JP2004148555A - 画像記録方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LDファイバーアレイ方式の露光系において、複数チャンネル間における光量バラツキを抑えて、画像の濃度むらをなくす。
【解決手段】複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録方法であって、高周波信号が重畳された駆動信号により、前記レーザーダイオードを駆動し、前記高周波信号が重畳された駆動信号により駆動された前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、前記検出した光量を基にして前記レーザーダイオードの光量調整を行う。
【選択図】図2
【解決手段】複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録方法であって、高周波信号が重畳された駆動信号により、前記レーザーダイオードを駆動し、前記高周波信号が重畳された駆動信号により駆動された前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、前記検出した光量を基にして前記レーザーダイオードの光量調整を行う。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録方法及び装置に係り、特に、光ファイバーアレイを光源に用いた画像記録技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷の分野においては、PS版(Presensitized Plate)を用いた平板製版が広く行われている。例えば、カラー印刷の場合、カラー画像をスキャナでR(レッド)、G(グリーン)及びB(ブルー)の3色に分解して読み取り、これらの3色の画像信号をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(墨)の4色の色分解網点信号に変換し、得られた各色の色分解網点信号に基づいて変調された光ビームを用いて各色毎にリスフィルムと呼ばれる感光材料に露光焼き付けして、各色のリスフィルムを得、各色毎に得られたリスフィルムを用いてPS版に各色の網点画像を露光焼き付けして、平板印刷用のC、M、Y、Kの4色の刷版を製版している。
【0003】
これに対し、近年では、製版工程の簡素化や製版時間の短縮化のために、リスフィルムを介さずに、スキャナシステムで得られたC、M、Y、Kの4色の色分解網点信号を用いてレーザビーム等の光ビームによって直接PS版に描画して刷版を製版するCTP(Computer to Plate)が行われるようになってきている。
【0004】
一方、印刷画像の高品質化、高精細化のために、記録密度を2400dpi さらに3600dpi さらには5000dpi まで高密度化することが求められている。このような高密度化が求められる中で、製版時間の短縮化が求められている。なお、高密度の描画を短時間で行う要求は、印刷分野に限られず、多くの画像記録分野でも存在する。
【0005】
このとき、1本の光ビームでの高密度描画を行う装置は、PS版を装着して主走査回転させるドラムの回転数を10000rpm以上の高速回転にする必要があるため、構造的にも制御的にも、コスト的にも実現することは難しい。そこで、複数本の光ビームで複数ラインを同時に露光記録することにより露光記録時間を短縮するマルチビーム露光装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
このような、マルチビーム露光装置は、所定数が並べられた各ファイバーカップルドLD(FCLD)から射出された光を光ファイバーで露光ヘッドに誘導し、露光ヘッドにおいて光ファイバーの出射端面を主走査方向と直交する副走査方向(ドラム回転軸方向)に並べて配置したファイバーアレイから出射した光を結像光学系により、回転ドラム上に保持された記録材料上に結像し、露光ヘッドを副走査方向に移動しつつ、画像記録を行うものである。
【0007】
従来このようなファイバーアレイを用いたマルチビーム露光装置においては、複数の各光源間で光量を均一にして、光量むらに起因する画像むらを回避するために、露光前に各光源の光量調整を行っていた。
従来の光量調整は、光学系を静止して、光源を定常的に発光させた状態(CW光、Continuous Wave)で記録面上相当の光量をモニタして、検出した光量により、記録面上の光量が一定値となるように光量調整を行っていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−305449号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のファイバー露光系においては、実際に露光している場合には、露光ヘッドが副走査移動し、これに伴い光ファイバーが動いたり、環境温度も変化することにより、上述したように、各チャンネル間での光量を一定に設定するように露光前に光量調整を行っていても、露光中においては、光ファイバーまたは伝播光の状態が変化するため、露光中の光量は、光量調整時の設定光量とは実際には異なり、各チャンネル間の光量のバラツキ(光量むら)により、画像むらが発生するという問題がある。
【0010】
すなわち、図4に、1つのチャンネルについての光量(光パワー)の変動を示すように、光ファイバーの状態(位置や温度等)の変化と共に、記録材料上の光量Pexが変化する。この光量Pexの光量変動量をδPexとする。従来は連続点灯のCW光で光量モニタし光量調整しているため、図4に示すように、光量調整時は、光量は一定値であり、この光パワー検出値を光量設定値Pm として設定する。これは実際には、光量目標値Pt とはずれている場合があり、この光量調整誤差をΔPm−t とする。
【0011】
しかし、実際の露光時には、光ファイバーの状態が変化して、図4に示すように、光量は大きく変動する。図4は、極端な場合を示したものであり、つねにこのように変動するのではなく、光量設定値Pm 付近を中心として上下に振れて変動する場合もある。
この露光中の光量変動の平均を露光中平均光量Pex−av とする。また、この光量変動の変動幅を光量変動量δPexとする。また、露光時の実際の露光量の平均である露光中平均光量Pex−av と前記光量設定値Pm との差が光量設定誤差ΔPm−exとなる。このように、ファイバーアレイの各チャンネルの光量値を一定に設定するための光量調整を行っても、光量調整時の光量モニタの位置に応じた光量変動の影響をうけるため、光量設定値Pm は、露光中平均光量Pex−av に対して等しいとは限らず、光量設定誤差ΔPm−exだけの差が生じている。
