JP2004149179A - 紙容器用積層体 - Google Patents
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Abstract
【目的】包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じない耐久性を有する包装用積層体を提供することを目的とする。
【構成】包装用積層体は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなり、最内熱可塑性樹脂層が、ートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒によるポリエチレンからなり、押出ラミネーション層が少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒によるポリエチレンからなり、最外熱可塑性樹脂層が最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒によるポリエチレンからなる。
【選択図】 なし
【構成】包装用積層体は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなり、最内熱可塑性樹脂層が、ートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒によるポリエチレンからなり、押出ラミネーション層が少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒によるポリエチレンからなり、最外熱可塑性樹脂層が最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒によるポリエチレンからなる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
本発明は、包装用積層体に関し、より詳細には、液体食品を充填・包装するための容器(若しくはカートン)製造用紙容器用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
柔軟性に富んだ包装積層材料は多年にわたって液体食品を包装するために用いられてきた。牛乳、ジュース、清酒、焼酎、ミネラルウォーター及びその他飲料のための包装容器は、例えば、繊維質基材(例えば、紙など)/プラスチック積層体に折目線が付けられたウェブ状包装材料を長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料の横断方向に横線シールを施し、先ず、クッション形若しくは枕状の一次形状に成形し、包装材料が帯状の場合は一定間隔に個々に切断し、折目線に沿って折畳んで最終形状に成形される。その最終形状には、ブリック状(平行6面体)の他、6角柱状、8角柱状、四面体形状などがある。繊維質基材の材料は厚手の紙であることが多い。
【0003】
ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器では、紙製包装材料を所定の形状に裁断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、充填機内でブランクスの底をシールした後に上部開口から牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部をシールして得られる。これらの包装材料には、その表面に包装容器製品の外観デザインが印刷される。
従来の紙包装容器製品に用いられている積層包装材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)/印刷インキ層/紙基材層(繊維質キャリア層)/LDPE/アルミニウム箔(Al層、ガスバリア層)/LDPE/LDPE、LDPE/印刷インキ層/紙基材層/LDPE/LDPE、印刷インキ層/LDPE/紙基材層/LDPE/LDPE、また、LDPE/印刷インキ層/紙基材層/LDPE/Al/ポリエステル(PET)等が知られており、現在も実際に汎用されている。
【0004】
上記の包装用積層体は、一般的に、紙基材層の原紙ロールを印刷機に運び、原紙面に印刷し印刷済み用紙を再度ロール状に巻き、次いで押出ラミネーターに送り、押出機から溶融ポリオレフィン(例えば、LDPEなど)を原紙面に押し出し、原紙の他にガスバリア層(アルミニウム箔など)がある場合、ガスバリア層との間にも押出ラミネート・コーティングを施して製造する。上述のようなガスバリア層を積層したり、更に、他の機能的層を付加する場合、一挙にすべての層をラミネートするのではなく、部分的な積層体を別途、それぞれ調製して一旦ロール状にし、これらの部分的な積層体を更に積層して最終的な積層体を得ている。
【0005】
食品を包装充填するプロセスにおいて、包装用積層体は、適正な形状にされるために、1つまたはそれ以上の折り曲げ線に沿って折り曲げられる。次いで、包装用積層体両端の重なり合い部分が形成され、適当な接着剤を添加するかまたは熱可塑性層を互いに熱シールすることによりシール部を形成させることが可能である。上述のように、積層体に折り目をつけるという事は積層体に応力を誘起させる。この応力は漏洩を誘起せしめるか、または少なくとも積層体をかなり弱化させ、その後の取扱い中にカートンの漏洩をもたらす可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、包装用積層体の製造工程(コンバーテング)において、包装用積層体の各構成要素にその工程で遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示す必要がある。
また、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれる食品包装充填プロセスにおいて、必要な要素は、アルミ箔のバリアー性の耐久性である。そのバリア層は割れてはならず、そして、隣接層から剥離してはならない。
