JP3752232B2 - フロントエンドモジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の通信装置において送信信号および受信信号を処理するためのフロントエンドモジュールおよび高周波機能モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話は、第3世代を迎え、単なる通話機能だけではなく、高速データ通信機能をも有することが必須となりつつある。そのため、各国において、高速データ通信を可能にする種々の多重化方式の採用が検討されている。しかしながら、多重化方式の統一は困難な状況である。そのため、携帯電話には、マルチモード(複数方式)およびマルチバンド(複数の周波数帯)に対応することが求められている。
【0003】
例えば、欧州では、既に、GSM(Global System for Mobile Communications)方式とDCS(Digital Cellular System)方式とに対応可能なデュアルバンド型携帯電話が全域で普及している。GSM方式とDCS方式は、いずれも時分割多重接続方式である。欧州では、第3世代携帯電話として、上記の2方式に加え、大きなデータ通信速度(例えば2Mbps)を実現することができる広帯域符号分割多重接続(以下、W−CDMAとも記す。)方式にも対応可能なデュアルモード・トリプルバンド型携帯電話を採用することを予定している。
【0004】
携帯電話では、上述のように新たな機能が付加されると、回路がより複雑になると共に部品点数が増える。そのため、携帯電話では、より高密度の部品実装技術が要求されている。また、このような事情から、携帯電話の内部の高周波回路では、その実装スペースを削減するため、部品の小型軽量化、複合化および集積化が不可欠となっている。
【0005】
ところで、GSM方式およびDCS方式に対応したデュアルバンド型携帯電話のフロントエンドモジュールは、例えば特許文献1に開示されているように既に知られていると共に、既に実用化されている。このフロントエンドモジュールでは、例えばダイプレクサを用いてGSM方式に対応した周波数帯域とDCS方式に対応した周波数帯域とを分離すると共に、例えば高周波スイッチを用いて送信信号と受信信号との分離を行うようになっている。
【0006】
ここで、例えばGSM方式、DCS方式およびW−CDMA方式に対応可能なデュアルモード・トリプルバンド型携帯電話のフロントエンドモジュールを構成することを考える。このフロントエンドモジュールでは、3つの方式に対応した各周波数帯域を分離すると共に、各方式毎に更に送信信号と受信信号とを分離する必要がある。ただし、W−CDMA方式は、符号分割多重接続方式であるがゆえに送信機能と受信機能のいずれもが常時動作していなければならない。そのため、W−CDMA方式では、高周波スイッチを用いて送信信号と受信信号とを時分割で分離することはできない。そのため、W−CDMA方式における送信信号と受信信号の分離には、アナログ方式の第1世代の携帯電話と同様に、周波数の違いによって送信信号と受信信号とを分離するデュプレクサが用いられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−225088号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
現在、W−CDMA用のデュプレクサとしては、挿入損失の小さい同軸誘電体形のものが多く用いられている。しかしながら、同軸誘電体形のデュプレクサは、大きく重いため、フロントエンドモジュールの小型軽量化には不向きである。また、同軸誘電体形のデュプレクサは、その材質および構造が、従来のフロントエンドモジュールとは異質なため、フロントエンドモジュールの複合化および集積化にも不向きである。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、時分割多重接続方式と符号分割多重接続方式とに対応可能で、且つ小型軽量化、複合化および集積化が容易なフロントエンドモジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のフロントエンドモジュールは、時分割多重接続方式の送信信号および受信信号と符号分割多重接続方式の送信信号および受信信号とを処理するためのモジュールであって、
符号分割多重接続方式の送信信号と符号分割多重接続方式の受信信号とを分離するデュプレクサと、
時分割多重接続方式の送信信号と時分割多重接続方式の受信信号と符号分割多重接続方式の送信信号とを分離するスイッチと、
デュプレクサおよびスイッチを集積するための1つの集積用多層基板とを備え、
デュプレクサは、アンテナに接続されるアンテナ端子と、符号分割多重接続方式の受信信号を出力する受信端子と、符号分割多重接続方式の送信信号が入力される送信端子と、アンテナ端子に接続された第1の端子と、第2の端子と、アンテナ端子と受信端子の間に設けられ、フィルタとして機能する第1の弾性波素子と、第2の端子と送信端子との間に設けられ、フィルタとして機能する第2の弾性波素子とを有し、
スイッチは、可動接点と第1ないし第3の固定接点とを有し、可動接点は第1の端子に接続され、第1の固定接点は第2の端子に接続され、第2の固定接点には時分割多重接続方式の送信信号が入力され、第3の固定接点は時分割多重接続方式の受信信号を出力するものである。
【0012】
本発明のフロントエンドモジュールでは、2つの弾性波素子を含むデュプレクサによって、符号分割多重接続方式の送信信号と符号分割多重接続方式の受信信号との分離が行われる。また、スイッチによって、時分割多重接続方式の送信信号と時分割多重接続方式の受信信号と符号分割多重接続方式の送信信号との分離が行われる。デュプレクサおよびスイッチは、1つの集積用多層基板によって集積されている。なお、弾性波素子とは、弾性波を利用した素子である。弾性波素子は、弾性表面波を利用する弾性表面波素子でもよいし、バルク弾性波を利用するバルク弾性波素子でもよい。
【0013】
本発明のフロントエンドモジュールは、更に、スイッチに接続され、時分割多重接続方式の送信信号を通過させるフィルタと、スイッチに接続され、時分割多重接続方式の受信信号を通過させるフィルタと、デュプレクサに接続され、符号分割多重接続方式の受信信号を通過させるフィルタとを備え、集積用多層基板は、更に各フィルタも集積してもよい。
【0014】
また、本発明のフロントエンドモジュールは、更に、時分割多重接続方式の送信信号を増幅する電力増幅器と、符号分割多重接続方式の送信信号を増幅する電力増幅器とを備え、集積用多層基板は、更に各電力増幅器も集積してもよい。
【0015】
また、本発明のフロントエンドモジュールは、更に、アンテナを備え、集積用多層基板は、更にアンテナも集積してもよい。
【0016】
また、本発明のフロントエンドモジュールにおいて、デュプレクサは、弾性波素子を含む1つまたは2つのチップと、このチップが実装された実装基板とを有し、実装基板は弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分を含み、デュプレクサは集積用多層基板に搭載されていてもよい。
【0017】
また、本発明のフロントエンドモジュールにおいて、デュプレクサは、弾性波素子を含み集積用多層基板に搭載された1つまたは2つのチップを有し、弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分は集積用多層基板に含まれていてもよい。
【0018】
また、本発明のフロントエンドモジュールにおいて、デュプレクサは、弾性波素子を含む1つまたは2つのチップと、このチップが実装された1つまたは2つの実装基板とを有し、チップおよび実装基板は集積用多層基板に搭載され、弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分は集積用多層基板に含まれていてもよい。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、本発明の第1の実施の形態に係るフロントエンドモジュールについて説明する。本実施の形態に係るフロントエンドモジュールは、時分割多重接続方式であるGSM方式と符号分割多重接続方式であるW−CDMA方式とに対応し、これらの各方式の送信信号および受信信号を処理するモジュールである。GSM方式の送信信号の周波数帯域は880MHz〜915MHzである。GSM方式の受信信号の周波数帯域は925MHz〜960MHzである。W−CDMA方式の送信信号の周波数帯域は1920MHz〜1990MHzである。W−CDMA方式の受信信号の周波数帯域は2110MHz〜2180MHzである。
【0043】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例について説明する。図1に示した高周波回路は、アンテナ1と、このアンテナ1に接続された本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Aと、主に信号の変調および復調を行う集積回路3Aとを備えている。高周波回路は、更に、GSM方式用の2つの電圧制御発振器(図ではGSM VCOと記す。)4G,5Gと、W−CDMA方式用の電圧制御発振器(図ではW−CDMA VCOと記す。)6Wとを備えている。これらの電圧制御発振器4G,5G,6Wは集積回路3Aに接続されている。
【0044】
高周波回路は、更に、入力端がフロントエンドモジュール2Aに接続され、出力端が集積回路3Aに接続されたバンドパスフィルタ(図ではBPFと記す。)25Gと、入力端がフロントエンドモジュール2Aに接続されたローノイズアンプ(図ではLNAと記す。)36Wと、入力端がローノイズアンプ36Wの出力端に接続され、出力端が集積回路3Aに接続されたバンドパスフィルタ37Wとを備えている。バンドパスフィルタ25G,37Wは、それぞれ弾性波素子を用いて構成されている。
【0045】
高周波回路は、更に、入力端が集積回路3Aに接続された電力増幅器(図ではPAと記す。)21Gと、入力端が電力増幅器21Gの出力端に接続されたカプラ22Gと、カプラ22Gの出力に基づいて、電力増幅器21Gの出力利得が一定になるように電力増幅器21Gを制御する自動出力制御回路(図ではAPCと記す。)23Gと、入力端がカプラ22Gの出力端に接続され、出力端がフロントエンドモジュール2Aに接続されたローパスフィルタ(図ではLPFと記す。)24Gとを備えている。
【0046】
高周波回路は、更に、入力端が集積回路3Aに接続されたバンドパスフィルタ31Wと、入力端がバンドパスフィルタ31Wの出力端に接続された電力増幅器32Wと、入力端が電力増幅器32Wの出力端に接続されたカプラ33Wと、カプラ33Wの出力に基づいて、電力増幅器32Wの出力利得が一定になるように電力増幅器32Wを制御する自動出力制御回路34Wと、入力端がカプラ33Wの出力端に接続され、出力端がフロントエンドモジュール2Aに接続されたアイソレータ35Wとを備えている。バンドパスフィルタ31Wは弾性波素子を用いて構成されている。
【0047】
次に、フロントエンドモジュール2Aについて詳しく説明する。フロントエンドモジュール2Aは、ダイプレクサ11Aと、高周波スイッチ12Gと、デュプレクサ13Wとを備えている。ダイプレクサ11Aは、第1ないし第3のポートを有している。第1のポートはアンテナ1に接続されている。第2のポートはGSM方式の信号を入出力するようになっている。第3のポートはW−CDMA方式の信号を入出力するようになっている。
【0048】
ダイプレクサ11Aの第2のポートは、高周波スイッチ12Gの可動接点に接続されている。高周波スイッチ12Gの2つの固定接点のうちの一方の固定接点(符号Rを付した固定接点)はバンドパスフィルタ25Gの入力端に接続されている。高周波スイッチ12Gの他方の固定接点(符号Tを付した固定接点)はローパスフィルタ24Gの出力端に接続されている。ダイプレクサ11Aの第3のポートはデュプレクサ13Wに接続されている。
【0049】
デュプレクサ13Wは、共通端子と受信端子(符号Rを付した端子)と送信端子(符号Tを付した端子)とを有している。デュプレクサ13Wの共通端子は、ダイプレクサ11Aの第3のポートに接続されている。デュプレクサ13Wの受信端子は、ローノイズアンプ36Wの入力端に接続されている。デュプレクサ13Wの送信端子は、アイソレータ35Wの出力端に接続されている。
【0050】
ダイプレクサ11Aは、信号の周波数に応じて、GSM方式の送信信号および受信信号と、W−CDMA方式の送信信号および受信信号とを分離する。具体的に説明すると、ダイプレクサ11Aは、第2のポートに入力されたGSM方式の送信信号と第3のポートに入力されたW−CDMA方式の送信信号を第1のポートより出力すると共に、第1のポートに入力されたGSM方式の受信信号を第2のポートより出力し、第1のポートに入力されたW−CDMA方式の受信信号を第3のポートより出力する。ダイプレクサ11Aは、本発明における第1の分離手段に対応する。
【0051】
高周波スイッチ12Gは、GSM方式の送信信号とGSM方式の受信信号とを分離する。具体的に説明すると、高周波スイッチ12Gは、可動接点に入力されたGSM方式の受信信号(図では、GSM/RXと記す。)を一方の固定接点より出力し、他方の固定接点に入力されたGSM方式の送信信号(図では、GSM/TXと記す。)を可動接点より出力する。高周波スイッチ12Gは、本発明における第2の分離手段に対応する。
【0052】
デュプレクサ13Wは、周波数の違いによって、W−CDMA方式の送信信号とW−CDMA方式の受信信号とを分離する。具体的に説明すると、デュプレクサ13Wは、共通端子に入力されたW−CDMA方式の受信信号(図では、WCDMA/RXと記す。)を受信端子より出力し、送信端子に入力されたW−CDMA方式の送信信号(図では、WCDMA/TXと記す。)を共通端子より出力する。
