JP2004147606A

JP2004147606A - New green tea drink and method for producing the same

Info

Publication number: JP2004147606A
Application number: JP2002318972A
Authority: JP
Inventors: Hitoshi Kinugasa; 仁衣笠; Hitoshi Niino; 仁新納; Kazunori Okanoya; 和則岡野谷; Shuhei Kuribayashi; 修平栗林
Original assignee: Ito En Ltd
Current assignee: Ito En Ltd
Priority date: 2002-10-31
Filing date: 2002-10-31
Publication date: 2004-05-27
Anticipated expiration: 2022-10-31
Also published as: JP3782390B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for producing green tea drink primarily suppressing growth of offensive heating smell caused by heating sterilization treatment and increasing excellent flavor inherent in tea to improve flavor balance, and preventing even quality deterioration of the tea drink brought with a lapse of time when producing the tea drink. <P>SOLUTION: The green tea drink is obtained by a process of obtaining green tea extract through extracting green tea components from a green tea material and a process of subjecting the green tea extract obtained by the process to heating sterilization treatment to bring the product to the green tea drink. The production processes of the green tea drink comprise also an enzymatic treatment process for transforming glycoside contained in unheated green tea extraction into a flavor component compound by addition of a glycoside splitting enzyme before the heating sterilization treatment process for the green tea extract. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は緑茶飲料の製造方法に係わり、詳しくは加熱殺菌処理によって生ずるレトルト臭等の不快な加熱臭を抑制し、なお且つ良好な香気成分を増加させることができる、新規な緑茶飲料の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
緑茶飲料の製造に関しては、従来から、加熱殺菌処理によって生ずる不快臭（レトルト臭）を抑制することが課題とされ、該課題を解決するために種々の技術が提供されてきた。
【０００３】
例えば、緑茶飲料のレトルト臭を消失させるために、予め緑茶原料を萎凋させる技術が公知であり、具体的には緑茶原料の酵素失活工程に先立ち、緑茶原料を１〜４８時間萎凋処理することが行われている（例えば、特許文献１参照）。また、レトルト臭の発生を防止するために、温度の異なる２つの抽出液を用い、原料茶を２段階工程で抽出する抽出方法が公知であり、具体的には茶類を２０℃以下の冷水で抽出して得られた冷却抽出液を除去した後、該残渣の茶類を３０〜９５℃の温水で再抽出することにより茶類飲料のレトルト臭を低減させている（例えば、特許文献２参照）。また、サイクロデキストリンを茶抽出液に含浸せしめ、加熱処理した時に発生するレトルト臭を該サイクロデキストリンの環状内に包接させることによりレトルト臭を無臭化する技術が開示されている（例えば、特許文献３参照）。
【０００４】
しかしながら、上述した原料茶を萎凋させる方法では、萎凋特有の香りが強く感じられ、緑茶本来の良好な香りが失われてしまう（緑茶ではなくどちらかというと烏龍茶に似た風味となる。）という欠点があった。また、原料茶を温度の異なる２種類の抽出液を用いて２段階工程で抽出する上記手段は、製造工程が複雑になるという欠点があった。さらに、サイクロデキストリンを用い該サイクロデキストリンの環状内にレトルト臭を包接させる上記技術では、レトルト臭の抑制は可能であるものの、茶の良好な香気までも奪い取ってしまうという問題点があった。
【０００５】
上述した従来の技術は、いずれもレトルト臭を抑制することに重点をおいたものであり、茶本来の新鮮な香味を引き出すという観点からレトルト臭の抑制が考慮されたものではない。
【０００６】
一方、酵素処理を用いた従来技術として、茶葉を特定酵素の存在下に特定温度で処理することにより、茶葉から十分には抽出されにくい成分を効率よく得る技術（例えば、特許文献４参照）、また、望ましい茶フレーバを有し不快な異臭を有しない茶固体を得るために、茶残渣を水溶性媒体中で特定酵素により加水分解する技術（例えば、特許文献５参照）が開示されている。しかしながら、これら酵素処理は、加熱殺菌処理工程を含む茶の処理方法において用いられることを意図したものではなく、これら技術を用いても加熱殺菌処理によりレトルト臭等の不快な加熱臭が発生するなかで優れた香気バランスを有する緑茶飲料を得ることはできない。
【０００７】
また、食品のフレーバーを改善等するべく、配糖体加水分解酵素を用いて香気を有する化合物を回収する技術が開示されており、具体的には香気を有する化合物の残基を構成要素として有する配糖体に、前記配糖体における糖と香気を有する化合物との結合を加水分解することが可能な配糖体加水分解酵素を用いて作用させて香気を有する化合物を生成させ、反応物から香気を有する化合物を回収する技術が公知である（例えば、特許文献６参照）。また同様の目的から、不揮発性の茶香気成分前駆体から茶飲料に十分活用することのできる茶フレーバーを生成することができる茶香気成分生成酵素ならびにその製造方法も公知である（例えば、特許文献７参照）。
【０００８】
しかしながら、これら技術に基づき製造された香気化合物を香料として緑茶飲料に添加し、加熱殺菌した場合、香りのバランスが悪くなることが後述するように本発明者等により確認されている。
【０００９】
ところで、一般的に酵素反応においては所定温度で所定の反応時間が必要とされる一方、飲料製造時は品質劣化を考慮しできるだけ低温・短時間で処理することが所望される。しかしながら、酵素処理を用いた飲料茶の製造方法において茶の品質劣化を抑制すべく低温・短時間で酵素処理するための技術について未だ満足いくものは提供されていなかったのが現状である。
【００１０】
【特許文献１】
特開平８−６６１５６号公報
【００１１】
【特許文献２】
特開平１１−１１３４９１号公報
【００１２】
【特許文献３】
特開平１−１７４３２８号公報
【００１３】
【特許文献４】
特開平１−３００８４８号公報
【００１４】
【特許文献５】
特開平４−２２８０２８号公報
【００１５】
【特許文献６】
特開平９−２８３８９号公報
【００１６】
【特許文献７】
特開平８−１４０６７５号公報
【００１７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み開発されたものであり、第１に、加熱殺菌処理を要因とする不快な加熱臭（レトルト臭を含む。以下において同様である。）の発生を抑制し、なお且つ茶本来の良好な香気を増加させることにより、香気バランスのよい茶飲料の製造方法を提供することにある。第２に、製造時の時間の経過に伴う茶の品質劣化をも防止することが可能な、簡易かつ簡便な茶飲料の製造方法を提供することを目的とする。
【００１８】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく加熱殺菌処理工程を伴う茶飲料の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、緑茶原料から緑茶成分を抽出して得られた未加熱の緑茶抽出液を酵素処理することで、その後に加熱殺菌処理して緑茶飲料とした場合でも、加熱臭に関与する香気成分化合物を減少させ、一方良好な香気成分化合物を増加させ得ることを見出し、本発明を完成したものである。
【００１９】
すなわち、本発明は、緑茶原料から緑茶成分を抽出して緑茶抽出液を得る工程と、該工程で得られた緑茶抽出液を加熱殺菌処理して緑茶飲料とする工程とを備えた緑茶飲料の製造方法において、前記緑茶抽出液の加熱殺菌処理工程に先立ち、配糖体分解酵素を添加することにより、未加熱の緑茶抽出液中に含有される配糖体を香気成分化合物に変化させる酵素処理工程を更に具備することを特徴とする、新規な緑茶飲料の製造方法である。
【００２０】
緑茶抽出液の加熱殺菌処理工程に先立ち行われる前記酵素処理工程においては、未加熱の緑茶抽出液中に含有され、加熱臭の要因となる香気成分化合物であるベンジルアルコールおよび／またはインドールが減少し、良好な香気成分化合物であるシス−３−ヘキセノールが増加する。
【００２１】
本発明において、配糖体分解酵素は配糖体を香気成分化合物に変化させ得る配糖体分解酵素であればよく、かかる配糖体分解酵素の中でもグリコシダーゼを好適に用いることができ、特にβ−グリコシダーゼが好ましい。
【００２２】
本発明において、配糖体分解酵素の添加時期としては、緑茶成分の抽出前であることが好ましい。
【００２３】
また、配糖体分解酵素の添加量としては、緑茶成分抽出用溶媒１０００ｍＬに対し５０〜５００ｕｎｉｔの範囲であることが好ましい。
【００２４】
前記製造方法により製造された新規な緑茶飲料は、加熱殺菌処理により添加された配糖体分解酵素が失活するため、実質的に配糖体分解酵素を含有しない。
【００２５】
