JP2004147422A - 遅延回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こっても、一定時間内に各検出/復帰の条件を満たす状態に戻った場合には、カウンタによる経過時間のカウントをリセットしない様にすること。
【解決手段】検出信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタ(630)を含む遅延回路(600A)において、経過時間が遅延時間(T)に達する前に、検出信号を一定の時間(T’)より短い時間(t’1)の間だけ受けない場合、リセットカウンタ(640)とタイマ制御回路(610A)との組合せは、カウンタをリセットすることなく、カウンタのカウント動作を継続させて、経過時間が遅延時間だけ経過したときに有効検出信号を出力させる。
【選択図】 図9
【解決手段】検出信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタ(630)を含む遅延回路(600A)において、経過時間が遅延時間(T)に達する前に、検出信号を一定の時間(T’)より短い時間(t’1)の間だけ受けない場合、リセットカウンタ(640)とタイマ制御回路(610A)との組合せは、カウンタをリセットすることなく、カウンタのカウント動作を継続させて、経過時間が遅延時間だけ経過したときに有効検出信号を出力させる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は充電可能な二次電池を保護するための二次電池保護回路に関し、特に、二次電池保護回路に用いられる遅延回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係る二次電池保護回路は、リチウムイオン電池のような二次電池を備えた二次電池ユニットに用いられ、二次電池の過充電状態、過放電状態、過電流状態等を検出してそれぞれに応じた保護動作を行うことで二次電池を保護するためのものである。
【0003】
二次電池にはニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池、リチウムイオン電池等、様々なタイプのものがある。二次電池の充電にはそのタイプに合った充電器を使用する必要がある。様々なタイプの二次電池のうち、リチウムイオン電池は、過放電、過充電に弱い。このため、リチウムイオン電池を備えた電池ユニットの二次電池保護回路は、リチウムイオン電池の過放電状態、過充電状態を検出する検出装置が不可欠である。この二次電池保護回路は更に、過電流状態を検出する検出装置も必要である。
【0004】
過充電について言えば、リチウムイオン電池は、充電器で充電していくと満充電状態を過ぎても電池電圧は上昇を続ける。過充電状態になると、電池内部圧力の上昇により電池が破損したり、リチウム金属の析出により電極間ショートが発生するおそれがある。このため、リチウムイオン電池の充電は定電流、定電圧で行う。また、定電圧充電の制御電圧は、リチウムイオン電池の定格を越えないようにしなければならない。しかし、充電器の故障や、誤って別のタイプの二次電池用の充電器による充電が行われた場合は、電池電圧がリチウムイオン電池の定格電圧を越えるおそれがある。このような場合に、電池電圧がリチウムイオン電池の最大定格を越えないように充電電流を遮断する機能が過充電保護機能である。
【0005】
過放電について言えば、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池は、電池容量が0になるまで使った後に充電するという使用方法をとらないと電池能力が低下する。言い換えれば、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池は、浅い放電・充電を繰り返して使用すると、電池能力が低下する。このような効果はメモリー効果と呼ばれる。一方、リチウムイオン電池はメモリー効果を持たず、二次電池として理想的である。しかし、その反面、放電し過ぎて電池電圧が所定値以下になってしまうと、リチウムイオン電池の構成物質が変質し電池寿命を縮める場合がある。このため、電池電圧が所定値以下に低下した場合に、放電電流を遮断する機能が過放電保護機能である。
【0006】
次に、過電流について言えば、リチウムイオン電池を保管したり持ち運ぶ際、誤って何らかの金属でリチウムイオン電池の+端子と−端子との間をショートさせてしまった場合や、接続機器が故障してショート状態となった場合は、大電流が流れるおそれがある。このため、二次電池保護回路において電流値を検出して放電電流を遮断する機能が過電流保護機能である。
【0007】
上記のいずれの保護機能においても、電圧あるいは電流を検出して保護動作を行うようにしている。ここで、電圧あるいは電流にごく短時間の変動が生ずる場合がある。このような場合には、変動値が大きい場合でも上記保護動作を行う必要はない。これを実現するために、二次電池保護回路には不感応時間設定回路も備えられている。不感応時間設定回路というのは、例えば過電流が検出されたとしても、一定時間、つまり不感応時間の間は過電流保護動作を実行しないようにするためである。換言すれば、過電流状態が一定時間継続して検出されたときに初めて過電流保護動作を実行する。尚、不感応時間設定回路は遅延回路とも呼ばれ、上記一定時間(不感応時間)は遅延時間とも呼ばれる。
【0008】
なお、リチウムイオン電池は、通常、定電流充電+定電圧充電の方法で充電されて使用される。ここで、充電時間を短くするために「パルス充電」といわれる充電方法を行うこともある。パルス充電は非常に時間のかかる定電圧充電を行わない充電方法で、常に定電流で充電する方法である。このような、パルス充電は、例えば、特許文献1に比較的詳しく説明されている。
【0009】
また、電池の過渡応答とは、電池の内部インピーダンスや配線インピーダンスによる出力波形の時間変化のことをいう。
【0010】
詳述すると、電池の等価的な回路はコンデンサ、抵抗、コイルが複雑に組み合わされた回路になるが、LC成分を含むため、充電停止直後/開始直後の電圧波形は、オーバシュートが出たり、その後ゆっくり電圧が変化したりする。これらの変化を総称して過渡応答という。
【0011】
次に、図1を参照して、一般的な二次電池保護回路200を備えた電池ユニット100について説明する。電池ユニット100は「電池パック」と呼ばれ、正極端子101と負極端子102とを持つ。正極端子101および負極端子102は外部接続端子とも呼ばれる。正極端子101と負極端子102との間には、負荷400または充電器500が接続される。
【0012】
図示の電池パック100は、少なくとも1個のリチウムイオン電池(単位電池)301を含む二次電池300を有する。二次電池300はバッテリ電圧(電池電圧)VBATを発生している。この二次電池300には二次電池保護回路200が並列に接続されている。
【0013】
二次電池保護回路200は、電源入力端子VCCと、過充電検出出力端子COと、後述する第1の電界効果トランジスタ用のゲート出力端子DOと、過電流検出入力端子VMと、接地端子GNDとを持つ。尚、実際には、二次電池保護回路200は、これらの端子以外の端子をも含むが、本発明とは直接関連がないので省略してある。
【0014】
二次電池300の陽極(カソード)は正極端子101に接続され、陰極(アノード)は、後述する第1および第2の電界効果トランジスタFET1およびFET2を介して負極端子102に接続されている。電源入力端子VCCは正極端子101(二次電池300の陽極)に接続されている。
【0015】
前述したように、二次電池300の陰極と負極端子102との間には、第1および第2の電界効果トランジスタFET1およびFET2が直列に接続されている。第1の電界効果トランジスタFET1は放電制御スイッチとして動作し、第2の電界効果トランジスタFET2は充電制御スイッチとして動作する。また、第1および第2の電界効果トランジスタFET1およびFET2の各々は、nチャンネルMOSFETで構成されている。
【0016】
第1の電界効果トランジスタFET1のソースは接地端子GNDに接続され、ゲートはゲート駆動端子DOに接続され、ドレインは第2の電界効果トランジスタFET2のドレインに接続されている。第2の電界効果トランジスタFET2のドレインは第1の電界効果トランジスタFET1のドレインに接続され、ゲートは過充電検出出力端子COに接続され、ソースは負極端子102に接続されている。また、第2の電界効果トランジスタFET2のソースは過電流検出入力端子VMにも接続されている。
【0017】
二次電池保護回路200は、過放電検出回路210と、過充電検出回路220と、過電流検出回路230と、論理和ゲートGとを有する。
