JP2004151649A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源と、電気光学変調素子と、投写レンズとを備えたプロジェクタであって、
前記電気光学変調素子は、第1の電気光学変調素子と第2の電気光学変調素子とを含み、
前記光源からの光を2種類の偏光光に分離するための偏光光分離手段と、
前記光源と前記偏光光分離手段との間に配置された、前記光源からの光を前記電気光学変調素子における画像形成領域内の所定照射領域に照射するための照射領域規定光学系と、前記光源からの光を複数の色光に分離するための色分離光学系と、該色分離光学系により分離された複数の色光のいずれかを前記電気光学変調素子における画像形成領域内で走査するための色光走査手段と、をさらに備えたプロジェクタ。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明はプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
光源からの光を偏光ビームスプリッタにより2つの偏光光に分離し、それらの偏光光をそれぞれ別個の電気光学変調素子により変調してスクリーン上などに投影するプロジェクタが知られている。
【0003】
図13は、従来のプロジェクタの光学系を示す図である。このプロジェクタ800は、図13に示されるように、光源810と、この光源810からの光を赤色、緑色、青色の3つの色光に分離するためのダイクロイックミラー820,822,824と、これらの3つの色光のそれぞれについて入射された色光をP偏光光とS偏光光との2つ偏光光に分離するための偏光ビームスプリッタ830,832,834と、3つの色光の一方の偏光光を変調するための反射型電気光学変調素子840,842,844と、3つの色光の他方の偏光光を変調するための反射型電気光学変調素子850,852,854と、これらの反射型電気光学変調素子によって変調された各偏光光をスクリーンなどに投写するための投写レンズ860,862,864とを備えている。
【0004】
上記した各偏光ビームスプリッタ830,832,834は、入射された色光をP偏光光とS偏光光との2つ偏光光に分離する機能を果たすだけでなく、前記反射型電気光学変調素子によって変調された各偏光光を合成して投写レンズに向けて射出させる機能をも果たしている。このため、従来のプロジェクタ800においては、各色光に含まれる偏光成分の全部を利用することができるため、光の利用効率が高く輝度の高いプロジェクタを実現できるという効果を有している(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、このプロジェクタ800においては、反射型電気光学変調素子が6枚必要となり部品代が高くつくとともに、6枚の反射型電気光学変調素子の位置合わせが煩雑であり、結果として製造コストが高くなり易いという問題点があった。
【0006】
図14は、従来のプロジェクタの光学系を示すもう一つの図である。このプロジェクタ900は、図14に示されるように、S偏光光を発する光源910と、この光源910からのS偏光光のうち赤色及び青色の成分を反射するダイクロイックミラー920と、このダイクロイックミラー920を透過した緑色のS偏光光をP偏光光に変換する偏光角回転ミラー922と、P偏光光とS偏光光とを分離するための偏光ビームスプリッタ930と、赤色のS偏光光と青色のS偏光光を交互に透過させるカラー調整バルブ942と、このカラー調整バルブ942を透過したS偏光光を変調する反射型電気光学変調素子940と、緑色のP偏光光を変調するための電気光学変調素子944と、変調された各偏光光をスクリーンなどに投写するための投写レンズ950とを備えている。
【0007】
上記した偏光ビームスプリッタ930は、入射光をS偏光光とP偏光光との2つ偏光光に分離する機能を果たすだけでなく、各反射型電気光学変調素子によって変調された各偏光光を合成して投写レンズに向けて射出させる機能をも果たしている。このため、このプロジェクタ900においては、2枚の電気光学変調素子によってフルカラー表示を実現することができるという効果を有している(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
しかしながら、この従来のプロジェクタ900においては、カラー調整バルブ942により赤色のS偏光光と青色のP偏光光を例えば1/120秒毎に交互に透過させているため、このカラー調整バルブ942の部分で少なくとも50%の光の損失を招いており、光の利用効率が悪いという問題点があった。
【0009】
また、電気光学変調素子1枚でフルカラー画像を生成するプロジェクタが知られている。このプロジェクタは、回転プリズムを用いて赤、緑、青の色光によるカラーバーを電気光学変調素子の画像形成領域内で走査させることにより電気光学変調素子が1枚でありながらフルカラーを表示することができる。以下、複数の色光からなるカラーバーを電気光学変調素子の画像形成領域内で走査させてフルカラー表示させることを「カラースクロール」ということにする(例えば、非特許文献1参照。)。
【0010】
しかしながら、偏光光を変調して画像を形成するような電気光学変調素子を1枚用いる場合は、電気光学変調素子に入射するすべての光の偏光方向を揃えるような偏光変換光学系がないと単純に半分の光が損失することになる。したがって、1枚の電気変調光学装置を利用して高い光利用効率を維持するためには、光学系が複雑になるが偏光変換光学系を用いる必要があるという問題点があった。
また、偏光変換光学系を用いることにより高い光利用効率を実現したとしても電気光学変調素子1枚で複数の色光を同時に変調するため、画像の表示能力は電気光学変調素子に大きく依存し、表示能力に限界が生じ易く、高品位の画像を実現し難いといった問題点もあった。
【0011】
【特許文献1】特開平3−139638号公報
【特許文献2】特開2000−147656号公報
【非特許文献1】J.A.Shimizu,”Single Panel Reflective LCD Projector,” Projection Displays V, Proceedings SPIE, Vol. 3634, pp.197−206, 1999