本発明によれば、加熱殺菌時に発生する加熱臭に関与する香気成分化合物（以下において「加熱臭香気成分化合物」とも言う。）の生成が抑制されるのみならず、加熱殺菌前に良好な香気成分化合物が充分に生成され、かかる良好な香気成分化合物はその後に施される加熱殺菌後においても充分残存することが判明した。その結果として香気のバランスのよい、新鮮味の残る緑茶飲料を製造することが可能となった点に本発明の極めて優れた効果が見出されるところである。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、緑茶抽出液に最終的に加熱殺菌処理を施しこれを緑茶飲料とする緑茶飲料の製造方法であって、該加熱殺菌処理に先立ち、未加熱の緑茶抽出液中に含有される特定の配糖体に酵素処理を施すことを特徴とするものである。
【００２７】
すなわち、本発明は、緑茶原料から緑茶成分を抽出して緑茶抽出液を得る工程と、該工程で得られた緑茶抽出液を加熱殺菌処理して緑茶飲料とする工程とを備え、更に前記緑茶抽出液の加熱殺菌処理工程に先立ち、配糖体分解酵素を添加することにより、未加熱の緑茶抽出液中に含有される配糖体を加水分解しこれを香気成分化合物に変化させる酵素処理工程を具備する新規な緑茶飲料の製造方法である。
【００２８】
本発明において緑茶抽出液の加熱殺菌処理に先立ち配糖体分解酵素を添加し酵素処理を行うこととしたのは、その後に施される加熱殺菌処理により発生する不快な加熱臭を抑制するのみならず、尚かつ茶本来の良好な香気を増加させることにより、香気バランスがよく新鮮味を有する緑茶飲料を得ることを意図したものであり、配糖体分解酵素の作用により未加熱緑茶抽出液中では加熱臭香気成分化合物が減少する一方、良好な香気成分化合物が増加するが、この状態は加熱殺菌処理した場合でも変わることがなく、新規な緑茶飲料を得ることができる。
【００２９】
すなわち、加熱殺菌前に、茶抽出液中に含有され、加熱殺菌により生成する加熱臭に起因する香気成分配糖体を配糖体加水分解酵素により加水分解することにより、加熱臭の要因となる香気成分化合物の生成が抑制され、これにより加熱殺菌時における加熱臭の発生を抑制することができる。更に、本発明においては加熱臭香気成分化合物の発生が抑制されるのみならず、配糖体加水分解酵素の作用により良好な香気成分が未加熱の緑茶抽出液中に生成され、更にはかかる生成した良好な香気成分は加熱殺菌処理を施した後においても十分な量が残存することをも見出された。このように本発明により、酵素処理後、加熱臭香気成分化合物が減少し、良好な香気成分化合物が増加した未加熱の緑茶抽出液を得ることが可能となり、かかる緑茶抽出液に加熱殺菌処理を施すことにより、加熱臭の発生が抑制され、尚かつ十分良好な香気成分化合物が残存し、その結果として香気のバランスのよい新鮮味の残る新規な緑茶飲料を製造することが可能となったのである。
【００３０】
更に、一般的に酵素の失活温度は８０〜９０℃であるところ、本発明の製造方法においてはそれよりも高い温度（通常１２０℃前後）において加熱殺菌処理が施されるため、配糖体分解酵素は失活し、最終製品としては酵素を含まない新規な緑茶飲料を得ることができる
ここで、加熱殺菌処理により発生する加熱臭の要因となる香気成分化合物として特に増加するテルペンアルコール類には、リナロール、ゲラニオール、インドール等があり、テルペンアルコール類以外では、ベンジルアルコール、４−ビニルフェノール、β−ヨノン等を挙げることができる（農化誌、衣笠、Ｖｏｌ．６３、Ｎｏ．１、ｐｐ．２９〜３５（１９８９））。良好な香気成分化合物としては若葉の香りを有するシス−３−ヘキセノールや、茶本来の新鮮な香味を有するベンズアルデヒドを挙げることができる。
【００３１】
なお、このように加熱臭の要因となる香気成分化合物であるベンジルアルコールやインドールが減少し、一方良好な香気成分化合物であるシス−３−ヘキセノールやベンズアルデヒドが増加した緑茶飲料は、本発明に係る製造方法を用いた場合に初めて得られるものであり、実施例において詳述するが、前記特許文献４、あるいは５に開示された技術を用いて得られたシス−３−ヘキセノールやベンズアルデヒドを含んだ茶香気抽出液を加熱殺菌前の茶飲料に加えた後加熱殺菌を施しても、このような香気成分配合は十分に得られるものではい。
【００３２】
本発明において緑茶原料から緑茶成分を抽出し緑茶抽出液を得る手段としては、特に限定されるものではなく、例えば緑茶葉を６０〜８０℃程度の温水を用いニーダー抽出する通常の方法を用いて緑茶抽出液を得ることができる。
【００３３】
また本発明においては最終的に緑茶抽出液を加熱殺菌処理することにより緑茶飲料を得るが、該加熱殺菌処理温度は特に限定されるものではなく、通常１２０℃〜１３０℃で行えばよい。上述した通り、本発明において添加される配糖体分解酵素は、かかる加熱殺菌処理により失活するため、最終的に得られる緑茶飲料は配糖体分解酵素を含有しないものとなる。
【００３４】
本発明において用いる配糖体分解酵素としては、配糖体を特異的に加水分解する酵素であるグリコシダーゼを用いることができ、中でもβ−グリコシダーゼが特に好ましい。
【００３５】
また、本発明において配糖体分解酵素の添加時期としては、特に限定されるものではなく、通常通り緑茶成分の抽出後に添加してもよいが、緑茶成分の抽出前に予め添加されることが好ましい。具体的には、緑茶成分の抽出前に、緑茶成分を抽出するための溶媒（緑茶成分抽出用溶媒）に添加すること、もしくは緑茶成分の抽出前に予め緑茶原料に直接酵素を添加することにより行うことが好ましい。このように緑茶原料から緑茶成分を抽出する前に酵素を添加することにより、抽出後に酵素を添加していた場合と比較して余分な反応時間が削除され、抽出から殺菌までの茶飲料製造時の時間経過に伴う茶飲料の品質劣化が起きないうちに酵素添加による十分な効果を得ることが可能となるのである。すなわち、一般的に酵素反応においては所定温度で所定の反応時間が必要とされる一方、飲料製造時は品質劣化を考慮しできるだけ低温・短時間で処理することが所望されるところ、緑茶成分の抽出時に酵素を添加する本発明の製造方法は、かかる双方の要求を満足させるものといえる。
【００３６】
本発明においては、配糖体分解酵素の添加量は、酵素の種類、性質（力価）、抽出液濃度等に応じて適宜設定することができるが、好ましくは緑茶成分抽出用溶媒１０００ｍＬに対し５０〜５００ｕｎｉｔ、より好ましくは１００〜５００ｕｎｉｔである。
【００３７】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
以下に掲げる実施例では、配糖体分解酵素として一般的に市販されているβ−グルコシダーゼ・アーモンド由来（オリエンタル酵母製、３６．８ｕｎｉｔ／ｍｇ）を用いた。なお、本発明の製造方法はこれら実施例に示した条件に限定されるものではなく、例えば酵素の添加量も酵素の種類、性質（力価）、抽出液濃度等に応じて適宜設定し得ることはいうまでもない。
【００３８】
＜実施例１＞酵素処理による茶の香気成分の比較
（１）酵素処理を施さない緑茶飲料の製造
緑茶上級品１０ｇを５５℃のイオン交換水１０００ｍＬで３．５分間抽出した。得られた抽出液を１００メッシュのステンレスフィルターで粗濾過後２５℃以下になるまで冷却し、ネル布にて茶の微粉を除去した。その後、品質安定のためにビタミンＣを１００ｐｐｍ添加し、重曹を加えｐＨ６．０に調整した。
【００３９】
ｐＨ調整後、抽出液を２００ｍＬ缶に充填し、１２１℃で７分程度の殺菌を行った。
【００４０】
（２）酵素処理を施した緑茶飲料の製造
（２−１）酵素を緑茶成分の抽出前に予め添加
産緑茶上級品１０ｇとβ−グルコシダーゼ５００ｕｎｉｔを５５℃のイオン交換水１０００ｍＬに添加して３．５分間抽出し、得られた抽出液を１００メッシュのステンレスフィルターで粗濾過後２５℃以下になるまで冷却し、ネル布にて茶の微粉を除去した。その後、品質安定のためにビタミンＣを１００ｐｐｍ添加し、重曹を加えｐＨ６．０に調整した。
ｐＨ調整後、抽出液を２００ｍＬ缶に充填し、１２１℃で７分程度の殺菌を行った。
【００４１】
（２−２）酵素を緑茶成分の抽出後に添加
緑茶上級品１０ｇを５５℃のイオン交換水１０００ｍＬで３．５分間抽出した。得られた抽出液を１００メッシュのステンレスフィルターで粗濾過後、β−グルコシダーゼ５００ｕｎｉｔを添加した。次いで、これを２５℃以下になるまで撹拌しながら冷却して、その後３０分間放置し、ネル布にて茶の微粉を除去した。その後、品質安定のためにビタミンＣを１００ｐｐｍ添加し、重曹を加えｐＨ６．０に調整した。
ｐＨ調整後、抽出液を２００ｍＬ缶に充填し、１２１℃で７分程度の殺菌を行った。
【００４２】
（結果）
各試験区の分析結果を図１に示す。酵素無添加をコントロールとし（図１（ａ））、抽出前（図１（ｂ））と抽出後（図１（ｃ））における酵素の添加時期による効果の差異を比較した。
【００４３】
その結果、まず、配糖体分解酵素（β−グルコシダーゼ）を添加することによりレトルト臭の原因物質の一つと考えられているベンジルアルコールやインドールの増加が抑制されていることがわかる。また酵素を添加することにより若葉の香りを有するシス−３−ヘキセノール（青葉アルコール）や茶本来の新鮮な香味を有するベンズアルデヒドが著しく増加しているのがわかる。
【００４４】
かかる結果より、β−グルコシダーゼを添加することにより、レトルト臭の原因物質となる香気成分化合物の増加が抑制されるとともに、香気の改善も図られることが明らかとなった。
【００４５】
そして、酵素の添加時期については、図１（ｂ）及び図１（ｃ）より、抽出前添加と抽出後添加においてレトルト臭の発生抑制と茶の良好な香気成分増加に関し、得られる官能的な評価に顕著な差は見られない。しかしながら、一般的に酵素反応は所定温度において所定の反応時間が必要である一方、飲料製造時は品質劣化の観点からできるだけ低温・短時間で処理することが所望される。従って、抽出前に酵素を添加する本発明に係る製造方法によれば、茶飲料の劣化が起きないうちに良好な香気成分を増加させることが可能になる。本実施例より、酵素を抽出前に添加することにより、抽出から殺菌までの温度域において短時間で十分な酵素処理による効果が得られることがわかった。このことは飲料製造時における品質劣化の抑制の観点から極めて好ましいものである。
【００４６】
＜実施例２＞酵素の比較
酵素処理に用いる酵素の相違による香味の差について、β−グルコシダーゼ、プロテアーゼ、α−アミラーゼを用いて検討した。
なお、実施例１と同様に緑茶成分の抽出前にそれぞれの酵素を予め添加して緑茶飲料を製造した。
【００４７】
（結果）
官能検査と分析結果により評価を行った。その結果を表１及び図２に示す。これよりβ−グルコシダーゼを用いた場合にレトルト臭を抑制し且つ香気の改善効果が得られることがわかった。
【００４８】
【表１】