本発明は、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じない耐久性を有する包装用積層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の包装用積層体は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなり、該最内熱可塑性樹脂層が、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該最外熱可塑性樹脂層が、該最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなることを特徴する。
このように構成したことにより、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じない耐久性を有する包装用積層体を実現する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなり、該最内熱可塑性樹脂層が、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該最外熱可塑性樹脂層が、該最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる包装用積層体である。
最内シーラント層に、メタロセン触媒により重合された狭い分子量分布を有する線形低密度ポリエチレンを用いるので、比較的高温から低温まで広い温度範囲でにおいても十分なシール性能を得ることができ、食品に接していても、その食品へ低分子化合物が侵入することを防止して食品衛生上安全な包装容器を得ることができ、しかも、実質的に化学添加剤を含まないために、微小微妙な芳香、風味成分に悪影響を及ぼさない。しかも、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対して優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じさせない保護作用を示した包装容器へ耐久性を付与するという作用を有する。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明において、包装用積層体は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなる。
この発明において用いることができる繊維質キャリア層(紙基材)としては、通常、クラフトパルプから作られ、優れた強度と低吸水性が求められる。その種類として、晒紙(FBL)、未晒紙(UBL)、晒と未晒との抄き合わせ紙(DUPLEX)、クレーコート紙及び多層抄き合わせ紙(MB)などがある。
【0010】
この発明におけるアルミニウム箔は、ガスバリア層であり、例えば、5〜10ミクロン厚のアルミニウム箔である。
この発明の好ましい態様において、ガスバリア層、その他の積層構成層と接着性を高めるために、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)や、エチレン−メタクリル酸ビニル共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー(IO)の合成樹脂を用いて、これらの製膜層を接着層として積層することもできる。
この態様において、接着性樹脂の被覆は、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、インフレ−ション法、溶融接着性樹脂を積層面に塗布する方法、逆に溶融ポリオレフィンを接着性樹脂面に塗布する方法、その他等で行うことができる。
【0011】
この発明による紙容器用包装用積層材は、最外樹脂層がまだ積層されていないセミマテリアルの外側表面に設けられた印刷によるインキ層若しくは、シール性を有する外側樹脂層の外側表面に形成されたインキ層を少なくとも含むことができる。インキは、フレキソ印刷用水性若しくは油性のインキ、グラビア印刷用の油性インキ、オフセット印刷用の硬化性インキなどがある。
【0012】
この発明による紙容器用包装用積層材では、最外熱可塑性樹脂層が、最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる。
最外熱可塑性樹脂層としては、メタロセン触媒を用いて重合した狭い分子量分布を有する線形低密度ポリエチレン(mLLDPE)、及びそのポリマーと他のポリマーとのブレンドポリマーがある。このmLLDPEとしては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
mLLDPEの樹脂として、具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
【0013】
ブレンドポリマーの「他のポリマー」とは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂であり、従来から用いられていた低密度ポリエチレン(LDPE)の他に、内容物に対する耐性(耐油性、耐酸性、耐浸透性など)に優れた線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレンやポリエチレンを含む共押出し物などである。
なお、基本的には無添加のものを使用するが、用途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、塗料、顔料等の各種添加剤を適宜、添加しても構わない。
これらの樹脂をブレンドする方法としては任意の方法が採用でき、例えば、各成分を配合し、ブレンダー、ミキサー等で混合した後、二軸混練押出機やミキシングロール、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法やペレット同士で混合するドライブレンド法の何れでも構わない。
【0014】
この発明の積層包材を積層するために用いられる押出ラミネーション層は、押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合された上述のポリエチレンからなる。このメタロセンPEの使用により、包材製造の際の押出積層特性及びそれによるコンバーティング特性が優れているので、包材積層の製造が非常に良好に行うことができる。
【0015】
本発明における包装用積層体の最内熱可塑性樹脂層は、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる。
