JP2004150952A - 液面計及びその交換方法 - Google Patents
液面計及びその交換方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004150952A JP2004150952A JP2002316496A JP2002316496A JP2004150952A JP 2004150952 A JP2004150952 A JP 2004150952A JP 2002316496 A JP2002316496 A JP 2002316496A JP 2002316496 A JP2002316496 A JP 2002316496A JP 2004150952 A JP2004150952 A JP 2004150952A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- float
- liquid
- liquid level
- reflection
- guide wire
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
- Level Indicators Using A Float (AREA)
- Measurement Of Levels Of Liquids Or Fluent Solid Materials (AREA)
Abstract
【課題】マイクロ波を用いてもLNGなどの液面を正確に計測することができる液面計を提供すること。
【解決手段】液タンク22に貯蔵された液体36の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する反射用フロート34と、マイクロ波を送信する送信手段及び反射マイクロ波を受信する受信手段を揺する送受信ユニット40と、受信手段により受信された受信信号を所要の通りに処理して液面高さを演算する液面高さ演算手段42と、を備えた液面計。反射用フロート34の少なくとも上面には、マイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられている。このような反射用フロート34は、その全体をステンレス鋼から形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】液タンク22に貯蔵された液体36の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する反射用フロート34と、マイクロ波を送信する送信手段及び反射マイクロ波を受信する受信手段を揺する送受信ユニット40と、受信手段により受信された受信信号を所要の通りに処理して液面高さを演算する液面高さ演算手段42と、を備えた液面計。反射用フロート34の少なくとも上面には、マイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられている。このような反射用フロート34は、その全体をステンレス鋼から形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダなどのマイクロ波を用いて液面を計測する液面計、またこのような液面計の交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーダの如きマイクロ波を利用する液面計は、マイクロ波に対する反射率の高い重油などにおいてはその液面を直接計測することができるが、マイクロ波に対する反射率が低いLNG(液化天然ガス)などにおいてはそのまま計測することが難しく、液面の測定が可能なように工夫がされている。
【0003】
レーダを用いた液面計として、例えば図14に示すものがLNGの分野で用いられている(例えば、非特許文献1参照)。図14において、この公知の液面計は、送信手段及び受信手段を備えた送受信ユニット2と、外部ノイズの混入を防止するためのガイドパイプ4と、ガイドパイプ4の下端部に所定角度(例えば45度)でもって配設された反射板6と、を備えている。LNGタンク8の上端部にはノズル部10が設けられ、このノズル部10を通してガイドパイプ4が設けられる。ガイドパイプ4の下端部はLNGタンク8の底壁近傍まで延び、この下端部がLNGタンク8内に貯蔵されたLNGに浸漬される。ガイドパイプ4の上端部はノズル部10の天壁12を貫通して上方に突出し、この突出端部内に送受信ユニット2が内蔵される。
【0004】
このような液面計においては、送受信ユニット2の送信手段からマイクロ波が送信され、受信手段が液面で反射されたマイクロ波を受信し、受信手段からの受信信号が信号演算処理手段14に送られ、信号演算処理手段14はこの受信信号を演算処理してLNGの液面高さを算出する。送信手段からのマイクロ波は、ガイドパイプ4内を通して送受信され、これにより、外部からのマイクロ波(乱反射したマイクロ波など)が受信手段に受信されることを防止する。また、液面を通過したマイクロ波は、反射板6により反射されて横方向に流れ、これによって、送信手段からのマイクロ波がLNGタンク8の底壁内面により反射されて受信手段に受信されることが回避され、このようにして、反射率の低いLNGの液面計測を行っている。
【0005】
【非特許文献1】
株式会社トキメック「電波レベル計RTG2900シリーズ」の製品カタログ(1998年12月作成Cat.No.1007−1−J−2−E)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような液面計においては、次のような解決すべき問題がある。一般に、大型のLNGタンク8においては、その高さが数十メートルにもなり、従って、それに用いるガイドパイプ4の長さも数十メートルになり、このような大きなガイドパイプ4を必要とする液面計は、製品自体が高価になる。また、LNGタンク8のように可燃性の液化ガスの入った低温用のタンクの施工は、タンクの新設時などに施工するか、タンク内の低温液体を抜き取り、タンク内の充満ガスを空気で置換した後しか行うことができず、このようなタンクの開放作業に多大な時間と経費を要し、更にタンクに無理な熱的ストレスを与える問題がある。
【0007】
本発明の目的は、マイクロ波を用いてもLNGなどの液面を正確に計測することができる液面計を提供することである。
本発明の他の目的は、タンクに既設されたディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に容易に交換することができる液面計交換方法に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する反射用フロートと、前記反射用フロートに向けてマイクロ波を送信する送信手段と、前記反射用フロートから反射する反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された受信信号を所要の通りに処理して液面高さを演算する液面高さ演算手段と、を備えた液面計であって、
前記反射用フロートの少なくとも上面には、マイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられていることを特徴とする液面計である。
【0009】
本発明に従えば、反射用フロートの少なくとも上面に高反射物質が設けられているので、送信手段からのマイクロ波は、反射用フロートの上面で高効率に反射された後に受信手段に受信される。従って、液タンクに収容される液体、例えばLNGの反射率が低くても、マイクロ波が反射用フロートで高効率で反射され、受信手段の受信信号レベルが高くなり、ガイドパイプなどを設けることなく液体の液面を計測することができる。このような高反射物質は、例えばステンレス鋼であり、反射用フロートとして、例えばステンレス鋼などの金属材料から形成された中空のもの、或いは、例えば合成樹脂から形成されたフロート本体の上面にステンレス鋼などの金属材料から形成された反射プレートを設けたものなどを用いることができる。
【0010】
本発明では、前記液タンク内には、上下方向に延びるガイドワイヤが設けられており、前記反射用フロートは前記ガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、反射用フロートがガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されているので、この反射用フロートが浮遊逸脱することがなく、送信手段からのマイクロ波は反射用フロートの上面で反射されて受信手段に確実に受信される。また、この反射用フロートは液面の上下変化によって上下動し、ワイヤなどで吊り下げることなく、液面の変化に応じて上下動する。ガイドワイヤの下端部は、例えば、液タンクの底壁に伸縮自在に取り付けられ、又はその下端部に液内に沈むアンカーウェイトが取り付けられる。
【0012】
また、本発明では、前記液タンクにはノズル部が設けられ、前記ノズル部にはワイヤ巻上げ機構が設けられ、前記ガイドワイヤの上端部は前記巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられており、前記巻上げ機構により前記ガイドワイヤを巻き上げると、前記アンカーウェイトとともに前記反射用フロートが持ち上げられ、前記アンカーウェイトは前記ノズル部の開口部を密封することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、ガイドワイヤの上端部は巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられているので、巻上げ機構によりガイドワイヤを巻き上げると、アンカーウェイトが持ち上げられるとともに、このアンカーウェイトとともに反射用フロートが持ち上げられる。そして、ガイドワイヤを所要の通りに巻き上げると、アンカーウェイトがノズル部の開口部を密閉するので、ノズル部内、即ちアンカーウェイトの上方空間の気体(液体の気化ガスを含んでいる)を外部にパージすることによって、このノズル部内における作業が可能となり、反射用フロートの点検、取付け、取替えなどの作業が可能となる。
【0014】
また、本発明では、ノズル部を有する液タンクと、前記液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する計測用フロートと、前記計測用フロートを上下方向に移動自在に案内するためのガイドワイヤと、前記計測用フロートに連結されたフロートワイヤと、前記フロートワイヤの移動量に基づいて液体高さを演算するための第1液面高さ演算手段と、を備えたディスプレーサ式液面計から、液面に向けてマイクロ波を送信する送信手段と、液面に浮いてその上下動により上下移動する反射用フロートと、前記反射フロートからの反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信信号を処理して液面高さを演算する第2液面高さ演算手段と、を備えたマイクロ波液面計に交換する液面計交換方法であって、
前記フロートワイヤを巻き上げて前記計測用フロートを持ち上げるフロート持上げステップと、前記ガイドワイヤを巻き上げて前記アンカーウェイトを持ち上げ、前記アンカーウェイトにより前記ノズル部を密封するノズル部密封ステップと、前記ノズル部を開放してガイドワイヤに上下方向に移動自在に前記反射用フロートを取り付けるフロート取付けステップと、前記ノズル部内に前記送信手段及び前記受信手段を取り付ける送信・受信手段取付ステップと、前記ガイドワイヤを巻き戻して前記ノズル部を開放して前記反射用フロートを液体の液面に浮かべる密封解除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、フロートワイヤを巻き上げ、前記ガイドワイヤを巻き上げると、アンカーウェイトが持ち上げられてこのアンカーウェイトによりノズル部が密封され、このように密閉することにより、液タンク内の液を抜き取ることなくノズル部内での作業が可能となる。このような状態で、ガイドワイヤに上下方向に移動自在に反射用フロートが取り付けられるとともに、ノズル部内に送信手段及び前記受信手段が取り付けられ、このようにして既設の液タンクにマイクロ波液面計が取り付けられる。その後、ガイドワイヤを巻き戻すと、ノズル部の開口部が開放され、反射用フロートが液タンク内の液面に浮かべられ、取り付けたマイクロ波液面計により液面を計測することができる。このようにマイクロ波液面計を取り付けることができるので、液タンクの開放作業に多大な時間及び経費を要することなく、また液タンクに無理な熱的ストレスを与えることなく、既設のディスプレーサ式液面計からより安価なマイクロ波液面計に置き換えることができる。