【0053】
次に、集積回路3Aについて説明する。集積回路3Aは、同相成分信号(以下、I信号と記す。)と直交成分信号(以下、Q信号と記す。)からなるベースバンドの入力信号を入力すると共に、I信号とQ信号からなるベースバンドの出力信号を出力するようになっている。
【0054】
集積回路3Aは、入力端がバンドパスフィルタ25Gの出力端に接続されたミキサ42Gと、入力端がミキサ42Gの出力端に接続された増幅器43Gと、入力端がバンドパスフィルタ37Wの出力端に接続されたミキサ42Wと、入力端がミキサ42Wの出力端に接続された増幅器43Wと、出力端が電力増幅器21Gの入力端に接続されたミキサ41Gと、出力端がバンドパスフィルタ31Wの入力端に接続されたミキサ41Wと備えている。ミキサ42Gは電圧制御発振器5Gに接続されている。ミキサ42Wは電圧制御発振器6Wに接続されている。ミキサ41Gは電圧制御発振器4Gに接続されている。ミキサ41Wは電圧制御発振器6Wに接続されている。
【0055】
集積回路3Aは、更に、GSM方式用の位相同期化ループ回路(図ではGSMPLLと記す。)44Gと、W−CDMA方式用の位相同期化ループ回路(図ではW−CDMA PLLと記す。)45Wとを備えている。位相同期化ループ回路44Gは、電圧制御発振器4G,5Gに接続されている。位相同期化ループ回路45Wは、電圧制御発振器6Wに接続されている。
【0056】
ミキサ42Gは、バンドパスフィルタ25Gの出力信号に、電圧制御発振器5Gが出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。ミキサ42Wは、バンドパスフィルタ37Wの出力信号に、電圧制御発振器6Wが出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。
【0057】
ミキサ41Gは、集積回路3Aに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器4Gが出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。ミキサ41Wは、集積回路3Aに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器6Wが出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。
【0058】
図示しないが、集積回路3Aは、更に、入力したI信号とQ信号を直交変調し、変調された信号をミキサ41G,41Wに送る機能と、増幅器43G,43Wの出力信号を直交復調してI信号とQ信号とを生成し、これらを出力する機能とを備えている。なお、ミキサ41G,41Wが直交変調する機能を兼ね備えていてもよいし、ミキサ42G,42Wが直交復調する機能を兼ね備えていてもよい。
【0059】
高周波スイッチ12Gより出力されるGSM方式の受信信号は、バンドパスフィルタ25Gを通過してミキサ42Gに入力されるようになっている。デュプレクサ13Wより出力されるW−CDMA方式の受信信号は、ローノイズアンプ36Wおよびバンドパスフィルタ37Wを通過してミキサ42Wに入力されるようになっている。ミキサ41Gの出力信号は、電力増幅器21G、カプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gを通過して高周波スイッチ12Gに入力されるようになっている。ミキサ41Wの出力信号は、バンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33Wおよびアイソレータ35Wを通過してデュプレクサ13Wに入力されるようになっている。
【0060】
次に、図2を参照して、ダイプレクサ11Aの回路構成の一例について説明する。図2に示したダイプレクサ11Aは、第1ないし第3のポート111,112,113を有している。第1のポート111はアンテナ1に接続されるようになっている。第2のポート112はGSM方式の信号を入出力するようになっている。第3のポート113はW−CDMA方式の信号を入出力するようになっている。ダイプレクサ11Aは、更に、一端が第1のポート111に接続されたキャパシタ114と、一端がキャパシタ114の他端に接続されたインダクタ115と、一端がインダクタ115の他端に接続され、他端が第2のポート112に接続されたインダクタ116と、一端がインダクタ115の他端に接続され、他端が第2のポート112に接続されたキャパシタ117と、一端がインダクタ115の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ118と、一端が第2のポート112に接続され、他端が接地されたキャパシタ119とを有している。インダクタ115,116およびキャパシタ117,118,119は、GSM方式の送信信号および受信信号を通過させるローパスフィルタ(LPF)を構成している。
【0061】
ダイプレクサ11Aは、更に、一端がキャパシタ114の他端に接続されたキャパシタ120と、一端がキャパシタ120の他端に接続され、他端が第3のポート113に接続されたキャパシタ121と、一端がキャパシタ120の他端に接続されたキャパシタ122と、一端がキャパシタ122の他端に接続され、他端が接地されたインダクタ123とを有している。キャパシタ120,121,122およびインダクタ123は、W−CDMA方式の送信信号および受信信号を通過させるハイパスフィルタ(HPF)を構成している。
【0062】
次に、図3を参照して、高周波スイッチ12Gの回路構成の一例について説明する。図3に示した高周波スイッチ12Gは、可動接点131と、2つの固定接点132,133と、2つの制御端子134,135とを有している。固定接点132は、図1において記号Tを付した固定接点である。固定接点133は、図1において記号Rを付した固定接点である。高周波スイッチ12Gは、更に、一端が可動接点131に接続されたキャパシタ136と、カソードがキャパシタ136の他端に接続されたダイオード137と、一端がダイオード137のアノードに接続され、他端が固定接点132に接続されたキャパシタ138と、一端がダイオード137のアノードに接続され、他端が制御端子134に接続されたインダクタ139と、一端が制御端子134に接続され、他端が接地されたキャパシタ140とを有している。
【0063】
高周波スイッチ12Gは、更に、一端がキャパシタ136の他端に接続されたインダクタ141と、一端がインダクタ141の他端に接続され、他端が固定接点133に接続されたキャパシタ142と、アノードがインダクタ141の他端に接続され、カソードが制御端子135に接続されたダイオード143と、一端が制御端子135に接続され、他端が接地されたキャパシタ144とを有している。
【0064】
高周波スイッチ12Gでは、制御端子134に印加される制御信号がハイレベルで、制御端子135に印加される制御信号がローレベルのときには、2つのダイオード137,143が共にオン状態となり、可動接点131に固定接点132が接続される。一方、制御端子134に印加される制御信号がローレベルで、制御端子135に印加される制御信号がハイレベルのときには、2つのダイオード137,143が共にオフ状態となり、可動接点131に固定接点133が接続される。
【0065】
次に、図4を参照して、デュプレクサ13Wの回路構成の一例について説明する。図4に示したデュプレクサ13Wは、共通端子151と受信端子152と送信端子153とを有している。デュプレクサ13Wは、更に、一端が共通端子151に接続された受信側ディレーライン154と、入力端が受信側ディレーライン154の他端に接続され、出力端が受信端子152に接続された受信側バンドパスフィルタ(図4では受信側BPFと記す。)155とを有している。デュプレクサ13Wは、更に、一端が共通端子151に接続された送信側ディレーライン156と、出力端が送信側ディレーライン156の他端に接続され、入力端が送信端子153に接続された送信側バンドパスフィルタ(図4では送信側BPFと記す。)157とを有している。バンドパスフィルタ155,157は、いずれも弾性波素子を用いて構成されている。
【0066】
受信側ディレーライン154は、受信端子152側からデュプレクサ13Wを見たときに、受信信号の周波数帯域ではインピーダンスがほぼ50Ωとなり、送信信号の周波数帯域ではインピーダンスが十分に大きくなるように、共通端子151と受信側バンドパスフィルタ155との間に挿入される。同様に、送信側ディレーライン156は、送信端子153側からデュプレクサ13Wを見たときに、送信信号の周波数帯域ではインピーダンスがほぼ50Ωとなり、受信信号の周波数帯域ではインピーダンスが十分に大きくなるように、共通端子151と送信側バンドパスフィルタ157との間に挿入される。なお、バンドパスフィルタ155,157の構成によっては、受信側ディレーライン154と送信側ディレーライン156の一方のみを設ければよい場合もある。
【0067】
なお、図4に示したデュプレクサ13Wにおける共通端子151、受信端子152、送信端子153と、それらに接続される外部の回路との間に、それぞれ、デュプレクサ13Wと外部の回路とのインピーダンス整合を行う整合回路を設けてもよい。図5は、デュプレクサ13Wおよびそれに接続される整合回路の回路構成の一例を示す回路図である。図5に示した例におけるデュプレクサ13Wの構成は、図4に示したデュプレクサ13Wの構成と同様である。図5に示した例では、共通端子151に整合回路201が接続され、受信端子152に整合回路202が接続され、送信端子153に整合回路203が接続されている。これらの整合回路201,202,203は、フロントエンドモジュール2Aに含まれている。
【0068】
整合回路201は、2つの端子204,205と、一端が端子204に接続されたインダクタ206と、一端がインダクタ206の他端に接続され、他端が端子205に接続されたインダクタ207と、一端がインダクタ206の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ208とを有している。端子204は、図1におけるダイプレクサ11Aの第3のポートに接続されている。端子205は、デュプレクサ13Wの共通端子151に接続されている。
【0069】
整合回路202は、2つの端子211,212と、この端子211,212の間に接続されたキャパシタ213とを有している。端子211は、デュプレクサ13Wの受信端子152に接続されている。端子212は、図1におけるローノイズアンプ36Wの入力端に接続されている。
【0070】
整合回路203は、2つの端子215,216と、一端が端子215に接続されたインダクタ217と、一端がインダクタ217の他端に接続され、他端が端子216に接続されたキャパシタ218と、一端がキャパシタ218の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ219とを有している。端子215は、デュプレクサ13Wの送信端子153に接続されている。端子216は、図1におけるアイソレータ35Wの出力端に接続されている。
【0071】
次に、図6を参照して、ローパスフィルタ24Gの回路構成の一例について説明する。図6に示したローパスフィルタ24Gは、入力端子161と出力端子162とを有している。ローパスフィルタ24Gは、更に、一端が入力端子161に接続され、他端が接地されたキャパシタ163と、一端が入力端子161に接続されたインダクタ164と、一端が入力端子161に接続され、他端がインダクタ164の他端に接続されたキャパシタ165と、一端がインダクタ164の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ166とを有している。ローパスフィルタ24Gは、更に、一端がインダクタ164の他端に接続され、他端が出力端子162に接続されたインダクタ167と、一端がインダクタ164の他端に接続され、他端が出力端子162に接続されたキャパシタ168と、一端が出力端子162に接続され、他端が接地されたキャパシタ169とを有している。
【0072】
次に、図7を参照して、カプラ22Gの回路構成の一例について説明する。図7に示したカプラ22Gは、入力端子171と、出力端子172と、モニタ端子173と、負荷接続端子174とを有している。カプラ22Gは、更に、一端が入力端子171に接続され、他端がモニタ端子173に接続されたキャパシタ171と、一端が入力端子171に接続され、他端が出力端子172に接続されたインダクタ176と、一端がモニタ端子173に接続され、他端が負荷接続端子174に接続されたインダクタ177と、一端が出力端子172に接続され、他端が負荷接続端子174に接続されたキャパシタ178とを有している。モニタ端子173は、自動出力制御回路23Gの入力端に接続されるようになっている。負荷接続端子174は、50Ωの負荷を介して接地されるようになっている。なお、カプラ33Wの回路構成はカプラ22Gと同様である。
【0073】
次に、図8を参照して、電力増幅器21Gの回路構成の一例について説明する。図8に示した電力増幅器21Gは、入力端子181と、出力端子182と、電源端子183と、接地端子184とを有している。電源端子183には、電源電圧が印加されるようになっている。
【0074】
電力増幅器21Gは、更に、増幅器として機能するモノリシック・マイクロウェーブ集積回路(以下、MMICと記す。)185を有している。MMIC185の接地端は接地端子184に接続されている。電力増幅器21Gは、更に、一端が入力端子181に接続され、他端がMMIC185の入力端に接続されたキャパシタ186と、一端がキャパシタ186の他端に接続され、他端が接地端子184に接続されたインダクタ187とを有している。キャパシタ186およびインダクタ187は、入力整合回路195を構成している。