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、2つの電気光学変調素子により画像形成を行い、高い光利用効率で高品位画像を実現するフルカラー表示が可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のプロジェクタは、光源と、該光源からの光を変調して画像を形成する電気光学変調素子と、該電気光学変調素子により形成された画像を投写するための投写レンズと、を備えたプロジェクタであって、前記電気光学変調素子は、第1の電気光学変調素子と第2の電気光学変調素子とを含み、前記光源からの光を2種類の偏光光に分離するための偏光光分離手段と、前記光源と前記偏光光分離手段との間に配置された、前記光源からの光を前記電気光学変調素子における画像形成領域内の所定照射領域に照射するための照射領域規定光学系と、前記光源からの光を複数の色光に分離するための色分離光学系と、該色分離光学系により分離された複数の色光のいずれかを前記電気光学変調素子における画像形成領域内で走査するための色光走査手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このため、本発明のプロジェクタによれば、色分離光学系と照明領域規定光学系とにより電気光学変調素子の画像形成領域内の所定照射領域に複数の色光によるカラーバーを形成することができる。そして、色光走査手段でカラーバーを走査することによりカラースクロールを実現できるので、2つの電気光学変調素子でありながら、3板方式のプロジェクタと同等の解像度でフルカラーの表示を行うことができる。
さらに、偏光光分離手段により分離された2つの偏光光を、それぞれ2つの電気光学変調素子において分担して変調できるため、光学系が複雑になり易い偏光変換光学系を用いなくとも、比較的簡易な構成で光を効率良く利用することを実現している。また、光学系が簡易な構成であるため、カラーバーが精度良く電気光学変調素子の画像形成領域内に形成できる。したがって、複数の色光を同一の電気光学変調素子で変調するカラースクロールにおいては、走査される色光を精度良く変調できるので、異なる色光の変調や混色の問題が生じにくく、色再現性が容易に得やすいという効果を得られる。
【0015】
(2)本発明のプロジェクタは、上記(1)に記載のプロジェクタにおいて、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、ほぼ同じ画素配列を有し、それぞれが同じ駆動信号により駆動されるものとすることができる。その結果、上記(1)の効果が得られると同時に、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、同じ駆動信号により駆動されるため、電気光学変調素子に対して駆動信号を送信する回路などを共通化することができ、部品点数を減らせるという効果も得られる。
【0016】
(3)また、本発明のプロジェクタは、上記(1)に記載のプロジェクタにおいて、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、同じ画素配列を有し、それぞれが異なる駆動信号により駆動されるものとすることができる。その結果、これら2つの電気光学変調素子に異なる階調信号を与えることができるので、一方の電気光学変調素子に与えた階調信号と別の階調信号をもう一方の電気光学変調素子に与えた方が、より高階調表示が可能であるという効果が得られる。
【0017】
(4)また、本発明のプロジェクタは、上記(1)に記載のプロジェクタにおいて、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、互いに画素ピッチより小さいピッチだけずれた画素配列を有し、それぞれが異なる駆動信号により駆動されるものとすることができる。その結果、複数の電気光学変調素子の画素配列が同一になっている場合や、電気光学変調素子を1つ用いる場合に比べ、高い解像度表示が可能であるという効果が得られる。さらに、2つの電気光学変調素子にそれぞれが異なる駆動信号を供給すれば、さらに表示される解像度を更に高めることができる。
【0018】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロジェクタにおいては、前記色分離光学系は、前記偏光光分離手段からの光を3つの色光に分離する色分離光学系であることが好ましい。このように構成することにより、本発明のプロジェクタにおいては、3つの色光を用いてカラースクロールを実現することができるため、高い光利用効率で高品位の画像を実現しながら、できるだけ少ない色光数で、容易にフルカラー表示を行うことができる。
【0019】
(6)本発明のプロジェクタは、光源と、該光源からの光を変調して画像を形成する電気光学変調素子と、該電気光学変調素子により形成された画像を投写するための投写レンズと、を備えたプロジェクタであって、前記電気光学変調素子は、第1の電気光学変調素子と第2の電気光学変調素子とを含み、前記光源からの光を偏光方向の揃った偏光光に変換する偏光変換光学系と、該偏光変換光学系から射出される偏光光のうち特定の波長の光に関して偏光方向を略90度回転する波長選択位相差板と、該波長選択位相差板が射出する光を分離するための偏光光分離手段と、前記光源と前記波長選択位相差板との間に配置されて、前記光源からの光を前記電気光学変調素子における画像形成領域内の所定照射領域に照射するための照射領域規定光学系と、前記光源からの光を複数の色光に分離するための色分離光学系と、該色分離光学系により分離された複数の色光のいずれかを前記電気光学変調素子における画像形成領域内で走査するための色光走査手段と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
このため、本発明のプロジェクタによれば、光源からの光は偏光変換光学系により偏光方向の揃った偏光光に変換され、色分離光学系で複数の色光に分離される。この色分離光学系で分離された色光にうち、特定波長の色光に関しては、波長選択位相差板により偏光方向を90度回転させられる。そのため、色分離光学系により複数の色光に分解される光は、偏光分離手段に入射する時点において、各色光に応じてP偏光光とS偏光光のいずれか一方の偏光光に特定されている。したがって、P偏光光とS偏光光のいずれか一方の偏光光(例えばP偏光光)に特定された色光は、偏光分離手段の偏光分離面を透過し、もう一方の偏光光(S偏光光)は反射することで、各色光がそれぞれ分離され、分離された各色光は、2つの電気光学変調素子によりそれぞれ分担して変調される。
