像データは、その取り扱いが容易であり今後様々な場面で使用されるようになると想定されている。最近では工事現場の進捗状況の記録などにも利用されるようになっている。しかしながらデジタルカメラで撮影したデジタル画像は、パーソナルコンピュータ等で加工することが容易であり、その証拠能力は一般的には低いと見なされている。
【0002】
デジタル画像の証拠能力の確保するために、撮影日時やカメラの製造番号などの認証情報を撮影したデジタル画像に透かし込む方法も提案されているが、その撮影日時自体の信頼性の確保が必要となる。デジタル画像に信頼性が確保された認証情報を付加する技術として、GPS(Global Positioning System)から得た位置情報や、電波時計から得た時刻情報をデジタル画像に付加する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−100632号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では認証情報、特に時刻情報の信頼性を向上させる余地が残されている。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであって、その目的は、撮影したデジタル画像に正確な撮影時刻を関連づける技術を提供することにある。別の目的は、デジタル画像の認証能力を確保する技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、認証方法に関する。この方法は、撮影装置で撮影したデジタル画像に当該撮影装置に内蔵された時計から得られる撮影時刻および当該撮影時刻までの前記時計の動作履歴を関連づける予備ステップと、前記撮影時刻および動作履歴が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する主体に送信する第1送信ステップと、動作履歴および前記内蔵される時計が示す現在時刻を前記主体に送信する第2送信ステップと、を有し、第2送信ステップにて送信される動作履歴は当該送信の時刻までの履歴である。また、前記主体が要求した識別子を前記撮影装置より受け取った際に、受け取った識別子と前記デジタル画像に関連づけられている識別子と比較し、それら識別子が一致する場合、前記デジタル画像を認証するステップをさらに有してもよい。
【0006】
本発明のさらに別の態様は撮影装置に関する。この装置は、内蔵される時計の進行の連続性が中断されるたびに異なる識別子を設定する識別子設定部と、撮影したデジタル画像に前記時計から得られる撮影時刻および前記所定の識別子を認証情報として関連づける認証情報付加部と、撮影時刻および識別子が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する主体に送信する画像送信部と、当該撮影装置に内蔵される時計が示す時刻と識別子を前記認証サーバに送信する認証情報送信部と、を有する。
【0007】
ここで「内蔵される時計の進行の連続性が中断される」とは、ユーザにより時刻の変更操作を受けたり、電池交換などで時計の進行が停止することなどが挙げられる。例えばメモリなどに記録されているデジタル画像に関連づけられている識別子と、現在撮影装置に設定されている識別子が同一であれば、デジタル画像を撮影した後に時刻の変更操作が行われていないことが分かる。
【0008】
本発明の別の態様は認証システムに関する。このシステムは、撮影装置で撮影したデジタル画像の時刻を所定の認証サーバで認証するシステムであって、撮影装置は、内蔵する時計の進行の連続性が中断されるたびに異なる識別子を設定する識別子設定部と、撮影したデジタル画像に時計から得られる撮影時刻および識別子を認証情報として関連づける認証情報付加部と、撮影時刻および識別番号が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する認証サーバに送信する画像送信部と、内蔵する時計が示す時刻と識別子を認証サーバに送信する認証情報送信部と、を有し、認証サーバは、認証情報が関連づけられたデジタル画像を撮影装置より取得する画像取得部と、デジタル画像に関連づけられた認証情報を抽出する認証情報抽出部と、撮影装置に対して、その撮影装置に設定されている識別子と撮影装置が内蔵する時計が示す時刻を要求する識別番号要求部と、撮影装置の認証情報送信部より受け取った識別子と認証情報に含まれている識別子とを比較し、それら識別子が一致する場合、デジタル画像の撮影時刻を認証する画像認証部と、を有する。
【0009】
本発明の別の態様は撮影装置に関する。この装置は、内蔵する時計の進行の連続性が中断されるたびに識別子を設定する識別子設定部と、撮影したデジタル画像に内蔵する時計から得られる撮影時刻および識別子を関連づける認証情報付加部と、外部より正確な標準時刻を取得する時刻取得部と、所期の認証タイミングにおいて、識別子に変更がない場合に限って、取得した標準時刻と内蔵する時計が示す時刻をもとに正確な撮影時刻を推定し、推定された撮影時刻をデジタル画像に付加する画像認証部と、を有する。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態では、デジタルカメラで撮影したデジタル画像に撮影時刻や撮影位置を付加する。特に撮影時刻の信頼性を確保するために、デジタルカメラの内蔵時計から得られた撮影時刻をデジタル画像に付加するとともに、内蔵時計における時刻の設定変更の有無を確認し、設定変更がない場合、NTPサーバの配信する精度の高い標準時刻をもとにデジタル画像に対し正確な撮影時刻を埋め込む。また、撮影位置としてGPSを利用して位置を特定したり、無線LAN機器や携帯電話などの端末を利用してインターネットに接続する場合、それら端末が接続する基地局のアドレスを撮影位置として利用する。
【0012】
実施の形態1:
