JP2004149826A - Hipを用いた3次元自由形状の金属粉末焼結体の製造方法及びその製造方法によって得られる金属粉末焼結体 - Google Patents

Hipを用いた3次元自由形状の金属粉末焼結体の製造方法及びその製造方法によって得られる金属粉末焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】金属粉末によって3次元的に自由な形状で完全に緻密な金属の焼結体を高精度で再現性良く提供すること。
【解決手段】金属粉末を製作しようとする3次元形状を反転した形状又は製作しようとする3次元形状に第一の金属粉末を用いて理論密度の40〜80%の金属焼結体を製作する。さらに金属製の缶を用意して前述の金属焼結体を入れ、残った空間に製造しようとする第二の金属粉末を第一の金属粉末の空孔率と略同じ充填密度で充填して缶の内部を真空封止する。次に全体をHIP(熱間等方加圧)装置によって加圧焼結して、缶全体を完全に緻密な焼結体を製造する。得られた第一の金属粉末及び第二の金属粉末からなる焼結体を機械加工及び化学的処理により第一の金属粉末又は第二の金属粉末の部分のみ除去することにより第一の金属粉末又は第二の金属粉末からなる最終形状の製品を製造する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属粉末によって内部に空孔や異種金属を含まない3次元自由形状の焼結体を精度良く及び再現性良く製造する方法及びその製造方法によって得られる金属粉末焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属粉末による焼結体の製造方法においてバインダーを用いる製造方法では、焼結密度はせいぜい理論密度の98%までであり、空孔の無い焼結体を作ることは困難であった。そのため空孔が有ってはならない製品では、焼結後又は焼結と同時に浸透性の高い低融点の金属を溶浸して空孔を無くしたり、表面を別の金属で被覆したりするなどの方法がとられていた。
【0003】
又、最近では金属積層造形装置や金属射出成形装置により比較的簡単に3次元の自由形状が金属粉末を用いて精度良く製造可能となってきたが、焼結密度については完全に緻密な焼結体を得るまでに至っていない。
【0004】
一方、熱間等方加圧(本発明においては「HIP」とする。(HIP:HotIsostatic Pressing))装置を用いたバインダーを使わない金属粉末の焼結は金属製の缶を必要とし、完全に緻密で理論密度の99.9%以上の焼結体を製造することが可能であったが、金属製の缶に充填した金属粉末をHIP処理により加圧及び加熱して均等に収縮させるには、缶の材質は柔軟性があり、缶の肉厚を薄く作り、缶の内部に充填する金属粉末は密度が略均一でなければならない。複雑な形状の製品を作る場合、缶の設計には複雑なシミュレーションと多くの経験が必要であり、封止のための高い溶接技術も必要であるが、それでも余肉の多い比較的単純な形状の製造に限定されていた。
【0005】
又、セラミックモールド法やガラスカプセル法によって、幾つかの製造方法が提案されている(例えば、非特許文献1及び2参照。)ものの、これらはセラミック又はガラスを利用するため、HIP処理による加圧焼結において熱膨張及び収縮の差、空孔率の差による収縮率量の違い、非金属物質の金属粉内混入等の問題があるため、試験的な製造に限定されていた。
【0006】
【非特許文献1】
社団法人 日本塑性加工学会編, 塑性加工シリーズ18 「粉末の成形と加工」,初版,株式会社 コロナ社,1994年7月25日,p.38〜46
【0007】
【非特許文献2】
小泉光恵、西原正夫編,「等方加圧技術」,初版,日刊工業新聞社,1988年4月13日,p.113〜143
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、バインダーを用いる製造方法、金属積層造形装置、金属射出成型装置等では空孔の無い焼結体を作ることが困難であるという問題がある一方で、完全に緻密で理論密度の99.9%以上の焼結体を製造することが可能であるHIP処理においては比較的単純な形状の製造に限定されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は上述のような事情により成されたのであり、金属粉末によって3次元的に自由な形状で完全に緻密な金属の焼結体を高精度で再現性良く提供することを目的とし、さらにはHIP処理によって複雑な形状の製品を高精度で容易に製造する製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明は第二の金属粉末と異なる第一の金属粉末を、製造しようとする形状の反転した形状又は製造しようとする形状の仮焼結体とし、その後、当該仮焼結体の入った金属製の缶の残り空間に第二の金属粉末を充填してHIP処理によって完全に緻密な焼結体とすることによって、さらにいえば当該仮焼結体の密度と第二の金属粉末の充填密度を略同じ密度とすることによって、前述のHIP処理による焼結に用いる金属製の缶を単純化させ、かつ均等に収縮させることが可能となった。