【0018】
過放電検出回路210には過放電検出しきい値電圧Vth(od)が設定されている。すなわち、過放電検出回路210は、バッテリ電圧VBATと過放電検出しきい値電圧Vth(od)とを比較し、バッテリ電圧VBATが過放電検出しきい値電圧Vth(od)とを比較し、バッテリ電圧VBATが過放電検出しきい値電圧Vth(od)よりも低くなると過放電と判定して、論理ローレベルの過放電検出信号を出力する。この過放電検出信号は、後述する過電流検出信号と共に論理和ゲートGで論理和をとられた後、最終過放電/過電流検出信号としてゲート出力端子DOを介して第1の電界効果トランジスタ(放電制御スイッチ)FET1に供給される。
【0019】
最終過放電/過電流検出信号に応答して、放電制御スイッチFET1がオフし、正極端子101と負極端子102との間に接続された負荷400との接続を断として放電を禁止する。なお、過放電検出しきい値電圧Vth(od)は、例えば、満充電時おけるバッテリ電圧VBATとの数十パーセント程度に設定される。
【0020】
同様に、過充電検出回路220には過充電検出しきい値電圧Vth(oc)が設定されている。すなわち、過充電検出回路220は、バッテリ電圧VBATと過充電検出しきい値電圧Vth(oc)とを比較し、バッテリ電圧VBATが過充電検出しきい値電圧Vth(oc)よりも高くなると過充電と判定して、論理ローレベルの過充電検出信号を出力する。この過充電検出信号は過充電検出出力端子COを介して第2の電界効果トランジスタ(充電制御スイッチ)FET2に供給される。
【0021】
過充電検出信号に応答して、充電制御スイッチFET2がオフし、正極端子101と負極端子102との間に接続された充電器500との接続を断として充電を禁止する。
【0022】
過電流検出回路230は、放電制御スイッチFET1及び充電制御スイッチFET2の電圧降下VF1に基づいて等価的に負荷電流(放電電流)ILを検出している。すなわち、放電制御スイッチFET1及び充電制御スイッチFET2の電圧降下VF1を利用して、過電流検出回路230は負荷400を流れる負荷電流ILを監視している。
【0023】
図2を参照して、過放電検出回路210について説明する。過放電検出回路210は、過放電検出しきい値電圧Vth(od)に対応する過放電検出用基準電圧を発生するためのツェナーダイオード211と、バッテリ電圧VBATを分圧する直列接続されたブリーダ抵抗212,213から成る過放電用抵抗分圧回路と、この過放電用抵抗分圧回路から発生された過放電用分圧電圧と過放電検出用基準電圧とを比較する過放電検出コンパレータ214と、この過放電検出コンパレータ214の出力端子と非反転入力端子との間に接続された過放電用ヒステリシス回路215と、過放電検出コンパレータ214の出力端子に接続された過放電用遅延回路216と、この過放電用遅延回路216の出力端子に接続された過放電用出力制御回路217とを有する。
【0024】
ツェナーダイオード211と過放電用抵抗分圧回路(212,213)と過放電検出コンパレータ214との組合せは、過放電用検出器と呼ばれる。
【0025】
過放電用分圧電圧が過放電検出用基準電圧よりも低くなる(すなわち、バッテリ電圧VBATが過放電検出しきい値電圧Vth(od)よりも低くなる)と、過放電検出コンパレータ214は論理ローレベルの過放電検出信号を出力する。この過放電検出信号は過放電用遅延回路216および過放電用出力制御回路217を介して論理和ゲートGへ出力される。一方、バッテリ電圧VBATが過放電しきい値電圧Vth(od)に過放電用ヒステリシス回路215によって規定された過放電用ヒステリシス電圧Vhy(od)を加えて得られる過放電復帰電圧(Vth(od)+Vhy(od))よりも高くなると、過放電検出コンパレータ214は論理ハイレベルの過放電保護解除信号を出力する。この過放電保護解除信号は過放電用遅延回路216および過放電用制御回路217を介して論理和ゲートGへ出力される。
【0026】
第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過放電検出回路210から論理ローレベルの過放電検出信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオフする。一方、第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過放電検出回路210から論理ハイレベルの過放電保護解除信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオンする。
【0027】
図3を参照して、過充電検出回路220について説明する。過充電検出回路220は、過充電検出しきい値電圧Vth(oc)に対応する過充電検出用基準電圧を発生するためのツェナーダイオード221と、バッテリ電圧VBATを分圧する直列接続されたブリーダ抵抗222,223から成る過充電用抵抗分圧回路と、この過充電用抵抗分圧回路から発生された過充電用分圧電圧と過充電検出用基準電圧とを比較する過充電検出コンパレータ224と、この過充電検出コンパレータ224の出力端子と反転入力端子との間に接続された過充電用ヒステリシス回路225と、過充電検出コンパレータ224の出力端子に接続された過充電用遅延回路226と、この過充電用遅延回路226の出力端子に接続された過充電用出力制御回路227とを有する。
【0028】
ツェナーダイオード221と過充電用抵抗分圧回路(222,223)と過充電検出コンパレータ224との組合せは、過充電用検出器と呼ばれる。
【0029】
過充電用分圧電圧が過充電検出用基準電圧よりも高くなる(すなわち、バッテリ電圧VBATが過充電検出しきい値電圧Vth(oc)よりも高くなる)と、過充電検出コンパレータ224は論理ローレベルの過充電検出信号を出力する。この過充電検出信号は過充電用遅延回路226および過充電用出力制御回路227を介して過充電検出出力端子COへ出力される。一方、バッテリ電圧VBATが、過充電しきい値電圧Vth(oc)から過充電用ヒステリシス回路225によって規定された過充電用ヒステリシス電圧Vhy(oc)を引いて得られる過充電復帰電圧(Vth(oc)−Vhy(oc))よりも低くなると、過充電検出コンパレータ224は論理ハイレベルの過充電保護解除信号を出力する。この過充電保護解除信号は過充電用遅延回路226および過充電用制御回路227を介して過充電検出出力端子COへ出力される。
【0030】
第2の電界効果トランジスタFET2のゲートに過充電検出回路220から論理ローレベルの過充電検出信号が供給されると、第2の電界効果トランジスタFET2はオフする。一方、第2の電界効果トランジスタFET2のゲートに過充電検出回路220から論理ハイレベルの過充電保護解除信号が供給されると、第2の電界効果トランジスタFET2はオンする。
【0031】
図4を参照して、過電流検出回路230について説明する。過電流検出回路230は、過電流検出用基準電圧を発生するためのツェナーダイオード231と、過電流検出入力端子VMの電圧と過電流検出用基準電圧とを比較する過電流検出コンパレータ234と、この過放電検出コンパレータ234の出力端子に接続された過電流用遅延回路236と、この過電流用遅延回路236の出力端子に接続された過電流用出力制御回路237とを有する。
【0032】
ツェナーダイオード231と過電流検出コンパレータ234との組合せは、過電流用検出器と呼ばれる。
【0033】
過電流検出入力端子VMの電圧が過電流検出用基準電圧よりも高くなると、過電流検出コンパレータ234は論理ローレベルの過電流検出信号を出力する。この過電流検出信号は過電流用遅延回路236および過電流用出力制御回路237を介して論理和ゲートGへ出力される。一方、過電流検出入力端子VMの電圧が過電流検出用基準電圧よりも低くなると、過電流検出コンパレータ234は論理ハイレベルの過電流保護解除信号を出力する。この過電流保護解除信号は過電流用遅延回路236および過電流用制御回路237を介して論理和ゲートGへ出される。
【0034】
第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過電流検出回路230から論理ローレベルの過電流検出信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオフする。一方、第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過電流検出回路230から論理ハイレベルの過電流保護解除信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオンする。
