JP2004150940A - 漏れ検査装置および方法 - Google Patents

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JP2004150940A JP2002316238A JP2002316238A JP2004150940A JP 2004150940 A JP2004150940 A JP 2004150940A JP 2002316238 A JP2002316238 A JP 2002316238A JP 2002316238 A JP2002316238 A JP 2002316238A JP 2004150940 A JP2004150940 A JP 2004150940A
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Hiroyuki Murakami
浩之 村上
Kazunari Kubota
一成 久保田
Takeshi Kato
毅 加藤
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Abstract

【課題】フード内を減圧することなく漏れ検査を行え、また、装置が簡単で安価につく検査装置および方法を提供すること。
【解決手段】フード11内にワーク12を入れて、フード11内に窒素ガスを供給するとともに、ワーク12内にヘリウムガスを供給して、フード11から取り出した検査ガス中のヘリウムガスからワーク12の漏れを検査する漏れ検査装置Aに、エアからヘリウムガスを分離するヘリウムガス分離器50を設けた。そして、ヘリウムガスが除去された残りの窒素ガスをフード11に供給するようにした。また、フード11から取り出した検査ガスを窒素ガスとヘリウムガスとに分離し、窒素ガスをフード11に再度供給し、ヘリウムガスを検査用ガスとして使用するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体や液体の収容や移送に使用される容器や配管等からなるワークの漏れ検査に使用する漏れ検査装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、気体や液体の収容や移送に使用する容器や配管等の中には気密性を要求されるものがあり、このような容器や配管に生じる漏れをチェックする装置がある(例えば、特許文献1)。この装置では、窒素ガスからなる置換ガスとヘリウムガスからなるプローブガスを用いて漏れ検査が行われている。
【0003】
この場合、真空槽(フード)内に、被試験体(ワーク)を気密的に格納し、真空槽内を排気して減圧したのちに、真空槽内に窒素ガスを供給するとともに、被試験体内にヘリウムガスを供給する。そして、真空槽内の窒素ガスを取り出して、窒素ガスに含まれるヘリウムガスを検出することにより、被試験体に漏れが生じているか否かを検査する。
【0004】
すなわち、被試験体に漏れがなければ、真空槽から取り出した窒素ガスからはヘリウムガスが検出されず、被試験体に漏れがあれば、被試験体内のヘリウムガスが、真空槽の内部における被試験体外に浸出するため真空槽から取り出した窒素ガスからヘリウムガスが検出される。このように、真空槽から取り出した窒素ガス中におけるヘリウムガスの有無や量を検出することで被試験体に漏れがあるか否かを検査している。
【0005】
【特許文献1】
特許第2500488号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記装置を用いた漏れ検査方法では、真空槽に窒素ガスを供給する前に、真空槽内を排気して減圧するため、被試験体が薄肉のものである場合等には、負圧によって潰れて破損することがある。また、真空槽を減圧するための真空排気装置が必要になり、装置が大掛かりになってコストアップにつながるという問題もある。さらに、ボンベに収容された窒素ガスを用いるため、高価につくという問題もある。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたもので、その目的は、フード内を減圧することなく精度のよい漏れ検査を行え、また、簡略化および低価格化が図れる検査装置および方法を提供することである。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明に係る漏れ検査装置の構成上の特徴は、開閉可能な開口部を有し、開時に前記開口部から検査物であるワークを入れ、閉時に開口部を密閉状態としワークの漏れ検査を行うフードと、フード内でワークからの漏れを検出するために、トレースガスを、フードのワークの外周部およびワークの内部のいずれか一方に供給するトレースガス供給手段と、ワーク内とフード内のワーク外周部との差圧を減らすために、トレースガスを含まない基準ガスを、フード内のワークの外周部およびワークの内部のいずれかの他方に供給するための基準ガス供給手段と、フード内で一方側から他方側へ、ワークを介して漏れたトレースガスを検出することで、漏れを検出する漏れ検出手段と、トレースガスと基準ガスを含む気体から、透過分離材を利用して、トレースガスと基準ガスを分離するガス分離手段とを備え、ガス分離手段でトレースガスを分離除去した基準ガスを前記基準ガス供給手段に供給することにある。