【0016】
また、本発明では、ノズル部を有する液タンクと、前記液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する計測用フロートと、前記計測用フロートを上下方向に移動自在に案内するためのガイドワイヤと、前記計測用フロートに連結されたフロートワイヤと、前記フロートワイヤの移動量に基づいて液体高さを演算するための第1液面高さ演算手段と、を備えたディスプレーサ式液面計から、液面に向けてマイクロ波を送信する送信手段と、反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信信号を処理して液面高さを演算する第2液面高さ演算手段と、を備えたマイクロ波液面計に交換する液面計交換方法であって、
前記計測用フロートを巻き上げるフロート持上げステップと、前記ガイドワイヤを巻き上げて前記アンカーウェイトを持ち上げ、前記アンカーウェイトにより前記ノズル部を密封するノズル部密封ステップと、前記ノズル部を開放して前記計測用フロートと前記フロートワイヤとの連結を解除する連結解除ステップと、前記計測用フロートの上面に、マイクロ波の反射率の高い高反射部材を取り付けて前記反射用フロートとして機能させるフロート改造ステップと、前記ノズル部内に前記送信手段及び前記受信手段を取り付ける送信・受信手段取付けステップと、前記ガイドワイヤを巻き戻して前記ノズル部を開放して前記改造反射用フロートを液体の液面に浮かべる密封解除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、計測用フロートを巻き上げ、前記ガイドワイヤを巻き上げると、アンカーウェイトがノズル部を密封する。そして、この密閉状態において、計測用フロートとフロートワイヤとの連結が解除され、計測用フロートの上面に高反射部材が取り付けられ、このようにして計測用フロートが反射用フロートに改造される。また、ノズル部内に送信手段及び前記受信手段が取り付けられ、このようにして既設の液タンクにマイクロ波液面計が取り付けられる。その後、前記ガイドワイヤを巻き戻すと、ノズル部が開放され、改造反射用フロートが液面に浮かべられ、マイクロ波液面計を用いて液面を計測することができる。この場合、既設のディスプレーサ式液面計の計測用フロートを反射用フロートとして用いながらマイクロ波液面計に置き換えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図13を参照して、本発明に従う液面計及びその交換方法について説明する。
第1の実施形態の液面計
図1及び図2を参照して、本発明に従う液面計の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図であり、図2は、図1の液面計の反射用フロートを示し、図2(a)はその斜視図であり、図2(b)はその断面図である。
【0019】
図1において、LNG(液化天然ガス)などが貯蔵されるLNGタンクの如き液タンク22の上端部にはノズル部24が設けられ、このノズル部24は液タンク22から上方に突出し、その下端部26は液タンク22内に突出し、このノズル部24に液面計25が取り付けられているている。
【0020】
この液面計25は反射用フロート34及び送受信ユニット40を備え、反射用フロート34は次の通りに取り付けられている。このノズル部24の天壁28の略中央部にはゲージヘッド30が取り付けられ、ゲージヘッド30からのワイヤ32は天壁28を通して液タンク22内に延び、その先端部に反射用フロート34が取り付けられている。このワイヤ32は、反射用フロート34が液タンク22内のLNGの如き液体36の液面によって決定される位置になるように、図示していないそれ自体公知の機構により、ゲージヘッド30から適切に繰り出されるように構成されている。
【0021】
このノズル部24内には筒状部材38が配設され、その一端部(上端部)は天壁28を貫通して上方に突出し、その他端部(下端部)はノズル部24から幾分下方に突出している。筒状部材38の一端部(突出端部)には送受信ユニット40が内蔵され、この送受信ユニット40は、液面に浮いている反射用フロート34に対応して配置される。送受信ユニット40は、レーダの如きマイクロ波を送信する送信手段と、マイクロ波を受信する受信手段を備えている。液面計25は、更に、液面高さを演算するための液面高さ演算手段42及び表示手段44を備えている。液面高さ演算手段42は例えばマイクロプロセッサから構成され、また表示手段44は例えば液晶表示装置、CRTなどから構成され、演算された液面高さを表示する。
【0022】
次に、図2を参照して、反射用フロート34について説明すると、図示の反射用フロート34は円盤状のフロート本体46を備え、このフロート本体46の上面中央部がワイヤ32の先端部に取り付けられている。この反射用フロート34は、少なくともその上面がマイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられていることが重要である。この形態では、高反射物質としてステンレス鋼が用いられ、フロート本体46全体がステンレス鋼から形成され、曲げ加工、溶接加工などによって中空に形成されている。
【0023】
この反射用フロート34は、高反射物質として液タンク22内に貯蔵される液体に対して耐性のある他の金属材料を用いて中空円盤状のフロート本体46を形成するようにしてもよく、或いは、貯蔵される液体に対して耐性のある合成樹脂材料を用いて円盤状のフロート本体46を形成し、このフロート本体46の上面に、高反射物質から形成された高反射部材、例えば高反射プレートを設けるよにしてもよい。
【0024】
このような液面計においては、送受信ユニット40の送信手段からマイクロ波が下方に反射用フロート34に向けて送信され、このように送信されたマイクロ波は、図1に破線矢印で示すように、反射用フロート34の上面で反射された後送受信ユニット40の受信手段に受信される。このとき、反射用フロート34は高反射物質から形成されているので、送信手段からのマイクロ波は高効率に反射され、反射マイクロ波は、液タンク22の内面周辺から乱反射したマイクロ波やその他のノイズなどと比較して充分に大きく、それ故に、受信手段によって明確に受信することができる。
【0025】
このように受信手段により受信された受信信号は、液面高さ演算手段42に送給され、この液面高さ演算手段42により演算されて液タンク22内の液体36の液面高さが演算され、算出された液面高さが表示手段44に表示され、かくして、マイクロ波を利用して液面高さ計測することができる。
【0026】
第2の実施形態の液面計
図3を参照して、本発明に従う液面計の第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【0027】
尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図3において、この第2の実施形態では、液タンク22A(ノズル部が省略されている)の上端部に筒状部材38が取り付けられ、この筒状部材38の一端部に送受信ユニット40が内蔵されている。また、液タンク22Aには、上下方向に延びる複数本(例えば2〜4本)のガイドワイヤ52が設けられ、ガイドワイヤ52の一端部(上端部)が液タンク22Aの上壁内面に固定され、それらの他端部(下端部)が伸縮機構(図示せず)を介して液タンク22Aの底壁内面に連結され、伸縮機構は、温度変化による熱伸縮を吸収できる機能を有している。また、反射用フロート34Aには、図3に示すように、各ガイドワイヤ52に対応して貫通孔54が設けられ、各ガイドワイヤ52を対応する貫通孔54に挿通することによって、反射用フロート34Aが上下方向に移動自在に装着されている。この第2の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0028】
第2の実施形態の液面計では、反射用フロート34Aは液タンク22Aに貯蔵された液体36の液面に浮き、液体36の液面変動によってガイドワイヤ52に沿って上下方向に移動する。従って、送受信ユニット40の送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Aに反射されて受信手段に受信され、このように構成してもマイクロ波を利用して液面高さを計測することができる。また、ガイドワイヤ52が反射用フロート34Aの貫通孔54に挿通されているので、ゲージヘッド機能でもって反射用フロートを吊り下げなくても浮遊逸脱することがなく、比較的簡単な構成でもって、反射用フロート34Aを取り付けることができる。
【0029】
第3の実施形態の液面計
図4を参照して、本発明に従う液面計の第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【0030】
図4において、この第3の実施形態では、液タンク22のノズル部24の天壁28に筒状部材38が取り付けられ、この筒状部材38の一端部に送受信ユニット40が内蔵されている。また、この天壁28には巻上げ機構62が設けられ、この巻上げ機構62からガイドワイヤ64が天壁28を通して下方に液タンク22の底壁近傍まで延び、このガイドワイヤ64の先端部に錘66が取り付けられている。錘66は液タンク22に貯蔵された液体36(例えばLNG)に浸漬され、ガイドワイヤ64はこの錘66によって適当な張力で張られた状態に保たれる。また、反射用フロート34Bには、その中央部に貫通孔68が設けられ、ガイドワイヤ64をこの貫通孔68に挿通することによって、反射用フロート34Bが上下方向に移動自在に装着される。この第3の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0031】
第3の実施形態の液面計では、第2の実施形態と同様に、反射用フロート34Bは液タンク22に貯蔵された液体36の液面に浮き、液体36の液面変動によってガイドワイヤ64に沿って上下方向に移動する。従って、送受信ユニット40の送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Bに反射されて受信手段に受信され、このように構成してもマイクロ波を利用して液面高さを計測することができる。また、ガイドワイヤ64が貫通孔68に挿通されているので、反射用フロート34Bが浮遊逸脱することがない。更に、このような液面計では、ノズル部24の内径を反射用フロート34B及び錘66よりも大きくすることによって、このノズル部24を通して反射用フロート34B及び錘66などを所要の通りに組み込むことができる。更にまた、ガイドワイヤ64の下端部に錘66が取り付けられているのみであるので、錘66が自由に上下移動することができ、特別な機構を設けることなく、温度変化によるガイドワイヤ64の熱伸縮を吸収することができる。
【0032】
尚、この実施形態では、錘66を取り付けた一本のガイドワイヤ64に反射用フロート34Bを取り付けているが、錘6を取り付けたガイドワイヤ64を2〜4本取り付け、これらガイドワイヤ64に反射用フロート34Bを上下方向に移動自在に取り付けるようにしてもよい。
【0033】
第4の実施形態の液面計
図5及び図6を参照して、本発明に従う液面計の第4の実施形態について説明する。図5は、第4の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図であり、図6は、図5の液タンクにおいて、反射用フロート及びアンカーウェイトを持ち上げた状態を簡略的に示す断面図である。
【0034】
図5において、この第4の形態では、液タンク22Cの上端部にノズル部24Cが設けられ、このノズル部24Cに横方向に突出するマンホール部72が設けられ、このマンホール部72の開口部に蓋部材74が取り外し可能に取り付けられている。この液タンク22Cには、反射用フロート34C用の第1ガイドワイヤ76及びアンカーウェイト78用の第2ガイドワイヤ80が設けられている。第1ガイドワイヤ76は、例えば周方向に間隔をおいて4本設けられ、各ガイドワイヤ76の一端側はノズル部24Cの天壁28に取り付けられた巻上げ機構82に巻かれ、その他端部(先端部)は天壁28を通して液タンク22C内を下方に延び、アンカーウェイト78に取り付けられている。アンカーウェイト78は円盤状であり、液タンク22Cに貯蔵された液体36内に沈み、その自重により第1ガイドワイヤ76を適当な張力で張る。反射用フロート34Cの外周部には周方向に間隔をおいて4個の貫通孔83が設けられており、各第1ガイドワイヤ76を対応する貫通孔83に挿通することによって、反射用フロート34Cが第1ガイドワイヤ76に沿って上下方向に移動自在に装着されている。