【0011】
本発明の金属粉末焼結体の製造方法は、比較的単純な形状の缶を用いることができるので、容易に薄肉で精度の高い缶を製造することが可能となり、複雑で自由度の高い金属焼結体を精度良く製造でき、他の焼結方法で生じる焼結体内部に生じる空孔も生じない。
【0012】
本発明の金属粉末焼結体の製造方法は、第一の金属粉末を製造しようとする焼結体形状を反転した形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、機械加工及び化学的処理により当該焼結体の前記第一の金属粉末の部分を除去して前記第二の金属粉末の焼結体を得る金属粉末焼結体の製造方法である。
【0013】
ここで上記の完全に緻密な焼結体を製作した後において上記缶から第一の金属粉末及び第二の金属粉末からなる焼結体を取り出し、当該焼結体から第一の金属粉末の部分を機械加工及び化学的処理により除去して、第二の金属粉末からなる焼結体を得ることができる。
【0014】
又、別の金属粉末焼結体の製造方法は、第一の金属粉末を製造しようとする形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、機械加工及び化学的処理により当該焼結体の前記第二の金属粉末の部分を除去して前記第一の金属粉末の焼結体を得ることもできる。
【0015】
上記別の金属粉末焼結体の製造方法において、上記の完全に緻密な焼結体を製作した後、上記缶から第一の金属粉末及び第二の金属粉末からなる焼結体を取り出し、当該焼結体から第二の金属粉末の部分を機械加工及び化学的処理により除去して、第一の金属粉末からなる焼結体を得ることもできる。
【0016】
本発明の上記仮焼結体は、第一の金属粉末の密度がその理論密度の40〜80%(すなわち空孔率60〜20%)の任意の密度に略均一に仮焼結されているものとすることができる。
【0017】
さらに本発明の上記充填は、上記の金属製の缶内に充填する第二の金属粉末が第一の金属粉末の仮焼結体と略同じ空孔率で充填することができる。
【0018】
本発明の金属粉末焼結体は、本発明の金属粉末焼結体の製造方法によって製造される金属粉末焼結体である。
【0019】
本発明の金属粉末焼結体は、第一の金属粉末を製造しようとする焼結体形状を反転した形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、当該缶から当該焼結体を取り出し、当該焼結体の第一の金属粉末の部分を機械加工及び化学的処理により除去して得られる第二の金属粉末からなる金属粉末焼結体である。
【0020】
本発明の別の金属粉末焼結体は、第一の金属粉末を製造しようとする形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、当該缶から当該焼結体を取り出し、当該焼結体の第二の金属粉末の部分を機械加工及び化学的処理により除去して得られることを特徴とする、第一の金属粉末からなる金属粉末焼結体である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属粉末による焼結体の3次元自由形状の製造方法について図を参照しながら説明する。図1は、製造しようとする最終形状の反転した形状を持った第一の金属粉末による仮焼結体1を模式的に示した断面図である。この仮焼結体は金属積層造形装置又は金属射出成形装置などで熱可塑性のバインダーを用いて、バインダー部分のみを固着させて造形後、脱バインダー及び仮焼結工程を経て製造される。
【0022】
尚、図には記載されていないが、第一の金属粉末が製造しようとする最終形状を持った仮燒結体でも同様の工程を経て製造される。
【0023】
この仮焼結によって仮焼結体1の密度は理論密度の40〜80%(すなわち空孔率60〜20%)に焼結されるが、焼結温度及び時間の条件と、使用する金属粉の粒形状、粒径、粒度分布等の条件を一定にすることによって前述の任意の密度に焼結することができる。
【0024】
通常、この仮焼結体1の密度は約60%程度であり、低すぎると取扱いの衝撃などにおいて割れたり、変形したりする恐れがある。又、高すぎるとその後充填する第一の金属粉末の充填密度の調整範囲を超える恐れがある。しかし、本発明の製造方法からこの仮焼結体1は複数に分割されていても良く、分割面がこの後の工程である第二の金属粉末を充填する粉末充填時に正確に位置決めできるように勘合しておれば良い。
【0025】
そのため、この仮焼結体1を分割しての製作は焼結時に小さな形状で製作できるので割れや変形に対して発生しにくい利点がある。
【0026】
図2は、柔軟性がある薄肉の金属で構成された缶3に図1の仮焼結体1を入れ、第二の金属粉末2を充填する状態を模式的に示した断面図である。HIP処理により加圧及び加熱して均等に収縮させるには、収縮時の圧縮に対して缶の持っている強度の影響を少なくする必要があるが、比較的単純な缶の形状の場合は溶接部や曲げ部を少なくできるため、この影響を小さくできる。
【0027】