また、この光量設定誤差ΔPm−exのとり得る値の範囲は、図4より、およそ、−δPex/2≦ΔPm−ex≦δPex/2である。
【0012】
また、複数のチャンネルで同時に露光するファイバーアレイ方式では、上記光量設定誤差ΔPm−exがチャンネルごとに異なっている。図5に、例えば2つのチャンネルchN及びchN’についての光量変動を示す。図5の上側のグラフがchNの光量変動を表し、下側のグラフがchN’の光量変動を表す。
図5は、chNとchN’の間の露光中平均光量ch(チャンネル)間バラツキΔPchが最大(最悪値)となる場合を示したものである。chNの露光中の光量変動は、その光量調整時における設定値よりも大きい値で振動しており、また、chN’の露光中の光量変動は、その光量調整時における設定値よりも小さい値で振動している。
【0013】
このとき、ch間の光量設定値誤差バラツキをΔPm とし、chN及びchN’の光量設定誤差をいずれもΔPm−exで表すと、露光中平均光量ch間バラツキ最悪値maxΔPchは、maxΔPch=2×maxΔPm−ex+maxΔPm で表される。このような、ch間の光量バラツキは、アレイ露光の一束(swath;スワス)中の固定的な光量ローカリティとなり、これが画像上むらとなって現れるという問題がある。
【0014】
特に、高品位な印刷版のデジタル露光で求められる2400dpi の画像を、50〜100ch(チャンネル)のアレイで露光すると、むらの空間的な周期が1mm程度となり、視認されやすい周期となるため、画像むらが視認されやすくなるという問題がある。
【0015】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、LDファイバーアレイ方式の露光系において、複数チャンネル間における光量むらを抑えて、画像の濃度むらをなくし、良好な画像品質を得ることのできる画像記録方法及び装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録方法であって、高周波信号が重畳された駆動信号により、前記レーザーダイオードを駆動し、前記高周波信号が重畳された駆動信号により駆動された前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、前記検出した光量を基にして前記レーザーダイオードの光量調整を行うことを特徴とする画像記録方法を提供する。
【0017】
また同様に前記課題を解決するために、本発明の第二の態様は、複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録装置であって、前記レーザーダイオードの光量を調整する光量調整手段と、前記レーザーダイオードを駆動する光源駆動手段と、前記レーザーダイオードを駆動する駆動信号に高周波信号を重畳する高周波信号重畳手段と、前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出する光量検出手段と、を有し、前記レーザーダイオードを、高周波信号の重畳された駆動信号で駆動しながら、前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、該検出された光量に基づいて前記レーザーダイオードの光量を調整することを特徴とする画像記録装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像記録方法及び装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る画像記録装置の一実施形態を模式的に示す概略斜視図である。
図1に示す画像記録装置10は、副走査方向に所定の間隔を空けて配置される所定数のマルチビームを射出する光源部12と、所定数のマルチビームによって露光記録される記録材料Aを主走査する主走査部14と、光源部12から射出される所定数のマルチビームを主走査部14の記録材料A上に結像する結像光学系16とを有する。
【0020】
また、図1において、光源部12は、所定数(i本)のマルチビームを、それぞれ射出するLD(レーザーダイオード)等の半導体レーザ(図示せず)を含む、所定数(i個)の半導体レーザ/ファイバー結合ユニット(以下、単にLD/ファイバー結合ユニットという。)20a、20b、・・・、20iと、これらの各LD/ファイバー結合ユニット20(20a〜20i)において、それぞれその入射端面が結合されている所定長の光ファイバー22a、22b、・・・、22iと、これらのLD/ファイバー結合ユニット20a〜20iをそれぞれ固定し、各々のLD/ファイバー結合ユニット20a〜20iを所定温度に保持するためのヒートシンク24とを備えている。
【0021】
また、光源部12は、さらに、光ファイバー22a〜22iをその途中で支持板27に束ねたコネクタアレイ28と、光ファイバー22a〜22iの出射端面から射出される所定数のマルチビームが記録材料A上で副走査方向に所定間隔を空けて配置されるように、光ファイバー22a〜22iの出射端面を副走査方向に所定間隔を空けて支持板29に配置したファイバーアレイ30とを有する。
【0022】
ここで、各LD/ファイバー結合ユニット20は、それぞれ図示しない半導体レーザ(以下、単にLDとする。)と各光ファイバー22(22a〜22i)とを結合するもので、LDとこのLDが射出するレーザビームを各光ファイバー22の入射端面のコアに結像するレンズ(図示せず)と各光ファイバー22の結合部からなる。
【0023】
図示例の光源部12は、LD結合光ファイバーアレイ方式であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、マルチビームを射出することができる光ビーム射出光源であればどのようなものでもよく、マルチモード光ファイバーアレイやシングルモード光ファイバーアレイ等の光ファイバーアレイ、モノリシックLDアレイ、LDアレイ等を含め、ファイバーカップルされたマルチビーム露光系を用いることができる。
【0024】
