JP2004152898A - パターン形成方法、マスクセット、及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスクの欠陥を補償して基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能なパターン形成方法を提供する。
【解決手段】このパターン形成方法は、マスク10を介して露光することにより、基板12上に所望パターンを形成するパターン形成方法である。この方法は、マスク10の欠陥Dを含む一部領域を遮光した状態で、マスク10を介して基板12に対して露光を行う第1の露光工程と、第1の露光工程において遮光された一部領域に対応する基板12上の領域に、直接露光により描画を行う第2の露光工程と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】このパターン形成方法は、マスク10を介して露光することにより、基板12上に所望パターンを形成するパターン形成方法である。この方法は、マスク10の欠陥Dを含む一部領域を遮光した状態で、マスク10を介して基板12に対して露光を行う第1の露光工程と、第1の露光工程において遮光された一部領域に対応する基板12上の領域に、直接露光により描画を行う第2の露光工程と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィ技術を用いて基板上に所定のパターンを形成するパターン形成方法、それに用いるマスクセット及び露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造におけるリソグラフィにおいては、可視光線、紫外線、極端紫外線などの光線や電子線などを、所定パターンを有するマスクを介して照射し、シリコン基板上に所望の回路パターンを形成する。回路パターンを形成する際に要求される最小寸法は、2,3年毎に約70%の比率で縮小しつつあり、近年においては0.1ミクロン以下に迫ろうとしている。このような加工要求の高度化に伴い、リソグラフィに用いるマスク構造も変化し、伝統的に用いられてきたクロム遮光体マスクに変わって、位相シフトマスクやステンシルマスク、あるいはメンブレンマスクが用いられてきている。
【0003】
しかしながら、このような新規構造のマスクはその製造工程が複雑になり、欠陥が生じるおそれが大きく、しかもその修正が非常に難しいため、マスクの製造歩留まりの低下が懸念される。図22は、マスク上の修復不可能な致命的欠陥密度と歩留まりとの関係を示すグラフである。図22に示すように、例えば致命的欠陥密度を2個と仮定したとき、偶然に完全良品のマスクが得られる確率は13%程度に過ぎない。従って、このときは平均して8枚程度のマスク製作を繰り返す必要がある。また、例えば致命的欠陥密度を10個と仮定したとき、偶然に完全良品のマスクが得られる確率は0.01%以下であり、良品のマスクを得ることは事実上不可能である。
【0004】
そこで、従来より、欠陥を有するマスクについてその欠陥を補償し、マスクの有効利用を図る技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、本来のレジスト膜としての下層レジスト膜の上に、マスクの欠陥を補償するための上層レジスト膜を設け、上層レジスト膜にマスクの欠陥を補償するためのパターンを形成した後、実際にそのマスクを介して下層レジスト膜に所望のパターンを形成する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、同一パターンを形成するために用意された複数のマスクを用いて多重露光を行い、各マスクに生じた欠陥の影響を希釈化する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献3及び4には、第1のマスクの欠陥部分を含む領域の上を遮光膜で覆うと共に、相補的な第2のマスクを作成し、双方のマスクの多重露光によって、完全なパターンを形成する技術が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献5には、マスキングブレードと呼ばれる遮光手段により欠陥部分のパターン転写を防止する技術が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−13290号公報
【特許文献2】
特開2002−141275号公報
【特許文献3】
特開平10−207040号公報
【特許文献4】
特開2000−221662号公報
【特許文献5】
特開2002−184669号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の技術では、パターンの形成工程が非常に複雑になり、また上層レジスト膜と下層レジスト膜との間のミキシングに伴う現像残りやピンホールなど新たな欠陥を誘発するおそれがあり、パターン形成の信頼性が低いという問題があった。
【0010】
また、上記した特許文献2に開示の多重露光を利用した技術では、欠陥部分のパターンの不完全性は多重露光を行うマスクの枚数に反比例するため、無欠陥のパターンを得るには露光時間とマスク枚数が限りなく増大するという問題があった。
【0011】
また、上記した特許文献3及び4に開示の技術では、第1のマスクの遮光領域と第2のマスクの遮光領域の合わせ目が厳密に相補的でないと、その境界領域のパターンに不良が生じるおそれがあるという問題があった。
【0012】
さらに、上記した特許文献5に開示の技術では、第1の露光時と第2の露光時とでマスキングブレードが厳密にアライメントされて相補的でないと、境界領域のパターンが不完全になるおそれがあるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、マスクの欠陥を補償して基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能なパターン形成方法、それに用いるマスクセット及び露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパターン形成方法は、マスクを介して露光することにより、基板上に所望パターンを形成するパターン形成方法であって、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光した状態で、マスクを介して基板に対して露光を行う第1の露光工程と、第1の露光工程において遮光された一部領域に対応する基板上の領域に、直接露光により描画を行う第2の露光工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
この方法によれば、第1の露光工程において、マスクの欠陥を含む一部領域以外の遮光されていない領域により、その一部領域に対応する基板上の領域を除いてパターンが形成される。そして、第2の露光工程において、基板上の未露光の領域に、マスクを介することなく直接露光によりパターンが描画されて形成される。このように、欠陥を含まない領域はマスクを用いて露光し、欠陥を含む領域は直接露光によりパターンを描画することにより、マスクの欠陥を補償して、基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。
【0016】
本発明に係るパターン形成方法は、マスクを介して露光することにより、基板上に所望パターンを形成するパターン形成方法であって、実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないマスクセットを用意し、マスクセットの各マスクを介して基板に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、マスクセットに含まれる複数のマスクで、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないため、各マスクを介して基板に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことで、マスクの欠陥を補償して、基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。
【0018】
本発明に係るマスクセットは、露光により基板上に所望パターンを形成するための複数のマスクからなるマスクセットであって、複数のマスクの各々には実質的に同一のパターンが形成されており、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないことを特徴とする。
【0019】
このとき、複数のマスクの各々は、パターンとして密度の低い疎な領域と、疎な領域よりも密度の高い密な領域とを有し、複数のブロックの境界は疎な領域に含まれることを特徴としてもよい。このようにすれば、多重露光を行う複数のマスクでブロックの合わせずれに伴うパターン劣化の影響を低減することができる。
【0020】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、マスクを保持する第1の保持部と、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光するための遮光パターンが形成された遮光用マスクを保持する第2の保持部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この露光装置では、パターン形成のためのマスクを保持する第1の保持部の他に、遮光用マスクを保持する第2の保持部を備えているため、この第2の保持部に保持された遮光用マスクの遮光パターンにより第1の保持部に保持されたマスクの欠陥を含む一部領域を遮光した状態で露光することができる。
【0022】
このとき、第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクと近接した状態で、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよく、あるいは第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクにより形成されるパターンの像面において、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよい。
【0023】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、露光ビームを出射する光源部と、露光ビームによるマスク上の走査時において、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光するように、ブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。このように、露光ビームによりマスク上を走査して露光を行う露光装置においては、制御部によりブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御することにより、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光することができる。
【0024】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、複数のマスクのいずれかを保持する第1の保持部と、複数のマスクの各々に対応して設けられた、各マスクの所定のブロックを遮光するための遮光パターンが形成された複数の遮光用マスクのいずれかを保持する第2の保持部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
この露光装置では、パターン形成のための複数のマスクのいずれかを保持する第1の保持部の他に、複数の遮光用マスクのいずれかを保持する第2の保持部を備えているため、この第2の保持部に保持された遮光用マスクの遮光パターンにより第1の保持部に保持されたマスクの所定のブロックを遮光した状態で露光することができる。
【0026】
このとき、第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクと近接した状態で、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよく、あるいは第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクにより形成されるパターンの像面において、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよい。
【0027】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、露光ビームを出射する光源部と、露光ビームによる複数のマスクの各々の走査時において、各マスクの所定のブロックを遮光するように、ブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。このように、露光ビームによりマスク上を走査して露光を行う露光装置においては、制御部によりブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御することにより、所定のブロックを遮光することができる。