このため、複数の色光を2つの電気光学変調素子で分担して変調できるため、1つの電気光学変調素子で変調する色光の数を減らして、電気光学変調素子の表示性能を十分に利用してフルカラーの表示をすることができる。
よって、1つの電気光学変調素子におけるカラーバーの色光の数を減らすことができるので、例えば、カラースクロールにおけるカラーバーの間を十分に確保できるようになり、応答速度の比較的遅い電気光学変調素子であっても良好に用いることができるようになる。
したがって、2つの電気光学変調素子で画像形成を行うプロジェクタでありながら、高い光利用効率で高品位の画像を実現するフルカラー表示が可能なプロジェクタを提供することができる。
【0021】
(7)上記(6)に記載のプロジェクタにおいては、前記色分離光学系は、前記偏光変換光学系からの光を3つの色光に分離する色分離光学系であり、前記波長選択位相差板は、3つの色光のうち、1つ又は2つの色光をそのまま透過させ、他の2つ又は1つの色光を偏光方向を90度回転させて透過させるものとすることができる。
【0022】
このため、本発明のプロジェクタによれば、3つの色光を用いてカラースクロールが実現できるため、できるだけ少ない色光数で上記(6)の効果が得られると同時に容易にフルカラー表示を行うことができる。また、波長選択位相差板は、偏光方向を特定の波長ごとに選択的に90度回転でき、複数の色光が同時に通過する光路上に配置することができるため、波長選択位相差板の配置場所が限定されることなく、上記(6)の効果が得られる構成を実現することができる。
【0023】
(8)上記(6)に記載のプロジェクタにおいては、前記色分離光学系は、前記偏光変換光学系からの光を3つの色光に分離する色分離光学系であり、前記波長選択位相差板は、3つの色光のうち、特定の色光の光路に配置することにより特定の波長の光に関して偏光方向を90度回転する波長選択位相差板であるものとすることができる。
【0024】
このため、本発明のプロジェクタによれば、3つの色光を用いてカラースクロールが実現できるため、できるだけ少ない色光数で上記(6)の効果が得られると同時に容易にフルカラー表示を行うことができる。また、波長選択位相差板は、特定の色光の光路上に配置することで特定の波長の光に関して偏光方向を90度回転するため、偏光方向を特定の波長の光ごとに選択的に90度回転するような特殊な位相差板を用いなくても上記(6)の効果が得られる構成を容易に実現することができる。
【0025】
(9)上記(7)又は(8)に記載のプロジェクタにおいては、前記第1の電気光学変調素子は、前記3つの色光のうち1つの色光を変調し、前記第2の電気光学変調素子は、前記3つの色光のうち2つの色光を変調し、前記第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される前記1つの色光の画像形成領域が、前記第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される前記2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重なるものとすることができる。
【0026】
このため、本発明のプロジェクタによれば、第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される1つの色光の画像形成領域が、第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重なることで、その分、各色光のカラーバーが密に配置され、非照明領域の幅を大きくとることができる。したがって、非照明領域が電気光学変調素子の画像形成領域を走査されると、スクリーン上などに表示される非点灯時間が長くなり擬似的な間欠点灯となる。第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される1つの色光の画像形成領域が、第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重ならないようにさせても非照明領域は存在するが、上記の画像表示領域が重なる場合に比べて非照明領域が狭くなり、その結果、非点灯時間が短くなってしまう。よって、液晶パネルのような表示時間の間一定の明るさを表示させるようなホールド型の表示方式に対しては、第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される1つの色光の画像形成領域が、第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重なる構成を採用することで、擬似的な間欠点灯を認識できるほどの非照明領域を確保でき、すなわち、瞬間的に明るさを発するインパルス型の表示方式を再現させることができ、ホールド型の表示方式の問題である動画表示における残像の影響を軽減して表示特性を向上させることができるという効果がある。
さらに、スクリーン上などに投写されるが重なるようなタイミングで電気光学変調素子の画像形成領域を走査される色光の組み合わせは、波長選択位相差板により偏光方向が異なる色光の組み合わせでもあるため、それぞれの色光は偏光分離光学系により分離され、異なる電気光学変調素子に変調されていることになる。したがって、第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される1つの色光の画像形成領域が、第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重なる場合であっても、1つの電気光学変調素子の画像形成領域ではそれら色光は重ならないため、混色の問題は生じない。
【0027】
(10)上記(6)に記載のプロジェクタにおいては、
