JP2004153318A - パケット通信方法、パケット通信システム、送信元ノード、中継ノード及び中継器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルート変更の迅速化を図り、パケットロスを最小化する。
【解決手段】送信元ノードが、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノード(TN32、33)のアドレス情報を図3(a)のようにパケットのヘッダに格納して、パケットを送信する。これを受信した中継ノードが、ヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、直近の中継ノードとして複数の中継ノードを認識した場合、所定のポリシーに基づいて一の中継ノードを選択して当該中継ノードへパケットを送信する。このため、経路が途中でダウンした場合でも、送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】送信元ノードが、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノード(TN32、33)のアドレス情報を図3(a)のようにパケットのヘッダに格納して、パケットを送信する。これを受信した中継ノードが、ヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、直近の中継ノードとして複数の中継ノードを認識した場合、所定のポリシーに基づいて一の中継ノードを選択して当該中継ノードへパケットを送信する。このため、経路が途中でダウンした場合でも、送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法、当該パケット通信が行われるパケット通信システム、当該パケット通信システムを構成する送信元ノード、中継ノード及び中継器に関する。
【0002】
なお、ここでの「中継ノード」とは、パケット通信システムにおいてノードとして認識され、そのアドレスがパケットのヘッダ内の経路情報に明示されるものを意味し、「中継器」とは、パケット通信システムにおいて中継ノードとしては認識されず、そのアドレスがパケットのヘッダ内の経路情報に明示されないものを意味する。
【0003】
【従来の技術】
従来の通信システムにおける、経由すべき中継ノードをパケット内にて指定することに関する技術は、IPv6のルーチングヘッダオプションに関するものが開示されている(例えば、下記の非特許文献1参照)。この技術では、具体的には、送信元ノードが明示的に、経由すべき中継ノードをルーチングヘッダオプションとしてパケット内に付与し、各中継ノードが、次に設定すべきあて先をルーチングヘッダオプション内から選択し、パケットのあて先として入れ替えるのみであり、経由すべき中継ノードがダウンした場合、再度送信元ノードがルーチングヘッダオプションを付け替える必要がある。
【0004】
また、マルチキャスト技術に関するものが開示されている(例えば、下記の非特許文献2参照)。この技術は、具体的には、あくまでもマルチキャストの技術であり複数の送信先にパケットを到達させることを目的としたものであり、ルート変更の迅速化を目的とするものではない。
【0005】
【非特許文献1】
Internet Protocol, Version 6 (IPv6)Specification
http://www.ietf.org/rfc/rfc2460.txt?number=2460 Copyright c The Internet Society
【非特許文献2】
Explicit Multicast (Xcast) Basic Specification
http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ooms−xcast−basic−spec−03.txt
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のIPv6におけるルーチングヘッダオプションにおいては、経由すべきルート1つのみがパケットヘッダに付与されており、当該ルートが途中でダウンしている場合は送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要があった。このため、障害発生時のルート変更が迅速に行われず、通信中断時間が長いため、パケットロスが大きくなるといった不都合があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、ルート変更の迅速化を図り、パケットロスを最小化することができるパケット通信方法、パケット通信システム、送信元ノード、中継ノード及び中継器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るパケット通信方法は、請求項1に記載したように、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するアドレス格納工程と、送信元ノードが、経路に従ってパケットを送信する第1のパケット送信工程と、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信工程と、中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、中継ノードが、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信工程とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るパケット通信システムは、請求項5に記載したように、パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノードと、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段と、経路に従ってパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備え、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これらの発明によれば、送信元ノードが、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納して、経路に従ってパケットを送信し、このパケットを受信した中継ノードが、当該パケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、直近の中継ノードとして複数の中継ノードを認識した場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択して当該中継ノードへパケットを送信する。このため、従来のように経路が途中でダウンした場合送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継ノードは、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るパケット通信方法は、請求項2に記載したように、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合は、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納するアドレス格納工程と、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、中継器が、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信工程と、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信工程と、中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信工程とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るパケット通信システムは、請求項6に記載したように、パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノード及び中継器と、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段とを備え、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備え、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
これらの発明によれば、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合には、送信元ノードが、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納してパケットを送信し、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて当該複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択してパケットを送信する。このため、従来のように経路が途中でダウンした場合送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継器は、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0014】
また、送信すべき中継ノードが複数存在する中継器が、一方の中継ノードにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、送信先ノードに同一のパケットが複数到達してしまうため送信先ノードにおいてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係るパケット通信方法は、請求項3に記載したように、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合は、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するアドレス格納工程と、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信工程と、中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信工程と、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、中継器が、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信工程とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るパケット通信システムは、請求項7に記載したように、パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノード及び中継器と、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段とを備え、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備え、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
これらの発明によれば、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合には、送信元ノードが、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納してパケットを送信し、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて当該複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択してパケットを送信する。このため、従来のように経路が途中でダウンした場合送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継器は、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0018】
また、送信すべき中継ノードが複数存在する中継器が、一方の中継ノードにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、送信先ノードに同一のパケットが複数到達してしまうため送信先ノードにおいてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0019】
また、上記パケット通信方法に係る発明は、請求項4に記載したように、中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのうち選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除工程をさらに有することが望ましい。
【0020】
