JP2004153188A - シリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法 - Google Patents

シリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間でシリコン・ゲルマニウム混晶を成長させることができると共に、混晶中のゲルマニウム濃度を容易に制御することが可能なシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法を提供する。
【解決手段】シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させる。このような成長工程において、シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスの流量を相対的に調整すると共に、チャンバ内の反応温度を調整することにより混晶中のゲルマニウム濃度を調整する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法に係り、特に、短時間でシリコン・ゲルマニウム混晶を成長させることができると共に、混晶中のゲルマニウム濃度を容易に制御することが可能なシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報化時代の進展より、コンピュータシステムを構築する半導体デバイスには高速性能化が要求されている。この要求に応えるため、ベース層にシリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)の混晶を用いた半導体デバイスが注目されている。半導体デバイスの高速化を図るためには、デバイスの寄生抵抗と寄生容量を低減する必要があるが、ベース層にこのような混晶を用いることによりこれらを同時に低減することが可能になる。このような半導体デバイスでは、混晶中のゲルマニウム濃度が表面方向に行くに従って連続的に減少する濃度勾配を形成することにより、デバイス特性が向上することが知られている。そして、この濃度勾配は濃度変化率が一定となるように直線的に形成されていることが要望されている。
【0003】
このようなシリコン・ゲルマニウム混晶を生成する方法として、シリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法が知られている。この方法では、チャンバ(反応容器)内でウェハを高温に加熱しながら、反応容器にシリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスを含む反応ガスを供給する。これによって、シリコン原子及びゲルマニウム原子がウェハの結晶格子に倣って連続的に積層される。そして、混晶中のゲルマニウム濃度が表面方向に行くに従って連続的に減少する濃度勾配を形成する場合には、反応ガス中のシリコンを含むガスの流量を一定にしつつ、ゲルマニウムを含むガスの流量を連続的に減少することが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反応ガス中のゲルマニウムを含むガスの流量を減少させると、反応ガス全体の流量が減少すると同時に、ゲルマニウムを含むガスの分圧が低下する。このため、混晶の成長速度が極端に低下し、混晶成長に長時間が必要となる場合がある。
【0005】
また、シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスでは単位濃度当りの結晶化割合が異なる。このため、ゲルマニウムを含むガスの流量を図8に示されるように時間軸に対して一定割合で直線的に低下させると、混晶中のゲルマニウム濃度は図9に示されるように直線的に低下しない場合がある。従って、必要なデバイス特性を得るのが困難な場合がある。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、シリコン・ゲルマニウム混晶の成長に必要な時間を低減することができ、しかも、混晶中のゲルマニウム濃度を容易に制御することが可能なシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法は、シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、前記チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程を含み、前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量を連続して減少させると共に、前記チャンバ内の反応温度を連続的に上昇させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法は、シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、前記チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程を含み、前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量を連続的に減少させると共に、シリコンを含むガスの流量を連続的に上昇させることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明のシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法は、シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、前記チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程を含み、前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量をシリコンを含むガスの流量に対し相対的に減少させると共に、前記チャンバ内の反応温度を連続的に上昇させることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法を実施するためのエピタキシャル成長装置の一例を示す。このエピタキシャル成長装置10は石英ガラス等の耐熱性材料で形成された処理チャンバ12を備えている。この処理チャンバ12の側壁には、処理チャンバ12内に反応ガスを供給するための給気口14と、処理チャンバ12を通過した反応ガスを排出するための排気口16とが対向して形成されている。給気口14には、モノシランガス(SiH)、トリクロロシランガス(SiHCl)等のシリコンを含むガスを供給するためのシリコンガス供給源20及び水素化ゲルマニウム(GeH)等のゲルマニウムを含むガスを供給するためのゲルマニウムガス供給源22が、各々流量調節バルブ24、26を介して接続されている。これによって、シリコンを含むガス及びゲルマニウムを含むガスの流量を調節して処理チャンバ12内に供給することができる。
【0011】
処理チャンバ12内には、ウェハWを載置するためのサセプタ18が設けられている。このサセプタ18は、通常、炭化シリコンで被覆されたグラファイト等の耐熱性材料で形成される。このサセプタ18は処理チャンバ12の下部に立設された支持シャフト20により裏面側から三点で水平に支持されている。この支持シャフト20は駆動モータ(図示せず)に連結されており、これによってサセプタ18は回転可能とされている。また、処理チャンバ12の上方及び下方には、サセプタ18上に載置されたウェハWを加熱するためのハロゲンランプ等の加熱手段28が配置されている。また、エピタキシャル成長装置10には、ウェハWからの熱放射エネルギを受けてウェハWの表面温度を測定するパイロメータ(図示せず)が設けられている。加熱手段28は制御装置(図示せず)により制御されており、処理チャンバ12内の反応温度を任意に調節することができる。
【0012】
上記エピタキシャル成長装置10を用いてシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法を実施する場合、加熱手段10によりウェハWを加熱した状態でサセプタ18を回転させながら、処理チャンバ12内にシリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスを含む反応ガスを供給する。これにより、反応ガスが所定温度に加熱されたウェハの表面に沿って層流状態で流れ、ウェハW上にシリコン及びゲルマニウムの単結晶が形成され、これらの混晶層が形成される。
【0013】
このようなシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法において、反応ガス中のゲルマニウムを含むガスの流量は連続的に減少される。これによって、チャンバ内のシリコンを含むガスの分圧を連続して低下させることにより、混晶中のゲルマニウム濃度を表面方向に行くに従って連続的に減少させることができる。
【0014】
但し、混晶中へのゲルマニウムの取込み量はゲルマニウムを含むガスの流量に比例しないと共に、ゲルマニウムを含むガスの流量を下げると下げ量の比率以上に混晶の成長速度が下がってしまう。従って、これを修正するため、ゲルマニウムを含むガスの減少率を低下させていくことで、混晶層におけるゲルマニウム濃度が表面方向に行くに従って一定割合で減少する直線的な濃度勾配を形成することが可能になる。
【0015】
また、上記エピタキシャル成長工程において、反応ガス中のゲルマニウムを含むガス量を連続的に低下させると共に、チャンバ内の反応温度を連続的に上昇させる。一般に、反応温度を上昇させることにより混晶成長速度を上昇させることができると共に、シリコンを含むガスの熱分解を促進し、シリコンの取り込み量を増大させることができる。従って、このような温度制御を行うことにより、混晶中のゲルマニウム濃度を減少させることができる。これによって、混晶成長に必要な時間の短縮を図ると共に、混晶中のゲルマニウム濃度の濃度勾配を調節することが可能になる。この場合、特に、ゲルマニウムを含むガス量を減少率が連続的に低下するように減少させると共に、チャンバ内の反応温度を上昇率が連続的に上昇するように上昇させることにより、混晶層におけるゲルマニウム濃度が表面方向に行くに従って一定割合で減少する直線的な濃度勾配を容易に形成することができる。
【0016】
また、エピタキシャル成長において、反応ガス中のゲルマニウムを含むガスの流量を連続的に低下させると共に、又はゲルマニウムを含むガスの流量を低下させることなく、反応ガス中のシリコンを含むガス量を連続的に上昇させるようにしてもよい。シリコンを含むガスの流量を上昇させることにより反応ガス全体の減少を防止することができるので混晶成長に必要な時間の短縮が図れると共に、混晶中のゲルマニウム濃度の濃度勾配を調節することが可能になる。また、このような操作と上述した温度制御を同時に行うようにしてもよい。
【0017】
さらに、上記の方法を適宜組み合わせて、又は上記方法と水素ガス等のキャリアガスの流量又は分圧の制御といった他の要素を適宜組み合わせて実施することも可能である。
このように本発明によれば、シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスの流量又は分圧を相対的に調節することにより、又はこのような調整と共に反応温度その他の反応条件を適宜調節することにより、所望の組成を有するシリコン・ゲルマニウム混晶を成長させることができる。
【0018】
次に、本発明に係るシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法の具体的実施例について説明する。以下の説明では、エピタキシャル成長装置として、アプライドマテリアルズ社製のEpi Centuraを用いた場合を示す。
図2は反応温度(基板表面温度)680℃、チャンバ内圧力100Torr、モノシランガス供給速度50cc/分の条件下で、水素化ゲルマニウムガスの流量を変化させた場合の混晶成長速度及び混晶中のゲルマニウム濃度の変化を示す。図2より、モノシランガスに対する水素化ゲルマニウムの量が低下すると、混晶成長速度が低下すると共に、混晶中のゲルマニウム濃度が低下することが判る。
【0019】
図3は図2と同じ条件下で、水素化ゲルマニウムガスの流量を減少率が連続的に低下するように連続的に低下させた状態を示す。図4は水素化ゲルマニウムガス流量を図3のように制御した場合の混晶層中のゲルマニウム濃度の変化を示す。図3及び図4により、水素化ゲルマニウムガスの量を減少率を低下させながら減少させるとことにより、混晶中のゲルマニウム濃度を一定割合で直線的に低下させることができることが判る。
【0020】
図5は、モノシランガス流量50cc/分、1%水素化ゲルマニウム流量250cc/分、チャンバ内圧力100Torr.の条件下で、反応温度を変化させた場合の混晶成長速度の変化を示す。図5より、反応温度を上昇させることにより混晶成長速度が上昇することが判る。
【0021】
図6は、モノシランガス流量50cc/分、1%水素化ゲルマニウム流量250cc/分、チャンバ内圧力100Torr.の条件下で、反応温度を変化させた場合の混晶中のゲルマニウム濃度の変化を示す。図6より、反応温度を上昇させることにより混晶中のゲルマニウム濃度が低下することが判る。
【0022】
図7は、1%水素化ゲルマニウム流量250cc/分、反応温度680℃、チャンバ内圧力100Torr.の条件下で、モノシランガスの流量を変化させた場合の混晶中のゲルマニウム濃度を示す。図7より、モノシランガスの流量を上昇させることにより、混晶中のゲルマニウム濃度が低下することが判る。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、チャンバ内の反応温度又は反応ガス中のシリコンを含むガスの流量を上昇させることにより、シリコン・ゲルマニウム混晶の成長に必要な時間を低減することができる。また、反応温度又は反応ガス中のシリコンを含むガス又はゲルマニウムを含むガスの流量を調整することにより、混晶中のゲルマニウム濃度を容易に制御することができる。従って、短時間で高速性能の高い半導体デバイスを製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法を実施するためのエピタキシャル成長装置の一例を示す図である。
【図2】反応温度を一定として水素化ゲルマニウムガスの流量を変化させた場合の混晶成長速度及び混晶中のゲルマニウム濃度を示すグラフである。
【図3】水素化ゲルマニウムガスの流量を減少率が徐々に低下するように低下させた状態を示すグラフである。
【図4】水素化ゲルマニウムガスの流量を図3に示されるように制御した場合の混晶中のゲルマニウム濃度を示すグラフである。
【図5】反応ガスの組成を一定にした状態で反応温度を変化させた場合の混晶成長速度を示すグラフである。
【図6】反応ガスの組成を一定にした状態で反応温度を変化させた場合の混晶中のゲルマニウム濃度を示すグラフである。
【図7】水素化ゲルマニウムガスの流量を一定としてモノシランガスの流量を変化させた場合の混晶中のゲルマニウム濃度を示すグラフである。
【図8】水素化ゲルマニウムガスの流量を直線的に低下させた状態を示すグラフである。
【図9】水素化ゲルマニウムガスの流量を図8のように制御した場合の混晶中のゲルマニウム濃度を示すグラフである。
【符号の説明】
10 エピタキシャル成長装置
12 処理チャンバ
14 供給口
18 サセプタ
20 シリコンガス供給源
22 ゲルマニウムガス供給源
24、26 流量調節バルブ
W ウェハ

Claims (5)

  1. シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、前記チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程を含み、
    前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量を連続して減少させると共に、前記チャンバ内の反応温度を連続的に上昇させることを特徴とするシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法。
  2. 前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量を減少率が低下するように連続して減少させることを特徴とする請求項2記載のシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法。
  3. 前記エピタキシャル成長工程において、前記チャンバ内の反応温度を上昇率が上昇するように連続して上昇させることを特徴とする請求項2又は3記載のシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法。
  4. シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、前記チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程を含み、
    前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量を連続的に減少させると共に、シリコンを含むガスの流量を連続的に上昇させることを特徴とするシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法。
  5. シリコンを含むガスとゲルマニウムを含むガスをチャンバ中に供給し、前記チャンバ内の基板上にシリコン・ゲルマニウム混晶をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程を含み、
    前記エピタキシャル成長工程において、ゲルマニウムを含むガスの流量をシリコンを含むガスの流量に対し相対的に減少させると共に、前記チャンバ内の反応温度を連続的に上昇させることを特徴とするシリコン・ゲルマニウムエピタキシャル成長方法。
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