図1は、実施の形態1に係るデジタルカメラ20および認証サーバ60を含むネットワークシステム10の全体構成を示す。ここでは、デジタルカメラ20と、認証サーバ60と、NTPサーバ12がインターネット18を介して接続される。また、デジタルカメラ20は、外部無線基地局14やGPS16から得られる情報をもとに撮影位置を取得する。NTPサーバ12は、標準時刻を高い精度で提供する。
【0013】
図2は、実施の形態1に係るデジタルカメラ20の構成図である。デジタルカメラ20は、ユーザの様々な操作を受け付けるユーザインタフェイス26と、デジタル画像を撮影する撮影部22と、撮影したデジタル画像を保持する画像データ保持部24と、を備える。更にデジタルカメラ20は、内蔵時計28と、内蔵時計28の時刻設定を行う時刻設定部32と、電源管理部34と、インターネット18との通信を行う通信部30と、撮影したデジタル画像に認証情報を関連づける処理を行う認証情報制御部50を備える。また更に、デジタルカメラ20は、撮影位置を特定するためにアンテナ100によってGPS16が発信する電波を取得し自己の位置を特定するGPS受信装置42を備える。
【0014】
認証情報制御部50は、内蔵時計28の進行が中断するたびに異なる認証番号(以下、「時刻ID」ともいう)を設定し保持する時刻ID制御部36と、撮影位置を特定するためにGPS受信装置42から、またはインターネット18を介して外部無線基地局14から位置情報を取得する位置情報取得部40と、デジタルカメラ20の製造番号やMAC(Media Access Control adress)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレスなどの個体識別番号を保持する識別情報保持部38と、撮影したデジタル画像に撮影時刻、撮影時点の時刻ID、およびデジタルカメラ20の識別番号を認証情報として付加する認証情報付加部44と、認証サーバ60の要請を受けて要請を受けた時点の時刻IDと内蔵時計が示す時刻を認証サーバ60に通知する認証情報送信部46と、を備える。
【0015】
図3は、実施の形態1に係る認証サーバ60の構成を示す。認証サーバ60は、インターネット18を介してデジタルカメラ20およびNTPサーバ12と通信する通信部70と、デジタルカメラ20の要請を受けてデジタル画像の認証を行う認証処理部80を備える。認証処理部80は、デジタルカメラ20から認証情報が付加されたデジタル画像を取得し、そのデジタル画像に付加されている認証情報から時刻IDが付加と撮影時刻を抽出する認証情報抽出部82と、時刻ID制御部36に設定されている時刻IDとデジタルカメラ20の内蔵時計28の示す時刻を要求し取得する時刻情報要求部84と、NTPサーバ12から標準時間を取得する標準時刻取得部86と、後述する処理にもとづきデジタル画像の認証処理を行う画像認証部88と、を備える。
【0016】
図4は、デジタル画像の認証処理手順を示すタイミングチャートであり、このタイミングチャートをもとに上述の構成による動作を説明する。ユーザの操作によって、デジタルカメラ20は撮影を行い、デジタル画像を取得する(S110)。撮影されたデジタル画像には、そのヘッダ領域に撮影時刻および時刻IDが付加される(S112)。撮影時刻および時刻IDはデジタル画像のヘッダ領域に付加されたが画像データに埋め込まれてもよく、その埋め込みおよび抽出技術は一般的に知られる技術で画像品位に影響を与えず実現できる。
【0017】
つづいて、位置情報取得部40は、取得した撮影位置をデジタル画像に付加する(S114)。このデジタル画像に付加された時刻情報の認証のための操作がユーザによりなされた場合、認証情報送信部46は、まず、撮影時刻および時刻IDが付加されたデジタル画像を認証サーバ60に送信する(S116)。
【0018】
つづいて、認証サーバ60の処理に移り、認証情報抽出部82は、デジタル画像を取得すると(S210)、そのデジタル画像に付加されている認証情報の一部である撮影時刻および時刻IDを抽出する(S212)。次に、時刻情報要求部84は、デジタルカメラ20に対してその時点で時刻ID制御部36に設定されている時刻IDおよび内蔵時計28が示す時刻を要求する(S214)。
【0019】
デジタルカメラ20の処理に移り、認証情報送信部46は認証サーバ60の要求にもとづき、時刻ID制御部36に設定されている時刻IDおよび内蔵時計28が示す時刻を取得し認証サーバ60に送信する(S118)。認証サーバ60の処理に移り、時刻情報要求部84はデジタルカメラ20より時刻IDおよび時刻を受け取ると(S216)、画像認証部88はデジタル画像より抽出した時刻IDと認証情報送信部46より受け取った時刻IDが一致するか確認する(S218)。それら時刻IDが一致しない場合(S220のN)、デジタルカメラ20において時刻設定の操作が行われたとしてデジタル画像の認証はなされない(S226)。
【0020】
時刻IDが一致する場合(S220のY)、まず標準時刻取得部86はNTPサーバ12にアクセスし正確な標準時刻を取得し、画像認証部88はその標準時刻と認証情報送信部46より取得した時刻とを比較し、内蔵時計28に設定されている時刻と標準時刻との誤差を算出し、その誤差をもとに正式な撮影時刻を推定し、撮影時刻と認証すべき時刻(以下、「認証撮影時刻」ともいう)を確定する(S222)。つづいて、画像認証部88は、撮影位置と認証撮影時刻を既知の暗号処理技術を利用してデジタル画像に付加する(S224)。デジタル画像に付加する際に、ヘッダ領域に付加してもよいし、透かし技術等を用いて画像データに埋め込んでもよい。その後、画像認証部88は認証の結果、認証されなかったときはその旨を通知し、認証された場合は、認証撮影時刻が付加されたデジタル画像をデジタルカメラ20に送信する(S228)。デジタルカメラ20は、認証結果の通知を受けると認証された場合は、認証された撮影時刻が付加されたデジタル画像を画像データ保持部24に保持し、認証されなかった場合は、認証されなかった旨を示す識別子を付加しデジタル画像を画像データ保持部24に記録する(S120)。これにより、デジタル画像に対して、正確な撮影時刻を付加することができ、撮影時刻が付加されたデジタル画像の客観性が維持される。また、デジタル画像に付加する認証情報として識別情報保持部38に保持されている個体識別番号が含まれてもよい。
