JP2004150197A - 水洗トイレ用洗浄剤溶出装置 - Google Patents

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Yukio Nakamura
幸男 中村
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Abstract

【課題】水洗トイレのロータンク内に設置する水洗トイレ用洗浄剤溶出装置における、新品の固形洗浄剤の適切な投入時期あるいは交換時期を容易に視認できる、新規な水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を提供する。
【解決手段】水洗トイレ用洗浄剤溶出装置は、固形洗浄剤10を収容する洗浄剤容器1と、洗浄剤容器1を水洗トイレのロータンク内に吊り下げるための吊り下げ部材2とを有する。洗浄剤容器1は、ロータンク内の水を洗浄剤容器1内に導入し且つフラッシュ時に洗浄剤容器1内の水を排出するための開口部1aを有すると共に、その内部空間Sには、収容する固形洗浄剤10が溶解して小さくなるに連れて下方に移動できるように、下方に向かって裾細となるようなテーパーが設けられている。このような水洗トイレ用洗浄剤溶出装置は、固形洗浄剤10の下方への移動の程度を認識するためのインジケータ手段を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形洗浄剤を収容する洗浄剤容器と、洗浄剤容器を水洗トイレのロータンク内に吊り下げるための吊り下げ部材とを備えた、水洗トイレ用洗浄剤溶出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水洗トイレの便器に汚れが付着することを防止すると共にトイレ内の消臭を目的として、ロータンク内に図4に示すような水洗トイレ用芳香洗浄剤供給装置が提案されている(特許文献1参照)。この水洗トイレ用芳香洗浄剤供給装置は、内部に固形の芳香洗浄剤を収容する溶出調節容器41と、その溶出調節容器41をロータンク内に吊下げるためのフック状の吊持部材42とから構成されている。この溶出調節容器41は、上面41Bが全て開口したボックス形状となっており、正面の側壁41Aには、注水口41aと排出口41bとが形成されている。
【0003】
この水洗トイレ用芳香洗浄剤供給装置を、水洗トイレのロータンク内に設置すると、まず、溶出調節容器41内に主として注水口41aと排出口41bとから水が流入し、その水が溶出調節容器41内の芳香洗浄剤を溶解する。ここで、溶出調節容器41内への水の出入りは、フラッシュしない限りほとんどないので、水への芳香洗浄剤の溶解速度は、溶出調節容器41内の限られた水量に飽和すれば非常に遅くなるので、芳香剤洗浄剤が溶解しすぎないようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−38278号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示の水洗トイレ用芳香洗浄剤供給装置を水洗トイレのロータンク内にいったん設置すると、ロータンクの上蓋を開けない限り、芳香洗浄剤の減り具合を外から確認することができないという問題があった。このため、有色の洗浄剤を使用した場合には、水洗トイレのロータンクから排出される水が着色していても、洗浄に十分な量の洗浄剤がロータンク内に存在しているか否かは判断できず、また、無色の洗浄剤を使用した場合には、洗浄剤がロータンク内に存在していること自体を判断することができないために、新品の芳香洗浄剤の適切な投入時期を逸してしまうという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、水洗トイレのロータンク内に設置する水洗トイレ用洗浄剤溶出装置における、新品の固形洗浄剤の適切な投入時期あるいは交換時期を容易に視認できる、新規な水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、水洗トイレのロータンク内に設置された水洗トイレ用洗浄剤溶出装置の洗浄剤容器に収容されている固形洗浄剤の減り具合をロータンクの外から確認できるようにするために、固形洗浄剤が溶出して徐々に小さくなるにつれて、その固形洗浄剤を洗浄剤容器内を移動させるようにし、その移動量を外部から確認できるようにすればよいことを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、固形洗浄剤を収容する洗浄剤容器と、該洗浄剤容器を水洗トイレのロータンク内に吊り下げるための吊り下げ部材とを有する水洗トイレ用洗浄剤溶出装置であって、
該洗浄剤容器は、ロータンク内の水を該洗浄剤容器内に導入し且つフラッシュ時に該洗浄剤容器内の水を排出するための開口部を有し、且つ該洗浄剤容器の内部空間には、収容する固形洗浄剤が溶解して小さくなるに連れて下方に移動できるように、下方に向かって裾細となるようなテーパーが設けられており、
更に、固形洗浄剤の下方への移動の程度を認識するためのインジケータ手段が設けられている水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置の斜視図である。この水洗トイレ用洗浄剤溶出装置は、固形洗浄剤10を収容する洗浄剤容器1と、洗浄剤容器1を水洗トイレのロータンク内に吊り下げるための吊り下げ部材2とを有する。
【0010】
洗浄剤容器1は、ロータンク内の水を洗浄剤容器1内に導入し且つフラッシュ時に洗浄剤容器1内の水を排出するための開口部1aを有する。ここで、図1の態様では、開口部1aとして垂直方向にスリットを設けている。スリットの長さ、幅については、洗浄剤容器1への水の流入速度、流出速度、洗浄容器1の内部容積、固形洗浄剤の溶解のしやすさ等により、適宜決定することができる。通常は、幅3〜15mm、長さ2〜10cm程度が好ましい。
【0011】
なお、開口部1aはスリットに限定されるものではなく、大きさが数mm程度の四角形、円形等の穴でもよい。
【0012】
また、洗浄剤容器1の内部空間Sには、収容する固形洗浄剤10が溶解して小さくなるに伴って、洗浄剤容器1の底部1bに移動できるように、下方に向かって先細となるようなテーパーが設けられている。即ち、内部空間Sの横断面積が底部1bに向かって小さくなるようになっている。
【0013】