また、本発明のLD/ファイバー結合ユニット20に用いられるLDとしては、特に制限的ではなく、シングルモードLD、マルチモードLDでも、ブロードエリアLDでもよく、公知のLDを用いることができる。また、LD自体にコリメータレンズやアパーチャを有するものであってもよい。また、光ファイバ22も、特に制限的ではなく、十分に光を誘導できればできるだけ細い方がファイバーアレイ30での光ファイバー22の配置を近接できるので好ましい。このときでも、コア径は光ファイバー22の全径に対してできるだけ太い方がよい。また、LD/ファイバー結合ユニット20を載置するヒートシンク24も、特に制限的ではなく、例えば、アルミニウム板等の金属板やペルチェ冷却素子等を用いることができる。また、コネクタアレイ28の支持板27やファイバーアレイ30の支持板29にも特に制限はなく、公知の支持板を用いることができる。
【0025】
主走査部14は、いわゆるアウタードラム方式の露光記録を行うためのもので、その外周面にPS版等の記録材料Aを装着して主走査方向に回転するドラム32と、このドラム32を回転駆動する駆動源(図示せず)とを有している。
また、副走査機構36は、少なくとも結像光学系16を含む結像ユニット34とドラム32とを、主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動させるものである。
ここで、図1に示すように、結像ユニット34をドラム32に対して副走査方向に移動させる場合には、結像ユニット34としては、少なくとも光源部12のファイバーアレイ30及び結像光学系16を一体化して、1つの移動支持台33に固定するのが好ましい。
【0026】
このとき、副走査機構36は、ドラム32の回転軸に平行な矢印cで示す方向(副走査方向)に延在する線状突起33a及び雌ねじ部33bを持ち、結像ユニット34を一体化して固定する移動支持台33と、移動支持台33の雌ねじ部33bと螺合するボールネジ(駆動ねじ)35と、移動支持台33の線状突起33aと嵌合する、矢印cで示す副走査方向に延在する溝37aを持ち、ボールねじ35の回転によって移動支持台33を移動可能に支持する基台37とを備える。ここで、移動支持台33の線状突起33a及びこれと嵌合する基台37の溝37aの形状は、図示例の三角形に限定されず、どのような形状でもよいし、移動手段もボールねじ35と螺合する雌ねじ部33bを持つ移動支持台(トラベリングナット)33に限定されず、移動支持台を平行移動させることができるものであれば、どのようなものでもよい。
【0027】
主走査部14において用いられる記録材料Aは、特に限定されるものではなく、例えばPS版のようにフォトンモード等の中程度のパワーを持つレーザによる露光記録、露光現像によって露光部が光化学反応してポリマー硬化させる等の現象を生じてインク受容性または水受容性となる感光性材料やヒートモード等の比較的大パワーのレーザでの露光による熱エネルギーによって露光部がインク受容性または水受容性となる感光性材料や感熱性材料や熱アブレーション材料等の製版材料を始めとして、画像記録用の感光性材料、感光・感熱性材料、感光性熱現像材料、感熱性材料、熱アブレーション材料等のフォトンモードまたはヒートモードの光ビームによって画像を潜像または顕像として記録可能な公知の記録材料はいずれも使用可能である。なお、ドラム32自体が感光体ドラムであってもよい。
【0028】
結像光学系16は、光源部12から射出されたマルチビームを最終的に所定のスポットサイズで結像する縮小光学系であって、ファイバーアレイ30の光の進行方向下流側に配置され、ファイバーアレイ30の全ての光ビームに作用してコリメート光(平行光)とするコリメータレンズ38と、このコリメータレンズ38とドラム32の外周の記録材料Aとの間に配置され、主走査部14の記録材料A上に光ビームを結像する結像レンズ40とを備えている。
なお、結像光学系16は、図示例のものに限定されず、光源部12から射出されたマルチビームを最終的に所定のスポットサイズで結像できる縮小光学系であれば、どのようなものでもよい。例えば、複数段の縮小光学系を備えてもよい。
【0029】
本発明は、光量調整時の検出光量が露光中の平均光量と等しくなるように、LD駆動信号(LDドライブ信号)に高周波信号を重畳してLD光源を駆動して、光量をモニタし、LD光源の光量調整を行うものである。
そのために、本実施形態の画像記録装置10は、以上説明した構成の他に、以下説明するような、上記光量調整を行うための構成を備えている。
【0030】
すなわち、まず光源部12(LD光源)から出力された光ビームの光量をモニタするために、結像レンズ40とドラム32(記録材料A)との間の光ビームの光路中に進退自在に挿入可能な光量検出手段42、及びこの光量検出手段42を前記光路中に進退自在に挿入させる移動手段44が設けられている。
光量検出手段42は、記録材料A上に照射される光ビームの光量を検出するもので、特に限定はされず、フォトダイオード等の光センサが好適に例示される。
【0031】
また、移動手段44も、光量検出手段42を前記光路中に進退自在に挿入させることができるものであればどのようなものでもよい。例えば、移動支持台33上に支点を有し、この支点にその中央部を回動可能に支持されたバーの一方の端に光量検出手段42を設置し、バーの他方の端を付勢して、バーを支点の回りに回動させることによって光量検出手段42を移動させるようにするものであってもよいし、もちろんその他の移動機構でもよい。
通常は、光量検出手段42は、露光記録に支障のない位置に退避しており、光量調整時にのみ光路中に挿入される。また、光量検出手段42がドラム32の横に配置されており、光量モニタ時には露光ヘッドがその位置まで移動するような構成としてもよい。
【0032】
また、画像記録装置10は、光量検出手段42によって検出された検出信号を受けて、光量(パワー)の少ないLD光源(チャンネル)に対して、そのドライブ電流を増加させるように制御する光量調整手段46、及び光量調整手段46から指示を受けて、実際に各LD/ファイバー結合ユニット20(20a〜20i)(LD光源)を駆動する光源駆動手段48を備えている。
さらに、本発明の特徴である、高周波信号を前記ドライブ信号に重畳するための高周波信号重畳手段50が設けられている。
【0033】
以下、本実施形態の作用について説明する。
上述したように、本実施形態は、光量調整時の検出光量が露光中の平均光量と等しくなるように、LD駆動信号(LDドライブ信号)に高周波信号を重畳してLD光源を駆動して、光量をモニタし、LD光源の光量調整を行うものである。このようにするのは、従来方法において、露光中の光量にチャンネル間バラツキが生じるのは、光量調整時の検出光量が露光のために副走査している際の光ファイバーの状態が変化している場合の平均光量と異なっていたためであり、この点を改善して、光量調整時の検出光量が露光中の平均光量と等しくなるようにするためである。
【0034】