【0035】
第2ガイドワイヤ78は、第1ガイドワイヤ76の半径方向外側に例えば周方向に180度の間隔をおいて2本設けられ、各第2ガイドワイヤ78の一端部(上端部)がノズル部24Cの天壁28に取り付けられ、その他端部(下端部)が伸縮機構(図示せず)を介して液タンク22Cの底壁内面に取り付けられている。アンカーウェイト78には周方向に180度の間隔をおいて一対の貫通孔84が設けられ、第2ガイドワイヤ80を対応する貫通孔84に挿通することによって、アンカーウェイト78が第2ガイドワイヤ80に沿って上下方向に移動自在に装着されている。第4の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0036】
この第4の実施形態の液面計では、第2及び第3の実施形態と同様に、反射用フロート34Cは液タンク22Cに貯蔵された液体36の液面に浮き、液体36の液面変動によって第1ガイドワイヤ76に沿って上下方向に移動し、送受信ユニット40の送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Cに反射されて受信手段に受信され、従って、上述したと同様に、マイクロ波を利用して液面高さを計測することができる。また、第1ガイドワイヤ76が反射用フロート34Cの貫通孔83に挿通されているので、この反射用フロート34Cが浮遊逸脱することがない。更に、第2ガイドワイヤ80がアンカーウェイト78の貫通孔84に挿通されているので、アンカーウェイト78が浮遊逸脱することもない。
【0037】
この液面計においては、巻上げ機構82を作動して第1ガイドワイヤ76を巻き上げ、巻き戻すことにより、アンカーウェイト78を第2ガイドワイヤ80に沿って上下方向に移動させることができる。巻上げ機構82により第1ガイドワイヤ76を巻き上げてアンカーウェイト78を液体36の液面上方まで持ち上げると、このアンカーウェイト78が液面に浮いている反射用フロート34Cを持ち上げ、アンカーウェイト78とともに反射用フロート34Cが持ち上げられる。そして、巻上げ機構82によりアンカーウエイト78を密閉上昇位置(図6に示す位置)まで持ち上げると、図6に示すように、アンカーウェイト78の外周部がノズル部24Cの環状下突出端部に当接してその開口部を密封する。この密封状態においては、液タンク22C内の気体(液体36の気化ガスを含んでいる)がノズル部24C内に流入することがなく、従って、液タンク22C内とノズル部24C内とを分離することができる。かく分離した状態において、マンホール部72の蓋部材74を取り外すことにより、ノズル部24C内をマンホール部72を介して外部に開放することができ、このようにすることにより、反射用フロート34C、送受信ユニット40(送信手段、受信手段)などの点検、修理、交換を容易に行うことが可能となる。
【0038】
この第4の実施形態では、アンカーウェイト78を上下方向に案内するための第2ガイドワイヤ80を設けているが、このアンカーウェイト78を浮遊逸脱することなく上下移動することができるときには、第2ガイドワイヤ80を省略することができる。
【0039】
第1の実施形態の交換方法
次に、図7〜図12を参照して、本発明に従う液面計の交換方法の第1の実施形態について説明する。図7は、ディスプレーサ式液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図であり、図8は、計測用フロートを最上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図であり、図9は、アンカーウェイトを密閉上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図であり、図10は、ノズル部内に反射用フロート及び送受信ユニットを取り付けた状態を簡略的に示す図であり、図11は、送受信ユニットから伝送ケーブルを導出する状態を簡略的に示す断面図であり、図12は、ディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換したときの状態を簡略的に示す断面図である。
【0040】
図7において、この液タンク22Dには、ディスプレーサ式液面計102が装備されている。ディスプレーサ式液面計102は、計測用フロート104及びゲージヘッド106を備えている。ゲージヘッド106は液タンク22Dのノズル部24Dの天壁28の略中央部に取り付けられ、ゲージヘッド106からのフロートワイヤ108が天壁28を通して液タンク22D内に延び、その先端部に計測用フロート104が取り付けられている。このフロートワイヤ108は、計測用フロート104が液タンク22D内のLNGの如き液体36の液面によって決定される位置になるように、図示していないそれ自体公知のフロート巻上げ機構により、ゲージヘッド106から適切に繰り出されるように構成されている。
【0041】
液タンク22D内には、2本の第1ガイドワイヤ110が設けられている。ノズル部24Dの天壁28には一対のガイドワイヤ巻上げ機構112が設けられ、第1ガイドワイヤ110の一端側が対応するガイドワイヤ巻上げ機構112に巻き付けられ、その先端側が天壁28を通して下方に液タンク22Dの底壁近傍まで延び、第1ガイドワイヤ110の先端部にアンカーウェイト114が取り付けられている。アンカーウェイト114は液タンク22Dに貯蔵された液体36に浸漬され、第1ガイドワイヤ110はこのアンカーウェイト114によって適当な張力で張られた状態に保たれる。計測用フロート104には一対の貫通孔116が設けられ、第1ガイドワイヤ110を対応する貫通孔116に挿通することによって、計測用フロート104が上下方向に移動自在に装着される。
【0042】
液タンク22D内には、アンカーウェイト114をガイドするための一対の第2ガイドワイヤ118が設けられている。各第2ガイドワイヤ118の一端部はノズル部24Dの天壁28に取り付けられ、その他端部(下端部)は伸縮機構(図示せず)を介して液タンク22Dの底壁に取り付けられている。アンカーウェイト114には一対の貫通孔120が設けられており、第2ガイドワイヤ118を対応する貫通孔120に挿通することによって、アンカーウェイト114が第2ガイドワイヤ118に沿って上下方向に移動自在に装着されている。
【0043】
ゲージヘッド106には、フロートワイヤ108の移動量を検知するための移動量検知手段(図示せず)が設けられ、この移動量検知手段による検知信号が、例えばマイクロプロセッサから構成される第1液面高さ演算手段122に送給され、第1液面高さ演算手段122はこの検知信号に基づいて液面高さを所要の通りに算出し、算出された液面高さが表示手段124に表示される。
【0044】
この液タンク22Dは、更に、次のように構成されている。即ち、ノズル部24Dには、横方向に延びるマンホール部126が設けられ、このマンホール部24Dの開口部に蓋部材128が取外し可能に取り付けられている。また、ノズル部24Dの中間部であって、液タンク22Dから上方に幾分突出する部位には、一対の環状フランジ130が設けられ、一対の環状フランジ130間に環状シール部材132が装着され、この環状シール部材132の先端部がノズル部24D内に突出している。環状シール部材132は、例えばゴム材料から形成される。
【0045】
このような既設のディスプレーサ式液面計102を、マイクロ波を利用するマイクロ波液面計134(図12)に交換する場合、次のようにして行うことができ、こように交換することによって、古いディスプレーサ式液面計102を新しいマイクロ波液面計134に液タンク22D内の液体36を抜くことなく行うことができる。
【0046】
液面計の交換を行う場合、まず、図8に示すように、ゲージヘッド106のフロート巻上げ機構(図示せず)を作動させてフロートワイヤ108を巻き上げ、計測用フロート104をノズル部24D内の最上昇位置に位置付ける(フロート持上げステップ)。このように位置付けると、計測用フロート104は天壁28の内側に位置付けられる。
【0047】
次いで、図9に示すように、ガイドワイヤ巻上げ機構112を作動させてガイドワイヤ110を巻き上げ、アンカーウェイト114を密閉上昇位置(図9に示す位置)まで上昇させる(ノズル部密封ステップ)。この密閉上昇位置においては、アンカーウェイト114の外周部が環状シール部材132に圧接され、アンカーウェイト114及び環状シール部材132によって、液タンク22D内とノズル部24Dの上部空間とが遮断されて分離される。
【0048】
そして、このようにノズル部24Dの開口側を密封した状態において、図10に示すように、マンホール部126の蓋部材128を取り外す。この取り外しに際し、ノズル部24Dの上部空間(アンカーウェイト114より上側の空間)内に存在する気体(液体36の気化ガスを含んでいる)を、図示していない、空気置換用小配管、バルブ、圧力計などを活用して外部に放出し、この上部空間内の気体を空気に置き換える。尚、置換用小配管などを用いることなく、蓋部材128を少しずつ外して空気と置き換えるようにしてもよい。
【0049】
このように蓋部材128を取り外すと、図10に示すように、マンホール部126の開口部が開放され、液タンク22Dの液体36を抜くことなく、この開口部を通してノズル部24D内の各種作業を行うことが可能となる。そして、このような開放状態において、反射用フロート34Dを一対の第1ガイドワイヤ110に上下方向に移動自在に取り付ける(フロート取付けステップ)とともに、この反射用フロート34Dに上下方向に対向するようにして、ノズル部24Dの側壁に支持部材136を介して送受信ユニット40D(送信手段及び受信手段を内蔵するユニット)を取り付ける(送信・受信手段取付けステップ)。反射用フロート34Dは、その基本的構成が例えば図2に示すものと同様のものでよく、貫通孔138に連通する小さいな切欠き(図示せず)を設け、この切欠きを通して第1ガイドワイヤ110を貫通孔138に挿通するようにすることができる。
【0050】
次いで、図11に示すように、信号用ケーブル140の一端部をマンホール部126の開口部を通して送受信ユニット40Dに接続し、その他端側を交換用蓋142を通して外部に導出し、その他端部を、例えばマイクロプロセッサから構成される第2液面高さ演算手段144に接続する。尚、信号用ケーブル140の導出は、例えば交換用蓋142にケーブル貫通用部材146を取り付け、この貫通用部材146を通して行うようにすればよく、このようにすることによって、信号用ケーブル140と交換用蓋142との間を密封することができる。
【0051】
その後、図12に示すように、この交換用蓋142をマンホール部126の開口部に取り付けて密封する。そして、ガイドワイヤ巻上げ機構112を動かせて第1ガイドワイヤ110を巻き戻してアンカーウェイト114を液タンク22Dの底壁近傍まで下げ、アンカーウェイト114を貯蔵された液体36に浸漬するとともに、反射用フロート34Dを液体36の液面に浮かせる(密封解除ステップ)。第1ガイドワイヤ110を巻き戻すと、アンカーウェイト114が第2ガイドワイヤ118に沿って下方に下がり、これとともに反射用フロート34Dも下がり、液面まで下がると、反射用フロート34Dが液面に浮き、アンカーウェイト114のみが液体36中を図12に示す位置まで下がる。
【0052】
このようにして、既設のディスプレーサ式液面計102に代えてマイクロ波液面計134を取り付けることができ、その取付は液タンク22D内の液体36を抜くことなく行うことができる。マイクロ波液面計134により液面を計測する場合、反射用フロート34Dは、液体36の液面変動によって第1ガイドワイヤ110に沿って上下方向に移動し、送受信ユニット40Dの送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Dに反射されて受信手段に受信される。そして、受信手段の受信信号が信号用ケーブル140を通して第2液面高さ演算手段144に送給され、この第2液面高さ演算手段144が上記受信信号に基づいて液面高さを算出し、算出された液面高さが表示手段148に表示され、このようにして、交換したマイクロ波液面計134を用いて液タンク22D内の液体36の液面を計測することができる。
【0053】
変形形態の交換方法