前記色分離光学系は、前記偏光変換光学系からの光をオレンジ色を含む4つの色光ののうち2つの色光を含む第1の色光と、前記4つの色光のうち第1の色光に含まれない2つの色光を含む第2の色光と、に分離し、前記波長選択位相差板は、前記第1の色光に含まれる2つの色光のうち一方の色光をそのまま透過させ他方の色光を偏光方向を90度回転させて透過させるとともに、前記第2の色光に含まれる2つの色光のうち一方の色光をそのまま透過させ他方の色光を偏光方向を90度回転させて透過させる波長選択位相差板であるものとすることができる。
【0028】
このため、本発明のプロジェクタによれば、色分離光学系で2つの色光に分離し、さらに波長選択位相差板と偏光分離光学系の組み合わせにより4つの色光に分離できるため、2つの電気光学変調素子で4つの色光を扱う構成が可能となる。つまり、光の三原色である赤色、緑色及び青色に加えて、オレンジ色の色光を選択的に利用することが可能となっていることを意味する。詳しく説明すると、一般的なプロジェクタでは光源に高圧放電ランプを用いるため発生する光の波長は広帯域でほぼ可視域全体に光強度をもつが、本文において前述までは、簡易的に光の波長域を大別して、3つの色光に分類していた。ここで、オレンジ色の色光を新たに分類すると、本発明のプロジェクタにおいては、オレンジ色の色光が分離されているので、独立して電気光学変調素子で変調でき、選択的に表示と非表示を切り替えて表示に利用することができる。例えば、オレンジ色の色光を表示に利用する場合は、オレンジ色の色光の分だけ明るさを上げた状態でフルカラー表示が可能となる。逆に、オレンジ色の色光を表示に利用しない場合は、色純度の高い赤色、緑色及び青色の色光のみで色純度の高い状態でフルカラーの表示が可能となる。したがって、状況に合わせてオレンジ色の色光を選択的に利用しながらフルカラー表示ができるという効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す図である。図1に示されるように、このプロジェクタ100は、光源110と、光源110からの光を2種類の偏光光に分離するための偏光光分離手段としての偏光ビームスプリッタ160と、偏光ビームスプリッタ160により分離された偏光光のそれぞれを変調し画像を形成する電気光学変調素子としての2つの反射型液晶パネル170,172と、反射型液晶パネル170,172により変調された光を投写するための投写レンズ180と、を備えている。
【0031】
そして、実施形態1に係るプロジェクタは、光源110と偏光ビームスプリッタ160との間に、光源110からの光を反射型液晶パネル170,172における画像形成領域内の所定照射領域に照射するための照射領域規定光学系120と、光源110からの光を3つの色光(赤色,緑色,青色)に分離するための色分離光学系130と、色分離光学系130により分離された3つの色光を反射型液晶パネルにおける画像形成領域内で走査するための色光走査手段としての回転プリズム140R,140G,140Bと、回転プリズム140R,140G,140Bにより走査された3つの色光を選択して反射または透過する色光選択反射透過光学系150と、をさらに備えている。
【0032】
照射領域規定光学系120は、インテグレータ光学系からなっていて、第1のレンズアレイ122と、第2のレンズアレイ124と、重畳レンズ128とを備えている。
【0033】
第1のレンズアレイ122は、複数の第1の小レンズを備え、この複数の第1の小レンズによって光源110から射出された光束を複数の部分光束に分割する機能を有している。第1のレンズアレイ122は、反射型液晶パネル170,172における画像形成領域の所定領域(色光がN色(Nは複数の自然数)であれば、画像形成領域の走査方向に対応する辺が約1/Nに圧縮された形状を有する領域)と相似の矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源110から入射された平行な光束を複数の部分光束に分割し、各部分光束を第2のレンズアレイ124の近傍で収束させる。各小レンズを光軸に沿って見た外形形状は、反射型液晶パネル170,172における画像形成領域内の所定領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
【0034】
第2のレンズアレイ124は、複数の第2の小レンズを備え、第1のレンズアレイ122から射出された複数の部分光束が集光される位置近傍に配置されている。第2のレンズアレイ124の第2の小レンズも、第1のレンズアレイ122の第1の小レンズに対応するように、マトリクス状に配列された構成を有している。第2のレンズアレイ124は、第1のレンズアレイ122から射出された各部分光束の光軸が重畳レンズ128の入射面に対して垂直に入射するように、構成されている。重畳レンズ128は、第1、第2レンズアレイにより分割された各部分光束を反射型液晶パネル170,172における画像形成領域の所定領域に集光するように設定されている。
【0035】
色分離光学系130は、照射領域規定光学系120からの光を赤色、緑色及び青色の3つの色光に分離する。この色分離光学系130は、互いに平行に配置された2枚のダイクロイックミラーを備えている。
【0036】
3つの回転プリズム140R,140G,140Bは、それぞれ所定角度だけ位相がずれて回転することにより、色分離光学系130により分離された赤色、緑色及び青色の各色光を、反射型液晶パネル170,172における画像形成領域内で走査する機能を有している。このため、反射型液晶パネル170,172における画像形成領域において3つの色光が順に走査されカラースクロールが実現される。
【0037】
色光選択反射透過光学系150は、3つの回転プリズム140R,140G,140Bにより走査された複数の色光を選択して反射または透過して、偏光ビームスプリッタ160に導く機能を有している。
【0038】
偏光ビームスプリッタ160は、色光選択反射透過光学系150により、光軸がほぼ平行化された光をP偏光光及びS偏光光の2種類の偏光光に分離して、2つの反射型液晶パネル170,172へと導く。2つの反射型液晶パネル170,172はこれらの偏光光を変調して画像形成を行う。変調された光は偏光ビームスプリッタ160から投写レンズ180に向かい、投写レンズ180により投写され、スクリーン上などに投写される。
【0039】