【0021】
ここで、デジタルカメラ20が撮影を行った時に、GPS受信装置42が何らかの原因により撮影位置を特定できなかった場合、撮影位置の手がかりとなる情報として、撮影時刻が近くかつ認証済みのデジタル画像の時刻ID、撮影時刻および撮影位置の組合せを認証情報の一部として組み込んでもよい。当然、認証されているデジタル画像に付加されている情報に限らず、最近接続したもしくは再接続後の外部無線基地局14のアドレスおよび接続時刻を撮影位置に替わる情報として利用されてもよい。また、認証撮影時刻が付加されたデジタル画像はデジタルカメラ20に送信せずに、ネットワーク上に設けられた所定のサイトに保持されてもよい。その場合、デジタルカメラ20にはデジタル画像の保持されているサイトのアドレスを通知すればよい。
【0022】
デジタルカメラ20の内蔵時計28の電源として、主電源とは別にボタン電池などが利用されることがある。この場合、電池切れにより内蔵時計28が停止することはまれであり、一般には、一度時刻を設定すれば頻繁に時刻の設定変更が行われることは少ない。そこで、時刻の設定変更可能なユーザをパスワードなどで限定する構成としてもよい。その場合、時刻の設定変更がなされ時刻IDが新たに設定される際に、変更を行ったユーザを特定する識別子、一般には識別番号を時刻IDに関連づけて記録してもよい。
【0023】
画像認証部88は、デジタル画像から抽出された撮影時点の時刻IDと認証情報送信部46から受け取った時刻IDを比較し、それらが一致する場合に限り認証処理を行った。しかし、ユーザが意図せず内蔵時計28の時刻が変更されるたり、海外旅行などで時差が発生した場合、ユーザによっては時刻を変更したりすることも考えられるため、ユーザの時刻変更の操作履歴を時刻IDに関連づけて記録しておき、撮影時刻の客観性を確保することで、時刻IDが一致しない場合でも認証処理を行ってもよい。
【0024】
図5は上記の操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一例を示す。このテーブルには、設定されている時刻IDと、時刻変更時におけるその前後の時刻の差分値が記述されている。時刻IDは、最初に時刻設定をする際には設定されず、2回目以降の時刻設定時に新たに乱数を発生させること等で設定される。ここでは、2回目以降順次、時刻IDとして「1234」、「5678」、および「9abc」が設定されている。また、時刻IDが「1234」から「5678」に変更されたとき、内蔵時計は460954秒だけ進められたことを示している。このように、差分値も記録することで、異なる時刻IDであっても、撮影時刻を正しく推定できる。
【0025】
図6は、時刻変更履歴テーブルの別の例を示す。このテーブルには、時刻IDとして時刻の変更操作が成されるたびにインクリメントされる時刻変更履歴IDと、変更前後の時刻の差分値と、時刻変更履歴IDの設定期間が記述されている。例えば、時刻変更履歴IDとして「00002」が設定される場合、3600秒(1時間)だけ内蔵時計28を進める操作がなされたことを示している。また、現在設定されている時刻変更履歴IDは「00003」であるため、変更前後の時刻の差分値は「0」となっており、次回変更時に差分値が決定する。
【0026】
図7は、図6の時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す。例えば、時刻変更履歴IDが「0001」において1月1日9時撮影と記録されたデジタル画像は、9時+(−18000秒(5時間))+3600秒(1時間)=5時より、現在設定されている時間軸上では、1月1日5時撮影のデジタル画像となる。現在の時刻が、現在設定されている時間軸上で12時であれば、撮影時刻は現在より7時間前となる。現在、標準時間が12時を示していれば、認証サーバ60はデジタル画像の撮影時刻として5時を付加すればよい。また、標準時間が13時を示していれば、1時間遅れていることになるので、認証サーバ60はデジタル画像の撮影時刻として6時を付加すればよい。図6の設定期間は記述されなくともよいが、これがあることで矛盾した撮影時刻を割り出すことができる。
【0027】
図8は、時刻変更履歴テーブルのさらに別の例を示す。ここでは、デジタルカメラ20を出荷する際に基準時間が設定され、その基準時間との差分値が保持される。この基準時間は変更ができない構成である。この時刻変更履歴テーブルには、時刻IDとして時刻の変更操作が成されるたびにインクリメントされる時刻変更履歴IDと、基準時刻と変更後の時刻との差分値、および変更時刻が記述されている。例えば、時刻変更履歴IDが「00003」が設定されたとき、新たに設定された時刻が12時で基準時刻が16時であれば、差分値として「−14400秒(−4時間)」が記述される。変更時刻は記述されなくともよいが、これがあることで矛盾した撮影時刻を割り出すことができる。図9は、時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す。例えば、現在の時刻変更履歴IDが「00003」であり、時刻変更履歴IDが「00001」で1月1日9時に撮影と記録されたデジタル画像に関して、現在の時刻設定のもとにおける撮影時刻を求める。時刻変更履歴IDが「00001」のタイミングでは基準時刻との差分値が「+3時間」であり、時刻変更履歴IDが「00003」である現在の時刻設定では、基準時間との差分値が「−4時間」である。したがって、16時−(+3時間)+(−4時間)=9時より、現在の時刻設定では、1月1日9時に撮影されたデジタル画像であると判断される。
【0028】
また、メモリバックアップ電池を交換する場合などでは、すべてのメモリがリセットされることがある。そこで、時刻変更履歴テーブルに関してもリセットされてしまう。そこで、図10に示すように、時刻変更履歴テーブルは電池交換のたびにインクリメントされる電池交換IDを持つ構成としてもよい。
【0029】
実施の形態2:
実施の形態1では、撮影したデジタル画像は認証サーバ60で撮影時刻の認証処理が行われたが、本実施の形態ではデジタルカメラ20が認証処理を行う。図11は、本実施の形態に係るデジタルカメラ20の構成を示す。この構成およびその動作は、実施の形態1で示したデジタルカメラ20の構成および動作と概ね同一なので主に異なる点を説明する。本実施の形態では、デジタルカメラ20が認証処理を行うため認証情報付加部44は撮影したデジタル画像を認証サーバ60に送信せず、また、同じ理由から認証情報送信部46が不要となる。一方、デジタルカメラ20は標準時刻を取得する標準時刻取得部86を備える。
【0030】
デジタル画像の認証処理がなされる場合、認証情報付加部44はデジタル画像に付加されている時刻IDと撮影時刻を抽出する。また、その時点で時刻ID制御部36に設定されている時刻IDを取得し、抽出した時刻IDと比較する。それら時刻IDが一致する場合、認証処理を行う。ただし、上述のようにユーザの時刻変更の操作履歴を保持する時刻変更履歴テーブルがある場合は、時刻IDが一致しなくとも認証処理は行われる。
【0031】
認証処理が行われる場合、標準時刻取得部86は標準時刻をNTPサーバ12から取得し、認証情報付加部44に通知する。認証情報付加部44はその標準時刻と、現在の内蔵時計28が示す時刻、および抽出された撮影時刻をもとに正確な撮影時刻を算出し、その算出された時間を認証撮影時刻として確定する。
【0032】
図2、図3および図11に示した構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0033】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタルカメラなどの撮影装置で撮影したデジタル画像に正確な撮影時刻を関連づけることができる。また別の観点では、デジタル画像の認証能力を確保することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るデジタルカメラおよび認証サーバを含むネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るデジタルカメラの構成図である。
【図3】実施の形態1に係る認証サーバの構成図である。
【図4】デジタルカメラおよび認証サーバの動作を示すタイミングチャートである。
【図5】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図6】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図7】時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す図である。
【図8】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図9】時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す図である。
【図10】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図11】実施の形態2に係るデジタルカメラの構成図である。
【符号の説明】
10 ネットワークシステム、 12 NTPサーバ、 14 外部無線基地局、 18 インターネット、 20 デジタルカメラ、24 画像データ保持部、 28 内蔵時計、 32 時刻設定部、 36 時刻ID制御部、 40位置情報取得部、 44 認証情報付加部、 46 認証情報送信部、 50認証情報制御部、 60 認証サーバ、 80 認証処理部、 82 認証情報抽出部、 84 時刻情報要求部、 86 標準時刻取得部、 88 画像認証部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル画像の認証技術に関する。
【従来の技術】
近年、従来型のカメラに替わりデジタルカメラが普及しつつあり、その性能の向上は目を見張るものがある。撮影能力は従来型のカメラと遜色のないレベルに達しつつある。デジタルカメラで撮影した画像データは、その取り扱いが容易であり今後様々な場面で使用されるようになると想定されている。最近では工事現場の進捗状況の記録などにも利用されるようになっている。しかしながらデジタルカメラで撮影したデジタル画像は、パーソナルコンピュータ等で加工することが容易であり、その証拠能力は一般的には低いと見なされている。
【0002】
デジタル画像の証拠能力の確保するために、撮影日時やカメラの製造番号などの認証情報を撮影したデジタル画像に透かし込む方法も提案されているが、その撮影日時自体の信頼性の確保が必要となる。デジタル画像に信頼性が確保された認証情報を付加する技術として、GPS(Global Positioning System)から得た位置情報や、電波時計から得た時刻情報をデジタル画像に付加する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−100632号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では認証情報、特に時刻情報の信頼性を向上させる余地が残されている。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであって、その目的は、撮影したデジタル画像に正確な撮影時刻を関連づける技術を提供することにある。別の目的は、デジタル画像の認証能力を確保する技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、認証方法に関する。この方法は、撮影装置で撮影したデジタル画像に当該撮影装置に内蔵された時計から得られる撮影時刻および当該撮影時刻までの前記時計の動作履歴を関連づける予備ステップと、前記撮影時刻および動作履歴が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する主体に送信する第1送信ステップと、動作履歴および前記内蔵される時計が示す現在時刻を前記主体に送信する第2送信ステップと、を有し、第2送信ステップにて送信される動作履歴は当該送信の時刻までの履歴である。また、前記主体が要求した識別子を前記撮影装置より受け取った際に、受け取った識別子と前記デジタル画像に関連づけられている識別子と比較し、それら識別子が一致する場合、前記デジタル画像を認証するステップをさらに有してもよい。