次に、図13を参照して、本発明に従う液面計の交換方法の変形形態について説明する。図13は、変形形態の交換方法の一部を簡略的に示す断面図である。この変形形態では、ディスプレーサ式計面計からマイクロ波液面計に交換する際に、その計測用フロートをマイクロ波液面計の反射用フロートとして用いるようにしている。
【0054】
図13において、この変形形態においても、液タンク22Dに上述したと同様のディスプレーサ式液面計が取り付けられており、かく取り付けられた既設のディスプレーサ式液面計をマイクロ波式液面計に交換する場合、ゲージヘッド106のフロート巻上げ機構(図示せず)によりフロートワイヤ108を巻き上げ、計測用フロート104を最上昇位置に位置付け(フロート持上げステップ)、次いで、ガイドワイヤ巻上げ機構112により第1ガイドワイヤ110を巻き上げ、アンカーウェイト114を密閉上昇位置(図13に示す位置)まで上昇させる(ノズル部密封ステップ)。
【0055】
そして、このようにノズル部24Dの開口側を密封した状態において、マンホール部126の蓋部材128を取り外し、計測用フロート104とフロートワイヤ108との連結を解除し(連結解除ステップ)、計測用フロート104を第1ガイドワイヤ110から外してマンホール部126の開口部を通して外部に取出し、反射用フロートとして用いるために、次の通りの改造を施す。即ち、計測用フロート104の上面にマイクロ波の反射率の高い高反射部材152を取り付ける(フロート改造ステップ)。高反射部材152は、例えばステンレス製のプレート部材から形成することができ、接着材、溶接などの手段により計測用フロート104に取り付けられ、このようにして計測用フロート104を利用して反射用フロート34Eを形成する。
【0056】
その後、改造した反射用フロート34Eを一対の第1ガイドワイヤ110に上下方向に移動自在に取り付け(フロート取付けステップ)、更に、図示していないが、上述したと同様にして、ノズル部24D内に送受信ユニット(図示せず)を取り付け(送信・受信手段取付けステップ)、この送受信ユニットを信号用ケーブルを介して第2液面高さ演算手段に接続し、しかる後、ガイドワイヤ巻上げ機構112により第1ガイドワイヤ110を巻き戻してアンカーウェイト114を液タンク22Dの底壁近傍まで下げ、反射用フロート34Dを液体36の液面に浮かせる(密封解除ステップ)。
【0057】
以上、本発明に従う液面計及びその交換方法の各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0058】
【発明の効果】
本発明の請求項1の液面計によれば、反射用フロートの少なくとも上面に高反射物質が設けられているので、送信手段からのマイクロ波は、反射用フロートの上面で高効率に反射された後に受信手段に受信される。従って、受信手段の受信信号レベルが高く、従来のようにガイドパイプなどを設けることなく、LNGなどの液体の液面を計測することができる。
【0059】
本発明の請求項2の液面計によれば、反射用フロートがガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されているので、この反射用フロートが浮遊逸脱することがなく、送信手段からのマイクロ波を反射用フロートの上面で反射されて受信手段に確実に受信させることができる。
【0060】
また、本発明の請求項3の液面計によれば、ガイドワイヤの上端部は巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられているので、巻上げ機構によりガイドワイヤを巻き上げることにより、アンカーウェイトとともに反射用フロートが持ち上げることができる。また、ガイドワイヤを所要の通りに巻き上げると、アンカーウェイトがノズル部の開口部を密閉するので、ノズル部内のガスを外部にパージすることによって、このノズル部内における作業が可能となり、反射用フロートの点検、取付け、取替えなどの作業が可能となる。
【0061】
また、本発明の請求項4の液面計の交換方法によれば、比較的簡単な取り換え作業でもって既設のディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換することができる。また、このような交換作業は、液タンクの液体を抜くことなく行うことができる。
【0062】
また、本発明の請求項5の液面計の交換方法によれば、比較的簡単な取り換え作業でもって既設のディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換することができ、また交換の際に、ディスプレーサ式液面計の計測用フロートをマイクロ波液面計の反射用フロートとして用い、計測用フロートを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う液面計の第1の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図2】図1の液面計の反射用フロートを示し、図2(a)はその斜視図であり、図2(b)はその断面図である。
【図3】本発明に従う液面計の第2の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図4】本発明に従う液面計の第3の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図5】本発明に従う液面計の第4の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図6】図5の液タンクにおいて、反射用フロート及びアンカーウェイトを持ち上げた状態を簡略的に示す断面図である。
【図7】ディスプレーサ式液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図8】計測用フロートを最上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図である。
【図9】アンカーウェイトを密閉上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図である。
【図10】ノズル部内に反射用フロート及び送受信ユニットを取り付けた状態を簡略的に示す図である。
【図11】送受信ユニットから伝送ケーブルを導出する状態を簡略的に示す断面図である。
【図12】ディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換したときの状態を簡略的に示す断面図である。
【図13】変形形態の交換方法の一部を簡略的に示す断面図である。
【図14】従来の液面計を装備した液タンクを簡略的に示す断面図である。
【符号の説明】
22,22A,22C,22D 液タンク
24,24C,24D ノズル部
25 液面計
30,106 ゲージヘッド
32 ワイヤ
34,34A,34B,34C,34D,34E 反射用フロート
36 液体
40,40D 送受信ユニット
42 液面高さ演算手段
46 フロート本体
52,64,76,80,110,118 ガイドワイヤ
66 錘
72,126 マンホール部
78,114 アンカーウェイト
102 ディスプレーサ式液面計
104 計測用フロート
108 フロートワイヤ
112 ガイドワイヤ巻上げ機構
122 第1液面高さ演算手段
132 環状シール部材
134 マイクロ波液面計
144 第2液面高さ演算手段
152 高反射部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダなどのマイクロ波を用いて液面を計測する液面計、またこのような液面計の交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーダの如きマイクロ波を利用する液面計は、マイクロ波に対する反射率の高い重油などにおいてはその液面を直接計測することができるが、マイクロ波に対する反射率が低いLNG(液化天然ガス)などにおいてはそのまま計測することが難しく、液面の測定が可能なように工夫がされている。
【0003】
レーダを用いた液面計として、例えば図14に示すものがLNGの分野で用いられている(例えば、非特許文献1参照)。図14において、この公知の液面計は、送信手段及び受信手段を備えた送受信ユニット2と、外部ノイズの混入を防止するためのガイドパイプ4と、ガイドパイプ4の下端部に所定角度(例えば45度)でもって配設された反射板6と、を備えている。LNGタンク8の上端部にはノズル部10が設けられ、このノズル部10を通してガイドパイプ4が設けられる。ガイドパイプ4の下端部はLNGタンク8の底壁近傍まで延び、この下端部がLNGタンク8内に貯蔵されたLNGに浸漬される。ガイドパイプ4の上端部はノズル部10の天壁12を貫通して上方に突出し、この突出端部内に送受信ユニット2が内蔵される。
【0004】
このような液面計においては、送受信ユニット2の送信手段からマイクロ波が送信され、受信手段が液面で反射されたマイクロ波を受信し、受信手段からの受信信号が信号演算処理手段14に送られ、信号演算処理手段14はこの受信信号を演算処理してLNGの液面高さを算出する。送信手段からのマイクロ波は、ガイドパイプ4内を通して送受信され、これにより、外部からのマイクロ波(乱反射したマイクロ波など)が受信手段に受信されることを防止する。また、液面を通過したマイクロ波は、反射板6により反射されて横方向に流れ、これによって、送信手段からのマイクロ波がLNGタンク8の底壁内面により反射されて受信手段に受信されることが回避され、このようにして、反射率の低いLNGの液面計測を行っている。
【0005】
【非特許文献1】
株式会社トキメック「電波レベル計RTG2900シリーズ」の製品カタログ(1998年12月作成Cat.No.1007−1−J−2−E)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような液面計においては、次のような解決すべき問題がある。一般に、大型のLNGタンク8においては、その高さが数十メートルにもなり、従って、それに用いるガイドパイプ4の長さも数十メートルになり、このような大きなガイドパイプ4を必要とする液面計は、製品自体が高価になる。また、LNGタンク8のように可燃性の液化ガスの入った低温用のタンクの施工は、タンクの新設時などに施工するか、タンク内の低温液体を抜き取り、タンク内の充満ガスを空気で置換した後しか行うことができず、このようなタンクの開放作業に多大な時間と経費を要し、更にタンクに無理な熱的ストレスを与える問題がある。
【0007】
本発明の目的は、マイクロ波を用いてもLNGなどの液面を正確に計測することができる液面計を提供することである。
本発明の他の目的は、タンクに既設されたディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に容易に交換することができる液面計交換方法に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する反射用フロートと、前記反射用フロートに向けてマイクロ波を送信する送信手段と、前記反射用フロートから反射する反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された受信信号を所要の通りに処理して液面高さを演算する液面高さ演算手段と、を備えた液面計であって、
前記反射用フロートの少なくとも上面には、マイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられていることを特徴とする液面計である。
【0009】
本発明に従えば、反射用フロートの少なくとも上面に高反射物質が設けられているので、送信手段からのマイクロ波は、反射用フロートの上面で高効率に反射された後に受信手段に受信される。従って、液タンクに収容される液体、例えばLNGの反射率が低くても、マイクロ波が反射用フロートで高効率で反射され、受信手段の受信信号レベルが高くなり、ガイドパイプなどを設けることなく液体の液面を計測することができる。このような高反射物質は、例えばステンレス鋼であり、反射用フロートとして、例えばステンレス鋼などの金属材料から形成された中空のもの、或いは、例えば合成樹脂から形成されたフロート本体の上面にステンレス鋼などの金属材料から形成された反射プレートを設けたものなどを用いることができる。
【0010】