【0028】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、上記したパターン形成方法を用いることを特徴とする。このように、上記したパターン形成方法を用いることで、信頼性の高い回路パターンを有する半導体集積回路装置を効率的に製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0030】
本発明の具体的な実施形態について説明する前に、まず本発明に係るパターン形成方法の原理について説明する。
【0031】
本発明に係るパターン形成方法は、リソグラフィ技術を用い、マスクを介して露光ビームを基板上に照射することで、基板上に所定のパターンを形成する。リソグラフィ技術に用いられるマスク構造は、前述したように、加工要求の高度化に伴って変化し、伝統的に用いられてきたクロム遮光体マスクに変わって、位相シフトマスクやステンシルマスク、あるいはメンブレンマスクが用いられてきている。しかしながら、このような新規構造のマスクはその製造工程が複雑になり、欠陥が生じるおそれが大きく、しかもその修正が非常に難しいため、マスクの製造歩留まりの低下が懸念される。ここで、欠陥とは、マスクパターンの余剰や欠け、異物の存在等、露光ビームの強度や位相に変調をきたすものをいう。そこで、本発明は、欠陥を有するマスクについてその欠陥を補償し、マスクの有効利用を図るものである。
【0032】
そのための手段として、本明細書においては大別して2つの手法を提案する。一つ目の手法は、第1の露光工程と第2の露光工程とを備えている。図1に示すような欠陥Dを有するマスク10があるとき、このマスク10の欠陥Dを補償するため、第1の露光工程では、図2において斜線で示すように、マスク10の欠陥Dを含む一部領域Sを遮光した状態で、マスク10を介して基板12に対して露光を行う。図3は、第1の露光工程により、マスク10を介して基板12上に同一のパターンを縮小転写してなる複数のチップ領域14を示す図である。また図4は、図3に示す複数のチップ領域14のうち一のチップ領域の露光状態を示す図である。図4において、第1の露光工程で露光された領域を斜線で示し、未露光の領域を空白で示す。図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光工程において遮光されたマスク10の一部領域Sに対応する領域を除いて、全て露光される。そして、第1の露光工程で未露光の領域に対しては、第2の露光工程においてマスク10を介することなく直接露光により描画が行われる。
【0033】
この一つ目の手法によれば、欠陥Dを含まない領域のパターンはマスク10を用いて露光して転写し、欠陥Dを含む領域のパターンは直接露光により描画することにより、マスク10の欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。なお、第1の露光工程で、マスク10の欠陥Dを含む一部領域Sを遮光する方法には様々な方法があり、それぞれ異なる遮光方法を利用した3通りのパターン形成方法について、以下に説明する第1〜第3実施形態において具体的に説明する。
【0034】
また二つ目の手法では、実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないマスクセットを用意する。このようなマスクセット20として、例えば図5(a)及び図5(b)に示すものが挙げられる。これらのマスク22,24を介し基板12に対して順次露光を行うのであるが、各マスク22,24を介して順次露光を行うときに、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックSを遮光した状態で露光を行う。
【0035】
まず、図5(a)に示す1枚目のマスク22を介し基板12に対して露光するときは、図6(a)において斜線で示すように、マスク22の欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で行う。これにより、図3及び図4に示したのと同様に、基板12上の各チップ領域14には、遮光されたマスク22のブロックSに対応する領域を除いて全て露光が行われる。次に、一つ目の手法では、未露光の領域に、マスクを介することなく直接露光により描画を行っていたが、二つ目の手法では、直接描画を行うことなく、マスクセットの残りのマスクを利用して順次露光を行う。すなわち、露光のためのマスクを図5(a)に示すマスク22から図5(b)に示すマスク24に交換する。そして、図6(b)に示すように、斜線で示すブロックSを遮光した状態で、露光を行う。図6(b)に示すように、2枚目のマスク24を利用して露光を行う際には、欠陥Dを含むブロック、及び既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光する。
【0036】
なお、図5及び図6では、2枚のマスク22,24からなるマスクセット20を用いる場合について説明したが、マスクセットは3枚以上により構成されることもある。図7及び図8は、3枚のマスクからマスクセット30が構成される場合について示している。図7(a)及び図7(b)に示すように、1枚目のマスク32と2枚目のマスク34とで欠陥Dを含むブロックS1が一つ重なるが、3枚目のマスク36にはそのブロックS1に対応するブロックに欠陥Dが存在しない。このように、2枚のマスク32,34で欠陥Dを有するブロックが重なり合う場合には、3枚目のマスク36を利用してその欠陥Dを補償する。これにより、このマスクセット30では、各マスク32,34,36上の領域を区画してなる複数のブロックSのうち、欠陥Dを含むブロックSが全てのマスクについては重なり合うことがない。
【0037】
このマスクセット30を用いて露光を行うに際しても、まず、図7(a)に示す1枚目のマスク32を介し基板12に対して露光するときは、図8(a)に示すように、欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で行う。これにより、図3及び図4に示したのと同様に、基板12上の各チップ領域14には、遮光されたマスク32のブロックSに対応する領域を除いて露光が行われる。次に、露光のためのマスクを1枚目のマスク32から図7(b)に示す2枚目のマスク34に交換する。そして、図8(b)に示すように、斜線で示すブロックを遮光した状態で、露光を行う。図8(b)に示すように、2枚目のマスク34を利用して露光を行う際には、欠陥Dを含むブロック、及び既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光する。従って、この状態では、1枚目のマスク32と2枚目のマスク34とで重なり合う欠陥Dを含むブロックS1に対応する基板12上の領域は、未露光でパターンが形成されていない。そこで、露光のためのマスクを2枚目のマスク34から図7(c)に示す3枚目のマスク36に交換し、図8(c)に示すように、斜線で示すブロックを遮光した状態で、露光を行う。図8(c)に示すように、3枚目のマスク36を利用して露光を行う際にも、欠陥Dを含むブロック、及び既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光する。これにより、未露光であった基板12上の領域が露光され、完全なパターンが形成される。
【0038】
この二つ目の手法によれば、マスクセット20,30に含まれる複数のマスクで、欠陥Dを含むブロックSが全てのマスクについては重なり合うことがないため、各マスクを介して基板12に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことで、マスクの欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。
【0039】
なお、このようなマスクセット20,30の各マスクを介して露光を行うときに、マスクの欠陥Dを含むブロックを遮光する方法には様々な方法があり、それぞれ異なる遮光方法を利用した3通りのパターン形成方法について、以下に説明する第4〜第6実施形態において具体的に説明する。
【0040】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るパターン形成方法について説明する。図9は、本実施形態に係るパターン形成方法を実施するための露光装置を模式的に示す図である。
【0041】
図9に示すように、露光装置40は光源部42、ステージ44、保持部46、及び制御部48を備えている。光源部42は、リソグラフィに必要な露光ビームを出射する。露光ビームとしては、例えば可視光線、紫外線、極端紫外線などの光線や電子線、X線などが挙げられる。このように、露光ビームとしては電子線やX線を用いることがあるため、これら露光ビームを遮蔽することを広く「遮光」ということにする。ステージ44は、パターン形成のためのレジストが塗布された基板12を位置決めして保持する。保持部46は、光源部42とステージ44の間に設けられており、所望のパターンが形成されたマスク10を保持する。制御部48は、光源部42からの露光ビームの出射を制御する。また制御部48は、ステージ44及び保持部46の位置を制御する。
【0042】
次に、かかる構成の露光装置40を用いたパターン形成方法について説明する。
【0043】
図1に示すような欠陥Dを有するマスク10を用いて露光を行う際には、図10に示すように、まず欠陥Dを含む一部領域(ブロックSともいう)上を、直接遮光膜50で覆う。遮光膜50としては、クロム膜、カーボン膜等が挙げられるが、露光ビームとして電子線を使用するときにはSi,SiN,W膜等、X線を使用するときにはAu,Ta膜等を設けると好ましい。
【0044】
このように欠陥Dを含むブロックSに遮光膜50を堆積したマスク10を、図9に示す露光装置40の保持部46に保持させて、第1の露光を行う(第1の露光工程)。第1の露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。この第1の露光では、マスク10の欠陥Dを含むブロックSが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク10のブロックSに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0045】
次に、図11に示すように、露光装置40の保持部46からマスク10を取り除き、第1の露光で未露光の領域に対して直接露光により描画して第2の露光を行う(第2の露光工程)。この第2の露光では、露光ビームとして直接描画の可能な電子ビームが好適である。なお、第1の露光と第2の露光とにおけるドーズ量は、同一時間で最適現像パターンを実現するように調節する。
【0046】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0047】
なお、本実施形態に係るパターン形成方法では、第1の露光工程では紫外線を用いて露光し、第2の露光工程では電子線を用いて露光を行うというように、第1及び第2の露光工程で異なる露光ビームを利用することがあるため、露光装置40の光源部42が露光ビームを切り替えて出射することができない構成であるときは、第1の露光工程と第2の露光工程とで別体の装置を用いて露光を行うようにしてもよい。
【0048】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るパターン形成方法について説明する。図12は、本実施形態に係るパターン形成方法を実施するための露光装置を模式的に示す図である。
【0049】
図12に示すように、露光装置60は光源部42、ステージ44、第1の保持部62、第2の保持部64、及び制御部48を備えている。光源部42、ステージ44、及び制御部48は、第1実施形態で説明した露光装置40と同様である。第1及び第2の保持部62,64は、光源部42とステージ44の間に設けられており、所望のパターンが形成されたマスクを近接した状態でそれぞれ保持する。これら第1及び第2の保持部62,64は、制御部48により位置が制御される。
【0050】
次に、かかる構成の露光装置60を用いたパターン形成方法について説明する。
【0051】
図1に示すような欠陥Dを有するマスク10を用いて露光を行う際には、図13に示すように、露光用のマスク10とは別に、新たに遮光用のパターンが形成された遮光用マスク66を用意する。この遮光用マスク66では、露光用のマスク10の欠陥Dを含む一部領域(ブロックともいう)Sに対応するブロックSが遮光膜50で覆われている。遮光膜50としては、第1実施形態で説明したのと同様のものを利用することができる。