【0075】
電力増幅器21Gは、更に、一端がMMIC185の出力端に接続されたキャパシタ188と、一端がキャパシタ188の他端に接続され、他端が出力端子182に接続されたキャパシタ189と、一端がキャパシタ188の他端に接続され、他端が接地端子184に接続されたインダクタ190と、一端が出力端子182に接続され、他端が接地端子184に接続されたインダクタ191とを有している。キャパシタ188,189およびインダクタ190,191は、出力整合回路196を構成している。
【0076】
電力増幅器21Gは、更に、それぞれ一端が電源端子183に接続され、他端が接地端子184に接続されたキャパシタ192,193と、一端が電源端子183に接続され、他端がMMIC185の電源入力端に接続されたチョークコイル194とを有している。なお、電力増幅器32Wの回路構成は、電力増幅器21Gと同様である。
【0077】
次に、フロントエンドモジュール2Aの構造について説明する。フロントエンドモジュール2Aは、ダイプレクサ11A、高周波スイッチ12Gおよびデュプレクサ13Wを集積するための1つの集積用多層基板を備えている。集積用多層基板は、誘電体層と、パターン化された導体層とが交互に積層された構造になっている。フロントエンドモジュール2Aの回路は、集積用多層基板の内部または表面上の導体層と、集積用多層基板に搭載された素子とによって構成されている。
【0078】
次に、図9ないし図11を参照して、本実施の形態におけるデュプレクサ13Wの構造の3つの例について順に説明する。なお、ここでは、弾性波素子として弾性表面波素子を用いた場合の例について説明するが、弾性表面波素子の代わりにバルク弾性波素子を用いてもよい。弾性表面波素子が圧電体の表面を伝播する音波(弾性表面波)を利用しているのに対し、バルク弾性波素子は、圧電体内部を伝播する音波(バルク弾性波)を利用するものである。このバルク弾性波素子のうち、特に圧電体薄膜を用いて作製されたものを薄膜バルク波素子と呼び、特に圧電体薄膜を用いて作製された共振器を薄膜バルク波共振器(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)と呼ぶ。上記弾性波素子としては、上記薄膜バルク波素子を用いてもよい。この薄膜バルク波素子は、弾性表面波素子に比べて温度特性が良好である。一般に、弾性表面波素子の温度特性が40ppm/℃程度であるのに対し、薄膜バルク波素子の温度特性は20ppm/℃程度である。従って、薄膜バルク波素子は、フィルタに要求される急峻な周波数特性を実現するのに有利である。
【0079】
図9は、デュプレクサ13Wの構造の第1の例を示す断面図である。第1の例では、デュプレクサ13Wは、図4における受信側バンドパスフィルタ155に用いられる弾性表面波素子を含むチップ51と、図4における送信側バンドパスフィルタ157に用いられる弾性表面波素子を含むチップ52と、これら2つのチップ51,52が実装された実装基板53と、チップ51,52を封止するキャップ54とを有している。実装基板53は、例えば、誘電体層の材料としてセラミックを用いたセラミック多層基板になっている。実装基板53は、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分を含んでいる。例えば、デュプレクサ13Wの受信側ディレーライン154および送信側ディレーライン156は、実装基板53の内部または表面上の導体層を用いて構成されている。また、デュプレクサ13Wの共通端子151、受信端子152および送信端子153は、実装基板53の下面に配置されている。
【0080】
チップ51,52は、LiTaO等の圧電材料からなる圧電基板と、この圧電基板の一方の面に形成された櫛形電極と、この櫛形電極を外部の回路に接続するための接続電極55とを有している。図9に示した例では、接続電極55は、櫛形電極と同一面上に配置されている。また、この例では、チップ51,52は、櫛形電極が実装基板53の上面に対向するように、フリップチップボンディングによって、実装基板53に実装されている。なお、チップ51,52が実装基板53に実装された状態で、櫛形電極と実装基板53の上面との間に空間が形成されるようになっている。
【0081】
第1の例では、上記の構成のデュプレクサ13Wは、フロントエンドモジュール2Aの集積用多層基板20に搭載されている。集積用多層基板20は、例えば低温焼成セラミック多層基板になっている。集積用多層基板20は、デュプレクサ13W以外のフロントエンドモジュール2Aの回路を含んでいる。
【0082】
図9には、第1の例におけるフロントエンドモジュール2Aの厚さの一例が示されている。この例では、デュプレクサ13Wの実装基板53の厚さが0.5mm、デュプレクサ13Wの実装基板53の上面からキャップ54の上面までの部分の厚さが0.5mm、集積用多層基板20の厚さが0.8mmとなっている。従って、この例では、フロントエンドモジュール2Aの厚さは、1.8mm以上となる。
【0083】
図10は、デュプレクサ13Wの構造の第2の例を示す断面図である。第2の例では、デュプレクサ13Wは、第1の例と同様のチップ51,52を有している。しかし、第2の例では実装基板53は設けられておらず、チップ51,52は、フロントエンドモジュール2Aの集積用多層基板20に、直接搭載されている。チップ51,52は、例えば、櫛形電極が集積用多層基板20の上面に対向するように、フリップチップボンディングによって、集積用多層基板20に実装されている。なお、チップ51,52が集積用多層基板20に実装された状態で、櫛形電極と集積用多層基板20の上面との間に空間が形成されるようになっている。また、チップ51,52は、キャップ54によって封止されている。
【0084】
第2の例では、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分は、集積用多層基板20に含まれている。例えば、デュプレクサ13Wの受信側ディレーライン154および送信側ディレーライン156は、集積用多層基板20の内部または表面上の導体層を用いて構成されている。また、デュプレクサ13Wの共通端子151、受信端子152および送信端子153は、集積用多層基板20の下面に配置されている。また、集積用多層基板20は、デュプレクサ13W以外のフロントエンドモジュール2Aの回路を含んでいる。第2の例のデュプレクサ13Wを含むフロントエンドモジュール2Aは、本発明の第1の高周波機能モジュールに対応する。なお、第1の高周波機能モジュールは、少なくともデュプレクサ13Wと集積用多層基板20を含んでいればよく、フロントエンドモジュール2Aの一部であってもよい。第1の高周波機能モジュールにおける集積用多層基板20は、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分およびデュプレクサ13Wに接続される回路のうちの少なくとも一部を含んでいればよい。すなわち、第1の高周波機能モジュールにおける集積用多層基板20は、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分の一部のみを含んでいてもよく、あるいはデュプレクサ13Wに接続される回路の一部のみを含んでいてもよい。
【0085】
図10には、第2の例におけるフロントエンドモジュール2Aの厚さの一例が示されている。この例では、集積用多層基板20の上面からデュプレクサ13Wのキャップ54の上面までの部分の厚さが0.5mm、集積用多層基板20の厚さが0.8mmとなっている。従って、この例では、フロントエンドモジュール2Aの厚さは、1.3mm以上となる。
【0086】
図11は、デュプレクサ13Wの構造の第3の例を示す断面図である。第3の例では、デュプレクサ13Wは、第1の例と同様のチップ51,52と、これらのチップ51,52が実装された1つまたは2つの実装基板56と、チップ51,52を封止するキャップ54とを有している。なお、図11には、2つのチップ51,52を1つの実装基板56に実装した例を示しているが、チップ51,52を、それぞれ別個の実装基板56に実装してもよい。
【0087】
実装基板56は、単層の誘電体層と、この誘電体層の上面および下面に設けられた、パターン化された導体層と、誘電体層の側面に設けられ、誘電体層の上面に設けられた導体層と下面に設けられた導体層とを接続する導体部とを有している。チップ51,52は、例えば、櫛形電極が実装基板56の上面に対向するように、フリップチップボンディングによって、実装基板56に実装されている。なお、チップ51,52が実装基板56に実装された状態で、櫛形電極と実装基板56の上面との間に空間が形成されるようになっている。
【0088】
チップ51,52および実装基板56は、フロントエンドモジュール2Aの集積用多層基板20に搭載されている。第3の例では、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分は、集積用多層基板20に含まれている。例えば、デュプレクサ13Wの受信側ディレーライン154および送信側ディレーライン156は、集積用多層基板20の内部または表面上の導体層を用いて構成されている。また、デュプレクサ13Wの共通端子151、受信端子152および送信端子153は、集積用多層基板20の下面に配置されている。また、集積用多層基板20は、デュプレクサ13W以外のフロントエンドモジュール2Aの回路を含んでいる。第3の例のデュプレクサ13Wを含むフロントエンドモジュール2Aは、本発明の第2の高周波機能モジュールに対応する。なお、第2の高周波機能モジュールは、少なくともデュプレクサ13Wと集積用多層基板20を含んでいればよく、フロントエンドモジュール2Aの一部であってもよい。第2の高周波機能モジュールにおける集積用多層基板20は、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分およびデュプレクサ13Wに接続される回路のうちの少なくとも一部を含んでいればよい。すなわち、第2の高周波機能モジュールにおける集積用多層基板20は、弾性表面波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分の一部のみを含んでいてもよく、あるいはデュプレクサ13Wに接続される回路の一部のみを含んでいてもよい。
【0089】
図11には、第3の例におけるフロントエンドモジュール2Aの厚さの一例が示されている。この例では、集積用多層基板20の上面からデュプレクサ13Wのキャップ54の上面までの部分の厚さが0.7mm、集積用多層基板20の厚さが0.8mmとなっている。従って、この例では、フロントエンドモジュール2Aの厚さは、1.5mm以上となる。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Aでは、ダイプレクサ11Aと、高周波スイッチ12Gと、2つの弾性波素子を含むデュプレクサ13Wとを、1つの集積用多層基板20によって集積している。弾性波素子を含むデュプレクサ13Wは、同軸誘電体形のデュプレクサに比べて、小型および軽量であると共に、複合化および集積化が容易である。従って、本実施の形態によれば、時分割多重接続方式(GSM方式)と符号分割多重接続方式(W−CDMA方式)とに対応可能で、且つ、小型軽量化、複合化および集積化が容易なフロントエンドモジュール2Aを実現することができる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、弾性波素子を含むデュプレクサ13Wを、ダイプレクサ11Aおよび高周波スイッチ12Gと一体化することにより、デュプレクサ13Wとその周辺回路とのインピーダンス整合を最適化することが可能になる。従って、本実施の形態によれば、フロントエンドモジュール2Aの性能を向上させることも可能になる。
【0092】
ところで、デュプレクサ13Wでは、共通端子151、受信端子152、送信端子153の各インピーダンスは、通過帯域内の周波数に対しては、挿入損失が最小になるよう50Ωに設定され、阻止帯域内の周波数に対しては、減衰が大きくなるように大きな値に設定される。そのため、弾性波素子と、弾性波素子以外の構成部分(ディレーライン154,156や整合回路)とを含むデュプレクサ13W全体で、特性を最適化する必要がある。
【0093】
図9に示したデュプレクサ13Wの構造の第1の例では、それぞれ弾性波素子を含むチップ51,52と、弾性波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分を含む実装基板53とが一体化されている。そのため、第1の例では、デュプレクサ13Wを、フロントエンドモジュール2Aにおける他の構成要素から独立した状態で製造することができる。従って、第1の例では、特性が最適化された状態のデュプレクサ13Wを、集積用多層基板20に搭載することができる。しかし、第1の例では、フロントエンドモジュール2Aの厚さが大きくなってしまうという不具合がある。
【0094】
図10に示したデュプレクサ13Wの構造の第2の例では、弾性波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分は集積用多層基板20に設けられ、それぞれ弾性波素子を含むチップ51,52は集積用多層基板20に搭載されている。この第2の例によれば、フロントエンドモジュール2Aの厚さを小さくすることができる。また、第2の例によれば、デュプレクサ13W全体で特性が最適になるように、チップ51,52の特性と、集積用多層基板20に設けられた、弾性波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分の特性とを設計し、設計通りのチップ51,52および集積用多層基板20を使用することによって、デュプレクサ13W全体の特性を最適化することが可能になる。
【0095】