本発明では、前記液タンク内には、上下方向に延びるガイドワイヤが設けられており、前記反射用フロートは前記ガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、反射用フロートがガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されているので、この反射用フロートが浮遊逸脱することがなく、送信手段からのマイクロ波は反射用フロートの上面で反射されて受信手段に確実に受信される。また、この反射用フロートは液面の上下変化によって上下動し、ワイヤなどで吊り下げることなく、液面の変化に応じて上下動する。ガイドワイヤの下端部は、例えば、液タンクの底壁に伸縮自在に取り付けられ、又はその下端部に液内に沈むアンカーウェイトが取り付けられる。
【0012】
また、本発明では、前記液タンクにはノズル部が設けられ、前記ノズル部にはワイヤ巻上げ機構が設けられ、前記ガイドワイヤの上端部は前記巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられており、前記巻上げ機構により前記ガイドワイヤを巻き上げると、前記アンカーウェイトとともに前記反射用フロートが持ち上げられ、前記アンカーウェイトは前記ノズル部の開口部を密封することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、ガイドワイヤの上端部は巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられているので、巻上げ機構によりガイドワイヤを巻き上げると、アンカーウェイトが持ち上げられるとともに、このアンカーウェイトとともに反射用フロートが持ち上げられる。そして、ガイドワイヤを所要の通りに巻き上げると、アンカーウェイトがノズル部の開口部を密閉するので、ノズル部内、即ちアンカーウェイトの上方空間の気体(液体の気化ガスを含んでいる)を外部にパージすることによって、このノズル部内における作業が可能となり、反射用フロートの点検、取付け、取替えなどの作業が可能となる。
【0014】
また、本発明では、ノズル部を有する液タンクと、前記液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する計測用フロートと、前記計測用フロートを上下方向に移動自在に案内するためのガイドワイヤと、前記計測用フロートに連結されたフロートワイヤと、前記フロートワイヤの移動量に基づいて液体高さを演算するための第1液面高さ演算手段と、を備えたディスプレーサ式液面計から、液面に向けてマイクロ波を送信する送信手段と、液面に浮いてその上下動により上下移動する反射用フロートと、前記反射フロートからの反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信信号を処理して液面高さを演算する第2液面高さ演算手段と、を備えたマイクロ波液面計に交換する液面計交換方法であって、
前記フロートワイヤを巻き上げて前記計測用フロートを持ち上げるフロート持上げステップと、前記ガイドワイヤを巻き上げて前記アンカーウェイトを持ち上げ、前記アンカーウェイトにより前記ノズル部を密封するノズル部密封ステップと、前記ノズル部を開放してガイドワイヤに上下方向に移動自在に前記反射用フロートを取り付けるフロート取付けステップと、前記ノズル部内に前記送信手段及び前記受信手段を取り付ける送信・受信手段取付ステップと、前記ガイドワイヤを巻き戻して前記ノズル部を開放して前記反射用フロートを液体の液面に浮かべる密封解除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、フロートワイヤを巻き上げ、前記ガイドワイヤを巻き上げると、アンカーウェイトが持ち上げられてこのアンカーウェイトによりノズル部が密封され、このように密閉することにより、液タンク内の液を抜き取ることなくノズル部内での作業が可能となる。このような状態で、ガイドワイヤに上下方向に移動自在に反射用フロートが取り付けられるとともに、ノズル部内に送信手段及び前記受信手段が取り付けられ、このようにして既設の液タンクにマイクロ波液面計が取り付けられる。その後、ガイドワイヤを巻き戻すと、ノズル部の開口部が開放され、反射用フロートが液タンク内の液面に浮かべられ、取り付けたマイクロ波液面計により液面を計測することができる。このようにマイクロ波液面計を取り付けることができるので、液タンクの開放作業に多大な時間及び経費を要することなく、また液タンクに無理な熱的ストレスを与えることなく、既設のディスプレーサ式液面計からより安価なマイクロ波液面計に置き換えることができる。
【0016】
また、本発明では、ノズル部を有する液タンクと、前記液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する計測用フロートと、前記計測用フロートを上下方向に移動自在に案内するためのガイドワイヤと、前記計測用フロートに連結されたフロートワイヤと、前記フロートワイヤの移動量に基づいて液体高さを演算するための第1液面高さ演算手段と、を備えたディスプレーサ式液面計から、液面に向けてマイクロ波を送信する送信手段と、反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信信号を処理して液面高さを演算する第2液面高さ演算手段と、を備えたマイクロ波液面計に交換する液面計交換方法であって、
前記計測用フロートを巻き上げるフロート持上げステップと、前記ガイドワイヤを巻き上げて前記アンカーウェイトを持ち上げ、前記アンカーウェイトにより前記ノズル部を密封するノズル部密封ステップと、前記ノズル部を開放して前記計測用フロートと前記フロートワイヤとの連結を解除する連結解除ステップと、前記計測用フロートの上面に、マイクロ波の反射率の高い高反射部材を取り付けて前記反射用フロートとして機能させるフロート改造ステップと、前記ノズル部内に前記送信手段及び前記受信手段を取り付ける送信・受信手段取付けステップと、前記ガイドワイヤを巻き戻して前記ノズル部を開放して前記改造反射用フロートを液体の液面に浮かべる密封解除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、計測用フロートを巻き上げ、前記ガイドワイヤを巻き上げると、アンカーウェイトがノズル部を密封する。そして、この密閉状態において、計測用フロートとフロートワイヤとの連結が解除され、計測用フロートの上面に高反射部材が取り付けられ、このようにして計測用フロートが反射用フロートに改造される。また、ノズル部内に送信手段及び前記受信手段が取り付けられ、このようにして既設の液タンクにマイクロ波液面計が取り付けられる。その後、前記ガイドワイヤを巻き戻すと、ノズル部が開放され、改造反射用フロートが液面に浮かべられ、マイクロ波液面計を用いて液面を計測することができる。この場合、既設のディスプレーサ式液面計の計測用フロートを反射用フロートとして用いながらマイクロ波液面計に置き換えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図13を参照して、本発明に従う液面計及びその交換方法について説明する。
第1の実施形態の液面計
図1及び図2を参照して、本発明に従う液面計の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図であり、図2は、図1の液面計の反射用フロートを示し、図2(a)はその斜視図であり、図2(b)はその断面図である。
【0019】
図1において、LNG(液化天然ガス)などが貯蔵されるLNGタンクの如き液タンク22の上端部にはノズル部24が設けられ、このノズル部24は液タンク22から上方に突出し、その下端部26は液タンク22内に突出し、このノズル部24に液面計25が取り付けられているている。
【0020】
この液面計25は反射用フロート34及び送受信ユニット40を備え、反射用フロート34は次の通りに取り付けられている。このノズル部24の天壁28の略中央部にはゲージヘッド30が取り付けられ、ゲージヘッド30からのワイヤ32は天壁28を通して液タンク22内に延び、その先端部に反射用フロート34が取り付けられている。このワイヤ32は、反射用フロート34が液タンク22内のLNGの如き液体36の液面によって決定される位置になるように、図示していないそれ自体公知の機構により、ゲージヘッド30から適切に繰り出されるように構成されている。
【0021】
このノズル部24内には筒状部材38が配設され、その一端部(上端部)は天壁28を貫通して上方に突出し、その他端部(下端部)はノズル部24から幾分下方に突出している。筒状部材38の一端部(突出端部)には送受信ユニット40が内蔵され、この送受信ユニット40は、液面に浮いている反射用フロート34に対応して配置される。送受信ユニット40は、レーダの如きマイクロ波を送信する送信手段と、マイクロ波を受信する受信手段を備えている。液面計25は、更に、液面高さを演算するための液面高さ演算手段42及び表示手段44を備えている。液面高さ演算手段42は例えばマイクロプロセッサから構成され、また表示手段44は例えば液晶表示装置、CRTなどから構成され、演算された液面高さを表示する。
【0022】
次に、図2を参照して、反射用フロート34について説明すると、図示の反射用フロート34は円盤状のフロート本体46を備え、このフロート本体46の上面中央部がワイヤ32の先端部に取り付けられている。この反射用フロート34は、少なくともその上面がマイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられていることが重要である。この形態では、高反射物質としてステンレス鋼が用いられ、フロート本体46全体がステンレス鋼から形成され、曲げ加工、溶接加工などによって中空に形成されている。
【0023】
この反射用フロート34は、高反射物質として液タンク22内に貯蔵される液体に対して耐性のある他の金属材料を用いて中空円盤状のフロート本体46を形成するようにしてもよく、或いは、貯蔵される液体に対して耐性のある合成樹脂材料を用いて円盤状のフロート本体46を形成し、このフロート本体46の上面に、高反射物質から形成された高反射部材、例えば高反射プレートを設けるよにしてもよい。
【0024】
このような液面計においては、送受信ユニット40の送信手段からマイクロ波が下方に反射用フロート34に向けて送信され、このように送信されたマイクロ波は、図1に破線矢印で示すように、反射用フロート34の上面で反射された後送受信ユニット40の受信手段に受信される。このとき、反射用フロート34は高反射物質から形成されているので、送信手段からのマイクロ波は高効率に反射され、反射マイクロ波は、液タンク22の内面周辺から乱反射したマイクロ波やその他のノイズなどと比較して充分に大きく、それ故に、受信手段によって明確に受信することができる。
【0025】
このように受信手段により受信された受信信号は、液面高さ演算手段42に送給され、この液面高さ演算手段42により演算されて液タンク22内の液体36の液面高さが演算され、算出された液面高さが表示手段44に表示され、かくして、マイクロ波を利用して液面高さ計測することができる。
【0026】
第2の実施形態の液面計
図3を参照して、本発明に従う液面計の第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【0027】
尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図3において、この第2の実施形態では、液タンク22A(ノズル部が省略されている)の上端部に筒状部材38が取り付けられ、この筒状部材38の一端部に送受信ユニット40が内蔵されている。また、液タンク22Aには、上下方向に延びる複数本(例えば2〜4本)のガイドワイヤ52が設けられ、ガイドワイヤ52の一端部(上端部)が液タンク22Aの上壁内面に固定され、それらの他端部(下端部)が伸縮機構(図示せず)を介して液タンク22Aの底壁内面に連結され、伸縮機構は、温度変化による熱伸縮を吸収できる機能を有している。また、反射用フロート34Aには、図3に示すように、各ガイドワイヤ52に対応して貫通孔54が設けられ、各ガイドワイヤ52を対応する貫通孔54に挿通することによって、反射用フロート34Aが上下方向に移動自在に装着されている。この第2の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0028】