【0009】
前記のように構成した本発明の漏れ検査装置では、ガス分離手段によって、検査ガスからトレースガスを除き、トレースガスが除去された基準ガスをフードに供給するようにしている。したがって、フード内には、トレースガスを含まない基準ガスが供給されるため、トレースガスのバックグラウンド値(元々フード内に存在していたトレースガスの量であり、この値を超える値が漏れの値となる。以下基準値と記す。)が下がり精度のよい検出が行える。
【0010】
また、濃度(純度)の高い基準ガス(トレードガスの含有量の少ない基準ガス)を用いるため、基準ガスを入れる前に、フード内を真空状態にする必要がなくなって、大掛かりな真空排気装置が不要になるとともに、フード内を大気圧に維持して検査を行うことができる。また、真空排気装置の代わりに用いるガス分離手段は、透過分離材を用いた簡単な構造の装置で済むため、安価につくとともに、メンテナンスも容易になる。
【0011】
この場合、ワークの漏れの有無は、基準ガスにトレースガスが全く含まれない場合であれば、フードから取り出される検査ガス中のトレースガスの有無によって判定する。また、基準ガスにトレースガスが含まれている場合であれば、基準ガス中のトレースガスの含有量を基準値とし、フードから取り出した検査ガス中のトレースガスの検出値が、基準値以上であるか否かによって判定する。
【0012】
また、本発明に係る漏れ検査装置の他の構成上の特徴は、ガス分離手段で分離除去されたトレースガスを、トレースガス供給手段に供給するための分離トレードガス供給手段を備えたことにある。
【0013】
前記のように構成した本発明の漏れ検査装置によれば、フードに供給する基準ガスの濃度を高くすることができるとともに、漏れ検査に使用するトレースガスの濃度も高くすることができるため、漏れ検査の精度がさらに高くなる。また、基準ガスの濃度を高めるための装置と、トレースガスの濃度を高めるための装置を共用できるため装置の簡略化が図れる。
【0014】
また、本発明に係る漏れ検査装置のさらに他の構成上の特徴は、フード内における基準ガスが供給される部分と、漏れ検出手段とが配管経路で接続されており、基準ガス供給手段から供給される基準ガスが、配管経路の浄化に用いられることにある。これによると、検査ガスが通過するフードから漏れ検出手段の間の配管経路を基準ガスで浄化できるため、その配管経路内に不純物がなくなる。この結果、精度のよい漏れ検査が可能になる。
【0015】
また、本発明に係る漏れ検査装置のさらに他の構成上の特徴は、トレースガスをヘリウムガスとし、前記基準ガスを、空気からヘリウムガスを分離除去したガスとしたことにある。これによると、基準ガスを安価に得ることができるとともに、基準ガスを貯蔵するためのボンベ等の装置が不要になり、装置の簡略化が図れる。また、この場合、空気から分離されたヘリウムガスをトレースガスとして用いることもできる。
【0016】
また、本発明に係る漏れ検査装置のさらに他の構成上の特徴は、基準ガス供給手段が、フード内におけるワークの内部と外部との圧力差が大きくならないように基準ガスを供給することにある。これによると、ワークの内外での圧力差が小さくなるため、ワークが強度の弱いものであっても、破損することがなくなる。また、この場合、トレースガスが供給される部分の圧力を、基準ガスが供給される部分の圧力よりも大きく設定する。
【0017】
本発明に係る漏れ検査方法の構成上の特徴は、フード内にワークを入れ、フードを密閉する密閉ステップと、トレースガスを外部に供給するトレースガス供給手段によって、フード内のワークの外周部およびワークの内部のいずれか一方にトレースガスを供給する第1ガス供給ステップと、基準ガスを外部に供給する基準ガス供給手段によって、フード内のワークの外周部およびワークの内部のいずれかの他方に、トレースガスを含まない基準ガスを供給する第2ガス供給ステップと、一方側から他方側にワークを介して漏れ出たトレースガスを検出する検出ステップと、トレースガスを含む基準ガスを、透過分離材を利用して、トレースガスを分離するガス分離ステップとを有し、トレースガスを分離除去された基準ガスを基準ガス供給手段に供給することにある。