ところで、ベアチップの状態であるチップ51,52の特性を測定するにはプローブを用いる必要がある。しかし、プローブ自体が高周波特性を持つため、チップ51,52の高周波特性を正確に測定することは難しい。そのため、ある割合で不良品のチップ51,52が集積用多層基板20に搭載されるという不具合がある。不良品のチップ51,52が集積用多層基板20に搭載されると、デュプレクサ13W以外のフロントエンドモジュール2Aの構成部分の特性が良好であっても、フロントエンドモジュール2A全体が不良品になってしまう。そのため、第2の例では、フロントエンドモジュール2Aの歩留まりが低くなるという不具合がある。
【0096】
図11に示したデュプレクサ13Wの構造の第3の例では、それぞれ弾性波素子を含むチップ51,52は実装基板56に実装されている。従って、チップ51,52および実装基板56は、パッケージ化された1つの部品を構成している。また、第3の例では、弾性波素子以外のデュプレクサ13Wの構成部分は集積用多層基板20に設けられ、チップ51,52および実装基板56は、集積用多層基板20に搭載されている。チップ51,52および実装基板56によって構成された部品については、プローブを用いることなく、通常の部品を測定するための治具を用いて正確に特性を測定することができる。従って、第3の例によれば、良品のチップ51,52および実装基板56のみを集積用多層基板20に搭載することができ、その結果、フロントエンドモジュール2Aの歩留まりを向上させることができる。また、第3の例によれば、実装基板56は薄くてもよいため、フロントエンドモジュール2Aの厚さを小さくすることもできる。
【0097】
以下、本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Aの3つの変形例について説明する。
【0098】
図12は、第1の変形例のフロントエンドモジュール2Aを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第1の変形例のフロントエンドモジュール2Aは、図1におけるダイプレクサ11Aの代わりに高周波スイッチ14を備え、図1における高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を備えている。高周波スイッチ14の可動接点はアンテナ1に接続されている。高周波スイッチ14の2つの固定接点のうちの一方の固定接点(符号GSMを付した固定接点)はデュプレクサ15の共通端子に接続されている。高周波スイッチ14の他方の固定接点(符号W−CDMAを付した固定接点)はデュプレクサ13Wの共通端子に接続されている。
【0099】
デュプレクサ15の受信端子(符号Rを付した端子)は、バンドパスフィルタ25Gの入力端に接続されている。デュプレクサ15の送信端子(符号Tを付した端子)は、ローパスフィルタ24Gの出力端に接続されている。
【0100】
高周波スイッチ14の回路構成は高周波スイッチ12Gと同様である。高周波スイッチ14は、本発明における第1の分離手段に対応する。デュプレクサ15の回路構成は、デュプレクサ13Wと同様である。デュプレクサ15は、本発明における第2の分離手段に対応する。第1の変形例のフロントエンドモジュール2Aのその他の構成は、図1に示したフロントエンドモジュール2Aと同様である。
【0101】
このように、第1の分離手段は、ダイプレクサ11Aでもよいし、高周波スイッチ14でもよい。また、第2の分離手段は、高周波スイッチ12Gでもよいし、デュプレクサ15でもよい。従って、第1の分離手段としてダイプレクサ11Aを用い、第2の分離手段としてデュプレクサ15を用いてもよい。また、第1の分離手段として高周波スイッチ14を用い、第2の分離手段として高周波スイッチ12Gを用いてもよい。
【0102】
図13は、第2の変形例のフロントエンドモジュール2Aを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第2の変形例のフロントエンドモジュール2Aは、図1に示したフロントエンドモジュール2Aの構成要素に加え、GSM方式の送信信号を通過させるカプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gと、GSM方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ25Gと、W−CDMA方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ37Wとを備えている。また、第2の変形例では、集積用多層基板20は、図1に示したフロントエンドモジュール2Aの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積している。
【0103】
第2の変形例のフロントエンドモジュール2Aのその他の構成は、図1に示したフロントエンドモジュール2Aと同様である。第2の変形例によれば、フロントエンドモジュール2Aに新たに加えられた上記の各構成要素も含めて、フロントエンドモジュール2A全体の特性の最適化を図ることができる。
【0104】
なお、第2の変形例のフロントエンドモジュール2Aにおいて、ダイプレクサ11Aの代わりに高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を用いてもよい。
【0105】
図14は、第3の変形例のフロントエンドモジュール2Aを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第3の変形例のフロントエンドモジュール2Aは、図1に示したフロントエンドモジュール2Aの構成要素に加え、電力増幅器21G、カプラ22G、自動出力制御回路23G、ローパスフィルタ24G、バンドパスフィルタ25G、バンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33W、自動出力制御回路34W、アイソレータ35W、ローノイズアンプ36Wおよびバンドパスフィルタ37Wを備えている。また、第3の変形例では、集積用多層基板20は、図1に示したフロントエンドモジュール2Aの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積している。
【0106】
第3の変形例のフロントエンドモジュール2Aのその他の構成は、図1に示したフロントエンドモジュール2Aと同様である。第3の変形例によれば、フロントエンドモジュール2Aに新たに加えられた上記の各構成要素も含めて、フロントエンドモジュール2A全体の特性の最適化を図ることができる。
【0107】
なお、第3の変形例のフロントエンドモジュール2Aにおいて、ダイプレクサ11Aの代わりに高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を用いてもよい。
【0108】
図15は、第3の変形例のフロントエンドモジュール2Aにおける電力増幅器21Gの配置の一例を示す断面図である。この例では、電力増幅器21GのMMIC185は集積用多層基板20に搭載されている。電力増幅器21Gの入力整合回路195および出力整合回路196は、集積用多層基板20の内部または表面上の導体層を用いて構成されている。図示しないが、電力増幅器21Gのキャパシタ192,193およびチョークコイル194は集積用多層基板20に搭載されている。また、集積用多層基板20におけるMMIC185が搭載される面とは反対側の面には、MMIC185が発生する熱を放散させるための導体層197が形成されている。集積用多層基板20には、更に、MMIC185が発生する熱を導体層197に導くためにMMIC185の下面と導体層197を接続する複数のビアホール198が形成されている。なお、電力増幅器32Wの配置も、電力増幅器21Gと同様である。
【0109】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るフロントエンドモジュールについて説明する。本実施の形態に係るフロントエンドモジュールは、時分割多重接続方式であるGSM方式と、時分割多重接続方式であるDCS方式と、符号分割多重接続方式であるW−CDMA方式とに対応し、これらの各方式の送信信号および受信信号を処理するモジュールである。DCS方式の送信信号の周波数帯域は1710MHz〜1785MHzである。DCS方式の受信信号の周波数帯域は1805MHz〜1880MHzである。GSM方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域と、W−CDMA方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域は、第1の実施の形態と同様である。
【0110】
まず、図16を参照して、本実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例について説明する。図16に示した高周波回路は、アンテナ1と、このアンテナ1に接続された本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Bと、主に信号の変調および復調を行う集積回路3Bとを備えている。高周波回路は、更に、GSM方式およびDCS方式用の2つの電圧制御発振器(図ではGSM/DCS VCOと記す。)4,5と、W−CDMA方式用の電圧制御発振器6Wとを備えている。これらの電圧制御発振器4,5,6Wは集積回路3Bに接続されている。
【0111】
高周波回路は、更に、入力端がフロントエンドモジュール2Bに接続され、それぞれ出力端が集積回路3Bに接続されたバンドパスフィルタ25G,25Dと、入力端がフロントエンドモジュール2Bに接続されたローノイズアンプ36Wと、入力端がローノイズアンプ36Wの出力端に接続され、出力端が集積回路3Bに接続されたバンドパスフィルタ37Wとを備えている。バンドパスフィルタ25G,25D,37Wは、それぞれ弾性波素子を用いて構成されている。
【0112】
高周波回路は、更に、第1の実施の形態と同様に構成された電力増幅器21G、カプラ22G、自動出力制御回路23Gおよびローパスフィルタ24Gと、これらと同様に構成された、DCS方式用の電力増幅器21D、カプラ22D、自動出力制御回路23Dおよびローパスフィルタ24Dとを備えている。
【0113】
高周波回路は、更に、第1の実施の形態と同様に構成されたバンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33W、自動出力制御回路34Wおよびアイソレータ35Wを備えている。バンドパスフィルタ31Wは弾性波素子を用いて構成されている。
【0114】
次に、フロントエンドモジュール2Bについて詳しく説明する。フロントエンドモジュール2Bは、ダイプレクサ11Bと、高周波スイッチ16,12G,12Dと、デュプレクサ13Wとを備えている。ダイプレクサ11Bは、第1ないし第3のポートを有している。第1のポートはアンテナ1に接続されている。第2のポートはGSM方式の信号を入出力するようになっている。第3のポートはW−CDMA方式の信号およびDCS方式の信号を入出力するようになっている。
【0115】
ダイプレクサ11Bの第2のポートは、高周波スイッチ12Gの可動接点に接続されている。高周波スイッチ12Gの2つの固定接点のうちの一方の固定接点(符号Rを付した固定接点)はバンドパスフィルタ25Gの入力端に接続されている。高周波スイッチ12Gの他方の固定接点(符号Tを付した固定接点)はローパスフィルタ24Gの出力端に接続されている。ダイプレクサ11Bの第3のポートは、高周波スイッチ16の可動接点に接続されている。
【0116】
高周波スイッチ16の2つの固定接点のうちの一方の固定接点はデュプレクサ13Wに接続されている。高周波スイッチ16の他方の固定接点は、高周波スイッチ12Dの可動接点に接続されている。高周波スイッチ12Dの2つの固定接点のうちの一方の固定接点(符号Rを付した固定接点)はバンドパスフィルタ25Dの入力端に接続されている。高周波スイッチ12Dの他方の固定接点(符号Tを付した固定接点)はローパスフィルタ24Dの出力端に接続されている。
【0117】
デュプレクサ13Wは、共通端子と受信端子(符号Rを付した端子)と送信端子(符号Tを付した端子)とを有している。デュプレクサ13Wの共通端子は、高周波スイッチ16の一方の固定接点に接続されている。デュプレクサ13Wの受信端子は、ローノイズアンプ36Wの入力端に接続されている。デュプレクサ13Wの送信端子は、アイソレータ35Wの出力端に接続されている。
【0118】
ダイプレクサ11Bは、信号の周波数に応じて、GSM方式の送信信号および受信信号と、W−CDMA方式の送信信号、受信信号およびDCS方式の送信信号、受信信号とを分離する。具体的に説明すると、ダイプレクサ11Bは、第2のポートに入力されたGSM方式の送信信号と、第3のポートに入力されたW−CDMA方式の送信信号またはDCS方式の送信信号を第1のポートより出力する。また、ダイプレクサ11Bは、第1のポートに入力されたGSM方式の受信信号を第2のポートより出力し、第1のポートに入力されたW−CDMA方式の受信信号またはDCS方式の受信信号を第3のポートより出力する。ダイプレクサ11Bの構成は、第1の実施の形態におけるダイプレクサ11Aと同様である。
【0119】
高周波スイッチ16は、W−CDMA方式の送信信号および受信信号と、DCS方式の送信信号および受信信号とを分離する。具体的に説明すると、高周波スイッチ16は、一方の固定接点に入力されたW−CDMA方式の送信信号を可動接点より出力し、可動接点に入力されたW−CDMA方式の受信信号を一方の固定接点より出力する。また、高周波スイッチ16は、他方の固定接点に入力されたDCS方式の送信信号を可動接点より出力し、可動接点に入力されたDCS方式の受信信号を他方の固定接点より出力する。高周波スイッチ16の構成は、高周波スイッチ12Gと同様である。ダイプレクサ11Bおよび高周波スイッチ16は、本発明における第1の分離手段に対応する。