【0052】
このように、欠陥Dを含む露光用のマスク10及び遮光用マスク66を、それぞれ図12に示す露光装置60の第1の保持部62及び第2の保持部64にそれぞれ保持させ、第1の露光を行う(第1の露光工程)。このとき、第1及び第2の保持部62,64を一体で設け、遮光用マスク66を露光用のマスク10上に位置合わせして重ね合わした状態で保持すると好ましい。第1の露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。この第1の露光において、露光用のマスク10の欠陥Dを含むブロックSが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク10のブロックSに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0053】
次に、第1実施形態において図11を用いて説明したと同様に、露光装置60の第1及び第2の保持部62,64の双方からマスク10,66を取り除き、第1の露光で未露光の基板12上の領域に対して直接露光により描画して第2の露光を行う(第2の露光工程)。この第2の露光では、露光ビームとして直接描画の可能な電子ビームが好適である。
【0054】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0055】
なお、図12に示す露光装置60では、露光用のマスク10と遮光用マスク66を近接した状態で保持していたが、第2の保持部64は、図14に示すように、第1の保持部62に保持された露光用のマスク10により形成されるパターンの照明光学系の像面において、遮光用マスク66を保持するようにしてもよい。ただし、この場合は第1の露光工程で電子ビーム以外のビームを露光ビームとして利用する必要がある。
【0056】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るパターン形成方法について説明する。図15は、本実施形態に係るパターン形成方法を実施するための露光装置70を模式的に示す図である。
【0057】
図15に示すように、露光装置70は第1実施形態で説明した露光装置40と基本構成が同一であるため、異なる部分についてのみ説明する。この露光装置70においては、制御部48は光源部42からの露光ビームの出射を制御し、図16に示すように、マスク10上の各ブロックSを走査しながら露光する。このとき、図17に示すように、マスク10の欠陥Dを含むブロックSでは露光ビームの出射を停止して遮光するように、ブランキング信号を生成して光源部42からの露光ビームの出射を制御する。なお、図17(a)〜(h)に示す各図は、図16においてL1〜L8に示す走査線にそれぞれ対応しており、これら走査線L1〜L8に沿ってマスク10上を走査するときの、光源部42からの露光ビームの出射を制御するための信号(ブランキング信号)を示している。ただし、この露光装置70では、ブランキング信号により露光ビームの制御を行うため、X線以外のビームを露光ビームとして利用する必要がある。
【0058】
次に、かかる構成の露光装置70を用いたパターン形成方法について説明する。
【0059】
図1に示すような欠陥Dを有するマスク10を用いて露光を行う際には、図15に示すように、このマスク10を露光装置70の保持部46に保持させて、第1の露光を行う(第1の露光工程)。第1の露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。このとき、図16に示すように、マスク10の各ブロックを順に走査しながら露光するのであるが、欠陥Dを含むブロック上を走査するに際しては、図17に示すように、ブランキング信号により光源部42からの露光ビームの出射が停止され遮光される。これにより、図3及び図4に示すように、第1の露光において基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク10のブロックSに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0060】
次に、第1実施形態において図11を用いて説明したのと同様に、露光装置70の保持部46からマスク10を取り除き、第1の露光で未露光の領域に対して直接露光により描画して第2の露光を行う(第2の露光工程)。この第2の露光では、露光ビームとして直接描画の可能な電子ビームが好適である。
【0061】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0062】
以上、第1〜第3実施形態に係るパターン形成方法によれば、欠陥Dを含まないブロックSのパターンはマスク10を用いて露光して転写し、欠陥Dを含むブロックSのパターンは直接露光により描画することにより、全てのブロックを直接露光により描画する場合に比べて、効率良くパターンを形成することができる。すなわち、電子ビーム等による直接描画は処理効率の低下を招くおそれがあるが、欠陥Dを含むブロックSのみを描画することで、処理効率を高く維持することができる。このようにして、マスク10の欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能となる。
【0063】
また、上記した実施形態に係るパターン形成方法は半導体回路装置の製造に好適であり、これにより信頼性の高い回路パターンを有する半導体集積回路装置を効率的に製造することができる。
【0064】
なお、上記した実施形態では、マスク10上に欠陥Dがある場合、その欠陥Dを含む一部領域(ブロック)Sを遮光するようにしていたが、このブロックSの大きさはマスク10上の典型的な欠陥密度と直接描画による処理効率を考慮して決定すると好ましい。また、パターン設計時にパターンを碁盤の目状に予めブロック分けしておき、マスク10上でこのブロック分けされた一のブロックSに欠陥Dが存在する場合は、そのブロックS全てを遮光するようにすると好ましい。特に、パターン設計時にブロック分けする各ブロックの境界領域ではデザインルールを緩め、形成するパターンを疎な領域と密な領域とに分けておき、この疎な領域に各ブロックの境界がくるように設計すれば、第1の露光と第2の露光とで形成するパターンのアライメント精度を高く維持したり、近接効果の補正を容易にしたりすることが可能となるため好ましい。
【0065】
典型的には、このデザインルールに従い、(1)ブロックの境界領域には微細なパターンを配置せず、ブロックを跨ぐ配線は極力設けない、(2)配線がブロックを跨ぐ場合は後でパターンの修正を容易にするため配線を太くする、ようにしてパターンを設計する。理想的には、予めマスクレイヤごとの配線パターンをローカルレイヤとグローバルレイヤに分けて設計する。ローカルレイヤは極微細パターンを含み、一定の大きさ以下のローカル部分ごとに分割し、各ローカル部分を完全な露光領域かあるいは完全な未露光領域で取り囲むように設計を行う。したがって、各ローカル部分を繋ぐ配線はこの層には配置しない。そして、前記した完全未露光領域または完全露光領域をブロック同士の境界とする。また各ローカル部分同士を接続するために、グローバルレイヤの配線層を設ける。グローバルレイヤの最小寸法は、比較的マスクの修正が容易な遮光マスクで露光できる寸法以上に設定する。これにより、基板12上により精度の高いパターンを形成することが容易に実現可能になる。
【0066】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るパターン形成方法について説明する。以下、第4〜第6実施形態に係るパターン形成方法は、冒頭で説明した二つ目の手法を具現化したものである。
【0067】
本実施形態に係るパターン形成方法は、図9に示すように、第1実施形態に係るパターン形成方法と同一の露光装置40を使って実施する。以下に、かかる構成の露光装置40を用いたパターン形成方法について説明する。
【0068】
まず、マスクセットを用意する。このマスクセットは、冒頭で説明した通り、実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがない。
【0069】
このマスクセットは、例えば次にようにして準備される。すなわち、まず、所定パターンを有する1枚目のマスクを作製し、このマスク上の領域を区画してなる複数のブロックについて、ブロック単位で内部の欠陥の有無を検査して欠陥を発見したとき、実質的に同一のパターンを有する2枚目のマスクを作製する。そして、2枚目のマスク上の領域を区画してなる複数のブロックについて、ブロック単位で内部の欠陥の有無を検査して欠陥を見つけ出す。これらマスクの複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが1枚目のマスクと2枚目のマスクとで重なり合うことがないときは、これら2枚のマスクをマスクセットとする。一方、欠陥を含むブロックが1枚目のマスクと2枚目のマスクとで1つ以上重なり合うときは、実質的に同一のパターンを有する3枚目のマスクを作製する。そして、3枚目のマスク上の領域を区画してなる複数のブロックについて、ブロック単位で内部の欠陥の有無を検査して欠陥を見つけ出す。そして、複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが3枚の全てのマスクについては重なり合うことがないときは、これら3枚のマスクをマスクセットとする。一方、欠陥を含むブロックが3枚のマスクで重なり合うときは、次のマスクを作製する。このように、実質的に同一のパターンを有する複数のマスクを順次作製し、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがなくなるまでマスクの作製を繰り返し、この条件が満たされたときまでに作製されたマスクをマスクセットとする。なお、各マスクのブロック分けについては、第1〜第3実施形態の説明の終わりに説明したのと同様に行う。本実施形態では、図5に示すように、2枚のマスク22,24でマスクセット20が構成される場合について説明する。
【0070】
このようにして準備されたマスクセット20を用いて露光するに際し、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックSを遮光した状態で露光を行うため、本実施形態では、図10で説明したのと同様にして、各マスク22,24の所定ブロックSを直接遮光膜50で覆う。
【0071】
すなわち、1枚目のマスク22は、これを用いて露光する前には基板12上には露光されていないため、図6(a)に示すように、欠陥Dを含むブロック上のみ遮光膜50で覆う。これに対し、2枚目のマスク24では、これを用いて露光する前には1枚目のマスク22を用いて基板12上に露光されていることとなるため、図6(b)に示すように、欠陥Dを含むブロック、及び1枚目のマスク22で遮光膜50に覆われていないブロックに対応するブロックを遮光膜50で覆う。
【0072】
このように所定のブロックに遮光膜50を堆積した各マスク22,24を、露光装置40の保持部46に順次保持させて(図9参照)、順次露光を行う。露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。1枚目のマスク22を用いた第1の露光では、マスク22の欠陥Dを含むブロックが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク22のブロックに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0073】
次に、露光装置40の保持部46から1枚目のマスク22を取り除き、2枚目のマスク24を保持部46に保持させて、第2の露光を行う。なお、第1の露光と第2の露光とにおけるドーズ量は、同一時間で最適現像パターンを実現するように調節する。
【0074】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0075】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係るパターン形成方法について説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、図12に示すように、第2実施形態に係るパターン形成方法と同一の露光装置60を使って実施する。以下に、かかる構成の露光装置60を用いたパターン形成方法について説明する。
【0076】
まず、図5に示すように、第4実施形態で説明したのと同一のマスクセット20を用意する。このマスクセット20を用いて露光するに際し、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うため、図13に示したのと同様にして、図18に示すように、1枚目のマスク22に対応する遮光用マスク82と、2枚目のマスク24に対応する遮光用マスク84を用意する。
【0077】