【0018】
前記のように構成した本発明の漏れ検査方法では、検査準ガスからトレースガスを除き、トレースガスが除去された基準ガスをフードに供給するようにしている。したがって、フード内には、トレースガスを含まない基準ガスが供給されるため、漏れがある場合には、トレースガスの精度のよい検出が行える。また、検査ガスからのトレースガスの分離を透過分離材を用いて行うため、簡単な方法でトレースガスの分離ができる。
【0019】
本発明に係る漏れ検査方法の他の構成上の特徴は、ガス分離ステップで分離されたトレースガスを、ワークを収容したフード内におけるワークの内部および外部のうちの一方に供給する分離トレースガス供給ステップを備えたことにある。これによると、フードに供給する基準ガスの濃度を高くすることができるとともに、漏れ検査に使用するトレースガスの濃度も高くすることができるため、漏れ検査の精度が高くなる。また、トレードガスと基準ガスを何度も分離させながら使用できるため経済的である。
【0020】
本発明に係る漏れ検査方法のさらに他の構成上の特徴は、フード内における基準ガスが供給される部分と、トレードガス検出手段とが配管経路で接続されており、基準ガスで、配管経路の浄化を行う配管経路浄化ステップを備えたことにある。これによると、配管経路内に不純物がなくなり、漏れ検査の精度が向上する。
【0021】
本発明に係る漏れ検査方法のさらに他の構成上の特徴は、トレースガスをヘリウムガスとし、基準ガスを、空気からヘリウムガスを分離除去したガスとしたことにある。これによると、基準ガスを安価に得ることができる。また、空気から分離されたヘリウムガスをトレースガスとして用いることもできる。
【0022】
本発明に係る漏れ検査方法のさらに他の構成上の特徴は、基準ガス供給ステップまたは分離基準ガス供給ステップにおいて供給される基準ガスが、フード内におけるワークの内部と外部との圧力差を小さくするために供給されることにある。これによると、ワークの破損を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は同実施形態に係る漏れ検査装置Aを示している。この漏れ検査装置Aは、密閉容器攪拌系10と、密閉容器攪拌系10に本発明の漏れを検査する検査器が検出するトレースガスを含まない基準ガスとしての窒素ガスを供給するための窒素ガス発生系20と、密閉容器攪拌系10に本発明の検査器が漏れを検査するためのトレースガスとしてのヘリウムガスを供給するためのヘリウムガス封入系30と、密閉容器攪拌系10から取出される検査ガス(この検査ガスにはワークから漏れ出たヘリウムガスが混合されている場合もある。)中のヘリウムガスの有無または量を検出するセンシング系40とで構成されている。
【0024】
密閉容器攪拌系10は、内部が密閉空間部に形成されたフード11を備えており、このフード11内に、内部が密閉空間部に形成された被検査用のワーク12が出し入れ可能に設置されている。また、フード11内には、フード11内に供給される窒素ガス等を攪拌するためのファン13も設置され、フード11の外殻部には、エア供給管P1、窒素ガス供給管P2、検査ガス取出管P3、漏れ検出管P4およびガス排出管P5が連結されて外部に延びている。そして、フード11内のワーク12には、ヘリウムガス供給管P6が連結されてフード11の外部に延びている。
【0025】
なお、検査ガスは、フード11内で、ワーク12を介して漏れ出たトレースガスと、フード11内の基準ガスとを含むガスであり、検査に利用されるガスである。ただし、ワーク12からトレースガスが漏れ出ないときは、検査ガスは、基準ガスのみとなる。
【0026】
エア供給管P1は、開閉バルブ14を介してエア供給装置15に接続されており、開閉バルブ14を開けることにより、エア供給装置15から吐出されるエアをフード11内に供給する。窒素ガス供給管P2は、開閉バルブ16を介して窒素ガス発生系20に接続されており、開閉バルブ16を開けることにより、窒素ガス発生系20から送られる窒素ガスをフード11内に供給する。また、この窒素ガス供給管P2は、窒素ガス発生系20を介して、エア供給管P1に接続され、エア供給装置15に連通している。検査ガス取出管P3は、センシング系40に接続され、フード11内の検査ガスをセンシング系40に送り出す。
【0027】
また、漏れ検出管P4は、大漏れ検知用の検出プローブ17を介してセンシング系40に接続されている。ガス排出管P5は、開閉バルブ18および消音フィルター19を介して外部に連通しており、開閉バルブ18を開けることにより、フード11内のガスを消音フィルター19に通し、圧力を低下させて大気中に放出する。そして、ヘリウムガス供給管P6は、ヘリウムガス封入系30に接続され、ヘリウムガス封入系30から送られるヘリウムガスをワーク12内に供給する。このワーク12とヘリウムガス供給管P6とは着脱可能になっており、ワーク12をフード11内から取り出す際には、ワーク12はヘリウムガス供給管P6から取り外される。