図2は、実施形態1に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。図2(a)は、2つの反射型液晶パネル170,172において各色光がカラースクロールされる様子を示す図であり、図2(b)は、図2(a)のX点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図であり、図2(c)は、図2(a)のY点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図である。Tは、走査の周期を示し、R,G,Bは赤色、緑色、青色の色光を示す。そして、カラースクロールにより各色光がある時間で照射されている時間に、各色光に対応した駆動信号で各色光が反射型液晶パネルにより変調される。なお、図2において、反射型液晶パネル170,172は同じ画素配列を有し、それぞれが同じ駆動信号により駆動され、画像が形成される。このとき、2つの反射型液晶パネル170,172に対して駆動信号を送信する回路(図示せず)は1つで、2つの反射型液晶パネルに同じ駆動信号を送信している。
【0040】
図1及び図2に示されるように、実施形態1に係るプロジェクタ100は、それぞれが3つの色光成分を含む2つの偏光光をそれぞれ2つの反射型液晶パネル170,172に重畳させてから変調して画像形成を行っているため、光源のほとんどすべての偏光成分の光を利用することができ、高い光利用効率が得られるという効果がある。また、実施形態1に係るプロジェクタ100においては、回転プリズム140R,140G,140Bの色光走査により、いわゆるカラースクロールが実現され、2つの電気光学変調素子でありながら、3板方式のプロジェクタと同等の解像度によるフルカラー表示を行うことができるという効果もある。さらにまた、カラースクロールは、1つの電気光学変調素子で複数の色光を扱うため投写される画像に混色の問題が生じ易いが、偏光光分離手段により2つの偏光光に分離し、2つの偏光光を2つの電気光学変調素子で分担して利用するため、電気光学変調素子での色光の混色を防ぐために光学系が複雑になり易い偏光変換光学系を用いる必要がなく、光学系が比較的簡素になり高い色再現性が得られるという効果もある。
【0041】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。図3(a)は、2つの反射型液晶パネル170,174において各色光がカラースクロールされる様子を示す図であり、図2(b)は、図3(a)のX点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図であり、図2(c)は、図2(a)のY点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図である。
【0042】
実施形態2に係るプロジェクタは、実施形態1に係るプロジェクタ100とほぼ同じ構成を有している。図3に示されるように2つの反射型液晶パネルが同じ画素配列を有している点でも同じである。しかしながら、実施形態2のプロジェクタは、2つの反射型液晶パネル170,174が異なる駆動信号により駆動されている点で、2つの反射型液晶パネル170,172が同じ駆動信号により駆動されている実施形態1に係るプロジェクタとは異なっている。このため、実施形態2に係るプロジェクタにおいては、これら2つの反射型液晶パネル170,174に異なる階調信号を与えることができるので、より高階調表示が可能となっている。
【0043】
図4は、本発明の実施形態2に係るプロジェクタの階調表示を説明するための図である。図4(a)は、反射型液晶パネル170の階調表示を説明するための図であり、図4(b)は、反射型液晶パネル174の階調表示を説明するための図である。
図4(a)において、横軸は光量を示し、左から光量比で1:2:4:8:16の5つのブロックに分けた光量の組み合わせで明るさ表示ができることを示す。したがって、反射型液晶パネル170全体で32階調の表示が可能である。図4(b)において、全光量は反射型液晶パネル170で変調する全光量に等しいが、反射型液晶パネル174全体で1階調の表示が可能ということになる。したがって、異なる駆動信号によりそれぞれ駆動する。
【0044】
しかしながら、反射型液晶パネル170と174とで変調された光は、スクリーン上などで合成して表示されるため、図4(c)のように合わせて考えることができる。したがって、左から光量比で1:2:4:8:16:32の6ブロックに分けた光量の組み合わせで明るさ表示ができる。よって、全体として64階調の表示が可能となり、本発明のプロジェクタは、1つの電気光学変調素子で表示できる階調よりも高階調の表示が可能になる。
なお、ここで説明した方法は一例であって、同じ駆動信号で2つの電気光学変調素子が駆動しなければ、他の2つの電気光学変調素子を異なる駆動信号にすることで高階調表示が可能である。
【0045】
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。図5(a)は、2つの反射型液晶パネル170,176において各色光がカラースクロールされる様子を示す図であり、図5(b)は、図5(a)のX点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図であり、図5(c)は、図5(a)のY点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図である。
【0046】
実施形態3に係るプロジェクタは、図5に示されるように、実施形態1に係るプロジェクタ100とほぼ同じ構成を有している。しかしながら、実施形態3に係るプロジェクタは、2つの反射型液晶パネル170,176が互いに画素ピッチより小さいピッチだけずれた画素配列を有している点で、2つの反射型液晶パネル170,172が同じ画素配列を有している実施形態1に係るプロジェクタとは異なっている。そのうえ、実施形態3のプロジェクタは、2つの反射型液晶パネル170,176が異なる駆動信号により駆動されている点で、2つの反射型液晶パネル170,172が同じ駆動信号により駆動されている実施形態1に係るプロジェクタとは異なっている。このため、実施形態3に係るプロジェクタにおいては、これら2つの反射型液晶パネル170,176に異なる階調信号を与えることができるので、1つの電気光学変調素子により得られる解像度よりも高い解像度表示が可能であるという効果が得られる。
