JP2004153581A - 送受信制御回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】送受信制御回路内に平衡度の補正回路を設け、平衡度の良い平衡出力と共に良好な伝送特性を得られる送受信制御回路を提供する。
【解決手段】送受信信号を選択制御してアンテナ4と受信回路3、送信回路とアンテナ4との接続処理を行う送受信制御回路3に、インピーダンス整合回路15、フィルタ回路11、不平衡―平衡の変換回路12、平衡度補正回路13を配置した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯で用いられる送受信制御回路に関し、通過周波数の異なる複数の送受信通信システムの送信信号及び受信信号の送受信選択を行うマルチバンド用の送受信制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話をはじめとする移動体通信の加入者数は大変に増加している。現在の多元接続方式として、FDMA、TDMA方式があるがこれらの方式はいずれも周波数帯域を占有する方式(周波数を共有できない)であり、これからも増加し続け、加入者を賄いきれなくなるとみられている。
【0003】
また、携帯電話をはじめとする移動体通信の機能の向上およびサービスの向上が常に図られている。その中でも特徴あるサービスの向上として、国際ローミングがあげられる。これは一台の携帯電話機を複数の国(異なる通信システム)で使えるようにする機能である。これらに対応した移動体通信機器は、2つ以上の送受信通信システムを取り扱うものである。
【0004】
たとえば、2つの送受信通信システムを取り扱うデュアルバンド携帯電話機では、第1の送受信通信システムとしてDCS1800通信システム(送信(TX)の周波数:1710〜1785MHz、受信(RX)周波数:1805〜1880MHz)であり、第2の送受信通信システムとしてGSM通信システム(送信(TX)周波数:880〜915MHz、受信(RX)周波数:925〜960MHz)である。
【0005】
このような移動体通信機器では、それぞれの送受信通信システムの送信信号、受信信号に対応した信号経路、及び各送信周波数、各受信周波数を切り替えるために、分波回路とスイッチ回路とを用いた送受信制御回路を有し、その送受信制御回路に接続される高周波回路とともに高周波スイッチモジュールとして取り扱われる(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
図4に一例として点線で示す送受信制御回路2を含むスイッチモジュールの回路図を示す。このスイッチモジュールは、第1の送受信通信システムとしてDCS1800通信システム、第2の送受信通信システムとしてGSM通信システムの2つの通信システムに対応し、例えば、DCS1800通信システムの送受信信号は、アンテナANTとDCS通信システムの送受信回路との間を接続し、GSM通信システムの送受信信号は、アンテナANTとGSM通信システムの送受信回路との間を接続する分波回路(DIPX)、スイッチ回路を有している。具体的には、アンテナ、分波回路(DIPX)、スイッチ回路の順に接続されている。
【0007】
ここで、従来の送受信制御回路は、分波回路(DIPX)5、スイッチ回路6、ローパスフィルタ7とで構成され、スイッチモジュールとしては、この送受信制御回路2以外に、フィルタ回路11、不平衡−平衡回路12、パワーアンプ8、送信回路及び受信回路を集積化した高周波IC(RFIC)3を有していた。そして、従来は、実装基板上に、送受信制御回路2を1つの部品としたモジュールを実装し、同時に、実装基板にフィルタ回路11を構成する弾性表面波素子(SAWフィルタ)、不平衡−平衡回路12を具備するモジュール部品、高周波IC(RFIC)3をそれぞれ実装していた。
【0008】
送受信制御回路2を構成する分波回路(DIPX)5は、ノッチフィルタを2個、又は、HPF(ハイパスフィルタ)とLPF(ローパスフィルタ)から構成され、アンテナに接続される端子と、例えばDCS1800通信システムの送受信信号が導出・供給される送受信端子と、例えば、GSM通信システムの送受信信号が導出・供給される送受信端子とを具備している。
【0009】