【0006】
本発明のさらに別の態様は撮影装置に関する。この装置は、内蔵される時計の進行の連続性が中断されるたびに異なる識別子を設定する識別子設定部と、撮影したデジタル画像に前記時計から得られる撮影時刻および前記所定の識別子を認証情報として関連づける認証情報付加部と、撮影時刻および識別子が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する主体に送信する画像送信部と、当該撮影装置に内蔵される時計が示す時刻と識別子を前記認証サーバに送信する認証情報送信部と、を有する。
【0007】
ここで「内蔵される時計の進行の連続性が中断される」とは、ユーザにより時刻の変更操作を受けたり、電池交換などで時計の進行が停止することなどが挙げられる。例えばメモリなどに記録されているデジタル画像に関連づけられている識別子と、現在撮影装置に設定されている識別子が同一であれば、デジタル画像を撮影した後に時刻の変更操作が行われていないことが分かる。
【0008】
本発明の別の態様は認証システムに関する。このシステムは、撮影装置で撮影したデジタル画像の時刻を所定の認証サーバで認証するシステムであって、撮影装置は、内蔵する時計の進行の連続性が中断されるたびに異なる識別子を設定する識別子設定部と、撮影したデジタル画像に時計から得られる撮影時刻および識別子を認証情報として関連づける認証情報付加部と、撮影時刻および識別番号が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する認証サーバに送信する画像送信部と、内蔵する時計が示す時刻と識別子を認証サーバに送信する認証情報送信部と、を有し、認証サーバは、認証情報が関連づけられたデジタル画像を撮影装置より取得する画像取得部と、デジタル画像に関連づけられた認証情報を抽出する認証情報抽出部と、撮影装置に対して、その撮影装置に設定されている識別子と撮影装置が内蔵する時計が示す時刻を要求する識別番号要求部と、撮影装置の認証情報送信部より受け取った識別子と認証情報に含まれている識別子とを比較し、それら識別子が一致する場合、デジタル画像の撮影時刻を認証する画像認証部と、を有する。
【0009】
本発明の別の態様は撮影装置に関する。この装置は、内蔵する時計の進行の連続性が中断されるたびに識別子を設定する識別子設定部と、撮影したデジタル画像に内蔵する時計から得られる撮影時刻および識別子を関連づける認証情報付加部と、外部より正確な標準時刻を取得する時刻取得部と、所期の認証タイミングにおいて、識別子に変更がない場合に限って、取得した標準時刻と内蔵する時計が示す時刻をもとに正確な撮影時刻を推定し、推定された撮影時刻をデジタル画像に付加する画像認証部と、を有する。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態では、デジタルカメラで撮影したデジタル画像に撮影時刻や撮影位置を付加する。特に撮影時刻の信頼性を確保するために、デジタルカメラの内蔵時計から得られた撮影時刻をデジタル画像に付加するとともに、内蔵時計における時刻の設定変更の有無を確認し、設定変更がない場合、NTPサーバの配信する精度の高い標準時刻をもとにデジタル画像に対し正確な撮影時刻を埋め込む。また、撮影位置としてGPSを利用して位置を特定したり、無線LAN機器や携帯電話などの端末を利用してインターネットに接続する場合、それら端末が接続する基地局のアドレスを撮影位置として利用する。
【0012】
実施の形態1:
図1は、実施の形態1に係るデジタルカメラ20および認証サーバ60を含むネットワークシステム10の全体構成を示す。ここでは、デジタルカメラ20と、認証サーバ60と、NTPサーバ12がインターネット18を介して接続される。また、デジタルカメラ20は、外部無線基地局14やGPS16から得られる情報をもとに撮影位置を取得する。NTPサーバ12は、標準時刻を高い精度で提供する。
【0013】
図2は、実施の形態1に係るデジタルカメラ20の構成図である。デジタルカメラ20は、ユーザの様々な操作を受け付けるユーザインタフェイス26と、デジタル画像を撮影する撮影部22と、撮影したデジタル画像を保持する画像データ保持部24と、を備える。更にデジタルカメラ20は、内蔵時計28と、内蔵時計28の時刻設定を行う時刻設定部32と、電源管理部34と、インターネット18との通信を行う通信部30と、撮影したデジタル画像に認証情報を関連づける処理を行う認証情報制御部50を備える。また更に、デジタルカメラ20は、撮影位置を特定するためにアンテナ100によってGPS16が発信する電波を取得し自己の位置を特定するGPS受信装置42を備える。
【0014】
認証情報制御部50は、内蔵時計28の進行が中断するたびに異なる認証番号(以下、「時刻ID」ともいう)を設定し保持する時刻ID制御部36と、撮影位置を特定するためにGPS受信装置42から、またはインターネット18を介して外部無線基地局14から位置情報を取得する位置情報取得部40と、デジタルカメラ20の製造番号やMAC(Media Access Control adress)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレスなどの個体識別番号を保持する識別情報保持部38と、撮影したデジタル画像に撮影時刻、撮影時点の時刻ID、およびデジタルカメラ20の識別番号を認証情報として付加する認証情報付加部44と、認証サーバ60の要請を受けて要請を受けた時点の時刻IDと内蔵時計が示す時刻を認証サーバ60に通知する認証情報送信部46と、を備える。
【0015】