また、上記パケット通信システムに係る発明では、請求項8に記載したように、中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのうち選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0021】
これらの場合、パケットのヘッダ内の記憶領域の使用量を減らすことができ、他の用途のためにヘッダ内のより多くの記憶領域を解放することができる。
【0022】
さらに、本発明では、送信元ノード、中継ノード及び中継器がそれぞれ特徴のある構成を有しているため、本発明は、送信元ノードの発明、中継ノードの発明及び中継器の発明として、以下のように記述することができる。
【0023】
即ち、本発明に係る送信元ノードは、請求項9に記載したように、所定の送信先ノードあてのパケットの送信元となる送信元ノードであって、パケットの経路上の1以上の中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段と、経路に従ってパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
このとき、請求項10に記載したように、制御手段は、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合には、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納するよう、アドレス格納手段を制御する構成とすることが望ましい。
【0025】
また、請求項11に記載したように、制御手段は、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する構成とすることが望ましい。
【0026】
本発明に係る中継ノードは、請求項12に記載したように、所定の送信元ノードからのパケットを所定の送信先ノードへ送信する経路上に位置しパケットを中継する中継ノードであって、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このとき、請求項13に記載したように、中継ノードは、選択手段により選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0028】
本発明に係る中継器は、請求項14に記載したように、所定の送信元ノードからのパケットを所定の送信先ノードへ送信する経路上に位置しパケットを中継する中継器であって、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づき、自器が、経路の一部が共通する複数の経路における上流側分岐点に位置する場合、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのうち一の中継ノードを、所定のポリシーに基づいて選択する選択手段と、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】
このとき、請求項15に記載したように、中継器は、選択手段により選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る各種の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態に関する説明においては、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
[第1実施形態]
最初に、請求項1、4、5、8、9、12、13に対応する第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るパケット通信システム1の構成を説明する図である。本実施形態にかかるパケット通信システム1は、パケットの送信元のノード(Source Node。以下、本明細書では「SN」と呼ぶ。)10と、パケットを中継する複数の中継ノード(Transit Node。以下、本明細書では「TN」と呼ぶ。)30〜33・・・と、パケットの送信先のノード(Destination Node。以下、本明細書では「DN」と呼ぶ。)50とを備える。これらのSN、TN、DNの間は、有線リンクによって接続されることもでき、無線リンクによって接続されることもできる。
【0032】
SN10は、物理的には、CPU、メモリといった記憶装置、ハードディスクといった格納装置、キーボードやマウスといった入力装置、ディスプレイといった表示装置、通信装置などを備える情報通信可能な通信端末である。また、携帯電話等の移動通信端末であっても良い。
【0033】
図2は、SN10及びTN30の機能的な構成を説明するブロック図である。図2に示すように、SN10は、機能的には、制御部(制御手段)11と、アドレス格納部(アドレス格納手段)12と、第1のパケット送信部(第1のパケット送信手段)13とを備えて構成される。
【0034】
このうちアドレス格納部12は、SN10から目的のDN50までを中継するTNの経路情報が格納されたデータベース(不図示)を参照して、中継するTN及びDNのアドレス情報をパケットのヘッダに格納する。制御部11は、SN10から目的のDN50までの経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、当該複数の経路において並列に位置する複数のTNのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納部12を制御する。また、第1のパケット送信部13は、アドレス格納部12によって出力されるパケットを送信する。
【0035】
ここで、図3(a)の例にしたがい、アドレス格納部12によって経路情報が格納されたパケットを示す。アドレス格納部12は、具体的には、まず、パケットにRHOを付加し、パケットの宛先アドレス格納領域(図3(a)中、「Dst.」フィールド)に、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN30のアドレスを格納する。次に、RHOの経由アドレス格納領域(図3(a)中、「Slot1」「Slot2.1」「Slot2.2」フィールド)にこのパケットが次以降に経由すべきノードであるTN31、TN32、TN33のアドレスをその経由順に格納する。また、経由アドレス格納領域における後尾(図3(a)中、「Slot3」フィールド)に送信先ノードである「DN50」のアドレスを格納する。なお、図3(a)においては、「Src.」フィールドは送信元ノードのアドレスを格納する領域であって、「SN10」のアドレスが設定されている。
【0036】
一方、TN30は、SNやDNとの間で行われるパケット通信において、パケットの中継を行うノードである。これらのTNとしては、例えばルータが用いられる。図2に示すように、TN30は、機能的には、パケット受信部(パケット受信手段)30Aと、認識部(認識手段)30Bと、選択部(選択手段)30Cと、第2のパケット送信部(第2のパケット送信手段)30Dと、削除部(削除手段)30Eとを備えて構成される。
【0037】
このうちパケット受信部30Aはパケットを受信し、認識部30Bは受信されたパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノード(TN30)が当該パケットを送信すべき直近のTN又はDNを認識する。選択部30Cは、自ノードがパケットを送信すべき直近のTNとして複数のTNが認識された場合に、所定のポリシーに基づいて複数のTNのうち1つのTNを選択する。
【0038】
また、第2のパケット送信部30Dは、送信すべき直近のTNとして認識又は選択されたTNへパケットを送信する。削除部30Eは、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する。なお、TN31〜33の構成は、上記TN30の構成と同様である。
【0039】
次に、第1実施形態におけるパケット通信システムの動作を説明する。
【0040】
最初に、選択されないTNのアドレスをヘッダから削除する態様を図3、4、5に基づき説明する。
【0041】
SN10は、図4(a)に示すS01にて、パケットのヘッダに経路上のTN及びDNのアドレス情報を格納する。この際、図1のように経路上で並列に位置するTN32、33のアドレス情報については併記することを特徴とする。具体的には、アドレス格納部12が、パケットにRHOを付加し、図3(a)のようにパケットの宛先アドレス格納領域(「Dst.」フィールド)に、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN30のアドレスを格納する。次に、RHOの経由アドレス格納領域(「Slot1」「Slot2.1」「Slot2.2」フィールド)にこのパケットが次以降に経由すべきノードであるTN31、TN32、TN33のアドレスを格納する。即ち、経路上で並列に位置するTN32、33のアドレス情報は併記する。また、アドレス格納部12は、経由アドレス格納領域における後尾(「Slot3」フィールド)に送信先ノードである「DN50」のアドレスを格納する。なお、送信元ノードのアドレスを格納する領域(「Src.」フィールド)には、SN10のアドレスを格納する。そして、S02にて、SN10は、当該経路に従って、最初に経由すべきTN30へパケットを送信する。
【0042】
次に、TN30は、図4(b)に示すT01にて、SN10からのパケットを受信し、T02において、TN30がパケットを送信すべき直近のTN又はDNをヘッダ内のアドレス情報に基づき認識する。具体的には、図3(a)のパケットのヘッダにおける「Slot1」フィールドより送信すべき直近のTNとしてTN31を認識する。次のT03では、T02で複数のTNが認識されたか否かを判断するが、TN30はTN31のみを認識するため、否定判断されてT06へジャンプする。T06にて、TN30は、図3(b)に示すように「Dst.」フィールドに直近のTN31のアドレス情報を、TN31のアドレス情報が記憶されていた「Slot1」フィールドに自ノード(TN30)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T07にて直近のTN31へパケットを送信する。
【0043】
次のTN31も、図4(b)に示す処理を実行する。ところが、TN31は、T02にて、送信すべき直近のTNとしてTN32とTN33を認識するため、次のT03で肯定判断されてT04へ進む。T04では、選択部30Cが、所定のポリシーに基づいてTN32、33のうち1つのTN(例えばTN32)を選択する。このとき選択部30Cは、例えば、定期的にTN32とTN33から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTNを選択することができる。そして、TN31は、T05にて、選択されなかったTN(ここではTN33)のアドレス情報をヘッダから削除し、T06にて、図3(c)に示すように「Dst.」フィールドに上記選択したTN32のアドレス情報を、TN32のアドレス情報が記憶されていた「Slot2」フィールドに自ノード(TN31)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T07にてTN32へパケットを送信する。なお、選択しなかったTN33のアドレス情報は、ヘッダから削除されるが、TN31内の所定メモリに保管される。このTN33のアドレス情報は、後述の異常時対応に使用される。
【0044】
次のTN32も、図4(b)に示す処理を実行する。TN32は、T02にて、送信すべき直近のTN又はDNとしてDN50のみを認識するため、次のT03で否定判断されてT06へジャンプし、図3(d)に示すように「Dst.」フィールドにDN50のアドレス情報を、DN50のアドレス情報が記憶されていた「Slot3」フィールドに自ノード(TN32)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T07にてDN50へパケットを送信する。このようにしてパケットがSN10からDN50へ正常に送信される。
【0045】
なお、上記では、T04でTN31の選択部30Cは、例えば、定期的にTN32とTN33から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTN32を選択するが、選択したTN32へのパケット送信が突然の通信異常等によりダウンすることもありうる。このため、TN31は以下の動作により、異常時対応を行うことができる。
【0046】
即ち、T07において、TN31は、TN32へのパケット送信後、所定時間以内にTN32から受信完了応答を受信しない場合、TN32との回線がダウンしたと判断し、図5(a)のヘッダにおいて「Dst.」フィールドに、選択しなかったTN33のアドレス情報を再設定して(図5(b)に示すヘッダに再設定して)、TN33へパケットを送信する。このようにして、TN32との回線がダウンした場合でも、TN33を経由する代替ルートを用いることができ、パケットをDN50へ正常に送信することができる。
【0047】