【0047】
図6は、本発明の実施形態3に係るプロジェクタの解像度を説明するための図である。図6(a)は、反射型液晶パネル170の画素配列を説明するための図であり、図6(b)は、反射型液晶パネル176の画素配列を説明するための図である。
図6(a)において、小さい矩形で表されたものは画素を示す。そして、図6(b)においても、小さい矩形で表されたものは画素を示し、図6(a)に対して画素数は同じであるが画素ピッチが半分ずれた画素配置をしている。
ところで、反射型液晶パネル170と176で変調された光は、スクリーン上などで合成して表示されるため、合わせて考えると図6(c)のような画素配列による反射型液晶パネルにより表示がされると考えることができる。したがって、画素数は2倍となり本発明のプロジェクタは、1つの電気光学変調素子で表示できる解像度よりも高解像度の表示が可能になる。
なお、ここで説明した方法は一例であって、2つの電気光学変調素子が同じ画素配列でなければ、他にも2つの電気光学変調素子の画素配列を変えることで高解像度表示が可能である。
【0048】
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係るプロジェクタの光学系を示す図である。 図8は、実施形態4に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。図8(a)は、2つの反射型液晶パネル270,272において各色光がカラースクロールされる様子を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のX点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図であり、図8(c)は、図8(a)のY点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図である。
【0049】
実施形態4に係るプロジェクタ200は、図7に示されるように、基本的には、実施形態1に係るプロジェクタ100と類似の構造を有している。このため、実施形態4に係るプロジェクタにおいては、実施形態1に係るプロジェクタと同様に、2つの偏光光をそれぞれ2つの反射型液晶パネル270,272により変調し、これを重畳して画像形成を行っているため、光源のほとんどすべての偏光成分の光を利用することができ、高い光利用効率が得られるという効果がある。また、色分離光学系130により分離された赤色、緑色及び青色の3つの色光についてそれぞれ変調がなされ画像形成が行われるため、高い色再現性が得られるという効果もある。また、回転プリズム140R,140G,140Bの色光走査により、いわゆるカラースクロールが実現され、3板方式のプロジェクタと同等の解像度のカラー表示を行うことができるという効果もある。また、いわゆるカラースクロールにより、高い動画表示性能が得られるという効果もある。
【0050】
しかしながら、実施形態4に係るプロジェクタ200は、偏光変換光学系226と波長選択位相差板290とさらにを有している点で、実施形態1に係るプロジェクタ100と異なっている。偏光変換光学系としては、アレイ状の偏光ビームスプリッタの射出面に位相差板を等間隔で配置したものをインテグレータ光学系に組み合わせて用いた。波長選択位相差板290としては、米国カラーリンク社によって開発され長瀬産業株式会社によって販売されているカラーセレクトを用いた。
【0051】
実施形態4に係るプロジェクタ200においては、色分離光学系130は、偏光変換光学系226からの偏光方向の揃った光をそのまま赤色、緑色及び青色の3つの色光に分離し、波長選択位相差板290は、この赤色、緑色及び青色の3つの色光のうち、赤色及び青色の色光をそのまま透過させ、緑色の色光を偏光方向を90度回転させて透過させている。このため、波長選択位相差板290を通過した色光のうち、赤色及び青色の色光はS偏光として偏光ビームスプリッタ160で反射される。一方、波長選択位相差板290を通過した緑色の色光はP偏光として偏光ビームスプリッタ160を透過する。このため、図8に示されるように、実施形態4に係るプロジェクタにおいては、2つの反射型液晶パネル270,272が3つの色光を分担して変調することになるので、各反射型液晶パネル270,272において、各カラーバーの間を十分に確保できるようになり、応答の比較的遅い電気光学変調素子をも良好に使用できることができるという効果がある。
【0052】
なお、実施形態4の緑色の色光のように1つの色光が1つの電気光学変調素子で変調できる場合には、その色光は走査しないで、電気光学変調素子の画像形成領域全体を照明できるように一部光学系を変更してもよい。
【0053】
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5に係るプロジェクタの光学系を示す図である。実施形態5に係るプロジェクタ202は実施形態4に係るプロジェクタ200とほぼ同じ構成を有しているが、波長選択位相差板において構成が異なる。図9に示すように、波長選択位相差板292は、赤色、緑色及び青色の3つの色光のうち、特定の色光である緑色の光路に配置することで特定の波長に関して偏光方向を90度回転する波長選択位相差板である。したがって、緑色の色光以外の波長域における光の偏光方向も90度回転する特性であっても、緑色の色光しか通過しないので特に問題はない。
このため、波長選択位相差板は、特定の色光の光路に配置することで特定の波長の光に関して偏光方向を90度回転するため、偏光方向を特定の波長の光ごとに選択的に90度回転するような特殊な位相差板を用いなくても、実施形態4と同様に2つの反射型液晶パネルが3つの色光を分担して変調することになるので、各反射型液晶パネルにおいて、各カラーバーの間を十分に確保できるようになり、応答の比較的遅い電気光学変調素子をも良好に用いることができるという効果がある。
【0054】
(実施形態6)
図10は、実施形態6に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。図10(a)は、2つの反射型液晶パネル274,276において各色光がカラースクロールされる様子を示す図であり、図10(b)は、図10(a)のX点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図であり、図10(c)は、図10(a)のY点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図である。