図3は、実施の形態1に係る認証サーバ60の構成を示す。認証サーバ60は、インターネット18を介してデジタルカメラ20およびNTPサーバ12と通信する通信部70と、デジタルカメラ20の要請を受けてデジタル画像の認証を行う認証処理部80を備える。認証処理部80は、デジタルカメラ20から認証情報が付加されたデジタル画像を取得し、そのデジタル画像に付加されている認証情報から時刻IDが付加と撮影時刻を抽出する認証情報抽出部82と、時刻ID制御部36に設定されている時刻IDとデジタルカメラ20の内蔵時計28の示す時刻を要求し取得する時刻情報要求部84と、NTPサーバ12から標準時間を取得する標準時刻取得部86と、後述する処理にもとづきデジタル画像の認証処理を行う画像認証部88と、を備える。
【0016】
図4は、デジタル画像の認証処理手順を示すタイミングチャートであり、このタイミングチャートをもとに上述の構成による動作を説明する。ユーザの操作によって、デジタルカメラ20は撮影を行い、デジタル画像を取得する(S110)。撮影されたデジタル画像には、そのヘッダ領域に撮影時刻および時刻IDが付加される(S112)。撮影時刻および時刻IDはデジタル画像のヘッダ領域に付加されたが画像データに埋め込まれてもよく、その埋め込みおよび抽出技術は一般的に知られる技術で画像品位に影響を与えず実現できる。
【0017】
つづいて、位置情報取得部40は、取得した撮影位置をデジタル画像に付加する(S114)。このデジタル画像に付加された時刻情報の認証のための操作がユーザによりなされた場合、認証情報送信部46は、まず、撮影時刻および時刻IDが付加されたデジタル画像を認証サーバ60に送信する(S116)。
【0018】
つづいて、認証サーバ60の処理に移り、認証情報抽出部82は、デジタル画像を取得すると(S210)、そのデジタル画像に付加されている認証情報の一部である撮影時刻および時刻IDを抽出する(S212)。次に、時刻情報要求部84は、デジタルカメラ20に対してその時点で時刻ID制御部36に設定されている時刻IDおよび内蔵時計28が示す時刻を要求する(S214)。
【0019】
デジタルカメラ20の処理に移り、認証情報送信部46は認証サーバ60の要求にもとづき、時刻ID制御部36に設定されている時刻IDおよび内蔵時計28が示す時刻を取得し認証サーバ60に送信する(S118)。認証サーバ60の処理に移り、時刻情報要求部84はデジタルカメラ20より時刻IDおよび時刻を受け取ると(S216)、画像認証部88はデジタル画像より抽出した時刻IDと認証情報送信部46より受け取った時刻IDが一致するか確認する(S218)。それら時刻IDが一致しない場合(S220のN)、デジタルカメラ20において時刻設定の操作が行われたとしてデジタル画像の認証はなされない(S226)。
【0020】
時刻IDが一致する場合(S220のY)、まず標準時刻取得部86はNTPサーバ12にアクセスし正確な標準時刻を取得し、画像認証部88はその標準時刻と認証情報送信部46より取得した時刻とを比較し、内蔵時計28に設定されている時刻と標準時刻との誤差を算出し、その誤差をもとに正式な撮影時刻を推定し、撮影時刻と認証すべき時刻(以下、「認証撮影時刻」ともいう)を確定する(S222)。つづいて、画像認証部88は、撮影位置と認証撮影時刻を既知の暗号処理技術を利用してデジタル画像に付加する(S224)。デジタル画像に付加する際に、ヘッダ領域に付加してもよいし、透かし技術等を用いて画像データに埋め込んでもよい。その後、画像認証部88は認証の結果、認証されなかったときはその旨を通知し、認証された場合は、認証撮影時刻が付加されたデジタル画像をデジタルカメラ20に送信する(S228)。デジタルカメラ20は、認証結果の通知を受けると認証された場合は、認証された撮影時刻が付加されたデジタル画像を画像データ保持部24に保持し、認証されなかった場合は、認証されなかった旨を示す識別子を付加しデジタル画像を画像データ保持部24に記録する(S120)。これにより、デジタル画像に対して、正確な撮影時刻を付加することができ、撮影時刻が付加されたデジタル画像の客観性が維持される。また、デジタル画像に付加する認証情報として識別情報保持部38に保持されている個体識別番号が含まれてもよい。
【0021】
ここで、デジタルカメラ20が撮影を行った時に、GPS受信装置42が何らかの原因により撮影位置を特定できなかった場合、撮影位置の手がかりとなる情報として、撮影時刻が近くかつ認証済みのデジタル画像の時刻ID、撮影時刻および撮影位置の組合せを認証情報の一部として組み込んでもよい。当然、認証されているデジタル画像に付加されている情報に限らず、最近接続したもしくは再接続後の外部無線基地局14のアドレスおよび接続時刻を撮影位置に替わる情報として利用されてもよい。また、認証撮影時刻が付加されたデジタル画像はデジタルカメラ20に送信せずに、ネットワーク上に設けられた所定のサイトに保持されてもよい。その場合、デジタルカメラ20にはデジタル画像の保持されているサイトのアドレスを通知すればよい。
【0022】
デジタルカメラ20の内蔵時計28の電源として、主電源とは別にボタン電池などが利用されることがある。この場合、電池切れにより内蔵時計28が停止することはまれであり、一般には、一度時刻を設定すれば頻繁に時刻の設定変更が行われることは少ない。そこで、時刻の設定変更可能なユーザをパスワードなどで限定する構成としてもよい。その場合、時刻の設定変更がなされ時刻IDが新たに設定される際に、変更を行ったユーザを特定する識別子、一般には識別番号を時刻IDに関連づけて記録してもよい。
【0023】
画像認証部88は、デジタル画像から抽出された撮影時点の時刻IDと認証情報送信部46から受け取った時刻IDを比較し、それらが一致する場合に限り認証処理を行った。しかし、ユーザが意図せず内蔵時計28の時刻が変更されるたり、海外旅行などで時差が発生した場合、ユーザによっては時刻を変更したりすることも考えられるため、ユーザの時刻変更の操作履歴を時刻IDに関連づけて記録しておき、撮影時刻の客観性を確保することで、時刻IDが一致しない場合でも認証処理を行ってもよい。
