JP2004148572A - 射出成形金型及び射出成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種の射出成形品を形成するに際して、高効率、低コスト生産を実現できる射出成形金型及び射出成形品の製造方法を提供することにある。
【解決手段】両者間にキャビティ4、5が形成され接近離間可能に設けられた一対の金型2、3と、キャビティ4、5内に溶融樹脂を供給する供給部80とを備え、キャビティ4、5は、一対の金型2、3の型開閉面内に各々独立して複数設けられ、供給部80は、各キャビティ4、5に各別に連通するランナー39、63と、ランナー39、63と連通するスプルー36が形成されたスプルーブッシュ30とを備えた射出成形金型1であって、スプルーブッシュ30は、各キャビティ4、5に対し選択的に溶融樹脂を供給できる開閉機構37を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接近離間可能に設けられた金型間に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を供給し射出成形品を成形するための射出成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、形状等が異なる複数種の射出成形品を成形するには、主に次の二つの製造方法が採用されている。まず、形状等が異なるキャビティを各別に備えた複数の射出成形機を用いて、射出成形品を成形する方法であり、次に、一つの射出成形機を用い、一の形状等を有するキャビティ形成型を取付けて、一の射出成形品を成形した後、前記一のキャビティ形成型を取り外し、その後、他の形状等を有するキャビティ形成型を取付けて、他の射出成形品を成形する方法である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−024461号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の射出成形品の製造方法によれば、まず、前者の場合、複数の射出成形機を用いて複数種の射出成形品を各別に成形するため、射出成形機の運転費用及び製造工場における射出成形機の占有スペースの増大等が生じ、結果、射出成形品の製作コストの増加を招く問題があった。
後者の場合、一の射出成形品の成形が完了する度に、他のキャビティ形成型を交換取付けして、その後、この金型を加熱する必要があるため、生産工数の増大及び生産効率の低下を招く問題があった。
ここで、前述した二つの製造方法の他に、同一の射出成形機に複数種のキャビティ形成型を取付けて、複数種のキャビティ内に溶融樹脂を同時に射出する方法が考えられるが、この場合、各キャビティ内でその体積等が異なるため、溶融樹脂の充填不良が発生することがある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、複数種の射出成形品を成形するに際して、高効率、低コスト生産を実現できる射出成形金型及び射出成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の射出成形金型は、両者間にキャビティが形成され接近離間可能に設けられた一対の金型と、前記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部とを備え、前記キャビティは、前記一対の金型の型開閉面内に各々独立して複数設けられ、前記供給部は、前記各キャビティに各別に連通するランナーと、該ランナーと連通するスプルーが形成されたスプルーブッシュとを備えた射出成形金型であって、前記スプルーブッシュは、前記各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を供給できる開閉機構を備えていることを特徴とする。
【0007】
この射出成形金型では、スプルーブッシュが、各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を供給できる開閉機構を備えているため、形状等が異なる複数種の射出成形品を同一の金型で、高効率、低コストで生産できる。すなわち、同一の金型内に、形状等が異なる複数種のキャビティが形成されている場合、前記開閉機構により、同一種のキャビティにのみ選択的に溶融樹脂を供給することができる。これにより、異種の射出成形品を成形する度に、キャビティを構成するキャビティ形成型を交換取付けし加熱する、または、各別に異なるキャビティを備える複数の射出成形機により、射出成形品を成形する必要がなくなるため、高効率、低コスト生産を実現することができる。
【0008】
また、本発明の射出成形金型は、前記スプルーと前記ランナーとの接続部における流路断面積は、前記ランナーの前記接続部を除く流路断面積より大となる関係を有し形成されていることを特徴とする。