【００４９】
＜実施例３＞酵素添加量の検討
緑茶上級品１０ｇと所定量のβ−グルコシダーゼ（０、５０、１００、５００、１０００ｕｎｉｔ）を５５℃のイオン交換水１０００ｍＬに添加して３．５分間抽出し、得られた抽出液を１００メッシュのステンレスフィルターで粗濾過後２５℃以下になるまで冷却し、ネル布にて茶の微粉を除去した。その後、品質安定のためにビタミンＣを１００ｐｐｍ添加し、重曹を加えｐＨ６．０に調整した。
ｐＨ調整後、抽出液を２００ｍＬ缶に充填し、１２１℃で７分程度の殺菌を行った。
【００５０】
（結果）
官能検査により評価を行った。その結果を表２に示す。これにより酵素の添加量が５０ｕｎｉｔにおいてレトルト臭が弱くなり、香気も若干改善された緑茶飲料が得られたことがわかる。そして、酵素の添加量が１００ｕｎｉｔ、５００ｕｎｉｔにおいてレトルト臭は顕著に抑制され、更に新鮮味があり香気のバランスが改善された緑茶飲料が得られた。一方、酵素の添加量が１０００ｕｎｉｔではレトルト臭は抑制されていたが、香気のバランスの観点から好ましくない結果が得られた。これより、酵素添加量は５０〜５００ｕｎｉｔの範囲が好ましく、更に１００〜５００ｕｎｉｔの範囲においてはレトルト臭が抑制され香気が改善された緑茶飲料として特に好ましいことがわかる。
【００５１】
【表２】