【0024】
図5は上記の操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一例を示す。このテーブルには、設定されている時刻IDと、時刻変更時におけるその前後の時刻の差分値が記述されている。時刻IDは、最初に時刻設定をする際には設定されず、2回目以降の時刻設定時に新たに乱数を発生させること等で設定される。ここでは、2回目以降順次、時刻IDとして「1234」、「5678」、および「9abc」が設定されている。また、時刻IDが「1234」から「5678」に変更されたとき、内蔵時計は460954秒だけ進められたことを示している。このように、差分値も記録することで、異なる時刻IDであっても、撮影時刻を正しく推定できる。
【0025】
図6は、時刻変更履歴テーブルの別の例を示す。このテーブルには、時刻IDとして時刻の変更操作が成されるたびにインクリメントされる時刻変更履歴IDと、変更前後の時刻の差分値と、時刻変更履歴IDの設定期間が記述されている。例えば、時刻変更履歴IDとして「00002」が設定される場合、3600秒(1時間)だけ内蔵時計28を進める操作がなされたことを示している。また、現在設定されている時刻変更履歴IDは「00003」であるため、変更前後の時刻の差分値は「0」となっており、次回変更時に差分値が決定する。
【0026】
図7は、図6の時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す。例えば、時刻変更履歴IDが「0001」において1月1日9時撮影と記録されたデジタル画像は、9時+(−18000秒(5時間))+3600秒(1時間)=5時より、現在設定されている時間軸上では、1月1日5時撮影のデジタル画像となる。現在の時刻が、現在設定されている時間軸上で12時であれば、撮影時刻は現在より7時間前となる。現在、標準時間が12時を示していれば、認証サーバ60はデジタル画像の撮影時刻として5時を付加すればよい。また、標準時間が13時を示していれば、1時間遅れていることになるので、認証サーバ60はデジタル画像の撮影時刻として6時を付加すればよい。図6の設定期間は記述されなくともよいが、これがあることで矛盾した撮影時刻を割り出すことができる。
【0027】
図8は、時刻変更履歴テーブルのさらに別の例を示す。ここでは、デジタルカメラ20を出荷する際に基準時間が設定され、その基準時間との差分値が保持される。この基準時間は変更ができない構成である。この時刻変更履歴テーブルには、時刻IDとして時刻の変更操作が成されるたびにインクリメントされる時刻変更履歴IDと、基準時刻と変更後の時刻との差分値、および変更時刻が記述されている。例えば、時刻変更履歴IDが「00003」が設定されたとき、新たに設定された時刻が12時で基準時刻が16時であれば、差分値として「−14400秒(−4時間)」が記述される。変更時刻は記述されなくともよいが、これがあることで矛盾した撮影時刻を割り出すことができる。図9は、時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す。例えば、現在の時刻変更履歴IDが「00003」であり、時刻変更履歴IDが「00001」で1月1日9時に撮影と記録されたデジタル画像に関して、現在の時刻設定のもとにおける撮影時刻を求める。時刻変更履歴IDが「00001」のタイミングでは基準時刻との差分値が「+3時間」であり、時刻変更履歴IDが「00003」である現在の時刻設定では、基準時間との差分値が「−4時間」である。したがって、16時−(+3時間)+(−4時間)=9時より、現在の時刻設定では、1月1日9時に撮影されたデジタル画像であると判断される。
【0028】
また、メモリバックアップ電池を交換する場合などでは、すべてのメモリがリセットされることがある。そこで、時刻変更履歴テーブルに関してもリセットされてしまう。そこで、図10に示すように、時刻変更履歴テーブルは電池交換のたびにインクリメントされる電池交換IDを持つ構成としてもよい。
【0029】
実施の形態2:
実施の形態1では、撮影したデジタル画像は認証サーバ60で撮影時刻の認証処理が行われたが、本実施の形態ではデジタルカメラ20が認証処理を行う。図11は、本実施の形態に係るデジタルカメラ20の構成を示す。この構成およびその動作は、実施の形態1で示したデジタルカメラ20の構成および動作と概ね同一なので主に異なる点を説明する。本実施の形態では、デジタルカメラ20が認証処理を行うため認証情報付加部44は撮影したデジタル画像を認証サーバ60に送信せず、また、同じ理由から認証情報送信部46が不要となる。一方、デジタルカメラ20は標準時刻を取得する標準時刻取得部86を備える。
【0030】
デジタル画像の認証処理がなされる場合、認証情報付加部44はデジタル画像に付加されている時刻IDと撮影時刻を抽出する。また、その時点で時刻ID制御部36に設定されている時刻IDを取得し、抽出した時刻IDと比較する。それら時刻IDが一致する場合、認証処理を行う。ただし、上述のようにユーザの時刻変更の操作履歴を保持する時刻変更履歴テーブルがある場合は、時刻IDが一致しなくとも認証処理は行われる。
【0031】
認証処理が行われる場合、標準時刻取得部86は標準時刻をNTPサーバ12から取得し、認証情報付加部44に通知する。認証情報付加部44はその標準時刻と、現在の内蔵時計28が示す時刻、および抽出された撮影時刻をもとに正確な撮影時刻を算出し、その算出された時間を認証撮影時刻として確定する。
【0032】
図2、図3および図11に示した構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0033】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタルカメラなどの撮影装置で撮影したデジタル画像に正確な撮影時刻を関連づけることができる。また別の観点では、デジタル画像の認証能力を確保することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るデジタルカメラおよび認証サーバを含むネットワークシステムの全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るデジタルカメラの構成図である。