上記の処理では、経路上で並列に位置するTN32、33のアドレス情報が併記されるという特徴を生かし、従来のように経路が途中でダウンした場合、SNがパケットヘッダを再構築することなく、TNが上記併記されたアドレス情報を基に、一方のTNを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更時間を短縮できパケットロスを最小化することができる。
【0048】
また、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除するため、パケットのヘッダ内の記憶領域の使用量を減らすことができ、他の用途のためにヘッダ内のより多くの記憶領域を解放することができる。
【0049】
更に、分岐されるノード(ここではTN31)が一方のTNにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0050】
なお、図4(b)のTNにおける処理のうち、T05の削除工程は必須の工程ではなく、T05を省略してもよい。T05を省略した場合は、パケットのヘッダにおける設定情報は図6(a)〜(d)のように遷移する。即ち、TN31に受信されるまでの図6(a)、(b)のヘッダは、前述した図3(a)、(b)のヘッダと同じである。しかし、TN31が、T05の削除工程を行わなければ、選択されなかったTN33のアドレス情報は、図6(c)のように「Slot3.1」フィールドに残存する。また、TN32による再設定後のヘッダでも、図6(d)のようにTN33のアドレス情報は「Slot3.2」フィールドに残存する。
【0051】
また、本発明は、図7に示すようなネットワークN1に属するTN31から、マルチホーミングされた移動するネットワークN2に属するTN32、33までの区間、及びこれらTN32、33から、移動するホストDN50までの区間がワイヤレス区間であるような形態にも適用することができる。即ち、図7のネットワーク形態でも、図4の処理を実行することで、最初に選択されたTN32のダウンを直近のTN31が検出した後、当該TN31は、ヘッダに格納されたTN33のアドレス情報に基づき、速やかにTN33を選択してルートを切り替えることができる。これにより、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0052】
さらに、本発明は、図8に示すような分岐した複数のルートの各々に複数のTNが存在する形態にも適用することができる。即ち、図8のネットワーク形態でも、図4の処理を実行することで、例えば、分岐したルートのTN31、32のうち最初に選択されたTN31のダウンを直近のTN30が検出した後、当該TN30は、ヘッダに格納されたTN32のアドレス情報に基づき、速やかにTN32を選択してルートを切り替えることができる。これにより、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0053】
なお、この形態において、選択されなかったTNのアドレス情報を格納するものとすると、パケットのヘッダにおける設定情報は図9(a)〜(d)のように遷移する。即ち、SN10から送信されるパケットのヘッダには、図9(a)のように「Dst.」フィールドにTN30のアドレス情報が格納され、「Slot1.1」と「Slot1.2」の各フィールドには分岐ルートの最初のTNであるTN31、32のアドレス情報が格納され、そして、「Slot2.1」と「Slot2.2」の各フィールドには分岐ルートの最初のTNであるTN33、34のアドレス情報が格納される。
【0054】
その後、TN30においてTN31、32のうちTN31が選択された場合、図9(b)のように「Dst.」フィールドにTN31のアドレス情報が格納される代わりに、「Slot1」フィールドにTN30のアドレス情報が格納される。また、選択されなかったTN32のアドレス情報は、「Slot2.1」フィールドに残存する。
【0055】
選択されたTN31では、図9(c)のように「Dst.」フィールドにTN33のアドレス情報が格納される代わりに、「Slot2.1」フィールドにTN31のアドレス情報が格納される。また、選択されなかったTN32、TN34のアドレス情報は、削除されずに残存する。そして、TN33では、図9(d)のように「Dst.」フィールドにDN50のアドレス情報が格納される代わりに、「Slot3.1」フィールドにTN33のアドレス情報が格納される。このような遷移を経て、パケットは、SN10からDN50へ送信される。
【0056】
[第2実施形態]
次に、請求項2、6、10、14、15に対応する第2実施形態を説明する。
【0057】
図10に示すように、第2実施形態に係るパケット通信システム1aは、パケットの送信元のノード(SN)10と、パケットを中継する中継器(例えばルータ(以下「RT」という))20と、パケットを中継する複数の中継ノード(TN)31、32と、パケットの送信先のノード(DN50)とを備える。これらのSN、RT、TN、DNの間は、有線リンクによって接続されることもでき、無線リンクによって接続されることもできる。このパケット通信システム1aは、SN10からみてパケットの第1経由ノードがTN31、32であり、複数存在することを特徴とする。
【0058】
図11は、SN10、RT20及びTN31の機能的な構成を説明するブロック図である。図11(a)に示すように、SN10は、機能的には、制御部(制御手段)11と、アドレス格納部(アドレス格納手段)12と、送信部14とを備えて構成される。これら各部の構成・動作は、前述の第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0059】
ここで、図14(a)の例にしたがい、アドレス格納部12によって経路情報が格納されたパケットを示す。アドレス格納部12は、具体的には、パケットにRHOを付加し、パケットの宛先アドレス格納領域(図14(a)中、「Dst.」フィールド)に、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN31、32のアドレスを格納する。即ち、2つの「Dst.」フィールドに、それぞれTN31、32のアドレスを格納することを特徴とする。他のフィールドは第1実施形態と同様である。
【0060】
また、図11(b)に示すように、RT20は、機能的には、受信部21と、選択部(選択手段)22と、第1のパケット送信部(第1のパケット送信手段)23と、削除部(削除手段)24とを備えて構成される。このうち第1のパケット送信部23の構成・動作は前述の第1実施形態と同様である。選択部22は、自ノードがパケットを送信すべき直近のTNとして複数のTNの候補が存在する場合、所定のポリシーに基づいて複数のTNのうち1つのTNを選択する。削除部24は、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する。
【0061】
更に、図11(c)に示すように、TN31は、機能的には、パケット受信部(パケット受信手段)31Aと、認識部(認識手段)31Bと、第2のパケット送信部(第2のパケット送信手段)31Dとを備えて構成される。これらの各部の構成・動作は、図2に示す第1実施形態の各部の構成・動作と同様である。なお、TN32の構成はTN31の構成と同様である。
【0062】
次に、第2実施形態におけるパケット通信システムの動作として、RT20が選択されないTNのアドレスをヘッダから削除する態様を図12〜14に基づき説明する。
【0063】
SN10は、図12(a)に示すS11にて、パケットのヘッダに経路上のTN及びDNのアドレス情報を格納する。この際、図10のように経路上で並列に位置するTN31、32のアドレス情報は併記することを特徴とする。そして、SN10は、S12にてTN31へパケットを送信する。
【0064】
次に、RT20は、図13に示すR11にてSN10からのパケットを受信した後、パケットを送信すべき直近のTNとして複数の候補が存在するか否かを判断し(R12)、図10のように直近のTNとして複数のTN31、32が存在すれば、R13へ進む。R13では、選択部22が、所定のポリシーに基づいてTN31、32のうち1つのTN(例えばTN31)を選択する。このとき選択部22は、例えば、定期的にTN31とTN32から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTNを選択することができる。
【0065】
そして、RT20は、R14にて、選択されなかったTN(ここではTN32)のアドレス情報をヘッダから削除する。これにより、図14(b)に示すように、「Dst.」フィールドとしては、上記選択したTN31のアドレス情報が格納された「Dst.」フィールドのみが残る。そして、R15にてTN31へパケットを送信する。なお、選択しなかったTN32のアドレス情報は、ヘッダから削除されるが、RT20内の所定メモリに保管される。このTN32のアドレス情報は、後述の異常時対応に使用される。
【0066】
次に、TN31は、図12(b)に示すT11にて、RT20からのパケットを受信し、T12において、TN31がパケットを送信すべき直近のTN又はDNをヘッダ内のアドレス情報に基づき認識する。具体的には、図14(b)のパケットのヘッダにおける「Slot1」フィールドより、パケットを送信すべきDN50を認識する。次のT13では、TN31は、図14(c)に示すように「Dst.」フィールドにDN50のアドレス情報を、DN50のアドレス情報が記憶されていた「Slot1」フィールドに自ノード(TN31)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T14にてDN50へパケットを送信する。このようにしてパケットがSN10からDN50へ正常に送信される。
【0067】
なお、上記では、図13のR13でRT20の選択部22は、例えば、定期的にTN31とTN32から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTN31を選択するが、選択したTN31へのパケット送信が突然の通信異常等によりダウンすることもありうる。このため、RT20は以下の動作により、異常時対応を行うことができる。
【0068】
即ち、R15において、RT20は、TN31へのパケット送信後、所定時間以内にTN31から受信完了応答を受信しない場合、TN31との回線がダウンしたと判断し、図14(b)のヘッダにおいて「Dst.」フィールドに、選択しなかったTN32のアドレス情報を再設定して、TN32へパケットを送信する。このようにして、TN31との回線がダウンした場合でも、TN32を経由する代替ルートを用いることができ、パケットをTN32経由でDN50へ正常に送信することができる。
【0069】
上記の処理では、経路上で並列に位置するTN31、32のアドレス情報は併記されるため、従来のように経路が途中でダウンした場合、SN10がパケットヘッダを再構築する必要はなく、RT20は、上記併記されたアドレス情報を基に、一方のTNを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更時間を短縮できパケットロスを最小化することができる。
【0070】
また、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除するため、パケットのヘッダ内の記憶領域の使用量を減らすことができ、他の用途のためにヘッダ内のより多くの記憶領域を解放することができる。
【0071】
更に、分岐されるノード(ここではRT20)が一方のTNにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0072】
[第3実施形態]
次に、請求項3、7、11、14、15に対応する第3実施形態を説明する。
【0073】
図15に示すように、第3実施形態に係るパケット通信システム1bは、パケットの送信元のノード(SN)10と、パケットを中継する複数の中継ノード(TN)31、32、33と、パケットを中継する中継器(RT)20と、パケットの送信先のノード(DN)50とを備える。これらのSN、TN、RT、DNの間は、有線リンクによって接続されることもでき、無線リンクによって接続されることもできる。このパケット通信システム1bは、SN10からみてパケットの第2経由ノードがTN31、32であり、複数存在することを特徴とする。
【0074】
なお、SN10、RT20及び各TNの機能的な構成は、第2実施形態の構成(図11)と同様であり、SN10、RT20及び各TNの処理動作も、第2実施形態の処理動作(図12、図13)と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
そこで、図16を用いてパケットヘッダの遷移を説明する。SN10のアドレス格納部12は、図16(a)に示すように、パケットの宛先アドレス格納領域(「Dst.」フィールド)には、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN31のアドレスを格納し、「Slot[1.x]」フィールドには複数の第2経由ノードTN32、33のアドレスを格納する。
【0076】
第1経由ノードであるTN31は、上記ヘッダを持つパケットを受信した後、図16(b)に示すように、2つの「Dst.」フィールドに第2経由ノードTN32、33のアドレスをそれぞれ格納し、自己(TN31)のアドレスを「Slot[1]」フィールドに格納する。
