JP2004150745A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッダパイプとチューブとの組み付け性が良く、且つ、チューブ挿入孔の加工により発生するバリを容易に除去できる。
【解決手段】内部に流体流通孔17を有するヘッダパイプ4を備え、このヘッダパイプ4に外面に開口し、且つ、流体流通孔17に達するチューブ挿入孔18を設け、このチューブ挿入孔18内にチューブ2の端部を挿入した状態でチューブ2とヘッダパイプ4とを固定する熱交換器1において、ヘッダパイプ4を、互いの分割面14a、15a同士を組み付けた複数のヘッダ分割部材14、15によって構成し、この各ヘッダ分割部材14、15には組み付け状態でチューブ挿入孔18を構成するチューブ挿入部分孔18a.18bをそれぞれ形成した。
【選択図】 図2
【解決手段】内部に流体流通孔17を有するヘッダパイプ4を備え、このヘッダパイプ4に外面に開口し、且つ、流体流通孔17に達するチューブ挿入孔18を設け、このチューブ挿入孔18内にチューブ2の端部を挿入した状態でチューブ2とヘッダパイプ4とを固定する熱交換器1において、ヘッダパイプ4を、互いの分割面14a、15a同士を組み付けた複数のヘッダ分割部材14、15によって構成し、この各ヘッダ分割部材14、15には組み付け状態でチューブ挿入孔18を構成するチューブ挿入部分孔18a.18bをそれぞれ形成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のチューブとこの各端部に連結されるヘッダパイプとを備えた熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の熱交換器としては、図8〜図10に示すような特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
この熱交換器50は、図8に示すように、間隔を置いて配置された複数のチューブ51と、このチューブ51間に配置された複数の波形フィン52と、複数のチューブ51の両端に固定された一対のヘッダパイプ53と、この一対のヘッダパイプ53の一端にそれぞれ固定された入口マニホルド54及び出口マニホルド55と、各ヘッダパイプ53の他端側を塞ぐ2つの閉塞キャップ56とを備えている。入口マニホルド54から流入する第1流体が一対のヘッダパイプ53及び複数のチューブ51内を所定経路に沿って流通し、主にチューブ51内を通過する部分で第1流体とチューブ51外を通過する第2流体との間で効率的な熱交換を行うものである。
【0004】
上記熱交換器50では、図9及び図10に示すように、各ヘッダパイプ53には外側面53aに開口し、且つ、内部の4本の流体流通孔57に達するチューブ挿入孔58を適所に形成し、この各チューブ挿入孔58にチューブ51の端部を挿入し、この状態でロー付け等することによってチューブ51とヘッダパイプ53を固定する。
【0005】
【特許文献1】
特表2001−525051号公報、第1頁、図2
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すように、各ヘッダパイプ53のチューブ挿入孔58は、チューブ51の端部の先端面51a(図8に示す)と同一面積に形成される。従って、同一面積のチューブ挿入孔58に対してチューブ51の端部を挿入しなければならないため、ヘッダパイプ53とチューブ51との組み付け作業が非常に面倒である。
【0007】
また、各ヘッダパイプ53のチューブ挿入孔58は、外側面53aの一面に開口するだけであるため、チューブ挿入孔58の加工時に発生するバリ除去作業を一方向からしか行うことができず面倒である。
【0008】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、ヘッダパイプとチューブとの組み付け性が良く、且つ、チューブ挿入孔の加工により発生するバリを容易に除去できる熱交換器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内部に流体流通孔を有するヘッダパイプを備え、このヘッダパイプに外側面に開口し、且つ、前記流体流通孔に達するチューブ挿入孔を設け、このチューブ挿入孔内にチューブの端部を挿入した状態で前記チューブと前記ヘッダパイプとを固定する熱交換器において、前記ヘッダパイプを、互いの分割面同士を組み付けた複数のヘッダ分割部材によって構成し、この各ヘッダ分割部材には組み付け状態で前記チューブ挿入孔を構成するチューブ挿入部分孔をそれぞれ形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の熱交換器であって、前記各ヘッダパイプ分割部材は、組み付け前の単独状態にあって少なくとも1以上の前記流体流通孔を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の熱交換器であって、隣り合う前記ヘッダ分割部材は、結合板を介在して組み付けられ、この結合板と前記チューブとの少なくともいずれか一方には嵌め込み用の嵌合溝を形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3記載の熱交換器であって、前記結合板は、芯材の表面にろう材が設けられたクラッド材にて形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、各ヘッダ分割部材のチューブ挿入部分孔は、チューブが配置される外側面と分割面の2面に開口し、チューブを分割面側からも挿入できると共に分割面側からチューブ挿入部分孔に挿入したチューブの端部を目視できるため、チューブの組付け性がよい。