そして、露光用のマスクセット20のうち一のマスクを露光装置60(図12参照)の第1の保持部62に保持させ、このマスクに対応する遮光用マスクを第2の保持部64に保持させて、順次露光を行う。このとき、第1及び第2の保持部62,64を一体で設け、遮光用マスクが露光用のマスク上に位置合わせされて重ねあわされた状態で保持すると好ましい。露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。1枚目のマスク22を用いた第1の露光では、マスク22の欠陥Dを含むブロックが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク22のブロックに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0078】
次に、露光装置60の第1の保持部62から1枚目のマスク22を、第2の保持部64からこれに対応する遮光用マスク82を取り除き、代わりに2枚目のマスク24を第1の保持部62に保持させ、これに対応する遮光用マスク84を第2の保持部64に保持させて、第2の露光を行う。
【0079】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0080】
なお、本実施形態で利用した図12に示す露光装置60では、露光用のマスク22,24と遮光用マスク82,84を近接した状態で保持していたが、第2の保持部64は、図14に示すように、第1の保持部62に保持された露光用のマスク22,24により形成されるパターンの照明光学系の像面において、遮光用マスク82,84を保持するようにしてもよい。
【0081】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係るパターン形成方法について説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、図15に示すように、第3実施形態に係るパターン形成方法と同一の露光装置70を使って実施する。以下に、かかる構成の露光装置70を用いたパターン形成方法について説明する。
【0082】
まず、図5に示すように、第4実施形態で説明したのと同一のマスクセット20を準備する。このマスクセット20の各マスク22,24を利用して順次露光を行うのであるが、図5に示す1枚目のマスク22を用いて露光を行う際には、このマスク22を露光装置(図15参照)の保持部46に保持させて、第1の露光を行う。露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。このとき、図16に示したのと同様に、マスク22の各ブロックを順に走査しながら露光するのであるが、欠陥Dを含むブロックを走査するに際しては、図17に示したのと同様に、ブランキング信号により光源部42からの露光ビームの出射が停止され遮光される。これにより、図3及び図4に示すように、第1の露光において基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク22のブロックに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0083】
次に、露光装置40の保持部46から1枚目のマスク22を取り除き、2枚目のマスク22を保持部46に保持させて、第2の露光を行う。このとき、図19に示すように、マスク24の各ブロックを順に走査しながら露光するのであるが、欠陥Dを含むブロック及び1枚目のマスクで既に露光された基板12上の領域に対応するブロックを走査するに際しては、図20に示すように、ブランキング信号により光源部42からの露光ビームの出射が停止され遮光される。なお、図20(a)〜(h)に示す各図は、図19においてL1〜L8に示す走査線にそれぞれ対応しており、これら走査線L1〜L8に沿って2枚目のマスク24上を走査するときの、光源部42からの露光ビームの出射を制御するための信号(ブランキング信号)を示している。
【0084】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0085】
以上、第4〜第6実施形態に係るパターン形成方法によれば、マスクセット20に含まれる複数のマスク22,24で、欠陥Dを含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないため、各マスク22,24を介して基板12に対して順次露光を行うときに、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことで、マスク22,24の欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能となる。
【0086】
また、上記した実施形態に係るパターン形成方法は半導体回路装置の製造に好適であり、これにより信頼性の高い回路パターンを有する半導体集積回路装置を効率的に製造することができる。
【0087】
図21は、実質的に同一のパターンが形成された2枚のマスクを独立に作製したとき、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがなくなる確率、すなわちマスクセットの良品取得率を示すグラフである。このとき、致命的欠陥密度を10としている。なお、図21において横軸は、各マスク上の領域を区画してなるブロック数を示している。例えば、ブロック数を200とすれば、1枚のマスクから190の良品のブロックを確保することができる。
【0088】
図21に示すように、分割するブロック数を200としたとき、良品のマスクセットが得られる確率は60%程度であり、図22に示すように、1枚のマスクで完全な良品が得られる0.01%以下の確率よりも良品取得率が格段に上昇する。特に、分割するブロック数を500まで増大すると、90%程度の確率で良品のマスクセットが得られる。なお、図示はしないが致命的欠陥密度を5とすれば、分割するブロック数を50としたときでも60%程度の確率で2枚のマスクからなく良品のマスクセットを取得することができる。
【0089】
このように、1枚のマスクでは欠陥を有するため利用できない場合であっても、2枚以上を組み合わせてマスクセットとすることにより、良品としてマスクを利用できる確率が格段に高まる。そして、上記した第4〜第6実施形態に係るパターン形成方法によれば、このように良品として取得されたマスクセットを利用することで、マスクの欠陥を補償して、基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能となる。この方法は、マスクのコスト寄与分の大きい少量多品種LSIの製造や、開発試作に要するコスト低減に極めて有効である。
【0090】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、マスクの所定ブロックを遮光する方法については、上記した各実施形態で説明されたものに限定されず、これ以外の公知の方法を使用することも可能である。
【0092】
また、第4〜第6実施形態では、マスクセットが2枚で構成される場合について説明したが、マスクセットが3枚以上で構成される場合についても、同様にして実施することができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクの欠陥を補償して基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能なパターン形成方法、それに用いるマスクセット及び露光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第3実施形態で用いる欠陥を有する露光用のマスクを示す図である。
【図2】図1に示すマスクについて、欠陥を含む一部領域(ブロック)を遮光した状態を示す図である。
【図3】1回目の露光により、マスクを介して基板上に同一のパターンを縮小転写してなる複数のチップ領域を示す図である。
【図4】図3に示す複数のチップ領域のうち一のチップ領域の露光状態を示す図である。
【図5】第4〜第6実施形態で用いる欠陥を有する2枚の露光用のマスクからなるマスクセットを示す図である。
【図6】図5に示すマスクセットの各マスクで遮光するブロックを示す図である。
【図7】欠陥を有する3枚の露光用のマスクからなるマスクセットを示す図である。
【図8】図7に示すマスクセットの各マスクで遮光するブロックを示す図である。
【図9】第1実施形態で利用する露光装置を模式的に示す図である。
【図10】図10(a)は、図1に示す露光用のマスクで欠陥を有するブロックを遮光膜で覆った様子を示す平面図である。図10(b)は、図10(a)のXB−XB線断面図である。
【図11】図9に示す露光装置を利用して、マスクを取り除いた状態で基板上に直接露光により描画する様子を示す図である。
【図12】第2実施形態で利用する露光装置を模式的に示す図である。
【図13】図13(a)は、図1に示す露光用のマスクの欠陥を有するブロックに対応するブロックを遮光膜で覆って形成された遮光用マスクを示す平面図である。図13(b)は、図13(a)のXIIIB−XIIIB線断面図である。
【図14】図12に示す露光装置の変形例を示す図である。
【図15】第3実施形態で利用する露光装置を模式的に示す図である。
【図16】図1に示すマスクの各ブロックを走査しながら露光する様子を説明する図である。
【図17】図17(a)〜(h)は、それぞれ図16に示す各走査線L1〜L8に沿うマスクの走査時に、露光ビームの出射を制御するためのブランキング信号を示す図である。
【図18】図5に示す露光用のマスクセットの各マスクに対する遮光用マスであって、所定のブロックを遮光膜で覆った遮光用マスクを示す平面図である。
【図19】図5に示す2枚目のマスクの各ブロックを走査しながら露光する様子を説明する図である。
【図20】図20(a)〜(h)は、それぞれ図19に示す各走査線L1〜L8に沿うマスクの走査時に、露光ビームの出射を制御するためのブランキング信号を示す図である。
【図21】実質的に同一のパターンが形成された2枚のマスクを独立に作製したときの良品取得率を示すグラフである。
【図22】マスク上の修復不可能な致命的欠陥密度と歩留まりとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…マスク、12…基板、20,30…マスクセット、22,32…1枚目のマスク、24,34…2枚目のマスク、36…3枚目のマスク、40,60,70…露光装置、42…光源部、44…ステージ、46…保持部、48…制御部、50…遮光膜、62…第1の保持部、64…第2の保持部、66,82,84…遮光用マスク、S…ブロック、D…欠陥。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィ技術を用いて基板上に所定のパターンを形成するパターン形成方法、それに用いるマスクセット及び露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造におけるリソグラフィにおいては、可視光線、紫外線、極端紫外線などの光線や電子線などを、所定パターンを有するマスクを介して照射し、シリコン基板上に所望の回路パターンを形成する。回路パターンを形成する際に要求される最小寸法は、2,3年毎に約70%の比率で縮小しつつあり、近年においては0.1ミクロン以下に迫ろうとしている。このような加工要求の高度化に伴い、リソグラフィに用いるマスク構造も変化し、伝統的に用いられてきたクロム遮光体マスクに変わって、位相シフトマスクやステンシルマスク、あるいはメンブレンマスクが用いられてきている。
【0003】
しかしながら、このような新規構造のマスクはその製造工程が複雑になり、欠陥が生じるおそれが大きく、しかもその修正が非常に難しいため、マスクの製造歩留まりの低下が懸念される。図22は、マスク上の修復不可能な致命的欠陥密度と歩留まりとの関係を示すグラフである。図22に示すように、例えば致命的欠陥密度を2個と仮定したとき、偶然に完全良品のマスクが得られる確率は13%程度に過ぎない。従って、このときは平均して8枚程度のマスク製作を繰り返す必要がある。また、例えば致命的欠陥密度を10個と仮定したとき、偶然に完全良品のマスクが得られる確率は0.01%以下であり、良品のマスクを得ることは事実上不可能である。
【0004】
そこで、従来より、欠陥を有するマスクについてその欠陥を補償し、マスクの有効利用を図る技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、本来のレジスト膜としての下層レジスト膜の上に、マスクの欠陥を補償するための上層レジスト膜を設け、上層レジスト膜にマスクの欠陥を補償するためのパターンを形成した後、実際にそのマスクを介して下層レジスト膜に所望のパターンを形成する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、同一パターンを形成するために用意された複数のマスクを用いて多重露光を行い、各マスクに生じた欠陥の影響を希釈化する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献3及び4には、第1のマスクの欠陥部分を含む領域の上を遮光膜で覆うと共に、相補的な第2のマスクを作成し、双方のマスクの多重露光によって、完全なパターンを形成する技術が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献5には、マスキングブレードと呼ばれる遮光手段により欠陥部分のパターン転写を防止する技術が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−13290号公報