このように、本実施形態の光量調整方法におけるポイントは、光量調整時の光出力を露光時と同様に十分に変動させ、光ファイバーの状態が変化しているのと同じ状態を擬制し、その平均値を求めることにより、露光時の平均光量を導出するという点にある。そして、特に、光量調整時の光出力を変動させる方法として、電気的な方法である「高周波信号の重畳」を適用したものである。
【0035】
以下、図2のフローチャートに沿って、本実施形態の光量調整方法の作用を説明する。
まず、ステップ100において、定常的なLDドライブ電流IA (LDドライブ信号)に対して、高周波ドライブ電流IHF(高周波ドライブ信号)を重畳した、LDドライブ電流IA +IHFを、高周波信号重畳手段50から光源駆動手段48を通じてLD光源に印加して、これでLD光源を駆動する。
【0036】
ここで重畳する高周波信号としては、周波数は、記録の1画素の画像周波数の1/10程度、または、10MHz程度以上が好ましく、振幅としては、記録パワーの1/10程度が好ましい。
このように、光量調整時のLDドライブ信号に高周波信号を重畳することにより、以下のような効果がある。
まず、すなわち、定常的に流していたLDドライブ電流に、高周波信号電流が重畳されることにより、LD光源の発光量が変動し、LD光源の出力波長パターンが高速に変動する。ファイバーアレイ30から射出した光のレンズ38上の光量分布(FFP)が高速に変動する。
次に、結像レンズ40から記録材料Aに向けて出力される光ビームのファーフィールドパターン(FFP)の分布が高速に変動する。
【0037】
次にステップ110において、移動手段44により光量検出手段42を結像レンズ40とドラム32(記録材料A)との間の光ビームの光路中に挿入して、光量をモニタする。そして、検出された光信号の時間平均値(平均光パワー)PA を算出する。このとき、光量検出手段42の応答性を適当に設定することにより、時間平均値を検出するようにしてもよい。
なお、このとき、光量調整時のLDドライブ信号に高周波信号を重畳することにより、光量検出手段42で検出される光量が変動するが、この変動は、実は、露光時の副走査移動により光ファイバーの状態が変化することによる変動に、変動幅として等しいものになる。
【0038】
次にステップ120において、今度は異なる定常的なLDドライブ電流IB (LDドライブ信号)に対して、高周波ドライブ電流IHF(高周波ドライブ信号)を重畳した、LDドライブ電流IB +IHFを、高周波信号重畳手段50から光源駆動手段48を通じてLD光源に印加して、これでLD光源を駆動する。
次にステップ130において、上と同様にして、光量検出手段42により、光量をモニタし、検出された光信号の時間平均値(平均光パワー)PB を算出する。
【0039】
そして、ステップ140において、上で求めた電流値と光量との組み合わせ(IA ,PA )と(IB ,PB )を基にして、目標光量Pt に対応する駆動電流It を算出する。
これは、図3に電流値Iと光量Pとの関係を示すように、電流値と光量には直線的な関係があることから、次の式(1)のように比例関係を利用して求めることができる。
It =IA +(IB −IA )・(Pt −PA )/(PB −PA )・・・(1)
【0040】
上記式(1)を用いて、電流値と光量との組み合わせ(IA ,PA )と(IB ,PB )に基づいて算出された駆動電流It によりLD光源(LD/ファイバー結合ユニット20)を駆動する。
すなわち、上記操作を全てのチャンネルに対して実施し、全チャンネルのドライブ電流を決定する。決定されたドライブ電流は、記憶手段(図示せず)に記憶しておき、実際の露光時に、記憶手段から光源駆動手段48にそのデータを送り、上で決定された駆動電流でLD光源を駆動する。
上のように算出された駆動電流It は、露光時に副走査していることによる光ファイバーの状態の変化を考慮して決定された値であり、これにより露光時平均光量のチャンネル間バラツキを抑制することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、LDファイバーアレイ方式の露光系において、LD駆動信号(LDドライブ電流)に高周波信号(高周波ドライブ電流)を重畳してLD光源を駆動して光量調整するようにしたため、副走査移動に伴う、露光時の平均光量に近い値を露光前の光量調整時に検出することができ、露光時平均光量の各チャンネル間のバラツキを抑制することができる。
これにより、1スワス内の光量ローカリティを抑えることができ、濃度むらのない良好な画像品質を得ることができる。
【0042】
なお、上の例では、図1のようにファイバーカップルドLDのアウタードラム露光系を用いて説明したが、本発明は、アウタードラム露光系に限定されるものではなく、フラットベッド系あるいはインナードラム露光系においても好適に適用可能である。
【0043】
以上、本発明の画像記録方法及び装置について、詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明した通り、本発明によれば、LDファイバーアレイ方式の露光系において、LD駆動信号に高周波信号を重畳してLD光源を駆動して光量調整するようにしたため、副走査移動に伴う、露光時の平均光量に近い値を露光前の光量調整時に検出することができ、露光時平均光量の各チャンネル間のバラツキを抑制することができ、濃度むらのない良好な画像品質を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の一実施形態を模式的に示す概略斜視図である。
【図2】本実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図3】LD駆動電流と平均光パワーの関係を示す線図である。
【図4】1つのチャンネルについての光量(光パワー)の変動を示す線図である。
【図5】2つの異なるチャンネルについての光量(光パワー)の変動を示す線図である。
【符号の説明】
A 記録材料
10 画像記録装置
12 光源部
14 主走査部
16 結像光学系
20(20a〜20i) LD/ファイバー結合ユニット
22(22a〜22i) 光ファイバー
24 ヒートシンク
27、29 支持板
28 コネクタアレイ
30 ファイバーアレイ
32 ドラム
33 移動支持台
33a 線状突起
33b 雌ねじ部
34 結像ユニット
35 ボールねじ
36 副走査機構
37 基台
37a 溝
38 コリメータレンズ
40 結像レンズ
42 光量検出手段
44 移動手段
46 光量調整手段
48 光源駆動手段