また、各ヘッダ分割部材のチューブ挿入部分孔が外側面と分割面の2面に開口するため、チューブ挿入部分孔の加工により発生するバリを容易に除去できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、各ヘッダ分割部材自体が強度的に強い構造になるため、これらを組み付けて構成されるヘッダパイプの強度向上になる。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、結合板とチューブとの間も連結されるため、耐圧強度が向上する。
【0016】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、結合板とチューブとの間のロー付け作業を容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱交換器の詳細を図面に示す各実施の形態に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の厚みや比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示している。なお、図1は熱交換器1の斜視図、図2(a)は熱交換器1の要部拡大斜視図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図、図3はヘッダパイプ4とチューブ2の組み付け部分の要部分解斜視図、図4はヘッダ分割部材14、15の斜視図である。
【0019】
熱交換器1は、図1に示すように、間隔を置いて並設された複数のチューブ2と、この隣接するチューブ2間にそれぞれ配置された複数の波形フィン3と、複数のチューブ2の両端に固定された一対のヘッダパイプ4と、この一対のヘッダパイプ4の一端にそれぞれ固定された入口マニホルド(図示せず)及び出口マニホルド(図示せず)と、各ヘッダパイプ4の他端側を塞ぐ2つの閉塞キャップ5(図2(a)に示す)とを備えている。入口マニホルド(図示せず)より流入される第1流体は、一対のヘッダパイプ4及び複数のチューブ2の下記する各流体流通孔10、17を所定経路に沿って流れた後に出口マニホルド(図示せず)より流出される。
【0020】
各チューブ2は、図3に詳しく示すように、アルミニューム材で、且つ、偏平板形状を有し、その幅方向の両端の外側が円弧面2bに形成されている。各チューブ2は、内部に平行に配置された多数の流体流通孔10を有し、各流体流通孔10はチューブ2の両端の先端面2aに開口している。チューブ2の両側の端部には、その幅方向の中間位置に切り込み状の嵌合溝11が形成されている。
【0021】
波形フィン3は、アルミニューム材にて波形状に形成され、隣接されたチューブ2にロー付けなどによって固定されている。
【0022】
各ヘッダパイプ4は、図2(a)、(b)及び図3に詳しく示すように、左右2本のヘッダ分割部材14、15と、このヘッダ分割部材14、15の間に介在された結合板16とから構成されている。各ヘッダ分割部材14、15と結合板16との間は、ロー付けによって固定されている。
【0023】
各ヘッダ分割部材14、15は、アルミニューム材で、且つ、内部に単一の流体流通孔17をそれぞれ有し、互いの分割面14a、15aが結合部材16に密着されている。ヘッダパイプ4は、2本のヘッダ分割部材14、15を組み付けることによって内部に2本の流体流通孔17が形成される。
【0024】
各ヘッダ分割部材14、15の長手方向の等間隔位置には、組み付け状態でチューブ挿入孔18を構成するチューブ挿入部分孔18a、18bがそれぞれ形成されており、この各チューブ挿入部分孔18a、18bは外側面14b、15bに開口し、且つ、内部の流体流通孔17に達している。チューブ挿入部分孔18a、18bは、図4に詳しく示すように、外側面14b、15bと分割面14a、15aとの両方に開口している。
【0025】
結合板16は、アルミニューム材を芯材としその表面にろう材が設けられたクラッド材にて形成され、2本のヘッダ分割部材14、15の間に介在され、その下部側が下方に突出している。この下方に突出した部分がチューブ2の嵌合溝11に嵌まり込み、チューブ2と結合板16との間がロー付けによって固定されている。なお、クラッド材としては、例えば芯材としてアルミニウムの3000系合金である3003の両側に、例えばAl−7.5Siでなる4343合金や4002合金などのろう材を設けたものを用いることができる。
【0026】