【0077】
そして、RT20は、図13に示すR11にてTN31からのパケットを受信した後、パケットを送信すべき直近のTNとして複数の候補が存在するか否かを判断し(R12)、図15のように直近のTNとして複数のTN32、33が存在すれば、R13へ進む。R13では、選択部22が、所定のポリシーに基づいてTN32、33のうち1つのTN(例えばTN32)を選択する。このとき選択部22は、例えば、定期的にTN32とTN33から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTNを選択することができる。
【0078】
そして、RT20は、R14にて、選択されなかったTN(ここではTN33)のアドレス情報をヘッダから削除する。これにより、図16(c)に示すように、「Dst.」フィールドとしては、上記選択したTN32のアドレス情報が格納された「Dst.」フィールドのみが残る。そして、R15にてTN32へパケットを送信する。
【0079】
以上のように、パケット通信システム1bにおいてSN10からみてパケットの第2経由ノードが複数存在する場合でも、第1経由ノードが複数存在する第2実施形態と同様に、直前の分岐点に位置するRT20によって、適正な1つの第2経由ノードTN32が選択され、以後、当該TN32を介してパケットがDN50へ送信される。
【0080】
上記第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、分岐されるノード(ここではRT20)が一方のTN32にのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0081】
なお、第3実施形態では、図15のように第2経由ノードが複数存在する場合を説明したが、本発明は、第3経由ノード以降のノードが複数存在する場合にも、適用可能であり、上記同様の構成・動作により同様の効果を得ることができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、経路途中に並列な中継ノードが複数存在する場合、経路のダウン発生時に送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、直近の中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。また、パケットの第1経由ノードが複数存在する場合でも、直近の送信元ノードが複数の中継ノードのアドレス情報を基に一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0083】
また、本発明をマルチホーミングを有した移動するネットワーク等に適用した際、即座に最適パスを切り替えることが可能となりシームレスハンドオーバが実現可能となる。さらに、ネットワークの状況に応じ、途中のルートにて動的ルート選択も可能となるため、トラヒックエンジニアリングもあわせて実現可能となる。
【0084】
更に、送信すべきTNが複数存在するノードが、一方のTNにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるパケット通信システムの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態におけるSN及びTNの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】選択されないTNのアドレスをヘッダから削除する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は図1のSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN30によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(d)はTN32によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図4】(a)は第1実施形態のSNにおける処理を示す流れ図であり、(b)は第1実施形態の各TNにおける処理を示す流れ図である。
【図5】(a)は、TN31がTN32のダウン検出前に送信するパケットのヘッダを示す図であり、(b)は、TN31がTN32のダウン検出後に送信するパケットのヘッダを示す図である。
【図6】選択されないTNのアドレスをヘッダに格納する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は図1のSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN30によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(d)はTN32によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図7】マルチホーミングされた移動するネットワークに、移動するホストが接続する形態に本発明を適用した場合の構成図である。
【図8】分岐した複数のルートの各々に複数のTNが存在する形態を示す構成図である。
【図9】図8のルートにおいて選択されないTNのアドレスをヘッダに格納する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は図8のSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN30によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(d)はTN33によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図10】第2実施形態におけるパケット通信システムの構成を示す図である。
【図11】(a)は第2実施形態におけるSNの機能的な構成を示すブロック図であり、(b)は第2実施形態におけるRTの機能的な構成を示すブロック図であり、(c)は第2実施形態におけるTNの機能的な構成を示すブロック図である。
【図12】(a)は第2実施形態のSNにおける処理を示す流れ図であり、(b)は第2実施形態の各TNにおける処理を示す流れ図である。
【図13】第2実施形態のRTにおける処理を示す流れ図である。
【図14】第1経由ノードが複数存在する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は複数の第1経由ノードのアドレス情報が格納されたパケットのヘッダを、(b)はSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図15】第3実施形態におけるパケット通信システムの構成を示す図である。
【図16】第2経由ノードが複数存在する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)はSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はRT20によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【符号の説明】
1、1a、1b…パケット通信システム、10…送信元ノード(SN)、11…制御部、12…アドレス格納部、13…パケット送信部、14…送信部、20…中継器(RT)、21…受信部、22…選択部、23…第1のパケット送信部、24…削除部、30〜33…中継ノード(TN)、30A、31A…パケット受信部、30B、31B…認識部、30C…選択部、30D、31D…パケット送信部、30E…削除部、50…送信先ノード(DN)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法、当該パケット通信が行われるパケット通信システム、当該パケット通信システムを構成する送信元ノード、中継ノード及び中継器に関する。
【0002】
なお、ここでの「中継ノード」とは、パケット通信システムにおいてノードとして認識され、そのアドレスがパケットのヘッダ内の経路情報に明示されるものを意味し、「中継器」とは、パケット通信システムにおいて中継ノードとしては認識されず、そのアドレスがパケットのヘッダ内の経路情報に明示されないものを意味する。
【0003】
【従来の技術】
従来の通信システムにおける、経由すべき中継ノードをパケット内にて指定することに関する技術は、IPv6のルーチングヘッダオプションに関するものが開示されている(例えば、下記の非特許文献1参照)。この技術では、具体的には、送信元ノードが明示的に、経由すべき中継ノードをルーチングヘッダオプションとしてパケット内に付与し、各中継ノードが、次に設定すべきあて先をルーチングヘッダオプション内から選択し、パケットのあて先として入れ替えるのみであり、経由すべき中継ノードがダウンした場合、再度送信元ノードがルーチングヘッダオプションを付け替える必要がある。
【0004】
また、マルチキャスト技術に関するものが開示されている(例えば、下記の非特許文献2参照)。この技術は、具体的には、あくまでもマルチキャストの技術であり複数の送信先にパケットを到達させることを目的としたものであり、ルート変更の迅速化を目的とするものではない。
【0005】
【非特許文献1】
Internet Protocol, Version 6 (IPv6)Specification
http://www.ietf.org/rfc/rfc2460.txt?number=2460 Copyright c The Internet Society
【非特許文献2】
Explicit Multicast (Xcast) Basic Specification
http://www.ietf.org/internet−drafts/draft−ooms−xcast−basic−spec−03.txt
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のIPv6におけるルーチングヘッダオプションにおいては、経由すべきルート1つのみがパケットヘッダに付与されており、当該ルートが途中でダウンしている場合は送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要があった。このため、障害発生時のルート変更が迅速に行われず、通信中断時間が長いため、パケットロスが大きくなるといった不都合があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、ルート変更の迅速化を図り、パケットロスを最小化することができるパケット通信方法、パケット通信システム、送信元ノード、中継ノード及び中継器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るパケット通信方法は、請求項1に記載したように、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するアドレス格納工程と、送信元ノードが、経路に従ってパケットを送信する第1のパケット送信工程と、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信工程と、中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、中継ノードが、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信工程とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るパケット通信システムは、請求項5に記載したように、パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノードと、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段と、経路に従ってパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備え、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これらの発明によれば、送信元ノードが、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納して、経路に従ってパケットを送信し、このパケットを受信した中継ノードが、当該パケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、直近の中継ノードとして複数の中継ノードを認識した場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択して当該中継ノードへパケットを送信する。このため、従来のように経路が途中でダウンした場合送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継ノードは、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るパケット通信方法は、請求項2に記載したように、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合は、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納するアドレス格納工程と、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、中継器が、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信工程と、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信工程と、中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信工程とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るパケット通信システムは、請求項6に記載したように、パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノード及び中継器と、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段とを備え、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備え、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
