JP2004146842A - レーザーアニール処理装置 - Google Patents

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Yoshiki Sawai
澤井 美喜
Masahito Kanazawa
金沢 正仁
Shinichi Ishizaka
石坂 進一
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Abstract

【課題】被処理体から発生した蒸散物質による処理効率の低下を防止する。
【解決手段】レーザー導入用窓(5)を水平面から傾斜させると共にレーザー光(R)を垂直軸から傾斜させて被処理体(M)に照射する。
【効果】レーザー導入用窓(5)の汚れを防止することが出来るため、処理効率の低下を防止できると共にメンテナンスの手間および時間を格段に低減でき、生産性を向上することが出来る。
【選択図】図1

Description

 本発明は、レーザーアニール処理装置に関し、更に詳しくは、被処理体から発生した蒸散物質による処理効率の低下を防止できるようにしたレーザーアニール処理装置に関するものである。
 図2は、従来のレーザーアニール処理装置の一例の要部縦断面図である。
 このレーザーアニール処理装置500は、アルミニウム製の真空チャンバ1と、この真空チャンバ1内に設置された基台B上を移動すると共にその上面に被処理体Mが載置される移動載置台2と、前記真空チャンバ1の天井部1aに設けられ且つ石英ガラス板の両面に紫外線反射防止膜(ARコート)を形成したレーザー導入用窓5と、このレーザー導入用窓5を通してレーザー光Rを照射するエキシマレーザー照射装置6と、前記真空チャンバ1に被処理体Mを導入するためのゲートバルブS2と、前記真空チャンバ1から被処理体Mを導出するためのゲートバルブS3とを具備している。なお、1bは、真空引き(11)用の排気口である。
 前記被処理体Mは、絶縁基板M2上に非晶質半導体薄膜M1を形成したものである。
 レーザーアニール処理は次の手順で行う。
(1)ゲートバルブS2を開けて、未処理の被処理体Mを移動載置台2の上に載置し、ゲートバルブS2を閉じる。
(2)真空チャンバ1の排気口1bから真空引き(11)し、真空チャンバ1内を1.33〜1.33×10−4Paの高真空とする(あるいは窒素ガスを充填する)。次に、レーザー照射部分Pが被処理体Mの照射スタート点に位置するように移動載置台2を移動させる。そして、エキシマレーザー照射装置6からレーザー光Rを発生させる。レーザー光Rは、レーザー導入用窓5を通って真空チャンバ1内に導入され、被処理体Mの表面に略垂直に照射される。この状態で移動載置台2を移動し、小面積(例えば0.4mm×150mm)のレーザー照射部分Pで前記被処理体Mの非晶質半導体薄膜M1の全面(例えば300mm×300mm)を走査する。これにより、非晶質半導体薄膜M1の結晶化を行うことが出来る。
(3)ゲートバルブS3を開けて、処理済の被処理体Mを移動載置台2の上から取り出し、ゲートバルブS3を閉じる。
 他方、レーザー導入用窓を基板の直上に設けず、レーザー光を斜め方向から基板に照射する装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平07−221027号公報
 レーザー光Rを被処理体Mの表面に照射すると、被処理体Mのレーザー照射部分Pでアブレーション(ablation)を起こし、蒸散物質が発生する。この蒸散物質は、図4に矢印Jで示すように、略垂直上方に上昇する。このため、上記従来のレーザーアニール処理装置500では、蒸散物質がレーザー導入用窓5のレーザー光通過部分に付着し、レーザー導入用窓5を汚してしまう。そして、処理を繰り返してレーザー導入用窓5の汚れが進むと、レーザー光Rの利用できるエネルギーが減少してしまい、処理効率が低下するという問題点がある。
 また、被処理体Mで反射された反射レーザー光がレーザー導入用窓5の汚れによって再反射されてしまい、被処理体Mに再び照射され、良好なアニール処理の妨げになるという問題点がある。
 さらに、上記問題点を避けるために、真空チャンバ1を開けてレーザー導入用窓5をクリーニングすることを頻繁に行えば、スループットが悪くなり、生産コストが高くなってしまうという問題点がある。
 上記特許文献1の装置では、基板から略垂直上方に上昇した飛散物質がレーザー導入用窓に直接当たらないため、汚れの進みを遅くすることが出来る。しかし、基板の真上の天井面に当たって水平に広がった飛散物質がレーザー導入用窓に付着するため、やがてレーザー導入用窓が汚れてしまう問題点がある。
 そこで、本発明の目的は、被処理体から発生した蒸散物質による処理効率の低下を防止できるようにしたレーザーアニール処理装置を提供することにある。
 第1の観点では、本発明は、密閉容器(1)内に置かれた被処理体(M)に外部からレーザー導入用窓(5)を通してレーザー光(R)を照射するレーザーアニール処理装置において、前記レーザー導入用窓(5)を水平面から傾斜させると共に前記レーザー光(R)を垂直軸から傾斜させて被処理体(M)に照射することにより、被処理体(M)から発生した蒸散物質がレーザー導入用窓(5)のレーザー光通過部分に付着しにくいようにしたことを特徴とするレーザーアニール処理装置(200)を提供する。
 上記第2の観点によるレーザーアニール処理装置(200)では、垂直軸から傾斜した方向からレーザー光(R)を被処理体(M)に照射するため、レーザー照射部分(P)の垂直上方から外れた位置にレーザー導入用窓(5)のレーザー光通過部分が存在することになる。このため、アニール時に被処理体(M)から発生した蒸散物質がレーザー照射部分(P)の垂直上方の部分に付着しても、レーザー導入用窓(5)のレーザー光通過部分は汚れない。従って、レーザー導入用窓(5)から導入されるレーザー光(R)のエネルギーがレーザー導入用窓(5)の汚れによって減少することを防止でき、処理効率の低下を防止できる。
 また、斜め方向からレーザー光(R)を被処理体(M)に照射するため、被処理体(M)で反射した反射レーザー光(L)がレーザー導入用窓(5)の汚れによって再反射されて被処理体(M)に再び照射されるということがなくなり、良好にアニール処理を行えるようになる。
 さらに、密閉容器(1)を開けてレーザー導入用窓(5)のクリーニングを頻繁に行う必要もなくなり、スループットを向上でき、生産コストを低減できるようになる。
 また、レーザー導入用窓(5)を水平面から傾斜させているため、レーザー照射部分(P)の垂直上方の部分よりレーザー導入用窓(5)が下方に位置することになり、レーザー照射部分(P)の垂直上方の部分に当たって水平に広がった飛散物質がレーザー導入用窓に付着しにくくなる。
 本発明のレーザーアニール処理装置(200)によれば、レーザー導入用窓(5)の汚れを防止することが出来る。このため、処理効率の低下を防止できると共にメンテナンスの手間および時間を格段に低減でき、生産性を向上することが出来る。