【0009】
この射出成形金型では、スプルーとランナーとの接続部における流路断面積が、ランナーの前記接続部を除く流路断面積より大となる関係を有し形成されているため、溶融樹脂のスプルーからキャビティへの流入を滑らかにし、キャビティ内への溶融樹脂の充填不良を抑制するとともに、硬化状態が略均一な溶融樹脂をキャビティ内に安定して供給することができる。これにより、製造上の不具合を発生させることなく前述した射出成形金型により得られる効果を実現できる。
すなわち、前述した射出成形金型においては、スプルーブッシュと、ランナーが形成されている部品とは別部品となる構成になるため、スプルーからランナーに達した溶融樹脂は、その接続部において流れに乱れが生じる。さらに、前記接続部においては、その構造上、溶融樹脂の流れ方向が急激に変化することと相俟って、溶融樹脂の流速は急激に低下する。
また、溶融樹脂は、スプルー及びランナーより高温であるため、前記溶融樹脂の流速低下と相俟って、前記接続部における前記内周面に当接する溶融樹脂は硬化し易い。この状態において、前記接続部の流路断面積は、ランナーの前記接続部を除く流路断面積より大となる関係で形成されているため、前記溶融樹脂の硬化を、前記接続部における流路(スプルー及びランナー)の内壁面周縁部にのみ発生させ、この内部を流れる溶融樹脂を前記接続部を除く部分に供給し、更には、キャビティ内に供給することができる。これにより、キャビティ内には、硬化していない溶融状態が良好な溶融樹脂のみを供給することができる。
また、流路断面積の増加を前記接続部に限定的に施しているため、溶融樹脂の無駄な使用を最小限に抑制することもできる。
【0010】
本発明の射出成形品の製造方法は、接近離間可能に設けられた金型間に、各々独立して複数形成されたキャビティ内に、溶融樹脂を射出し射出成形品を成形する射出成形品の製造方法であって、前記キャビティ内に溶融樹脂を供給するに際し、前記各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を射出することを特徴とする。
【0011】
この射出成形品の製造方法では、溶融樹脂を前記キャビティ内に供給するに際し、前記各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を供給するため、同一の金型で、形状等が異なる複数種の射出成形品を高効率、低コストで生産できる。すなわち、同一の金型内に、形状等が異なる複数種のキャビティが形成されている場合、同一種のキャビティにのみ選択的に溶融樹脂を供給することができる。これにより、異種の射出成形品を成形する度に、キャビティを構成するキャビティ形成型を交換取付けし加熱する、または、各別に異なるキャビティを備える複数の射出成形機により、射出成形品を成形する必要がなくなるため、高効率、低コスト生産を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る射出成形金型の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。
図1、図2に示す射出成形金型1は、両者間にキャビティ4、5が各々独立して異なる形状で形成され、接近離間可能に設けられた可動型3及び固定型2と、キャビティ4、5内に溶融樹脂を供給する供給部80とを備え、可動型3は進退可能に支持された図示しない可動盤に取り付けられている。
【0013】
固定型2と可動型3の型開閉面における固定型2の表面(以下、表面という)には、2個の凹部が設けられ、該各凹部に、キャビティ形成型4a、5aがそれぞれ設けられている。この構成において、各キャビティ形成型4a、5aの前記表面には、前述したキャビティ4、5を形成するキャビティ形成部が、それぞれで異なる形状で設けられている。
【0014】
同様にして、前記型開閉面における可動型3の表面(以下、表面という)には、凹部が設けられ、該各凹部に、キャビティ形成型4b、5bが設けられている。この構成において、各キャビティ形成型4b、5bの前記表面には、固定型2に設けられたキャビティ形成部の、前記型開閉面に沿った方向に対する配設位置と対応して、キャビティ形成部が設けられている。以上の構成において、前記型閉じ状態になった際、形状が異なる2個のキャビティ4、5が各々独立に並列して形成される構成となっている。
【0015】
ここで、固定型2において、キャビティ形成型4a、5a同士の間の中央部には、固定型2の上端面に開口する空間8が設けられている。空間8は、固定型2の上端面に開口するとともに、下方に向かうに従い漸次縮径するテーパ形状に形成された開口部9と、開口部9の下端に連設された孔10と、孔10の下端に連設されるとともに、孔10より小径に形成された貫通孔11とを備え、これら開口部9、孔10、貫通孔11は、各々同軸に設けられた構成となっている。ここで、空間8には、貫通孔11に嵌合されるとともに、孔10の下端面に当接するスプルーブッシュ30が設けられている。