【特許文献2】
特開2002−141275号公報
【特許文献3】
特開平10−207040号公報
【特許文献4】
特開2000−221662号公報
【特許文献5】
特開2002−184669号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の技術では、パターンの形成工程が非常に複雑になり、また上層レジスト膜と下層レジスト膜との間のミキシングに伴う現像残りやピンホールなど新たな欠陥を誘発するおそれがあり、パターン形成の信頼性が低いという問題があった。
【0010】
また、上記した特許文献2に開示の多重露光を利用した技術では、欠陥部分のパターンの不完全性は多重露光を行うマスクの枚数に反比例するため、無欠陥のパターンを得るには露光時間とマスク枚数が限りなく増大するという問題があった。
【0011】
また、上記した特許文献3及び4に開示の技術では、第1のマスクの遮光領域と第2のマスクの遮光領域の合わせ目が厳密に相補的でないと、その境界領域のパターンに不良が生じるおそれがあるという問題があった。
【0012】
さらに、上記した特許文献5に開示の技術では、第1の露光時と第2の露光時とでマスキングブレードが厳密にアライメントされて相補的でないと、境界領域のパターンが不完全になるおそれがあるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、マスクの欠陥を補償して基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能なパターン形成方法、それに用いるマスクセット及び露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパターン形成方法は、マスクを介して露光することにより、基板上に所望パターンを形成するパターン形成方法であって、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光した状態で、マスクを介して基板に対して露光を行う第1の露光工程と、第1の露光工程において遮光された一部領域に対応する基板上の領域に、直接露光により描画を行う第2の露光工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
この方法によれば、第1の露光工程において、マスクの欠陥を含む一部領域以外の遮光されていない領域により、その一部領域に対応する基板上の領域を除いてパターンが形成される。そして、第2の露光工程において、基板上の未露光の領域に、マスクを介することなく直接露光によりパターンが描画されて形成される。このように、欠陥を含まない領域はマスクを用いて露光し、欠陥を含む領域は直接露光によりパターンを描画することにより、マスクの欠陥を補償して、基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。
【0016】
本発明に係るパターン形成方法は、マスクを介して露光することにより、基板上に所望パターンを形成するパターン形成方法であって、実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないマスクセットを用意し、マスクセットの各マスクを介して基板に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、マスクセットに含まれる複数のマスクで、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないため、各マスクを介して基板に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことで、マスクの欠陥を補償して、基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。
【0018】
本発明に係るマスクセットは、露光により基板上に所望パターンを形成するための複数のマスクからなるマスクセットであって、複数のマスクの各々には実質的に同一のパターンが形成されており、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないことを特徴とする。
【0019】
このとき、複数のマスクの各々は、パターンとして密度の低い疎な領域と、疎な領域よりも密度の高い密な領域とを有し、複数のブロックの境界は疎な領域に含まれることを特徴としてもよい。このようにすれば、多重露光を行う複数のマスクでブロックの合わせずれに伴うパターン劣化の影響を低減することができる。
【0020】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、マスクを保持する第1の保持部と、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光するための遮光パターンが形成された遮光用マスクを保持する第2の保持部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この露光装置では、パターン形成のためのマスクを保持する第1の保持部の他に、遮光用マスクを保持する第2の保持部を備えているため、この第2の保持部に保持された遮光用マスクの遮光パターンにより第1の保持部に保持されたマスクの欠陥を含む一部領域を遮光した状態で露光することができる。
【0022】
このとき、第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクと近接した状態で、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよく、あるいは第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクにより形成されるパターンの像面において、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよい。
【0023】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、露光ビームを出射する光源部と、露光ビームによるマスク上の走査時において、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光するように、ブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。このように、露光ビームによりマスク上を走査して露光を行う露光装置においては、制御部によりブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御することにより、マスクの欠陥を含む一部領域を遮光することができる。
【0024】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、複数のマスクのいずれかを保持する第1の保持部と、複数のマスクの各々に対応して設けられた、各マスクの所定のブロックを遮光するための遮光パターンが形成された複数の遮光用マスクのいずれかを保持する第2の保持部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
この露光装置では、パターン形成のための複数のマスクのいずれかを保持する第1の保持部の他に、複数の遮光用マスクのいずれかを保持する第2の保持部を備えているため、この第2の保持部に保持された遮光用マスクの遮光パターンにより第1の保持部に保持されたマスクの所定のブロックを遮光した状態で露光することができる。
【0026】
このとき、第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクと近接した状態で、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよく、あるいは第2の保持部は、第1の保持部に保持されたマスクにより形成されるパターンの像面において、遮光用マスクを保持することを特徴としてもよい。
【0027】
本発明に係る露光装置は、上記したパターン形成方法に利用される露光装置であって、露光ビームを出射する光源部と、露光ビームによる複数のマスクの各々の走査時において、各マスクの所定のブロックを遮光するように、ブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。このように、露光ビームによりマスク上を走査して露光を行う露光装置においては、制御部によりブランキング信号を生成して光源部からの露光ビームの出射を制御することにより、所定のブロックを遮光することができる。
【0028】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、上記したパターン形成方法を用いることを特徴とする。このように、上記したパターン形成方法を用いることで、信頼性の高い回路パターンを有する半導体集積回路装置を効率的に製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0030】
本発明の具体的な実施形態について説明する前に、まず本発明に係るパターン形成方法の原理について説明する。
【0031】
本発明に係るパターン形成方法は、リソグラフィ技術を用い、マスクを介して露光ビームを基板上に照射することで、基板上に所定のパターンを形成する。リソグラフィ技術に用いられるマスク構造は、前述したように、加工要求の高度化に伴って変化し、伝統的に用いられてきたクロム遮光体マスクに変わって、位相シフトマスクやステンシルマスク、あるいはメンブレンマスクが用いられてきている。しかしながら、このような新規構造のマスクはその製造工程が複雑になり、欠陥が生じるおそれが大きく、しかもその修正が非常に難しいため、マスクの製造歩留まりの低下が懸念される。ここで、欠陥とは、マスクパターンの余剰や欠け、異物の存在等、露光ビームの強度や位相に変調をきたすものをいう。そこで、本発明は、欠陥を有するマスクについてその欠陥を補償し、マスクの有効利用を図るものである。
【0032】
そのための手段として、本明細書においては大別して2つの手法を提案する。一つ目の手法は、第1の露光工程と第2の露光工程とを備えている。図1に示すような欠陥Dを有するマスク10があるとき、このマスク10の欠陥Dを補償するため、第1の露光工程では、図2において斜線で示すように、マスク10の欠陥Dを含む一部領域Sを遮光した状態で、マスク10を介して基板12に対して露光を行う。図3は、第1の露光工程により、マスク10を介して基板12上に同一のパターンを縮小転写してなる複数のチップ領域14を示す図である。また図4は、図3に示す複数のチップ領域14のうち一のチップ領域の露光状態を示す図である。図4において、第1の露光工程で露光された領域を斜線で示し、未露光の領域を空白で示す。図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光工程において遮光されたマスク10の一部領域Sに対応する領域を除いて、全て露光される。そして、第1の露光工程で未露光の領域に対しては、第2の露光工程においてマスク10を介することなく直接露光により描画が行われる。
【0033】
この一つ目の手法によれば、欠陥Dを含まない領域のパターンはマスク10を用いて露光して転写し、欠陥Dを含む領域のパターンは直接露光により描画することにより、マスク10の欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。なお、第1の露光工程で、マスク10の欠陥Dを含む一部領域Sを遮光する方法には様々な方法があり、それぞれ異なる遮光方法を利用した3通りのパターン形成方法について、以下に説明する第1〜第3実施形態において具体的に説明する。
【0034】
また二つ目の手法では、実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないマスクセットを用意する。このようなマスクセット20として、例えば図5(a)及び図5(b)に示すものが挙げられる。これらのマスク22,24を介し基板12に対して順次露光を行うのであるが、各マスク22,24を介して順次露光を行うときに、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックSを遮光した状態で露光を行う。