【0120】
高周波スイッチ12Gは、GSM方式の送信信号とGSM方式の受信信号とを分離する。高周波スイッチ12Gの具体的な動作は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。高周波スイッチ12Gは、本発明における第2の分離手段に対応する。
【0121】
高周波スイッチ12Dは、DCS方式の送信信号とDCS方式の受信信号とを分離する。具体的に説明すると、高周波スイッチ12Dは、可動接点に入力されたDCS方式の受信信号(図では、DCS/RXと記す。)を一方の固定接点より出力し、他方の固定接点に入力されたDCS方式の送信信号(図では、DCS/TXと記す。)を可動接点より出力する。高周波スイッチ12Dの構成は、高周波スイッチ12Gと同様である。高周波スイッチ12Dは、本発明における第3の分離手段に対応する。
【0122】
デュプレクサ13Wは、W−CDMA方式の送信信号とW−CDMA方式の受信信号とを分離する。デュプレクサ13Wの具体的な動作は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0123】
次に、集積回路3Bについて説明する。集積回路3Bは、I信号とQ信号からなるベースバンドの入力信号を入力すると共に、I信号とQ信号からなるベースバンドの出力信号を出力するようになっている。
【0124】
集積回路3Bは、入力端がバンドパスフィルタ25Gの出力端に接続されたミキサ42Gと、入力端がミキサ42Gの出力端に接続された増幅器43Gと、入力端がバンドパスフィルタ25Dの出力端に接続されたミキサ42Dと、入力端がミキサ42Dの出力端に接続された増幅器43Dと、入力端がバンドパスフィルタ37Wの出力端に接続されたミキサ42Wと、入力端がミキサ42Wの出力端に接続された増幅器43Wと、出力端が電力増幅器21G,21Dの各入力端に接続されたミキサ41と、出力端がバンドパスフィルタ31Wの入力端に接続されたミキサ41Wと備えている。ミキサ42G,42Dは電圧制御発振器5に接続されている。ミキサ42Wは電圧制御発振器6Wに接続されている。ミキサ41は電圧制御発振器4に接続されている。ミキサ41Wは電圧制御発振器6Wに接続されている。
【0125】
集積回路3Bは、更に、GSM方式およびDCS方式用の位相同期化ループ回路(図ではGSM/DCS PLLと記す。)44と、W−CDMA方式用の位相同期化ループ回路45Wとを備えている。位相同期化ループ回路44は、電圧制御発振器4,5に接続されている。位相同期化ループ回路45Wは、電圧制御発振器6Wに接続されている。
【0126】
ミキサ42Gは、バンドパスフィルタ25Gの出力信号に、電圧制御発振器5が出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。ミキサ42Dは、バンドパスフィルタ25Dの出力信号に、電圧制御発振器5が出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。ミキサ42Wは、バンドパスフィルタ37Wの出力信号に、電圧制御発振器6Wが出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。
【0127】
ミキサ41は、集積回路3Bに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器4が出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。ミキサ41Wは、集積回路3Bに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器6Wが出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。
【0128】
図示しないが、集積回路3Bは、更に、入力したI信号とQ信号を直交変調し、変調された信号をミキサ41,41Wに送る機能と、増幅器43G,43D,43Wの出力信号を直交復調してI信号とQ信号とを生成し、これらを出力する機能とを備えている。なお、ミキサ41,41Wが直交変調する機能を兼ね備えていてもよいし、ミキサ42G,42D,42Wが直交復調する機能を兼ね備えていてもよい。
【0129】
高周波スイッチ12Gより出力されるGSM方式の受信信号は、バンドパスフィルタ25Gを通過してミキサ42Gに入力されるようになっている。高周波スイッチ12Dより出力されるDCS方式の受信信号は、バンドパスフィルタ25Dを通過してミキサ42Dに入力されるようになっている。デュプレクサ13Wより出力されるW−CDMA方式の受信信号は、ローノイズアンプ36Wおよびバンドパスフィルタ37Wを通過してミキサ42Wに入力されるようになっている。
【0130】
ミキサ41の出力信号は、電力増幅器21G、カプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gを通過して高周波スイッチ12Gに入力されると共に、電力増幅器21D、カプラ22Dおよびローパスフィルタ24Dを通過して高周波スイッチ12Dに入力されるようになっている。ミキサ41Wの出力信号は、バンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33Wおよびアイソレータ35Wを通過してデュプレクサ13Wに入力されるようになっている。
【0131】
次に、フロントエンドモジュール2Bの構造について説明する。フロントエンドモジュール2Bは、ダイプレクサ11B、高周波スイッチ16,12G,12Dおよびデュプレクサ13Wを集積するための1つの集積用多層基板20を備えている。集積用多層基板20の基本的な構造は、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態におけるデュプレクサ13Wの構造は、第1の実施の形態と同様に、図9ないし図11に示した第1ないし第3の例のいずれでもよい。
【0132】
以上説明したように、本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Bでは、ダイプレクサ11Bと、高周波スイッチ16,12G,12Dと、2つの弾性波素子を含むデュプレクサ13Wとを、1つの集積用多層基板20によって集積している。従って、本実施の形態によれば、2種類の時分割多重接続方式(GSM方式とDCS方式)と1種類の符号分割多重接続方式(W−CDMA方式)とに対応可能で、且つ、小型軽量化、複合化および集積化が容易なフロントエンドモジュール2Bを実現することができる。
【0133】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態において、ダイプレクサ11Bの代わりに、図12に示した高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりに、図12に示したデュプレクサ15を用いてもよいし、高周波スイッチ12Dの代わりに、図12に示したデュプレクサ15を用いてもよい。
【0134】
以下、本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Bの2つの変形例について説明する。
【0135】
図17は、第1の変形例のフロントエンドモジュール2Bを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第1の変形例のフロントエンドモジュール2Bは、図16に示したフロントエンドモジュール2Bの構成要素に加え、GSM方式の送信信号を通過させるカプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gと、DCS方式の送信信号を通過させるカプラ22Dおよびローパスフィルタ24Dと、GSM方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ25Gと、DCS方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ25Dと、W−CDMA方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ37Wとを備えている。また、第1の変形例では、集積用多層基板20は、図16に示したフロントエンドモジュール2Bの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積している。
【0136】
第1の変形例のフロントエンドモジュール2Bのその他の構成は、図16に示したフロントエンドモジュール2Bと同様である。第2の変形例によれば、フロントエンドモジュール2Bに新たに加えられた上記の各構成要素も含めて、フロントエンドモジュール2B全体の特性の最適化を図ることができる。
【0137】
なお、第1の変形例のフロントエンドモジュール2Bにおいて、ダイプレクサ11Bの代わりに高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を用いてもよいし、高周波スイッチ12Dの代わりにデュプレクサ15を用いてもよい。
【0138】
図18は、第1の変形例のフロントエンドモジュール2Bの構造の一例を示す平面図である。図19は、図18に示したフロントエンドモジュール2BのA−A線断面図である。図18に示したように、この例では、集積用多層基板20の上面に6つの領域が形成されている。6つの領域とは、ダイプレクサ部61、高周波スイッチ回路部62、高周波スイッチ回路部63、デュプレクサ部64、送信回路部65および受信回路部66である。
【0139】
ダイプレクサ部61にはダイプレクサ11Bが搭載されている。高周波スイッチ回路部62には、高周波スイッチ12Gに含まれる2つのダイオード71が搭載されている。高周波スイッチ回路部63には、高周波スイッチ16に含まれる2つのダイオード72と高周波スイッチ12Dに含まれる2つのダイオード72とが搭載されている。デュプレクサ部64には、デュプレクサ13Wに含まれる2つのチップ73が搭載されている。2つのチップ73は、それぞれ弾性波素子を含んでいる。送信回路部65には、ローパスフィルタ24G,24Dとカプラ22G,22Dが搭載されている。受信回路部66には、バンドパスフィルタ25Gに含まれるチップ74と、バンドパスフィルタ25Dに含まれるチップ75と、バンドパスフィルタ37Wに含まれるチップ76とが搭載されている。チップ74,75,76は、それぞれ弾性波素子を含んでいる。なお、ダイプレクサ11B、ローパスフィルタ24G,24D、カプラ22G,22Dは、図2、図6および図7から明らかなように、インダクタとキャパシタによって構成できるため、これらの全部または一部を集積用多層基板20の内部において構成してもよい。
【0140】
図19に示したように、集積用多層基板20の上面に搭載された上記の各構成要素は、シールドケース77によって覆われている。なお、図18ではシールドケース77を省略している。
【0141】
また、この例では、図18に示したように、集積用多層基板20の上面の形状は、縦6mm、横10mmの矩形になっている。また、図19に示したように、フロントエンドモジュール2Bの厚さは1.5mmになっている。
【0142】
図20は、第2の変形例のフロントエンドモジュール2Bを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第2の変形例のフロントエンドモジュール2Bは、図16に示したフロントエンドモジュール2Bの構成要素に加え、電力増幅器21G,21D、カプラ22G,22D、自動出力制御回路23G,23D、ローパスフィルタ24G,24D、バンドパスフィルタ25G,25D、バンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33W、自動出力制御回路34W、アイソレータ35W、ローノイズアンプ36Wおよびバンドパスフィルタ37Wを備えている。また、第2の変形例では、集積用多層基板20は、図16に示したフロントエンドモジュール2Bの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積している。
【0143】
第2の変形例のフロントエンドモジュール2Bのその他の構成は、図16に示したフロントエンドモジュール2Bと同様である。第2の変形例によれば、フロントエンドモジュール2Bに新たに加えられた上記の各構成要素も含めて、フロントエンドモジュール2B全体の特性の最適化を図ることができる。
【0144】
なお、第2の変形例のフロントエンドモジュール2Bにおいて、ダイプレクサ11Bの代わりに高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を用いてもよいし、高周波スイッチ12Dの代わりにデュプレクサ15を用いてもよい。
【0145】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るフロントエンドモジュールについて説明する。本実施の形態に係るフロントエンドモジュールは、時分割多重接続方式であるGSM方式と、時分割多重接続方式であるDCS方式と、符号分割多重接続方式であるW−CDMA方式と、符号分割多重接続方式である狭帯域符号分割多重接続(以下、N−CDMAと記す。)方式に対応し、これらの各方式の送信信号および受信信号を処理するモジュールである。N−CDMA方式の送信信号の周波数帯域は824MHz〜849MHzである。N−CDMA方式の受信信号の周波数帯域は869MHz〜894MHzである。GSM方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域と、W−CDMA方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域は、第1の実施の形態と同様である。また、DCS方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域は第2の実施の形態と同様である。