これらの発明によれば、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合には、送信元ノードが、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納してパケットを送信し、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて当該複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択してパケットを送信する。このため、従来のように経路が途中でダウンした場合送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継器は、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0014】
また、送信すべき中継ノードが複数存在する中継器が、一方の中継ノードにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、送信先ノードに同一のパケットが複数到達してしまうため送信先ノードにおいてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係るパケット通信方法は、請求項3に記載したように、送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合は、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するアドレス格納工程と、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信工程と、中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信工程と、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、中継器が、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信工程とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るパケット通信システムは、請求項7に記載したように、パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノード及び中継器と、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、送信元ノードが、パケットのヘッダに、中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段とを備え、中継ノードが、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備え、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
これらの発明によれば、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合には、送信元ノードが、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納してパケットを送信し、並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて当該複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択してパケットを送信する。このため、従来のように経路が途中でダウンした場合送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、中継器は、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に、一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0018】
また、送信すべき中継ノードが複数存在する中継器が、一方の中継ノードにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、送信先ノードに同一のパケットが複数到達してしまうため送信先ノードにおいてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0019】
また、上記パケット通信方法に係る発明は、請求項4に記載したように、中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのうち選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除工程をさらに有することが望ましい。
【0020】
また、上記パケット通信システムに係る発明では、請求項8に記載したように、中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのうち選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0021】
これらの場合、パケットのヘッダ内の記憶領域の使用量を減らすことができ、他の用途のためにヘッダ内のより多くの記憶領域を解放することができる。
【0022】
さらに、本発明では、送信元ノード、中継ノード及び中継器がそれぞれ特徴のある構成を有しているため、本発明は、送信元ノードの発明、中継ノードの発明及び中継器の発明として、以下のように記述することができる。
【0023】
即ち、本発明に係る送信元ノードは、請求項9に記載したように、所定の送信先ノードあてのパケットの送信元となる送信元ノードであって、パケットの経路上の1以上の中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するアドレス格納手段と、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する制御手段と、経路に従ってパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
このとき、請求項10に記載したように、制御手段は、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合には、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに宛先情報として格納するよう、アドレス格納手段を制御する構成とすることが望ましい。
【0025】
また、請求項11に記載したように、制御手段は、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納手段を制御する構成とすることが望ましい。
【0026】
本発明に係る中継ノードは、請求項12に記載したように、所定の送信元ノードからのパケットを所定の送信先ノードへ送信する経路上に位置しパケットを中継する中継ノードであって、パケットを受信するパケット受信手段と、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへパケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このとき、請求項13に記載したように、中継ノードは、選択手段により選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0028】
本発明に係る中継器は、請求項14に記載したように、所定の送信元ノードからのパケットを所定の送信先ノードへ送信する経路上に位置しパケットを中継する中継器であって、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づき、自器が、経路の一部が共通する複数の経路における上流側分岐点に位置する場合、複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのうち一の中継ノードを、所定のポリシーに基づいて選択する選択手段と、選択された一の中継ノードへパケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】
このとき、請求項15に記載したように、中継器は、選択手段により選択されなかった中継ノードのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた構成とすることが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る各種の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態に関する説明においては、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
[第1実施形態]
最初に、請求項1、4、5、8、9、12、13に対応する第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るパケット通信システム1の構成を説明する図である。本実施形態にかかるパケット通信システム1は、パケットの送信元のノード(Source Node。以下、本明細書では「SN」と呼ぶ。)10と、パケットを中継する複数の中継ノード(Transit Node。以下、本明細書では「TN」と呼ぶ。)30〜33・・・と、パケットの送信先のノード(Destination Node。以下、本明細書では「DN」と呼ぶ。)50とを備える。これらのSN、TN、DNの間は、有線リンクによって接続されることもでき、無線リンクによって接続されることもできる。
【0032】
SN10は、物理的には、CPU、メモリといった記憶装置、ハードディスクといった格納装置、キーボードやマウスといった入力装置、ディスプレイといった表示装置、通信装置などを備える情報通信可能な通信端末である。また、携帯電話等の移動通信端末であっても良い。
【0033】
図2は、SN10及びTN30の機能的な構成を説明するブロック図である。図2に示すように、SN10は、機能的には、制御部(制御手段)11と、アドレス格納部(アドレス格納手段)12と、第1のパケット送信部(第1のパケット送信手段)13とを備えて構成される。
【0034】
このうちアドレス格納部12は、SN10から目的のDN50までを中継するTNの経路情報が格納されたデータベース(不図示)を参照して、中継するTN及びDNのアドレス情報をパケットのヘッダに格納する。制御部11は、SN10から目的のDN50までの経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、当該複数の経路において並列に位置する複数のTNのアドレス情報をパケットのヘッダに格納するよう、アドレス格納部12を制御する。また、第1のパケット送信部13は、アドレス格納部12によって出力されるパケットを送信する。
【0035】
ここで、図3(a)の例にしたがい、アドレス格納部12によって経路情報が格納されたパケットを示す。アドレス格納部12は、具体的には、まず、パケットにRHOを付加し、パケットの宛先アドレス格納領域(図3(a)中、「Dst.」フィールド)に、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN30のアドレスを格納する。次に、RHOの経由アドレス格納領域(図3(a)中、「Slot1」「Slot2.1」「Slot2.2」フィールド)にこのパケットが次以降に経由すべきノードであるTN31、TN32、TN33のアドレスをその経由順に格納する。また、経由アドレス格納領域における後尾(図3(a)中、「Slot3」フィールド)に送信先ノードである「DN50」のアドレスを格納する。なお、図3(a)においては、「Src.」フィールドは送信元ノードのアドレスを格納する領域であって、「SN10」のアドレスが設定されている。