50 高周波信号重畳手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録方法及び装置に係り、特に、光ファイバーアレイを光源に用いた画像記録技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷の分野においては、PS版(Presensitized Plate)を用いた平板製版が広く行われている。例えば、カラー印刷の場合、カラー画像をスキャナでR(レッド)、G(グリーン)及びB(ブルー)の3色に分解して読み取り、これらの3色の画像信号をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(墨)の4色の色分解網点信号に変換し、得られた各色の色分解網点信号に基づいて変調された光ビームを用いて各色毎にリスフィルムと呼ばれる感光材料に露光焼き付けして、各色のリスフィルムを得、各色毎に得られたリスフィルムを用いてPS版に各色の網点画像を露光焼き付けして、平板印刷用のC、M、Y、Kの4色の刷版を製版している。
【0003】
これに対し、近年では、製版工程の簡素化や製版時間の短縮化のために、リスフィルムを介さずに、スキャナシステムで得られたC、M、Y、Kの4色の色分解網点信号を用いてレーザビーム等の光ビームによって直接PS版に描画して刷版を製版するCTP(Computer to Plate)が行われるようになってきている。
【0004】
一方、印刷画像の高品質化、高精細化のために、記録密度を2400dpi さらに3600dpi さらには5000dpi まで高密度化することが求められている。このような高密度化が求められる中で、製版時間の短縮化が求められている。なお、高密度の描画を短時間で行う要求は、印刷分野に限られず、多くの画像記録分野でも存在する。
【0005】
このとき、1本の光ビームでの高密度描画を行う装置は、PS版を装着して主走査回転させるドラムの回転数を10000rpm以上の高速回転にする必要があるため、構造的にも制御的にも、コスト的にも実現することは難しい。そこで、複数本の光ビームで複数ラインを同時に露光記録することにより露光記録時間を短縮するマルチビーム露光装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
このような、マルチビーム露光装置は、所定数が並べられた各ファイバーカップルドLD(FCLD)から射出された光を光ファイバーで露光ヘッドに誘導し、露光ヘッドにおいて光ファイバーの出射端面を主走査方向と直交する副走査方向(ドラム回転軸方向)に並べて配置したファイバーアレイから出射した光を結像光学系により、回転ドラム上に保持された記録材料上に結像し、露光ヘッドを副走査方向に移動しつつ、画像記録を行うものである。
【0007】
従来このようなファイバーアレイを用いたマルチビーム露光装置においては、複数の各光源間で光量を均一にして、光量むらに起因する画像むらを回避するために、露光前に各光源の光量調整を行っていた。
従来の光量調整は、光学系を静止して、光源を定常的に発光させた状態(CW光、Continuous Wave)で記録面上相当の光量をモニタして、検出した光量により、記録面上の光量が一定値となるように光量調整を行っていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−305449号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のファイバー露光系においては、実際に露光している場合には、露光ヘッドが副走査移動し、これに伴い光ファイバーが動いたり、環境温度も変化することにより、上述したように、各チャンネル間での光量を一定に設定するように露光前に光量調整を行っていても、露光中においては、光ファイバーまたは伝播光の状態が変化するため、露光中の光量は、光量調整時の設定光量とは実際には異なり、各チャンネル間の光量のバラツキ(光量むら)により、画像むらが発生するという問題がある。
【0010】
すなわち、図4に、1つのチャンネルについての光量(光パワー)の変動を示すように、光ファイバーの状態(位置や温度等)の変化と共に、記録材料上の光量Pexが変化する。この光量Pexの光量変動量をδPexとする。従来は連続点灯のCW光で光量モニタし光量調整しているため、図4に示すように、光量調整時は、光量は一定値であり、この光パワー検出値を光量設定値Pm として設定する。これは実際には、光量目標値Pt とはずれている場合があり、この光量調整誤差をΔPm−t とする。
【0011】
しかし、実際の露光時には、光ファイバーの状態が変化して、図4に示すように、光量は大きく変動する。図4は、極端な場合を示したものであり、つねにこのように変動するのではなく、光量設定値Pm 付近を中心として上下に振れて変動する場合もある。
この露光中の光量変動の平均を露光中平均光量Pex−av とする。また、この光量変動の変動幅を光量変動量δPexとする。また、露光時の実際の露光量の平均である露光中平均光量Pex−av と前記光量設定値Pm との差が光量設定誤差ΔPm−exとなる。このように、ファイバーアレイの各チャンネルの光量値を一定に設定するための光量調整を行っても、光量調整時の光量モニタの位置に応じた光量変動の影響をうけるため、光量設定値Pm は、露光中平均光量Pex−av に対して等しいとは限らず、光量設定誤差ΔPm−exだけの差が生じている。
また、この光量設定誤差ΔPm−exのとり得る値の範囲は、図4より、およそ、−δPex/2≦ΔPm−ex≦δPex/2である。
【0012】
また、複数のチャンネルで同時に露光するファイバーアレイ方式では、上記光量設定誤差ΔPm−exがチャンネルごとに異なっている。図5に、例えば2つのチャンネルchN及びchN’についての光量変動を示す。図5の上側のグラフがchNの光量変動を表し、下側のグラフがchN’の光量変動を表す。
図5は、chNとchN’の間の露光中平均光量ch(チャンネル)間バラツキΔPchが最大(最悪値)となる場合を示したものである。chNの露光中の光量変動は、その光量調整時における設定値よりも大きい値で振動しており、また、chN’の露光中の光量変動は、その光量調整時における設定値よりも小さい値で振動している。
【0013】
このとき、ch間の光量設定値誤差バラツキをΔPm とし、chN及びchN’の光量設定誤差をいずれもΔPm−exで表すと、露光中平均光量ch間バラツキ最悪値maxΔPchは、maxΔPch=2×maxΔPm−ex+maxΔPm で表される。このような、ch間の光量バラツキは、アレイ露光の一束(swath;スワス)中の固定的な光量ローカリティとなり、これが画像上むらとなって現れるという問題がある。