【0146】
まず、図21を参照して、本実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例について説明する。図21に示した高周波回路は、アンテナ1と、このアンテナ1に接続された本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Cと、主に信号の変調および復調を行う集積回路3Cとを備えている。高周波回路は、更に、GSM方式およびDCS方式用の2つの電圧制御発振器4,5と、W−CDMA方式用の電圧制御発振器6Wと、N−CDMA方式用の電圧制御発振器6Nとを備えている。これらの電圧制御発振器4,5,6W,6Nは集積回路3Cに接続されている。
【0147】
高周波回路は、更に、入力端がフロントエンドモジュール2Cに接続され、それぞれ出力端が集積回路3Cに接続されたバンドパスフィルタ25G,25Dと、入力端がフロントエンドモジュール2Cに接続されたローノイズアンプ36Wと、入力端がローノイズアンプ36Wの出力端に接続され、出力端が集積回路3Cに接続されたバンドパスフィルタ37Wと、入力端がフロントエンドモジュール2Cに接続されたローノイズアンプ36Nと、入力端がローノイズアンプ36Nの出力端に接続され、出力端が集積回路3Cに接続されたバンドパスフィルタ37Nとを備えている。バンドパスフィルタ25G,25D,37W,37Nは、それぞれ弾性波素子を用いて構成されている。
【0148】
高周波回路は、更に、第2の実施の形態と同様に構成された電力増幅器21G,21D、カプラ22G,22D、自動出力制御回路23G,23Dおよびローパスフィルタ24G,24Dを備えている。
【0149】
高周波回路は、更に、第1の実施の形態と同様に構成されたバンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33W、自動出力制御回路34Wおよびアイソレータ35Wと、これらと同様に構成された、N−CDMA方式用のバンドパスフィルタ31N、電力増幅器32N、カプラ33N、自動出力制御回路34Nおよびアイソレータ35Nとを備えている。バンドパスフィルタ31W,31Nは弾性波素子を用いて構成されている。
【0150】
次に、フロントエンドモジュール2Cについて詳しく説明する。フロントエンドモジュール2Cは、ダイプレクサ11Cと、高周波スイッチ16,17,12G,12Dと、デュプレクサ13W,13Nとを備えている。ダイプレクサ11Cは、第1ないし第3のポートを有している。第1のポートはアンテナ1に接続されている。第2のポートはN−CDMA方式の信号およびGSM方式の信号を入出力するようになっている。第3のポートはW−CDMA方式の信号およびDCS方式の信号を入出力するようになっている。
【0151】
ダイプレクサ11Cの第2のポートは、高周波スイッチ17の可動接点に接続されている。高周波スイッチ17の2つの固定接点のうちの一方の固定接点はデュプレクサ13Nに接続されている。高周波スイッチ17の他方の固定接点は、高周波スイッチ12Gの可動接点に接続されている。高周波スイッチ12Gの2つの固定接点のうちの一方の固定接点(符号Rを付した固定接点)はバンドパスフィルタ25Gの入力端に接続されている。高周波スイッチ12Gの他方の固定接点(符号Tを付した固定接点)はローパスフィルタ24Gの出力端に接続されている。
【0152】
ダイプレクサ11Cの第3のポートは、高周波スイッチ16の可動接点に接続されている。高周波スイッチ16の2つの固定接点のうちの一方の固定接点はデュプレクサ13Wに接続されている。高周波スイッチ16の他方の固定接点は、高周波スイッチ12Dの可動接点に接続されている。高周波スイッチ12Dの2つの固定接点のうちの一方の固定接点(符号Rを付した固定接点)はバンドパスフィルタ25Dの入力端に接続されている。高周波スイッチ12Dの他方の固定接点(符号Tを付した固定接点)はローパスフィルタ24Dの出力端に接続されている。
【0153】
デュプレクサ13Nは、共通端子と受信端子(符号Rを付した端子)と送信端子(符号Tを付した端子)とを有している。デュプレクサ13Nの共通端子は、高周波スイッチ17の一方の固定接点に接続されている。デュプレクサ13Nの受信端子は、ローノイズアンプ36Nの入力端に接続されている。デュプレクサ13Nの送信端子は、アイソレータ35Nの出力端に接続されている。
【0154】
デュプレクサ13Wは、共通端子と受信端子(符号Rを付した端子)と送信端子(符号Tを付した端子)とを有している。デュプレクサ13Wの共通端子は、高周波スイッチ16の一方の固定接点に接続されている。デュプレクサ13Wの受信端子は、ローノイズアンプ36Wの入力端に接続されている。デュプレクサ13Wの送信端子は、アイソレータ35Wの出力端に接続されている。
【0155】
ダイプレクサ11Cは、信号の周波数に応じて、N−CDMA方式の信号およびGSM方式の信号と、W−CDMA方式の信号およびDCS方式の信号とを分離する。具体的に説明すると、ダイプレクサ11Cは、第2のポートに入力されたN−CDMA方式の送信信号またはGSM方式の送信信号と、第3のポートに入力されたW−CDMA方式の送信信号またはDCS方式の送信信号を第1のポートより出力する。また、ダイプレクサ11Cは、第1のポートに入力されたN−CDMA方式の受信信号またはGSM方式の受信信号を第2のポートより出力し、第1のポートに入力されたW−CDMA方式の受信信号またはDCS方式の受信信号を第3のポートより出力する。ダイプレクサ11Cの構成は、第1の実施の形態におけるダイプレクサ11Aと同様である。
【0156】
高周波スイッチ17は、N−CDMA方式の送信信号および受信信号と、GSM方式の送信信号および受信信号とを分離する。具体的に説明すると、高周波スイッチ17は、一方の固定接点に入力されたN−CDMA方式の送信信号を可動接点より出力し、可動接点に入力されたN−CDMA方式の受信信号を一方の固定接点より出力する。また、高周波スイッチ17は、他方の固定接点に入力されたGSM方式の送信信号を可動接点より出力し、可動接点に入力されたGSM方式の受信信号を他方の固定接点より出力する。高周波スイッチ17の構成は、高周波スイッチ12Gと同様である。
【0157】
高周波スイッチ16は、W−CDMA方式の送信信号および受信信号と、DCS方式の送信信号および受信信号とを分離する。高周波スイッチ16の具体的な動作は、第2の実施の形態と同様であるため説明を省略する。ダイプレクサ11Cおよび高周波スイッチ16,17は、本発明における第1の分離手段に対応する。
【0158】
高周波スイッチ12Gは、GSM方式の送信信号とGSM方式の受信信号とを分離する。高周波スイッチ12Gの具体的な動作は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。高周波スイッチ12Gは、本発明における第2の分離手段に対応する。
【0159】
高周波スイッチ12Dは、DCS方式の送信信号とDCS方式の受信信号とを分離する。高周波スイッチ12Dの具体的な動作は、第2の実施の形態と同様であるため説明を省略する。高周波スイッチ12Dは、本発明における第3の分離手段に対応する。
【0160】
デュプレクサ13Wは、W−CDMA方式の送信信号とW−CDMA方式の受信信号とを分離する。デュプレクサ13Wの動作は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。デュプレクサ13Wは、本発明における第1のデュプレクサに対応する。
【0161】
デュプレクサ13Nは、N−CDMA方式の送信信号とN−CDMA方式の受信信号とを分離する。具体的に説明すると、デュプレクサ13Nは、共通端子に入力されたN−CDMA方式の受信信号(図では、NCDMA/RXと記す。)を受信端子より出力し、送信端子に入力されたN−CDMA方式の送信信号(図では、NCDMA/TXと記す。)を共通端子より出力する。デュプレクサ13Nの構成は、デュプレクサ13Wと同様である。デュプレクサ13Nは、本発明における第2のデュプレクサに対応する。
【0162】
次に、集積回路3Cについて説明する。集積回路3Cは、I信号とQ信号からなるベースバンドの入力信号を入力すると共に、I信号とQ信号からなるベースバンドの出力信号を出力するようになっている。
【0163】
集積回路3Cは、入力端がバンドパスフィルタ25Gの出力端に接続されたミキサ42Gと、入力端がミキサ42Gの出力端に接続された増幅器43Gと、入力端がバンドパスフィルタ25Dの出力端に接続されたミキサ42Dと、入力端がミキサ42Dの出力端に接続された増幅器43Dとを備えている。集積回路3Cは、更に、入力端がバンドパスフィルタ37Wの出力端に接続されたミキサ42Wと、入力端がミキサ42Wの出力端に接続された増幅器43Wと、入力端がバンドパスフィルタ37Nの出力端に接続されたミキサ42Nと、入力端がミキサ42Nの出力端に接続された増幅器43Nとを備えている。
【0164】
集積回路3Cは、更に、出力端が電力増幅器21G,21Dの各入力端に接続されたミキサ41と、出力端がバンドパスフィルタ31Wの入力端に接続されたミキサ41Wと、出力端がバンドパスフィルタ31Nの入力端に接続されたミキサ41Nと備えている。ミキサ42G,42Dは電圧制御発振器5に接続されている。ミキサ42Wは電圧制御発振器6Wに接続されている。ミキサ41は電圧制御発振器4に接続されている。ミキサ41Wは電圧制御発振器6Wに接続されている。ミキサ41Nは電圧制御発振器6Nに接続されている。
【0165】
集積回路3Cは、更に、GSM方式およびDCS方式用の位相同期化ループ回路44と、W−CDMA方式用の位相同期化ループ回路45Wと、N−CDMA方式用の位相同期化ループ回路45Nとを備えている。位相同期化ループ回路44は、電圧制御発振器4,5に接続されている。位相同期化ループ回路45Wは、電圧制御発振器6Wに接続されている。位相同期化ループ回路45Nは、電圧制御発振器6Nに接続されている。
【0166】
ミキサ42Gは、バンドパスフィルタ25Gの出力信号に、電圧制御発振器5が出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。ミキサ42Dは、バンドパスフィルタ25Dの出力信号に、電圧制御発振器5が出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。ミキサ42Wは、バンドパスフィルタ37Wの出力信号に、電圧制御発振器6Wが出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。ミキサ42Nは、バンドパスフィルタ37Nの出力信号に、電圧制御発振器6Nが出力する高周波信号をミックスして、高周波の受信信号をベースバンド信号に変換するようになっている。
【0167】
ミキサ41は、集積回路3Cに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器4が出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。ミキサ41Wは、集積回路3Cに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器6Wが出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。ミキサ41Nは、集積回路3Cに入力されたベースバンド信号に、電圧制御発振器6Nが出力する高周波信号をミックスして、ベースバンド信号を高周波の送信信号に変換するようになっている。
【0168】
図示しないが、集積回路3Cは、更に、入力したI信号とQ信号を直交変調し、変調された信号をミキサ41,41W,41Nに送る機能と、増幅器43G,43D,43W,43Nの出力信号を直交復調してI信号とQ信号とを生成し、これらを出力する機能とを備えている。なお、ミキサ41,41W,41Nが直交変調する機能を兼ね備えていてもよいし、ミキサ42G,42D,42W,42Nが直交復調する機能を兼ね備えていてもよい。
【0169】
高周波スイッチ12Gより出力されるGSM方式の受信信号は、バンドパスフィルタ25Gを通過してミキサ42Gに入力されるようになっている。高周波スイッチ12Dより出力されるDCS方式の受信信号は、バンドパスフィルタ25Dを通過してミキサ42Dに入力されるようになっている。デュプレクサ13Wより出力されるW−CDMA方式の受信信号は、ローノイズアンプ36Wおよびバンドパスフィルタ37Wを通過してミキサ42Wに入力されるようになっている。デュプレクサ13Nより出力されるN−CDMA方式の受信信号は、ローノイズアンプ36Nおよびバンドパスフィルタ37Nを通過してミキサ42Nに入力されるようになっている。
【0170】
ミキサ41の出力信号は、電力増幅器21G、カプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gを通過して高周波スイッチ12Gに入力されると共に、電力増幅器21D、カプラ22Dおよびローパスフィルタ24Dを通過して高周波スイッチ12Dに入力されるようになっている。ミキサ41Wの出力信号は、バンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33Wおよびアイソレータ35Wを通過してデュプレクサ13Wに入力されるようになっている。ミキサ41Nの出力信号は、バンドパスフィルタ31N、電力増幅器32N、カプラ33Nおよびアイソレータ35Nを通過してデュプレクサ13Nに入力されるようになっている。
