JP2004150372A - 高速回転機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス圧縮室Cとモータ室Mとのシール機能の調整のための位置調整と組立が容易な高速回転機器を提供する。
【解決手段】軸受保持プレート11には回転軸4が貫通する貫通孔9Fを穿設し、かつ上部転がり軸受5を保持するとともに軸芯方向にスライドできる凹部11Sを形成する。他方、下部転がり軸受6を保持する軸受保持枠1Wには下部転がり軸受6が上下にスライドできる面を形成し、さらにこの下部転がり軸受6と軸受保持枠1Wの下方段部WDとの間には圧縮バネ材14が介在させる。また、ターボ翼8には、その本体の中央部には前記貫通孔9Fに挿入しシール部を形成するテーパ部8Tが穿設されている。したがって前記バネ材14による弾力で、下部転がり軸受6が上方に付勢されると、貫通孔9Fとテーパ部8T殿間隔が調整され、ガス圧縮室Cとモータ室Mとのシールが良好に行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】軸受保持プレート11には回転軸4が貫通する貫通孔9Fを穿設し、かつ上部転がり軸受5を保持するとともに軸芯方向にスライドできる凹部11Sを形成する。他方、下部転がり軸受6を保持する軸受保持枠1Wには下部転がり軸受6が上下にスライドできる面を形成し、さらにこの下部転がり軸受6と軸受保持枠1Wの下方段部WDとの間には圧縮バネ材14が介在させる。また、ターボ翼8には、その本体の中央部には前記貫通孔9Fに挿入しシール部を形成するテーパ部8Tが穿設されている。したがって前記バネ材14による弾力で、下部転がり軸受6が上方に付勢されると、貫通孔9Fとテーパ部8T殿間隔が調整され、ガス圧縮室Cとモータ室Mとのシールが良好に行われる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば気体レーザ発振器装置におけるガス循環用としての電動コンプレッサとしてのブロワ等に適用できる高速回転機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばフロー型二酸化炭素ガスレーザ発振器装置の場合、炭酸ガスと他のガスの混合ガスを流しながら圧縮し、レーザ発振器に供給して共振させるようになっており装置内にガス循環回路が構成されている。その循環回路の構成における一要素のブロワとしてターボ翼を高速で回転させてガスを圧縮しレーザ発振器に供給する高速回転機器が使用されている。
【0003】
この種の高速回転機器は、ハウジング内の上方にターボ翼を回転可能に配設し、下方にこのターボ翼を高速回転駆動させるモータが配設されている(たとえば
【特許文献1】参照)。この高速回転機器の構成は、図4に示すとおりで、ハウジング1の内方でその上方にターボ翼7が回転可能に配設され、同じく下方にはこのターボ翼7を高速回転駆動させるモータ2が配設され、両者が連結されている。このモータ2はハウジング1の側に固設された電極コイル2Kと、この電極コイル2Kに対応して回転軸4に固設された回転子2Mで構成され、電極コイル2Kにはインバータ3から電気エネルギーが供給される。
【0004】
回転軸4は上部転がり軸受5と下部転がり軸受6を介してハウジング1に対し、回転可能に保持されているが、この回転軸4の上方に形成された取付軸4Sにターボ翼7が固設されている。このモータ2および回転軸4を保持する上部転がり軸受5と下部転がり軸受6はモータ室M内に配設されている。
ターボ翼7がモータ2によって高速回転駆動されると、ガスは吸気口1Kから吸入され、圧縮されて排気口1Hより排出される。この吸気口1Kから排気口1Hまでがガス圧縮室Cを形成する。この排気口1Hからのガスは上記したようにガス循環回路(図示せず)を経てレーザ発振器(図示せず)に供給される。
【0005】
ところで、回転軸4には図4に示すとおり、軸芯上に中空孔4Hが形成されているが、この中空孔4Hの下方部は内孔が上方拡がりのテーパ状をなし、これらの部位が潤滑オイルL内に浸漬されている。したがって、中空孔4Hの下方域に侵入している潤滑オイルLは、回転軸4の回転による遠心力の作用を受けて上方に移動し、この作用で中空孔4Hはポンプ機能を発揮する。こうして潤滑オイルLは順次上方へ吸い上げられ射出口4Jや供給孔4Tより外方に放出されてモータ2の冷却や上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なう。潤滑や冷却を終えた潤滑オイルLは再び下方のオイル槽LBに溜められ、循環する。