【0035】
まず、図5(a)に示す1枚目のマスク22を介し基板12に対して露光するときは、図6(a)において斜線で示すように、マスク22の欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で行う。これにより、図3及び図4に示したのと同様に、基板12上の各チップ領域14には、遮光されたマスク22のブロックSに対応する領域を除いて全て露光が行われる。次に、一つ目の手法では、未露光の領域に、マスクを介することなく直接露光により描画を行っていたが、二つ目の手法では、直接描画を行うことなく、マスクセットの残りのマスクを利用して順次露光を行う。すなわち、露光のためのマスクを図5(a)に示すマスク22から図5(b)に示すマスク24に交換する。そして、図6(b)に示すように、斜線で示すブロックSを遮光した状態で、露光を行う。図6(b)に示すように、2枚目のマスク24を利用して露光を行う際には、欠陥Dを含むブロック、及び既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光する。
【0036】
なお、図5及び図6では、2枚のマスク22,24からなるマスクセット20を用いる場合について説明したが、マスクセットは3枚以上により構成されることもある。図7及び図8は、3枚のマスクからマスクセット30が構成される場合について示している。図7(a)及び図7(b)に示すように、1枚目のマスク32と2枚目のマスク34とで欠陥Dを含むブロックS1が一つ重なるが、3枚目のマスク36にはそのブロックS1に対応するブロックに欠陥Dが存在しない。このように、2枚のマスク32,34で欠陥Dを有するブロックが重なり合う場合には、3枚目のマスク36を利用してその欠陥Dを補償する。これにより、このマスクセット30では、各マスク32,34,36上の領域を区画してなる複数のブロックSのうち、欠陥Dを含むブロックSが全てのマスクについては重なり合うことがない。
【0037】
このマスクセット30を用いて露光を行うに際しても、まず、図7(a)に示す1枚目のマスク32を介し基板12に対して露光するときは、図8(a)に示すように、欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で行う。これにより、図3及び図4に示したのと同様に、基板12上の各チップ領域14には、遮光されたマスク32のブロックSに対応する領域を除いて露光が行われる。次に、露光のためのマスクを1枚目のマスク32から図7(b)に示す2枚目のマスク34に交換する。そして、図8(b)に示すように、斜線で示すブロックを遮光した状態で、露光を行う。図8(b)に示すように、2枚目のマスク34を利用して露光を行う際には、欠陥Dを含むブロック、及び既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光する。従って、この状態では、1枚目のマスク32と2枚目のマスク34とで重なり合う欠陥Dを含むブロックS1に対応する基板12上の領域は、未露光でパターンが形成されていない。そこで、露光のためのマスクを2枚目のマスク34から図7(c)に示す3枚目のマスク36に交換し、図8(c)に示すように、斜線で示すブロックを遮光した状態で、露光を行う。図8(c)に示すように、3枚目のマスク36を利用して露光を行う際にも、欠陥Dを含むブロック、及び既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光する。これにより、未露光であった基板12上の領域が露光され、完全なパターンが形成される。
【0038】
この二つ目の手法によれば、マスクセット20,30に含まれる複数のマスクで、欠陥Dを含むブロックSが全てのマスクについては重なり合うことがないため、各マスクを介して基板12に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことで、マスクの欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することができる。
【0039】
なお、このようなマスクセット20,30の各マスクを介して露光を行うときに、マスクの欠陥Dを含むブロックを遮光する方法には様々な方法があり、それぞれ異なる遮光方法を利用した3通りのパターン形成方法について、以下に説明する第4〜第6実施形態において具体的に説明する。
【0040】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るパターン形成方法について説明する。図9は、本実施形態に係るパターン形成方法を実施するための露光装置を模式的に示す図である。
【0041】
図9に示すように、露光装置40は光源部42、ステージ44、保持部46、及び制御部48を備えている。光源部42は、リソグラフィに必要な露光ビームを出射する。露光ビームとしては、例えば可視光線、紫外線、極端紫外線などの光線や電子線、X線などが挙げられる。このように、露光ビームとしては電子線やX線を用いることがあるため、これら露光ビームを遮蔽することを広く「遮光」ということにする。ステージ44は、パターン形成のためのレジストが塗布された基板12を位置決めして保持する。保持部46は、光源部42とステージ44の間に設けられており、所望のパターンが形成されたマスク10を保持する。制御部48は、光源部42からの露光ビームの出射を制御する。また制御部48は、ステージ44及び保持部46の位置を制御する。
【0042】
次に、かかる構成の露光装置40を用いたパターン形成方法について説明する。
【0043】
図1に示すような欠陥Dを有するマスク10を用いて露光を行う際には、図10に示すように、まず欠陥Dを含む一部領域(ブロックSともいう)上を、直接遮光膜50で覆う。遮光膜50としては、クロム膜、カーボン膜等が挙げられるが、露光ビームとして電子線を使用するときにはSi,SiN,W膜等、X線を使用するときにはAu,Ta膜等を設けると好ましい。
【0044】
このように欠陥Dを含むブロックSに遮光膜50を堆積したマスク10を、図9に示す露光装置40の保持部46に保持させて、第1の露光を行う(第1の露光工程)。第1の露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。この第1の露光では、マスク10の欠陥Dを含むブロックSが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク10のブロックSに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0045】
次に、図11に示すように、露光装置40の保持部46からマスク10を取り除き、第1の露光で未露光の領域に対して直接露光により描画して第2の露光を行う(第2の露光工程)。この第2の露光では、露光ビームとして直接描画の可能な電子ビームが好適である。なお、第1の露光と第2の露光とにおけるドーズ量は、同一時間で最適現像パターンを実現するように調節する。
【0046】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0047】
なお、本実施形態に係るパターン形成方法では、第1の露光工程では紫外線を用いて露光し、第2の露光工程では電子線を用いて露光を行うというように、第1及び第2の露光工程で異なる露光ビームを利用することがあるため、露光装置40の光源部42が露光ビームを切り替えて出射することができない構成であるときは、第1の露光工程と第2の露光工程とで別体の装置を用いて露光を行うようにしてもよい。
【0048】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るパターン形成方法について説明する。図12は、本実施形態に係るパターン形成方法を実施するための露光装置を模式的に示す図である。
【0049】
図12に示すように、露光装置60は光源部42、ステージ44、第1の保持部62、第2の保持部64、及び制御部48を備えている。光源部42、ステージ44、及び制御部48は、第1実施形態で説明した露光装置40と同様である。第1及び第2の保持部62,64は、光源部42とステージ44の間に設けられており、所望のパターンが形成されたマスクを近接した状態でそれぞれ保持する。これら第1及び第2の保持部62,64は、制御部48により位置が制御される。
【0050】
次に、かかる構成の露光装置60を用いたパターン形成方法について説明する。
【0051】
図1に示すような欠陥Dを有するマスク10を用いて露光を行う際には、図13に示すように、露光用のマスク10とは別に、新たに遮光用のパターンが形成された遮光用マスク66を用意する。この遮光用マスク66では、露光用のマスク10の欠陥Dを含む一部領域(ブロックともいう)Sに対応するブロックSが遮光膜50で覆われている。遮光膜50としては、第1実施形態で説明したのと同様のものを利用することができる。
【0052】
このように、欠陥Dを含む露光用のマスク10及び遮光用マスク66を、それぞれ図12に示す露光装置60の第1の保持部62及び第2の保持部64にそれぞれ保持させ、第1の露光を行う(第1の露光工程)。このとき、第1及び第2の保持部62,64を一体で設け、遮光用マスク66を露光用のマスク10上に位置合わせして重ね合わした状態で保持すると好ましい。第1の露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。この第1の露光において、露光用のマスク10の欠陥Dを含むブロックSが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク10のブロックSに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0053】
次に、第1実施形態において図11を用いて説明したと同様に、露光装置60の第1及び第2の保持部62,64の双方からマスク10,66を取り除き、第1の露光で未露光の基板12上の領域に対して直接露光により描画して第2の露光を行う(第2の露光工程)。この第2の露光では、露光ビームとして直接描画の可能な電子ビームが好適である。
【0054】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0055】
なお、図12に示す露光装置60では、露光用のマスク10と遮光用マスク66を近接した状態で保持していたが、第2の保持部64は、図14に示すように、第1の保持部62に保持された露光用のマスク10により形成されるパターンの照明光学系の像面において、遮光用マスク66を保持するようにしてもよい。ただし、この場合は第1の露光工程で電子ビーム以外のビームを露光ビームとして利用する必要がある。
【0056】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るパターン形成方法について説明する。図15は、本実施形態に係るパターン形成方法を実施するための露光装置70を模式的に示す図である。
【0057】
図15に示すように、露光装置70は第1実施形態で説明した露光装置40と基本構成が同一であるため、異なる部分についてのみ説明する。この露光装置70においては、制御部48は光源部42からの露光ビームの出射を制御し、図16に示すように、マスク10上の各ブロックSを走査しながら露光する。このとき、図17に示すように、マスク10の欠陥Dを含むブロックSでは露光ビームの出射を停止して遮光するように、ブランキング信号を生成して光源部42からの露光ビームの出射を制御する。なお、図17(a)〜(h)に示す各図は、図16においてL1〜L8に示す走査線にそれぞれ対応しており、これら走査線L1〜L8に沿ってマスク10上を走査するときの、光源部42からの露光ビームの出射を制御するための信号(ブランキング信号)を示している。ただし、この露光装置70では、ブランキング信号により露光ビームの制御を行うため、X線以外のビームを露光ビームとして利用する必要がある。
【0058】
次に、かかる構成の露光装置70を用いたパターン形成方法について説明する。
【0059】
図1に示すような欠陥Dを有するマスク10を用いて露光を行う際には、図15に示すように、このマスク10を露光装置70の保持部46に保持させて、第1の露光を行う(第1の露光工程)。第1の露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。このとき、図16に示すように、マスク10の各ブロックを順に走査しながら露光するのであるが、欠陥Dを含むブロック上を走査するに際しては、図17に示すように、ブランキング信号により光源部42からの露光ビームの出射が停止され遮光される。これにより、図3及び図4に示すように、第1の露光において基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク10のブロックSに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0060】