【0036】
一方、TN30は、SNやDNとの間で行われるパケット通信において、パケットの中継を行うノードである。これらのTNとしては、例えばルータが用いられる。図2に示すように、TN30は、機能的には、パケット受信部(パケット受信手段)30Aと、認識部(認識手段)30Bと、選択部(選択手段)30Cと、第2のパケット送信部(第2のパケット送信手段)30Dと、削除部(削除手段)30Eとを備えて構成される。
【0037】
このうちパケット受信部30Aはパケットを受信し、認識部30Bは受信されたパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノード(TN30)が当該パケットを送信すべき直近のTN又はDNを認識する。選択部30Cは、自ノードがパケットを送信すべき直近のTNとして複数のTNが認識された場合に、所定のポリシーに基づいて複数のTNのうち1つのTNを選択する。
【0038】
また、第2のパケット送信部30Dは、送信すべき直近のTNとして認識又は選択されたTNへパケットを送信する。削除部30Eは、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する。なお、TN31〜33の構成は、上記TN30の構成と同様である。
【0039】
次に、第1実施形態におけるパケット通信システムの動作を説明する。
【0040】
最初に、選択されないTNのアドレスをヘッダから削除する態様を図3、4、5に基づき説明する。
【0041】
SN10は、図4(a)に示すS01にて、パケットのヘッダに経路上のTN及びDNのアドレス情報を格納する。この際、図1のように経路上で並列に位置するTN32、33のアドレス情報については併記することを特徴とする。具体的には、アドレス格納部12が、パケットにRHOを付加し、図3(a)のようにパケットの宛先アドレス格納領域(「Dst.」フィールド)に、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN30のアドレスを格納する。次に、RHOの経由アドレス格納領域(「Slot1」「Slot2.1」「Slot2.2」フィールド)にこのパケットが次以降に経由すべきノードであるTN31、TN32、TN33のアドレスを格納する。即ち、経路上で並列に位置するTN32、33のアドレス情報は併記する。また、アドレス格納部12は、経由アドレス格納領域における後尾(「Slot3」フィールド)に送信先ノードである「DN50」のアドレスを格納する。なお、送信元ノードのアドレスを格納する領域(「Src.」フィールド)には、SN10のアドレスを格納する。そして、S02にて、SN10は、当該経路に従って、最初に経由すべきTN30へパケットを送信する。
【0042】
次に、TN30は、図4(b)に示すT01にて、SN10からのパケットを受信し、T02において、TN30がパケットを送信すべき直近のTN又はDNをヘッダ内のアドレス情報に基づき認識する。具体的には、図3(a)のパケットのヘッダにおける「Slot1」フィールドより送信すべき直近のTNとしてTN31を認識する。次のT03では、T02で複数のTNが認識されたか否かを判断するが、TN30はTN31のみを認識するため、否定判断されてT06へジャンプする。T06にて、TN30は、図3(b)に示すように「Dst.」フィールドに直近のTN31のアドレス情報を、TN31のアドレス情報が記憶されていた「Slot1」フィールドに自ノード(TN30)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T07にて直近のTN31へパケットを送信する。
【0043】
次のTN31も、図4(b)に示す処理を実行する。ところが、TN31は、T02にて、送信すべき直近のTNとしてTN32とTN33を認識するため、次のT03で肯定判断されてT04へ進む。T04では、選択部30Cが、所定のポリシーに基づいてTN32、33のうち1つのTN(例えばTN32)を選択する。このとき選択部30Cは、例えば、定期的にTN32とTN33から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTNを選択することができる。そして、TN31は、T05にて、選択されなかったTN(ここではTN33)のアドレス情報をヘッダから削除し、T06にて、図3(c)に示すように「Dst.」フィールドに上記選択したTN32のアドレス情報を、TN32のアドレス情報が記憶されていた「Slot2」フィールドに自ノード(TN31)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T07にてTN32へパケットを送信する。なお、選択しなかったTN33のアドレス情報は、ヘッダから削除されるが、TN31内の所定メモリに保管される。このTN33のアドレス情報は、後述の異常時対応に使用される。
【0044】
次のTN32も、図4(b)に示す処理を実行する。TN32は、T02にて、送信すべき直近のTN又はDNとしてDN50のみを認識するため、次のT03で否定判断されてT06へジャンプし、図3(d)に示すように「Dst.」フィールドにDN50のアドレス情報を、DN50のアドレス情報が記憶されていた「Slot3」フィールドに自ノード(TN32)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T07にてDN50へパケットを送信する。このようにしてパケットがSN10からDN50へ正常に送信される。
【0045】
なお、上記では、T04でTN31の選択部30Cは、例えば、定期的にTN32とTN33から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTN32を選択するが、選択したTN32へのパケット送信が突然の通信異常等によりダウンすることもありうる。このため、TN31は以下の動作により、異常時対応を行うことができる。
【0046】
即ち、T07において、TN31は、TN32へのパケット送信後、所定時間以内にTN32から受信完了応答を受信しない場合、TN32との回線がダウンしたと判断し、図5(a)のヘッダにおいて「Dst.」フィールドに、選択しなかったTN33のアドレス情報を再設定して(図5(b)に示すヘッダに再設定して)、TN33へパケットを送信する。このようにして、TN32との回線がダウンした場合でも、TN33を経由する代替ルートを用いることができ、パケットをDN50へ正常に送信することができる。
【0047】
上記の処理では、経路上で並列に位置するTN32、33のアドレス情報が併記されるという特徴を生かし、従来のように経路が途中でダウンした場合、SNがパケットヘッダを再構築することなく、TNが上記併記されたアドレス情報を基に、一方のTNを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更時間を短縮できパケットロスを最小化することができる。
【0048】
また、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除するため、パケットのヘッダ内の記憶領域の使用量を減らすことができ、他の用途のためにヘッダ内のより多くの記憶領域を解放することができる。
【0049】
更に、分岐されるノード(ここではTN31)が一方のTNにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0050】
なお、図4(b)のTNにおける処理のうち、T05の削除工程は必須の工程ではなく、T05を省略してもよい。T05を省略した場合は、パケットのヘッダにおける設定情報は図6(a)〜(d)のように遷移する。即ち、TN31に受信されるまでの図6(a)、(b)のヘッダは、前述した図3(a)、(b)のヘッダと同じである。しかし、TN31が、T05の削除工程を行わなければ、選択されなかったTN33のアドレス情報は、図6(c)のように「Slot3.1」フィールドに残存する。また、TN32による再設定後のヘッダでも、図6(d)のようにTN33のアドレス情報は「Slot3.2」フィールドに残存する。
【0051】
また、本発明は、図7に示すようなネットワークN1に属するTN31から、マルチホーミングされた移動するネットワークN2に属するTN32、33までの区間、及びこれらTN32、33から、移動するホストDN50までの区間がワイヤレス区間であるような形態にも適用することができる。即ち、図7のネットワーク形態でも、図4の処理を実行することで、最初に選択されたTN32のダウンを直近のTN31が検出した後、当該TN31は、ヘッダに格納されたTN33のアドレス情報に基づき、速やかにTN33を選択してルートを切り替えることができる。これにより、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0052】
さらに、本発明は、図8に示すような分岐した複数のルートの各々に複数のTNが存在する形態にも適用することができる。即ち、図8のネットワーク形態でも、図4の処理を実行することで、例えば、分岐したルートのTN31、32のうち最初に選択されたTN31のダウンを直近のTN30が検出した後、当該TN30は、ヘッダに格納されたTN32のアドレス情報に基づき、速やかにTN32を選択してルートを切り替えることができる。これにより、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0053】
なお、この形態において、選択されなかったTNのアドレス情報を格納するものとすると、パケットのヘッダにおける設定情報は図9(a)〜(d)のように遷移する。即ち、SN10から送信されるパケットのヘッダには、図9(a)のように「Dst.」フィールドにTN30のアドレス情報が格納され、「Slot1.1」と「Slot1.2」の各フィールドには分岐ルートの最初のTNであるTN31、32のアドレス情報が格納され、そして、「Slot2.1」と「Slot2.2」の各フィールドには分岐ルートの最初のTNであるTN33、34のアドレス情報が格納される。
【0054】
その後、TN30においてTN31、32のうちTN31が選択された場合、図9(b)のように「Dst.」フィールドにTN31のアドレス情報が格納される代わりに、「Slot1」フィールドにTN30のアドレス情報が格納される。また、選択されなかったTN32のアドレス情報は、「Slot2.1」フィールドに残存する。
【0055】
選択されたTN31では、図9(c)のように「Dst.」フィールドにTN33のアドレス情報が格納される代わりに、「Slot2.1」フィールドにTN31のアドレス情報が格納される。また、選択されなかったTN32、TN34のアドレス情報は、削除されずに残存する。そして、TN33では、図9(d)のように「Dst.」フィールドにDN50のアドレス情報が格納される代わりに、「Slot3.1」フィールドにTN33のアドレス情報が格納される。このような遷移を経て、パケットは、SN10からDN50へ送信される。
【0056】
[第2実施形態]
次に、請求項2、6、10、14、15に対応する第2実施形態を説明する。
【0057】
図10に示すように、第2実施形態に係るパケット通信システム1aは、パケットの送信元のノード(SN)10と、パケットを中継する中継器(例えばルータ(以下「RT」という))20と、パケットを中継する複数の中継ノード(TN)31、32と、パケットの送信先のノード(DN50)とを備える。これらのSN、RT、TN、DNの間は、有線リンクによって接続されることもでき、無線リンクによって接続されることもできる。このパケット通信システム1aは、SN10からみてパケットの第1経由ノードがTN31、32であり、複数存在することを特徴とする。
【0058】
図11は、SN10、RT20及びTN31の機能的な構成を説明するブロック図である。図11(a)に示すように、SN10は、機能的には、制御部(制御手段)11と、アドレス格納部(アドレス格納手段)12と、送信部14とを備えて構成される。これら各部の構成・動作は、前述の第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0059】
ここで、図14(a)の例にしたがい、アドレス格納部12によって経路情報が格納されたパケットを示す。アドレス格納部12は、具体的には、パケットにRHOを付加し、パケットの宛先アドレス格納領域(図14(a)中、「Dst.」フィールド)に、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN31、32のアドレスを格納する。即ち、2つの「Dst.」フィールドに、それぞれTN31、32のアドレスを格納することを特徴とする。他のフィールドは第1実施形態と同様である。
【0060】
また、図11(b)に示すように、RT20は、機能的には、受信部21と、選択部(選択手段)22と、第1のパケット送信部(第1のパケット送信手段)23と、削除部(削除手段)24とを備えて構成される。このうち第1のパケット送信部23の構成・動作は前述の第1実施形態と同様である。選択部22は、自ノードがパケットを送信すべき直近のTNとして複数のTNの候補が存在する場合、所定のポリシーに基づいて複数のTNのうち1つのTNを選択する。削除部24は、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除する。