【0016】
スプルーブッシュ30は、図3、図4に示すように、円盤状のフランジ部31と、フランジ部31の中心軸Oと同軸に設けられフランジ部31より小径のシャフト部32とから構成されている。フランジ部31表面には、厚さ方向に対して、ザグリ孔33と、ザグリ孔33より小径の貫通孔34とが、中心軸Oを中心に等間隔で2個設けられ、ザグリ孔33の内周面は、フランジ部31の外周面に開口している。
【0017】
また、フランジ部31の表面には、厚さ方向に対して、中心軸Oを中心に、円弧状に凹となるノズル受け部35が設けられ、スプルーブッシュ30の内部には、中心軸Oを中心に、ノズル受け部35の底面から軸線O方向下方に向かうに従い漸次拡径するスプルー36が、シャフト部32の下端面に開口して設けられている。また、シャフト部32の下端部外周面において、各別に2個設けられたザグリ孔33及び貫通孔34のフランジ部31表面における配設中心O1同士の間の中央には、スプルー36と略垂直に連通する断面U字状の導入通路37が設けられている。
【0018】
以上の構成により、スプルーブッシュ30は、図1に示すように、固定型2に、フランジ部31表面が孔10の下端面と当接するとともに、シャフト部32が貫通孔11に嵌合され、フランジ部31表面に設けられたザグリ孔33及び貫通孔34にボルト38が嵌挿されるとともに、孔10の底面に設けられた雌ネジにねじ込まれることで保持された構成となっている。なお、本実施の形態においては、図1、図2に示すように、導入通路37は、キャビティ5に連通する後述する接続部ランナー61と連通した構成となっている。また、固定型2上端部に形成された空間8に成形機ノズル(図示しない)が配設されるとともに、この成形機ノズルの先端部が、スプルーブッシュ30に設けられたノズル受け部35と密接し、射出成形金型1に溶融樹脂を射出する構成となっている。
【0019】
ここで、図1に示すように、固定型2の下端面には、キャビティ形成型4a、5a同士の間に、固定側ランナー入れ子40が設けられている。また、可動型3の上端面には、キャビティ形成型4b、5b同士の間に、可動側ランナー入れ子50が設けられている。これらランナー入れ子40、50同士の間には、導入通路37と連通する第1のランナー39が設けられている。
【0020】
固定側ランナー入れ子40は、図5に示すように、直方体状に形成され、その表面の中央部には厚さ方向に対して貫通孔42が形成されている。また、固定側ランナー入れ子40の一方の表面には、図5に示すように、その略中央部に幅方向に渡って凸部43が設けられている。また、前記一方の表面において、幅方向中央部には、長手方向に延在して溝形状のランナー形成部41が設けられている。ランナー形成部41は、凸部43に配設され断面U字状に形成された固定側接続部ランナー形成部44と、凸部43非形成部に配設され断面略半円状に形成された固定側非接続部ランナー形成部45とから構成されている。この固定側ランナー入れ子40は、図1に示すように、貫通孔42に、スプルーブッシュ30のシャフト部32が嵌合されるとともに、前記一方の表面が前記型開閉面上に配設されるように固定型2に取付けられている。
【0021】
また、可動側ランナー入れ子50は、図6に示すように、直方体状に形成され、その表面の中央部には厚さ方向に対して貫通孔52が形成されている。可動側ランナー入れ子50の一方の表面には、長手方向両端部に幅方向に渡って凸部53が設けられている。この凸部53の表面において、幅方向中央部には、長手方向に延在して、断面略半円状の溝形状に形成された可動側非接続部ランナー形成部51が設けられている。この可動側ランナー入れ子50は、図1に示すように、貫通孔52が、スプルーブッシュ30に形成されたスプルー36と連通するとともに、前記一方の表面が、前記型開閉面上に配設されるように可動型3に取付けられ、固定型2と可動型3とが型閉じした際、スプルーブッシュ30の下端面と当接する構成となっている。
【0022】
以上の構成において、固定型2と可動型3とが型閉じした際、固定側ランナー入れ子40に設けられた凸部44が、可動側ランナー入れ子50の前記一方の表面において、凸部53非形成部と当接することにより、断面U字状の接続部ランナー61が形成される。すなわち、固定側ランナー入れ子40に断面U字状の溝形状に形成された固定側接続部ランナー形成部44を、可動側ランナー入れ子50の平坦に形成された凸部53非形成部により閉じることで、断面U字状の接続部ランナー61が形成される。
【0023】