【0028】
窒素ガス発生系20は、エア供給装置15から送られるエアからヘリウムガスを分離除去させて、残りの窒素ガスや酸素ガスからなるガス(以下、窒素ガスと記す。)をフード11に送る配管系統で、本発明のトレースガス分離器であるヘリウムガス分離器50を備えている。このヘリウムガス分離器50は、図2に示すように構成されており、金属製の密閉円筒状の容器51の一端に、エア供給装置15から送られるエアを取り込むエア取込口52が設けられ、容器51の他端に、エアからヘリウムガスを分離除去した窒素ガスを排出する窒素ガス排出口53が設けられている。そして、容器51の周面部には、エアから分離したヘリウムガスを排出するヘリウムガス排出口54が設けられている。
【0029】
エア取込口52は、エア供給管P1から分岐したエア供給管P7に連通し、窒素ガス排出口53およびヘリウムガス排出口54は、それぞれ後述する窒素ガス配送管P7aおよびヘリウムガス排出管P7bに連通している。そして、容器51の内部における両側に、複数の孔を有する仕切板55,56が所定間隔を保って取り付けられ、仕切板55,56のそれぞれ対応する孔にポリイミドからなるパイプ状の中空糸膜57の端部が取り付けられている。
【0030】
この中空糸膜57には、図3に示すような、微細孔58が複数形成されており、エアを圧縮して、中空糸膜57内に送り込むと、成分粒子GHが小さいヘリウムガスは、微細孔58を通過して中空糸膜57の外部に進み、容器51内からヘリウムガス排出口54に進む。また、成分粒子GNが大きい窒素ガスは、中空糸膜57内を通過して窒素ガス排出口53に進む。この場合、容器51の内部における両端は、中空糸膜57によってのみ連通しており、その他の部分は仕切板55,56によって閉塞されている。
【0031】
したがって、エア取込口52から容器51内に入ったエアは、中空糸膜57内を通過して、窒素ガス排出口53に進むか、中空糸膜57の微細孔58を通過してヘリウムガス排出口54に進む。そして、窒素ガス排出口53に進んだ窒素ガスは、窒素ガス配送管P7aおよび窒素ガス供給管P2を介してフード11に送られ、ヘリウムガス排出口54に進んだヘリウムガスは、ヘリウムガス排出管P7bを介して外部に放出される。また、このヘリウムガス分離器50とエア供給装置15との間には、圧力調整器21、閉止バルブ22およびフィルター23が設けられている。
【0032】
したがって、エア供給装置15から送り出されるエアは、圧力調整器21の調節によって圧力をコントロールされ、圧力が圧力調整器21の設定値になったときに、閉止バルブ22の開成によってフィルター23に送られる。そして、フィルター23でろ過されて埃等の不純物を除去されたのちにヘリウムガス分離器50に供給される。また、窒素ガス配送管P7aにおけるヘリウムガス分離器50の下流側には、窒素ガスの出口量を調節するための絞り調整機24が設けられている。したがって、ヘリウムガス分離器50から送り出される窒素ガスは、絞り調整機24によって、流量を調節されながら、密閉容器攪拌系10に送られる。
【0033】
ヘリウムガス封入系30は、ヘリウムガス供給装置31を備えており、このヘリウムガス供給装置31からヘリウムガス供給管P6を介してワーク12内にヘリウムガスを供給する。また、このヘリウムガス封入系30は、ワーク12内を減圧するための減圧装置(図示せず)も備えており、ワーク12内を減圧したのちに、ヘリウムガスを供給できるようになっている。
【0034】
センシング系40は、検査ガス取出管P3を介してフード11から送られる検査ガスを窒素ガスとヘリウムガスとに分離して、ヘリウムガスの有無や量を検出する配管系統で、ヘリウムガス分離器50と同一構造のヘリウムガス分離器41を備えている。また、検査ガス取出管P3におけるフード11とヘリウムガス分離器41との間には、ポンプ42、切換バルブ43、バッファタンク44および閉止バルブ45が設けられている。
【0035】
ポンプ42は作動することによりフード11内の検査ガスを吸引してバッファタンク44に供給するとともに、バッファタンク44内を昇圧させる。切換バルブ43は、ポンプ42から送られる検査ガスの供給先を切り換え可能になっており、検査ガスをバッファタンク44に供給するか、または、排気管P3aを介してダクト(図示せず)から外部の大気中に放出する。この切換バルブ43は、漏れ検査中はポンプ42とバッファタンク44を連通させ、検査ガスを外部に放出するときに、ポンプ42と排気管P3aとを連通させる。