【0061】
更に、図11(c)に示すように、TN31は、機能的には、パケット受信部(パケット受信手段)31Aと、認識部(認識手段)31Bと、第2のパケット送信部(第2のパケット送信手段)31Dとを備えて構成される。これらの各部の構成・動作は、図2に示す第1実施形態の各部の構成・動作と同様である。なお、TN32の構成はTN31の構成と同様である。
【0062】
次に、第2実施形態におけるパケット通信システムの動作として、RT20が選択されないTNのアドレスをヘッダから削除する態様を図12〜14に基づき説明する。
【0063】
SN10は、図12(a)に示すS11にて、パケットのヘッダに経路上のTN及びDNのアドレス情報を格納する。この際、図10のように経路上で並列に位置するTN31、32のアドレス情報は併記することを特徴とする。そして、SN10は、S12にてTN31へパケットを送信する。
【0064】
次に、RT20は、図13に示すR11にてSN10からのパケットを受信した後、パケットを送信すべき直近のTNとして複数の候補が存在するか否かを判断し(R12)、図10のように直近のTNとして複数のTN31、32が存在すれば、R13へ進む。R13では、選択部22が、所定のポリシーに基づいてTN31、32のうち1つのTN(例えばTN31)を選択する。このとき選択部22は、例えば、定期的にTN31とTN32から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTNを選択することができる。
【0065】
そして、RT20は、R14にて、選択されなかったTN(ここではTN32)のアドレス情報をヘッダから削除する。これにより、図14(b)に示すように、「Dst.」フィールドとしては、上記選択したTN31のアドレス情報が格納された「Dst.」フィールドのみが残る。そして、R15にてTN31へパケットを送信する。なお、選択しなかったTN32のアドレス情報は、ヘッダから削除されるが、RT20内の所定メモリに保管される。このTN32のアドレス情報は、後述の異常時対応に使用される。
【0066】
次に、TN31は、図12(b)に示すT11にて、RT20からのパケットを受信し、T12において、TN31がパケットを送信すべき直近のTN又はDNをヘッダ内のアドレス情報に基づき認識する。具体的には、図14(b)のパケットのヘッダにおける「Slot1」フィールドより、パケットを送信すべきDN50を認識する。次のT13では、TN31は、図14(c)に示すように「Dst.」フィールドにDN50のアドレス情報を、DN50のアドレス情報が記憶されていた「Slot1」フィールドに自ノード(TN31)のアドレス情報を、それぞれ再設定する。そして、T14にてDN50へパケットを送信する。このようにしてパケットがSN10からDN50へ正常に送信される。
【0067】
なお、上記では、図13のR13でRT20の選択部22は、例えば、定期的にTN31とTN32から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTN31を選択するが、選択したTN31へのパケット送信が突然の通信異常等によりダウンすることもありうる。このため、RT20は以下の動作により、異常時対応を行うことができる。
【0068】
即ち、R15において、RT20は、TN31へのパケット送信後、所定時間以内にTN31から受信完了応答を受信しない場合、TN31との回線がダウンしたと判断し、図14(b)のヘッダにおいて「Dst.」フィールドに、選択しなかったTN32のアドレス情報を再設定して、TN32へパケットを送信する。このようにして、TN31との回線がダウンした場合でも、TN32を経由する代替ルートを用いることができ、パケットをTN32経由でDN50へ正常に送信することができる。
【0069】
上記の処理では、経路上で並列に位置するTN31、32のアドレス情報は併記されるため、従来のように経路が途中でダウンした場合、SN10がパケットヘッダを再構築する必要はなく、RT20は、上記併記されたアドレス情報を基に、一方のTNを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更時間を短縮できパケットロスを最小化することができる。
【0070】
また、選択されなかったTNのアドレス情報をパケットのヘッダから削除するため、パケットのヘッダ内の記憶領域の使用量を減らすことができ、他の用途のためにヘッダ内のより多くの記憶領域を解放することができる。
【0071】
更に、分岐されるノード(ここではRT20)が一方のTNにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0072】
[第3実施形態]
次に、請求項3、7、11、14、15に対応する第3実施形態を説明する。
【0073】
図15に示すように、第3実施形態に係るパケット通信システム1bは、パケットの送信元のノード(SN)10と、パケットを中継する複数の中継ノード(TN)31、32、33と、パケットを中継する中継器(RT)20と、パケットの送信先のノード(DN)50とを備える。これらのSN、TN、RT、DNの間は、有線リンクによって接続されることもでき、無線リンクによって接続されることもできる。このパケット通信システム1bは、SN10からみてパケットの第2経由ノードがTN31、32であり、複数存在することを特徴とする。
【0074】
なお、SN10、RT20及び各TNの機能的な構成は、第2実施形態の構成(図11)と同様であり、SN10、RT20及び各TNの処理動作も、第2実施形態の処理動作(図12、図13)と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
そこで、図16を用いてパケットヘッダの遷移を説明する。SN10のアドレス格納部12は、図16(a)に示すように、パケットの宛先アドレス格納領域(「Dst.」フィールド)には、このパケットが最初に経由すべきノードであるTN31のアドレスを格納し、「Slot[1.x]」フィールドには複数の第2経由ノードTN32、33のアドレスを格納する。
【0076】
第1経由ノードであるTN31は、上記ヘッダを持つパケットを受信した後、図16(b)に示すように、2つの「Dst.」フィールドに第2経由ノードTN32、33のアドレスをそれぞれ格納し、自己(TN31)のアドレスを「Slot[1]」フィールドに格納する。
【0077】
そして、RT20は、図13に示すR11にてTN31からのパケットを受信した後、パケットを送信すべき直近のTNとして複数の候補が存在するか否かを判断し(R12)、図15のように直近のTNとして複数のTN32、33が存在すれば、R13へ進む。R13では、選択部22が、所定のポリシーに基づいてTN32、33のうち1つのTN(例えばTN32)を選択する。このとき選択部22は、例えば、定期的にTN32とTN33から通知されてくる受信品質情報等に基づいて、より良好な通信品質を確保可能なTNを選択することができる。
【0078】
そして、RT20は、R14にて、選択されなかったTN(ここではTN33)のアドレス情報をヘッダから削除する。これにより、図16(c)に示すように、「Dst.」フィールドとしては、上記選択したTN32のアドレス情報が格納された「Dst.」フィールドのみが残る。そして、R15にてTN32へパケットを送信する。
【0079】
以上のように、パケット通信システム1bにおいてSN10からみてパケットの第2経由ノードが複数存在する場合でも、第1経由ノードが複数存在する第2実施形態と同様に、直前の分岐点に位置するRT20によって、適正な1つの第2経由ノードTN32が選択され、以後、当該TN32を介してパケットがDN50へ送信される。
【0080】
上記第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、分岐されるノード(ここではRT20)が一方のTN32にのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【0081】
なお、第3実施形態では、図15のように第2経由ノードが複数存在する場合を説明したが、本発明は、第3経由ノード以降のノードが複数存在する場合にも、適用可能であり、上記同様の構成・動作により同様の効果を得ることができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、経路途中に並列な中継ノードが複数存在する場合、経路のダウン発生時に送信元ノードがパケットヘッダを再構築する必要はなく、直近の中継ノードが、並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を基に一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。また、パケットの第1経由ノードが複数存在する場合でも、直近の送信元ノードが複数の中継ノードのアドレス情報を基に一の中継ノードを選択してパケットを送信することができるので、ルート変更を迅速化しパケットロスを最小化することができる。
【0083】
また、本発明をマルチホーミングを有した移動するネットワーク等に適用した際、即座に最適パスを切り替えることが可能となりシームレスハンドオーバが実現可能となる。さらに、ネットワークの状況に応じ、途中のルートにて動的ルート選択も可能となるため、トラヒックエンジニアリングもあわせて実現可能となる。
【0084】
更に、送信すべきTNが複数存在するノードが、一方のTNにのみパケットを送信する点で、あて先すべてにパケットを送信する従来技術のxcast(前述の非特許文献2参照)とは異なる。即ち、従来のxcastを適用した場合には、DNにて同一のパケットが複数到達してしまうためDNにてパケットの合成処理等が必要となってしまうのに対し、本発明ではパケットの合成処理等が不要となるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるパケット通信システムの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態におけるSN及びTNの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】選択されないTNのアドレスをヘッダから削除する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は図1のSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN30によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(d)はTN32によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図4】(a)は第1実施形態のSNにおける処理を示す流れ図であり、(b)は第1実施形態の各TNにおける処理を示す流れ図である。
【図5】(a)は、TN31がTN32のダウン検出前に送信するパケットのヘッダを示す図であり、(b)は、TN31がTN32のダウン検出後に送信するパケットのヘッダを示す図である。
【図6】選択されないTNのアドレスをヘッダに格納する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は図1のSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN30によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(d)はTN32によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図7】マルチホーミングされた移動するネットワークに、移動するホストが接続する形態に本発明を適用した場合の構成図である。
【図8】分岐した複数のルートの各々に複数のTNが存在する形態を示す構成図である。
【図9】図8のルートにおいて選択されないTNのアドレスをヘッダに格納する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は図8のSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN30によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(d)はTN33によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図10】第2実施形態におけるパケット通信システムの構成を示す図である。
【図11】(a)は第2実施形態におけるSNの機能的な構成を示すブロック図であり、(b)は第2実施形態におけるRTの機能的な構成を示すブロック図であり、(c)は第2実施形態におけるTNの機能的な構成を示すブロック図である。
【図12】(a)は第2実施形態のSNにおける処理を示す流れ図であり、(b)は第2実施形態の各TNにおける処理を示す流れ図である。
【図13】第2実施形態のRTにおける処理を示す流れ図である。
【図14】第1経由ノードが複数存在する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)は複数の第1経由ノードのアドレス情報が格納されたパケットのヘッダを、(b)はSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【図15】第3実施形態におけるパケット通信システムの構成を示す図である。
【図16】第2経由ノードが複数存在する場合のヘッダの遷移を示す図であり、(a)はSN10によって送信されるパケットのヘッダを、(b)はTN31によって送信されるパケットのヘッダを、(c)はRT20によって送信されるパケットのヘッダを、それぞれ示す。
【符号の説明】
1、1a、1b…パケット通信システム、10…送信元ノード(SN)、11…制御部、12…アドレス格納部、13…パケット送信部、14…送信部、20…中継器(RT)、21…受信部、22…選択部、23…第1のパケット送信部、24…削除部、30〜33…中継ノード(TN)、30A、31A…パケット受信部、30B、31B…認識部、30C…選択部、30D、31D…パケット送信部、30E…削除部、50…送信先ノード(DN)。
Claims (15)
- 送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、
送信元ノードが、パケットのヘッダに、前記中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合は、前記複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するアドレス格納工程と、
送信元ノードが、前記経路に従って前記パケットを送信する第1のパケット送信工程と、
中継ノードが、前記パケットを受信するパケット受信工程と、
中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、
中継ノードが、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、
中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信工程と、
を有するパケット通信方法。 - 送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、
送信元ノードが、パケットのヘッダに、前記中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合は、当該複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに宛先情報として格納するアドレス格納工程と、
前記並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、
前記中継器が、選択された一の中継ノードへ前記パケットを送信する第1のパケット送信工程と、
中継ノードが、前記パケットを受信するパケット受信工程と、
中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、
中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信工程と、
を有するパケット通信方法。 - 送信元ノードから1以上の中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信方法であって、
送信元ノードが、パケットのヘッダに、前記中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するとともに、送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合は、当該複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するアドレス格納工程と、
中継ノードが、前記パケットを受信するパケット受信工程と、
中継ノードが、受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識工程と、
中継ノードが、送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信工程と、
前記並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択工程と、
前記中継器が、選択された一の中継ノードへ前記パケットを送信する第1のパケット送信工程と、
を有するパケット通信方法。 - 中継ノードが、前記並列に位置する複数の中継ノードのうち選択されなかった中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダから削除する削除工程をさらに有する請求項1〜3の何れか1項に記載のパケット通信方法。
- パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノードと、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから前記中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、
前記送信元ノードが、
前記パケットのヘッダに、前記中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、
送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、前記複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するよう、前記アドレス格納手段を制御する制御手段と、
前記経路に従って前記パケットを送信する第1のパケット送信手段とを備え、
前記中継ノードが、
前記パケットを受信するパケット受信手段と、
受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、
自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、
送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えた
ことを特徴とするパケット通信システム。 - パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノード及び中継器と、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから前記中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、
前記送信元ノードが、
前記パケットのヘッダに、前記中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、
送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに宛先情報として格納するよう、前記アドレス格納手段を制御する制御手段とを備え、
前記並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、
所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、
選択された一の中継ノードへ前記パケットを送信する第1のパケット送信手段とを備え、
前記中継ノードが、
前記パケットを受信するパケット受信手段と、
受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、
送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信手段とを備えた
ことを特徴とするパケット通信システム。 - パケットの送信元となる送信元ノードと、当該パケットの経路上の1以上の中継ノード及び中継器と、パケットの送信先となる送信先ノードとを含んで構成され、送信元ノードから前記中継ノードを経由して送信先ノードへパケットを送信するパケット通信システムであって、
前記送信元ノードが、
前記パケットのヘッダに、前記中継ノード及び送信先ノードのアドレス情報を格納するアドレス格納手段と、
送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するよう、前記アドレス格納手段を制御する制御手段とを備え、
前記中継ノードが、
前記パケットを受信するパケット受信手段と、
受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、
送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信手段とを備え、
前記並列に位置する複数の中継ノードの直前の分岐点に位置する中継器が、
所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、
選択された一の中継ノードへ前記パケットを送信する第1のパケット送信手段とを備えた
ことを特徴とするパケット通信システム。 - 前記中継ノードが、
前記並列に位置する複数の中継ノードのうち選択されなかった中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた請求項5〜7の何れか1項に記載のパケット通信システム。 - 所定の送信先ノードあてのパケットの送信元となる送信元ノードであって、
パケットの経路上の1以上の中継ノード及び前記送信先ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するアドレス格納手段と、
送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として、経路の一部が共通する複数の経路が存在する場合に、前記複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するよう、前記アドレス格納手段を制御する制御手段と、
前記経路に従って前記パケットを送信する第1のパケット送信手段と、
を備えた送信元ノード。 - 前記制御手段は、
送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第1経由ノードである場合には、当該複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに宛先情報として格納するよう、前記アドレス格納手段を制御することを特徴とする請求項9記載の送信元ノード。 - 前記制御手段は、
送信元ノードから送信先ノードへ送信するための経路として経路の一部が共通する複数の経路が存在し、当該複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードが第2経由ノード以降のノードである場合に、当該複数の中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダに格納するよう、前記アドレス格納手段を制御することを特徴とする請求項9又は10に記載の送信元ノード。 - 所定の送信元ノードからのパケットを所定の送信先ノードへ送信する経路上に位置し前記パケットを中継する中継ノードであって、
前記パケットを受信するパケット受信手段と、
受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づいて、自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードを認識する認識手段と、
自ノードが当該パケットを送信すべき直近の中継ノードとして複数の中継ノードが認識された場合、所定のポリシーに基づいて前記複数の中継ノードのうち一の中継ノードを選択する選択手段と、
送信すべき直近の中継ノード又は送信先ノードへ前記パケットを送信する第2のパケット送信手段と、
を備えた中継ノード。 - 前記選択手段により選択されなかった中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた請求項12記載の中継ノード。
- 所定の送信元ノードからのパケットを所定の送信先ノードへ送信する経路上に位置し前記パケットを中継する中継器であって、
受信したパケットのヘッダに格納されたアドレス情報に基づき、自器が、経路の一部が共通する複数の経路における上流側分岐点に位置する場合、前記複数の経路において並列に位置する複数の中継ノードのうち一の中継ノードを、所定のポリシーに基づいて選択する選択手段と、
選択された一の中継ノードへ前記パケットを送信する第1のパケット送信手段と
を備えた中継器。 - 前記選択手段により選択されなかった中継ノードのアドレス情報を前記パケットのヘッダから削除する削除手段をさらに備えた請求項14記載の中継器。
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-
2002
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