最内熱可塑性樹脂層においては、メタロセン触媒によるポリエチレンが上述の通りであり、必須的には、添加剤を加えない無添加の樹脂を使用する。従って、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、塗料、顔料等の各種添加剤を含まない。
【0016】
この発明の好ましい態様においては、アルミニウム箔などの積層構成層の表面に、ラッカーコート剤、ドライラミネート用接着剤(例えばポリエステル系、ポリウレタン系、ポリイミン系、ポリエステルポリウレタン系の1液または2液の接着剤)や、アンカーコート剤(例えばウレタン系、ポリウレタン系、ポリイミン系、ポリエステルポリウレタン系の1液または2液のアンカーコート剤)、ドライラミネート用アンカーコート剤として、例えば、シリコーン系、速硬化型ウレタン系、エポキシアミン系などを使用することができる。
この発明の別の好ましい態様においては、積層構成層の表面に、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれる少なくとも1の接着性樹脂で被覆することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の包装用積層体によって、最内シーラント層に、メタロセン触媒により重合された狭い分子量分布を有する線形低密度ポリエチレンを用いるので、比較的高温から低温まで広い温度範囲でにおいても十分なセール性能を得ることができ、食品に接していても、その食品へ低分子化合物が侵入することを防止して食品衛生上安全な包装容器を得ることができる。
本発明の包装用積層体によって、実質的に化学添加剤を含まないために、微小微妙な芳香、風味成分に悪影響を及ぼさない。
本発明の包装用積層体によって、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対して優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じさせない保護作用を示した包装容器へ耐久性を付与することができる。
本発明は、包装用積層体に関し、より詳細には、液体食品を充填・包装するための容器(若しくはカートン)製造用紙容器用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
柔軟性に富んだ包装積層材料は多年にわたって液体食品を包装するために用いられてきた。牛乳、ジュース、清酒、焼酎、ミネラルウォーター及びその他飲料のための包装容器は、例えば、繊維質基材(例えば、紙など)/プラスチック積層体に折目線が付けられたウェブ状包装材料を長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包装材料内に被充填物を充填し、チューブ状包装材料の横断方向に横線シールを施し、先ず、クッション形若しくは枕状の一次形状に成形し、包装材料が帯状の場合は一定間隔に個々に切断し、折目線に沿って折畳んで最終形状に成形される。その最終形状には、ブリック状(平行6面体)の他、6角柱状、8角柱状、四面体形状などがある。繊維質基材の材料は厚手の紙であることが多い。
【0003】
ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器では、紙製包装材料を所定の形状に裁断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、充填機内でブランクスの底をシールした後に上部開口から牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部をシールして得られる。これらの包装材料には、その表面に包装容器製品の外観デザインが印刷される。
従来の紙包装容器製品に用いられている積層包装材料は、低密度ポリエチレン(LDPE)/印刷インキ層/紙基材層(繊維質キャリア層)/LDPE/アルミニウム箔(Al層、ガスバリア層)/LDPE/LDPE、LDPE/印刷インキ層/紙基材層/LDPE/LDPE、印刷インキ層/LDPE/紙基材層/LDPE/LDPE、また、LDPE/印刷インキ層/紙基材層/LDPE/Al/ポリエステル(PET)等が知られており、現在も実際に汎用されている。
【0004】
上記の包装用積層体は、一般的に、紙基材層の原紙ロールを印刷機に運び、原紙面に印刷し印刷済み用紙を再度ロール状に巻き、次いで押出ラミネーターに送り、押出機から溶融ポリオレフィン(例えば、LDPEなど)を原紙面に押し出し、原紙の他にガスバリア層(アルミニウム箔など)がある場合、ガスバリア層との間にも押出ラミネート・コーティングを施して製造する。上述のようなガスバリア層を積層したり、更に、他の機能的層を付加する場合、一挙にすべての層をラミネートするのではなく、部分的な積層体を別途、それぞれ調製して一旦ロール状にし、これらの部分的な積層体を更に積層して最終的な積層体を得ている。
【0005】
食品を包装充填するプロセスにおいて、包装用積層体は、適正な形状にされるために、1つまたはそれ以上の折り曲げ線に沿って折り曲げられる。次いで、包装用積層体両端の重なり合い部分が形成され、適当な接着剤を添加するかまたは熱可塑性層を互いに熱シールすることによりシール部を形成させることが可能である。上述のように、積層体に折り目をつけるという事は積層体に応力を誘起させる。この応力は漏洩を誘起せしめるか、または少なくとも積層体をかなり弱化させ、その後の取扱い中にカートンの漏洩をもたらす可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、包装用積層体の製造工程(コンバーテング)において、包装用積層体の各構成要素にその工程で遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示す必要がある。
また、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれる食品包装充填プロセスにおいて、必要な要素は、アルミ箔のバリアー性の耐久性である。そのバリア層は割れてはならず、そして、隣接層から剥離してはならない。