【0036】
バッファタンク44は、切換バルブ43を介してポンプ42から送られる検査ガスを昇圧状態で一時的に貯蔵する。また、閉止バルブ45は、バッファタンク44内の圧力が所定値を超えた場合に開くように設定されており、バッファタンク44内の圧力をフード11内の圧力よりも高圧に維持する。このため、ポンプ42の作動によって、フード11からバッファタンク44に供給された検査ガスは、バッファタンク44内が所定の高圧になったときに、閉止バルブ45の作動によって、一気にヘリウムガス分離器41に送られる。
【0037】
ヘリウムガス分離器41で分離されたヘリウムガスは、検査用ガス配送管P8を介して、ヘリウムガス検出器46に送られる。また、検査用ガス配送管P8には、切換バルブ47、検出プローブ48および切換バルブ49が設けられており、ヘリウムガス分離器41と切換バルブ47との間からは、チェックバルブ61を備えた排気管P8aが分岐してダクト(図示せず)を介して外部に延びている。
【0038】
切換バルブ47は、切り換えられることによってヘリウムガス分離器41から送られるヘリウムガスを検出プローブ48に移動させたり、ヘリウムガス分離器41から検出プローブ48へのヘリウムガスの供給を停止させたりする。この場合、ヘリウムガス分離器41と切換バルブ47との間の圧力が所定値を超えると、チェックバルブ61が開いて、ヘリウムガスを排気管P8aから外部に放出する。これによって、ヘリウムガス分離器41の下流側が上流側よりも高圧になることが防止される。
【0039】
切換バルブ49には、検査用ガス配送管P8の外、フード11に接続された漏れ検出管P4も接続されており、切換バルブ49を切り換えることにより、検出プローブ17または検出プローブ48をヘリウム検出器46に連通できる。したがって、切換バルブ49を切り換えることによって、検出プローブ17とヘリウム検出器46を連通させると、検出プローブ17を通過するフード11の検査ガス中のヘリウムガスをヘリウム検出器46が検出する。また、検出プローブ48とヘリウム検出器46を連通させると、検出プローブ48を通過するヘリウムガスをヘリウム検出器46が検出する。
【0040】
検出プローブ17,48は、同一のもので構成されているが、検出するガスが、検出プローブ17では窒素ガスが主体の検査ガスであるのに対し、検出プローブ48では濃度の高いヘリウムガスである。このため、検出プローブ17は、ワーク12の大漏れ検出用として用いられ、検出プローブ48は、高精度の検査用に用いられる。
【0041】
また、ヘリウムガス分離器41で分離された窒素ガスは、窒素ガス配送管P9および切換バルブ62を介して、絞り調整機63に送られるか、または、外部に放出される。すなわち、切換バルブ62の入口は窒素ガス配送管P9に接続され、切換バルブ62の出口は切り換え可能な状態で窒素排出管P9a,P9bに接続されている。そして、閉止バルブ45が開いて、バッファタンク44からヘリウムガス分離器41に検査ガスが送られるときには、切換バルブ62は窒素排出管P9a側に切り換えられ、窒素ガスを外部に排出するときには、切換バルブ62は窒素排出管P9b側に切り換えられる。絞り調整機63は、切換バルブ62を介して送られてくる窒素ガスの流量を調節して外部に放出する。
【0042】
また、検査ガス取出管P3における切換バルブ43とバッファタンク44との間の部分は、接続管P2−3を介して窒素ガス供給管P2に接続されており、接続管P2−3には、開閉バルブ64が設けられている。したがって、開閉バルブ64を開くことにより、窒素発生系20のバッファタンク25から窒素ガス供給管P2を介して送られる窒素ガスをバッファタンク44およびその下流側に供給することができる。
【0043】
つぎに、上記のように構成された漏れ検査装置Aを用いて、ワーク12の漏れ検査を行う場合について説明する。まず、ワーク12をフード11の開口部から入れ、ヘリウム供給系30に連結されたパイプに接続して、開口部を密閉状態にする。そして、予め、開閉バルブ14を閉じ、開閉バルブ16,64を開けた状態で、エア供給装置15からエア供給管P7にエアを送り込む。この場合、エアの供給により、エア供給管P7内の圧力が圧力調節器21の設定値に達したときに閉止バルブ22が開いて、エアはフィルター23に送られ、フィルター23でごみや異物を除去されたのちに、ヘリウムガス分離器50に送られる。
【0044】
ヘリウムガス分離器50を通過することによりエアから分離したヘリウムガスは、ヘリウムガス排出管P7bを通過して外部に放出され、残りの窒素ガスは、絞り調整器24で流量を調整されながら、窒素ガスは、フード11内およびセンシング系40の各装置に供給される。