上記した熱交換器1によれば、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bは、チューブ2が配置される外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口し、チューブ2を外側面14b、15b及び分割面14a、15aの両側から挿入でき、組み付け方向の選択肢が増すと共に、分割面14a、15a側からチューブ挿入部分孔18a、18bに挿入したチューブ2の端部を目視できるため、チューブ2の組付け性がよい。また、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bが外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口するため、チューブ挿入部分孔18a、18bの加工により発生するバリを容易に除去できる。
【0027】
チューブ2の幅方向の両端が円弧面2bを有するので、チューブ2をヘッダ分割部材14、15の分割面14a、15a側から挿入する場合にはスムーズに挿入できる。
【0028】
第1の実施の形態では、各ヘッダ分割部材14、15は、組み付け前の単独状態にあって1本の流体流通孔17を有する。従って、各ヘッダ分割部材14、15自体が強度的に強い構造になるため、これらを組み付けて構成されるヘッダパイプ4の強度向上になる。尚、各ヘッダ分割部材14、15は組み付け前の単独状態にあって2本以上の流体流通孔17を有するものであってもよい。
【0029】
第1の実施の形態では、2本のヘッダ分割部材14、15は、結合板16を介在して組み付けされ、チューブ2には嵌め込み用の嵌合溝11が形成されている。従って、結合板16とチューブ2との間も連結されるため、耐圧強度が向上する。つまり、従来例ではヘッダパイプ4とチューブ2間のみの連結であったが、第1の実施の形態ではこの連結部分に加えて結合板16とチューブ2との間の連結部分が付加されるため、その分だけ耐圧強度が向上する。
【0030】
第1の実施の形態では、結合板16は、クラッド材にて形成したので、結合板16とチューブ2との間のロー付け作業を容易にできる。
【0031】
(第1の実施の形態の変形例)
図5は第1の実施の形態の変形例を示し、ヘッダパイプ4とチューブ2の組み付け部分の要部分解斜視図である。図5に示すように、この変形例ではチューブ2の端部ではなく結合板16の下部に嵌合溝11が設けられて、結合溝11にチューブ2の端部が嵌まり込んだ状態でチューブ2と結合板16とが結合されている。他の構成は、第1の実施の形態と同様であり、図面の同一構成箇所には第1の実施の形態の同一符号を付してその説明を省略する。
【0032】
この変形例によっても、結合板16とチューブ2との間を強固に連結できるため、耐圧強度が向上する。結合板16とチューブ2の双方に嵌合溝11を形成しても同様な効果が得られる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図6及び図7は本発明の第2の実施の形態を示している。なお、図6(a)は熱交換器1の要部拡大斜視図、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図、図7はヘッダパイプ4とチューブ2の組み付け部分の要部分解斜視図である。
【0034】
図6及び図7に示すように、この第2の実施の形態では、ヘッダパイプ4は、互いの分割面14a、15a同士を直接に組み付けした左右2本のヘッダ分割部材14、15のみから構成され、第1の実施の形態のようなヘッダ分割部材14、15の間に介在される結合板16が設けられていない。他の構成は、第1の実施の形態と同様であり、図面の同一構成箇所には第1の実施の形態の同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
この第2の実施の形態においても、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bは、チューブ2が配置される外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口し、チューブ2を外側面14b、15b及び分割面14a、15aの両側から挿入でき、組み付け方向の選択肢が増すと共に、分割面14a、15a側からチューブ挿入部分孔18a、18bに挿入したチューブ2の端部を目視できるため、ヘッダパイプ4とチューブ2の組付け性がよい。また、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bが外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口するため、チューブ挿入部分孔18a、18bの加工により発生するバリを容易に除去できる。
【0036】
以上、第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の設計変更が可能である。
【0037】
例えば、上記した実施の形態では、結合板16として芯材の両面にろう材を設けたものを用いたが、ろう材のみでなる結合板としても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す熱交換器の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は熱交換器の要部拡大斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、ヘッダパイプとチューブの組み付け部分の要部分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、ヘッダ分割部材の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例を示し、ヘッダパイプとチューブの組み付け部分の要部分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)は熱交換器の要部拡大斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示し、ヘッダパイプとチューブの組み付け部分の要部分解斜視図である。
【図8】従来例の熱交換器の正面図である。
【図9】図8のC−C線断面図である。
【図10】従来例のヘッダパイプの外側面を示す図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 チューブ
4 ヘッダパイプ
11 嵌合溝
12 チューブ挿入孔
14、15 ヘッダ分割部材
14a、15a 分割面
14b、15b 外側面
16 結合板
17 流体流通孔
18 チューブ挿入孔
18a、18b チューブ挿入部分孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のチューブとこの各端部に連結されるヘッダパイプとを備えた熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の熱交換器としては、図8〜図10に示すような特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
この熱交換器50は、図8に示すように、間隔を置いて配置された複数のチューブ51と、このチューブ51間に配置された複数の波形フィン52と、複数のチューブ51の両端に固定された一対のヘッダパイプ53と、この一対のヘッダパイプ53の一端にそれぞれ固定された入口マニホルド54及び出口マニホルド55と、各ヘッダパイプ53の他端側を塞ぐ2つの閉塞キャップ56とを備えている。入口マニホルド54から流入する第1流体が一対のヘッダパイプ53及び複数のチューブ51内を所定経路に沿って流通し、主にチューブ51内を通過する部分で第1流体とチューブ51外を通過する第2流体との間で効率的な熱交換を行うものである。
【0004】
上記熱交換器50では、図9及び図10に示すように、各ヘッダパイプ53には外側面53aに開口し、且つ、内部の4本の流体流通孔57に達するチューブ挿入孔58を適所に形成し、この各チューブ挿入孔58にチューブ51の端部を挿入し、この状態でロー付け等することによってチューブ51とヘッダパイプ53を固定する。
【0005】
【特許文献1】
特表2001−525051号公報、第1頁、図2
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すように、各ヘッダパイプ53のチューブ挿入孔58は、チューブ51の端部の先端面51a(図8に示す)と同一面積に形成される。従って、同一面積のチューブ挿入孔58に対してチューブ51の端部を挿入しなければならないため、ヘッダパイプ53とチューブ51との組み付け作業が非常に面倒である。
【0007】
また、各ヘッダパイプ53のチューブ挿入孔58は、外側面53aの一面に開口するだけであるため、チューブ挿入孔58の加工時に発生するバリ除去作業を一方向からしか行うことができず面倒である。
【0008】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、ヘッダパイプとチューブとの組み付け性が良く、且つ、チューブ挿入孔の加工により発生するバリを容易に除去できる熱交換器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内部に流体流通孔を有するヘッダパイプを備え、このヘッダパイプに外側面に開口し、且つ、前記流体流通孔に達するチューブ挿入孔を設け、このチューブ挿入孔内にチューブの端部を挿入した状態で前記チューブと前記ヘッダパイプとを固定する熱交換器において、前記ヘッダパイプを、互いの分割面同士を組み付けた複数のヘッダ分割部材によって構成し、この各ヘッダ分割部材には組み付け状態で前記チューブ挿入孔を構成するチューブ挿入部分孔をそれぞれ形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の熱交換器であって、前記各ヘッダパイプ分割部材は、組み付け前の単独状態にあって少なくとも1以上の前記流体流通孔を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の熱交換器であって、隣り合う前記ヘッダ分割部材は、結合板を介在して組み付けられ、この結合板と前記チューブとの少なくともいずれか一方には嵌め込み用の嵌合溝を形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3記載の熱交換器であって、前記結合板は、芯材の表面にろう材が設けられたクラッド材にて形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、各ヘッダ分割部材のチューブ挿入部分孔は、チューブが配置される外側面と分割面の2面に開口し、チューブを分割面側からも挿入できると共に分割面側からチューブ挿入部分孔に挿入したチューブの端部を目視できるため、チューブの組付け性がよい。また、各ヘッダ分割部材のチューブ挿入部分孔が外側面と分割面の2面に開口するため、チューブ挿入部分孔の加工により発生するバリを容易に除去できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、各ヘッダ分割部材自体が強度的に強い構造になるため、これらを組み付けて構成されるヘッダパイプの強度向上になる。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、結合板とチューブとの間も連結されるため、耐圧強度が向上する。
【0016】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、結合板とチューブとの間のロー付け作業を容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱交換器の詳細を図面に示す各実施の形態に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の厚みや比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示している。なお、図1は熱交換器1の斜視図、図2(a)は熱交換器1の要部拡大斜視図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図、図3はヘッダパイプ4とチューブ2の組み付け部分の要部分解斜視図、図4はヘッダ分割部材14、15の斜視図である。
【0019】
熱交換器1は、図1に示すように、間隔を置いて並設された複数のチューブ2と、この隣接するチューブ2間にそれぞれ配置された複数の波形フィン3と、複数のチューブ2の両端に固定された一対のヘッダパイプ4と、この一対のヘッダパイプ4の一端にそれぞれ固定された入口マニホルド(図示せず)及び出口マニホルド(図示せず)と、各ヘッダパイプ4の他端側を塞ぐ2つの閉塞キャップ5(図2(a)に示す)とを備えている。入口マニホルド(図示せず)より流入される第1流体は、一対のヘッダパイプ4及び複数のチューブ2の下記する各流体流通孔10、17を所定経路に沿って流れた後に出口マニホルド(図示せず)より流出される。
【0020】
各チューブ2は、図3に詳しく示すように、アルミニューム材で、且つ、偏平板形状を有し、その幅方向の両端の外側が円弧面2bに形成されている。各チューブ2は、内部に平行に配置された多数の流体流通孔10を有し、各流体流通孔10はチューブ2の両端の先端面2aに開口している。チューブ2の両側の端部には、その幅方向の中間位置に切り込み状の嵌合溝11が形成されている。
【0021】
波形フィン3は、アルミニューム材にて波形状に形成され、隣接されたチューブ2にロー付けなどによって固定されている。
【0022】
各ヘッダパイプ4は、図2(a)、(b)及び図3に詳しく示すように、左右2本のヘッダ分割部材14、15と、このヘッダ分割部材14、15の間に介在された結合板16とから構成されている。各ヘッダ分割部材14、15と結合板16との間は、ロー付けによって固定されている。
【0023】
各ヘッダ分割部材14、15は、アルミニューム材で、且つ、内部に単一の流体流通孔17をそれぞれ有し、互いの分割面14a、15aが結合部材16に密着されている。ヘッダパイプ4は、2本のヘッダ分割部材14、15を組み付けることによって内部に2本の流体流通孔17が形成される。
【0024】
各ヘッダ分割部材14、15の長手方向の等間隔位置には、組み付け状態でチューブ挿入孔18を構成するチューブ挿入部分孔18a、18bがそれぞれ形成されており、この各チューブ挿入部分孔18a、18bは外側面14b、15bに開口し、且つ、内部の流体流通孔17に達している。チューブ挿入部分孔18a、18bは、図4に詳しく示すように、外側面14b、15bと分割面14a、15aとの両方に開口している。
【0025】
結合板16は、アルミニューム材を芯材としその表面にろう材が設けられたクラッド材にて形成され、2本のヘッダ分割部材14、15の間に介在され、その下部側が下方に突出している。この下方に突出した部分がチューブ2の嵌合溝11に嵌まり込み、チューブ2と結合板16との間がロー付けによって固定されている。なお、クラッド材としては、例えば芯材としてアルミニウムの3000系合金である3003の両側に、例えばAl−7.5Siでなる4343合金や4002合金などのろう材を設けたものを用いることができる。