【0014】
特に、高品位な印刷版のデジタル露光で求められる2400dpi の画像を、50〜100ch(チャンネル)のアレイで露光すると、むらの空間的な周期が1mm程度となり、視認されやすい周期となるため、画像むらが視認されやすくなるという問題がある。
【0015】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、LDファイバーアレイ方式の露光系において、複数チャンネル間における光量むらを抑えて、画像の濃度むらをなくし、良好な画像品質を得ることのできる画像記録方法及び装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録方法であって、高周波信号が重畳された駆動信号により、前記レーザーダイオードを駆動し、前記高周波信号が重畳された駆動信号により駆動された前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、前記検出した光量を基にして前記レーザーダイオードの光量調整を行うことを特徴とする画像記録方法を提供する。
【0017】
また同様に前記課題を解決するために、本発明の第二の態様は、複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録装置であって、前記レーザーダイオードの光量を調整する光量調整手段と、前記レーザーダイオードを駆動する光源駆動手段と、前記レーザーダイオードを駆動する駆動信号に高周波信号を重畳する高周波信号重畳手段と、前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出する光量検出手段と、を有し、前記レーザーダイオードを、高周波信号の重畳された駆動信号で駆動しながら、前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、該検出された光量に基づいて前記レーザーダイオードの光量を調整することを特徴とする画像記録装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像記録方法及び装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る画像記録装置の一実施形態を模式的に示す概略斜視図である。
図1に示す画像記録装置10は、副走査方向に所定の間隔を空けて配置される所定数のマルチビームを射出する光源部12と、所定数のマルチビームによって露光記録される記録材料Aを主走査する主走査部14と、光源部12から射出される所定数のマルチビームを主走査部14の記録材料A上に結像する結像光学系16とを有する。
【0020】
また、図1において、光源部12は、所定数(i本)のマルチビームを、それぞれ射出するLD(レーザーダイオード)等の半導体レーザ(図示せず)を含む、所定数(i個)の半導体レーザ/ファイバー結合ユニット(以下、単にLD/ファイバー結合ユニットという。)20a、20b、・・・、20iと、これらの各LD/ファイバー結合ユニット20(20a〜20i)において、それぞれその入射端面が結合されている所定長の光ファイバー22a、22b、・・・、22iと、これらのLD/ファイバー結合ユニット20a〜20iをそれぞれ固定し、各々のLD/ファイバー結合ユニット20a〜20iを所定温度に保持するためのヒートシンク24とを備えている。
【0021】
また、光源部12は、さらに、光ファイバー22a〜22iをその途中で支持板27に束ねたコネクタアレイ28と、光ファイバー22a〜22iの出射端面から射出される所定数のマルチビームが記録材料A上で副走査方向に所定間隔を空けて配置されるように、光ファイバー22a〜22iの出射端面を副走査方向に所定間隔を空けて支持板29に配置したファイバーアレイ30とを有する。
【0022】
ここで、各LD/ファイバー結合ユニット20は、それぞれ図示しない半導体レーザ(以下、単にLDとする。)と各光ファイバー22(22a〜22i)とを結合するもので、LDとこのLDが射出するレーザビームを各光ファイバー22の入射端面のコアに結像するレンズ(図示せず)と各光ファイバー22の結合部からなる。
【0023】
図示例の光源部12は、LD結合光ファイバーアレイ方式であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、マルチビームを射出することができる光ビーム射出光源であればどのようなものでもよく、マルチモード光ファイバーアレイやシングルモード光ファイバーアレイ等の光ファイバーアレイ、モノリシックLDアレイ、LDアレイ等を含め、ファイバーカップルされたマルチビーム露光系を用いることができる。
【0024】
また、本発明のLD/ファイバー結合ユニット20に用いられるLDとしては、特に制限的ではなく、シングルモードLD、マルチモードLDでも、ブロードエリアLDでもよく、公知のLDを用いることができる。また、LD自体にコリメータレンズやアパーチャを有するものであってもよい。また、光ファイバ22も、特に制限的ではなく、十分に光を誘導できればできるだけ細い方がファイバーアレイ30での光ファイバー22の配置を近接できるので好ましい。このときでも、コア径は光ファイバー22の全径に対してできるだけ太い方がよい。また、LD/ファイバー結合ユニット20を載置するヒートシンク24も、特に制限的ではなく、例えば、アルミニウム板等の金属板やペルチェ冷却素子等を用いることができる。また、コネクタアレイ28の支持板27やファイバーアレイ30の支持板29にも特に制限はなく、公知の支持板を用いることができる。
【0025】
主走査部14は、いわゆるアウタードラム方式の露光記録を行うためのもので、その外周面にPS版等の記録材料Aを装着して主走査方向に回転するドラム32と、このドラム32を回転駆動する駆動源(図示せず)とを有している。
また、副走査機構36は、少なくとも結像光学系16を含む結像ユニット34とドラム32とを、主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動させるものである。
ここで、図1に示すように、結像ユニット34をドラム32に対して副走査方向に移動させる場合には、結像ユニット34としては、少なくとも光源部12のファイバーアレイ30及び結像光学系16を一体化して、1つの移動支持台33に固定するのが好ましい。
【0026】