【0045】
この場合、当初、所定のバルブ等を開いて、元々フード11等の内部にあった空気を窒素ガスの供給によって外部に押し出し、空気を十分に放出したのち、所定のバルブ等を閉じておく。これによって、フード11およびセンシング系40内は、空気が窒素ガスに置換されて減少し、残った空気中に含まれるヘリウムガスの含有量である基準値が大幅に下がる。
【0046】
つぎに、開閉バルブ64を閉じ、ワーク12内を減圧して真空に近い状態にしたのちに、ヘリウムガス供給装置31からワーク12内にヘリウムガスを封入する。なお、ワーク12が強度の小さなものであれば、この減圧処理は行わない。ついで、ファン13を作動させてフード11内の検査ガスを攪拌する。これによって、フード11内の検査ガスは、ワーク12に漏れが有る場合には、窒素ガスとヘリウムガス供給装置31から送られてきたヘリウムガスとが混合された均一状態の検査ガスとなり、ワーク12に漏れが無い場合には、元々空気中に含まれていた微量のヘリウムガスを含む均一状態の検査ガスとなる。このとき、閉止バルブ45を閉じて、開閉バルブ64を開き、フード11内の検査ガスを循環させることにより、攪拌を促進させることができる。
【0047】
つぎに、切換バルブ49を、検出プローブ17側に切り換えて、検出プローブ17を通過する検査ガスを、ヘリウムガス検出器46で検出する。この場合、ワーク12に大きな漏れがあるか否かが判定され、ヘリウムガス検出器46が基準値以上のヘリウムガスを検出すれば、ワーク12に漏れがあると判定し、ヘリウムガス検出器46がヘリウムガスを検出しないか、または検出したヘリウムガスの量が基準値以下であればワーク12に漏れは無いと判定する。ワーク12に漏れがあれば、このワーク12の漏れ検査は終了する。そして、次のワーク12を使用して、前述した操作を行う。
【0048】
ワーク12に漏れがない(検出プローブ17を通過する検査ガスでは検出不可)と判定した場合には、切換バルブ49を、検出プローブ48側に切り換えて、開閉バルブ64を閉じてポンプ42を作動させることにより、フード11内の検査ガスをバッファタンク44に供給する。バッファタンク44内に供給された検査ガスは徐々に昇圧されていき、バッファタンク44内の圧力が所定値に達すると、開閉バルブ45が開き、バッファタンク44内の検査ガスは、一気にヘリウムガス分離器41に送られる。
【0049】
この間、フード11内には、バッファタンク25から窒素ガスが順次供給されて、フード11内は大気圧に保持される。これによって、フード11内が負圧になって、ワーク12が破損することを防止される。例えば、ワーク12が、ガソリンタンクのように薄肉の容器である場合などにこの効果が大きい。
【0050】
ヘリウムガス分離器41では、検査ガス中に含まれるヘリウムガスが分離され、検出プローブ48に送られる。この場合、切換バルブ47は、ヘリウムガス分離器41と検出プローブ48とを連通させた状態にしておく。これによって、検出プローブ48を通過したヘリウムガスは、ヘリウムガス検出器46によって検出され、検出値が基準値以上であれば、ワーク12に漏れがあり、検出値が基準値以下であれば、ワーク12に漏れはないと判定する。
【0051】
漏れの有無の判定が終わると、開閉バルブ16を閉じてバッファタンク25からの窒素ガスの供給を停止するとともに、開閉バルブ14を開けて、エア供給装置15からエアをフード11内およびセンシング系40の各装置に送り、エア掃気する。そして、ワーク12内のヘリウムガスをヘリウムガス供給装置31に戻したのちに、エアを流入させワーク12をフード11内から取り出して漏れ検査が終了する。
【0052】
以上のように、本実施形態による漏れ検査装置Aでは、窒素ガス発生系20にヘリウムガス分離器50を設けて、エアからヘリウムガスを分離除去した濃度の高い窒素ガスを基準ガスとしてフード11に供給するようになっている。このため、フード11内におけるヘリウムガスのバックグラウンド値が下がりより精度のよい検査が行える。また、ワーク12に大きな漏れがある場合には、検出プローブ17を用いた簡単な検査だけで済むため、効率のよい検査が可能になる。
【0053】
さらに、ヘリウムガス分離器41を設けて、フード11から取り出した検査ガスから窒素ガスを分離除去したのちの残りのヘリウムガスをヘリウムガス検出器46で検出するため、さらに精度のよい検査が行える。また、ヘリウムガス分離器41,50に中空糸膜57を使用しているため、装置が安価につきそのメンテナンスも容易になる。また、窒素ガスを大気中のエアから作るため、貯蔵用のボンベ等が不要になり、装置の簡略化が図れるとともに、窒素ガスを安価に得ることができる。
【0054】