【0035】
上述したように、過放電検出回路210、過充電検出回路220、および過電流検出回路230は、いずれも遅延回路216、226、236を備えている。
【0036】
図5を参照して、従来の遅延回路600について説明する。遅延回路600は、タイマ制御回路610と発振器620とカウンタ630とから構成されている。発振器620とカウンタ630によって遅延時間Tを設けている。発振器620から発振されたクロック信号はカウンタ630に供給される。このクロック信号に同期して、カウンタ630はカウント動作を行う。また、カウンタ630には、タイマ制御回路610からリセット信号が供給される。このリセット信号に応答して、カウンタ630はリセットされる。
【0037】
タイマ制御回路610は遅延時間のカウントの開始/終了を制御する部分で、当該検出器、その他検出回路の検出状態を判断して、カウンタ動作を制御する。
【0038】
発振器620は遅延回路600の遅延時間を決定するための基本のクロック回路で、一定の周波数(例えば2kHz)で発振する。タイマ制御回路610からの信号の発振器620の発振の開始/停止を制御することが出来る。
【0039】
カウンタ630は発振器620からの出力を分周して周波数を落とす回路である。カウンタ630は、Dフリップ・フロップを多段に直列に繋いで構成され、発振器620の出力する周波数を(1/2N)倍の任意の周波数に分周する。尚、Dフリップ・フロップはTフリップ・フロップとも呼ばれ、入力する信号の周波数の1/2の周波数を持つ信号を出力する。
【0040】
遅延回路600は、検出器からの検出信号が、所定の遅延時間Tの間継続したときに初めて、その検出信号が有効であることを示す有効検出信号を出力制御回路へ出力する。換言すれば、所定の遅延時間Tの間継続して検出条件が満たされたときに初めて、遅延回路600は有効検出信号を出力制御回路へ出力する。従って、検出条件を満たした時点から所定の遅延時間Tが経過する前に検出条件が満たされなくなると、遅延回路600は有効検出信号を出力制御回路へ出力しない。
【0041】
また、遅延回路600は、検出器からの復帰信号が、所定の遅延時間Tの間継続したときに始めて、その復帰信号が有効であることを示す有効復帰信号を出力制御回路へ出力する。換言すれば、所定の遅延時間Tの間継続して復帰条件が満たされたときに初めて、遅延回路600は有効復帰信号を出力制御回路へ出力する。したがって、復帰条件を満たした時点から所定の遅延時間Tが経過する前に検出条件が満たされなくなると、遅延回路600は有効復帰信号を出力制御回路へ出力しない。
【0042】
次に、図6および図7を参照して、図5に図示する従来の遅延回路600の動作について説明する。図7において、Aは検出器の出力を示し、Bはタイマ制御回路610から発振器620への出力を示し、論理“H”レベルは「停止」を、論理“L”レベルは「発振」を示し、Cはタイマ制御回路610からカウンタ630への出力を示し、論理“H”レベルは「リセット」を、論理“L”レベルは「カウント」を示し、Dは遅延回路600の出力を示す。
【0043】
タイマ制御回路610は検出器からの出力(検出信号)が有るか否かを判断する(ステップS1)。検出器からの出力が無い場合、すなわち、検出器からの出力信号が論理“L”レベルの場合、タイマ制御回路610は発振器620の発振を停止して、カウンタ630のカウント値Cを0にリセットする(ステップS2)。
【0044】
一方、検出器からの出力が有る場合、すなわち、検出器からの出力信号が論理“H”レベルの場合、タイマ制御回路610は発振器620の発振動作を開始させる(ステップS3)。この発振器620から発振されるクロック信号に同期して、カウンタ630はカウント動作を行い(クロック信号を分周し)、カウント値Cを1ずつインクリメントする(C=C+1)(ステップS4)。
【0045】
カウンタ630は、そのカウント値Cに相当する経過時間が所定の遅延時間Tに達したか否か判断する(ステップS5)。カウント値Cに相当する経過時間が所定の遅延時間Tに達しない場合、すなわち、T>Cの場合(ステップS5のN)、ステップS1に戻る。一方、カウント値Cに相当する経過時間が所定の遅延時間Tに達した場合、すなわち、T≦Cの場合(ステップS5のY)、カウンタ630は有効検出信号を出力制御回路へ出力し(ステップS6)、出力の切り替えが行われる(ステップS7)。
【0046】
【特許文献1】
特開平9−233726号公報
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遅延回路600では、各検出/復帰の条件を満たさなくなると、タイマ制御回路610によって瞬時にカウンタ630がリセットされてしまう。換言すれば、図8に示されるされるように、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間Tに達する前に、一瞬t’でも各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こると、瞬時にカウンタ630がリセットされてしまう。その為、従来の遅延回路600では、各検出/復帰の条件を再び満たした時点からカウンタ630が再びカウント動作を開始することになる。
【0048】
したがって、本発明の課題は、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こっても、一定時間内に各検出/復帰の条件を満たす状態に戻った場合には、カウンタによる経過時間のカウントをリセットしない様にできるようにした、遅延回路を提供することにある。
【0049】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、検出器と出力制御回路との間に設けられた遅延回路(600A,600B)であって、検出器からの検出信号が所定の遅延時間(T)の間継続したときに、この検出信号が有効であることを示す有効検出信号を出力制御回路へ出力する遅延回路であり、検出信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタ(630)を含む、遅延回路において、経過時間が遅延時間に達する前に、検出信号を一定の時間(T’)より短い時間(t’1)の間だけ受けない場合には、カウンタをリセットすることなく、カウンタのカウント動作を継続させて、経過時間が遅延時間だけ経過したときに有効検出信号を出力させる手段(640,640A,610A)を有することを特徴とする遅延回路が得られる。
【0050】
上記第1の態様による遅延回路において、経過時間が遅延時間(T)に達する前に、検出信号を一定の時間(T’)の間受けない場合、カウンタをリセットする手段(610A)を有することが好ましい。
【0051】
本発明の第2の態様によれば、検出器と出力制御回路との間に設けられた遅延回路(600A,600B)であって、検出器からの復帰信号が所定の遅延時間(T)の間継続したときに、この復帰信号が有効であることを示す有効復帰信号を出力制御回路へ出力する遅延回路であり、復帰信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタ(630)を含む、遅延回路において、経過時間が遅延時間に達する前に、復帰信号を一定の時間(T’)より短い時間(t’1)の間だけ受けない場合には、カウンタをリセットすることなく、カウンタのカウント動作を継続させて、経過時間が遅延時間だけ経過したときに有効復帰信号を出力させる手段(640,640A,610A)を有することを特徴とする遅延回路が得られる。
【0052】
上記第2の態様による遅延回路において、経過時間が遅延時間(T)に達する前に、復帰信号を一定の時間(T’)の間受けない場合、カウンタをリセットする手段(610A)を有することが好ましい。
【0053】
上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0055】
図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る遅延回路600Aについて説明する。図示の遅延回路600Aは、タイマ制御回路が図5のものから変更され、かつ、リセットカウンタ640が付加された点を除いて、図5に示した従来の遅延回路600と同様の構成を有する。したがって、タイマ制御回路に610Aの参照符号を付す。また、図5に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
【0056】
リセットカウンタ640には発振器620からクロック信号が供給される。リセットカウンタ640には、タイマ制御回路610からリセット信号が供給される。
