JP2004146745A - 太陽追尾装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡略ながら検出性に優れるセンサ機構を用いて太陽光入射状態を正確に認識でき、確実に制御対象物を太陽に追従させられる太陽追尾装置を提供する。
【解決手段】カバー21の略四角錐状部分内側に光検出センサ22を配置し、さらに各光検出センサ22への入射光を限定する遮光板23を配置してセンサブロック2とし、このセンサブロック2への入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化することから、対向する位置の二つの光検出センサ22間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物を駆動制御することで太陽の動きを制御対象物が確実に追尾できることとなり、制御対象物を効率よく使用できる。また、カバー21の錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサ22による検出可能範囲を適切に設定できる。
【選択図】 図2
【解決手段】カバー21の略四角錐状部分内側に光検出センサ22を配置し、さらに各光検出センサ22への入射光を限定する遮光板23を配置してセンサブロック2とし、このセンサブロック2への入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化することから、対向する位置の二つの光検出センサ22間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物を駆動制御することで太陽の動きを制御対象物が確実に追尾できることとなり、制御対象物を効率よく使用できる。また、カバー21の錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサ22による検出可能範囲を適切に設定できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽の動きを追尾して制御対象物を常に太陽に向ける様に調整制御する太陽追尾装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光を利用する装置は、例えば、太陽の方向に向けて太陽光を正面で受ける場合に最も発電効率が高くなる太陽電池パネルなどに見られるように、受光部分を太陽の方に向けると太陽光の利用効率を最も高くできる性質を有している。こうした太陽光利用装置で効率を高めるため、太陽光利用装置における受光部分の方位角及び仰角をそれぞれ所定の駆動手段で調整可能とし、駆動手段を駆動制御して太陽光利用装置をなるべく太陽の方向に向ける、すなわち太陽光利用装置に太陽を追尾させることが従来から提案されていた。
【0003】
こうした太陽光利用装置等の制御対象物に太陽を追尾させる場合、従来は二通りの方法で行われていた。すなわち、設置箇所に対する太陽の位置を日付や時間から計算により導き、制御対象物の方位角及び仰角を調整する方法と、太陽からの入射光を検出して太陽の実位置を判定し、これに合わせて制御対象物の方位角及び仰角を調整する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の太陽の追尾は以上のように行われており、前者の日付や時間に基づいて制御する方法では、常に正しい時刻及び日付を制御装置が取得しなければならないため、電力を確保できない夜間のために外部電源(バックアップ電源)が必要になるなど、装置が複雑化して高コストになってしまうという課題を有していた。また、計算上の太陽の移動経路と実際の経路との間に若干のずれが生じるのはやむを得ず、正確に太陽へ正面を向けることは困難であった。
【0005】
一方、太陽からの入射光に基づいて制御する方法では、日中のみ電源を供給すれば良く、太陽電池を電源とすることで電源を不要として信頼性向上及びコストダウンを図れたが、曇天や雨天時など太陽光が散乱して太陽位置を特定しにくい場合、太陽の動きに追随できなくなり、手調整が必要となって、システム全体の保守コストが高くなってしまうという課題を有していた。
また、上記二者を組合わせたものも提案されていたが、更に構造が複雑化してコスト高になってしまうという課題を有していた。