【図3】実施の形態1に係る認証サーバの構成図である。
【図4】デジタルカメラおよび認証サーバの動作を示すタイミングチャートである。
【図5】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図6】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図7】時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す図である。
【図8】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図9】時刻変更履歴テーブルに示されている時刻変更の操作履歴を時間軸上に示す図である。
【図10】操作履歴が記述されている時刻変更履歴テーブルの一形態を示す図である。
【図11】実施の形態2に係るデジタルカメラの構成図である。
【符号の説明】
10 ネットワークシステム、 12 NTPサーバ、 14 外部無線基地局、 18 インターネット、 20 デジタルカメラ、24 画像データ保持部、 28 内蔵時計、 32 時刻設定部、 36 時刻ID制御部、 40位置情報取得部、 44 認証情報付加部、 46 認証情報送信部、 50認証情報制御部、 60 認証サーバ、 80 認証処理部、 82 認証情報抽出部、 84 時刻情報要求部、 86 標準時刻取得部、 88 画像認証部。
Claims (7)
- 撮影装置で撮影したデジタル画像に当該撮影装置に内蔵された時計から得られる撮影時刻および当該撮影時刻までの前記時計の動作履歴を関連づける予備ステップと、
前記撮影時刻および動作履歴が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する主体に送信する第1送信ステップと、
動作履歴および前記内蔵される時計が示す現在時刻を前記主体に送信する第2送信ステップと、
を有し、第2送信ステップにて送信される動作履歴は当該送信の時刻までの履歴であることを特徴とするデジタル画像の認証方法。 - 前記主体が要求した識別子を前記撮影装置より受け取った際に、受け取った識別子と前記デジタル画像に関連づけられている識別子と比較し、それら識別子が一致する場合、前記デジタル画像を認証するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデジタル画像の認証方法。
- 内蔵される時計の進行の連続性が中断されるたびに異なる識別子を設定する識別子設定部と、
撮影したデジタル画像に前記時計から得られる撮影時刻および前記所定の識別子を認証情報として関連づける認証情報付加部と、
前記撮影時刻および前記識別子が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する主体に送信する画像送信部と、
当該撮影装置に内蔵される時計が示す時刻と前記識別子を前記認証サーバに送信する認証情報送信部と、
を有することを特徴とする撮影装置。 - 前記撮影した画像の撮影位置情報を取得する位置情報取得部をさらに有し、
前記認証情報付加部は、前記撮影位置情報も前記認証情報の一部として撮影したデジタル画像に関連づけることを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。 - 前記認証情報付加部は、前記撮影装置を特定する情報も前記認証情報の一部として前記撮影したデジタル画像に付加することを特徴とする請求項3または4に記載の撮影装置。
- 撮影装置で撮影したデジタル画像の時刻を所定の認証サーバで認証するシステムであって、
前記撮影装置は、
内蔵する時計の進行の連続性が中断されるたびに異なる識別子を設定する識別子設定部と、
撮影したデジタル画像に前記時計から得られる撮影時刻および前記識別子を認証情報として関連づける認証情報付加部と、
前記撮影時刻および識別番号が関連づけられたデジタル画像を、そのデジタル画像の撮影時刻を認証する認証サーバに送信する画像送信部と、
前記内蔵する時計が示す時刻と前記識別子を前記認証サーバに送信する認証情報送信部と、
を有し、
前記認証サーバは、
前記認証情報が関連づけられたデジタル画像を前記撮影装置より取得する画像取得部と、
前記デジタル画像に関連づけられた認証情報を抽出する認証情報抽出部と、
前記撮影装置に対して、その撮影装置に設定されている前記識別子と前記撮影装置が内蔵する時計が示す時刻を要求する識別番号要求部と、
前記撮影装置の認証情報送信部より受け取った識別子と前記認証情報に含まれている識別子とを比較し、それら識別子が一致する場合、前記デジタル画像の撮影時刻を認証する画像認証部と、
を有することを特徴とする認証システム。 - 内蔵する時計の進行の連続性が中断されるたびに識別子を設定する識別子設定部と、
撮影したデジタル画像に前記時計から得られる撮影時刻および前記所定の識別子を関連づける認証情報付加部と、
外部より正確な標準時刻を取得する時刻取得部と、
所期の認証タイミングにおいて、前記識別子に変更がない場合に限って、取得した標準時刻と内蔵する時計が示す時刻をもとに正確な撮影時刻を推定し、推定された撮影時刻を前記デジタル画像に付加する画像認証部と、
を有することを特徴とする撮影装置。
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-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002316880A patent/JP2004153582A/ja not_active Withdrawn
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