【0057】
図10及び図11を参照して、図9に図示した遅延回路600Aの動作について説明する。図10は検出器の出力が一定の時間T’より短い時間t’1だけ出力が無い場合の動作を示し、図11は検出器の出力が一定の時間T’より長い時間t’2だけ無い場合の動作を示す。図10及び図11において、Aは検出器の出力を示し、Bはタイマ制御回路610から発振器620への出力を示し、論理“H”レベルは「停止」を、論理“L”レベルは「発振」を示し、Cはタイマ制御回路610からカウンタ630への出力を示し、論理“H”レベルは「リセット」を、論理“L”レベルは「カウント」を示し、Eはタイマ制御回路610Aからリセットカウンタ640への出力を示し、論理“H”レベルは「リセット」を、論理“L”レベルは「カウント」を示し、Fはリセットカウンタ640からタイマ制御回路610Aへの出力を示し、論理“H”レベルは「カウント満了」を示し、論理“L”レベルは「カウント中又は停止中」を示し、Dは遅延回路600Aの出力を示す。
【0058】
図10に示されるように、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間Tに達する前に、一定の時間T’より短い時間t’1だけ検出器の出力が無かったとする。この場合、タイマ制御回路610Aはカウンタ630をリセットすることなく、カウンタ630のカウント動作を継続させる。したがって、上記経過時間が遅延時間Tだけ経過したときに、遅延回路600Aは有効検出信号を出力する。
【0059】
図11に示されるように、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間Tに達する前に、一定の時間T’より長い時間t’2だけ検出器の出力が無かったとする。この場合、検出器の出力が無くなった時点から、タイマ制御回路610Aはリセットカウンタ640をカウント動作を開始させる。リセットカウンタ640は発振器620からのクロック信号に同期してカウント動作を行い、そのカウント動作が満了して一定の時間T’経過すると、非常に短い時間t”の間、カウント満了信号Fをタイマ制御回路610Aへ出力する。このカウント満了信号Fに応答して、タイマ制御回路610Aは発振器620の発振を停止すると共に、カウンタ630をリセットする。ここで、非常に短い時間t”は、論理回路が持つ固有の非常に短い内部遅延時間である。
【0060】
その後、再び検出器の出力があると、その時点から遅延時間Tだけ経過したときに、遅延回路600Aは有効検出信号を出力する。
【0061】
図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る遅延回路600Bについて説明する。図示の遅延回路600Bは、リセットカウンタが図9のものから変更されている点を除いて、図9に示した遅延回路600Aと同様の構成を有する。したがって、リセットカウンタに640Aの参照符号を付す。また、図6に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
【0062】
図9に示した遅延回路600Aでは、リセットカウンタ640には発振器620から発振されたクロック信号G(図13のG)が供給されていたのに対して、図12に示した遅延回路600Bでは、リセットカウンタ640Aにはカウンタ630からの途中出力(クロック信号Gを分周した信号)H(図13のH)が供給される。
【0063】
このように、リセットカウンタ640Aに供給される入力信号Hが、リセットカウンタ640に供給されるクロック信号Gに比較してゆっくりであるため、リセットカウンタ640Aを構成するDフリップ・フロップの段数をリセットカウンタ640のものに比較して少なくすることができる。
【0064】
上述した実施の形態では、リセットカウンタ640、640Aを、カウンタ630をカウント動作させる発振器620を用いて、カウント動作させており、1個の発振器のみ用いている。したがって、各検出/復帰用の発振器と遅延リセット用の発振器との2つの発振器を用いる場合に比較して、本実施の形態では、発振器を1個削減することが可能である。その結果、ICチップサイズの縮小とコストダウンを図ることができる。
【0065】
このような遅延回路600A、600Bは、パルス充電を行なう場合に、電池の過渡応答により、既に過充電状態となっている電池を誤って過充電遅延をリセットしない様にする場合等に有用な回路である。
【0066】
以上、本発明について実施の形態によって例を挙げて説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こっても、一定時間内に各検出/復帰の条件を満たす状態に戻った場合には、カウンタによる経過時間のカウントをリセットしない様にして、前述した過渡応答による誤動作を防ぐ目的でカウンタがリセットさせるまでの時間に、遅延を設けることができる。これにより、パルス充電の充電停止時にオーバシュートが出るような電池の過充電電圧を正確に検出できるようになり、安全性が高まる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延回路を含む二次電池保護回路を含む電池パックの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した二次電池保護回路に用いられる過放電検出回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した二次電池保護回路に用いられる過充電検出回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した二次電池保護回路に用いられる過電流検出回路の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に図示した従来の遅延回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図5に図示した従来の遅延回路の各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図8】図5に図示した従来の遅延回路における、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、一瞬でも各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こった場合の、各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態による遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に図示した遅延回路における、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、一定の時間より短い時間だけ検出器の出力が無かった場合の、各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図11】図9に図示した遅延回路における、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、一定の時間より長い時間だけ検出器の出力が無かった場合の、各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態による遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図13】図9に示した遅延回路と図12に示した遅延回路との動作の違いを説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
600A,600B 遅延回路
610A タイマ制御回路
620 発振器
630 カウンタ
640,640A リセットカウンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は充電可能な二次電池を保護するための二次電池保護回路に関し、特に、二次電池保護回路に用いられる遅延回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係る二次電池保護回路は、リチウムイオン電池のような二次電池を備えた二次電池ユニットに用いられ、二次電池の過充電状態、過放電状態、過電流状態等を検出してそれぞれに応じた保護動作を行うことで二次電池を保護するためのものである。
【0003】