本発明は、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じない耐久性を有する包装用積層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の包装用積層体は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなり、該最内熱可塑性樹脂層が、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該最外熱可塑性樹脂層が、該最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなることを特徴する。
このように構成したことにより、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対する優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じない耐久性を有する包装用積層体を実現する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなり、該最内熱可塑性樹脂層が、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、該最外熱可塑性樹脂層が、該最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる包装用積層体である。
最内シーラント層に、メタロセン触媒により重合された狭い分子量分布を有する線形低密度ポリエチレンを用いるので、比較的高温から低温まで広い温度範囲でにおいても十分なシール性能を得ることができ、食品に接していても、その食品へ低分子化合物が侵入することを防止して食品衛生上安全な包装容器を得ることができ、しかも、実質的に化学添加剤を含まないために、微小微妙な芳香、風味成分に悪影響を及ぼさない。しかも、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対して優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じさせない保護作用を示した包装容器へ耐久性を付与するという作用を有する。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明において、包装用積層体は、最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなる。
この発明において用いることができる繊維質キャリア層(紙基材)としては、通常、クラフトパルプから作られ、優れた強度と低吸水性が求められる。その種類として、晒紙(FBL)、未晒紙(UBL)、晒と未晒との抄き合わせ紙(DUPLEX)、クレーコート紙及び多層抄き合わせ紙(MB)などがある。
【0010】
この発明におけるアルミニウム箔は、ガスバリア層であり、例えば、5〜10ミクロン厚のアルミニウム箔である。
この発明の好ましい態様において、ガスバリア層、その他の積層構成層と接着性を高めるために、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)や、エチレン−メタクリル酸ビニル共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー(IO)の合成樹脂を用いて、これらの製膜層を接着層として積層することもできる。
この態様において、接着性樹脂の被覆は、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、インフレ−ション法、溶融接着性樹脂を積層面に塗布する方法、逆に溶融ポリオレフィンを接着性樹脂面に塗布する方法、その他等で行うことができる。
【0011】
この発明による紙容器用包装用積層材は、最外樹脂層がまだ積層されていないセミマテリアルの外側表面に設けられた印刷によるインキ層若しくは、シール性を有する外側樹脂層の外側表面に形成されたインキ層を少なくとも含むことができる。インキは、フレキソ印刷用水性若しくは油性のインキ、グラビア印刷用の油性インキ、オフセット印刷用の硬化性インキなどがある。
【0012】
この発明による紙容器用包装用積層材では、最外熱可塑性樹脂層が、最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる。
最外熱可塑性樹脂層としては、メタロセン触媒を用いて重合した狭い分子量分布を有する線形低密度ポリエチレン(mLLDPE)、及びそのポリマーと他のポリマーとのブレンドポリマーがある。このmLLDPEとしては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
mLLDPEの樹脂として、具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
【0013】
ブレンドポリマーの「他のポリマー」とは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂であり、従来から用いられていた低密度ポリエチレン(LDPE)の他に、内容物に対する耐性(耐油性、耐酸性、耐浸透性など)に優れた線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレンやポリエチレンを含む共押出し物などである。
なお、基本的には無添加のものを使用するが、用途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、塗料、顔料等の各種添加剤を適宜、添加しても構わない。
これらの樹脂をブレンドする方法としては任意の方法が採用でき、例えば、各成分を配合し、ブレンダー、ミキサー等で混合した後、二軸混練押出機やミキシングロール、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法やペレット同士で混合するドライブレンド法の何れでも構わない。
【0014】
この発明の積層包材を積層するために用いられる押出ラミネーション層は、押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合された上述のポリエチレンからなる。このメタロセンPEの使用により、包材製造の際の押出積層特性及びそれによるコンバーティング特性が優れているので、包材積層の製造が非常に良好に行うことができる。
【0015】