また、この際、固定側ランナー入れ子40に設けられた固定側非接続部ランナー形成部45が、可動側ランナー入れ子50に設けられた凸部53と当接することにより、断面円形状の非接続部ランナー62が形成される。すなわち、固定側ランナー入れ子40に形成された固定側非接続部ランナー形成部45と、可動側ランナー入れ子50に形成された可動側非接続部ランナー形成部51とが、互いに閉じて断面円形状の非接続部ランナー62が形成される構成となっている。これにより、接続部ランナー61と、該ランナー61より小さい流路断面積の非接続部ランナー62とが互いに連通して形成され第1のランナー39が形成される構成となっている。
【0024】
ここで、キャビティ形成型4a、4b及び5a、5bの、前記各表面には、図1に示すように、型閉じした際、非接続部ランナー62と連通しこの流路断面形状と同形状の第2のランナー63と、該ランナー63及びキャビティ4、5と連通し第2のランナー63より小となる流路断面積を有するゲート64とが形成されるように溝部が形成されている。
以上の構成において、キャビティ4、5に溶融樹脂を供給する供給部80は、ノズル受け部35、スプルー36及び導入通路37を備えたスプルーブッシュ30と、ランナー39、63と、ゲート64とを備えた構成となっている。
【0025】
また、図1において、可動型3表面に設けられたキャビティ形成型4b、5bには、第2のランナー63の型開閉面に沿った配設位置に対して進退可能に設けられた第1のエジェクタピン70aが設けられている。さらに、可動側入れ子50に設けられた貫通孔52には、第2のエジェクタピン70bが型開閉面に対して進退可能に設けられている。すなわち、射出成形品成形後、可動型3が後退し型開きした際、第1のエジェクタピン70aが第2のランナー63に充填、成形された部分を、第2のエジェクタピン70bがスプルー36に充填、成形された部分を、各々型開閉面に対して前進し押圧することにより、射出成形品を脱型する構成となっている。
【0026】
以上のように構成された射出成形金型1により、射出成形品を成形する方法について説明する。
まず、可動盤2が前進し、キャビティ形成型4a、4b及び5a、5bが各々型閉じされると、形状、寸法等が各々で異なるキャビティ4、5が形成される。そして、スプルーブッシュ35上端面に設けられたノズル受け部35と密接して設けられた図示しない成形機ノズルから溶融樹脂を射出し、スプルー36、導入通路37、第1のランナー39、第2のランナー63、ゲート64を順次通過し、キャビティ5に溶融樹脂が射出される。
【0027】
そして、キャビティ5に充填された溶融樹脂が硬化し、射出成形品が成形された後、可動型2を後退させ、キャビティ4、5を型開きした後、エジェクタピン70a、70bを型開閉面に対して前進させる。この際、射出成形品のうち、第2のランナー63及びスプルー36に配設された部分をエジェクタピン70a及び70bで各々押圧することにより、射出成形品を脱型する。そして、前述した動作を、所定の回数繰返して、キャビティ5により一の射出成形品を所定の個数成形する。
【0028】
その後、ノズル受け部35から図示しない成形機ノズルを引き離した後、スプルーブッシュ30を固定型2に保持しているボルト38を取り外し、スプルーブッシュ30を180°軸線O回りに回転させ、導入通路37をキャビティ4に至る第1のランナー39と連通させる。そして、前述と同様にして、キャビティ4、5を各々形成した後、溶融樹脂をキャビティ4内に射出し、他の射出成形品を成形した後、これをエジェクタピン70a、70bにより脱型する。そして、この動作を、所定の回数繰返し、キャビティ5により他の射出成形品を所定の個数成形する。
【0029】
以上説明したように、本実施形態による射出成形金型によれば、スプルーブッシュ30が、各キャビティ4、5に対し選択的に溶融樹脂を供給できる導入通路37を備えているため、同一の射出成形金型1で、形状等が異なる複数種の射出成形品を高効率、低コストで生産できる。すなわち、導入通路37により、異種の射出成形品を成形する度に、キャビティ形成型4a、4b、5a、5bを交換取付けし加熱する、または、各別に異なるキャビティ4、5を備える複数の射出成形機により、射出成形品を成形する必要がなく、スプルーブッシュ37を軸線O回りに回転させるだけでよいため、高効率、低コスト生産を実現することができる。
【0030】
また、第1のランナー39において、スプルー36との接続部における接続部ランナー61の流路断面積は、第1のランナー39を構成する非接続部ランナー62の流路断面積より大となる関係を有し形成されているため、溶融樹脂のスプルー36からキャビティ4、5への流入を滑らかにし、キャビティ4、5内への溶融樹脂の充填不良を抑制するとともに、溶融状態が略均一な溶融樹脂をキャビティ4、5内に供給することができる。これにより、製造上の不具合を発生させることなく前述した効果を実現できる。
【0031】
すなわち、前述した実施の形態においては、スプルーブッシュ30と、ランナー入れ子40、50とは別部品となる構成であるため、スプルー36から第1のランナー39に達した溶融樹脂は、その接続部において流れに乱れが生じる。さらに、この接続部においては、溶融樹脂の流れ方向が急激に変化することと相俟って、溶融樹脂の流速は急激に低下する。
【0032】
また、溶融樹脂は、スプルーブッシュ30及びランナー入れ子40、50より高温であるため、前述した溶融樹脂の流速低下と相俟って、スプルー36と第1のランナー39との接続部における内周面に当接する溶融樹脂は硬化し易い。しかし、接続部ランナー61の流路断面積を、非接続部ランナー62の流路断面積より大となる関係で形成しているため、前記硬化を、接続部ランナー62の内壁面周縁部にのみ発生させ、この内部を流れる溶融樹脂を前記接続部を除く部分に供給し、更には、キャビティ内に供給することができる。これにより、キャビティ4、5内には、未硬化の溶融状態が良好な溶融樹脂のみを供給することができる。
また、流路断面積の増加を接続部ランナー61にのみ限定的に施しているため、溶融樹脂の無駄な使用を最小限に抑制することもできる。
【0033】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本実施の形態においては、形状等が異なる2個のキャビティ4、5を設け、スプルーブッシュ30の先端部外周面に1個の導入通路37を設けた構成のものを示したが、金型に各別に4個のキャビティを形成し、2個毎で形状等が異なる構成とするとともに、スプルーブッシュ30の中心軸O回りに、同一の形状等のキャビティを180°毎に配設し、スプルーブッシュ30のシャフト部32の先端部外周面に、中心軸Oを境に互いに対向する位置に2箇所導入通路37を設けた構成としてもよい。この場合、スプルーブッシュ30を90°回転する毎に、同一の形状等で形成された2つのキャビティにのみ限定して溶融樹脂を供給することができ、前述と同様の効果を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る射出成形金型によれば、スプルーブッシュが、各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を供給できる開閉機構を備えているため、同一の金型で、形状等が異なる複数種の射出成形品を高効率、低コストで生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態において、射出成形金型を示す断面図である。
【図2】図1のX1−X1線矢視図である。
【図3】スプルーブッシュを示す側面図である。
【図4】図3の上端面における平面図及び下端面における平面図である。
【図5】固定側ランナー入れ子を示す長手方向の断面図、該断面図のX2−X2線矢視断面図及びX3−X3線矢視断面図である。
【図6】可動側ランナー入れ子を示す長手方向の断面図及び該断面図のX4−X4線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形金型
2 固定型
3 可動型
4、5 キャビティ
30 スプルーブッシュ
36 スプルー
37 導入通路(開閉機構)
39、63 ランナー
80 供給部

Claims (3)

  1. 両者間にキャビティが形成され接近離間可能に設けられた一対の金型と、前記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部とを備え、
    前記キャビティは、前記一対の金型の型開閉面内に各々独立して複数設けられ、
    前記供給部は、前記各キャビティに各別に連通するランナーと、該ランナーと連通するスプルーが形成されたスプルーブッシュとを備えた射出成形金型であって、
    前記スプルーブッシュは、前記各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を供給できる開閉機構を備えていることを特徴とする射出成形金型。
  2. 請求項1記載の射出成形金型において、
    前記スプルーと前記ランナーとの接続部における流路断面積は、前記ランナーの前記接続部を除く流路断面積より大となる関係を有し形成されていることを特徴とする射出成形金型。
  3. 接近離間可能に設けられた金型間に、各々独立して複数形成されたキャビティ内に、溶融樹脂を供給し射出成形品を成形する射出成形品の製造方法であって、
    前記キャビティ内に溶融樹脂を供給するに際し、前記各キャビティに対し選択的に溶融樹脂を供給することを特徴とする射出成形品の製造方法。
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KR20170006594A (ko) * 2015-07-08 2017-01-18 (주)프로이노텍 사출 성형 테스트용 수지공급장치 및 이를 구비하는 사출 성형장치
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