【００５２】
＜実施例４＞茶香気抽出液を利用した緑茶飲料との比較
（１）茶香気抽出液を利用した茶飲料の製造
（１−１）β−グルコシダーゼを利用した茶香気抽出液の製造方法
原料茶５０ｇに対して１０００ｍＬの蒸留水を入れ、これに加水分解酵素としてβ−グルコシダーゼを５００ｕｎｉｔ添加した。これを４０℃の温浴内で１時間減圧水蒸気蒸留し、茶特有の香りと酵素処理により生成した香りを回収した。
【００５３】
（１−２）上記茶香気抽出液を利用した茶飲料の製造方法
静岡産緑茶上級品１０ｇを５５℃のイオン交換水１０００ｍＬで３．５分間抽出した。得られた抽出液を１００メッシュのステンレスフィルターで粗濾過後２５℃以下になるまで冷却し、ネル布にて茶の微粉を除去した。次いで上記で製造した茶香気抽出液を、最終液量に対して１０質量％となるように添加した。その後、品質安定のためのビタミンＣを１００ｐｐｍ添加し、重曹を加えｐＨ６．０程度に調整した。
ｐＨ調整後、抽出液を２００ｍＬ缶に充填し、１２１℃で７分程度の殺菌を行った。
【００５４】
（２）本発明による茶飲料の製造
静岡産緑茶上級品１０ｇとβ−グルコシダーゼ５００ｕｎｉｔを５５℃のイオン交換水１０００ｍＬに添加して３．５分間抽出し、得られた抽出液を１００メッシュのステンレスフィルターで粗濾過後２５℃以下になるまで冷却し、ネル布にて茶の微粉を除去した。その後、品質安定のためにビタミンＣを１００ｐｐｍ添加し、重曹を加えｐＨ６．０に調整した。
ｐＨ調整後、抽出液を２００ｍＬ缶に充填し、１２１℃で７分程度の殺菌を行った。
【００５５】
（結果）
茶香気抽出液を利用した緑茶飲料の分析結果と本発明の製造方法による緑茶飲料の分析結果を各々図３（ａ）、図３（ｂ）として示す。これより、β−グルコシダーゼを利用して製造した香気抽出液を添加し製造した緑茶飲料は、若干シス−３−ヘキセノール（青葉アルコール）が増加しレトルト臭も若干減少する傾向であったが、官能的に大きな改善は見られなかった。酵素を使い香気抽出物を製造する分、コストアップにつながるが、かかるコストアップした分の効果は期待できないと言える。
【００５６】
【発明の効果】
本発明により、レトルト臭等の加熱臭の発生を抑制しつつ、茶本来の良好な香気を増加させることのできる茶飲料の製造方法であって、更に製造時の時間の経過に伴う茶の品質劣化をも防止することが可能な、簡易かつ簡便な茶飲料の製造方法の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】緑茶飲料の香気成分のガスクロマトグラムによる分析結果を示す図であって、
（ａ）は酵素処理を施さずに製造された緑茶飲料の分析結果を示す図、
（ｂ）は抽出前の酵素添加により製造された緑茶飲料の分析結果を示す図、
（ｃ）は抽出後の酵素添加により製造された緑茶飲料の分析結果を示す図。
【図２】各種酵素を用いた緑茶飲料の香気成分のガスクロマトグラムによる分析結果を示す図であって、
（ａ）はβ−グルコシダーゼ添加により製造された緑茶飲料の分析結果を示す図、
（ｂ）はプロテアーゼ添加により製造された緑茶飲料の分析結果を示す図。
（ｃ）はα−アミラーゼ添加により製造された緑茶飲料の分析結果を示す図、
【図３】緑茶飲料の香気成分のガスクロマトグラムによる分析結果を示す図であって、
（ａ）は茶香気抽出液を利用した緑茶飲料の分析結果を示す図。
（ｂ）は本発明の製造方法により製造された緑茶飲料の分析結果を示す図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a green tea beverage, and more particularly, to a method for producing a novel green tea beverage, which can suppress an unpleasant heating odor such as a retort odor generated by heat sterilization treatment and can increase a favorable aroma component. It is about.
[0002]
[Prior art]
Regarding the production of green tea beverages, it has been an issue to suppress an unpleasant odor (retort odor) caused by heat sterilization treatment, and various techniques have been provided to solve the problem.
[0003]
For example, in order to eliminate the retort odor of green tea beverages, a technique for withering a green tea raw material in advance is known. Specifically, prior to the enzyme inactivation step of the green tea raw material, the green tea raw material is withered for 1 to 48 hours. (For example, see Patent Document 1). In addition, in order to prevent the generation of retort odor, an extraction method of extracting raw tea in a two-stage process using two extract liquids having different temperatures is known. Specifically, tea is cooled with cold water of 20 ° C. or less. After removing the cooled extract obtained by extracting with water, the retort odor of the tea beverage is reduced by re-extracting the residual tea with warm water at 30 to 95 ° C (for example, Patent Document 2). reference). Further, a technique has been disclosed in which a tea extract is impregnated with a cyclodextrin and a retort odor generated during heat treatment is included in a ring of the cyclodextrin to deodorize the retort odor (for example, Patent Document 1). 3).
[0004]
However, in the method of withering the above-mentioned raw tea, the fragrance peculiar to withering is strongly felt, and the original good fragrance of green tea is lost (it becomes a flavor similar to oolong tea rather than green tea). There were drawbacks. In addition, the above-described means for extracting the raw tea in a two-step process using two types of extracts having different temperatures has a drawback that the production process becomes complicated. Furthermore, in the above-mentioned technique of using cyclodextrin to include a retort odor in the ring of the cyclodextrin, although it is possible to suppress the retort odor, there is a problem that even a good aroma of tea is taken away.
[0005]
All of the above-mentioned conventional techniques focus on suppressing the retort odor, and do not consider suppression of the retort odor from the viewpoint of extracting the original fresh flavor of tea.
[0006]
On the other hand, as a conventional technique using an enzyme treatment, a technique in which a tea leaf is treated at a specific temperature in the presence of a specific enzyme to efficiently obtain components that are not sufficiently extracted from the tea leaf (for example, see Patent Document 4), Further, in order to obtain a tea solid having a desirable tea flavor and no unpleasant off-flavor, a technique of hydrolyzing a tea residue with a specific enzyme in an aqueous medium (for example, see Patent Document 5) is disclosed. However, these enzyme treatments are not intended to be used in a tea treatment method including a heat sterilization treatment step, and even if these techniques are used, an unpleasant heat odor such as a retort odor is generated by the heat sterilization treatment. Cannot obtain a green tea beverage having an excellent aroma balance.
[0007]
Further, to the food flavor you improvement is disclosed a technique for recovering the compound having the aroma by using a glycoside hydrolase, specifically as residue the components of compounds with aroma A glycoside having a fragrance by acting using a glycoside hydrolase capable of hydrolyzing a bond between a sugar and a compound having a fragrance in the glycoside to produce a compound having a fragrance, There is known a technique for recovering a compound having an aroma from phenol (see, for example, Patent Document 6). For the same purpose, a tea flavor component-forming enzyme capable of producing a tea flavor that can be sufficiently utilized in a tea beverage from a non-volatile tea flavor component precursor, and a method for producing the same are also known (for example, Patent Documents). 7).
[0008]
However, it has been confirmed by the present inventors that the aroma balance is deteriorated when a flavor compound produced based on these techniques is added to a green tea beverage as a flavor and sterilized by heating, as described later.
[0009]
By the way, generally, a predetermined reaction time is required at a predetermined temperature in an enzymatic reaction, while at the time of beverage production, it is desired to treat at a temperature as low as possible and in a short time in consideration of quality deterioration. However, at present, there has not been provided any satisfactory technology for enzymatic treatment at a low temperature and in a short time in order to suppress deterioration of tea quality in a method for producing beverage tea using the enzyme treatment.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-8-66156
[Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-113481
[Patent Document 3]
JP-A-1-174328
[Patent Document 4]
JP-A-1-300848
[Patent Document 5]
JP-A-4-228028
[Patent Document 6]
JP-A-9-28389
[Patent Document 7]
JP-A-8-140675
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been developed in view of the above problems. First, it suppresses the generation of unpleasant heating odors (including retort odors; the same applies hereinafter) caused by heat sterilization treatment. Another object of the present invention is to provide a method for producing a tea beverage having a good aroma balance by increasing the original good aroma of tea. Secondly, it is an object of the present invention to provide a simple and convenient method for producing a tea beverage, which can also prevent deterioration of the quality of tea with the passage of time during production.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies on a method of producing a tea beverage with a heat sterilization treatment step to solve the above-described problem, and as a result, extracted an unheated green tea extract obtained by extracting a green tea component from a green tea raw material. By enzymatic treatment, it was found that even when a green tea beverage was obtained by heat sterilization afterwards, it was possible to reduce the fragrance component compounds involved in the heated odor while increasing the amount of good fragrance component compounds, and completed the present invention. It was done.
[0019]
That is, the present invention provides a green tea beverage comprising: a step of extracting a green tea component from a green tea raw material to obtain a green tea extract; and a step of heat-sterilizing the green tea extract obtained in the step to obtain a green tea beverage. In the production method, prior to the heat sterilization treatment step of the green tea extract, an enzyme treatment for converting glycosides contained in the unheated green tea extract to an aroma component compound by adding a glycoside-decomposing enzyme. A method for producing a novel green tea beverage, characterized by further comprising a step.
[0020]
In the enzymatic treatment step performed prior to the heat sterilization treatment step of the green tea extract, benzyl alcohol and / or indole contained in the unheated green tea extract and being an aroma component compound causing a heating odor are reduced. Cis-3-hexenol, which is a good odor component compound, is increased.
[0021]
In the present invention, the glycoside-degrading enzyme may be any glycoside-degrading enzyme capable of converting a glycoside into an aroma component compound, and among such glycoside-degrading enzymes, glycosidase can be suitably used, and in particular, β -Glycosidases are preferred.
[0022]
In the present invention, the time for adding the glycoside-decomposing enzyme is preferably before the extraction of the green tea component.
[0023]
The amount of the glycoside-decomposing enzyme to be added is preferably in the range of 50 to 500 units per 1000 mL of the green tea component extraction solvent.
[0024]
The novel green tea beverage produced by the above-mentioned production method contains substantially no glycoside-degrading enzyme because the added glycoside-degrading enzyme is inactivated by the heat sterilization treatment.
[0025]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, not only generation | occurrence | production of the odor component compound which concerns on the heating odor which generate | occur | produces at the time of heat sterilization (it is also hereafter called "heat odor fragrance component compound") is suppressed, but also good odor before heat sterilization. It was found that the component compounds were sufficiently produced, and that such a good fragrance component compound remained sufficiently after the subsequent heat sterilization. As a result, an extremely excellent effect of the present invention is found in that a green tea beverage with a good aroma balance and freshness can be produced.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The present invention relates to a method for producing a green tea beverage which is finally subjected to a heat sterilization treatment for a green tea extract to obtain a green tea beverage, wherein prior to the heat sterilization treatment, a green tea extract contained in an unheated green tea extract is specified. Wherein the glycoside is subjected to an enzyme treatment.
[0027]
That is, the present invention comprises a step of extracting a green tea component from a green tea raw material to obtain a green tea extract, and a step of heat sterilizing the green tea extract obtained in the step to obtain a green tea beverage, further comprising the green tea Prior to the heat sterilization treatment step of the extract, an enzyme treatment step of adding glycoside-degrading enzymes to hydrolyze glycosides contained in the unheated green tea extract and converting it into an aroma component compound. This is a novel method for producing a green tea beverage comprising:
[0028]
In the present invention, prior to the heat sterilization treatment of the green tea extract, the glycoside-degrading enzyme is added and the enzyme treatment is performed, as long as it only suppresses the unpleasant heating odor generated by the heat sterilization treatment performed thereafter. In addition, it is intended to obtain a green tea beverage having a good aroma balance and freshness by increasing the original good aroma of tea, and in the unheated green tea extract by the action of glycoside-degrading enzyme. While the amount of the heated odorous odor component compound decreases, the amount of the good odor component compound increases. However, this state does not change even after the heat sterilization treatment, and a new green tea beverage can be obtained.
[0029]
In other words, before the heat sterilization, the aromatic glucoside, which is contained in the tea extract and is caused by the heat odor generated by the heat sterilization, is hydrolyzed by the glycoside hydrolase, thereby causing the heat odor. The generation of the fragrance component compound is suppressed, whereby the generation of the heated odor during the heat sterilization can be suppressed. Further, in the present invention, not only the generation of the heated odorous odor component compound is suppressed, but also a good odor component is generated in the unheated green tea extract by the action of glycoside hydrolase, It was also found that a sufficient amount of the good odor components remained even after the heat sterilization treatment. As described above, according to the present invention, after the enzymatic treatment, the heated odorous odor component compound is reduced, and it is possible to obtain an unheated green tea extract in which the good odor component compound is increased. By applying, the generation of the heated odor is suppressed, and a sufficiently good fragrance component compound remains, and as a result, it is possible to produce a novel green tea beverage with a good fragrance balance and freshness. .
[0030]
Furthermore, since the enzyme inactivation temperature is generally 80 to 90 ° C., in the production method of the present invention, heat sterilization is performed at a higher temperature (usually around 120 ° C.). Decomposing enzymes are inactivated, and as a final product, a new green tea beverage containing no enzyme can be obtained.Here, terpene alcohols, which are particularly increased as aroma component compounds that cause heating odor generated by heat sterilization, are reduced. Include linalool, geraniol, indole and the like, and in addition to terpene alcohols, benzyl alcohol, 4-vinylphenol, β-ionone and the like can be mentioned (Agricultural Chemistry, Kinugasa, Vol. 63, No. 1, pp. 29-35 (1989)). Examples of good aroma component compounds include cis-3-hexenol having a scent of young leaves and benzaldehyde having a fresh flavor inherent to tea.
[0031]
In addition, the green tea beverage in which benzyl alcohol and indole which are the aroma component compounds causing the heating odor are reduced, and cis-3-hexenol and benzaldehyde which are good aroma component compounds are increased according to the present invention. It is obtained for the first time when the production method is used, and will be described in detail in Examples, but it contains cis-3-hexenol and benzaldehyde obtained by using the technology disclosed in Patent Document 4 or 5. Even if the tea aroma extract is added to the tea beverage before heat sterilization and then heat sterilization is performed, such a flavor component cannot be sufficiently obtained.
[0032]
Means for extracting a green tea component from a green tea raw material to obtain a green tea extract in the present invention is not particularly limited. For example, using a usual method of kneading green tea leaves using warm water of about 60 to 80 ° C. A green tea extract can be obtained.
[0033]
In the present invention, a green tea beverage is finally obtained by heat-sterilizing the green tea extract, but the temperature of the heat-sterilization treatment is not particularly limited, and may be usually 120 ° C to 130 ° C. As described above, the glycoside-degrading enzyme added in the present invention is inactivated by the heat sterilization treatment, and thus the finally obtained green tea beverage does not contain the glycoside-degrading enzyme.
[0034]
As the glycoside-degrading enzyme used in the present invention, glycosidase which is an enzyme capable of specifically hydrolyzing glycosides can be used, and β-glycosidase is particularly preferable.
[0035]
In addition, in the present invention, the addition time of the glycoside-decomposing enzyme is not particularly limited, and may be added after the extraction of the green tea component as usual, but may be added in advance before the extraction of the green tea component. preferable. Specifically, by adding the enzyme to the solvent for extracting the green tea component (solvent for extracting the green tea component) before extracting the green tea component, or by directly adding the enzyme to the green tea raw material in advance before extracting the green tea component It is preferred to do so. By adding the enzyme before extracting the green tea component from the green tea raw material in this way, extra reaction time is eliminated as compared with the case where the enzyme is added after the extraction, and the tea beverage is manufactured from extraction to sterilization. It is possible to obtain a sufficient effect by the addition of the enzyme before the quality of the tea beverage deteriorates with time. That is, in general, a predetermined reaction time is required at a predetermined temperature in an enzymatic reaction, while a beverage is desired to be processed at a temperature as low as possible and as short as possible in consideration of quality deterioration. It can be said that the production method of the present invention in which an enzyme is added during extraction satisfies both requirements.
[0036]
In the present invention, the amount of glycoside-degrading enzyme to be added can be appropriately set according to the type, properties (titer), extract concentration, etc. of the enzyme. It is 50 to 500 units, more preferably 100 to 500 units.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples.
In the examples described below, a commercially available β-glucosidase almond-derived (manufactured by Oriental Yeast, 36.8 unit / mg) was used as a glycoside-degrading enzyme. The production method of the present invention is not limited to the conditions shown in these examples. For example, the amount of the enzyme to be added can be appropriately set according to the type, properties (titer), extract concentration, etc. of the enzyme. Needless to say.
[0038]
Example 1 Comparison of Aroma Components of Tea by Enzyme Treatment (1) Production of Green Tea Beverage without Enzyme Treatment 10 g of a green tea premium product was extracted with 1000 mL of ion-exchanged water at 55 ° C. for 3.5 minutes. The obtained extract was coarsely filtered with a 100-mesh stainless steel filter, cooled to 25 ° C. or lower, and fine tea powder was removed with a flannel cloth. Thereafter, 100 ppm of vitamin C was added to stabilize the quality, and the pH was adjusted to 6.0 by adding sodium bicarbonate.
[0039]
After pH adjustment, the extract was filled into a 200 mL can and sterilized at 121 ° C. for about 7 minutes.
[0040]
(2) Production of green tea beverage subjected to enzyme treatment (2-1) Add 10 g of high quality green tea and 500 units of β-glucosidase to 1000 mL of ion-exchanged water at 55 ° C. before extracting the green tea component. After extraction for 5 minutes, the obtained extract was roughly filtered through a 100-mesh stainless steel filter, cooled to 25 ° C. or lower, and fine tea powder was removed with a flannel cloth. Thereafter, 100 ppm of vitamin C was added to stabilize the quality, and the pH was adjusted to 6.0 by adding sodium bicarbonate.
After pH adjustment, the extract was filled into a 200 mL can and sterilized at 121 ° C. for about 7 minutes.
[0041]
(2-2) 10 g of green tea premium product added after extracting the green tea component with the enzyme was extracted with 1000 mL of ion exchanged water at 55 ° C. for 3.5 minutes. The obtained extract was roughly filtered through a 100-mesh stainless steel filter, and then 500 units of β-glucosidase was added. Then, the mixture was cooled while being stirred until the temperature became 25 ° C. or lower, and then allowed to stand for 30 minutes to remove fine tea powder with a flannel cloth. Thereafter, 100 ppm of vitamin C was added to stabilize the quality, and the pH was adjusted to 6.0 by adding sodium bicarbonate.
After pH adjustment, the extract was filled into a 200 mL can and sterilized at 121 ° C. for about 7 minutes.
[0042]
(result)
FIG. 1 shows the analysis results of each test plot. Using no enzyme as a control (FIG. 1 (a)), a comparison was made between the effects of the enzyme addition before (FIG. 1 (b)) and after (FIG. 1 (c)) the extraction.
[0043]
As a result, first, it is found that the addition of glycoside-decomposing enzyme (β-glucosidase) suppresses the increase of benzyl alcohol and indole, which are considered to be one of the causative substances of retort odor. It can also be seen that the addition of the enzyme significantly increased cis-3-hexenol (green leaf alcohol) having the scent of young leaves and benzaldehyde having the fresh flavor of tea.
[0044]
From these results, it has been clarified that the addition of β-glucosidase suppresses an increase in the odor component compounds that cause retort odor and also improves the fragrance.
[0045]
Then, the timing of adding the enzyme, from FIG. 1 (b) and FIG. 1 (c), the relates good aroma increased incidence suppression and tea retort odor in addition the extraction after the addition prior to extraction of the resulting sensual There is no significant difference in the evaluation. However, in general, an enzymatic reaction requires a predetermined reaction time at a predetermined temperature, and it is desired that a beverage be processed at a temperature as low as possible and in a short time from the viewpoint of quality deterioration during beverage production. Therefore, according to the production method according to the present invention in which an enzyme is added before extraction, it is possible to increase a favorable fragrance component before deterioration of a tea beverage occurs. From this example, it was found that by adding the enzyme before extraction, a sufficient effect of the enzyme treatment can be obtained in a short time in the temperature range from extraction to sterilization. This is very preferable from the viewpoint of suppressing quality deterioration during beverage production.
[0046]
Example 2 Comparison of Enzymes Differences in flavor due to differences in enzymes used for enzyme treatment were examined using β-glucosidase, protease, and α-amylase.
In addition, similarly to Example 1, before extracting the green tea component, each enzyme was previously added to produce a green tea beverage.
[0047]
(result)
Evaluation was made based on sensory tests and analysis results. The results are shown in Table 1 and FIG. From this, it was found that when β-glucosidase was used, the retort odor was suppressed and the effect of improving the aroma was obtained.
[0048]
[Table 1]