このとき、副走査機構36は、ドラム32の回転軸に平行な矢印cで示す方向(副走査方向)に延在する線状突起33a及び雌ねじ部33bを持ち、結像ユニット34を一体化して固定する移動支持台33と、移動支持台33の雌ねじ部33bと螺合するボールネジ(駆動ねじ)35と、移動支持台33の線状突起33aと嵌合する、矢印cで示す副走査方向に延在する溝37aを持ち、ボールねじ35の回転によって移動支持台33を移動可能に支持する基台37とを備える。ここで、移動支持台33の線状突起33a及びこれと嵌合する基台37の溝37aの形状は、図示例の三角形に限定されず、どのような形状でもよいし、移動手段もボールねじ35と螺合する雌ねじ部33bを持つ移動支持台(トラベリングナット)33に限定されず、移動支持台を平行移動させることができるものであれば、どのようなものでもよい。
【0027】
主走査部14において用いられる記録材料Aは、特に限定されるものではなく、例えばPS版のようにフォトンモード等の中程度のパワーを持つレーザによる露光記録、露光現像によって露光部が光化学反応してポリマー硬化させる等の現象を生じてインク受容性または水受容性となる感光性材料やヒートモード等の比較的大パワーのレーザでの露光による熱エネルギーによって露光部がインク受容性または水受容性となる感光性材料や感熱性材料や熱アブレーション材料等の製版材料を始めとして、画像記録用の感光性材料、感光・感熱性材料、感光性熱現像材料、感熱性材料、熱アブレーション材料等のフォトンモードまたはヒートモードの光ビームによって画像を潜像または顕像として記録可能な公知の記録材料はいずれも使用可能である。なお、ドラム32自体が感光体ドラムであってもよい。
【0028】
結像光学系16は、光源部12から射出されたマルチビームを最終的に所定のスポットサイズで結像する縮小光学系であって、ファイバーアレイ30の光の進行方向下流側に配置され、ファイバーアレイ30の全ての光ビームに作用してコリメート光(平行光)とするコリメータレンズ38と、このコリメータレンズ38とドラム32の外周の記録材料Aとの間に配置され、主走査部14の記録材料A上に光ビームを結像する結像レンズ40とを備えている。
なお、結像光学系16は、図示例のものに限定されず、光源部12から射出されたマルチビームを最終的に所定のスポットサイズで結像できる縮小光学系であれば、どのようなものでもよい。例えば、複数段の縮小光学系を備えてもよい。
【0029】
本発明は、光量調整時の検出光量が露光中の平均光量と等しくなるように、LD駆動信号(LDドライブ信号)に高周波信号を重畳してLD光源を駆動して、光量をモニタし、LD光源の光量調整を行うものである。
そのために、本実施形態の画像記録装置10は、以上説明した構成の他に、以下説明するような、上記光量調整を行うための構成を備えている。
【0030】
すなわち、まず光源部12(LD光源)から出力された光ビームの光量をモニタするために、結像レンズ40とドラム32(記録材料A)との間の光ビームの光路中に進退自在に挿入可能な光量検出手段42、及びこの光量検出手段42を前記光路中に進退自在に挿入させる移動手段44が設けられている。
光量検出手段42は、記録材料A上に照射される光ビームの光量を検出するもので、特に限定はされず、フォトダイオード等の光センサが好適に例示される。
【0031】
また、移動手段44も、光量検出手段42を前記光路中に進退自在に挿入させることができるものであればどのようなものでもよい。例えば、移動支持台33上に支点を有し、この支点にその中央部を回動可能に支持されたバーの一方の端に光量検出手段42を設置し、バーの他方の端を付勢して、バーを支点の回りに回動させることによって光量検出手段42を移動させるようにするものであってもよいし、もちろんその他の移動機構でもよい。
通常は、光量検出手段42は、露光記録に支障のない位置に退避しており、光量調整時にのみ光路中に挿入される。また、光量検出手段42がドラム32の横に配置されており、光量モニタ時には露光ヘッドがその位置まで移動するような構成としてもよい。
【0032】
また、画像記録装置10は、光量検出手段42によって検出された検出信号を受けて、光量(パワー)の少ないLD光源(チャンネル)に対して、そのドライブ電流を増加させるように制御する光量調整手段46、及び光量調整手段46から指示を受けて、実際に各LD/ファイバー結合ユニット20(20a〜20i)(LD光源)を駆動する光源駆動手段48を備えている。
さらに、本発明の特徴である、高周波信号を前記ドライブ信号に重畳するための高周波信号重畳手段50が設けられている。
【0033】
以下、本実施形態の作用について説明する。
上述したように、本実施形態は、光量調整時の検出光量が露光中の平均光量と等しくなるように、LD駆動信号(LDドライブ信号)に高周波信号を重畳してLD光源を駆動して、光量をモニタし、LD光源の光量調整を行うものである。このようにするのは、従来方法において、露光中の光量にチャンネル間バラツキが生じるのは、光量調整時の検出光量が露光のために副走査している際の光ファイバーの状態が変化している場合の平均光量と異なっていたためであり、この点を改善して、光量調整時の検出光量が露光中の平均光量と等しくなるようにするためである。
【0034】
このように、本実施形態の光量調整方法におけるポイントは、光量調整時の光出力を露光時と同様に十分に変動させ、光ファイバーの状態が変化しているのと同じ状態を擬制し、その平均値を求めることにより、露光時の平均光量を導出するという点にある。そして、特に、光量調整時の光出力を変動させる方法として、電気的な方法である「高周波信号の重畳」を適用したものである。
【0035】
以下、図2のフローチャートに沿って、本実施形態の光量調整方法の作用を説明する。
まず、ステップ100において、定常的なLDドライブ電流IA (LDドライブ信号)に対して、高周波ドライブ電流IHF(高周波ドライブ信号)を重畳した、LDドライブ電流IA +IHFを、高周波信号重畳手段50から光源駆動手段48を通じてLD光源に印加して、これでLD光源を駆動する。
【0036】
ここで重畳する高周波信号としては、周波数は、記録の1画素の画像周波数の1/10程度、または、10MHz程度以上が好ましく、振幅としては、記録パワーの1/10程度が好ましい。
このように、光量調整時のLDドライブ信号に高周波信号を重畳することにより、以下のような効果がある。
まず、すなわち、定常的に流していたLDドライブ電流に、高周波信号電流が重畳されることにより、LD光源の発光量が変動し、LD光源の出力波長パターンが高速に変動する。ファイバーアレイ30から射出した光のレンズ38上の光量分布(FFP)が高速に変動する。
次に、結像レンズ40から記録材料Aに向けて出力される光ビームのファーフィールドパターン(FFP)の分布が高速に変動する。