また、スイッチ回路6は、例えばDCS1800通信システム側のスイッチ回路6では、分波回路5のDCS1800通信システムの送受信端子と受信回路、送信回路とが夫々集積された高周波IC3に接続されており、送信回路から供給された送信信号をアンテナ側の分波回路(DIPX)に導出し、アンテナ側から供給された受信信号をDCS1800通信システム用の受信回路に導出する。また、GSM通信システム用のスイッチ回路6についても、例えばGSM通信システムの送信信号をアンテナ側の分波回路(DIPX)に導出し、アンテナ側から供給された受信信号をGSM通信システム用の受信回路に導出するために、各送信信号、受信信号の経路を切換えるものである。
【0010】
尚、図4において、送受信制御回路2と接続される各通信システム用の受信回路及び送信回路は、高周波IC(PF−IC)3に集積・一体化されている。この高周波IC(PF−IC)3は、PLL、TCXO、VCOに接続され、さらに、I/OデバイスであるKEY(操作装置)やMIC(マイク)、DISPLAY(表示装置)などに接続されるマイコンによって、その動作は制御される。
【0011】
尚、この送受信制御回路2の各受信側端子(RXDCS、RXGSM)9と高周波IC(PF−IC)3との間には、特定の受信信号を通過させる弾性表面波素子などからなるフィルタ回路11、フィルタ回路11から不平衡信号を平衡信号に変換する不平衡−平衡変換回路(balun)12が接続され、実際には、実装基板上に配置されていた。
【0012】
また、高周波IC(PF−IC)3と送受信制御回路2の各送信側端子10(TXDCS、TXGSM)との間には、増幅回路8が配置されて、さらに、スイッチ回路SWに、送信信号の高調波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)7が配置されている。
【0013】
このようなスイッチ回路6は、複数のストリップライン、スイッチングダイオード、直流制限コンデンサ、高周波信号制限インダクタンス成分、バアイス電圧設定抵抗などをから構成され、同時に、分波回路(DIPX)は、インダクタンス成分、容量成分やストリップラインから構成されている。このような送受信制御回路2、分波回路(DIPX)5、スイッチ回路6、ローパスフィルタ7は、誘電体層を複数積層した積層基板に形成されていた。具体的には、積層基板表面には、ダイオード、コンデンサ、インダクタンス部品などが実装され、その内部には、容量成分形成用導体膜、ストリップラインなどか形成されている。
【0014】
尚、送受信制御回路以外の、これらに接続するフィルタ回路や不平衡−平衡変換回路(balun)12、パワーアンプ8、高周波IC(RFIC)3は、別途、実装基板に直接接続されていた。
【特許文献1】
特開2001−211097号公報
【特許文献2】
特開2001−345729号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の送受信制御回路において、安定動作のために回路的な手法としては、スイッチ回路から出力される受信信号(高周波信号)を平衡動作化させることは非常に有効である。すなわち、不平衡で微弱な受信信号に不要輻射または外来ノイズが影響すると、そのノイズがそのまま受信回路に導出されてしまう。このため、スイッチ回路から出力される受信信号を平衡信号モードで処理することで、高周波回路からの不要輻射または高周波回路への外来ノイズの影響を抑制することができる。これは、平衡信号の伝送路である2つの信号線が外来ノイズを等しく受けて、これらの信号を例えば高周波IC(RFIC)3で差動増幅処理することにより、ノイズを抑制することができるためである。
【0016】
しかし、従来の送受信制御回路2において、図4で示すすべての回路、即ち、送受信制御回路2にフィルタ回路11、不平衡−平衡回路12を一体化すると、要求する特性が得られないという問題があった。これは、不平衡−平衡回路12に、一体化して小型化することにより、不平衡−平衡回路12を構成するストリップ線路に設計では考慮できなかった浮遊容量成分、浮遊インダクタンス成分が影響して、その結果、平衡度が変動してしまい伝送特性が変動してしまう。この平衡信号の受信信号を処理する高周波IC(RFIC)3で、差動増幅処理しても、所定信号(受信信号)を忠実に再生することができず、逆に所定信号よりもレベルが小さくあってしまうという問題点かあった。これは、送受信制御回路を小型化、すなわち、送受信制御回路を具備した高周波モジュールを高密度化した場合に、その平衡度が変動してしまうという問題が顕著となる。