[0049]
<Example 3> Examination of enzyme addition amount 10 g of green tea premium product and a predetermined amount of β-glucosidase (0, 50, 100, 500, 1000 units) were added to 1000 mL of ion-exchanged water at 55 ° C and extracted for 3.5 minutes. The obtained extract was roughly filtered through a 100-mesh stainless steel filter, cooled to 25 ° C. or lower, and fine tea powder was removed with a flannel cloth. Thereafter, 100 ppm of vitamin C was added to stabilize the quality, and the pH was adjusted to 6.0 by adding sodium bicarbonate.
After pH adjustment, the extract was filled into a 200 mL can and sterilized at 121 ° C. for about 7 minutes.
[0050]
(result)
Evaluation was performed by a sensory test. Table 2 shows the results. Thus, it can be seen that when the amount of the enzyme added was 50 units, the retort odor was weakened, and a green tea beverage with slightly improved aroma was obtained. When the amount of the enzyme added was 100 units or 500 units, the retort odor was remarkably suppressed, and a green tea beverage having freshness and an improved aroma balance was obtained. On the other hand, when the amount of the enzyme added was 1,000 units, the retort odor was suppressed, but an unfavorable result was obtained from the viewpoint of aroma balance. This indicates that the amount of enzyme added is preferably in the range of 50 to 500 units, and in the range of 100 to 500 units, it is particularly preferable as a green tea beverage with suppressed retort odor and improved aroma.
[0051]
[Table 2]