【0006】
このように潤滑オイルLは、循環して上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なうが、この潤滑によって特にモータ室M内には噴霧状の潤滑オイルLが存在・浮遊することになる。モータ室Mにおける噴霧状の潤滑オイルLの存在は、上部転がり軸受5と下部転がり軸受6等における潤滑を良好にするが、このオイルがガス圧縮室Cに流入するとレーザ発振器(図示せず)に流入し、レーザの発振機能を低下させる。このことからガス圧縮室Cとモータ室Mとは、シール部Sで遮断されるようになっている。すなわち、ハウジング1は上部転がり軸受5の上方位置において回転軸4が非接触で貫通できる範囲の最小径の貫通孔1Aが穿設され、回転軸4と協働してシール部Sが形成されている。通常このシール部Sは数10ミクロン程度の非常に小さい間隙で構成される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−209815号公報(第2−3頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の組立て等においては、上記の貫通孔1Aに対し完全な中央軸芯部に回転軸4を設定することは容易なことではなく、時間と労力を要し、しかもいくらかの偏心を伴いやすい。この偏心量が大きいとガスの漏れ量が増大する。そこでこの偏心を生じないセンタ出し(軸芯ずれが10ミクロン以下)が必要で、製造(組立て)工程中に三次元測定装置等を用いて貫通孔1Aに対する回転軸4の位置を調整するようにしている。また、上記軸芯ずれを10ミクロン以下に抑える場合の測定は、間接的な測定となるが、そのときの測定部材による軸芯ずれ量も考慮する必要がある。したがって、従来では高級の測定計器を必要とし、作業コストの増大を招いていた。また間接的な偏心量測定により、加工精度を更に厳しいものにする必要がある。またシール部Sの間隙がばらつくと、ガス漏れ性能に大きく影響するので、加工等を精度よく行なう必要があった。貫通孔1Aをハウジング1と別の部材で構成する場合、その部品については高精度が要求されていた。
本発明はこのような問題を解決する高速回転機器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の高速回転機器は、上記課題を解決するために、ガス圧縮を行なうターボ翼とこのターボ翼を高速回転駆動するためのモータの回転子とこの両者を連結する垂直に配設した回転軸とこの回転軸を回転自在に保持する上部と下部に設けた転がり軸受と、ターボ翼が配設されたガス圧縮室と転がり軸受および回転駆動用のモータが配設されたモータ室を区画遮断し、かつ回転軸を貫通させるシール孔が穿設されたシールプレートと、前記上部と下部の転がり軸受を保持する固定枠とを備え、前記回転軸の内部には前記転がり軸受へ潤滑用オイルを供給する中空孔が設けられた高速回転機器において、前記シール孔側あるいは回転軸側のいずれか一方に回転軸と同軸のテーパ部面を設け、いずれか他方にテーパ部材を設けるとともに、テーパ面とテーパ部材を回転軸の軸芯方向に相対的に変位可能に構成し、回転軸の軸芯方向への変位によってガス圧縮室とモータ室とを遮断する間隙を調整できるように構成したものである。したがって回転軸と貫通孔との間隙を簡易に調整でき適正なシール部が実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高速回転機器を図1に示す実施例にしたがって説明する。
図1は従来の構成を示す図4と同様、高速回転機器の構成を縦断面して示す図で、ハウジング1の中央部内方に回転軸4が垂設され、この回転軸4の上方にターボ翼8が軸着されている。他方、回転軸4の下方にはモータ2が結合されていて、このモータ2が高速回転駆動されることにより、ターボ翼8がガス圧縮室C内にて高速回転され、吸気口1Kからのガスが圧縮され、排気口1Hより排出される。モータ2は回転子2Mと電極コイル2Kにて構成され、この電極コイル2Kにインバータ3から電気エネルギーが供給される。こららの構成は従来における高速回転機器とかわるところではなく、特に回転軸4内に形成された潤滑油ポンプ機構など図1に示される符号と同一の符号で示される部品については図4と同一であり詳細な説明は省略する。なお、VPはモータ室Mを排気する真空ポンプである。