【0171】
次に、フロントエンドモジュール2Cの構造について説明する。フロントエンドモジュール2Cは、ダイプレクサ11C、高周波スイッチ16,17,12G,12Dおよびデュプレクサ13W,13Nを集積するための1つの集積用多層基板20を備えている。集積用多層基板20の基本的な構造は、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態におけるデュプレクサ13W,13Nの構造は、第1の実施の形態と同様に、図9ないし図11に示した第1ないし第3の例のいずれでもよい。本実施の形態において、デュプレクサ13Wに含まれる2つの弾性波素子は、本発明における第1の弾性波素子に対応し、デュプレクサ13Nに含まれる2つの弾性波素子は、本発明における第2の弾性波素子に対応する。従って、デュプレクサ13Wに含まれる弾性波素子を含むチップは、本発明における第1のチップに対応し、デュプレクサ13Nに含まれる弾性波素子を含むチップは、本発明における第2のチップに対応する。また、デュプレクサ13Wに含まれる弾性波素子を含むチップが搭載される実装基板53,56は、本発明における第1の実装基板に対応し、デュプレクサ13Nに含まれる弾性波素子を含むチップが搭載される実装基板53,56は、本発明における第2の実装基板に対応する。
【0172】
以上説明したように、本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Cでは、ダイプレクサ11Cと、高周波スイッチ16,17,12G,12Dと、2つの弾性波素子を含むデュプレクサ13Wと、2つの弾性波素子を含むデュプレクサ13Nとを、1つの集積用多層基板20によって集積している。従って、本実施の形態によれば、2種類の時分割多重接続方式(GSM方式とDCS方式)と2種類の符号分割多重接続方式(W−CDMA方式とN−CDMA方式)とに対応可能で、且つ、小型軽量化、複合化および集積化が容易なフロントエンドモジュール2Cを実現することができる。
【0173】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態において、ダイプレクサ11Cの代わりに、図12に示した高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりに、図12に示したデュプレクサ15を用いてもよいし、高周波スイッチ12Dの代わりに、図12に示したデュプレクサ15を用いてもよい。
【0174】
以下、本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Cの2つの変形例について説明する。
【0175】
図22は、第1の変形例のフロントエンドモジュール2Cを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第1の変形例のフロントエンドモジュール2Cは、図21に示したフロントエンドモジュール2Cの構成要素に加え、GSM方式の送信信号を通過させるカプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gと、DCS方式の送信信号を通過させるカプラ22Dおよびローパスフィルタ24Dと、GSM方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ25Gと、DCS方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ25Dと、W−CDMA方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ37Wと、N−CDMA方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ37Nとを備えている。また、第1の変形例では、集積用多層基板20は、図21に示したフロントエンドモジュール2Cの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積している。
【0176】
第1の変形例のフロントエンドモジュール2Cのその他の構成は、図21に示したフロントエンドモジュール2Cと同様である。第1の変形例によれば、フロントエンドモジュール2Cに新たに加えられた上記の各構成要素も含めて、フロントエンドモジュール2C全体の特性の最適化を図ることができる。
【0177】
なお、第1の変形例のフロントエンドモジュール2Cにおいて、ダイプレクサ11Cの代わりに高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を用いてもよいし、高周波スイッチ12Dの代わりにデュプレクサ15を用いてもよい。
【0178】
図23は、第2の変形例のフロントエンドモジュール2Cを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。第2の変形例のフロントエンドモジュール2Cは、図21に示したフロントエンドモジュール2Cの構成要素に加え、電力増幅器21G,21D、カプラ22G,22D、自動出力制御回路23G,23D、ローパスフィルタ24G,24D、バンドパスフィルタ25G,25D、バンドパスフィルタ31W,31N、電力増幅器32W,32N、カプラ33W,33N、自動出力制御回路34W,34N、アイソレータ35W,35N、ローノイズアンプ36W,36Nおよびバンドパスフィルタ37W,37Nを備えている。また、第2の変形例では、集積用多層基板20は、図21に示したフロントエンドモジュール2Cの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積している。
【0179】
第2の変形例のフロントエンドモジュール2Cのその他の構成は、図21に示したフロントエンドモジュール2Cと同様である。第2の変形例によれば、フロントエンドモジュール2Cに新たに加えられた上記の各構成要素も含めて、フロントエンドモジュール2C全体の特性の最適化を図ることができる。
【0180】
なお、第2の変形例のフロントエンドモジュール2Cにおいて、ダイプレクサ11Cの代わりに高周波スイッチ14を用いてもよいし、高周波スイッチ12Gの代わりにデュプレクサ15を用いてもよいし、高周波スイッチ12Dの代わりにデュプレクサ15を用いてもよい。
【0181】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るフロントエンドモジュールについて説明する。本実施の形態に係るフロントエンドモジュールは、第1ないし第3の各実施の形態に係るフロントエンドモジュールにおいて、更にアンテナ1を備えたものである。本実施の形態において、集積用多層基板20は、第1ないし第3の各実施の形態における構成要素に加え、アンテナ1も集積する。
【0182】
以下、本実施の形態におけるアンテナ1の構造の2つの例について説明する。携帯電話に用いられるアンテナとしては、各種の形式および構造のものが知られているが、ここでは、アンテナ1としてパッチアンテナを用いるものとする。
【0183】
図24は、アンテナ1の構造の第1の例を示す斜視図である。第1の例では、アンテナ1は、集積用多層基板20とは別個に製造され、例えば半田付けによって集積用多層基板20に搭載されている。第1の例におけるアンテナ1は、誘電体よりなる直方体形状の誘電体部81と、この誘電体部81の上面に設けられた電極82と、誘電体部81の底面に設けられ、接地面を形成する導体層83と、誘電体部81の側部に設けられた給電用導体部84と備えている。電極82および導体層83は、それぞれ矩形の平板状になっている。給電用導体部84の上端部は、電極82の側部に対して、所定の間隔を開けて対向している。集積用多層基板20の上面には、給電用導体部84の下端部に接続される導体層85が設けられている。
【0184】
図25は、アンテナ1の構造の第2の例を示す斜視図である。第2の例では、アンテナ1は、集積用多層基板20に組み込まれている。第2の例におけるアンテナ1は、集積用多層基板20の上面に設けられた電極92と、集積用多層基板20の内部において電極92に対向する位置に配置され、接地面を形成する導体層93と、集積用多層基板20の側部に設けられた給電用導体部94と備えている。電極92および導体層93は、それぞれ矩形の平板状になっている。給電用導体部94の上端部は、電極92の側部に対して、所定の間隔を開けて対向している。また、集積用多層基板20の内部において、導体層93よりも下の位置には、給電用導体部94の下端部に接続される導体層95が設けられている。
【0185】
本実施の形態によれば、アンテナ1も含めて、フロントエンドモジュール全体の特性の最適化を図ることができる。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、変形例も含めて第1ないし第3のいずれかの実施の形態と同様である。
【0186】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態に係るフロントエンドモジュールについて説明する。本実施の形態に係るフロントエンドモジュールは、時分割多重接続方式であるGSM方式と符号分割多重接続方式であるW−CDMA方式とに対応し、これらの各方式の送信信号および受信信号を処理するモジュールである。GSM方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域と、W−CDMA方式の送信信号の周波数帯域および受信信号の周波数帯域は、第1の実施の形態と同様である。
【0187】
まず、図26を参照して、本実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例について説明する。図26に示した高周波回路は、アンテナ1と、このアンテナ1に接続された本実施の形態に係るフロントエンドモジュール2Eとを備えている。図26に示した高周波回路におけるその他の部分の構成は、第1の実施の形態における高周波回路におけるアンテナ1およびフロントエンドモジュール2A以外の部分の構成と同様である。
【0188】
次に、フロントエンドモジュール2Eについて詳しく説明する。フロントエンドモジュール2Eは、デュプレクサ250と高周波スイッチ260とを備えている。高周波スイッチ260は、可動接点260aと、3つの固定接点260b,260c,260dとを有している。可動接点260aはアンテナ1に接続されている。固定接点260bは、後述する送信側ディレーライン256の一端に接続されている。固定接点260cはローパスフィルタ24Gの出力端に接続されている。固定接点260dはバンドパスフィルタ25Gの入力端に接続されている。
【0189】
デュプレクサ250は、一端がアンテナ1に接続された受信側ディレーライン254と、入力端が受信側ディレーライン254の他端に接続され、出力端がローノイズアンプ36Wの入力端に接続された受信側バンドパスフィルタ(図26ではBPFと記す。)255とを有している。デュプレクサ250は、更に、一端が高周波スイッチ260の固定接点260bに接続された送信側ディレーライン256と、出力端が送信側ディレーライン256の他端に接続され、入力端がアイソレータ35Wの出力端に接続された送信側バンドパスフィルタ(図26ではBPFと記す。)257とを有している。バンドパスフィルタ255,257は、いずれも弾性波素子を用いて構成されている。ディレーライン254,256の作用は第1の実施の形態におけるディレーライン154,156と同様である。また、バンドパスフィルタ255,257の構成および作用は、第1の実施の形態におけるバンドパスフィルタ155,157と同様である。
【0190】
図27は、図26におけるデュプレクサ250を示すブロック図である。デュプレクサ250は、前述のディレーライン254,256およびバンドパスフィルタ255,257の他に、アンテナ端子251と受信端子252と送信端子253と端子271,272とを有している。アンテナ端子251は、受信側ディレーライン254の一端に接続されている。また、アンテナ端子251は、アンテナ1に接続されるようになっている。受信端子252は、受信側バンドパスフィルタ(図27では受信側BPFと記す。)255の出力端に接続されている。また、受信端子252は、ローノイズアンプ36Wの入力端に接続されるようになっている。送信端子253は、送信側バンドパスフィルタ(図27では送信側BPFと記す。)257の入力端に接続されている。また、送信端子253は、アイソレータ35Wの出力端に接続されるようになっている。端子271は、受信側ディレーライン254の一端に接続されている。また、端子271は、高周波スイッチ260の可動接点260aに接続されるようになっている。端子272は、送信側ディレーライン256の一端に接続されている。また、端子272は、高周波スイッチ260の固定接点260bに接続されるようになっている。
【0191】
図26および図27に示したように、本実施の形態では、受信側ディレーライン254の一端は、常にアンテナ1に接続されている。一方、送信側ディレーライン256の一端は、高周波スイッチ260の可動接点260aと固定接点260bとが接続されたときにのみ、アンテナ1に接続される。高周波スイッチ260の可動接点260aと固定接点260bとが接続された状態では、図27に示したデュプレクサ250は、図4に示したデュプレクサ13Wと同様の構成になる。本発明におけるデュプレクサは、図27に示した構成のものも含む。
【0192】
なお、図5に示した回路構成と同様に、図27に示したデュプレクサ250におけるアンテナ端子251、受信端子252、送信端子253と、それらに接続される外部の回路との間に、それぞれ、デュプレクサ250と外部の回路とのインピーダンス整合を行う整合回路を設けてもよい。
【0193】