図4は、本発明の他の実施形態による漏れ検査装置Bを示している。この漏れ検査装置Bでは、漏れ検査装置Aにおける窒素ガス発生系20に代えて、窒素ガス発生系70が設けられている。この窒素ガス発生系70は、窒素ガス排出管P9bに連通したバッファタンク71とチェックバルブ72とを備えており、チェックバルブ72は、窒素ガス供給管P2に連通している。そして、漏れ検査装置Aにおけるエア供給管P7、窒素ガス配送管P7aおよびヘリウムガス排出管P7bは設けられていない。この漏れ検査装置Bにおけるそれ以外の部分の構成については、漏れ検査装置Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記している。
【0055】
このように構成したことにより、ヘリウムガス分離器41で分離除去される窒素ガスを繰り返し使用することができ、窒素ガスの無駄が無くなるとともに、ヘリウムガス分離器41が1個で済むため装置の簡略化が図れる。また、この場合、漏れ検査を行わない夜間等に、窒素ガスを製造してバッファタンク71に貯蔵しておくこともできる。これによって、効率のよい操業が行える。この漏れ検査装置Bのそれ以外の作用効果については、漏れ検査装置Aと同一である。
【0056】
また、本発明に係る各実施形態は、適宜変更実施が可能である。例えば、ヘリウムガス分離器41,50の内部にパイプ状の中空糸膜57を設けているが、透過分離材としては中空糸膜57に限らず、平面からなる膜状のものや、微細孔を有するブロック状のもの等、ヘリウムガスと窒素ガスを分離できるものであればどのような材料を用いてもよい。また、この材料は、ポリイミドに限るものでなく、トレースガスと基準ガスの種類に応じて、適切な素材のものを用いるようにすればよい。
【0057】
また、トレースガスとしては、ヘリウムガスに代えて、水蒸気、水素ガス、硫化水素ガス、二酸化炭素ガス等を用いることができ、基準ガスとしては、窒素ガスに代えて、アルゴンガス、一酸化炭素ガス、メタンガス等を用いることができる。このような場合には、前述した透過分離材の材料として、トレースガスと基準ガスに応じたものを適宜選択して使用する。また、それぞれの使用するガスに応じた検出器を用いる。また、漏れ検査装置Bにおいて、エア供給装置15と、検査ガス取出管P3におけるバッファタンク54の上流部分を連通する配管を設けることもできる。これによると、エア供給装置15から、フード11内だけでなく、直接センシング系40の各装置にエアを供給できるようになる。
【0058】
さらに、前述した実施形態では、ヘリウムガス分離器41の上流に、バッファタンク44を設けて、加圧する構成にしているが、これに代えて、ヘリウムガス分離器41の下流に、減圧装置(例えば、真空ポンプ)を設けてもよいし、バッファタンク44と減圧装置の双方を設けてもよい。また、窒素ガス供給管P2と、漏れ検出管P4とを連通する配管を設けるとともに、その配管にバルブを設け、漏れ検出管P4内に窒素ガスの供給ができるようにすることもできる。これによると、窒素ガスによる漏れ検出管P4内の浄化が可能になる。
【0059】
また、本実施形態では、ヘリウム分離機41で検査ガスからヘリウムガスを分離するようにしたが、検査ガスから直接ヘリウムガスを検査器が検知するようにしてもよい。さらに、ヘリウム分離機を利用する場合には、窒素分離器と共用するようにしてもよい。さらに、本願の実施形態では、トレースガス供給系として、ヘリウムガスを供給し、基準ガス供給系として、窒素ガスを供給するようにし、いずれも1種類のガスを供給するようにしたが、漏れ検査に支障がない範囲で、トレードガス供給系と基準ガス供給系のどちらか、または、両方が、複数種類の混合ガスを供給するようにしてもよい。また、本願の実施形態では、密閉容器攪拌系から検査ガスを取り出して、漏れ検査を行うようにしたが、密閉容器攪拌系内に漏れ検査装置を配設して、その漏れ検査装置で検査を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る漏れ検査装置を示す配管図である。
【図2】ヘリウムガス分離器を示す一部切欠き断面図である。
【図3】中空糸膜を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る漏れ検査装置を示す配管図である。
【符号の説明】
10…密閉容器攪拌系、11…フード、12…ワーク、15…エア供給装置、17,48…検出プローブ、20,70…窒素ガス発生系、30…ヘリウムガス封入系、31…ヘリウムガス供給装置、40…センシング系、41,50…ヘリウムガス分離器、57…中空糸膜、58…微細孔、46…ヘリウムガス検出器、A,B…漏れ検査装置。

Claims (10)

  1. 開閉可能な開口部を有し、開時に前記開口部から検査物であるワークを入れ、閉時に前記開口部を密閉状態とし前記ワークの漏れ検査を行うフードと、
    前記フード内で前記ワークからの漏れを検出するために、トレースガスを、前記フードのワークの外周部および前記ワークの内部のいずれか一方に供給するトレースガス供給手段と、
    前記ワーク内と前記フード内のワーク外周部との差圧を減らすために、前記トレースガスを含まない基準ガスを、前記フード内のワークの外周部および前記ワークの内部のいずれかの他方に供給するための基準ガス供給手段と、
    前記フード内で前記一方側から前記他方側へ、前記ワークを介して漏れたトレースガスを検出することで、漏れを検出する漏れ検出手段と、
    前記トレースガスと基準ガスを含む気体から、透過分離材を利用して、トレースガスと基準ガスを分離するガス分離手段とを備え、
    前記ガス分離手段でトレースガスを分離除去した基準ガスを前記基準ガス供給手段に供給することを特徴とする漏れ検査装置。
  2. 前記ガス分離手段で分離除去されたトレースガスを、前記トレースガス供給手段に供給するための分離トレードガス供給手段を備えた請求項1に記載の漏れ検査装置。
  3. 前記フード内における基準ガスが供給される部分と、前記漏れ検出手段とが配管経路で接続されており、前記基準ガス供給手段から供給される基準ガスが、前記配管経路の浄化に用いられる請求項1または2に記載の漏れ検査装置。
  4. 前記トレースガスをヘリウムガスとし、前記基準ガスを、空気からヘリウムガスを分離除去したガスとした請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の漏れ検査装置。
  5. 前記基準ガス供給手段が、前記フード内における前記ワークの内部と外部との圧力差が大きくならないように基準ガスを供給する請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の漏れ検査装置。
  6. フード内にワークを入れ、前記フードを密閉する密閉ステップと、
    トレースガスを外部に供給するトレースガス供給手段によって、前記フード内のワークの外周部および前記ワークの内部のいずれか一方にトレースガスを供給する第1ガス供給ステップと、
    前記基準ガスを外部に供給する基準ガス供給手段によって、前記フード内のワークの外周部および前記ワークの内部のいずれかの他方に、前記トレースガスを含まない基準ガスを供給する第2ガス供給ステップと、
    前記一方側から前記他方側に前記ワークを介して漏れ出たトレースガスを検出する検出ステップと、
    前記トレースガスを含む基準ガスを、透過分離材を利用して、トレースガスを分離するガス分離ステップとを有し、
    前記トレースガスを分離除去された基準ガスを前記基準ガス供給手段に供給することを特徴とする漏れ検査方法。
  7. 前記ガス分離ステップで分離されたトレースガスを、前記ワークを収容したフード内における前記ワークの内部および外部のうちの一方に供給する分離トレースガス供給ステップを備えた請求項6に記載の漏れ検査方法。
  8. 前記フード内における基準ガスが供給される部分と、前記トレードガス検出手段とが配管経路で接続されており、前記基準ガスで、前記配管経路の浄化を行う配管経路浄化ステップを備えた請求項6または7に記載の漏れ検査方法。
  9. 前記トレースガスをヘリウムガスとし、前記基準ガスを、空気からヘリウムガスを分離除去したガスとした請求項6ないし8のうちのいずれか一つに記載の漏れ検査方法。
  10. 前記基準ガス供給ステップまたは前記分離基準ガス供給ステップにおいて、供給される基準ガスが、前記フード内におけるワークの内部と外部との圧力差を小さくするために供給される請求項6ないし9のうちのいずれか一つに記載の漏れ検査方法。
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JP2009186238A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Chugoku Electric Power Co Inc:The 空気配管の漏気箇所判定方法
CN107560804A (zh) * 2017-09-05 2018-01-09 上海肇民动力科技有限公司 一种单向阀气密检测系统及方法
KR101949077B1 (ko) * 2018-02-01 2019-02-15 박지은 가스 쿨러의 튜브 시트 결합부 누설시험방법

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