二次電池にはニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池、リチウムイオン電池等、様々なタイプのものがある。二次電池の充電にはそのタイプに合った充電器を使用する必要がある。様々なタイプの二次電池のうち、リチウムイオン電池は、過放電、過充電に弱い。このため、リチウムイオン電池を備えた電池ユニットの二次電池保護回路は、リチウムイオン電池の過放電状態、過充電状態を検出する検出装置が不可欠である。この二次電池保護回路は更に、過電流状態を検出する検出装置も必要である。
【0004】
過充電について言えば、リチウムイオン電池は、充電器で充電していくと満充電状態を過ぎても電池電圧は上昇を続ける。過充電状態になると、電池内部圧力の上昇により電池が破損したり、リチウム金属の析出により電極間ショートが発生するおそれがある。このため、リチウムイオン電池の充電は定電流、定電圧で行う。また、定電圧充電の制御電圧は、リチウムイオン電池の定格を越えないようにしなければならない。しかし、充電器の故障や、誤って別のタイプの二次電池用の充電器による充電が行われた場合は、電池電圧がリチウムイオン電池の定格電圧を越えるおそれがある。このような場合に、電池電圧がリチウムイオン電池の最大定格を越えないように充電電流を遮断する機能が過充電保護機能である。
【0005】
過放電について言えば、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池は、電池容量が0になるまで使った後に充電するという使用方法をとらないと電池能力が低下する。言い換えれば、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池は、浅い放電・充電を繰り返して使用すると、電池能力が低下する。このような効果はメモリー効果と呼ばれる。一方、リチウムイオン電池はメモリー効果を持たず、二次電池として理想的である。しかし、その反面、放電し過ぎて電池電圧が所定値以下になってしまうと、リチウムイオン電池の構成物質が変質し電池寿命を縮める場合がある。このため、電池電圧が所定値以下に低下した場合に、放電電流を遮断する機能が過放電保護機能である。
【0006】
次に、過電流について言えば、リチウムイオン電池を保管したり持ち運ぶ際、誤って何らかの金属でリチウムイオン電池の+端子と−端子との間をショートさせてしまった場合や、接続機器が故障してショート状態となった場合は、大電流が流れるおそれがある。このため、二次電池保護回路において電流値を検出して放電電流を遮断する機能が過電流保護機能である。
【0007】
上記のいずれの保護機能においても、電圧あるいは電流を検出して保護動作を行うようにしている。ここで、電圧あるいは電流にごく短時間の変動が生ずる場合がある。このような場合には、変動値が大きい場合でも上記保護動作を行う必要はない。これを実現するために、二次電池保護回路には不感応時間設定回路も備えられている。不感応時間設定回路というのは、例えば過電流が検出されたとしても、一定時間、つまり不感応時間の間は過電流保護動作を実行しないようにするためである。換言すれば、過電流状態が一定時間継続して検出されたときに初めて過電流保護動作を実行する。尚、不感応時間設定回路は遅延回路とも呼ばれ、上記一定時間(不感応時間)は遅延時間とも呼ばれる。
【0008】
なお、リチウムイオン電池は、通常、定電流充電+定電圧充電の方法で充電されて使用される。ここで、充電時間を短くするために「パルス充電」といわれる充電方法を行うこともある。パルス充電は非常に時間のかかる定電圧充電を行わない充電方法で、常に定電流で充電する方法である。このような、パルス充電は、例えば、特許文献1に比較的詳しく説明されている。
【0009】
また、電池の過渡応答とは、電池の内部インピーダンスや配線インピーダンスによる出力波形の時間変化のことをいう。
【0010】
詳述すると、電池の等価的な回路はコンデンサ、抵抗、コイルが複雑に組み合わされた回路になるが、LC成分を含むため、充電停止直後/開始直後の電圧波形は、オーバシュートが出たり、その後ゆっくり電圧が変化したりする。これらの変化を総称して過渡応答という。
【0011】
次に、図1を参照して、一般的な二次電池保護回路200を備えた電池ユニット100について説明する。電池ユニット100は「電池パック」と呼ばれ、正極端子101と負極端子102とを持つ。正極端子101および負極端子102は外部接続端子とも呼ばれる。正極端子101と負極端子102との間には、負荷400または充電器500が接続される。
【0012】
図示の電池パック100は、少なくとも1個のリチウムイオン電池(単位電池)301を含む二次電池300を有する。二次電池300はバッテリ電圧(電池電圧)VBATを発生している。この二次電池300には二次電池保護回路200が並列に接続されている。
【0013】
二次電池保護回路200は、電源入力端子VCCと、過充電検出出力端子COと、後述する第1の電界効果トランジスタ用のゲート出力端子DOと、過電流検出入力端子VMと、接地端子GNDとを持つ。尚、実際には、二次電池保護回路200は、これらの端子以外の端子をも含むが、本発明とは直接関連がないので省略してある。
【0014】
二次電池300の陽極(カソード)は正極端子101に接続され、陰極(アノード)は、後述する第1および第2の電界効果トランジスタFET1およびFET2を介して負極端子102に接続されている。電源入力端子VCCは正極端子101(二次電池300の陽極)に接続されている。
【0015】
前述したように、二次電池300の陰極と負極端子102との間には、第1および第2の電界効果トランジスタFET1およびFET2が直列に接続されている。第1の電界効果トランジスタFET1は放電制御スイッチとして動作し、第2の電界効果トランジスタFET2は充電制御スイッチとして動作する。また、第1および第2の電界効果トランジスタFET1およびFET2の各々は、nチャンネルMOSFETで構成されている。
【0016】
第1の電界効果トランジスタFET1のソースは接地端子GNDに接続され、ゲートはゲート駆動端子DOに接続され、ドレインは第2の電界効果トランジスタFET2のドレインに接続されている。第2の電界効果トランジスタFET2のドレインは第1の電界効果トランジスタFET1のドレインに接続され、ゲートは過充電検出出力端子COに接続され、ソースは負極端子102に接続されている。また、第2の電界効果トランジスタFET2のソースは過電流検出入力端子VMにも接続されている。
【0017】
二次電池保護回路200は、過放電検出回路210と、過充電検出回路220と、過電流検出回路230と、論理和ゲートGとを有する。
【0018】
過放電検出回路210には過放電検出しきい値電圧Vth(od)が設定されている。すなわち、過放電検出回路210は、バッテリ電圧VBATと過放電検出しきい値電圧Vth(od)とを比較し、バッテリ電圧VBATが過放電検出しきい値電圧Vth(od)とを比較し、バッテリ電圧VBATが過放電検出しきい値電圧Vth(od)よりも低くなると過放電と判定して、論理ローレベルの過放電検出信号を出力する。この過放電検出信号は、後述する過電流検出信号と共に論理和ゲートGで論理和をとられた後、最終過放電/過電流検出信号としてゲート出力端子DOを介して第1の電界効果トランジスタ(放電制御スイッチ)FET1に供給される。
【0019】
最終過放電/過電流検出信号に応答して、放電制御スイッチFET1がオフし、正極端子101と負極端子102との間に接続された負荷400との接続を断として放電を禁止する。なお、過放電検出しきい値電圧Vth(od)は、例えば、満充電時おけるバッテリ電圧VBATとの数十パーセント程度に設定される。
【0020】
同様に、過充電検出回路220には過充電検出しきい値電圧Vth(oc)が設定されている。すなわち、過充電検出回路220は、バッテリ電圧VBATと過充電検出しきい値電圧Vth(oc)とを比較し、バッテリ電圧VBATが過充電検出しきい値電圧Vth(oc)よりも高くなると過充電と判定して、論理ローレベルの過充電検出信号を出力する。この過充電検出信号は過充電検出出力端子COを介して第2の電界効果トランジスタ(充電制御スイッチ)FET2に供給される。
【0021】
過充電検出信号に応答して、充電制御スイッチFET2がオフし、正極端子101と負極端子102との間に接続された充電器500との接続を断として充電を禁止する。
【0022】
過電流検出回路230は、放電制御スイッチFET1及び充電制御スイッチFET2の電圧降下VF1に基づいて等価的に負荷電流(放電電流)ILを検出している。すなわち、放電制御スイッチFET1及び充電制御スイッチFET2の電圧降下VF1を利用して、過電流検出回路230は負荷400を流れる負荷電流ILを監視している。
【0023】