第2の実施形態の液面計では、反射用フロート34Aは液タンク22Aに貯蔵された液体36の液面に浮き、液体36の液面変動によってガイドワイヤ52に沿って上下方向に移動する。従って、送受信ユニット40の送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Aに反射されて受信手段に受信され、このように構成してもマイクロ波を利用して液面高さを計測することができる。また、ガイドワイヤ52が反射用フロート34Aの貫通孔54に挿通されているので、ゲージヘッド機能でもって反射用フロートを吊り下げなくても浮遊逸脱することがなく、比較的簡単な構成でもって、反射用フロート34Aを取り付けることができる。
【0029】
第3の実施形態の液面計
図4を参照して、本発明に従う液面計の第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【0030】
図4において、この第3の実施形態では、液タンク22のノズル部24の天壁28に筒状部材38が取り付けられ、この筒状部材38の一端部に送受信ユニット40が内蔵されている。また、この天壁28には巻上げ機構62が設けられ、この巻上げ機構62からガイドワイヤ64が天壁28を通して下方に液タンク22の底壁近傍まで延び、このガイドワイヤ64の先端部に錘66が取り付けられている。錘66は液タンク22に貯蔵された液体36(例えばLNG)に浸漬され、ガイドワイヤ64はこの錘66によって適当な張力で張られた状態に保たれる。また、反射用フロート34Bには、その中央部に貫通孔68が設けられ、ガイドワイヤ64をこの貫通孔68に挿通することによって、反射用フロート34Bが上下方向に移動自在に装着される。この第3の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0031】
第3の実施形態の液面計では、第2の実施形態と同様に、反射用フロート34Bは液タンク22に貯蔵された液体36の液面に浮き、液体36の液面変動によってガイドワイヤ64に沿って上下方向に移動する。従って、送受信ユニット40の送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Bに反射されて受信手段に受信され、このように構成してもマイクロ波を利用して液面高さを計測することができる。また、ガイドワイヤ64が貫通孔68に挿通されているので、反射用フロート34Bが浮遊逸脱することがない。更に、このような液面計では、ノズル部24の内径を反射用フロート34B及び錘66よりも大きくすることによって、このノズル部24を通して反射用フロート34B及び錘66などを所要の通りに組み込むことができる。更にまた、ガイドワイヤ64の下端部に錘66が取り付けられているのみであるので、錘66が自由に上下移動することができ、特別な機構を設けることなく、温度変化によるガイドワイヤ64の熱伸縮を吸収することができる。
【0032】
尚、この実施形態では、錘66を取り付けた一本のガイドワイヤ64に反射用フロート34Bを取り付けているが、錘6を取り付けたガイドワイヤ64を2〜4本取り付け、これらガイドワイヤ64に反射用フロート34Bを上下方向に移動自在に取り付けるようにしてもよい。
【0033】
第4の実施形態の液面計
図5及び図6を参照して、本発明に従う液面計の第4の実施形態について説明する。図5は、第4の実施形態の液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図であり、図6は、図5の液タンクにおいて、反射用フロート及びアンカーウェイトを持ち上げた状態を簡略的に示す断面図である。
【0034】
図5において、この第4の形態では、液タンク22Cの上端部にノズル部24Cが設けられ、このノズル部24Cに横方向に突出するマンホール部72が設けられ、このマンホール部72の開口部に蓋部材74が取り外し可能に取り付けられている。この液タンク22Cには、反射用フロート34C用の第1ガイドワイヤ76及びアンカーウェイト78用の第2ガイドワイヤ80が設けられている。第1ガイドワイヤ76は、例えば周方向に間隔をおいて4本設けられ、各ガイドワイヤ76の一端側はノズル部24Cの天壁28に取り付けられた巻上げ機構82に巻かれ、その他端部(先端部)は天壁28を通して液タンク22C内を下方に延び、アンカーウェイト78に取り付けられている。アンカーウェイト78は円盤状であり、液タンク22Cに貯蔵された液体36内に沈み、その自重により第1ガイドワイヤ76を適当な張力で張る。反射用フロート34Cの外周部には周方向に間隔をおいて4個の貫通孔83が設けられており、各第1ガイドワイヤ76を対応する貫通孔83に挿通することによって、反射用フロート34Cが第1ガイドワイヤ76に沿って上下方向に移動自在に装着されている。
【0035】
第2ガイドワイヤ78は、第1ガイドワイヤ76の半径方向外側に例えば周方向に180度の間隔をおいて2本設けられ、各第2ガイドワイヤ78の一端部(上端部)がノズル部24Cの天壁28に取り付けられ、その他端部(下端部)が伸縮機構(図示せず)を介して液タンク22Cの底壁内面に取り付けられている。アンカーウェイト78には周方向に180度の間隔をおいて一対の貫通孔84が設けられ、第2ガイドワイヤ80を対応する貫通孔84に挿通することによって、アンカーウェイト78が第2ガイドワイヤ80に沿って上下方向に移動自在に装着されている。第4の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0036】
この第4の実施形態の液面計では、第2及び第3の実施形態と同様に、反射用フロート34Cは液タンク22Cに貯蔵された液体36の液面に浮き、液体36の液面変動によって第1ガイドワイヤ76に沿って上下方向に移動し、送受信ユニット40の送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Cに反射されて受信手段に受信され、従って、上述したと同様に、マイクロ波を利用して液面高さを計測することができる。また、第1ガイドワイヤ76が反射用フロート34Cの貫通孔83に挿通されているので、この反射用フロート34Cが浮遊逸脱することがない。更に、第2ガイドワイヤ80がアンカーウェイト78の貫通孔84に挿通されているので、アンカーウェイト78が浮遊逸脱することもない。
【0037】
この液面計においては、巻上げ機構82を作動して第1ガイドワイヤ76を巻き上げ、巻き戻すことにより、アンカーウェイト78を第2ガイドワイヤ80に沿って上下方向に移動させることができる。巻上げ機構82により第1ガイドワイヤ76を巻き上げてアンカーウェイト78を液体36の液面上方まで持ち上げると、このアンカーウェイト78が液面に浮いている反射用フロート34Cを持ち上げ、アンカーウェイト78とともに反射用フロート34Cが持ち上げられる。そして、巻上げ機構82によりアンカーウエイト78を密閉上昇位置(図6に示す位置)まで持ち上げると、図6に示すように、アンカーウェイト78の外周部がノズル部24Cの環状下突出端部に当接してその開口部を密封する。この密封状態においては、液タンク22C内の気体(液体36の気化ガスを含んでいる)がノズル部24C内に流入することがなく、従って、液タンク22C内とノズル部24C内とを分離することができる。かく分離した状態において、マンホール部72の蓋部材74を取り外すことにより、ノズル部24C内をマンホール部72を介して外部に開放することができ、このようにすることにより、反射用フロート34C、送受信ユニット40(送信手段、受信手段)などの点検、修理、交換を容易に行うことが可能となる。
【0038】
この第4の実施形態では、アンカーウェイト78を上下方向に案内するための第2ガイドワイヤ80を設けているが、このアンカーウェイト78を浮遊逸脱することなく上下移動することができるときには、第2ガイドワイヤ80を省略することができる。
【0039】
第1の実施形態の交換方法
次に、図7〜図12を参照して、本発明に従う液面計の交換方法の第1の実施形態について説明する。図7は、ディスプレーサ式液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図であり、図8は、計測用フロートを最上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図であり、図9は、アンカーウェイトを密閉上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図であり、図10は、ノズル部内に反射用フロート及び送受信ユニットを取り付けた状態を簡略的に示す図であり、図11は、送受信ユニットから伝送ケーブルを導出する状態を簡略的に示す断面図であり、図12は、ディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換したときの状態を簡略的に示す断面図である。
【0040】
図7において、この液タンク22Dには、ディスプレーサ式液面計102が装備されている。ディスプレーサ式液面計102は、計測用フロート104及びゲージヘッド106を備えている。ゲージヘッド106は液タンク22Dのノズル部24Dの天壁28の略中央部に取り付けられ、ゲージヘッド106からのフロートワイヤ108が天壁28を通して液タンク22D内に延び、その先端部に計測用フロート104が取り付けられている。このフロートワイヤ108は、計測用フロート104が液タンク22D内のLNGの如き液体36の液面によって決定される位置になるように、図示していないそれ自体公知のフロート巻上げ機構により、ゲージヘッド106から適切に繰り出されるように構成されている。
【0041】
液タンク22D内には、2本の第1ガイドワイヤ110が設けられている。ノズル部24Dの天壁28には一対のガイドワイヤ巻上げ機構112が設けられ、第1ガイドワイヤ110の一端側が対応するガイドワイヤ巻上げ機構112に巻き付けられ、その先端側が天壁28を通して下方に液タンク22Dの底壁近傍まで延び、第1ガイドワイヤ110の先端部にアンカーウェイト114が取り付けられている。アンカーウェイト114は液タンク22Dに貯蔵された液体36に浸漬され、第1ガイドワイヤ110はこのアンカーウェイト114によって適当な張力で張られた状態に保たれる。計測用フロート104には一対の貫通孔116が設けられ、第1ガイドワイヤ110を対応する貫通孔116に挿通することによって、計測用フロート104が上下方向に移動自在に装着される。
【0042】
液タンク22D内には、アンカーウェイト114をガイドするための一対の第2ガイドワイヤ118が設けられている。各第2ガイドワイヤ118の一端部はノズル部24Dの天壁28に取り付けられ、その他端部(下端部)は伸縮機構(図示せず)を介して液タンク22Dの底壁に取り付けられている。アンカーウェイト114には一対の貫通孔120が設けられており、第2ガイドワイヤ118を対応する貫通孔120に挿通することによって、アンカーウェイト114が第2ガイドワイヤ118に沿って上下方向に移動自在に装着されている。
【0043】
ゲージヘッド106には、フロートワイヤ108の移動量を検知するための移動量検知手段(図示せず)が設けられ、この移動量検知手段による検知信号が、例えばマイクロプロセッサから構成される第1液面高さ演算手段122に送給され、第1液面高さ演算手段122はこの検知信号に基づいて液面高さを所要の通りに算出し、算出された液面高さが表示手段124に表示される。
【0044】
この液タンク22Dは、更に、次のように構成されている。即ち、ノズル部24Dには、横方向に延びるマンホール部126が設けられ、このマンホール部24Dの開口部に蓋部材128が取外し可能に取り付けられている。また、ノズル部24Dの中間部であって、液タンク22Dから上方に幾分突出する部位には、一対の環状フランジ130が設けられ、一対の環状フランジ130間に環状シール部材132が装着され、この環状シール部材132の先端部がノズル部24D内に突出している。環状シール部材132は、例えばゴム材料から形成される。
【0045】
このような既設のディスプレーサ式液面計102を、マイクロ波を利用するマイクロ波液面計134(図12)に交換する場合、次のようにして行うことができ、こように交換することによって、古いディスプレーサ式液面計102を新しいマイクロ波液面計134に液タンク22D内の液体36を抜くことなく行うことができる。
【0046】
液面計の交換を行う場合、まず、図8に示すように、ゲージヘッド106のフロート巻上げ機構(図示せず)を作動させてフロートワイヤ108を巻き上げ、計測用フロート104をノズル部24D内の最上昇位置に位置付ける(フロート持上げステップ)。このように位置付けると、計測用フロート104は天壁28の内側に位置付けられる。
【0047】
次いで、図9に示すように、ガイドワイヤ巻上げ機構112を作動させてガイドワイヤ110を巻き上げ、アンカーウェイト114を密閉上昇位置(図9に示す位置)まで上昇させる(ノズル部密封ステップ)。この密閉上昇位置においては、アンカーウェイト114の外周部が環状シール部材132に圧接され、アンカーウェイト114及び環状シール部材132によって、液タンク22D内とノズル部24Dの上部空間とが遮断されて分離される。
【0048】
そして、このようにノズル部24Dの開口側を密封した状態において、図10に示すように、マンホール部126の蓋部材128を取り外す。この取り外しに際し、ノズル部24Dの上部空間(アンカーウェイト114より上側の空間)内に存在する気体(液体36の気化ガスを含んでいる)を、図示していない、空気置換用小配管、バルブ、圧力計などを活用して外部に放出し、この上部空間内の気体を空気に置き換える。尚、置換用小配管などを用いることなく、蓋部材128を少しずつ外して空気と置き換えるようにしてもよい。
【0049】
このように蓋部材128を取り外すと、図10に示すように、マンホール部126の開口部が開放され、液タンク22Dの液体36を抜くことなく、この開口部を通してノズル部24D内の各種作業を行うことが可能となる。そして、このような開放状態において、反射用フロート34Dを一対の第1ガイドワイヤ110に上下方向に移動自在に取り付ける(フロート取付けステップ)とともに、この反射用フロート34Dに上下方向に対向するようにして、ノズル部24Dの側壁に支持部材136を介して送受信ユニット40D(送信手段及び受信手段を内蔵するユニット)を取り付ける(送信・受信手段取付けステップ)。反射用フロート34Dは、その基本的構成が例えば図2に示すものと同様のものでよく、貫通孔138に連通する小さいな切欠き(図示せず)を設け、この切欠きを通して第1ガイドワイヤ110を貫通孔138に挿通するようにすることができる。
【0050】
次いで、図11に示すように、信号用ケーブル140の一端部をマンホール部126の開口部を通して送受信ユニット40Dに接続し、その他端側を交換用蓋142を通して外部に導出し、その他端部を、例えばマイクロプロセッサから構成される第2液面高さ演算手段144に接続する。尚、信号用ケーブル140の導出は、例えば交換用蓋142にケーブル貫通用部材146を取り付け、この貫通用部材146を通して行うようにすればよく、このようにすることによって、信号用ケーブル140と交換用蓋142との間を密封することができる。
【0051】
その後、図12に示すように、この交換用蓋142をマンホール部126の開口部に取り付けて密封する。そして、ガイドワイヤ巻上げ機構112を動かせて第1ガイドワイヤ110を巻き戻してアンカーウェイト114を液タンク22Dの底壁近傍まで下げ、アンカーウェイト114を貯蔵された液体36に浸漬するとともに、反射用フロート34Dを液体36の液面に浮かせる(密封解除ステップ)。第1ガイドワイヤ110を巻き戻すと、アンカーウェイト114が第2ガイドワイヤ118に沿って下方に下がり、これとともに反射用フロート34Dも下がり、液面まで下がると、反射用フロート34Dが液面に浮き、アンカーウェイト114のみが液体36中を図12に示す位置まで下がる。
【0052】
このようにして、既設のディスプレーサ式液面計102に代えてマイクロ波液面計134を取り付けることができ、その取付は液タンク22D内の液体36を抜くことなく行うことができる。マイクロ波液面計134により液面を計測する場合、反射用フロート34Dは、液体36の液面変動によって第1ガイドワイヤ110に沿って上下方向に移動し、送受信ユニット40Dの送信手段から送信されたマイクロ波は反射用フロート34Dに反射されて受信手段に受信される。そして、受信手段の受信信号が信号用ケーブル140を通して第2液面高さ演算手段144に送給され、この第2液面高さ演算手段144が上記受信信号に基づいて液面高さを算出し、算出された液面高さが表示手段148に表示され、このようにして、交換したマイクロ波液面計134を用いて液タンク22D内の液体36の液面を計測することができる。
【0053】
変形形態の交換方法
次に、図13を参照して、本発明に従う液面計の交換方法の変形形態について説明する。図13は、変形形態の交換方法の一部を簡略的に示す断面図である。この変形形態では、ディスプレーサ式計面計からマイクロ波液面計に交換する際に、その計測用フロートをマイクロ波液面計の反射用フロートとして用いるようにしている。
【0054】
図13において、この変形形態においても、液タンク22Dに上述したと同様のディスプレーサ式液面計が取り付けられており、かく取り付けられた既設のディスプレーサ式液面計をマイクロ波式液面計に交換する場合、ゲージヘッド106のフロート巻上げ機構(図示せず)によりフロートワイヤ108を巻き上げ、計測用フロート104を最上昇位置に位置付け(フロート持上げステップ)、次いで、ガイドワイヤ巻上げ機構112により第1ガイドワイヤ110を巻き上げ、アンカーウェイト114を密閉上昇位置(図13に示す位置)まで上昇させる(ノズル部密封ステップ)。
【0055】
そして、このようにノズル部24Dの開口側を密封した状態において、マンホール部126の蓋部材128を取り外し、計測用フロート104とフロートワイヤ108との連結を解除し(連結解除ステップ)、計測用フロート104を第1ガイドワイヤ110から外してマンホール部126の開口部を通して外部に取出し、反射用フロートとして用いるために、次の通りの改造を施す。即ち、計測用フロート104の上面にマイクロ波の反射率の高い高反射部材152を取り付ける(フロート改造ステップ)。高反射部材152は、例えばステンレス製のプレート部材から形成することができ、接着材、溶接などの手段により計測用フロート104に取り付けられ、このようにして計測用フロート104を利用して反射用フロート34Eを形成する。
【0056】
その後、改造した反射用フロート34Eを一対の第1ガイドワイヤ110に上下方向に移動自在に取り付け(フロート取付けステップ)、更に、図示していないが、上述したと同様にして、ノズル部24D内に送受信ユニット(図示せず)を取り付け(送信・受信手段取付けステップ)、この送受信ユニットを信号用ケーブルを介して第2液面高さ演算手段に接続し、しかる後、ガイドワイヤ巻上げ機構112により第1ガイドワイヤ110を巻き戻してアンカーウェイト114を液タンク22Dの底壁近傍まで下げ、反射用フロート34Dを液体36の液面に浮かせる(密封解除ステップ)。
【0057】
以上、本発明に従う液面計及びその交換方法の各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0058】
【発明の効果】
本発明の請求項1の液面計によれば、反射用フロートの少なくとも上面に高反射物質が設けられているので、送信手段からのマイクロ波は、反射用フロートの上面で高効率に反射された後に受信手段に受信される。従って、受信手段の受信信号レベルが高く、従来のようにガイドパイプなどを設けることなく、LNGなどの液体の液面を計測することができる。
【0059】
本発明の請求項2の液面計によれば、反射用フロートがガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されているので、この反射用フロートが浮遊逸脱することがなく、送信手段からのマイクロ波を反射用フロートの上面で反射されて受信手段に確実に受信させることができる。
【0060】
また、本発明の請求項3の液面計によれば、ガイドワイヤの上端部は巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられているので、巻上げ機構によりガイドワイヤを巻き上げることにより、アンカーウェイトとともに反射用フロートが持ち上げることができる。また、ガイドワイヤを所要の通りに巻き上げると、アンカーウェイトがノズル部の開口部を密閉するので、ノズル部内のガスを外部にパージすることによって、このノズル部内における作業が可能となり、反射用フロートの点検、取付け、取替えなどの作業が可能となる。
【0061】
また、本発明の請求項4の液面計の交換方法によれば、比較的簡単な取り換え作業でもって既設のディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換することができる。また、このような交換作業は、液タンクの液体を抜くことなく行うことができる。
【0062】
また、本発明の請求項5の液面計の交換方法によれば、比較的簡単な取り換え作業でもって既設のディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換することができ、また交換の際に、ディスプレーサ式液面計の計測用フロートをマイクロ波液面計の反射用フロートとして用い、計測用フロートを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う液面計の第1の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図2】図1の液面計の反射用フロートを示し、図2(a)はその斜視図であり、図2(b)はその断面図である。
【図3】本発明に従う液面計の第2の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図4】本発明に従う液面計の第3の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図5】本発明に従う液面計の第4の実施形態を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図6】図5の液タンクにおいて、反射用フロート及びアンカーウェイトを持ち上げた状態を簡略的に示す断面図である。
【図7】ディスプレーサ式液面計を備えた液タンクを簡略的に示す断面図である。
【図8】計測用フロートを最上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図である。
【図9】アンカーウェイトを密閉上昇位置まで持ち上げたときの状態を簡略的に示す断面図である。
【図10】ノズル部内に反射用フロート及び送受信ユニットを取り付けた状態を簡略的に示す図である。
【図11】送受信ユニットから伝送ケーブルを導出する状態を簡略的に示す断面図である。
【図12】ディスプレーサ式液面計からマイクロ波液面計に交換したときの状態を簡略的に示す断面図である。
【図13】変形形態の交換方法の一部を簡略的に示す断面図である。
【図14】従来の液面計を装備した液タンクを簡略的に示す断面図である。
【符号の説明】
22,22A,22C,22D 液タンク
24,24C,24D ノズル部
25 液面計
30,106 ゲージヘッド
32 ワイヤ
34,34A,34B,34C,34D,34E 反射用フロート
36 液体
40,40D 送受信ユニット
42 液面高さ演算手段
46 フロート本体
52,64,76,80,110,118 ガイドワイヤ
66 錘
72,126 マンホール部
78,114 アンカーウェイト
102 ディスプレーサ式液面計
104 計測用フロート
108 フロートワイヤ
112 ガイドワイヤ巻上げ機構
122 第1液面高さ演算手段
132 環状シール部材
134 マイクロ波液面計
144 第2液面高さ演算手段
152 高反射部材
Claims (5)
- 液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する反射用フロートと、前記反射用フロートに向けてマイクロ波を送信する送信手段と、前記反射用フロートから反射する反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された受信信号を所要の通りに処理して液面高さを演算する液面高さ演算手段と、を備えた液面計であって、
前記反射用フロートの少なくとも上面には、マイクロ波の反射率の高い高反射物質が設けられていることを特徴とする液面計。 - 前記液タンク内には、上下方向に延びるガイドワイヤが設けられており、前記反射用フロートは前記ガイドワイヤに上下方向に移動自在に装着されていることを特徴とする請求項1記載の液面計。