【0055】
実施形態6に係るプロジェクタが実施形態4や実施形態5に係るプロジェクタ200,202と異なる点は、第1の電気光学変調素子が、3つの色光のうち1つの色光を変調し、第2の電気光学変調素子が、3つの色光のうち2つの色光を変調し、第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される1つの色光の画像形成領域が、第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重なることを特徴とする点である。
【0056】
すなわち、実施形態4や実施形態5に係るプロジェクタ200,202においては、図8に示されるように、赤色、緑色及び青色の各色光は時間軸で見れば順番に走査されている。これに対し、図10に示されるように、波長選択位相差板によって偏向方向を特定されて偏光ビームスプリッタ160に入射した各色光のうち青光と赤光は、偏光ビームスプリッタ160の偏光分離面で反射されて反射型液晶パネル274によって変調される。また、偏光分離面を透過して反射型液晶パネル276に入射した緑光は、当該反射型液晶パネル276で変調される。この反射型液晶パネル276からスクリーンに投写される緑光の画像形成領域のが、反射型液晶パネル274から投写される青光または赤光の画像形成領域のすくなくとも一方に重なるように、各反射型液晶パネルの画像形成領域を走査される。このため、各色光のカラーバーが密に配置され、非照明領域の幅を大きくとることができる。したがって、一方の反射型液晶パネルからスクリーン上に投写される1つの色光の画像形成領域が、もう一方のからスクリーン上に投写される2つの色光の画像形成領域の少なくとも1つにも重ならないように画像形成領域を走査することに比べ、スクリーン上などに表示される非点灯時間が長くなり擬似的な間欠点灯となる。よって、表示時間の間一定の明るさを表示されるようなホールド型の表示方式である反射型液晶パネルに対して間欠点灯を適用することで、瞬間的に明るさを発するインパルス型の表示方式を再現させることができ、ホールド型の表示方式の問題である動画表示における残像の影響を軽減して表示特性を向上させることができるという効果がある。
【0057】
(実施形態7)
図11は、実施形態7に係るプロジェクタの光学系を示す図である。図12は、実施形態7に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。図12(a)は、2つの反射型液晶パネルにおいて各色光がカラースクロールされる様子を示す図であり、図12(b)は、図12(a)のX点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図であり、図12(c)は、図12(a)のY点に照射される各色光における光強度の時間変化を示す図である。
【0058】
実施形態7に係るプロジェクタ300においては、色分離光学系230は、偏光変換光学系226からの光を赤色及びオレンジ色を含む第1の色光と、緑色及び青色を含む第2の色光の2つの色光とに分離している。また、波長選択位相差板290は、第1の色光に含まれる赤及びオレンジのうち赤色の色光をそのまま透過させオレンジ色の色光を偏光方向を90度回転させて透過させている。また、第2の色光に含まれる緑色及び青色のうち青色の色光をそのまま透過させ緑色の色光を偏光方向を90度回転させて透過させている。このため、波長選択位相差板290を通過した色光のうち、赤色及び青色の色光はS偏光として偏光ビームスプリッタ160で反射される。一方、波長選択位相差板290を通過した色光のうち、オレンジ色及び緑色の色光はP偏光として偏光ビームスプリッタ160を透過する。
【0059】
なお、ここで説明した第1の色光及び第2の色光に含まれる色光の種類の組み合わせは一例であり、これに限られない。また、照明領域規定光学系により電気光学変調素子の画像形成領域に照射される所定領域の大きさや位置についても、電気光学変調素子の応答速度などに対応して変更することは可能で、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0060】
このため、実施形態7に係るプロジェクタにおいては、赤色、緑色及び青色に加えて、オレンジ色の色光を電気光学変調素子で変調することができ、選択的に表示と非表示とを切り替えて表示に利用することができる。よって、オレンジ色の色光を表示に利用する場合には、オレンジ色の色光の分だけ明るさを上げた状態でフルカラーの表示が可能となり、逆に、オレンジ色の色光を表示に利用しない場合には、色純度の高い赤色、緑色及び青色の色光のみで色純度の高い状態でフルカラーの表示が可能になる。したがって、状況に合わせてオレンジ色の色光を選択的に利用しながらフルカラー表示ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態2に係るプロジェクタの階調表示を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態3に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態3に係るプロジェクタの解像度を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態4に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【図8】本発明の実施形態4に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態5に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【図10】本発明の実施形態6に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態7に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【図12】本発明の実施形態7に係るプロジェクタの光学系の機能を説明するための図である。
【図13】従来のプロジェクタを説明するための図である。
【図14】従来のプロジェクタを説明するための図である。
【符号の説明】
100,200,202,300・・プロジェクタ
110・・・光源
120,220・・・照明光学系
130・・・色分離光学系
140R,140G、140B,340RO,340GB・・・回転プリズム
150・・・色光選択反射透過光学系
160・・・偏光ビームスプリッタ
170,172,174,176,270,274,276,370,372,374,376・・・電気光学変調素子
180・・・投写レンズ
290,292・・・波長選択位相差板
800・・・従来のプロジェクタ
810・・・光源
820,822,824・・・ダイクロイックミラー
830,832,834・・・偏光ビームスプリッタ
840,842,844,850,852,854・・・反射型電気光学変調素子
860,862,864・・・投写レンズ
900・・・従来のプロジェクタ
910・・・光源
920・・・ダイクロイックミラー
922・・・偏光角回転ミラー
930・・・偏光ビームスプリッタ
942・・・カラー調整バルブ
940,944・・・反射型電気光学変調素子
950・・・投写レンズ
Claims (10)
- 光源と、該光源からの光を変調して画像を形成する電気光学変調素子と、該電気光学変調素子により形成された画像を投写するための投写レンズと、を備えたプロジェクタであって、
前記電気光学変調素子は、第1の電気光学変調素子と第2の電気光学変調素子とを含み、
前記光源からの光を2種類の偏光光に分離するための偏光光分離手段と、
前記光源と前記偏光光分離手段との間に配置された、
前記光源からの光を前記電気光学変調素子における画像形成領域内の所定照射領域に照射するための照射領域規定光学系と、
前記光源からの光を複数の色光に分離するための色分離光学系と、
該色分離光学系により分離された複数の色光のいずれかを前記電気光学変調素子における画像形成領域内で走査するための色光走査手段と、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、ほぼ同じ画素配列を有し、それぞれが同じ駆動信号により駆動されることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、ほぼ同じ画素配列を有し、それぞれが異なる駆動信号により駆動されることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、前記第1の電気光学変調素子と前記第2の電気光学変調素子は、互いに画素ピッチより小さいピッチだけずれた画素配列を有し、それぞれが異なる駆動信号により駆動されることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記色分離光学系は、前記偏光光分離手段からの光を少なくとも赤色、緑色、青色の3つの色光に分離する色分離光学系であることを特徴とするプロジェクタ。 - 光源と、該光源からの光を変調して画像を形成する電気光学変調素子と、該電気光学変調素子により形成された画像を投写するための投写レンズと、を備えたプロジェクタであって、
前記電気光学変調素子は、第1の電気光学変調素子と第2の電気光学変調素子とを含み、
前記光源からの光を偏光方向の揃った偏光光に変換する偏光変換光学系と、
該偏光変換光学系から射出される偏光光のうち特定の波長の光に関して偏光方向を略90度回転する波長選択位相差板と、
該波長選択位相差板から射出される光を分離するための偏光光分離手段と、
前記光源と前記波長選択位相差板との間に配置された、
前記光源からの光を前記電気光学変調素子における画像形成領域内の所定照射領域に照射するための照射領域規定光学系と、
前記光源からの光を複数の色光に分離するための色分離光学系と、
該色分離光学系により分離された複数の色光のいずれかを前記電気光学変調素子における画像形成領域内で走査するための色光走査手段と、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記色分離光学系は、前記偏光変換光学系からの光を3つの色光に分離し、
前記波長選択位相差板は、前記3つの色光のうち、1つ又は2つの色光の偏光方向を変えることなく透過させ、他の2つ又は1つの色光を偏光方向を略90度回転させてから透過させることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記色分離光学系は、前記偏光変換光学系からの光を3つの色光に分離する色分離光学系であり、
前記波長選択位相差板は、前記3つの色光のうち、特定の色光の光路に配置することにより特定の波長の光に関して偏光方向を略90度回転することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項7又は8に記載のプロジェクタにおいて、
前記第1の電気光学変調素子は、前記3つの色光のうち1つの色光を変調し、
前記第2の電気光学変調素子は、前記3つの色光のうち2つの色光を変調し、
前記第1の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される前記1つの色光の画像形成領域が、前記第2の電気光学変調素子からスクリーン上に投写される前記2つの色光が形成する画像形成領域の少なくとも一方に重なることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記色分離光学系は、前記偏光変換光学系からの光をオレンジ色を含む4つの色光のうち2つの色光を含む第1の色光と、前記4つの色光のうち前記第1の色光に含まれない2つの色光を含む第2の色光と、に分離し、
前記波長選択位相差板は、前記第1の色光に含まれる2つの色光のうち一方の色光を偏光方向を変えることなく透過させ他方の色光を偏光方向を略90度回転させてから透過させるとともに、前記第2の色光に含まれる2つの色光のうち一方の色光を偏光方向を変えることなく透過させ他方の色光を偏光方向を略90度回転させてから透過させることを特徴とするプロジェクタ。
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