[0052]
<Example 4> Comparison with green tea beverage using tea flavor extract (1) Production of tea beverage using tea flavor extract (1-1) Production method of tea flavor extract using β-glucosidase 1000 mL of distilled water was added to 50 g of tea, and 500 units of β-glucosidase as a hydrolase were added thereto. This was subjected to steam distillation under reduced pressure in a warm bath at 40 ° C. for 1 hour to collect a scent unique to tea and a scent generated by enzyme treatment.
[0053]
(1-2) Production method of tea beverage using the above-mentioned tea flavor extract 10 g of Shizuoka-produced green tea premium product was extracted with 1000 mL of ion-exchanged water at 55 ° C for 3.5 minutes. The obtained extract was coarsely filtered with a 100-mesh stainless steel filter, cooled to 25 ° C. or lower, and fine tea powder was removed with a flannel cloth. Next, the tea flavor extract prepared above was added so as to be 10% by mass with respect to the final liquid amount. Thereafter, 100 ppm of vitamin C for quality stability was added, and sodium bicarbonate was added to adjust the pH to about 6.0.
After pH adjustment, the extract was filled into a 200 mL can and sterilized at 121 ° C. for about 7 minutes.
[0054]
(2) Production of tea beverage according to the present invention 10 g of green tea from Shizuoka and 500 units of β-glucosidase were added to 1000 mL of ion-exchanged water at 55 ° C., and the mixture was extracted for 3.5 minutes. After coarse filtration with a filter, the mixture was cooled to 25 ° C. or less, and fine powder of tea was removed with a flannel cloth. Thereafter, 100 ppm of vitamin C was added to stabilize the quality, and the pH was adjusted to 6.0 by adding sodium bicarbonate.
After pH adjustment, the extract was filled into a 200 mL can and sterilized at 121 ° C. for about 7 minutes.
[0055]
(result)
The analysis results of the green tea beverage using the tea flavor extract and the analysis results of the green tea beverage according to the production method of the present invention are shown in FIGS. 3 (a) and 3 (b), respectively. Thus, the green tea beverage produced by adding the aroma extract produced using β-glucosidase tended to slightly increase cis-3-hexenol (green leaf alcohol) and slightly decrease the retort odor. No significant improvement was seen. Although the production of the fragrance extract using the enzyme leads to an increase in cost, it can be said that the effect of the increase in cost cannot be expected.
[0056]
【The invention's effect】
According to the present invention, a method for producing a tea beverage capable of increasing the original good aroma of tea while suppressing the generation of heated odors such as retort odor, and further, the quality of tea with the passage of time during production It has become possible to provide a simple and convenient method for producing a tea beverage that can also prevent deterioration.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an analysis result by a gas chromatogram of an aroma component of a green tea beverage,
(A) is a diagram showing an analysis result of a green tea beverage produced without performing an enzyme treatment,
(B) is a diagram showing an analysis result of a green tea beverage produced by adding an enzyme before extraction,
(C) The figure which shows the analysis result of the green tea drink manufactured by the enzyme addition after extraction.
FIG. 2 is a view showing the results of gas chromatogram analysis of aroma components of green tea beverages using various enzymes,
(A) is a diagram showing an analysis result of a green tea beverage produced by adding β-glucosidase,
(B) The figure which shows the analysis result of the green tea drink manufactured by protease addition.
(C) is a view showing an analysis result of a green tea beverage produced by adding α-amylase,
FIG. 3 is a diagram showing an analysis result by a gas chromatogram of an aroma component of a green tea beverage,
(A) The figure which shows the analysis result of the green tea drink which used the tea flavor extract.
(B) The figure which shows the analysis result of the green tea drink manufactured by the manufacturing method of this invention.