【0017】
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、送受信制御回路内で信号を平衡信号として扱えるようにするとともに、送受信制御回路内に平衡度の補正回路を設け、平衡度の良い信号、すなわち、受信信号のレベルを減衰させることがない小型化可能な送受信制御回路を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アンテナ端子と複数の入出力端子とを有し、送受信帯域が異なる複数の送受信号を前記アンテナ端子と前記所定入出力端子との間に選択的に通過させる分波回路と、
前記分波回路から供給される受信信号を受信回路に、送信回路から供給される送信信号を前記分波回路にそれぞれ選択的に切り替え接続するスイッチ回路とを有し、
前記スイッチ回路と前記受信回路の間に、インピーダンス整合回路、特定の受信信号を通過させるフィルタ回路、不平衡信号を平衡信号に変換する不平衡−平衡変換回路、平衡度を補正する平衡度補正回路を配置した送受信制御回路である。
【作用】
本発明の送受信制御回路によれば、送受信制御回路内に、インピーダンスの整合をとる整合回路と、特定の受信信号を通過させるフィルタ回路、不平衡信号を平衡信号に変換する不平衡−平衡変換回路、平衡度を補正する平衡度補正回路を有している。すなわち、補正回路で、送受信制御回路に用いられるフィルタ回路、不平衡信号を平衡信号に変換する不平衡−平衡変換回路に応じて、最適な平衡度を調整でき、もって、平衡を崩すことがなくなる。これにより、各回路における伝送特性の劣化や、ノイズ特性の劣化を有効に抑えることができる。
【0019】
また、分波回路(DIPX)、スイッチ回路、フィルタ回路(SAW)、不平衡−平衡変換回路、平衡度を補正する平衡度補正回路を、一体に組み込んで回路構成することができるため、回路自身の小型化もでき、実装基板上に実装する部品点数を減少されることができ、占有面積も減少させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の送受信制御回路を図面に基づいて詳説する。図1は、本発明で送受信制御回路の回路図であり、図2は、この送受信制御回路を具備した高周波モジュール部品の断面構造を示す。尚、実施例は、従来と同様、DCS1800通信システム、GSM通信システムに対応したデュアルバンドに送受信制御回路で説明する。
【0021】
本発明の送受信制御回路1は、図1の点線で示すように、複数の通信システムに応じて通過しえる送受信信号を分ける分波回路(DIPX)5、特定の通信システムにおける受信信号と送信信号の経路を切り換えるスイッチ回路(SW)6、インピーダンス整合回路15、受信信号側の経路に順次接続されたフィルタ回路11、不平衡−平衡変換回路12及び平衡度を補正する平衡度補正回路13と、送信側端子とスイッチ回路6との間に配置されたローパスフィルタ7とから構成されている。
【0022】
尚、上述の送受信制御回路1の構成説明では、一方の通信システム側の送受信制御回路のみで説明したが、分波回路5以降においては、他方の通信システムにおける受信信号と送信信号の経路を切り換えるスイッチ回路6、受信信号側の経路に順次接続されたフィルタ回路11、不平衡−平衡変換回路12及び平衡度を補正する平衡度補正回路13と、送信側端子とスイッチ回路6との間に配置されたローパスフィルタ7とから構成されている。
【0023】
例えば、アンテナ4から入った信号(少なくとも2つ通信システムの受信信号が混在している)は、分波回路(DIPX)5によって周波数バンドごとに分波され、例えば、1800MHz帯域の信号はDCS1800通信システムの信号とみなし、DCS1800通信システムのスイッチ回路6に供給する(図1で上段側のスイッチ回路)。また、900MHz帯域の信号は、GSM通信システムの信号と見なして、GSM通信システムのスイッチ回路6(図1では下段側のスイッチ回路)に供給する。
【0024】
分波回路(DIPX)5の次段には、送受信信号を切り替えるスイッチ回路(SW)6が接続されている。スイッチ回路6は、スイッチング素子を集積化したGaAs半導体素子や、ストリップライン、PINダイオード、コンデンサ、抵抗、インダクタンスなどによって構成される。例えば、DCS用スイッチ回路6は、アンナテ側から供給された信号は、受信側端子RXDCS側に導出し、同時に送信側端子TXDCS側に供給された所定周波数の信号を分波回路(DIPX)側に供給するものであり、受信信号と送信信号との接続経路を切換制御するものである。尚、GSM用のスイッチ回路6についても同様である。
【0025】
スイッチ回路6により導出された受信信号は、インピーダンス整合回路15を介して、例えば、弾性表面波フィルタなどからなるフィルタ回路11に供給される。尚、インピーダンス整合回路15は、スイッチ回路6とフィルタ回路11との間の特性インピーダンスの整合をとり、信号の伝送特性にロスをなくすためのものである。また、このフィルタ回路11は、例えばフィルタ特性のうち、例えば選択性が非常に優れた弾性表面波フィルタからなり、これにより、分波回路5、スイッチ回路6を通過した受信信号を、受信処理に必要な所定周波数のみの信号成分を抽出している。
【0026】
フィルタ回路11より導出された受信信号は、フィルタ回路11は、不平衡−平衡回路12に供給される。そして、この不平衡−平衡回路12によって、その出力信号が、入力された同一位相の信号と、その信号と180°位相が反転した信号とが出力されることになる。このように、位相が互い180°ずれた一対の信号を平衡信号という。これに対して、入力信号のように、グランド電位を基準にして振幅が決定される信号を、平衡信号に対して不平衡平信号という。
【0027】
次に不平衡−平衡回路12から出力された一対の平衡信号は、平衡度を補正する平衡度補正回路13供給に供給される。この平衡度補正回路13は、平衡状態の2つの入力信号を完全に、互いに位相が180°反転し、且つ信号レベルが同一となるように調整するものである。すなわち、上述したように、浮遊容量成分や浮遊インダクタンス成分などのより、不平衡−平衡回路12で平衡度が変動してしまう場合があり、この平衡度を補正するものである。
【0028】
そして、平衡度補正回路13から出力される1対の出力信号は、完全な平衡関係の信号となる。この平衡度を補正する平衡度補正回路13は、オープンスタブ・ショートスタブなどから構成されている。この平衡信号は、送受信制御回路1の出力信号として、例えば、RX DCS端子から出力され、受信回路を集積した高周波IC(RF−IC)3に供給され、受信処理される。
【0029】
尚、このRX DCS端子から出力される完全な平衡信号は、高周波IC(RF−IC)3内に差動増幅処理によって受信信号のみが抽出され、その間に重畳されたノイズ信号成分が抑制されることになる。尚、GSM通信システム側の動作についても、DCS通信システム側と同様である。
【0030】
また、送信信号において、送信回路を集積した高周波IC(RF−IC)3で合成され、パワーアンプ8で増幅された後、送受信制御回路1のTX DCS端子に供給される。そして、増幅された送信信号は、その高調波成分を除去するローパスフィルタ7を介してDCS用のスイッチ回路6に供給される。このスイッチ回路6では、送信信号が受信信号側系統に流がれることなく、分波回路5に導出され、その後、アンテナ4から空中に放出される。尚、上述の説明は、DCS通信システム側の動作で説明したが、GSM通信システムについても同様の動作をする。
【0031】
次に、図1の点線部分で示した送受信制御回路1は、例えばハワーアンプ8や高周波IC(RF−IC)3とともに、1つの高周波モジュールとして取り扱われる。
図2は、その高周波モジュールの断面構造を示すものである。すなわち、高周波モジュールは、平面形状が矩形状の積層基板21とシルードケース30と積層基板21の表面に実装された各種電子部品27、28から構成されている。積層基板21は、複数の誘電体層(絶縁層)23が積層されて構成され、各誘電体層の層間に所定配線層が形成されている。また、積層基板21の表面には、各回路を構成する回路素子である電子部品27、28が実装されている。ここで、電子部品27、28とは、高周波モジュールを構成する各回路において、積層基板21に内装できない電子部品が例示でき、例えばスイッチ回路6を構成するコンデンサ部品、ダイオード、インダクタンス部品、分波回路5、インピーダンス整合回路15を構成するインダクタ部品、コンデンサ部品、フィルタ回路11を構成する例えば弾性表面波フィルタ、ハワーアンプを構成するトランジスタまたはICチップ、高周波IC(RF)3を構成するICチップなどが例示できる。
【0032】
また、積層基板21の内部には、積層体基板21を構成する各誘電体層23の層間には、所定回路網を構成する配線パターン及び容量成分を構成する容量電極パターン、インダクタンス成分を構成するコイルパターン、ストリップ線路を構成するストリップラインやグランド導体層などの内部導体パターン22が形成されている。また、各誘電体層23の厚み方向には、各内部導体パターン22間や内部導体パターン22と表面配線パターンとを接続するビアホール導体29が形成されている。また、積層体基板の底面には、この高周波モジュールの入出力となる端子電極25、グランド導体膜24が形成されている。
【0033】
また、本実施例においては、フィルタ回路11は、弾性表面波フィルタが例示できる。この弾性表面波フィルタは、他のフィルタ素子、分布定数で形成した、集中定数で形成したフィルタ回路に比較して、周波数抽出特性が非常に良好である。
【0034】
また、弾性表面波フィルタは、圧電基板の出力用インターデジタル電極の構成により、フィルタの出力そのものを不平衡−平衡回路機能をもたせることができる。このため、フィルタ回路12としては、弾性表面波フィルタが好適である。また、上述したように、弾性表面波フィルタに不平衡−平衡回路機能を具備させたフィルタ・不平衡−平衡回路(図1では合わせて符号14と付している)を用いても構わない。
【0035】
尚、このような弾性表面フィルタは、絶縁性容器に素子を収容しこの素子を金属蓋体で封止した部品である。この容器を省略して、高周波モジュールをより低背化を図るべく、積層基板21の表面にキャビティを形成して、このキャビティ内に素子を収容し、積層基板21の表面に、金属製蓋体を気密的に封止しても構わない。
【0036】
本発明では、不平衡−平衡回路12と高周波IC3との間に、平衡度補正回路12を設けている。通常、従来の高周波モジュールを構成する回路においけは、所定配線基板上に、不平衡−平衡回路12を送受信制御回路2と別に形成・実装し、さらに、高周波IC3を実装しており、不平衡−平衡回路12の平衡度に悪影響を及ぼす浮遊容量成分や浮遊インダクタタンス成分の存在が少なく、比較的に不平衡−平衡回路12での伝送特性が安定していた。これに対して、本発明のように、送受信制御回路1を小型化、高密度化により、送受信制御回路の各配線、モジュール化した時の金属ケースなどが影響して、設計時に考えられなかった浮遊容量成分、浮遊インダクタンス成分などが影響して、その結果、不平衡−平衡回路12の特性が不安定となる。
【0037】
すなわち、理想的には、不平衡−平衡回路12の入力信号に対して、不平衡−平衡回路12の平衡信号は、互いに位相が180°反転して、正負が逆になるもののレベル(振幅比)も同一であるのに対して、実際にそれらが変動してしまう。
【0038】
不平衡−平衡回路12の伝送特性FrD(t)は、振幅比をα、位相バランスエラーをφとおくと
FrD(t)=α/(α+1)・EXP(jwt)+1/(α+1)・EXP(jwt+φ)
で示され、振幅比α、位相バランスエラーφによって、理想状態の伝送特性が劣化してしまう。
【0039】
このため、本発明では不平衡−平衡回路12の後段に、上述の振幅比α、位相バランスエラーφを補正して、理想状態の伝送特性に補正する平衡度補正回路13を接続して、しかも、送受信制御回路の一部として具備させて、送受信制御回路などからの浮遊容量成分、浮遊インダクタンス成分の影響による不平衡−平衡回路12の伝送特性を補正している。
【0040】
平衡度を補正する平衡度補正回路13は、図3に示すように、3つ伝送線路SL1〜SL3、伝送線路SL1、SL2に平衡なリアクタンス素子Y1、Y2、伝送線路SL1、SL2に接続された直列リアクタンス素子Y11、Y12、Y21、Y22からを構成されている。
【0041】
そして、不平衡−平衡回路12と高周波IC(RFIC)3との間の線路のインピーダンスが例えば50Ωの特性インピーダンスよりも低い場合には、その伝送線路SL1、SL2に付随したリアクタンス素子Y1、Y2を調整することにより、その信号の通過帯域でのインピーダンスを高くすることができる。結果として伝送特性を改善することができる。
【0042】
また、浮遊成分は、それをキャンセルするようなリアクタンス素子Y11、Y12、Y12、Y22を形成することにより、その影響をなくすことができる。
【0043】
また、上述の伝送特性の式中で示した位相バランスエラーφは、伝送線路SL1、SL2の長さを調整することにより、位相回転を調整でき、また、直列に接続したリアクタンス素子Y11、Y21によっても、調整可能である。その結果、位相バランスエラーφを0とすることができる。また、振幅比αは、並列に形成したリアクタンス素子Y12、Y22によって調整可能であり、振幅比αを1とすることができる。
【0044】
以上のように、送受信制御回路の一部に不平衡−平衡回路12を具備するとともに、この不平衡−平衡回路12の平衡度を補正する平衡度補正回路13を備えているため、送受信制御回路1を積層基板21に形成し、同時に、この積層基板21に他の回路、例えば増幅回路8、高周波IC3を実装・形成しても、送受信制御回路からの出力を安定した平衡出力信号を得ることができ、これにより、差動増幅処理される高周波IC(RFIC)3で確実に受信処理動作を行うことができる。同時に、送受信制御回路を1つのモジュール化して小型化でき、しかも、分波回路(DIPX)や高周波IC(RFIC)3ともに1つのモジュールに一体化でき、モジュール全体の取り扱いが容易となる。
【0045】
尚、本発明において、スイッチ回路は、ストリップライン、スイッチダイオード、コンデンサ、抵抗,インダクタンスを用いたスイッチ構成以外に,例えはスイチング素子をGaAs半導体素子を用いても構わない。
【0046】
送受信通信システムは、GSM通信システムやDCS1800通信システムのほか、PCS、W−CDMA、DECT、AMPS、PDC800、PHSなどの通信システムのいずれかの組合せであっても、また、ワイヤレスLANやBluetoothなどの組合せであっても構わない。
【0047】
【発明の効果】
本発明の送受信制御回路は、分波回路、スイッチ回路、フィルタ回路、不平衡―平衡の変換回路、平衡度を補正する平衡度補正回路からなる。特に、平衡度を補正する平衡度補正回路で不平衡−平衡回路の伝送特性の補正を行うため、送受信制御回路の出力(特に受信信号)側において、ノイズに対する信号の安定維持ができる。
【0048】
しかも、送受信制御回路を小型化しても、差動処理に適した非常に安定した受信信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送受信制御回路の回路図である。
【図2】本発明の送受信制御回路を具備した高周波モジュールの断面図である。
【図3】本発明の送受信制御回路に用いる平衡度を補正する平衡度補正回路の構成を示す回路図である。
【図4】従来の送受信制御回路の回路図である。
【符号の説明】
1 送受信制御回路
2 送受信制御回路
3 高周波IC
4 アンテナ
5 分波回路
6 スイッチ回路
7 ローパスフィルタ
8 パワーアンプ
9 受信端子
10 送信端子
11 フィルタ回路
12 不平衡−平衡回路
13 平衡度補正回路
15 インピーダンス整合回路
21 積層体
22 内部導体パターン
23 誘電体層
24 グランド導体膜
25 外部端子電極
27、28 電子部品

Claims (1)

  1. アンテナ端子と複数の入出力端子とを有し、送受信帯域が異なる複数の送受信号を前記アンテナ端子と前記所定入出力端子との間に選択的に通過させる分波回路と、
    前記分波回路から供給される受信信号を受信回路に、送信回路から供給される送信信号を前記分波回路にそれぞれ選択的に切り替え接続するスイッチ回路とを有し、
    前記スイッチ回路と前記受信回路の間に、インピーダンス整合回路、特定の受信信号を通過させるフィルタ回路、不平衡信号を平衡信号に変換する不平衡−平衡変換回路、平衡度を補正する平衡度補正回路を接続配置したことを特徴とする送受信制御回路。
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