図2を参照して、過放電検出回路210について説明する。過放電検出回路210は、過放電検出しきい値電圧Vth(od)に対応する過放電検出用基準電圧を発生するためのツェナーダイオード211と、バッテリ電圧VBATを分圧する直列接続されたブリーダ抵抗212,213から成る過放電用抵抗分圧回路と、この過放電用抵抗分圧回路から発生された過放電用分圧電圧と過放電検出用基準電圧とを比較する過放電検出コンパレータ214と、この過放電検出コンパレータ214の出力端子と非反転入力端子との間に接続された過放電用ヒステリシス回路215と、過放電検出コンパレータ214の出力端子に接続された過放電用遅延回路216と、この過放電用遅延回路216の出力端子に接続された過放電用出力制御回路217とを有する。
【0024】
ツェナーダイオード211と過放電用抵抗分圧回路(212,213)と過放電検出コンパレータ214との組合せは、過放電用検出器と呼ばれる。
【0025】
過放電用分圧電圧が過放電検出用基準電圧よりも低くなる(すなわち、バッテリ電圧VBATが過放電検出しきい値電圧Vth(od)よりも低くなる)と、過放電検出コンパレータ214は論理ローレベルの過放電検出信号を出力する。この過放電検出信号は過放電用遅延回路216および過放電用出力制御回路217を介して論理和ゲートGへ出力される。一方、バッテリ電圧VBATが過放電しきい値電圧Vth(od)に過放電用ヒステリシス回路215によって規定された過放電用ヒステリシス電圧Vhy(od)を加えて得られる過放電復帰電圧(Vth(od)+Vhy(od))よりも高くなると、過放電検出コンパレータ214は論理ハイレベルの過放電保護解除信号を出力する。この過放電保護解除信号は過放電用遅延回路216および過放電用制御回路217を介して論理和ゲートGへ出力される。
【0026】
第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過放電検出回路210から論理ローレベルの過放電検出信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオフする。一方、第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過放電検出回路210から論理ハイレベルの過放電保護解除信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオンする。
【0027】
図3を参照して、過充電検出回路220について説明する。過充電検出回路220は、過充電検出しきい値電圧Vth(oc)に対応する過充電検出用基準電圧を発生するためのツェナーダイオード221と、バッテリ電圧VBATを分圧する直列接続されたブリーダ抵抗222,223から成る過充電用抵抗分圧回路と、この過充電用抵抗分圧回路から発生された過充電用分圧電圧と過充電検出用基準電圧とを比較する過充電検出コンパレータ224と、この過充電検出コンパレータ224の出力端子と反転入力端子との間に接続された過充電用ヒステリシス回路225と、過充電検出コンパレータ224の出力端子に接続された過充電用遅延回路226と、この過充電用遅延回路226の出力端子に接続された過充電用出力制御回路227とを有する。
【0028】
ツェナーダイオード221と過充電用抵抗分圧回路(222,223)と過充電検出コンパレータ224との組合せは、過充電用検出器と呼ばれる。
【0029】
過充電用分圧電圧が過充電検出用基準電圧よりも高くなる(すなわち、バッテリ電圧VBATが過充電検出しきい値電圧Vth(oc)よりも高くなる)と、過充電検出コンパレータ224は論理ローレベルの過充電検出信号を出力する。この過充電検出信号は過充電用遅延回路226および過充電用出力制御回路227を介して過充電検出出力端子COへ出力される。一方、バッテリ電圧VBATが、過充電しきい値電圧Vth(oc)から過充電用ヒステリシス回路225によって規定された過充電用ヒステリシス電圧Vhy(oc)を引いて得られる過充電復帰電圧(Vth(oc)−Vhy(oc))よりも低くなると、過充電検出コンパレータ224は論理ハイレベルの過充電保護解除信号を出力する。この過充電保護解除信号は過充電用遅延回路226および過充電用制御回路227を介して過充電検出出力端子COへ出力される。
【0030】
第2の電界効果トランジスタFET2のゲートに過充電検出回路220から論理ローレベルの過充電検出信号が供給されると、第2の電界効果トランジスタFET2はオフする。一方、第2の電界効果トランジスタFET2のゲートに過充電検出回路220から論理ハイレベルの過充電保護解除信号が供給されると、第2の電界効果トランジスタFET2はオンする。
【0031】
図4を参照して、過電流検出回路230について説明する。過電流検出回路230は、過電流検出用基準電圧を発生するためのツェナーダイオード231と、過電流検出入力端子VMの電圧と過電流検出用基準電圧とを比較する過電流検出コンパレータ234と、この過放電検出コンパレータ234の出力端子に接続された過電流用遅延回路236と、この過電流用遅延回路236の出力端子に接続された過電流用出力制御回路237とを有する。
【0032】
ツェナーダイオード231と過電流検出コンパレータ234との組合せは、過電流用検出器と呼ばれる。
【0033】
過電流検出入力端子VMの電圧が過電流検出用基準電圧よりも高くなると、過電流検出コンパレータ234は論理ローレベルの過電流検出信号を出力する。この過電流検出信号は過電流用遅延回路236および過電流用出力制御回路237を介して論理和ゲートGへ出力される。一方、過電流検出入力端子VMの電圧が過電流検出用基準電圧よりも低くなると、過電流検出コンパレータ234は論理ハイレベルの過電流保護解除信号を出力する。この過電流保護解除信号は過電流用遅延回路236および過電流用制御回路237を介して論理和ゲートGへ出される。
【0034】
第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過電流検出回路230から論理ローレベルの過電流検出信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオフする。一方、第1の電界効果トランジスタFET1のゲートに過電流検出回路230から論理ハイレベルの過電流保護解除信号が論理和ゲートGを介して供給されると、第1の電界効果トランジスタFET1はオンする。
【0035】
上述したように、過放電検出回路210、過充電検出回路220、および過電流検出回路230は、いずれも遅延回路216、226、236を備えている。
【0036】
図5を参照して、従来の遅延回路600について説明する。遅延回路600は、タイマ制御回路610と発振器620とカウンタ630とから構成されている。発振器620とカウンタ630によって遅延時間Tを設けている。発振器620から発振されたクロック信号はカウンタ630に供給される。このクロック信号に同期して、カウンタ630はカウント動作を行う。また、カウンタ630には、タイマ制御回路610からリセット信号が供給される。このリセット信号に応答して、カウンタ630はリセットされる。
【0037】
タイマ制御回路610は遅延時間のカウントの開始/終了を制御する部分で、当該検出器、その他検出回路の検出状態を判断して、カウンタ動作を制御する。
【0038】
発振器620は遅延回路600の遅延時間を決定するための基本のクロック回路で、一定の周波数(例えば2kHz)で発振する。タイマ制御回路610からの信号の発振器620の発振の開始/停止を制御することが出来る。
【0039】
カウンタ630は発振器620からの出力を分周して周波数を落とす回路である。カウンタ630は、Dフリップ・フロップを多段に直列に繋いで構成され、発振器620の出力する周波数を(1/2N)倍の任意の周波数に分周する。尚、Dフリップ・フロップはTフリップ・フロップとも呼ばれ、入力する信号の周波数の1/2の周波数を持つ信号を出力する。
【0040】
遅延回路600は、検出器からの検出信号が、所定の遅延時間Tの間継続したときに初めて、その検出信号が有効であることを示す有効検出信号を出力制御回路へ出力する。換言すれば、所定の遅延時間Tの間継続して検出条件が満たされたときに初めて、遅延回路600は有効検出信号を出力制御回路へ出力する。従って、検出条件を満たした時点から所定の遅延時間Tが経過する前に検出条件が満たされなくなると、遅延回路600は有効検出信号を出力制御回路へ出力しない。
【0041】
また、遅延回路600は、検出器からの復帰信号が、所定の遅延時間Tの間継続したときに始めて、その復帰信号が有効であることを示す有効復帰信号を出力制御回路へ出力する。換言すれば、所定の遅延時間Tの間継続して復帰条件が満たされたときに初めて、遅延回路600は有効復帰信号を出力制御回路へ出力する。したがって、復帰条件を満たした時点から所定の遅延時間Tが経過する前に検出条件が満たされなくなると、遅延回路600は有効復帰信号を出力制御回路へ出力しない。
【0042】
次に、図6および図7を参照して、図5に図示する従来の遅延回路600の動作について説明する。図7において、Aは検出器の出力を示し、Bはタイマ制御回路610から発振器620への出力を示し、論理“H”レベルは「停止」を、論理“L”レベルは「発振」を示し、Cはタイマ制御回路610からカウンタ630への出力を示し、論理“H”レベルは「リセット」を、論理“L”レベルは「カウント」を示し、Dは遅延回路600の出力を示す。
【0043】
タイマ制御回路610は検出器からの出力(検出信号)が有るか否かを判断する(ステップS1)。検出器からの出力が無い場合、すなわち、検出器からの出力信号が論理“L”レベルの場合、タイマ制御回路610は発振器620の発振を停止して、カウンタ630のカウント値Cを0にリセットする(ステップS2)。
【0044】
一方、検出器からの出力が有る場合、すなわち、検出器からの出力信号が論理“H”レベルの場合、タイマ制御回路610は発振器620の発振動作を開始させる(ステップS3)。この発振器620から発振されるクロック信号に同期して、カウンタ630はカウント動作を行い(クロック信号を分周し)、カウント値Cを1ずつインクリメントする(C=C+1)(ステップS4)。
【0045】
カウンタ630は、そのカウント値Cに相当する経過時間が所定の遅延時間Tに達したか否か判断する(ステップS5)。カウント値Cに相当する経過時間が所定の遅延時間Tに達しない場合、すなわち、T>Cの場合(ステップS5のN)、ステップS1に戻る。一方、カウント値Cに相当する経過時間が所定の遅延時間Tに達した場合、すなわち、T≦Cの場合(ステップS5のY)、カウンタ630は有効検出信号を出力制御回路へ出力し(ステップS6)、出力の切り替えが行われる(ステップS7)。
【0046】
【特許文献1】
特開平9−233726号公報
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遅延回路600では、各検出/復帰の条件を満たさなくなると、タイマ制御回路610によって瞬時にカウンタ630がリセットされてしまう。換言すれば、図8に示されるされるように、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間Tに達する前に、一瞬t’でも各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こると、瞬時にカウンタ630がリセットされてしまう。その為、従来の遅延回路600では、各検出/復帰の条件を再び満たした時点からカウンタ630が再びカウント動作を開始することになる。
【0048】
したがって、本発明の課題は、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こっても、一定時間内に各検出/復帰の条件を満たす状態に戻った場合には、カウンタによる経過時間のカウントをリセットしない様にできるようにした、遅延回路を提供することにある。
【0049】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、検出器と出力制御回路との間に設けられた遅延回路(600A,600B)であって、検出器からの検出信号が所定の遅延時間(T)の間継続したときに、この検出信号が有効であることを示す有効検出信号を出力制御回路へ出力する遅延回路であり、検出信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタ(630)を含む、遅延回路において、経過時間が遅延時間に達する前に、検出信号を一定の時間(T’)より短い時間(t’1)の間だけ受けない場合には、カウンタをリセットすることなく、カウンタのカウント動作を継続させて、経過時間が遅延時間だけ経過したときに有効検出信号を出力させる手段(640,640A,610A)を有することを特徴とする遅延回路が得られる。
【0050】
上記第1の態様による遅延回路において、経過時間が遅延時間(T)に達する前に、検出信号を一定の時間(T’)の間受けない場合、カウンタをリセットする手段(610A)を有することが好ましい。
【0051】
本発明の第2の態様によれば、検出器と出力制御回路との間に設けられた遅延回路(600A,600B)であって、検出器からの復帰信号が所定の遅延時間(T)の間継続したときに、この復帰信号が有効であることを示す有効復帰信号を出力制御回路へ出力する遅延回路であり、復帰信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタ(630)を含む、遅延回路において、経過時間が遅延時間に達する前に、復帰信号を一定の時間(T’)より短い時間(t’1)の間だけ受けない場合には、カウンタをリセットすることなく、カウンタのカウント動作を継続させて、経過時間が遅延時間だけ経過したときに有効復帰信号を出力させる手段(640,640A,610A)を有することを特徴とする遅延回路が得られる。
【0052】
上記第2の態様による遅延回路において、経過時間が遅延時間(T)に達する前に、復帰信号を一定の時間(T’)の間受けない場合、カウンタをリセットする手段(610A)を有することが好ましい。
【0053】
上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0055】
図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る遅延回路600Aについて説明する。図示の遅延回路600Aは、タイマ制御回路が図5のものから変更され、かつ、リセットカウンタ640が付加された点を除いて、図5に示した従来の遅延回路600と同様の構成を有する。したがって、タイマ制御回路に610Aの参照符号を付す。また、図5に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
【0056】
リセットカウンタ640には発振器620からクロック信号が供給される。リセットカウンタ640には、タイマ制御回路610からリセット信号が供給される。
【0057】
図10及び図11を参照して、図9に図示した遅延回路600Aの動作について説明する。図10は検出器の出力が一定の時間T’より短い時間t’1だけ出力が無い場合の動作を示し、図11は検出器の出力が一定の時間T’より長い時間t’2だけ無い場合の動作を示す。図10及び図11において、Aは検出器の出力を示し、Bはタイマ制御回路610から発振器620への出力を示し、論理“H”レベルは「停止」を、論理“L”レベルは「発振」を示し、Cはタイマ制御回路610からカウンタ630への出力を示し、論理“H”レベルは「リセット」を、論理“L”レベルは「カウント」を示し、Eはタイマ制御回路610Aからリセットカウンタ640への出力を示し、論理“H”レベルは「リセット」を、論理“L”レベルは「カウント」を示し、Fはリセットカウンタ640からタイマ制御回路610Aへの出力を示し、論理“H”レベルは「カウント満了」を示し、論理“L”レベルは「カウント中又は停止中」を示し、Dは遅延回路600Aの出力を示す。
【0058】
図10に示されるように、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間Tに達する前に、一定の時間T’より短い時間t’1だけ検出器の出力が無かったとする。この場合、タイマ制御回路610Aはカウンタ630をリセットすることなく、カウンタ630のカウント動作を継続させる。したがって、上記経過時間が遅延時間Tだけ経過したときに、遅延回路600Aは有効検出信号を出力する。
【0059】
図11に示されるように、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間Tに達する前に、一定の時間T’より長い時間t’2だけ検出器の出力が無かったとする。この場合、検出器の出力が無くなった時点から、タイマ制御回路610Aはリセットカウンタ640をカウント動作を開始させる。リセットカウンタ640は発振器620からのクロック信号に同期してカウント動作を行い、そのカウント動作が満了して一定の時間T’経過すると、非常に短い時間t”の間、カウント満了信号Fをタイマ制御回路610Aへ出力する。このカウント満了信号Fに応答して、タイマ制御回路610Aは発振器620の発振を停止すると共に、カウンタ630をリセットする。ここで、非常に短い時間t”は、論理回路が持つ固有の非常に短い内部遅延時間である。
【0060】
その後、再び検出器の出力があると、その時点から遅延時間Tだけ経過したときに、遅延回路600Aは有効検出信号を出力する。
【0061】
図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る遅延回路600Bについて説明する。図示の遅延回路600Bは、リセットカウンタが図9のものから変更されている点を除いて、図9に示した遅延回路600Aと同様の構成を有する。したがって、リセットカウンタに640Aの参照符号を付す。また、図6に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
【0062】
図9に示した遅延回路600Aでは、リセットカウンタ640には発振器620から発振されたクロック信号G(図13のG)が供給されていたのに対して、図12に示した遅延回路600Bでは、リセットカウンタ640Aにはカウンタ630からの途中出力(クロック信号Gを分周した信号)H(図13のH)が供給される。
【0063】
このように、リセットカウンタ640Aに供給される入力信号Hが、リセットカウンタ640に供給されるクロック信号Gに比較してゆっくりであるため、リセットカウンタ640Aを構成するDフリップ・フロップの段数をリセットカウンタ640のものに比較して少なくすることができる。
【0064】
上述した実施の形態では、リセットカウンタ640、640Aを、カウンタ630をカウント動作させる発振器620を用いて、カウント動作させており、1個の発振器のみ用いている。したがって、各検出/復帰用の発振器と遅延リセット用の発振器との2つの発振器を用いる場合に比較して、本実施の形態では、発振器を1個削減することが可能である。その結果、ICチップサイズの縮小とコストダウンを図ることができる。
【0065】
このような遅延回路600A、600Bは、パルス充電を行なう場合に、電池の過渡応答により、既に過充電状態となっている電池を誤って過充電遅延をリセットしない様にする場合等に有用な回路である。
【0066】
以上、本発明について実施の形態によって例を挙げて説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こっても、一定時間内に各検出/復帰の条件を満たす状態に戻った場合には、カウンタによる経過時間のカウントをリセットしない様にして、前述した過渡応答による誤動作を防ぐ目的でカウンタがリセットさせるまでの時間に、遅延を設けることができる。これにより、パルス充電の充電停止時にオーバシュートが出るような電池の過充電電圧を正確に検出できるようになり、安全性が高まる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延回路を含む二次電池保護回路を含む電池パックの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した二次電池保護回路に用いられる過放電検出回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した二次電池保護回路に用いられる過充電検出回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した二次電池保護回路に用いられる過電流検出回路の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に図示した従来の遅延回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図5に図示した従来の遅延回路の各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図8】図5に図示した従来の遅延回路における、各検出/復帰の条件を満たした時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、一瞬でも各検出/復帰の条件を満たさなくなる事態が起こった場合の、各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態による遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に図示した遅延回路における、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、一定の時間より短い時間だけ検出器の出力が無かった場合の、各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図11】図9に図示した遅延回路における、検出器の出力があった時点からの経過時間が遅延時間に達する前に、一定の時間より長い時間だけ検出器の出力が無かった場合の、各部の波形の一例を示すタイムチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態による遅延回路の構成を示すブロック図である。
【図13】図9に示した遅延回路と図12に示した遅延回路との動作の違いを説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
600A,600B 遅延回路
610A タイマ制御回路
620 発振器
630 カウンタ
640,640A リセットカウンタ
Claims (7)
- 検出器と出力制御回路との間に設けられた遅延回路であって、前記検出器からの検出信号が所定の遅延時間の間継続したときに、該検出信号が有効であることを示す有効検出信号を前記出力制御回路へ出力する前記遅延回路であり、前記検出信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタを含む、前記遅延回路において、
前記経過時間が前記遅延時間に達する前に、前記検出信号を一定の時間より短い時間の間だけ受けない場合には、前記カウンタをリセットすることなく、前記カウンタのカウント動作を継続させて、前記経過時間が前記遅延時間だけ経過したときに前記有効検出信号を出力させる手段を有することを特徴とする遅延回路。 - 前記経過時間が前記遅延時間に達する前に、前記検出信号を前記一定の時間の間受けない場合、前記カウンタをリセットする手段を有する、請求項1に記載の遅延回路。
- 検出器と出力制御回路との間に設けられた遅延回路であって、前記検出器からの復帰信号が所定の遅延時間の間継続したときに、該復帰信号が有効であることを示す有効復帰信号を前記出力制御回路へ出力する前記遅延回路であり、前記復帰信号を受けた時点からカウント動作を開始して、当該時点からの経過時間を計測するためにカウント動作を行うカウンタを含む、前記遅延回路において、
前記経過時間が前記遅延時間に達する前に、前記復帰信号を一定の時間より短い時間の間だけ受けない場合には、前記カウンタをリセットすることなく、前記カウンタのカウント動作を継続させて、前記経過時間が前記遅延時間だけ経過したときに前記有効復帰信号を出力させる手段を有することを特徴とする遅延回路。 - 前記経過時間が前記遅延時間に達する前に、前記復帰信号を前記一定の時間の間受けない場合、前記カウンタをリセットする手段を有する、請求項3に記載の遅延回路。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の遅延回路を備えた過放電検出回路。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の遅延回路を備えた過充電検出回路。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の遅延回路を備えた過電流検出回路。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008017636A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 保護装置 |
KR101047193B1 (ko) * | 2004-07-05 | 2011-07-06 | 세이코 인스트루 가부시키가이샤 | 배터리 보호 회로 |
JP2016154409A (ja) * | 2015-02-20 | 2016-08-25 | ミツミ電機株式会社 | 電池保護回路、電池保護装置及び電池パック |
-
2002
- 2002-10-24 JP JP2002309470A patent/JP2004147422A/ja active Pending
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