次に、第1実施形態において図11を用いて説明したのと同様に、露光装置70の保持部46からマスク10を取り除き、第1の露光で未露光の領域に対して直接露光により描画して第2の露光を行う(第2の露光工程)。この第2の露光では、露光ビームとして直接描画の可能な電子ビームが好適である。
【0061】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0062】
以上、第1〜第3実施形態に係るパターン形成方法によれば、欠陥Dを含まないブロックSのパターンはマスク10を用いて露光して転写し、欠陥Dを含むブロックSのパターンは直接露光により描画することにより、全てのブロックを直接露光により描画する場合に比べて、効率良くパターンを形成することができる。すなわち、電子ビーム等による直接描画は処理効率の低下を招くおそれがあるが、欠陥Dを含むブロックSのみを描画することで、処理効率を高く維持することができる。このようにして、マスク10の欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能となる。
【0063】
また、上記した実施形態に係るパターン形成方法は半導体回路装置の製造に好適であり、これにより信頼性の高い回路パターンを有する半導体集積回路装置を効率的に製造することができる。
【0064】
なお、上記した実施形態では、マスク10上に欠陥Dがある場合、その欠陥Dを含む一部領域(ブロック)Sを遮光するようにしていたが、このブロックSの大きさはマスク10上の典型的な欠陥密度と直接描画による処理効率を考慮して決定すると好ましい。また、パターン設計時にパターンを碁盤の目状に予めブロック分けしておき、マスク10上でこのブロック分けされた一のブロックSに欠陥Dが存在する場合は、そのブロックS全てを遮光するようにすると好ましい。特に、パターン設計時にブロック分けする各ブロックの境界領域ではデザインルールを緩め、形成するパターンを疎な領域と密な領域とに分けておき、この疎な領域に各ブロックの境界がくるように設計すれば、第1の露光と第2の露光とで形成するパターンのアライメント精度を高く維持したり、近接効果の補正を容易にしたりすることが可能となるため好ましい。
【0065】
典型的には、このデザインルールに従い、(1)ブロックの境界領域には微細なパターンを配置せず、ブロックを跨ぐ配線は極力設けない、(2)配線がブロックを跨ぐ場合は後でパターンの修正を容易にするため配線を太くする、ようにしてパターンを設計する。理想的には、予めマスクレイヤごとの配線パターンをローカルレイヤとグローバルレイヤに分けて設計する。ローカルレイヤは極微細パターンを含み、一定の大きさ以下のローカル部分ごとに分割し、各ローカル部分を完全な露光領域かあるいは完全な未露光領域で取り囲むように設計を行う。したがって、各ローカル部分を繋ぐ配線はこの層には配置しない。そして、前記した完全未露光領域または完全露光領域をブロック同士の境界とする。また各ローカル部分同士を接続するために、グローバルレイヤの配線層を設ける。グローバルレイヤの最小寸法は、比較的マスクの修正が容易な遮光マスクで露光できる寸法以上に設定する。これにより、基板12上により精度の高いパターンを形成することが容易に実現可能になる。
【0066】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るパターン形成方法について説明する。以下、第4〜第6実施形態に係るパターン形成方法は、冒頭で説明した二つ目の手法を具現化したものである。
【0067】
本実施形態に係るパターン形成方法は、図9に示すように、第1実施形態に係るパターン形成方法と同一の露光装置40を使って実施する。以下に、かかる構成の露光装置40を用いたパターン形成方法について説明する。
【0068】
まず、マスクセットを用意する。このマスクセットは、冒頭で説明した通り、実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがない。
【0069】
このマスクセットは、例えば次にようにして準備される。すなわち、まず、所定パターンを有する1枚目のマスクを作製し、このマスク上の領域を区画してなる複数のブロックについて、ブロック単位で内部の欠陥の有無を検査して欠陥を発見したとき、実質的に同一のパターンを有する2枚目のマスクを作製する。そして、2枚目のマスク上の領域を区画してなる複数のブロックについて、ブロック単位で内部の欠陥の有無を検査して欠陥を見つけ出す。これらマスクの複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが1枚目のマスクと2枚目のマスクとで重なり合うことがないときは、これら2枚のマスクをマスクセットとする。一方、欠陥を含むブロックが1枚目のマスクと2枚目のマスクとで1つ以上重なり合うときは、実質的に同一のパターンを有する3枚目のマスクを作製する。そして、3枚目のマスク上の領域を区画してなる複数のブロックについて、ブロック単位で内部の欠陥の有無を検査して欠陥を見つけ出す。そして、複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが3枚の全てのマスクについては重なり合うことがないときは、これら3枚のマスクをマスクセットとする。一方、欠陥を含むブロックが3枚のマスクで重なり合うときは、次のマスクを作製する。このように、実質的に同一のパターンを有する複数のマスクを順次作製し、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがなくなるまでマスクの作製を繰り返し、この条件が満たされたときまでに作製されたマスクをマスクセットとする。なお、各マスクのブロック分けについては、第1〜第3実施形態の説明の終わりに説明したのと同様に行う。本実施形態では、図5に示すように、2枚のマスク22,24でマスクセット20が構成される場合について説明する。
【0070】
このようにして準備されたマスクセット20を用いて露光するに際し、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックSを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックSを遮光した状態で露光を行うため、本実施形態では、図10で説明したのと同様にして、各マスク22,24の所定ブロックSを直接遮光膜50で覆う。
【0071】
すなわち、1枚目のマスク22は、これを用いて露光する前には基板12上には露光されていないため、図6(a)に示すように、欠陥Dを含むブロック上のみ遮光膜50で覆う。これに対し、2枚目のマスク24では、これを用いて露光する前には1枚目のマスク22を用いて基板12上に露光されていることとなるため、図6(b)に示すように、欠陥Dを含むブロック、及び1枚目のマスク22で遮光膜50に覆われていないブロックに対応するブロックを遮光膜50で覆う。
【0072】
このように所定のブロックに遮光膜50を堆積した各マスク22,24を、露光装置40の保持部46に順次保持させて(図9参照)、順次露光を行う。露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。1枚目のマスク22を用いた第1の露光では、マスク22の欠陥Dを含むブロックが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク22のブロックに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0073】
次に、露光装置40の保持部46から1枚目のマスク22を取り除き、2枚目のマスク24を保持部46に保持させて、第2の露光を行う。なお、第1の露光と第2の露光とにおけるドーズ量は、同一時間で最適現像パターンを実現するように調節する。
【0074】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0075】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係るパターン形成方法について説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、図12に示すように、第2実施形態に係るパターン形成方法と同一の露光装置60を使って実施する。以下に、かかる構成の露光装置60を用いたパターン形成方法について説明する。
【0076】
まず、図5に示すように、第4実施形態で説明したのと同一のマスクセット20を用意する。このマスクセット20を用いて露光するに際し、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うため、図13に示したのと同様にして、図18に示すように、1枚目のマスク22に対応する遮光用マスク82と、2枚目のマスク24に対応する遮光用マスク84を用意する。
【0077】
そして、露光用のマスクセット20のうち一のマスクを露光装置60(図12参照)の第1の保持部62に保持させ、このマスクに対応する遮光用マスクを第2の保持部64に保持させて、順次露光を行う。このとき、第1及び第2の保持部62,64を一体で設け、遮光用マスクが露光用のマスク上に位置合わせされて重ねあわされた状態で保持すると好ましい。露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。1枚目のマスク22を用いた第1の露光では、マスク22の欠陥Dを含むブロックが遮光された状態で露光が行われ、図3及び図4に示すように、基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク22のブロックに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0078】
次に、露光装置60の第1の保持部62から1枚目のマスク22を、第2の保持部64からこれに対応する遮光用マスク82を取り除き、代わりに2枚目のマスク24を第1の保持部62に保持させ、これに対応する遮光用マスク84を第2の保持部64に保持させて、第2の露光を行う。
【0079】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0080】
なお、本実施形態で利用した図12に示す露光装置60では、露光用のマスク22,24と遮光用マスク82,84を近接した状態で保持していたが、第2の保持部64は、図14に示すように、第1の保持部62に保持された露光用のマスク22,24により形成されるパターンの照明光学系の像面において、遮光用マスク82,84を保持するようにしてもよい。
【0081】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係るパターン形成方法について説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、図15に示すように、第3実施形態に係るパターン形成方法と同一の露光装置70を使って実施する。以下に、かかる構成の露光装置70を用いたパターン形成方法について説明する。
【0082】
まず、図5に示すように、第4実施形態で説明したのと同一のマスクセット20を準備する。このマスクセット20の各マスク22,24を利用して順次露光を行うのであるが、図5に示す1枚目のマスク22を用いて露光を行う際には、このマスク22を露光装置(図15参照)の保持部46に保持させて、第1の露光を行う。露光に用いる露光ビームは、ArFレーザやF2レーザなどの紫外線や、極端紫外線、電子線が好適である。このとき、図16に示したのと同様に、マスク22の各ブロックを順に走査しながら露光するのであるが、欠陥Dを含むブロックを走査するに際しては、図17に示したのと同様に、ブランキング信号により光源部42からの露光ビームの出射が停止され遮光される。これにより、図3及び図4に示すように、第1の露光において基板12上の各チップ領域14は、第1の露光により遮光されたマスク22のブロックに対応する領域を除いて、全て露光される。
【0083】
次に、露光装置40の保持部46から1枚目のマスク22を取り除き、2枚目のマスク22を保持部46に保持させて、第2の露光を行う。このとき、図19に示すように、マスク24の各ブロックを順に走査しながら露光するのであるが、欠陥Dを含むブロック及び1枚目のマスクで既に露光された基板12上の領域に対応するブロックを走査するに際しては、図20に示すように、ブランキング信号により光源部42からの露光ビームの出射が停止され遮光される。なお、図20(a)〜(h)に示す各図は、図19においてL1〜L8に示す走査線にそれぞれ対応しており、これら走査線L1〜L8に沿って2枚目のマスク24上を走査するときの、光源部42からの露光ビームの出射を制御するための信号(ブランキング信号)を示している。