 以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
 図1は、実施例1にかかるレーザーアニール処理装置の要部断面図である。
 このレーザーアニール処理装置200は、アルミニウム製の真空チャンバ1と、この真空チャンバ1内に設置された基台B上を移動すると共にその上面に被処理体Mが載置される移動載置台2と、前記真空チャンバ1の天井部1aに傾斜して設けられ且つ石英ガラス板の両面に紫外線反射防止膜(ARコート)を形成したレーザー導入用窓5と、このレーザー導入用窓5を通して斜め下方向にレーザー光Rを照射するエキシマレーザー照射装置6と、前記真空チャンバ1に被処理体Mを導入するためのゲートバルブS2と、前記真空チャンバ1から被処理体Mを導出するためのゲートバルブS3とを具備している。1bは、真空引き(11)用の排気口である。
 前記被処理体Mは、絶縁基板M2上に非晶質半導体薄膜M1を形成したものである。
 レーザーアニール処理は次の手順で行う。
(1)ゲートバルブS2を開けて、未処理の被処理体Mを移動載置台2の上に載置し、ゲートバルブS2を閉じる。
(2)真空チャンバ1の排気口1bから真空引き(11)し、真空チャンバ1内を1.33〜1.33×10−4Paの高真空とする(あるいは窒素ガスを充填する)。次に、レーザー照射部分Pが被処理体Mの照射スタート点に位置するように移動載置台2を移動させる。そして、エキシマレーザー照射装置6からレーザー光Rを発生させる。レーザー光Rは、レーザー導入用窓5を通って真空チャンバ1内に導入され、被処理体Mの表面に斜め方向から照射される。この状態で移動載置台2を移動し、小面積(例えば0.4mm×150mm)のレーザー照射部分Pで前記被処理体Mの非晶質半導体薄膜M1の全面(例えば300mm×300mm)を走査する。
(3)ゲートバルブS3を開けて、処理済の被処理体Mを移動載置台2の上から取り出し、ゲートバルブS3を閉じる。
 以上のレーザーアニール処理装置200によれば、垂直軸から傾斜した方向からレーザー光Rを被処理体Mに照射するため、レーザー照射部分Pの垂直上方から外れた位置にレーザー導入用窓5のレーザー光通過部分が存在することになる。このため、アニール時に被処理体Mから発生した蒸散物質が略垂直上方へ上昇し(J)、レーザー照射部分Pの垂直上方の部分に付着しても、レーザー導入用窓5のレーザー光通過部分は汚れない。従って、レーザー導入用窓5から導入されるレーザー光Rのエネルギーがレーザー導入用窓5の汚れによって減少することを防止でき、処理効率の低下を防止できる。
 また、斜め方向からレーザー光Rを被処理体Mに照射するため、被処理体Mで反射した反射レーザー光Lがレーザー導入用窓5の汚れによって再反射されて被処理体Mに再び照射されるということがなくなり、良好にアニール処理を行うことが出来る。
 さらに、真空チャンバ1を開けてレーザー導入用窓5のクリーニングを頻繁に行う必要もなくなり、スループットを向上でき、生産コストを低減できる。
 また、レーザー導入用窓5を水平面から傾斜させているため、レーザー照射部分Pの垂直上方の部分よりレーザー導入用窓5が下方に位置することになり、レーザー照射部分Pの垂直上方の部分に当たって水平に広がった飛散物質がレーザー導入用窓に付着しにくくなる。
 本発明のレーザーアニール処理装置は、特に多結晶シリコン薄膜の形成に有用である。
本発明の第1の実施形態にかかるレーザーアニール処理装置の要部断面図である。 従来のレーザーアニール処理装置の一例の要部断面図である。
符号の説明
200,500       レーザーアニール処理装置
1             真空チャンバ
1a            天井部
1b            排気口
2             移動載置台
5             レーザー導入用窓
6             エキシマレーザー照射装置
B             基台
M             被処理体
M1            非晶質半導体薄膜
M2            絶縁基板
P             レーザー照射部分
R             レーザー光

Claims (1)

  1.  密閉容器(1)内に置かれた被処理体(M)に外部からレーザー導入用窓(5)を通してレーザー光(R)を照射するレーザーアニール処理装置において、
     前記レーザー導入用窓(5)を水平面から傾斜させると共に前記レーザー光(R)を垂直軸から傾斜させて被処理体(M)に照射することにより、被処理体(M)から発生した蒸散物質がレーザー導入用窓(5)のレーザー光通過部分に付着しにくいようにしたことを特徴とするレーザーアニール処理装置(200)。
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