次に、本実施の形態におけるフロントエンドモジュール2Eの作用について説明する。このフロントエンドモジュール2Eでは、W−CDMA方式の受信信号(図26では、WCDMA/RXと記す。)を常に受信できる状態になっている。従って、このフロントエンドモジュール2Eでは、W−CDMA方式の受信信号をデータの信号とすれば、常にデータの受信を行うことが可能である。また、このフロントエンドモジュール2Eによれば、W−CDMA方式の受信信号を常に受信しながら、GSM方式の信号を用いて通話を行うことが可能になる。すなわち、高周波スイッチ260の可動接点260aが固定接点260cに接続されると、GSM方式の送信信号(図26では、GSM/TXと記す。)をアンテナ1に送ることができる。また、高周波スイッチ260の可動接点260aが固定接点260dに接続されると、GSM方式の受信信号(図26では、GSM/RXと記す。)をバンドパスフィルタ25Gに送ることができる。また、高周波スイッチ260の可動接点260aが固定接点260bに接続されると、W−CDMA方式の送信信号(図26では、WCDMA/TXと記す。)をアンテナ1に送ることができる。
【0194】
次に、フロントエンドモジュール2Eの構造について説明する。フロントエンドモジュール2Eは、デュプレクサ250および高周波スイッチ260を集積するための1つの集積用多層基板20を備えている。集積用多層基板20の基本的な構造は、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態におけるデュプレクサ250の構造は、第1の実施の形態と同様に、図9ないし図11に示した第1ないし第3の例のいずれでもよい。
【0195】
本実施の形態において、フロントエンドモジュール2Eは、第1の実施の形態における第2の変形例と同様に、図26に示したフロントエンドモジュール2Eの構成要素に加え、GSM方式の送信信号を通過させるカプラ22Gおよびローパスフィルタ24Gと、GSM方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ25Gと、W−CDMA方式の受信信号を通過させるバンドパスフィルタ37Wとを備えていてもよい。この場合、集積用多層基板20は、図26に示したフロントエンドモジュール2Eの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積する。
【0196】
また、本実施の形態において、フロントエンドモジュール2Eは、第1の実施の形態における第3の変形例と同様に、図26に示したフロントエンドモジュール2Eの構成要素に加え、電力増幅器21G、カプラ22G、自動出力制御回路23G、ローパスフィルタ24G、バンドパスフィルタ25G、バンドパスフィルタ31W、電力増幅器32W、カプラ33W、自動出力制御回路34W、アイソレータ35W、ローノイズアンプ36Wおよびバンドパスフィルタ37Wを備えていてもよい。この場合、集積用多層基板20は、図26に示したフロントエンドモジュール2Eの構成要素に加え、新たに加えられた上記の各構成要素も集積する。
【0197】
また、本実施の形態において、フロントエンドモジュール2Eは、第4の実施の形態と同様に、更にアンテナ1を備えていてもよい。この場合、集積用多層基板20は、図26に示したフロントエンドモジュール2Eの構成要素に加え、アンテナ1も集積する。
【0198】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0199】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明における時分割多重接続方式は、実施の形態で挙げたGSM方式およびDCS方式に限らず、他の方式であってもよい。また、本発明における符号分割多重接続方式は、実施の形態で挙げたW−CDMA方式およびN−CDMA方式に限らず、他の方式であってもよい。
【0200】
また、各実施の形態では、デュプレクサにおける受信側バンドパスフィルタに用いられる弾性波素子を含むチップと送信側バンドパスフィルタに用いられる弾性波素子を含むチップとが別体であるものとして説明している。しかし、これらの2つのチップを合体して1つのチップとしても、各実施の形態に示した構成と同様の構成が可能であることは言うまでもない。また、本発明は、このように、デュプレクサにおける受信側バンドパスフィルタに用いられる弾性波素子と送信側バンドパスフィルタに用いられる弾性波素子とを1つのチップ内に設けた場合も含む。
【0201】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし7のいずれかに記載のフロントエンドモジュールでは、2つの弾性波素子を含むデュプレクサとスイッチとを、1つの集積用多層基板によって集積している。従って、本発明によれば、時分割多重接続方式と符号分割多重接続方式とに対応可能で、且つ、小型軽量化、複合化および集積化が容易なフロントエンドモジュールを実現することができるという効果を奏する。
【0202】
また、請求項6記載のフロントエンドモジュールでは、デュプレクサは、弾性波素子を含み集積用多層基板に搭載されたチップを有し、弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分は集積用多層基板に含まれている。従って、本発明によれば、フロントエンドモジュールの厚さを小さくすることができるという効果を奏する。
【0203】
また、請求項7記載のフロントエンドモジュールでは、デュプレクサは、弾性波素子を含むチップと、このチップが実装された実装基板とを有し、チップおよび実装基板は集積用多層基板に搭載され、弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分は集積用多層基板に含まれている。従って、本発明によれば、フロントエンドモジュールの厚さを小さくすることができると共に、フロントエンドモジュールの歩留りを向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるダイプレクサの回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】図1における高周波スイッチの回路構成の一例を示す回路図である。
【図4】図1におけるデュプレクサの回路構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図1におけるデュプレクサおよびそれに接続される整合回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図6】図1におけるローパスフィルタの回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】図1におけるカプラの回路構成の一例を示す回路図である。
【図8】図1における電力増幅器の回路構成の一例を示す回路図である。
【図9】図1におけるデュプレクサの構造の第1の例を示す断面図である。
【図10】図1におけるデュプレクサの構造の第2の例を示す断面図である。
【図11】図1におけるデュプレクサの構造の第3の例を示す断面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における第1の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における第2の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における第3の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図15】図14に示したフロントエンドモジュールにおける電力増幅器の配置の一例を示す断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例を示すブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における第1の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図18】図17に示したフロントエンドモジュールの構造の一例を示す平面図である。
【図19】図18に示したフロントエンドモジュールのA−A線断面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における第2の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例を示すブロック図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態における第1の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態における第2の変形例のフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路を示すブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態におけるアンテナの構造の第1の例を示す斜視図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態におけるアンテナの構造の第2の例を示す斜視図である。
【図26】本発明の第5の実施の形態に係るフロントエンドモジュールを含む携帯電話の高周波回路の一例を示すブロック図である。
【図27】図26におけるデュプレクサを示すブロック図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2A…フロントエンドモジュール、3A…集積回路、11A…ダイプレクサ、12G…高周波スイッチ、13W…デュプレクサ、20…集積用多層基板、51,52…チップ、53…実装基板、56…実装基板、154…受信側ディレーライン、155…受信側バンドパスフィルタ、156…送信側ディレーライン、157…送信側バンドパスフィルタ。

Claims (7)

  1. 時分割多重接続方式の送信信号および受信信号と符号分割多重接続方式の送信信号および受信信号とを処理するためのフロントエンドモジュールであって、
    符号分割多重接続方式の送信信号と符号分割多重接続方式の受信信号とを分離するデュプレクサと、
    時分割多重接続方式の送信信号と時分割多重接続方式の受信信号と符号分割多重接続方式の送信信号とを分離するスイッチと、
    前記デュプレクサおよびスイッチを集積するための1つの集積用多層基板とを備え、
    前記デュプレクサは、アンテナに接続されるアンテナ端子と、符号分割多重接続方式の受信信号を出力する受信端子と、符号分割多重接続方式の送信信号が入力される送信端子と、前記アンテナ端子に接続された第1の端子と、第2の端子と、前記アンテナ端子と受信端子の間に設けられ、フィルタとして機能する第1の弾性波素子と、前記第2の端子と送信端子との間に設けられ、フィルタとして機能する第2の弾性波素子とを有し、
    前記スイッチは、可動接点と第1ないし第3の固定接点とを有し、可動接点は前記第1の端子に接続され、第1の固定接点は前記第2の端子に接続され、前記第2の固定接点には時分割多重接続方式の送信信号が入力され、前記第3の固定接点は時分割多重接続方式の受信信号を出力することを特徴とするフロントエンドモジュール。
  2. 更に、前記スイッチに接続され、時分割多重接続方式の送信信号を通過させるフィルタと、
    前記スイッチに接続され、時分割多重接続方式の受信信号を通過させるフィルタと、
    前記デュプレクサに接続され、符号分割多重接続方式の受信信号を通過させるフィルタとを備え、
    前記集積用多層基板は、更に前記各フィルタも集積することを特徴とする請求項1記載のフロントエンドモジュール。
  3. 更に、時分割多重接続方式の送信信号を増幅する電力増幅器と、符号分割多重接続方式の送信信号を増幅する電力増幅器とを備え、
    前記集積用多層基板は、更に前記各電力増幅器も集積することを特徴とする請求項1または2記載のフロントエンドモジュール。
  4. 更に、前記アンテナを備え、前記集積用多層基板は、更に前記アンテナも集積することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフロントエンドモジュール。
  5. 前記デュプレクサは、前記弾性波素子を含む1つまたは2つのチップと、前記チップが実装された実装基板とを有し、前記実装基板は弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分を含み、前記デュプレクサは前記集積用多層基板に搭載されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のフロントエンドモジュール。
  6. 前記デュプレクサは、前記弾性波素子を含み前記集積用多層基板に搭載された1つまたは2つのチップを有し、弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分は前記集積用多層基板に含まれていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のフロントエンドモジュール。
  7. 前記デュプレクサは、前記弾性波素子を含む1つまたは2つのチップと、前記チップが実装された1つまたは2つの実装基板とを有し、前記チップおよび実装基板は前記集積用多層基板に搭載され、弾性波素子以外のデュプレクサの構成部分は前記集積用多層基板に含まれていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のフロントエンドモジュール。
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