【0037】
次にステップ110において、移動手段44により光量検出手段42を結像レンズ40とドラム32(記録材料A)との間の光ビームの光路中に挿入して、光量をモニタする。そして、検出された光信号の時間平均値(平均光パワー)PA を算出する。このとき、光量検出手段42の応答性を適当に設定することにより、時間平均値を検出するようにしてもよい。
なお、このとき、光量調整時のLDドライブ信号に高周波信号を重畳することにより、光量検出手段42で検出される光量が変動するが、この変動は、実は、露光時の副走査移動により光ファイバーの状態が変化することによる変動に、変動幅として等しいものになる。
【0038】
次にステップ120において、今度は異なる定常的なLDドライブ電流IB (LDドライブ信号)に対して、高周波ドライブ電流IHF(高周波ドライブ信号)を重畳した、LDドライブ電流IB +IHFを、高周波信号重畳手段50から光源駆動手段48を通じてLD光源に印加して、これでLD光源を駆動する。
次にステップ130において、上と同様にして、光量検出手段42により、光量をモニタし、検出された光信号の時間平均値(平均光パワー)PB を算出する。
【0039】
そして、ステップ140において、上で求めた電流値と光量との組み合わせ(IA ,PA )と(IB ,PB )を基にして、目標光量Pt に対応する駆動電流It を算出する。
これは、図3に電流値Iと光量Pとの関係を示すように、電流値と光量には直線的な関係があることから、次の式(1)のように比例関係を利用して求めることができる。
It =IA +(IB −IA )・(Pt −PA )/(PB −PA )・・・(1)
【0040】
上記式(1)を用いて、電流値と光量との組み合わせ(IA ,PA )と(IB ,PB )に基づいて算出された駆動電流It によりLD光源(LD/ファイバー結合ユニット20)を駆動する。
すなわち、上記操作を全てのチャンネルに対して実施し、全チャンネルのドライブ電流を決定する。決定されたドライブ電流は、記憶手段(図示せず)に記憶しておき、実際の露光時に、記憶手段から光源駆動手段48にそのデータを送り、上で決定された駆動電流でLD光源を駆動する。
上のように算出された駆動電流It は、露光時に副走査していることによる光ファイバーの状態の変化を考慮して決定された値であり、これにより露光時平均光量のチャンネル間バラツキを抑制することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、LDファイバーアレイ方式の露光系において、LD駆動信号(LDドライブ電流)に高周波信号(高周波ドライブ電流)を重畳してLD光源を駆動して光量調整するようにしたため、副走査移動に伴う、露光時の平均光量に近い値を露光前の光量調整時に検出することができ、露光時平均光量の各チャンネル間のバラツキを抑制することができる。
これにより、1スワス内の光量ローカリティを抑えることができ、濃度むらのない良好な画像品質を得ることができる。
【0042】
なお、上の例では、図1のようにファイバーカップルドLDのアウタードラム露光系を用いて説明したが、本発明は、アウタードラム露光系に限定されるものではなく、フラットベッド系あるいはインナードラム露光系においても好適に適用可能である。
【0043】
以上、本発明の画像記録方法及び装置について、詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明した通り、本発明によれば、LDファイバーアレイ方式の露光系において、LD駆動信号に高周波信号を重畳してLD光源を駆動して光量調整するようにしたため、副走査移動に伴う、露光時の平均光量に近い値を露光前の光量調整時に検出することができ、露光時平均光量の各チャンネル間のバラツキを抑制することができ、濃度むらのない良好な画像品質を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の一実施形態を模式的に示す概略斜視図である。
【図2】本実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図3】LD駆動電流と平均光パワーの関係を示す線図である。
【図4】1つのチャンネルについての光量(光パワー)の変動を示す線図である。
【図5】2つの異なるチャンネルについての光量(光パワー)の変動を示す線図である。
【符号の説明】
A 記録材料
10 画像記録装置
12 光源部
14 主走査部
16 結像光学系
20(20a〜20i) LD/ファイバー結合ユニット
22(22a〜22i) 光ファイバー
24 ヒートシンク
27、29 支持板
28 コネクタアレイ
30 ファイバーアレイ
32 ドラム
33 移動支持台
33a 線状突起
33b 雌ねじ部
34 結像ユニット
35 ボールねじ
36 副走査機構
37 基台
37a 溝
38 コリメータレンズ
40 結像レンズ
42 光量検出手段
44 移動手段
46 光量調整手段
48 光源駆動手段
50 高周波信号重畳手段
Claims (2)
- 複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録方法であって、
高周波信号が重畳された駆動信号により、前記レーザーダイオードを駆動し、前記高周波信号が重畳された駆動信号により駆動された前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、
前記検出した光量を基にして前記レーザーダイオードの光量調整を行うことを特徴とする画像記録方法。 - 複数のレーザーダイオードより光ファイバーを介して形成される光源列を主走査方向と異なる方向に配列した露光ヘッドから出力される光ビームを、記録材料の主走査方向に沿って相対的に移動して照射し、2次元的に記録する画像記録装置であって、
前記レーザーダイオードの光量を調整する光量調整手段と、
前記レーザーダイオードを駆動する光源駆動手段と、
前記レーザーダイオードを駆動する駆動信号に高周波信号を重畳する高周波信号重畳手段と、
前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出する光量検出手段と、
を有し、前記レーザーダイオードを、高周波信号の重畳された駆動信号で駆動しながら、前記記録材料上に相当する光ビームの光量を検出し、該検出された光量に基づいて前記レーザーダイオードの光量を調整することを特徴とする画像記録装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |