JP2004153043A - 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼成しても、全体として反ることの少ない積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定すると共に、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層56の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、外部セラミック層52,54を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定すると共に、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層56の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、外部セラミック層52,54を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エリアアレイタイプ(ビアアレイタイプ)の積層セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサは、内部構造として、平面状の内部電極をセラミック層を間に介して複数交互に積層して成り、積層方向にセラミック層を貫くビア電極を多数形成し、そのビア電極によって端子と上記の内部電極とを接続する構造を有している。このような構造を有するエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサは、インダクタンスが小さいため、高周波用の電子部品として用いるのに適している。
【0003】
このようなエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサとして、従来においては、例えば、下記の特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−204372号公報
【0005】
図4は従来におけるエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。図4に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、2つの外部セラミック層12,14との間に、互いにパターンの異なる第1及び第2の内部電極16,18を、内部セラミック層20を間に介して、複数交互に積層すると共に、これらセラミック層を積層方向に貫いて、端子22と第1の内部電極16とを電気的に接続する第1のビア電極24と、端子26と第2の内部電極18とを電気的に接続する第2のビア電極28と、を形成することによって、構成されている。しかも、第1のビア電極24を流れる電流の向きと端子26を流れる電流の向きとを異なる向きとしてインダクタンスの低減を図るために、図4に示す積層セラミックコンデンサ10では、各端子22,26をそれぞれ外部セラミック層12の側のみに配置するようにしている。
【0006】
このような積層セラミックコンデンサ10は、セラミック層となるべき複数のセラミックグリーンシートを用意し、特定のセラミックグリーンシート上に内部電極を形成し、これらセラミックグリーンシートを積み重ねてプレスし、ついで切断することによって、個々のコンデンサ本体となるべき寸法の生のチップを得た後、焼成することによって、製造されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサ10では、一般に、ビア電極は、内部電極と、ビア電極の外周わずか数百μmでしか接続していないため、ビア電極と内部電極との接続部がしっかりと接続されていないと、インダクタンスが増大してしまう。しかし、焼成時において、例えば、ビア電極の収縮量が、セラミック層の収縮量よりも大きいと、ビア電極と内部電極との間にクラックが入るなどして、ビア電極と内部電極との接続部で十分な接続性が得られず、インダクタンスの増大をもたらす恐れがあった。従って、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得るためには、焼成時におけるビア電極の収縮率を、セラミックス層の収縮率よりも小さくなるように設定することが望ましい。
【0008】
一方、図4に示す従来の積層セラミックコンデンサ10では、前述したとおり、各端子22,26を外部セラミック層12の側のみに配置しており、外部セラミック層14の側には配置していない。そのため、端子側の外部セラミック層12では、端子22,26と内部電極16,18との接続を図るために、第1及び第2のビア電極24,28がそれぞれ貫通しているのに対し、背面側の外部セラミック層14では、何れのビア電極も貫通していない。
【0009】
従って、図4に示す従来の積層セラミックコンデンサ10において、焼成時におけるビア電極24,28の収縮率を、セラミックス層12,14,20の収縮率よりも小さくなるように設定したとすると、端子側の外部セラミック層12は、貫通するビア電極が多数存在するため、焼成時において、端子側の外部セラミック層12の収縮量は、貫通するビア電極が存在しない背面側の外部セラミック層14の収縮量に比べて、小さくなる。
【0010】
この結果、従来の積層セラミックコンデンサ10では、焼成後において、図4に点線で示すように、全体として端子側に凸となるように反ってしまうという問題があった。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、焼成しても、全体として反ることの少ない積層セラミックコンデンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の積層セラミックコンデンサは、セラミック積層体を焼成して成る積層セラミックコンデンサであって、
前記セラミック積層体は、第1の外部セラミック層と第2の外部セラミック層との間に、互いに電気的に絶縁された第1の内部電極と第2の内部電極とを、内部セラミック層を間に介して、複数交互に積層し、前記第1の外部セラミック層の上に複数配置される第1及び第2の端子のうち、前記第1の端子と前記第1の内部電極とを、積層方向に前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第1のビア電極と、前記第2の端子と前記第2の内部電極とを、前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第2のビア電極と、を複数形成して成り、
前記焼成時における前記セラミック層の収縮のタイミングは、前記内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されていると共に、
前記第2の外部セラミック層の厚さは、前記第1の外部セラミック層の厚さよりも厚いことを要旨とする。
【0013】
本発明においては、第1の外部セラミック層の上に複数の端子が配置されており、第1の外部セラミック層が端子側の外部セラミック層となるため、第1の外部セラミック層は、貫通するビア電極が多数存在する。このため、焼成時におけるビア電極の収縮率を、セラミックス層の収縮率よりも小さくなるように設定したとすると、焼成時において、第1の外部セラミック層の収縮量は、背面側の外部セラミック層である第2のセラミック層の収縮量に比べて、小さくなるため、全体として端子側に凸となるように反る応力が発生する。
【0014】
一方、本発明においては、上述したように、焼成時におけるセラミック層の収縮のタイミングが、内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されている。従って、セラミック積層体を焼成する際には、焼成により、まず、セラミック層が収縮し始めようとするが、まだ、収縮しようとしない内部電極によって、セラミック層の積層面方向への収縮がある程度抑制され、積層面方向に比較して積層方向(厚み方向)に大きく収縮する。その後、セラミック層がある程度収縮すると、内部電極が収縮し始めようとするが、既に収縮したセラミック層によって、内部電極は積層面方向において収縮を抑制されてしまう。従って、セラミック積層体において、セラミック層の少ない部分では、セラミック層の多い部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなる。また、本発明においては、背面側の外部セラミック層である第2の外部セラミック層の厚さが、端子側の外部セラミック層である第1の外部セラミック層の厚さに比較して、厚くなっている。そのため、セラミック積層体において、端子側の部分はセラミック層の少ない部分となり、背面側の部分はセラミック層の多い部分となる。従って、焼成時には、端子側の部分が、背面側の部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなるため、全体として背面側に凸となるように反る応力が発生することになり、その応力は、前述した端子側に凸となるように反る応力と相殺される。