Claims

A method for extracting a green tea component from a green tea raw material to obtain a green tea extract, and a step of heat sterilizing the green tea extract obtained in the step to produce a green tea beverage, the method for producing a green tea beverage, Prior to the heat sterilization treatment step of the extract, an enzyme treatment step of adding a glycoside-degrading enzyme to convert a glycoside contained in the unheated green tea extract into an aroma component compound is further provided. A method for producing a novel green tea beverage.

By the enzymatic treatment performed prior to the heat sterilization treatment step of the green tea extract, benzyl alcohol and / or indole, which are contained in the unheated green tea extract and are aroma component compounds that cause a heated odor, are reduced. The method for producing a novel green tea beverage according to claim 1, wherein cis-3-hexenol, which is a natural aroma component compound, increases.

The method for producing a novel green tea beverage according to claim 1 or 2, wherein the glycoside-decomposing enzyme is glycosidase.

The method for producing a novel green tea beverage according to claim 1 or 2, wherein the glycoside-decomposing enzyme is β-glycosidase.

The method for producing a novel green tea beverage according to any one of claims 1 to 4, wherein addition of the glycoside-decomposing enzyme is performed before extraction of the green tea component.

The method for producing a novel green tea beverage according to any one of claims 1 to 5, wherein an amount of the glycoside-decomposing enzyme to be added is 50 to 500 units per 1000 mL of the green tea component extraction solvent.

A green tea beverage produced by the method according to any one of claims 1 to 6, which contains the glycoside-degrading enzyme substantially because the glycoside-degrading enzyme is inactivated by heat sterilization. Not a new green tea beverage.