- 前記液タンクにはノズル部が設けられ、前記ノズル部にはワイヤ巻上げ機構が設けられ、前記ガイドワイヤの上端部は前記巻上げ機構に巻かれ、その下端部にはアンカーウェイトが取り付けられており、前記巻上げ機構により前記ガイドワイヤを巻き上げると、前記アンカーウェイトとともに前記反射用フロートが持ち上げられ、前記アンカーウェイトは前記ノズル部の開口部を密封することを特徴とする請求項2記載の液面計。
- ノズル部を有する液タンクと、前記液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する計測用フロートと、前記計測用フロートを上下方向に移動自在に案内するためのガイドワイヤと、前記計測用フロートに連結されたフロートワイヤと、前記フロートワイヤの移動量に基づいて液体高さを演算するための第1液面高さ演算手段と、を備えたディスプレーサ式液面計から、液面に向けてマイクロ波を送信する送信手段と、液面に浮いてその上下動により上下移動する反射用フロートと、前記反射フロートからの反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信信号を処理して液面高さを演算する第2液面高さ演算手段と、を備えたマイクロ波液面計に交換する液面計交換方法であって、
前記フロートワイヤを巻き上げて前記計測用フロートを持ち上げるフロート持上げステップと、前記ガイドワイヤを巻き上げて前記アンカーウェイトを持ち上げ、前記アンカーウェイトにより前記ノズル部を密封するノズル部密封ステップと、前記ノズル部を開放してガイドワイヤに上下方向に移動自在に前記反射用フロートを取り付けるフロート取付けステップと、前記ノズル部内に前記送信手段及び前記受信手段を取り付ける送信・受信手段取付ステップと、前記ガイドワイヤを巻き戻して前記ノズル部を開放して前記反射用フロートを液体の液面に浮かべる密封解除ステップと、を含むことを特徴とする液面計の交換方法。 - ノズル部を有する液タンクと、前記液タンクに貯蔵された液体の液面に浮いてその液面の上下動によって上下移動する計測用フロートと、前記計測用フロートを上下方向に移動自在に案内するためのガイドワイヤと、前記計測用フロートに連結されたフロートワイヤと、前記フロートワイヤの移動量に基づいて液体高さを演算するための第1液面高さ演算手段と、を備えたディスプレーサ式液面計から、液面に向けてマイクロ波を送信する送信手段と、反射マイクロ波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信信号を処理して液面高さを演算する第2液面高さ演算手段と、を備えたマイクロ波液面計に交換する液面計交換方法であって、
前記フロートワイヤを巻き上げて前記計測用フロートを持ち上げるフロート持上げステップと、前記ガイドワイヤを巻き上げて前記アンカーウェイトを持ち上げ、前記アンカーウェイトにより前記ノズル部を密封するノズル部密封ステップと、前記ノズル部を開放して前記計測用フロートと前記フロートワイヤとの連結を解除する連結解除ステップと、前記計測用フロートの上面に、マイクロ波の反射率の高い高反射部材を取り付けて前記反射用フロートとして機能させるフロート改造ステップと、前記ノズル部内に前記送信手段及び前記受信手段を取り付ける送信・受信手段取付けステップと、前記ガイドワイヤを巻き戻して前記ノズル部を開放して前記改造反射用フロートを液体の液面に浮かべる密封解除ステップと、を含むことを特徴とする液面計の交換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002316496A JP2004150952A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 液面計及びその交換方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002316496A JP2004150952A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 液面計及びその交換方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004150952A true JP2004150952A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32460188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002316496A Pending JP2004150952A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 液面計及びその交換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004150952A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008000154A1 (fr) * | 2006-06-20 | 2008-01-03 | China Aluminium International Engineering Corporation Limited | Citerne à liquides comportant un indicateur de niveau de remplissage doté d'un radar |
JP2008170223A (ja) * | 2007-01-10 | 2008-07-24 | Toshiba Corp | 原子炉水位の測定方法および装置 |
KR100894977B1 (ko) * | 2008-09-17 | 2009-04-24 | 주식회사 와텍 | 양안시차를 이용한 수위 측정 장치 |
CN102606877A (zh) * | 2012-03-31 | 2012-07-25 | 贾林祥 | 一种液化天然气气瓶的液面测量装置 |
CN102853881A (zh) * | 2011-06-28 | 2013-01-02 | 克洛纳测量技术有限公司 | 用于显示填充水平的浮体 |
JP2014503815A (ja) * | 2010-12-16 | 2014-02-13 | ザ・ボーイング・カンパニー | 無線液量測定システム |
CN106679769A (zh) * | 2016-12-30 | 2017-05-17 | 西南石油大学 | 一种液位监测装置及一种液位监测方法 |
CN109932020A (zh) * | 2019-03-20 | 2019-06-25 | 广州能源检测研究院 | 一种内浮顶罐浮盘位姿监测系统及监测方法 |
CN110775451A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-02-11 | 大连福佳·大化石油化工有限公司 | 内浮顶储罐安全保护控制系统及其操作方法 |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002316496A patent/JP2004150952A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008000154A1 (fr) * | 2006-06-20 | 2008-01-03 | China Aluminium International Engineering Corporation Limited | Citerne à liquides comportant un indicateur de niveau de remplissage doté d'un radar |
JP2008170223A (ja) * | 2007-01-10 | 2008-07-24 | Toshiba Corp | 原子炉水位の測定方法および装置 |
KR100894977B1 (ko) * | 2008-09-17 | 2009-04-24 | 주식회사 와텍 | 양안시차를 이용한 수위 측정 장치 |
JP2014503815A (ja) * | 2010-12-16 | 2014-02-13 | ザ・ボーイング・カンパニー | 無線液量測定システム |
CN102853881A (zh) * | 2011-06-28 | 2013-01-02 | 克洛纳测量技术有限公司 | 用于显示填充水平的浮体 |
CN102606877A (zh) * | 2012-03-31 | 2012-07-25 | 贾林祥 | 一种液化天然气气瓶的液面测量装置 |
CN102606877B (zh) * | 2012-03-31 | 2014-02-12 | 贾林祥 | 一种液化天然气气瓶的液面测量装置 |
CN106679769A (zh) * | 2016-12-30 | 2017-05-17 | 西南石油大学 | 一种液位监测装置及一种液位监测方法 |
CN106679769B (zh) * | 2016-12-30 | 2019-03-22 | 西南石油大学 | 一种液位监测装置及一种液位监测方法 |
CN109932020A (zh) * | 2019-03-20 | 2019-06-25 | 广州能源检测研究院 | 一种内浮顶罐浮盘位姿监测系统及监测方法 |
CN109932020B (zh) * | 2019-03-20 | 2020-09-01 | 广州能源检测研究院 | 一种内浮顶罐浮盘位姿监测系统及监测方法 |
CN110775451A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-02-11 | 大连福佳·大化石油化工有限公司 | 内浮顶储罐安全保护控制系统及其操作方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5072618A (en) | Adjustable LPG gauge | |
JP2004150952A (ja) | 液面計及びその交換方法 | |
KR100936467B1 (ko) | 음향탐사를 통한 해수로의 지형변화 확인 및 해저지형 정보 갱신시스템 | |
US10384866B2 (en) | Floating roof monitoring with laser distance measurement | |
JP5589248B2 (ja) | レーザー式液面計 | |
KR102261561B1 (ko) | 유체 저장 탱크 통합 관리 장치 및 방법 | |
EP4136054A1 (en) | Storage tank monitoring apparatus and methods | |
JP2008175591A (ja) | 有水式ガスホルダの傾斜測定装置及び有水式ガスホルダの傾斜測定方法 | |
KR101875162B1 (ko) | 수위 측정 장치 | |
KR102466457B1 (ko) | 기어비를 이용하는 수위 계측기 | |
KR100950806B1 (ko) | 부유식 파고계 및 그 파고계를 이용한 이상 파고 및 주기경고방법 | |
US20200333174A1 (en) | Liquid Level Sensor | |
JP6316619B2 (ja) | コンクリート打設システム、コンクリート打設方法 | |
JP3962408B2 (ja) | 液体貯蔵タンクの漏洩検査装置 | |
JP5180044B2 (ja) | 浮屋根揺動防止装置 | |
JP4930227B2 (ja) | ディスプレーサ式液面計のディスプレーサ回収装置 | |
KR101000938B1 (ko) | 수위 측정장치의 플로트 교체 구조 | |
JP3139198U (ja) | 液面レベル同位計及び液面レベル同位計付きタンク | |
JP4117569B2 (ja) | 地下タンクの漏洩検知装置 | |
WO2008041405A1 (fr) | Unité de cuve avec structure à double coque équipée d'un dispositif de mesure de déplacement, et installation de cuve | |
KR101138619B1 (ko) | 고압 유체 저장시스템 및 저장방법 | |
KR20190051573A (ko) | 흘수 측정 장치 | |
KR101780039B1 (ko) | 플로트를 이용한 복합 수위 측정 장치 | |
JP2007114082A (ja) | 地下タンクの漏洩検知装置 | |
KR200355600Y1 (ko) | 액화가스용 수동감지 액면계 |