【0015】
この結果、本発明では、焼成後において、全体として反りの少ない積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0016】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記焼成時における前記ビア電極の収縮率は、前記セラミック層の収縮率よりも小さくなるように、設定されていることが好ましい。
【0017】
このように設定されることによって、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得ることができるため、インダクタンスを低減することができる。
【0018】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記焼成時における前記ビア電極の線収縮率と前記セラミック層の線収縮率との差は、0%以上、10%以下に設定されていることが好ましい。
【0019】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記焼成後において、前記第2の外部セラミック層の厚さは、30μm以上、250μm以下であり、前記第2の外部セラミック層の厚さと前記第1の外部セラミック層の厚さとの差は、0μmより大きく、50μm以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記複数のビア電極のうち、最も近接するビア電極間の距離は、100μm以上、1000μm以下であることが好ましい。
【0021】
焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差や、第1の外部セラミック層の厚さや、第1及び第2の外部セラミック層の厚さの差や、ビア電極間の距離などを、上記値の範囲に設定することにより、上記効果をより一層高めることができる。
【0022】
本発明の製造方法は、積層セラミックコンデンサを製造するための積層セラミックコンデンサ製造方法であって、
(a)第1の外部セラミック層と第2の外部セラミック層との間に、互いに電気的に絶縁された第1の内部電極と第2の内部電極とを、内部セラミック層を間に介して、複数交互に積層し、前記第1の外部セラミック層の上に複数配置される第1及び第2の端子のうち、前記第1の端子と前記第1の内部電極とを、積層方向に前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第1のビア電極と、前記第2の端子と前記第2の内部電極とを、前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第2のビア電極と、を複数形成して成るセラミック積層体を用意する工程と、
(b)前記セラミック積層体を焼成して、前記積層セラミックコンデンサを得る工程と、
を備え、
前記工程(a)は、
(a−1)前記内部電極及び前記セラミック層として、前記焼成時における前記セラミック層の収縮のタイミングが、前記内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料とセラミック材料を用いて、前記内部電極と前記セラミック層を生成する工程と、
(a−2)前記第2の外部セラミック層の厚さが、前記第1の外部セラミック層の厚さよりも厚くなるように、前記第1及び第2のセラミック層を生成する工程と、
を含むことを要旨とする。
【0023】
本発明においても、第1の外部セラミック層は、端子側の外部セラミック層となり、貫通するビア電極が多数存在する。このため、焼成時におけるビア電極の収縮率を、セラミックス層の収縮率よりも小さくなるように設定したとすると、焼成時において、第1の外部セラミック層の収縮量は、背面側の外部セラミック層である第2のセラミック層の収縮量に比べて、小さくなるため、全体として端子側に凸となるように反る応力が発生する。
【0024】
また、本発明においては、上述したように、内部電極及びセラミック層として、焼成時におけるセラミック層の収縮のタイミングが、内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料とセラミック材料を用いて、内部電極とセラミック層を生成している。従って、前述したのと同様に、焼成時においては、セラミック積層体において、セラミック層の少ない部分では、セラミック層の多い部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなる。また、本発明においては、第2の外部セラミック層の厚さが、第1の外部セラミック層の厚さよりも厚くなるように、第1及び第2のセラミック層を生成している。そのため、セラミック積層体において、端子側の部分はセラミック層の少ない部分となり、背面側の部分はセラミック層の多い部分となる。よって、焼成時には、端子側の部分が、背面側の部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなるため、全体として背面側に凸となるように反る応力が発生することになり、その応力は、前述した端子側に凸となるように反る応力と相殺される。
【0025】
この結果、本発明においては、焼成後において、全体として反りの少ない積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0026】
本発明の積層セラミックコンデンサ製造方法であって、(a−3)前記ビア電極及び前記セラミック層として、前記焼成時における前記ビア電極の収縮率が、前記セラミック層の収縮率よりも小さくなるような電極材料とセラミック材料を用いて、前記ビア電極と前記セラミック層を生成する工程を含むことが好ましい。
【0027】
このような電極材料とセラミック材料を用いて、ビア電極とセラミック層を生成することによって、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得ることができるため、インダクタンスを低減することができる。
【0028】
本発明の積層セラミックコンデンサ製造方法であって、前記焼成時における前記ビア電極の線収縮率と前記セラミック層の線収縮率との差は、0%以上、10%以下であることが好ましい。
【0029】
焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差を、上記値の範囲に設定することにより、上記効果をより一層高めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.積層セラミックコンデンサの構成:
B.積層セラミックコンデンサの製造方法の概略
C.実施例の効果:
D.変形例:
【0031】
A.積層セラミックコンデンサの構成:
図1は本発明の一実施例としてのエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。
【0032】
本実施例における積層セラミックコンデンサ50は、図1に示すように、2つの外部セラミック層52,54の間に、互いにパターンの異なる第1及び第2の内部電極56,58を、内部セラミック層60を間に介して、複数交互に積層して構成されている。
【0033】
図2は図1の積層セラミックコンデンサ50に用いられる第1及び第2の内部電極のパターンを示す説明図である。図2に示すように、第1及び第2の内部電極56,58のパターンとしては、各々の内部電極56,58に、千鳥状に配置された複数の円形窓70が開けられているが、それら円形窓70の配置が第1の内部電極56と第2の内部電極58とで異なっている。
【0034】
図3は図1の積層セラミックコンデンサ50を電極面に沿って切断した場合の断面を示す断面図である。図3において、(a)は第1の内部電極56の面に沿って切断した場合を、(b)は第2の内部電極58の面に沿って切断した場合を、それぞれ示している。
【0035】
図2に示すようなパターンを成す第1及び第2の内部電極56,58を、上記したとおり、交互に積層することによって、それらの電極面に沿った切断面を上方から見た場合に、図3に示すように、上に位置する内部電極に開けられた円形窓70同士の間の中間点に、それぞれ、下に位置する内部電極に開けられた円形窓70が来るように配置されることになる。
【0036】
積層セラミックコンデンサ50には、さらに、図1に示すように、各セラミック層を積層方向に貫くように、第1及び第2のビア電極64,68がそれぞれ複数形成されており、このうち、第1のビア電極64は端子62に電気的に接続され、第2のビア電極68は端子66に電気的に接続されている。
【0037】
また、これら第1及び第2のビア電極64,68は、図3に示すように、第1及び第2の内部電極56,58に開けられた円形窓70の中心部をそれぞれ通るように配置されている。この結果、第1のビア電極64は、図3(a)に示すように、第1の内部電極56を貫くため、第1の内部電極56と電気的に接続されることになるが、図3(b)に示すように、第2の内部電極58とは、第1のビア電極64の周囲に、第2の内部電極58に開けられた円形窓70が来るため、電気的に絶縁されることになる。反対に、第2のビア電極68は、図3(b)に示すように、第2の内部電極58を貫くため、第2の内部電極58と電気的に接続されることになるが、図3(a)に示すように、第1の内部電極56とは、第2のビア電極68の周囲に、第1の内部電極56に開けられた円形窓70が来るため、電気的に絶縁されることになる。
【0038】
従って、図1に示すように、第1のビア電極64は、外側にある端子62と、内部にある複数の第1の内部電極56と、をそれぞれ電気的に接続するが、複数の第2の内部電極58とは電気的に絶縁されることになる。反対に、第2のビア電極68は、外側にある端子66と、内部にある複数の第2の内部電極58と、をそれぞれ電気的に接続することになるが、複数の第1の内部電極56とは電気的に絶縁されることになる。
【0039】
本実施例では、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得るために、焼成時におけるビア電極64,68の収縮率を、セラミックス層52,54,60の収縮率よりも小さくなるように設定している。
【0040】
また、各端子62,66は、図1に示すように、2つの外部セラミック層52,54のうち、外部セラミック層52の側にのみ配置されている。従って、端子側の外部セラミック層52では、端子62,66と内部電極56,58との接続を図るために、第1及び第2のビア電極64,68がそれぞれ貫通しているのに対し、背面側の外部セラミック層54では、何れのビア電極も貫通していない。
【0041】
本実施例において、焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングは、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されていると共に、背面側の外部セラミック層54は、図1に示すように、その厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、構成されている。
【0042】
B.積層セラミックコンデンサの製造方法の概略
以上のような積層セラミックコンデンサ50は、次のような手順にて製造される。
【0043】
まず、何も印刷されていないセラミックグリーンシートの上に、第1の内部電極56のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、その上に、第2の内部電極58のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートを積層する。以下、第1の内部電極56のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートと第2の内部電極58のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層することによって、積層体を生成する。
【0044】
なお、セラミックグリーンシートは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等のキャリアフィルム上に、チタン酸バリウム(BaTiO3)などから成るセラミックスラリを均一に薄く塗布し、乾燥させることによって形成されている。また、内部電極のパターンは、セラミックグリーンシートの表面に、スクリーン印刷などによってAg−Pdなどを印刷することによって形成されている。
【0045】
次に、この積層体に、各内部電極56,58に開けられた円形窓70の中心部を通って貫通するように、レーザによって複数のスルーホールを開け、続いて、それらのスルーホールにAg−Pdなどを含む電極ペーストを充填して第1及び第2のビア電極64,68を形成する。
【0046】
なお、最も近接するビア電極間の距離(ビアピッチ)を100μm以上、1000μm以下に設定している。
【0047】
次に、その積層体の背面側に何も印刷されていないセラミックグリーンシートを積層し、続いて、その積層体をプレスによって圧着する。そして、その積層体に対し、ブレーク用の溝入れを行い、さらに、樹脂分を除去するための脱脂を行う。その後、その積層体を焼成し、ブレーク溝でブレークして、各製品を得る。
【0048】
本実施例においては、ビア電極64,68の電極材料及びセラミックグリーンシートのセラミック材料として、焼成時におけるビア電極の収縮率が、セラミック層の収縮率よりも小さくなるような電極材料及びセラミック材料を用いる。
【0049】
このとき、焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差が、0%以上、10%以下となるような材料をそれぞれ選定する。
【0050】
また、本実施例においては、内部電極56,58の電極材料及びセラミックグリーンシートのセラミック材料として、焼成時におけるセラミック層の収縮のタイミングが、内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料及びセラミック材料を用いる。
【0051】
一般的には、焼成時における内部電極とセラミック層の収縮のタイミングは、反りやデラミネーションが生じないようにするために、互いに一致させている。従って、焼成時における内部電極とセラミック層の収縮のタイミングの不一致は、一般的には好まれざる問題であったが、しかしながら、本実施例においては、このような不一致を積極的に利用して、後述するような効果を得ている。
【0052】
本実施例においては、焼成時において、温度が徐々に上昇してきた場合に、セラミック層52,54,60の方が早く収縮し始め、その後、内部電極56,58が収縮し始めるようになっており、セラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなっている。
【0053】
また、本実施例においては、焼成後において、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、外部セラミック層52,54を構成する部分のセラミックグリーンシートの厚さを予め調整しておく。
【0054】
また、本実施例においては、焼成後において、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、30μm以上、250μm以下となり、背面側の外部セラミック層54の厚さt2と端子側の外部セラミック層52の厚さt1との差が、0μmより大きく、50μm以下となるように、上記セラミックグリーンシートの厚さを予め調整しておく。
【0055】
C.実施例の効果:
本実施例においては、上記したように、焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定すると共に、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、構成することによって、次のような効果を奏し得る。
【0056】
本実施例においても、上述したとおり、各端子22,26は外部セラミック層52の側のみに配置しており、そのため、端子側の外部セラミック層52では、第1及び第2のビア電極64,68がそれぞれ貫通しているのに対し、背面側の外部セラミック層54では、何れのビア電極も貫通していない。
【0057】
また、本実施例においては、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得るために、焼成時におけるビア電極64,68の収縮率を、セラミックス層52,54,60の収縮率よりも小さくなるように設定している。従って、焼成時において、端子側の外部セラミック層52の収縮量は、背面側の外部セラミック層54の収縮量に比べて、小さくなるため、全体として端子側に凸となるように反る応力が発生する。
【0058】
しかしながら、本実施例においては、図4に示した従来の積層セラミックコンデンサ10とは異なり、焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなっている。従って、焼成時には、まず、セラミック層52,54,60が収縮し始めようとするが、まだ、収縮しようとしない内部電極56,58によって、セラミック層52,54,60の積層面方向(図1における左右方向)への収縮がある程度抑制され、積層面方向に比較して積層方向(図1における上下方向)に大きく収縮する。その後、セラミック層52,54,60がある程度収縮すると、内部電極56,58が収縮し始めようとするが、既に収縮したセラミック層52,54,60によって、内部電極56,58は積層面方向において収縮を抑制されてしまう。従って、積層体において、セラミック層の少ない部分では、セラミック層の多い部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなる。
【0059】
また、本実施例においては、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなっている(t2>t1)。従って、積層体において、端子側の部分は、上記したセラミック層の少ない部分となり、背面側の部分は、上記したセラミック層の多い部分となる。よって、積層体を焼成する際において、端子側の部分が、背面側の部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなるため、全体として背面側に凸となるように反る応力が発生することになり、その応力は、前述した端子側に凸となるように反る応力と相殺される。
【0060】
この結果、本実施例においては、焼成後において、全体として反りの少ない積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0061】
なお、本実施例では、焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差を、0%以上、10%以下となるようしたが、上記効果を一層高めるためには、0%以上、5%以下となるようにすることが好ましい。また、焼成後において、背面側の外部セラミック層54の厚さt2を30μm以上、250μm以下となるようにしたが、上記効果を一層高めるためには、50μm以上、200μm以下となるようにすることが好ましく、さらに、50μm以上、150μm以下となるようにすることがより好ましい。また、ビアピッチも、100μm以上、1000μm以下としたが、100μm以上、600μm以下とすることが好ましく、さらに、150μm以上、450μm以下とすることがより好ましい。
【0062】
D.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0063】
上記した実施例では、セラミックグリーンシート、すなわち、セラミック層を構成するセラミック材料として、BaTiO3を主成分とする高誘電体セラミックを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PbTiO3,PbZrO3,TiO2,SrTiO3,CaTiO3,MgTiO3,KNbO3,NaTiO3,KTaO3,RbTaO3,(Na1/2Bi1/2)TiO3,Pb(Mg1/2W1/2)O3,(K1/2Bi1/2)TiO3 などの何れかを成分とするセラミックを用いるようにしてもよい。何れを用いるかは、要求されるコンデンサの静電容量その他に応じて適宜決定すればよい。
【0064】
また、上記した実施例では、内部電極56,58やビア電極64,68を構成する導電材料として、Ag−Pdなどをが用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、Pt,Pd,Ag−Pt,Ag,Cu,Au,Niなどを用いるようにしてもよい。何れの材料を用いるかは、セラミック層の材質等との適合性を考慮して決定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。
【図2】図1の積層セラミックコンデンサ50に用いられる第1及び第2の内部電極のパターンを示す説明図である。
【図3】図1の積層セラミックコンデンサ50を電極面に沿って切断した場合の断面を示す断面図である。
【図4】従来におけるエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
10…積層セラミックコンデンサ
12,14…外部セラミック層
16…第1の内部電極
18…第2の内部電極
20…内部セラミック層
22,26…端子
24…第1のビア電極
28…第2のビア電極
50…積層セラミックコンデンサ
52,54…外部セラミック層
56…第1の内部電極
58…第2の内部電極
60…内部セラミック層
62,66…端子
64…第1のビア電極
68…第2のビア電極
70…円形窓
【発明の属する技術分野】
本発明は、エリアアレイタイプ(ビアアレイタイプ)の積層セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサは、内部構造として、平面状の内部電極をセラミック層を間に介して複数交互に積層して成り、積層方向にセラミック層を貫くビア電極を多数形成し、そのビア電極によって端子と上記の内部電極とを接続する構造を有している。このような構造を有するエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサは、インダクタンスが小さいため、高周波用の電子部品として用いるのに適している。
【0003】
このようなエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサとして、従来においては、例えば、下記の特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−204372号公報
【0005】
図4は従来におけるエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。図4に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、2つの外部セラミック層12,14との間に、互いにパターンの異なる第1及び第2の内部電極16,18を、内部セラミック層20を間に介して、複数交互に積層すると共に、これらセラミック層を積層方向に貫いて、端子22と第1の内部電極16とを電気的に接続する第1のビア電極24と、端子26と第2の内部電極18とを電気的に接続する第2のビア電極28と、を形成することによって、構成されている。しかも、第1のビア電極24を流れる電流の向きと端子26を流れる電流の向きとを異なる向きとしてインダクタンスの低減を図るために、図4に示す積層セラミックコンデンサ10では、各端子22,26をそれぞれ外部セラミック層12の側のみに配置するようにしている。
【0006】
このような積層セラミックコンデンサ10は、セラミック層となるべき複数のセラミックグリーンシートを用意し、特定のセラミックグリーンシート上に内部電極を形成し、これらセラミックグリーンシートを積み重ねてプレスし、ついで切断することによって、個々のコンデンサ本体となるべき寸法の生のチップを得た後、焼成することによって、製造されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサ10では、一般に、ビア電極は、内部電極と、ビア電極の外周わずか数百μmでしか接続していないため、ビア電極と内部電極との接続部がしっかりと接続されていないと、インダクタンスが増大してしまう。しかし、焼成時において、例えば、ビア電極の収縮量が、セラミック層の収縮量よりも大きいと、ビア電極と内部電極との間にクラックが入るなどして、ビア電極と内部電極との接続部で十分な接続性が得られず、インダクタンスの増大をもたらす恐れがあった。従って、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得るためには、焼成時におけるビア電極の収縮率を、セラミックス層の収縮率よりも小さくなるように設定することが望ましい。
【0008】
一方、図4に示す従来の積層セラミックコンデンサ10では、前述したとおり、各端子22,26を外部セラミック層12の側のみに配置しており、外部セラミック層14の側には配置していない。そのため、端子側の外部セラミック層12では、端子22,26と内部電極16,18との接続を図るために、第1及び第2のビア電極24,28がそれぞれ貫通しているのに対し、背面側の外部セラミック層14では、何れのビア電極も貫通していない。
【0009】
従って、図4に示す従来の積層セラミックコンデンサ10において、焼成時におけるビア電極24,28の収縮率を、セラミックス層12,14,20の収縮率よりも小さくなるように設定したとすると、端子側の外部セラミック層12は、貫通するビア電極が多数存在するため、焼成時において、端子側の外部セラミック層12の収縮量は、貫通するビア電極が存在しない背面側の外部セラミック層14の収縮量に比べて、小さくなる。
【0010】
この結果、従来の積層セラミックコンデンサ10では、焼成後において、図4に点線で示すように、全体として端子側に凸となるように反ってしまうという問題があった。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、焼成しても、全体として反ることの少ない積層セラミックコンデンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の積層セラミックコンデンサは、セラミック積層体を焼成して成る積層セラミックコンデンサであって、
前記セラミック積層体は、第1の外部セラミック層と第2の外部セラミック層との間に、互いに電気的に絶縁された第1の内部電極と第2の内部電極とを、内部セラミック層を間に介して、複数交互に積層し、前記第1の外部セラミック層の上に複数配置される第1及び第2の端子のうち、前記第1の端子と前記第1の内部電極とを、積層方向に前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第1のビア電極と、前記第2の端子と前記第2の内部電極とを、前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第2のビア電極と、を複数形成して成り、
前記焼成時における前記セラミック層の収縮のタイミングは、前記内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されていると共に、
前記第2の外部セラミック層の厚さは、前記第1の外部セラミック層の厚さよりも厚いことを要旨とする。
【0013】
本発明においては、第1の外部セラミック層の上に複数の端子が配置されており、第1の外部セラミック層が端子側の外部セラミック層となるため、第1の外部セラミック層は、貫通するビア電極が多数存在する。このため、焼成時におけるビア電極の収縮率を、セラミックス層の収縮率よりも小さくなるように設定したとすると、焼成時において、第1の外部セラミック層の収縮量は、背面側の外部セラミック層である第2のセラミック層の収縮量に比べて、小さくなるため、全体として端子側に凸となるように反る応力が発生する。
【0014】
一方、本発明においては、上述したように、焼成時におけるセラミック層の収縮のタイミングが、内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されている。従って、セラミック積層体を焼成する際には、焼成により、まず、セラミック層が収縮し始めようとするが、まだ、収縮しようとしない内部電極によって、セラミック層の積層面方向への収縮がある程度抑制され、積層面方向に比較して積層方向(厚み方向)に大きく収縮する。その後、セラミック層がある程度収縮すると、内部電極が収縮し始めようとするが、既に収縮したセラミック層によって、内部電極は積層面方向において収縮を抑制されてしまう。従って、セラミック積層体において、セラミック層の少ない部分では、セラミック層の多い部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなる。また、本発明においては、背面側の外部セラミック層である第2の外部セラミック層の厚さが、端子側の外部セラミック層である第1の外部セラミック層の厚さに比較して、厚くなっている。そのため、セラミック積層体において、端子側の部分はセラミック層の少ない部分となり、背面側の部分はセラミック層の多い部分となる。従って、焼成時には、端子側の部分が、背面側の部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなるため、全体として背面側に凸となるように反る応力が発生することになり、その応力は、前述した端子側に凸となるように反る応力と相殺される。
【0015】
この結果、本発明では、焼成後において、全体として反りの少ない積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0016】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記焼成時における前記ビア電極の収縮率は、前記セラミック層の収縮率よりも小さくなるように、設定されていることが好ましい。
【0017】
このように設定されることによって、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得ることができるため、インダクタンスを低減することができる。
【0018】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記焼成時における前記ビア電極の線収縮率と前記セラミック層の線収縮率との差は、0%以上、10%以下に設定されていることが好ましい。
【0019】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記焼成後において、前記第2の外部セラミック層の厚さは、30μm以上、250μm以下であり、前記第2の外部セラミック層の厚さと前記第1の外部セラミック層の厚さとの差は、0μmより大きく、50μm以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の積層セラミックコンデンサであって、前記複数のビア電極のうち、最も近接するビア電極間の距離は、100μm以上、1000μm以下であることが好ましい。
【0021】
焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差や、第1の外部セラミック層の厚さや、第1及び第2の外部セラミック層の厚さの差や、ビア電極間の距離などを、上記値の範囲に設定することにより、上記効果をより一層高めることができる。
【0022】
本発明の製造方法は、積層セラミックコンデンサを製造するための積層セラミックコンデンサ製造方法であって、
(a)第1の外部セラミック層と第2の外部セラミック層との間に、互いに電気的に絶縁された第1の内部電極と第2の内部電極とを、内部セラミック層を間に介して、複数交互に積層し、前記第1の外部セラミック層の上に複数配置される第1及び第2の端子のうち、前記第1の端子と前記第1の内部電極とを、積層方向に前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第1のビア電極と、前記第2の端子と前記第2の内部電極とを、前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第2のビア電極と、を複数形成して成るセラミック積層体を用意する工程と、
(b)前記セラミック積層体を焼成して、前記積層セラミックコンデンサを得る工程と、
を備え、
前記工程(a)は、
(a−1)前記内部電極及び前記セラミック層として、前記焼成時における前記セラミック層の収縮のタイミングが、前記内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料とセラミック材料を用いて、前記内部電極と前記セラミック層を生成する工程と、
(a−2)前記第2の外部セラミック層の厚さが、前記第1の外部セラミック層の厚さよりも厚くなるように、前記第1及び第2のセラミック層を生成する工程と、
を含むことを要旨とする。
【0023】
本発明においても、第1の外部セラミック層は、端子側の外部セラミック層となり、貫通するビア電極が多数存在する。このため、焼成時におけるビア電極の収縮率を、セラミックス層の収縮率よりも小さくなるように設定したとすると、焼成時において、第1の外部セラミック層の収縮量は、背面側の外部セラミック層である第2のセラミック層の収縮量に比べて、小さくなるため、全体として端子側に凸となるように反る応力が発生する。
【0024】
また、本発明においては、上述したように、内部電極及びセラミック層として、焼成時におけるセラミック層の収縮のタイミングが、内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料とセラミック材料を用いて、内部電極とセラミック層を生成している。従って、前述したのと同様に、焼成時においては、セラミック積層体において、セラミック層の少ない部分では、セラミック層の多い部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなる。また、本発明においては、第2の外部セラミック層の厚さが、第1の外部セラミック層の厚さよりも厚くなるように、第1及び第2のセラミック層を生成している。そのため、セラミック積層体において、端子側の部分はセラミック層の少ない部分となり、背面側の部分はセラミック層の多い部分となる。よって、焼成時には、端子側の部分が、背面側の部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなるため、全体として背面側に凸となるように反る応力が発生することになり、その応力は、前述した端子側に凸となるように反る応力と相殺される。
【0025】
この結果、本発明においては、焼成後において、全体として反りの少ない積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0026】
本発明の積層セラミックコンデンサ製造方法であって、(a−3)前記ビア電極及び前記セラミック層として、前記焼成時における前記ビア電極の収縮率が、前記セラミック層の収縮率よりも小さくなるような電極材料とセラミック材料を用いて、前記ビア電極と前記セラミック層を生成する工程を含むことが好ましい。
【0027】
このような電極材料とセラミック材料を用いて、ビア電極とセラミック層を生成することによって、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得ることができるため、インダクタンスを低減することができる。
【0028】
本発明の積層セラミックコンデンサ製造方法であって、前記焼成時における前記ビア電極の線収縮率と前記セラミック層の線収縮率との差は、0%以上、10%以下であることが好ましい。
【0029】
焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差を、上記値の範囲に設定することにより、上記効果をより一層高めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.積層セラミックコンデンサの構成:
B.積層セラミックコンデンサの製造方法の概略
C.実施例の効果:
D.変形例:
【0031】
A.積層セラミックコンデンサの構成:
図1は本発明の一実施例としてのエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。
【0032】
本実施例における積層セラミックコンデンサ50は、図1に示すように、2つの外部セラミック層52,54の間に、互いにパターンの異なる第1及び第2の内部電極56,58を、内部セラミック層60を間に介して、複数交互に積層して構成されている。
【0033】
図2は図1の積層セラミックコンデンサ50に用いられる第1及び第2の内部電極のパターンを示す説明図である。図2に示すように、第1及び第2の内部電極56,58のパターンとしては、各々の内部電極56,58に、千鳥状に配置された複数の円形窓70が開けられているが、それら円形窓70の配置が第1の内部電極56と第2の内部電極58とで異なっている。
【0034】
図3は図1の積層セラミックコンデンサ50を電極面に沿って切断した場合の断面を示す断面図である。図3において、(a)は第1の内部電極56の面に沿って切断した場合を、(b)は第2の内部電極58の面に沿って切断した場合を、それぞれ示している。
【0035】
図2に示すようなパターンを成す第1及び第2の内部電極56,58を、上記したとおり、交互に積層することによって、それらの電極面に沿った切断面を上方から見た場合に、図3に示すように、上に位置する内部電極に開けられた円形窓70同士の間の中間点に、それぞれ、下に位置する内部電極に開けられた円形窓70が来るように配置されることになる。
【0036】
積層セラミックコンデンサ50には、さらに、図1に示すように、各セラミック層を積層方向に貫くように、第1及び第2のビア電極64,68がそれぞれ複数形成されており、このうち、第1のビア電極64は端子62に電気的に接続され、第2のビア電極68は端子66に電気的に接続されている。
【0037】
また、これら第1及び第2のビア電極64,68は、図3に示すように、第1及び第2の内部電極56,58に開けられた円形窓70の中心部をそれぞれ通るように配置されている。この結果、第1のビア電極64は、図3(a)に示すように、第1の内部電極56を貫くため、第1の内部電極56と電気的に接続されることになるが、図3(b)に示すように、第2の内部電極58とは、第1のビア電極64の周囲に、第2の内部電極58に開けられた円形窓70が来るため、電気的に絶縁されることになる。反対に、第2のビア電極68は、図3(b)に示すように、第2の内部電極58を貫くため、第2の内部電極58と電気的に接続されることになるが、図3(a)に示すように、第1の内部電極56とは、第2のビア電極68の周囲に、第1の内部電極56に開けられた円形窓70が来るため、電気的に絶縁されることになる。
【0038】
従って、図1に示すように、第1のビア電極64は、外側にある端子62と、内部にある複数の第1の内部電極56と、をそれぞれ電気的に接続するが、複数の第2の内部電極58とは電気的に絶縁されることになる。反対に、第2のビア電極68は、外側にある端子66と、内部にある複数の第2の内部電極58と、をそれぞれ電気的に接続することになるが、複数の第1の内部電極56とは電気的に絶縁されることになる。
【0039】
本実施例では、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得るために、焼成時におけるビア電極64,68の収縮率を、セラミックス層52,54,60の収縮率よりも小さくなるように設定している。
【0040】
また、各端子62,66は、図1に示すように、2つの外部セラミック層52,54のうち、外部セラミック層52の側にのみ配置されている。従って、端子側の外部セラミック層52では、端子62,66と内部電極56,58との接続を図るために、第1及び第2のビア電極64,68がそれぞれ貫通しているのに対し、背面側の外部セラミック層54では、何れのビア電極も貫通していない。
【0041】
本実施例において、焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングは、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されていると共に、背面側の外部セラミック層54は、図1に示すように、その厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、構成されている。
【0042】
B.積層セラミックコンデンサの製造方法の概略
以上のような積層セラミックコンデンサ50は、次のような手順にて製造される。
【0043】
まず、何も印刷されていないセラミックグリーンシートの上に、第1の内部電極56のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、その上に、第2の内部電極58のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートを積層する。以下、第1の内部電極56のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートと第2の内部電極58のパターンの印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層することによって、積層体を生成する。
【0044】
なお、セラミックグリーンシートは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等のキャリアフィルム上に、チタン酸バリウム(BaTiO3)などから成るセラミックスラリを均一に薄く塗布し、乾燥させることによって形成されている。また、内部電極のパターンは、セラミックグリーンシートの表面に、スクリーン印刷などによってAg−Pdなどを印刷することによって形成されている。
【0045】
次に、この積層体に、各内部電極56,58に開けられた円形窓70の中心部を通って貫通するように、レーザによって複数のスルーホールを開け、続いて、それらのスルーホールにAg−Pdなどを含む電極ペーストを充填して第1及び第2のビア電極64,68を形成する。
【0046】
なお、最も近接するビア電極間の距離(ビアピッチ)を100μm以上、1000μm以下に設定している。
【0047】
次に、その積層体の背面側に何も印刷されていないセラミックグリーンシートを積層し、続いて、その積層体をプレスによって圧着する。そして、その積層体に対し、ブレーク用の溝入れを行い、さらに、樹脂分を除去するための脱脂を行う。その後、その積層体を焼成し、ブレーク溝でブレークして、各製品を得る。
【0048】
本実施例においては、ビア電極64,68の電極材料及びセラミックグリーンシートのセラミック材料として、焼成時におけるビア電極の収縮率が、セラミック層の収縮率よりも小さくなるような電極材料及びセラミック材料を用いる。
【0049】
このとき、焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差が、0%以上、10%以下となるような材料をそれぞれ選定する。
【0050】
また、本実施例においては、内部電極56,58の電極材料及びセラミックグリーンシートのセラミック材料として、焼成時におけるセラミック層の収縮のタイミングが、内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料及びセラミック材料を用いる。
【0051】
一般的には、焼成時における内部電極とセラミック層の収縮のタイミングは、反りやデラミネーションが生じないようにするために、互いに一致させている。従って、焼成時における内部電極とセラミック層の収縮のタイミングの不一致は、一般的には好まれざる問題であったが、しかしながら、本実施例においては、このような不一致を積極的に利用して、後述するような効果を得ている。
【0052】
本実施例においては、焼成時において、温度が徐々に上昇してきた場合に、セラミック層52,54,60の方が早く収縮し始め、その後、内部電極56,58が収縮し始めるようになっており、セラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなっている。
【0053】
また、本実施例においては、焼成後において、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、外部セラミック層52,54を構成する部分のセラミックグリーンシートの厚さを予め調整しておく。
【0054】
また、本実施例においては、焼成後において、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、30μm以上、250μm以下となり、背面側の外部セラミック層54の厚さt2と端子側の外部セラミック層52の厚さt1との差が、0μmより大きく、50μm以下となるように、上記セラミックグリーンシートの厚さを予め調整しておく。
【0055】
C.実施例の効果:
本実施例においては、上記したように、焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定すると共に、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなる(t2>t1)ように、構成することによって、次のような効果を奏し得る。
【0056】
本実施例においても、上述したとおり、各端子22,26は外部セラミック層52の側のみに配置しており、そのため、端子側の外部セラミック層52では、第1及び第2のビア電極64,68がそれぞれ貫通しているのに対し、背面側の外部セラミック層54では、何れのビア電極も貫通していない。
【0057】
また、本実施例においては、ビア電極と内部電極との間の接続部において、十分な接続性を得るために、焼成時におけるビア電極64,68の収縮率を、セラミックス層52,54,60の収縮率よりも小さくなるように設定している。従って、焼成時において、端子側の外部セラミック層52の収縮量は、背面側の外部セラミック層54の収縮量に比べて、小さくなるため、全体として端子側に凸となるように反る応力が発生する。
【0058】
しかしながら、本実施例においては、図4に示した従来の積層セラミックコンデンサ10とは異なり、焼成時におけるセラミック層52,54,60の収縮のタイミングが、内部電極56,58の収縮のタイミングよりも早くなっている。従って、焼成時には、まず、セラミック層52,54,60が収縮し始めようとするが、まだ、収縮しようとしない内部電極56,58によって、セラミック層52,54,60の積層面方向(図1における左右方向)への収縮がある程度抑制され、積層面方向に比較して積層方向(図1における上下方向)に大きく収縮する。その後、セラミック層52,54,60がある程度収縮すると、内部電極56,58が収縮し始めようとするが、既に収縮したセラミック層52,54,60によって、内部電極56,58は積層面方向において収縮を抑制されてしまう。従って、積層体において、セラミック層の少ない部分では、セラミック層の多い部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなる。
【0059】
また、本実施例においては、背面側の外部セラミック層54の厚さt2が、端子側の外部セラミック層52の厚さt1よりも厚くなっている(t2>t1)。従って、積層体において、端子側の部分は、上記したセラミック層の少ない部分となり、背面側の部分は、上記したセラミック層の多い部分となる。よって、積層体を焼成する際において、端子側の部分が、背面側の部分に比較して、積層面方向の収縮量が大きくなるため、全体として背面側に凸となるように反る応力が発生することになり、その応力は、前述した端子側に凸となるように反る応力と相殺される。
【0060】
この結果、本実施例においては、焼成後において、全体として反りの少ない積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0061】
なお、本実施例では、焼成時におけるビア電極の線収縮率とセラミック層の線収縮率との差を、0%以上、10%以下となるようしたが、上記効果を一層高めるためには、0%以上、5%以下となるようにすることが好ましい。また、焼成後において、背面側の外部セラミック層54の厚さt2を30μm以上、250μm以下となるようにしたが、上記効果を一層高めるためには、50μm以上、200μm以下となるようにすることが好ましく、さらに、50μm以上、150μm以下となるようにすることがより好ましい。また、ビアピッチも、100μm以上、1000μm以下としたが、100μm以上、600μm以下とすることが好ましく、さらに、150μm以上、450μm以下とすることがより好ましい。
【0062】
D.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0063】
上記した実施例では、セラミックグリーンシート、すなわち、セラミック層を構成するセラミック材料として、BaTiO3を主成分とする高誘電体セラミックを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PbTiO3,PbZrO3,TiO2,SrTiO3,CaTiO3,MgTiO3,KNbO3,NaTiO3,KTaO3,RbTaO3,(Na1/2Bi1/2)TiO3,Pb(Mg1/2W1/2)O3,(K1/2Bi1/2)TiO3 などの何れかを成分とするセラミックを用いるようにしてもよい。何れを用いるかは、要求されるコンデンサの静電容量その他に応じて適宜決定すればよい。
【0064】
また、上記した実施例では、内部電極56,58やビア電極64,68を構成する導電材料として、Ag−Pdなどをが用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、Pt,Pd,Ag−Pt,Ag,Cu,Au,Niなどを用いるようにしてもよい。何れの材料を用いるかは、セラミック層の材質等との適合性を考慮して決定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。
【図2】図1の積層セラミックコンデンサ50に用いられる第1及び第2の内部電極のパターンを示す説明図である。
【図3】図1の積層セラミックコンデンサ50を電極面に沿って切断した場合の断面を示す断面図である。
【図4】従来におけるエリアアレイタイプの積層セラミックコンデンサを積層方向に切断した場合の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
10…積層セラミックコンデンサ
12,14…外部セラミック層
16…第1の内部電極
18…第2の内部電極
20…内部セラミック層
22,26…端子
24…第1のビア電極
28…第2のビア電極
50…積層セラミックコンデンサ
52,54…外部セラミック層
56…第1の内部電極
58…第2の内部電極
60…内部セラミック層
62,66…端子
64…第1のビア電極
68…第2のビア電極
70…円形窓
Claims (8)
- セラミック積層体を焼成して成る積層セラミックコンデンサであって、
前記セラミック積層体は、第1の外部セラミック層と第2の外部セラミック層との間に、互いに電気的に絶縁された第1の内部電極と第2の内部電極とを、内部セラミック層を間に介して、複数交互に積層し、前記第1の外部セラミック層の上に複数配置される第1及び第2の端子のうち、前記第1の端子と前記第1の内部電極とを、積層方向に前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第1のビア電極と、前記第2の端子と前記第2の内部電極とを、前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第2のビア電極と、を複数形成して成り、
前記焼成時における前記セラミック層の収縮のタイミングは、前記内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるように、設定されていると共に、
前記第2の外部セラミック層の厚さは、前記第1の外部セラミック層の厚さよりも厚いことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 請求項1に記載の積層セラミックコンデンサであって、
前記焼成時における前記ビア電極の収縮率は、前記セラミック層の収縮率よりも小さくなるように、設定されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 請求項2に記載の積層セラミックコンデンサであって、
前記焼成時における前記ビア電極の線収縮率と前記セラミック層の線収縮率との差は、0%以上、10%以下に設定されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 請求項1ないし請求項3のうちの任意の1つに記載の積層セラミックコンデンサであって、
前記焼成後において、前記第2の外部セラミック層の厚さは、30μm以上、250μm以下であり、前記第2の外部セラミック層の厚さと前記第1の外部セラミック層の厚さとの差は、0μmより大きく、50μm以下であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 請求項4に記載の積層セラミックコンデンサであって、
前記複数のビア電極のうち、最も近接するビア電極間の距離は、100μm以上、1000μm以下であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 積層セラミックコンデンサを製造するための積層セラミックコンデンサ製造方法であって、
(a)第1の外部セラミック層と第2の外部セラミック層との間に、互いに電気的に絶縁された第1の内部電極と第2の内部電極とを、内部セラミック層を間に介して、複数交互に積層し、前記第1の外部セラミック層の上に複数配置される第1及び第2の端子のうち、前記第1の端子と前記第1の内部電極とを、積層方向に前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第1のビア電極と、前記第2の端子と前記第2の内部電極とを、前記第1の外部セラミック層及び内部セラミック層を貫いて電気的に接続する第2のビア電極と、を複数形成して成るセラミック積層体を用意する工程と、
(b)前記セラミック積層体を焼成して、前記積層セラミックコンデンサを得る工程と、
を備え、
前記工程(a)は、
(a−1)前記内部電極及び前記セラミック層として、前記焼成時における前記セラミック層の収縮のタイミングが、前記内部電極の収縮のタイミングよりも早くなるような電極材料とセラミック材料を用いて、前記内部電極と前記セラミック層を生成する工程と、
(a−2)前記第2の外部セラミック層の厚さが、前記第1の外部セラミック層の厚さよりも厚くなるように、前記第1及び第2のセラミック層を生成する工程と、
を含むことを特徴とする積層セラミックコンデンサ製造方法。 - 請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法であって、
(a−3)前記ビア電極及び前記セラミック層として、前記焼成時における前記ビア電極の収縮率が、前記セラミック層の収縮率よりも小さくなるような電極材料とセラミック材料を用いて、前記ビア電極と前記セラミック層を生成する工程、
を含む積層セラミックコンデンサ製造方法。 - 請求項7に記載の積層セラミックコンデンサ製造方法であって、
前記焼成時における前記ビア電極の線収縮率と前記セラミック層の線収縮率との差は、0%以上、10%以下であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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---|---|---|---|
JP2002317137A JP2004153043A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006135333A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 積層型キャパシターアレイ及びその配線接続構造 |
US7345246B2 (en) | 2005-02-09 | 2008-03-18 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Wiring board and capacitor to be built into wiring board |
US9330849B2 (en) | 2014-02-21 | 2016-05-03 | Apple Inc. | Non-uniform dielectric layer capacitor for vibration and acoustics improvement |
WO2024009899A1 (ja) * | 2022-07-04 | 2024-01-11 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317137A patent/JP2004153043A/ja active Pending
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