又、内部に充填する第二の金属粉末2の充填密度は金属粉末の製造方法として一般的な粉砕粉又はアトマイズ粉及びその混合粉の比率や粒度分布によって調整が可能である。一般的に金属粉末の充填密度はその理論密度の40〜80%の範囲で調整可能であるが、前述の第一の金属粉末の仮焼結体1と略同じ密度に調整し、振動などを加えながら均一に充填する。尚、第二の金属粉末2は第一の金属粉末とは異なる金属粉末である。
【0028】
図3は、図2で第二の金属粉末2を充填した後、真空排気パイプ4を排気パイプ溶接用金具5によって取り付けた缶3の蓋を溶接組立した後、缶3の内部を真空排気して封止した状態を模式的に示した断面図である。缶3の内部の真空度は残留するガスが焼結後に空孔を発生させないよう、できる限り高い真空度で封止しなければならない。又、仮焼結体1や粉末の内部に残留するガス成分や表面に付着した水分を完全に除去するため、真空排気と同時に缶3の外から加熱を行う方が良い。最終の封止は真空に排気しながら排気パイプ4をプレスにより潰し、切断して溶接封止する。
【0029】
図4は、図3の缶3全体をHIP処理により焼結した後の状態を模式的に示した断面図である。HIP処理は第一の金属粉末より構成される仮焼結体1と第二の金属粉末2を同時に焼結するので、その両方に対しての焼結条件を満たす組合せでなければならない。一般的に焼結温度は、鉄系は600〜1300℃、ステンレス系は800〜1250℃、銅系は500〜1050℃、チタン系は600〜1100℃、ニッケル系は700〜1300℃、アルミ系は400〜600℃で、焼結時の圧力は高いほど緻密化が促進され良い。又、焼結温度において2種類の金属粉末及び缶3が接触する面で過度の元素拡散や共晶溶融などの問題が無い組合せでなければならない。さらに、それぞれの金属の熱膨張差についても焼結後の寸法や残留応力の影響を少なくするため近いものを採用することが望ましい。
【0030】
缶3全体はHIP処理で缶3の形状及び内部の金属粉末の密度に応じて内部が理論密度になるまで収縮するが、完全な球形を除いて、完全に相似形状で収縮することはない。しかし、等方加圧の原理から単純な円筒形状や立方体形状では比較的簡単な計算で収縮量を予想でき、焼結後の寸法を求めることが可能である。逆にこの収縮量を元に逆算して図1の仮焼結体の寸法を決定して製作しなければならない。
【0031】
尚、本発明においては、単に「焼結体」とする場合には完全に緻密な焼結体を指すものとし、「仮焼結体」と区別している。
【0032】
図5は、図4の焼結後、缶3及び第一の金属粉末より構成される部分(図4における第一の金属による焼結体1’)を機械加工及び化学的処理により除去して完成させた第二の金属粉末のみによる焼結体2’を模式的に示した断面図である。焼結後の缶3はそのまま化学的処理により除去しても良いが、時間がかかるため、機械加工で除去可能な部分は機械加工で除去する方が良い。又、化学的処理による除去では第一の金属粉末の部分(第一の金属粉末による焼結体1’)のみが除去できる処理液でなければならないため、第二の金属粉末2に対して影響がない処理液と第一の金属粉末の組合せを決めておく必要がある。
【0033】
又、図には記載されていないが、第二の金属粉末の部分(第二の金属粉末による焼結体2’)を機械加工及び化学的処理により除去して第一の金属粉末のみによる焼結体(第一の金属粉末による焼結体1’)を完成させることも可能である。この場合、化学的処理による除去では第二の金属粉末の部分のみが除去できる処理液でなければならないため、第一の金属粉末に対して影響がない処理液と第二の金属粉末2の組合せを決めておく必要がある。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。本発明の製造方法により第一の金属粉末はSUS420J2、第二の金属粉末は純チタンを使用した。あらかじめSUS420J2の焼結温度と焼結後の密度の関係を測定しておき、窒素雰囲気中で1050℃×2時間の仮焼結で約59.8%の焼結密度となることを確認した。
【0035】
さらに、純チタンの粉末はアトマイズ後、分級して粒度80〜150μmに調整して60.3%のタップ密度になることを確認した。金属製の缶は直径:長さの比が4:5とし、肉厚0.5mmの軟鉄を使用した。
【0036】
あらかじめ円筒状の缶の直径と長さの比及び密度が理論密度の約60%(すなわち40%の体積収縮率)から、直径で85.0%、長さで83.0%の寸法収縮が予測できた。この収縮率を元にして最終形状の各部の寸法から仮焼結時の寸法を決定した。
【0037】
仮焼結体の作成は金属積層造形機と窒素雰囲気の焼結炉を使用した。金属積層造形機は炭酸ガスレーザーで粉末表面に被覆された熱可塑性のバインダーを瞬間的に溶融させてレーザーが照射された粉末のみを固着させて造形するもので、ここで作成されるバインダー結合による結合及び焼結炉による仮焼結では約1.5%の等方収縮が発生する。しかし、これらの収縮寸法の設計はコンピュータ上で3次元的に処理されるため、誤差は約±0.2mm以内で製作可能である。
【0038】
前述の金属積層造形機及び焼結炉を使用して純チタンの最終形状を反転した形状(つまり純チタンの最終形状を空間とする形状)をSUS420J2粉末で造形し、1050℃×2時間の仮焼結を行った。