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、簡略ながら検出性に優れるセンサ機構を用いて太陽光入射状態を正確に認識でき、確実に制御対象物を太陽に追従させられる太陽追尾装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る太陽追尾装置は、方位角及び仰角をそれぞれ所定角度範囲内で調整可能とした所定の制御対象物の太陽に向けられるべき正面方向を、演算制御部で制御された駆動手段による方位角及び仰角の角度調整動作により太陽の動きに追随させつつ太陽に向ける太陽追尾装置において、少なくとも略四角錐状部分を有する形状に成形され、当該略四角錐状部分の対向する配置の一組の錐面同士が前記制御対象物の仰角調整中心軸について互いに略対称関係となると共に、対向する配置の他の組の錐面同士が制御対象物の方位角調整中心軸について互いに略対称関係となり、且つ略四角錐先端の向かう方向が制御対象物の正面方向と略一致する配置状態として、制御対象物近傍に配設される透光性材料製のカバーと、当該カバー内にカバーの各錐面に対応させて四つ配置され、各錐面を透過した光の入射量をそれぞれ検知する光検出センサと、前記カバー内の前記各光検出センサ間に配設され、各光検出センサへの対応する錐面以外からの入射光を遮る遮光板とを少なくとも有するセンサブロックを備え、当該センサブロックにおける対向する配置の錐面に対応する光検出センサ同士の光入射量をそれぞれ前記演算制御部で比較し、入射量の差が所定の設定値に略一致する状態となるよう前記駆動手段に対し制御対象物の仰角及び方位角調整の駆動制御を行うものである。
【0008】
このように本発明においては、カバーの略四角錐状部分内側に光検出センサを配置し、さらに各光検出センサへの入射光を限定する遮光板を配置してセンサブロックとし、このセンサブロックへの入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係(負の相関関係)で変化することにより、対向する位置の二つの光検出センサ間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物を駆動制御することで入射光源である太陽の動きを制御対象物が確実に追尾できることとなり、制御対象物を効率よく使用できる。また、受光面となる錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサによる検出可能範囲を適切に設定できる。
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、前記センサブロックのカバーが、一様な不透明素材からなるものである。
【0009】
このように本発明においては、カバー素材を透明でない素材とし、光をいったんカバーで受け、カバーを透過する間に光を散乱させて光検出センサ側に入射させることにより、光検出センサにおける光検出の指向性を考慮せずに済み、光検出センサ選択を柔軟に行えると共に、光検出センサの光軸合せを高精度に行う必要が無く、調整の手間が省けることに加え、センサブロック各部について高精度の加工や調整の必要もなく、コストダウンが図れる。
【0010】
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、前記センサブロックの周囲を囲んで配設され、センサブロックに対する側方からの光の入射を遮って光の入射を略四角錐先端側からのみに制限する遮光体を備えるものである。
このように本発明においては、センサブロック周囲を取囲む遮光体を配置し、センサブロック側方からの光の入射を遮って、当初広い角度となっている光入射の有効角度範囲を狭めることにより、外部からの反射光による悪影響を低減し、確実に太陽からの入射光量の差を検出して仰角及び方位角調整を行えることとなり、センサブロックから見た太陽の周囲に雲や建築物等の光を反射する影響物があっても、反射光の影響で入射光量の差を検出できずに太陽への追従を途切れさせてしまうようなこともなく、制御の信頼性をより一層高められる。
【0011】
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、周囲に前記遮光体を配置したセンサブロックと、カバー周囲に遮光物を配置しない別のセンサブロックとを同時に備え、前記演算制御部が、遮光していない方のセンサブロックにおける光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、遮光体を配置した方のセンサブロックにおける光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用するものである。
このように本発明においては、周囲に遮光体を配置したセンサブロックと周囲に何も配置しないセンサブロックの二つを用い、光を広角度に入射させられるセンサブロックで光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減したセンサブロックでも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられる。
【0012】
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、前記センサブロックのカバーが、略四角錐先端から所定範囲部分を除去し、当該除去部分より四角錐底部側となる略四角錐内側部分に別の小型四角錐を各錐面が外側の四角錐面と同じ向きとなるように配置すると共に、外側の略四角錐上端部と内側の小型四角錐下端部間を閉塞する四つの略垂直面を配置した形状とされてなり、前記カバーの小型四角錐部分内側にも別途光検出センサが小型四角錐部分の各錐面に対応させて四つ配置されるものである。
【0013】
このように本発明においては、センサブロックのカバーが先端を除去した略四角錐の中心部に別の小型の四角錐部分を設けた形状とされてなり、この小型四角錐部分内部にも光検出センサを配置して別のセンサ部となし、この内側のセンサ部が周囲を外側の略四角錐部分に囲まれて光入射の有効角度範囲を狭められた状態で用いられ、光を広角度に入射させられる外側のセンサ部で光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光の影響を低減した内側のセンサ部でも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられると共に、二つのセンサ部で精度と追従性を高めながらセンサブロックを一つにまとめて大幅にコンパクト化が図れ、設置個所の制約を受けにくい。
【0014】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る太陽追尾装置を図1ないし図7に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る太陽追尾装置のブロック図、図2は本実施の形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図、図3は図2ののA−A断面図である。
前記各図に示すように、本実施の形態に係る太陽追尾装置1は、光源、すなわち太陽からの入射光を検出するセンサブロック2と、検出された入射光の入射状態を比較演算する演算制御部3と、この演算制御部3に制御されて制御対象物10を太陽の方向に向け、且つ太陽の動きに追随するよう駆動する駆動手段4とを備えるものである。
【0015】
前記センサブロック2は、一部を略四角錐状に成形され、この略四角錐状部分における対向する配置の一組の錐面同士が制御対象物10の仰角調整中心軸について互いに略対称関係となると共に、対向する配置の他の組の錐面同士が制御対象物10の方位角調整中心軸について互いに略対称関係となり、且つ略四角錐先端の向かう方向が制御対象物10の太陽に向けられるべき正面方向と略一致する配置状態として、制御対象物10近傍に配設される透光性材料製のカバー21と、このカバー21内側にカバー21の各錐面に対応させて四つ配置され、各錐面を透過した光の入射量をそれぞれ検知する光検出センサ22と、カバー21内の各光検出センサ22の間に配設され、各光検出センサ22への対応する錐面以外からの光の入射を遮る遮光板23とを有する構成である。このセンサブロック2は、制御対象物10の近傍で制御対象物10と一体に駆動手段4により方位角及び仰角を調整される仕組みである。
【0016】
前記カバー21は、乳白色のアクリル板等で形成された四角錐部分と台状部分との組合せ形状とされてなり、各錐面の内方にあたる箇所に光検出センサ22を配置され、入射光は一旦カバー21を透過した後に光検出センサ22に到達する仕組みである。入射光はカバー21の受光面で拡散されて平均化することから、光学的ノイズに対する耐性は高くなっている。
【0017】
前記光検出センサ22は、入射光量を検出する公知の光センサであり、カバー21の各錐面に対応させてカバー21内側に四つ配置され、仰角調整中心軸について互いに対称となる位置関係の組を仰角調整量決定用として用いると共に、方位角調整中心軸について互いに対称となる位置関係の組を方位角調整量決定用として用いる仕組みである。
この光検出センサ22においては、対応するカバー21の錐面(受光面)を透過する際に拡散されて入射強度が平均化された入射光を検出できればよく、センサ単体の指向性はあまり問われないことから、センサブロック2内への設置位置及び構造の自由度が高く、組立調整も容易に行え、簡略で低コストな構造とすることができる。
【0018】
前記遮光板23は、カバー21内に略十字状に交差させて配設され、カバー21内を光検出センサ22に合わせて四つの空間に仕切る非透光性の略板状体からなる構成であり、各光検出センサ22をそれぞれカバー21内空間側から取囲んで各光検出センサ22への対応する錐面以外からの光の入射を遮るものである。
【0019】
前記演算制御部3は、光検出センサ22の出力信号を取得し、あらかじめ入力された各種設定値と共に所定の制御プログラムに基づいて演算処理を行い、駆動手段4を制御するものである。演算制御部3では、光検出センサ22の出力をA/D変換して数値データとして取扱っている。この演算制御部3は、晴天時等の光の入射部分とそうでない部分とのコントラストの高い状態や、曇天又は雨天時等コントラストの低い状態を、入射光量及びセンサ間での光量差から検出でき、天候状態を推測して制御対象物10の太陽に追随できない迷走状態など不要な動作を防止できる。
【0020】
前記駆動手段4は、制御対象物10を仰角調整中心軸及び方位角調整中心軸の二軸について所定角度範囲内でそれぞれ変位させて制御対象物10の太陽に向けられるべき正面方向を太陽に向けるものであり、公知のモータ等のアクチュエータに必要に応じて歯車装置等を組合わせて用いられる仕組みである。
【0021】
次に、前記構成の太陽追尾装置における制御対象物の駆動制御処理について説明する。日中、太陽光は制御対象物10近傍のセンサブロック2にも照射され、センサブロック2の受光面となるカバー21の各錐面に入射する。入射光は一旦カバー21をなす乳白色のアクリル板で拡散されているため、光検出センサ22への入射強度は平均化されている。
【0022】
センサブロック2内で対向位置関係となる方位角調整用及び仰角調整用の二組の光検出センサ22でそれぞれ入射光を検出し、入射光量に基づいて演算制御部3で制御を行う。光検出センサ22間での入射光量の差が、あらかじめ設定された制御対象物正面方向が太陽に向かっている場合の値を外れている場合、演算制御部3で駆動手段4を適切に駆動制御して制御対象物10の方位角及び仰角を調整する。
【0023】
駆動後、センサブロック2への入射光の入射角度が変化すると、カバー21で対向位置関係にある錐面への入射光量(単位面積あたりの受けるエネルギ量)が互いにトレード・オフの関係で変化するため、各錐面の内側にある対向位置関係の二組の光検出センサ22間で入射光量の差が設定値に近付くように継続して制御対象物10を駆動制御することで制御対象物正面方向が光源である太陽の方を向く状態となる。
【0024】
時間経過に伴う太陽の方位角・仰角変化でセンサブロック2への入射光の角度が変化した場合も、対向位置関係の二つの光検出センサ22間で入射光量の差を設定値に保つように制御対象物10を駆動制御することで、入射光源である太陽の動きを制御対象物10が追尾できる。
【0025】
一方、太陽光は曇天時には散乱光源としての性格が強くなり、入射光の方向性が弱く、且つ照度も低くなるため、方位角、仰角を調整するための各光検出センサ22間での入射光量の差を求めることはできない事態も生じ得る。ただし、この場合は、制御対象物10正面方向をあえて太陽に向けるよう駆動する必要もないことから、演算制御部3で不要な駆動制御を停止して無駄なエネルギ消費の低減を図っている。
【0026】
このように、本実施形態に係る太陽追尾装置においては、略四角錐状のカバー21内側に光検出センサ22を配置し、さらに各光検出センサ22への入射光を限定する遮光板23を配置してセンサブロック2とし、このセンサブロック2への入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化することから、対向する位置の二つの光検出センサ22間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物10を駆動制御することで入射光源である太陽の動きを制御対象物10が確実に追尾できることとなり、制御対象物10を効率よく使用できる。また、カバー21の受光面となる錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサ22による検出可能範囲を適切に設定できる。
【0027】
なお、前記実施の形態に係る太陽追尾装置においては、センサブロック2の四角錐先端の向く方向を制御対象物10の太陽に向けられるべき正面方向と一致させる構成としているが、これに限らず、センサブロック2をその四角錐先端の向く方向が制御対象物10の正面方向と一致しない状態で配設する構成とすることもでき、光検出センサ22の感度補正を電気的に、または演算制御部3でソフトウェア的に行うことでセンサブロック2における四つの光検出センサ22の光入射基準方向を変更可能であることから、センサブロック配設後に機械的調整を伴わずに光入射基準方向を制御対象物10の正面方向と一致させられ、センサブロック2の取付精度を高くする必要が無く、取付作業を容易に能率良く行える。
【0028】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る太陽追尾装置を図4に基づいて説明する。図4は本実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの配置状態説明図である。
前記図4に示すように、本実施の形態に係る太陽追尾装置1は、前記第1の実施形態同様、センサブロック2と、演算制御部3と、駆動手段4とを備える一方、異なる点として、別のセンサブロック20を併設し、このセンサブロック20の周囲に遮光体24を配設した構成を有するものである。
【0029】
前記センサブロック2、20は、それぞれ高さ位置を異ならせて支持具5上に一体に配設され、より低い位置に配設したセンサブロック20の周囲には、これを取囲むように略板状の遮光体24を配設し、センサブロック20に対する側方からの光の入射を遮って光の入射を略四角錐先端側からのみに制限する仕組みである。より高い位置に配設したセンサブロック2周囲には太陽光入射の障害となるものは配置されない。
前記演算制御部3は、センサブロック2における光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、遮光体24を周囲に配設したセンサブロック20における光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用する仕組みである。
【0030】
次に、前記構成の太陽追尾装置における制御対象物の駆動制御処理について説明する。日中、太陽光は制御対象物10近傍に配設した二つのセンサブロック2、20にも照射され、センサブロック2、20のカバー21の各錐面に入射する。前記第1の実施形態同様、センサブロック2内で対向位置関係となる方位角調整用及び仰角調整用の二組の光検出センサ22でそれぞれ入射光を検出し、制御対象物正面方向が太陽の方を向いていない、すなわち、光検出センサ22間での入射光量の差が設定値を外れている場合、演算制御部3で駆動手段4を適切に駆動制御して制御対象物10の方位角及び仰角を調整する。
【0031】
駆動後、各センサブロック2、20への入射光の入射角度が変化すると、カバー21で対向位置関係にある錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化するため、各錐面の内側にある光検出センサ22間で入射光量の差が設定値に近付くように継続して制御対象物10を駆動制御し、制御対象物正面方向を太陽の方に向け、太陽の動きに追従させる。
【0032】
周囲に障害物のないセンサブロック2を用いて太陽の位置を大まかに捕捉し、制御対象物正面方向を太陽の方に近付ける過程で、周囲からの反射光等の影響でそれ以上はセンサブロック2の光検出センサ22で入射光量の変化が見られなくなっても、周囲に遮光体24を配置して反射光の影響を低減したセンサブロック20において入射光量の変化を検出でき、方位角と仰角の調整を継続して制御対象物正面方向を太陽の向きに一致させられる。
【0033】
このように、本実施形態に係る太陽追尾装置においては、周囲に遮光体24を配置したセンサブロック20と周囲に何も配置しないセンサブロック2の二つを用い、光を広角度に入射させられるセンサブロック2で太陽の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減したセンサブロック20でも入射光量の差を検出することから、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物10を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられる。また、一旦制御対象物正面方向が太陽から大きく外れてしまっても、光源を検知できず見失った状態になることもない。
【0034】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る太陽追尾装置を図5及び図6に基づいて説明する。図5は本実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図、図6は図5のB−B断面図である。
前記各図に示すように、本実施の形態に係る太陽追尾装置1は、前記第1の実施形態同様、センサブロック2と、演算制御部3と、駆動手段4とを備える一方、異なる点として、センサブロックの中心に別のセンサブロックを組合わせた二重構造のセンサブロック2を備える構成を有するものである。
【0035】
前記センサブロック2のカバー21は、略四角錐先端から所定範囲部分を除去し、この除去部分より底部側となる略四角錐内側部分に別の小型四角錐を各錐面が外側の四角錐面と同じ向きとなるように配置すると共に、外側の略四角錐上端部と内側の小型四角錐下端部間を閉塞する四つの垂直面を配置した形状とされてなる構成である。このカバー21における外側の略四角錐部分の内側に光検出センサ22が各錐面に対応させて四つ配置され、外側センサ部25をなすと共に、カバー21における内側の小型四角錐部分内に光検出センサ22が各錐面に対応させて四つ配置され、内側センサ部26をなす構成である。
【0036】
カバー21における内側の小型四角錐部分の周囲には、これを取囲むように垂直面と外側の略四角錐が存在するため、センサブロック2における内側センサ部26に対する側方からの光の入射は遮られ、光の入射が略四角錐先端側からのみに制限される仕組みである。
【0037】
前記遮光板23は、カバー21内に略十字状に交差させて配設され、カバー21内を外側の略四角錐と内側の小型四角錐部分それぞれについて光検出センサ22に合わせた四つの空間に仕切る非透光性の略板状体からなる構成であり、前記第1の実施形態同様、各光検出センサ22への対応する錐面以外からの光の入射を遮る仕組みである。
【0038】
前記演算制御部3は、センサブロック2における外側センサ部25の各光検出センサ22の光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、内側センサ部26の各光検出センサ22の光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用する仕組みである。
【0039】
次に、前記構成の太陽追尾装置における制御対象物の駆動制御処理について説明する。日中、太陽光は制御対象物10近傍に配設したセンサブロック2にも照射され、センサブロック2のカバー21の各錐面に入射する。前記第1の実施形態同様、センサブロック2内で対向位置関係となる方位角調整用及び仰角調整用の二組の光検出センサ22でそれぞれ入射光を検出し、制御対象物正面方向が太陽の方を向いていない、すなわち、光検出センサ22間での入射光量の差が設定値を外れている場合、演算制御部3で駆動手段4を適切に駆動制御して制御対象物10の方位角及び仰角を調整する。