本発明における包装用積層体の最内熱可塑性樹脂層は、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる。
最内熱可塑性樹脂層においては、メタロセン触媒によるポリエチレンが上述の通りであり、必須的には、添加剤を加えない無添加の樹脂を使用する。従って、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、塗料、顔料等の各種添加剤を含まない。
【0016】
この発明の好ましい態様においては、アルミニウム箔などの積層構成層の表面に、ラッカーコート剤、ドライラミネート用接着剤(例えばポリエステル系、ポリウレタン系、ポリイミン系、ポリエステルポリウレタン系の1液または2液の接着剤)や、アンカーコート剤(例えばウレタン系、ポリウレタン系、ポリイミン系、ポリエステルポリウレタン系の1液または2液のアンカーコート剤)、ドライラミネート用アンカーコート剤として、例えば、シリコーン系、速硬化型ウレタン系、エポキシアミン系などを使用することができる。
この発明の別の好ましい態様においては、積層構成層の表面に、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれる少なくとも1の接着性樹脂で被覆することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の包装用積層体によって、最内シーラント層に、メタロセン触媒により重合された狭い分子量分布を有する線形低密度ポリエチレンを用いるので、比較的高温から低温まで広い温度範囲でにおいても十分なセール性能を得ることができ、食品に接していても、その食品へ低分子化合物が侵入することを防止して食品衛生上安全な包装容器を得ることができる。
本発明の包装用積層体によって、実質的に化学添加剤を含まないために、微小微妙な芳香、風味成分に悪影響を及ぼさない。
本発明の包装用積層体によって、包装用積層体の製造工程において遭遇する熱力学的ストレスに対して優れた耐久性を示し、食品包装充填プロセスにおいても、包装用積層体が折り込まれ折り畳まれても、バリア層及び紙基材層には割れ若しくはヒビが生じさせない保護作用を示した包装容器へ耐久性を付与することができる。
Claims (1)
- 最内熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、押出ラミネーション層、繊維質キャリア層及び最外熱可塑性樹脂層からなる紙容器用積層体であって、
該最内熱可塑性樹脂層が、ヒートシールに必要な厚みを少なくとも有し、実質的に添加剤を含まないメタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、
該押出ラミネーション層が、少なくとも押出し特性を有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなり、
該最外熱可塑性樹脂層が、該最内熱可塑性樹脂層とのシール性を少なくとも有し、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレンからなる、
ことを特徴する紙容器用積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002317797A JP2004149179A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 紙容器用積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002317797A JP2004149179A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 紙容器用積層体 |
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ID=32461100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002317797A Pending JP2004149179A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 紙容器用積層体 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004149179A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2394815A1 (en) * | 2010-06-08 | 2011-12-14 | Farbotex S.p.A. | Paperboard container for packaging liquids and process for the manufacture thereof |
JP2016514060A (ja) * | 2013-02-18 | 2016-05-19 | テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニムTetra Laval Holdings & Finance S.A. | 包装用ラミネート、その製造方法、及び、該包装用ラミネートから製造した包装容器 |
JP2017527475A (ja) * | 2014-06-30 | 2017-09-21 | エスアイジー テクノロジー アーゲー | 特に食品包装のための、酸化防止剤の割合を減らしたm−ポリオレフィン層を有するシート状コンポジット |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317797A patent/JP2004149179A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2394815A1 (en) * | 2010-06-08 | 2011-12-14 | Farbotex S.p.A. | Paperboard container for packaging liquids and process for the manufacture thereof |
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