【0039】
次に、底部を溶接済みの缶を用意し、仮焼結体を入れ、前述で調整した純チタン粉を振動を加えながら充填した。この時の充填密度を体積と重量から測定して、60.3±1%以内で均一に充填されていることを確認した。
【0040】
次に、あらかじめ排気パイプを溶接した缶の蓋を溶接組立して、真空ポンプで内部を排気しながら缶の外部から加熱を行い500℃で真空度が0.0013Paまで排気後、冷却して排気パイプを封止した。
【0041】
次に、HIP装置内で900℃×117.7MPa×2時間のHIP処理を行った後、缶及び外部から除去可能なSUS420J2の部分を機械加工で除去した。残りの部分について化学的処理として塩化第二鉄+硝酸+水の溶液中でSUS420J2を除去し、純チタンのみの焼結体を得た。
【0042】
得られた焼結体の寸法を測定し、最初の設計の目標値に対して各部の寸法は±0.5mm以内の誤差であった。
【0043】
又、得られた焼結体の断面を組織検査して、内部に空孔や割れなどの無いことが確認され、金属組織においても金属粉末の焼結による微細組織であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の金属粉末による焼結体の3次元自由形状の製造方法は、完全に緻密で空孔の無い焼結体を3次元的に自由な形状で製造でき、従来の技術では複雑な設計と高い溶接技術を必要とした金属製の缶の設計や製作を単純化して容易にしたものである。又、従来の機械加工では困難な内部に中空空間を持つ形状では、特定の箇所で外部に通じる空間があれば製作可能である。
【0045】
さらに、2種類の金属粉末を完全に分離させながらHIP処理による焼結時の収縮を均一にさせる製造方法により、精度の高い焼結体を再現性良く製造できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における第一の金属粉末で製作する仮焼結体を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の製造方法における金属製の缶に入れた図1の仮焼結体との空間に第二の金属粉末を充填する様子を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の製造方法における金属製の缶の封止が完了した状態を表す模式的に示した断面図である。
【図4】本発明の製造方法におけるHIP処理による焼結を完了した状態を模式的に示した断面図である。
【図5】本発明で製造方法における缶及び第一の金属粉末部を除去して得られる第二の金属粉末の焼結体を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 第一の金属粉末による仮焼結体
1’ 第一の金属粉末による焼結体
2 第二の金属粉末
2’ 第二の金属粉末による焼結体
3 缶
4 排気パイプ
5 排気パイプ溶接用金具

Claims (6)

  1. 第一の金属粉末を製造しようとする焼結体形状を反転した形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、機械加工及び化学的処理により当該焼結体の前記第一の金属粉末の部分を除去して前記第二の金属粉末の焼結体を得ることを特徴とする金属粉末焼結体の製造方法。
  2. 第一の金属粉末を製造しようとする形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、機械加工及び化学的処理により当該焼結体の前記第二の金属粉末の部分を除去して前記第一の金属粉末の焼結体を得ることを特徴とする金属粉末焼結体の製造方法。
  3. 前記仮焼結体は、前記第一の金属の密度が理論密度の40〜80%の任意の密度に略均一に仮焼結されている請求項1又は請求項2に記載の金属粉末焼結体の製造方法。
  4. 前記充填は、前記第二の金属粉末が前記第一の金属粉末の前記仮焼結体と略同じ空孔率で缶の内部に充填される請求項1又は請求項2に記載の金属粉末焼結体の製造方法。
  5. 第一の金属粉末を製造しようとする焼結体形状を反転した形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、当該缶から当該焼結体を取り出し、当該焼結体の前記第一の金属粉末の部分を機械加工及び化学的処理により除去して得られることを特徴とする前記第二の金属粉末からなる金属粉末焼結体。
  6. 第一の金属粉末を製造しようとする形状で仮焼結した仮焼結体を金属製の缶の内部に入れ、当該缶の内部の残った空間に第二の金属粉末を充填し、当該充填された缶の内部を真空排気後封止して、当該封止した缶全体をHIP処理により加熱及び加圧して完全に緻密な焼結体を製作した後、当該缶から当該焼結体を取り出し、当該焼結体の前記第二の金属粉末の部分を機械加工及び化学的処理により除去して得られることを特徴とする前記第一の金属粉末からなる金属粉末焼結体。
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