従って、固形洗浄剤10の形状としては、そのような移動が容易となるような形状が好ましく、円柱状、球状等の形状とすることが好ましい。特に、図1に示すように、固形洗浄剤10が円柱の場合、その中心に棒状芯体10aを設置することが好ましい。固形洗浄剤が球状の場合にはその中心に球状芯体を設置することが好ましい。そのような棒状芯体10aの存在は、それに後述する紐部材3の一端を固定できるので好ましい。この場合、棒状芯体10aとしては、固形洗浄剤10を洗浄剤容器1の底部1bに確実に移動させるために、水よりも比重が大きく、おもりの機能を有するものが好ましい。具体的には、スチールロッドなどが好ましい。
【0014】
また、固形洗浄剤10の組成としては、水でふやけにくく且つ徐々に溶解していく性状の公知の芳香固形洗浄剤を使用することができる。
【0015】
また、洗浄剤容器1を水洗トイレのロータンク内に吊り下げるための吊り下げ部材2としては、図1の態様では、洗浄剤容器1の背面に付設されたフックであるが、洗浄剤容器1を水洗トイレのロータンク内に吊り下げることが可能な他の手段でもよい。また、吊り下げ部材2は、必要に応じて、垂直方向に伸縮できるようにすることが好ましい。例えば、特許文献1の図5に示すような位置調節機構を設けることができる。これにより、様々な形状、大きさのロータンクに本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を適用することが可能となる。
【0016】
更に、本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置には、固形洗浄剤10の下方への移動の程度を認識するためのインジケータ手段が設けられている。図1の態様の場合、そのインジケータ手段としては、固形洗浄剤10に取り付けられた紐部材3からなるものである。具体的には、図2(本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を水洗トイレのロータンク内に設置した場合に生ずる、固形洗浄剤の移動の様子と、その移動に伴う紐部材の動きの様子を示した図)に示すように、水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を水洗トイレのロータンクLT内の水Wの中に浸積した場合、水中に浸積直後の固形洗浄剤10は、洗浄剤容器1の下方へ移動することなく、所定の位置に止まっている。そのとき、固形洗浄剤10の棒状芯体10aに固定された紐部材3は、その先端3aが洗浄剤容器1の吊り下げ部材2の表面に形成されたガイド溝2a(図1参照)を経由し、洗浄剤容器1の外部に垂れ下がることになる。ここで、ガイド溝2aに代えてガイド穴(図示せず)でもよい。また、先端3aには、棒状芯体10aより軽い重りを取り付けることが好ましい。これにより、紐部材3に張りを与えて、固形洗浄剤10の移動距離を正確に反映させることができる。
【0017】
洗浄剤容器1の内部空間S中の水には固形洗浄剤10が徐々に溶解し、固形洗浄剤10の大きさも徐々に小さくなる。この状態でフラッシュすると、洗浄剤容器1の内部空間S中の固形洗浄剤水溶液は、洗浄剤容器1の開口部1a(図1参照)から、ロータンク内に排出される。その後、再びロータンク内に水が貯水され、開口部1aから水が、再び洗浄剤容器1の内部空間S中に満たされる。
【0018】
このような操作を繰り返すことにより、固形洗浄剤10の大きさが小さくなり、紐部材3をロータンク内に引き込みながら、洗浄剤容器1の底部1bの方向へ移動する(図中10’)。そして固形洗浄剤10がほぼ完全に溶解してしまうと、洗浄剤容器1の底部1bに、棒状芯体(10a)が到達する。その結果、紐部材(3)の先端(3a)は、初期状態のときよりも上方に位置することになる。
【0019】
こうして、固形洗浄剤10の下方への移動の程度が、紐部材3の先端3aの位置により認識することが可能となる。従って、紐部材3は、固形洗浄剤10の下方への移動の程度、即ち、固形洗浄剤10の溶け具合を示すインジケータとして機能するので、紐部材3の先端3aの位置を手がかりに、固形洗浄剤10の適切な交換時期を把握することが可能となる。交換時期の判断の例としては、例えば、図3に示すように、吊り下げ部材2の一部2bをロータンクの外部に位置するようにし、その表面に、固形洗浄剤の交換時期を示すマーク、例えば「交換時期です」というマークを設けることが挙げられる。この場合、固形洗浄剤が、交換する必要が生じる程度に溶出して小さくなったときに、ロータンク内に引き込まれた紐部材(3)の先端(3a)がマークに重なるようにし、そして重なったときに交換するようにすればよい。
【0020】
以上説明した図1の態様は、インジケータ手段として紐部材3を有する態様であるが、インジケータ手段は紐部材3に限定されず、固形洗浄剤10の下方への移動の程度を判別できるような金属製やゴム製等の部材が、固形洗浄剤10と連なり且つその部材の他端がロータンク外から視認できる位置まで延びている手段を採用してもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、水洗トイレのロータンク内に設置する水洗トイレ用洗浄剤溶出装置における、新品の固形洗浄剤の適切な投入時期あるいは交換時期を、ロータンクを開けることなく、ロータンクの外側から容易に視認できる、新規な水洗トイレ用洗浄剤溶出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置の斜視図である。
【図2】本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置を水洗トイレのロータンク内に設置した場合に生ずる、固形洗浄剤の移動の様子と、その移動に伴う紐部材の動きの様子を示した図である。
【図3】本発明の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置における、固形洗浄剤の交換時期の判断の例の説明図である。
【図4】従来の水洗トイレ用芳香洗浄剤供給装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 洗浄剤容器
1a 開口部
1b 洗浄剤容器の底部
2 吊り下げ部材
2a 吊り下げ部材の表面に形成されたガイド溝
3 紐部材
3a 紐部材の先端
10 固形洗浄剤
10a 棒状芯体
S 洗浄剤容器の内部空間

Claims (5)

  1. 固形洗浄剤を収容する洗浄剤容器と、該洗浄剤容器を水洗トイレのロータンク内に吊り下げるための吊り下げ部材とを有する水洗トイレ用洗浄剤溶出装置であって、
    該洗浄剤容器は、ロータンク内の水を該洗浄剤容器内に導入し且つフラッシュ時に該洗浄剤容器内の水を排出するための開口部を有し、且つ該洗浄剤容器の内部空間には、収容する固形洗浄剤が溶解して小さくなるに連れて下方に移動できるように、下方に向かって先細となるようなテーパーが設けられており、
    更に、固形洗浄剤の下方への移動の程度を認識するためのインジケータ手段が設けられている水洗トイレ用洗浄剤溶出装置。
  2. 該インジケータ手段が、固形洗浄剤に取り付けられた紐部材からなり、その紐部材の先端が該洗浄剤容器の吊り下げ部材の表面に形成されたガイド溝を経由し、ロータンクの外部に垂れ下がっている請求項1記載の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置。
  3. 該固形洗浄剤の中心に芯体が設置されており、その芯体に該紐部材の一端が固定されている請求項2記載の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置。
  4. 該芯体が水よりも比重の大きいおもりである請求項2記載の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置。
  5. 吊り下げ部材の一部がロータンクの外部に位置しており、該吊り下げ部材の一部の表面に、該固形洗浄剤の交換時期を示すマークが設けられている請求項1記載の水洗トイレ用洗浄剤溶出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111543912A (zh) * 2020-06-12 2020-08-18 成都美派环保科技有限公司 冲水机构、挤水装置、清洁工具及清洗平板拖把的方法

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