【0084】
これにより、基板12上のレジストに完全なパターンが転写され、これを現像しエッチング等の処理を施すことで、基板12上に所望パターンが形成される。
【0085】
以上、第4〜第6実施形態に係るパターン形成方法によれば、マスクセット20に含まれる複数のマスク22,24で、欠陥Dを含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないため、各マスク22,24を介して基板12に対して順次露光を行うときに、各マスク22,24で欠陥Dを含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った基板12上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことで、マスク22,24の欠陥Dを補償して、基板12上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能となる。
【0086】
また、上記した実施形態に係るパターン形成方法は半導体回路装置の製造に好適であり、これにより信頼性の高い回路パターンを有する半導体集積回路装置を効率的に製造することができる。
【0087】
図21は、実質的に同一のパターンが形成された2枚のマスクを独立に作製したとき、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがなくなる確率、すなわちマスクセットの良品取得率を示すグラフである。このとき、致命的欠陥密度を10としている。なお、図21において横軸は、各マスク上の領域を区画してなるブロック数を示している。例えば、ブロック数を200とすれば、1枚のマスクから190の良品のブロックを確保することができる。
【0088】
図21に示すように、分割するブロック数を200としたとき、良品のマスクセットが得られる確率は60%程度であり、図22に示すように、1枚のマスクで完全な良品が得られる0.01%以下の確率よりも良品取得率が格段に上昇する。特に、分割するブロック数を500まで増大すると、90%程度の確率で良品のマスクセットが得られる。なお、図示はしないが致命的欠陥密度を5とすれば、分割するブロック数を50としたときでも60%程度の確率で2枚のマスクからなく良品のマスクセットを取得することができる。
【0089】
このように、1枚のマスクでは欠陥を有するため利用できない場合であっても、2枚以上を組み合わせてマスクセットとすることにより、良品としてマスクを利用できる確率が格段に高まる。そして、上記した第4〜第6実施形態に係るパターン形成方法によれば、このように良品として取得されたマスクセットを利用することで、マスクの欠陥を補償して、基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能となる。この方法は、マスクのコスト寄与分の大きい少量多品種LSIの製造や、開発試作に要するコスト低減に極めて有効である。
【0090】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、マスクの所定ブロックを遮光する方法については、上記した各実施形態で説明されたものに限定されず、これ以外の公知の方法を使用することも可能である。
【0092】
また、第4〜第6実施形態では、マスクセットが2枚で構成される場合について説明したが、マスクセットが3枚以上で構成される場合についても、同様にして実施することができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクの欠陥を補償して基板上に信頼性の高いパターンを効率よく形成することが可能なパターン形成方法、それに用いるマスクセット及び露光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第3実施形態で用いる欠陥を有する露光用のマスクを示す図である。
【図2】図1に示すマスクについて、欠陥を含む一部領域(ブロック)を遮光した状態を示す図である。
【図3】1回目の露光により、マスクを介して基板上に同一のパターンを縮小転写してなる複数のチップ領域を示す図である。
【図4】図3に示す複数のチップ領域のうち一のチップ領域の露光状態を示す図である。
【図5】第4〜第6実施形態で用いる欠陥を有する2枚の露光用のマスクからなるマスクセットを示す図である。
【図6】図5に示すマスクセットの各マスクで遮光するブロックを示す図である。
【図7】欠陥を有する3枚の露光用のマスクからなるマスクセットを示す図である。
【図8】図7に示すマスクセットの各マスクで遮光するブロックを示す図である。
【図9】第1実施形態で利用する露光装置を模式的に示す図である。
【図10】図10(a)は、図1に示す露光用のマスクで欠陥を有するブロックを遮光膜で覆った様子を示す平面図である。図10(b)は、図10(a)のXB−XB線断面図である。
【図11】図9に示す露光装置を利用して、マスクを取り除いた状態で基板上に直接露光により描画する様子を示す図である。
【図12】第2実施形態で利用する露光装置を模式的に示す図である。
【図13】図13(a)は、図1に示す露光用のマスクの欠陥を有するブロックに対応するブロックを遮光膜で覆って形成された遮光用マスクを示す平面図である。図13(b)は、図13(a)のXIIIB−XIIIB線断面図である。
【図14】図12に示す露光装置の変形例を示す図である。
【図15】第3実施形態で利用する露光装置を模式的に示す図である。
【図16】図1に示すマスクの各ブロックを走査しながら露光する様子を説明する図である。
【図17】図17(a)〜(h)は、それぞれ図16に示す各走査線L1〜L8に沿うマスクの走査時に、露光ビームの出射を制御するためのブランキング信号を示す図である。
【図18】図5に示す露光用のマスクセットの各マスクに対する遮光用マスであって、所定のブロックを遮光膜で覆った遮光用マスクを示す平面図である。
【図19】図5に示す2枚目のマスクの各ブロックを走査しながら露光する様子を説明する図である。
【図20】図20(a)〜(h)は、それぞれ図19に示す各走査線L1〜L8に沿うマスクの走査時に、露光ビームの出射を制御するためのブランキング信号を示す図である。
【図21】実質的に同一のパターンが形成された2枚のマスクを独立に作製したときの良品取得率を示すグラフである。
【図22】マスク上の修復不可能な致命的欠陥密度と歩留まりとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…マスク、12…基板、20,30…マスクセット、22,32…1枚目のマスク、24,34…2枚目のマスク、36…3枚目のマスク、40,60,70…露光装置、42…光源部、44…ステージ、46…保持部、48…制御部、50…遮光膜、62…第1の保持部、64…第2の保持部、66,82,84…遮光用マスク、S…ブロック、D…欠陥。
Claims (14)
- マスクを介して露光することにより、基板上に所望パターンを形成するパターン形成方法であって、
前記マスクの欠陥を含む一部領域を遮光した状態で、該マスクを介して前記基板に対して露光を行う第1の露光工程と、
前記第1の露光工程において遮光された前記一部領域に対応する前記基板上の領域に、直接露光により描画を行う第2の露光工程と、
を備えることを特徴とするパターン形成方法。 - マスクを介して露光することにより、基板上に所望パターンを形成するパターン形成方法であって、
実質的に同一のパターンが形成された複数のマスクからなり、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないマスクセットを用意し、
前記マスクセットの各マスクを介して前記基板に対して順次露光を行うときに、各マスクで欠陥を含むブロックを遮光した状態で、かつ既に露光を行った該基板上の領域に対応するブロックを遮光した状態で露光を行うことを特徴とするパターン形成方法。 - 露光により基板上に所望パターンを形成するための複数のマスクからなるマスクセットであって、
前記複数のマスクの各々には実質的に同一のパターンが形成されており、各マスク上の領域を区画してなる複数のブロックのうち、欠陥を含むブロックが全てのマスクについては重なり合うことがないことを特徴とするマスクセット。 - 前記複数のマスクの各々は、前記パターンとして密度の低い疎な領域と、該疎な領域よりも密度の高い密な領域とを有し、前記複数のブロックの境界は該疎な領域に含まれることを特徴とする請求項3に記載のマスクセット。
- 請求項1に記載のパターン形成方法に利用される露光装置であって、
前記マスクを保持する第1の保持部と、
前記マスクの欠陥を含む一部領域を遮光するための遮光パターンが形成された遮光用マスクを保持する第2の保持部と、
を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記第2の保持部は、前記第1の保持部に保持された前記マスクと近接した状態で、前記遮光用マスクを保持することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
- 前記第2の保持部は、前記第1の保持部に保持された前記マスクにより形成されるパターンの像面において、前記遮光用マスクを保持することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
- 請求項1に記載のパターン形成方法に利用される露光装置であって、
露光ビームを出射する光源部と、
前記露光ビームによる前記マスク上の走査時において、該マスクの欠陥を含む一部領域を遮光するように、ブランキング信号を生成して前記光源部からの前記露光ビームの出射を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする露光装置。 - 請求項2に記載のパターン形成方法に利用される露光装置であって、
前記複数のマスクのいずれかを保持する第1の保持部と、
前記複数のマスクの各々に対応して設けられた、各マスクの所定のブロックを遮光するための遮光パターンが形成された複数の遮光用マスクのいずれかを保持する第2の保持部と、
を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記第2の保持部は、前記第1の保持部に保持された前記マスクと近接した状態で、前記遮光用マスクを保持することを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
- 前記第2の保持部は、前記第1の保持部に保持された前記マスクにより形成されるパターンの像面において、前記遮光用マスクを保持することを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
- 請求項2に記載のパターン形成方法に利用される露光装置であって、
露光ビームを出射する光源部と、
前記露光ビームによる前記複数のマスクの各々の走査時において、各マスクの所定のブロックを遮光するように、ブランキング信号を生成して前記光源部からの前記露光ビームの出射を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする露光装置。 - 請求項1に記載のパターン形成方法を用いることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
- 請求項2に記載のパターン形成方法を用いることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002314823A JP2004152898A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | パターン形成方法、マスクセット、及び露光装置 |
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Cited By (2)
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JP2014165275A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Fujitsu Semiconductor Ltd | 露光方法及び露光システム |
JP2014232808A (ja) * | 2013-05-29 | 2014-12-11 | 富士通セミコンダクター株式会社 | 欠陥補正方法、半導体製造装置、半導体製造方法、及び欠陥補正プログラム |
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2002
- 2002-10-29 JP JP2002314823A patent/JP2004152898A/ja not_active Withdrawn
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