【0026】
上記した熱交換器1によれば、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bは、チューブ2が配置される外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口し、チューブ2を外側面14b、15b及び分割面14a、15aの両側から挿入でき、組み付け方向の選択肢が増すと共に、分割面14a、15a側からチューブ挿入部分孔18a、18bに挿入したチューブ2の端部を目視できるため、チューブ2の組付け性がよい。また、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bが外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口するため、チューブ挿入部分孔18a、18bの加工により発生するバリを容易に除去できる。
【0027】
チューブ2の幅方向の両端が円弧面2bを有するので、チューブ2をヘッダ分割部材14、15の分割面14a、15a側から挿入する場合にはスムーズに挿入できる。
【0028】
第1の実施の形態では、各ヘッダ分割部材14、15は、組み付け前の単独状態にあって1本の流体流通孔17を有する。従って、各ヘッダ分割部材14、15自体が強度的に強い構造になるため、これらを組み付けて構成されるヘッダパイプ4の強度向上になる。尚、各ヘッダ分割部材14、15は組み付け前の単独状態にあって2本以上の流体流通孔17を有するものであってもよい。
【0029】
第1の実施の形態では、2本のヘッダ分割部材14、15は、結合板16を介在して組み付けされ、チューブ2には嵌め込み用の嵌合溝11が形成されている。従って、結合板16とチューブ2との間も連結されるため、耐圧強度が向上する。つまり、従来例ではヘッダパイプ4とチューブ2間のみの連結であったが、第1の実施の形態ではこの連結部分に加えて結合板16とチューブ2との間の連結部分が付加されるため、その分だけ耐圧強度が向上する。
【0030】
第1の実施の形態では、結合板16は、クラッド材にて形成したので、結合板16とチューブ2との間のロー付け作業を容易にできる。
【0031】
(第1の実施の形態の変形例)
図5は第1の実施の形態の変形例を示し、ヘッダパイプ4とチューブ2の組み付け部分の要部分解斜視図である。図5に示すように、この変形例ではチューブ2の端部ではなく結合板16の下部に嵌合溝11が設けられて、結合溝11にチューブ2の端部が嵌まり込んだ状態でチューブ2と結合板16とが結合されている。他の構成は、第1の実施の形態と同様であり、図面の同一構成箇所には第1の実施の形態の同一符号を付してその説明を省略する。
【0032】
この変形例によっても、結合板16とチューブ2との間を強固に連結できるため、耐圧強度が向上する。結合板16とチューブ2の双方に嵌合溝11を形成しても同様な効果が得られる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図6及び図7は本発明の第2の実施の形態を示している。なお、図6(a)は熱交換器1の要部拡大斜視図、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図、図7はヘッダパイプ4とチューブ2の組み付け部分の要部分解斜視図である。
【0034】
図6及び図7に示すように、この第2の実施の形態では、ヘッダパイプ4は、互いの分割面14a、15a同士を直接に組み付けした左右2本のヘッダ分割部材14、15のみから構成され、第1の実施の形態のようなヘッダ分割部材14、15の間に介在される結合板16が設けられていない。他の構成は、第1の実施の形態と同様であり、図面の同一構成箇所には第1の実施の形態の同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
この第2の実施の形態においても、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bは、チューブ2が配置される外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口し、チューブ2を外側面14b、15b及び分割面14a、15aの両側から挿入でき、組み付け方向の選択肢が増すと共に、分割面14a、15a側からチューブ挿入部分孔18a、18bに挿入したチューブ2の端部を目視できるため、ヘッダパイプ4とチューブ2の組付け性がよい。また、各ヘッダ分割部材14、15のチューブ挿入部分孔18a、18bが外側面14b、15bと分割面14a、15aの2面に開口するため、チューブ挿入部分孔18a、18bの加工により発生するバリを容易に除去できる。
【0036】
以上、第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の設計変更が可能である。
【0037】
例えば、上記した実施の形態では、結合板16として芯材の両面にろう材を設けたものを用いたが、ろう材のみでなる結合板としても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す熱交換器の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は熱交換器の要部拡大斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、ヘッダパイプとチューブの組み付け部分の要部分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、ヘッダ分割部材の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例を示し、ヘッダパイプとチューブの組み付け部分の要部分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)は熱交換器の要部拡大斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示し、ヘッダパイプとチューブの組み付け部分の要部分解斜視図である。
【図8】従来例の熱交換器の正面図である。
【図9】図8のC−C線断面図である。
【図10】従来例のヘッダパイプの外側面を示す図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 チューブ
4 ヘッダパイプ
11 嵌合溝
12 チューブ挿入孔
14、15 ヘッダ分割部材
14a、15a 分割面
14b、15b 外側面
16 結合板
17 流体流通孔
18 チューブ挿入孔
18a、18b チューブ挿入部分孔
Claims (4)
- 内部に流体流通孔(17)を有するヘッダパイプ(4)を備え、前記ヘッダパイプ(4)に外側面に開口し、且つ前記流体流通孔(17)に達するチューブ挿入孔(18)を設け、前記チューブ挿入孔(18)内にチューブ(2)の端部を挿入した状態で前記チューブ(2)と前記ヘッダパイプ(4)とが固定された熱交換器(1)において、
前記ヘッダパイプ(4)を、互いの分割面(14a、15a)同士を組み付けた複数のヘッダ分割部材(14、15)によって構成し、これら各ヘッダ分割部材(14、15)には組み付け状態で前記チューブ挿入孔(18)を構成するチューブ挿入部分孔(18a、18b)をそれぞれ形成したことを特徴とする熱交換器(1)。 - 請求項1記載の熱交換器(1)であって、
前記各ヘッダパイプ分割部材(14、15)は、組み付け前の単独状態にあって少なくとも1以上の前記流体流通孔(17)を有することを特徴とする熱交換器(1)。 - 請求項1又は請求項2に記載された熱交換器(1)であって、
隣り合う前記ヘッダ分割部材(14、15)は、結合板(16)を介在して組み付けられ、この結合板(16)と前記チューブ(2)との少なくともいずれか一方には嵌め込み用の嵌合溝(11)を形成したことを特徴とする熱交換器(1)。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された熱交換器(1)であって、
前記結合板(16)は、芯材の表面にろう材が設けられたクラッド材で形成されていることを特徴とする熱交換器(1)。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002318039A JP2004150745A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 熱交換器 |
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ID=32461283
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JP2002318039A Pending JP2004150745A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 熱交換器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100913498B1 (ko) | 2007-05-23 | 2009-08-25 | 한국델파이주식회사 | 3피스 타입 헤더파이프 어셈블리 및 이의 제작방법과 그를이용한 열교환기 |
JP2012233615A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Showa Denko Kk | 熱交換器 |
JP2016535233A (ja) * | 2013-08-29 | 2016-11-10 | リンデ アクチエンゲゼルシャフトLinde Aktiengesellschaft | はんだが被覆された担体によって接続された複数の熱交換器ブロックを備えたプレート式熱交換器の製造方法 |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002318039A patent/JP2004150745A/ja active Pending
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