【0011】
さて本発明による高速回転機器は以上の構成において、モータ室Mとガス圧縮室Cをほぼ遮断するシール部における間隙部の大きさを調整できるように構成したものである。以下、この構成について説明する。
まず、回転軸4を中心とするガス圧縮室Cとモータ室Mとの遮断は、シールプレート9にて行なわれる。このシールプレート9は、その中央部に回転軸4を貫通させる貫通孔9Fが形成されているが、この貫通孔9Fは下方に向けて小径となるテーパ面をなしている。他方、この貫通孔9Fと回転軸4との間隙にはターボ翼8に一体的に形成されたテーパ部8Tが対応すべく挿入ている。
【0012】
すなわちターボ翼8は、その本体の中央部に回転軸4の取付軸4Sが貫通する取付孔が貫通しているが、この取付孔の軸芯方向に沿い下方にテーパ部8Tが穿設されている。このテーパ部8Tに回転軸4の上端部が挿入された状態となっている。
【0013】
ところで、シールプレート9はハウジング1の段部1Dに架設された軸受保持プレート11の上面に載架され、固定ねじ10にて固着されている。また、軸受保持プレート11は固定ねじ12を介してハウジング1の段部1Dに固着され、モータ室Mとガス圧縮室Cを区画している。
【0014】
この軸受保持プレート11の中央部位すなわち回転軸4が貫通する部位において、上部転がり軸受5を保持するための凹部11Sが形成されている。この凹部11Sは上部転がり軸受5が回転軸4の軸芯方向にスライドできるよう一定の長さのスライド面を有している。13は上部転がり軸受5とテーパ部8Tとの間に介在されたスペーサで、潤滑オイルLが上方のガス圧縮室Cに流入するのを防止するフランジ13が付設されている。
【0015】
他方、下部転がり軸受6はハウジング1と一体的に形成された軸受保持枠1Wにて保持されるが、この軸受保持枠1Wも図1に示すとおり、下部転がり軸受6が上下にスライド(変位)できるスライド面を有するよう形成されている。同時にこの下部転がり軸受6と軸受保持枠1Wの下方段部WDとの間にはバネ材14が圧縮状態で介在される。
【0016】
さらに、図2示すように下部転がり軸受6は、回転軸4の段部4Dに係止されて嵌合されており、したがって前記バネ材14による弾力で下部転がり軸受6が上方に付勢されるとき、その付勢力はこの回転軸4の段部4Dを介して回転軸4に伝達され、回転軸4全体が上方に付勢されることになる。
本発明が提供する高速回転機器はこれらの構成に特徴がある。
【0017】
したがって、本発明による高速回転機器を組み立てる際においては、回転軸4を下方に偏位させて組み立てることができ、回転軸4を正規の位置より下方に偏位させて組み立てる。このとき下部転がり軸受6は下方に付勢され、バネ材14が圧縮される。図2はこのときの状態を示す要部拡大図である。このときテーパ部8Tの外周面であるテーパ面と貫通孔9Fの内周面のテーパ面が接する。この圧縮によるバネ材14の弾力を利用して回転軸4の位置を調整できるようにし、テーパ部8Tとシールプレート9の貫通孔9Fとが互いに非接触でのシール機構ができ実現できる。このとき、シールプレート9を固定ねじ10を回してその高さ位置を調節する。そして適正な位置で固定する。こうして組み立てることにより理想的なシール機構が出現される。そしてその後、回転軸4を正規の位置に移動させ、図3の状態とする。こうしてガス圧縮室Cとモータ室Mとのシール機構が形成される。バネ材14の弾力にて回転軸4が常に付勢されるので、シールプレート9の貫通孔9Fとテーパ部8Tが近接対応し、適正なシール部が形成される。このシール部の間隙は均一な程シール性能が向上する。
【0018】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるが、発明の構成は上記あるいは図示例に示される構成に限定されるものではなく、種々の変形例をも包含する。
たとえば図示例の場合、テーパ部8Tをターボ翼8と一体的に形成して設けているが、このテーパ部8Tはターボ翼8と別の部材として構成してもよい。あるいは回転軸4に一体的にテーパ部を凸設形成してもよい。また、このテーパ部8Tのテーパ角度は自在である。ただこの角度は小さい程テーパ部8Tの周囲面積が大きくなり、それだけシール性能は良好となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるから、高速回転機器におけるガス圧縮室とモータ室の良好なシール機能を組立工数の削減を図りつつ実現することができる。しかも組立作業を容易にすることも可能となる。シール部の間隙を調整でき、そのための回転軸の位置決め作業としての治具等が不要となり、これに関連してコストダウンが図れる利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の機能を説明するための要部拡大図である。
【図3】本発明の機能を説明するための要部拡大図である。
【図4】従来における高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1W 軸受保持枠
2 モータ
3 インバータ
4 回転軸
5 上部転がり軸受
6 下部転がり軸受
7、8 ターボ翼
8T テーパ部
9 シールプレート
9F 貫通孔
10、12 固定ねじ
11 軸受保持プレート
14 バネ材
C ガス圧縮室
WD 下方段部
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば気体レーザ発振器装置におけるガス循環用としての電動コンプレッサとしてのブロワ等に適用できる高速回転機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばフロー型二酸化炭素ガスレーザ発振器装置の場合、炭酸ガスと他のガスの混合ガスを流しながら圧縮し、レーザ発振器に供給して共振させるようになっており装置内にガス循環回路が構成されている。その循環回路の構成における一要素のブロワとしてターボ翼を高速で回転させてガスを圧縮しレーザ発振器に供給する高速回転機器が使用されている。
【0003】
この種の高速回転機器は、ハウジング内の上方にターボ翼を回転可能に配設し、下方にこのターボ翼を高速回転駆動させるモータが配設されている(たとえば
【特許文献1】参照)。この高速回転機器の構成は、図4に示すとおりで、ハウジング1の内方でその上方にターボ翼7が回転可能に配設され、同じく下方にはこのターボ翼7を高速回転駆動させるモータ2が配設され、両者が連結されている。このモータ2はハウジング1の側に固設された電極コイル2Kと、この電極コイル2Kに対応して回転軸4に固設された回転子2Mで構成され、電極コイル2Kにはインバータ3から電気エネルギーが供給される。
【0004】
回転軸4は上部転がり軸受5と下部転がり軸受6を介してハウジング1に対し、回転可能に保持されているが、この回転軸4の上方に形成された取付軸4Sにターボ翼7が固設されている。このモータ2および回転軸4を保持する上部転がり軸受5と下部転がり軸受6はモータ室M内に配設されている。
ターボ翼7がモータ2によって高速回転駆動されると、ガスは吸気口1Kから吸入され、圧縮されて排気口1Hより排出される。この吸気口1Kから排気口1Hまでがガス圧縮室Cを形成する。この排気口1Hからのガスは上記したようにガス循環回路(図示せず)を経てレーザ発振器(図示せず)に供給される。
【0005】
ところで、回転軸4には図4に示すとおり、軸芯上に中空孔4Hが形成されているが、この中空孔4Hの下方部は内孔が上方拡がりのテーパ状をなし、これらの部位が潤滑オイルL内に浸漬されている。したがって、中空孔4Hの下方域に侵入している潤滑オイルLは、回転軸4の回転による遠心力の作用を受けて上方に移動し、この作用で中空孔4Hはポンプ機能を発揮する。こうして潤滑オイルLは順次上方へ吸い上げられ射出口4Jや供給孔4Tより外方に放出されてモータ2の冷却や上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なう。潤滑や冷却を終えた潤滑オイルLは再び下方のオイル槽LBに溜められ、循環する。
【0006】
このように潤滑オイルLは、循環して上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なうが、この潤滑によって特にモータ室M内には噴霧状の潤滑オイルLが存在・浮遊することになる。モータ室Mにおける噴霧状の潤滑オイルLの存在は、上部転がり軸受5と下部転がり軸受6等における潤滑を良好にするが、このオイルがガス圧縮室Cに流入するとレーザ発振器(図示せず)に流入し、レーザの発振機能を低下させる。このことからガス圧縮室Cとモータ室Mとは、シール部Sで遮断されるようになっている。すなわち、ハウジング1は上部転がり軸受5の上方位置において回転軸4が非接触で貫通できる範囲の最小径の貫通孔1Aが穿設され、回転軸4と協働してシール部Sが形成されている。通常このシール部Sは数10ミクロン程度の非常に小さい間隙で構成される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−209815号公報(第2−3頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の組立て等においては、上記の貫通孔1Aに対し完全な中央軸芯部に回転軸4を設定することは容易なことではなく、時間と労力を要し、しかもいくらかの偏心を伴いやすい。この偏心量が大きいとガスの漏れ量が増大する。そこでこの偏心を生じないセンタ出し(軸芯ずれが10ミクロン以下)が必要で、製造(組立て)工程中に三次元測定装置等を用いて貫通孔1Aに対する回転軸4の位置を調整するようにしている。また、上記軸芯ずれを10ミクロン以下に抑える場合の測定は、間接的な測定となるが、そのときの測定部材による軸芯ずれ量も考慮する必要がある。したがって、従来では高級の測定計器を必要とし、作業コストの増大を招いていた。また間接的な偏心量測定により、加工精度を更に厳しいものにする必要がある。またシール部Sの間隙がばらつくと、ガス漏れ性能に大きく影響するので、加工等を精度よく行なう必要があった。貫通孔1Aをハウジング1と別の部材で構成する場合、その部品については高精度が要求されていた。
本発明はこのような問題を解決する高速回転機器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の高速回転機器は、上記課題を解決するために、ガス圧縮を行なうターボ翼とこのターボ翼を高速回転駆動するためのモータの回転子とこの両者を連結する垂直に配設した回転軸とこの回転軸を回転自在に保持する上部と下部に設けた転がり軸受と、ターボ翼が配設されたガス圧縮室と転がり軸受および回転駆動用のモータが配設されたモータ室を区画遮断し、かつ回転軸を貫通させるシール孔が穿設されたシールプレートと、前記上部と下部の転がり軸受を保持する固定枠とを備え、前記回転軸の内部には前記転がり軸受へ潤滑用オイルを供給する中空孔が設けられた高速回転機器において、前記シール孔側あるいは回転軸側のいずれか一方に回転軸と同軸のテーパ部面を設け、いずれか他方にテーパ部材を設けるとともに、テーパ面とテーパ部材を回転軸の軸芯方向に相対的に変位可能に構成し、回転軸の軸芯方向への変位によってガス圧縮室とモータ室とを遮断する間隙を調整できるように構成したものである。したがって回転軸と貫通孔との間隙を簡易に調整でき適正なシール部が実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高速回転機器を図1に示す実施例にしたがって説明する。
図1は従来の構成を示す図4と同様、高速回転機器の構成を縦断面して示す図で、ハウジング1の中央部内方に回転軸4が垂設され、この回転軸4の上方にターボ翼8が軸着されている。他方、回転軸4の下方にはモータ2が結合されていて、このモータ2が高速回転駆動されることにより、ターボ翼8がガス圧縮室C内にて高速回転され、吸気口1Kからのガスが圧縮され、排気口1Hより排出される。モータ2は回転子2Mと電極コイル2Kにて構成され、この電極コイル2Kにインバータ3から電気エネルギーが供給される。こららの構成は従来における高速回転機器とかわるところではなく、特に回転軸4内に形成された潤滑油ポンプ機構など図1に示される符号と同一の符号で示される部品については図4と同一であり詳細な説明は省略する。なお、VPはモータ室Mを排気する真空ポンプである。
【0011】
さて本発明による高速回転機器は以上の構成において、モータ室Mとガス圧縮室Cをほぼ遮断するシール部における間隙部の大きさを調整できるように構成したものである。以下、この構成について説明する。
まず、回転軸4を中心とするガス圧縮室Cとモータ室Mとの遮断は、シールプレート9にて行なわれる。このシールプレート9は、その中央部に回転軸4を貫通させる貫通孔9Fが形成されているが、この貫通孔9Fは下方に向けて小径となるテーパ面をなしている。他方、この貫通孔9Fと回転軸4との間隙にはターボ翼8に一体的に形成されたテーパ部8Tが対応すべく挿入ている。
【0012】
すなわちターボ翼8は、その本体の中央部に回転軸4の取付軸4Sが貫通する取付孔が貫通しているが、この取付孔の軸芯方向に沿い下方にテーパ部8Tが穿設されている。このテーパ部8Tに回転軸4の上端部が挿入された状態となっている。
【0013】
ところで、シールプレート9はハウジング1の段部1Dに架設された軸受保持プレート11の上面に載架され、固定ねじ10にて固着されている。また、軸受保持プレート11は固定ねじ12を介してハウジング1の段部1Dに固着され、モータ室Mとガス圧縮室Cを区画している。
【0014】
この軸受保持プレート11の中央部位すなわち回転軸4が貫通する部位において、上部転がり軸受5を保持するための凹部11Sが形成されている。この凹部11Sは上部転がり軸受5が回転軸4の軸芯方向にスライドできるよう一定の長さのスライド面を有している。13は上部転がり軸受5とテーパ部8Tとの間に介在されたスペーサで、潤滑オイルLが上方のガス圧縮室Cに流入するのを防止するフランジ13が付設されている。
【0015】
他方、下部転がり軸受6はハウジング1と一体的に形成された軸受保持枠1Wにて保持されるが、この軸受保持枠1Wも図1に示すとおり、下部転がり軸受6が上下にスライド(変位)できるスライド面を有するよう形成されている。同時にこの下部転がり軸受6と軸受保持枠1Wの下方段部WDとの間にはバネ材14が圧縮状態で介在される。
【0016】
さらに、図2示すように下部転がり軸受6は、回転軸4の段部4Dに係止されて嵌合されており、したがって前記バネ材14による弾力で下部転がり軸受6が上方に付勢されるとき、その付勢力はこの回転軸4の段部4Dを介して回転軸4に伝達され、回転軸4全体が上方に付勢されることになる。
本発明が提供する高速回転機器はこれらの構成に特徴がある。
【0017】
したがって、本発明による高速回転機器を組み立てる際においては、回転軸4を下方に偏位させて組み立てることができ、回転軸4を正規の位置より下方に偏位させて組み立てる。このとき下部転がり軸受6は下方に付勢され、バネ材14が圧縮される。図2はこのときの状態を示す要部拡大図である。このときテーパ部8Tの外周面であるテーパ面と貫通孔9Fの内周面のテーパ面が接する。この圧縮によるバネ材14の弾力を利用して回転軸4の位置を調整できるようにし、テーパ部8Tとシールプレート9の貫通孔9Fとが互いに非接触でのシール機構ができ実現できる。このとき、シールプレート9を固定ねじ10を回してその高さ位置を調節する。そして適正な位置で固定する。こうして組み立てることにより理想的なシール機構が出現される。そしてその後、回転軸4を正規の位置に移動させ、図3の状態とする。こうしてガス圧縮室Cとモータ室Mとのシール機構が形成される。バネ材14の弾力にて回転軸4が常に付勢されるので、シールプレート9の貫通孔9Fとテーパ部8Tが近接対応し、適正なシール部が形成される。このシール部の間隙は均一な程シール性能が向上する。
【0018】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるが、発明の構成は上記あるいは図示例に示される構成に限定されるものではなく、種々の変形例をも包含する。
たとえば図示例の場合、テーパ部8Tをターボ翼8と一体的に形成して設けているが、このテーパ部8Tはターボ翼8と別の部材として構成してもよい。あるいは回転軸4に一体的にテーパ部を凸設形成してもよい。また、このテーパ部8Tのテーパ角度は自在である。ただこの角度は小さい程テーパ部8Tの周囲面積が大きくなり、それだけシール性能は良好となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるから、高速回転機器におけるガス圧縮室とモータ室の良好なシール機能を組立工数の削減を図りつつ実現することができる。しかも組立作業を容易にすることも可能となる。シール部の間隙を調整でき、そのための回転軸の位置決め作業としての治具等が不要となり、これに関連してコストダウンが図れる利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の機能を説明するための要部拡大図である。
【図3】本発明の機能を説明するための要部拡大図である。
【図4】従来における高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1W 軸受保持枠
2 モータ
3 インバータ
4 回転軸
5 上部転がり軸受
6 下部転がり軸受
7、8 ターボ翼
8T テーパ部
9 シールプレート
9F 貫通孔
10、12 固定ねじ
11 軸受保持プレート
14 バネ材
C ガス圧縮室
WD 下方段部
Claims (4)
- ガス圧縮を行なうターボ翼とこのターボ翼を高速回転駆動するためのモータの回転子とこの両者を連結する垂直に配設した回転軸とこの回転軸を回転自在に保持する上部と下部に設けた転がり軸受と、ターボ翼が配設されたガス圧縮室と転がり軸受および回転駆動用のモータが配設されたモータ室を区画遮断し、かつ回転軸を貫通させるシール孔が穿設されたシールプレートと、前記上部と下部の転がり軸受を保持する固定枠とを備え、前記回転軸の内部には前記転がり軸受へ潤滑用オイルを供給する中空孔が設けられた高速回転機器において、前記シール孔側と回転軸側のいずれか一方に回転軸と同軸のテーパ面を設け、かついずれかの他方に前記テーパ面に対応するテーパ部材を設けるとともに、このテーパ面とテーパ部材を回転軸芯方向に相対的に変位可能に構成し、テーパ部材を有しない相手側の回転軸方向への変位によってガス圧縮室とモータ室とを遮断する間隙を調整できるようにしたことを特徴とする高速回転機器。
- テーパ部材は上方拡大形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の高速回転機器。
- 上部と下部の転がり軸受を保持する固定枠には、それぞれの転がり軸受を回転軸芯方向に変位できるスライド面が形成されているとともに、転がり軸受を上方へ付勢する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の高速回転機器。
- シール孔側と回転軸側の両方に、互いのシール面が形成できるテーパ面を形成したことを特徴とする請求項1記載の高速回転機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002317682A JP2004150372A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 高速回転機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002317682A JP2004150372A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 高速回転機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004150372A true JP2004150372A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32461016
Family Applications (1)
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JP2002317682A Pending JP2004150372A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 高速回転機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-10-31 JP JP2002317682A patent/JP2004150372A/ja active Pending
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