【0040】
駆動後、各センサブロック2への入射光の入射角度が変化すると、カバー21で対向位置関係にある錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化するため、各錐面の内側にある光検出センサ22間で入射光量の差が設定値に近付くように継続して制御対象物10を駆動制御し、制御対象物正面方向を太陽の方に向け、太陽の動きに追従させる。
【0041】
センサブロック2のうち、周囲に障害物のない外側センサ部25を用いて太陽の位置を大まかに捕捉し、制御対象物正面方向を太陽の方に近付ける過程で、周囲からの反射光等の影響でそれ以上は外側センサ部25の光検出センサ22で入射光量の変化が見られなくなっても、周囲を外側センサ部25で囲まれて反射光の影響が抑えられている内側センサ部26において入射光量の変化を検出でき、方位角と仰角の調整を継続して制御対象物正面方向を太陽の向きに一致させられる。
【0042】
このように、本実施形態に係る太陽追尾装置においては、センサブロック2のカバー21が略四角錐の中心部に別の小型の四角錐部分を設けた形状とされ、この小型四角錐部分内部にも光検出センサ22を配置して別のセンサ部となし、この内側のセンサ部26が周囲を外側の略四角錐部分に囲まれて光入射の有効角度範囲を狭められた状態で用いられ、光を広角度に入射させられる外側センサ部25で光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減した内側センサ部26でも入射光量の差を検出することから、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物10を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられると共に、二つのセンサ部で精度と追従性を高めながらセンサブロック2を一つにまとめて大幅にコンパクト化が図れ、設置個所の制約を受けにくい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、カバーの略四角錐状部分内側に光検出センサを配置し、さらに各光検出センサへの入射光を限定する遮光板を配置してセンサブロックとし、このセンサブロックへの入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係(負の相関関係)で変化することにより、対向する位置の二つの光検出センサ間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物を駆動制御することで入射光源である太陽の動きを制御対象物が確実に追尾できることとなり、制御対象物を効率よく使用できるという効果を奏する。また、受光面となる錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサによる検出可能範囲を適切に設定できるという効果を有する。
【0044】
また、本発明によれば、カバー素材を透明でない素材とし、光をいったんカバーで受け、カバーを透過する間に光を散乱させて光検出センサ側に入射させることにより、光検出センサにおける光検出の指向性を考慮せずに済み、光検出センサ選択を柔軟に行えると共に、光検出センサの光軸合せを高精度に行う必要が無く、調整の手間が省けることに加え、センサブロック各部について高精度の加工や調整の必要もなく、コストダウンが図れるという効果を有する。
【0045】
また、本発明によれば、センサブロック周囲にセンサブロックを取囲む遮光体を配置し、センサブロック側方からの光の入射を遮って、当初広い角度となっている光入射の有効角度範囲を狭めることにより、外部からの反射光による悪影響を低減し、確実に太陽からの入射光量の差を検出して仰角及び方位角調整を行えることとなり、センサブロックから見た太陽の周囲に雲や建築物等の光を反射する影響物があっても、反射光の影響で入射光量の差を検出できずに太陽への追従を途切れさせてしまうようなこともなく、制御の信頼性をより一層高められるという効果を有する。
【0046】
また、本発明によれば、周囲に遮光体を配置したセンサブロックと周囲に何も配置しないセンサブロックの二つを用い、光を広角度に入射させられるセンサブロックで光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減したセンサブロックでも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられるという効果を有する。
【0047】
また、本発明によれば、センサブロックのカバーが先端を除去した略四角錐の中心部に別の小型の四角錐部分を設けた形状とされてなり、この小型四角錐部分内部にも光検出センサを配置して別のセンサ部となし、この内側のセンサ部が周囲を外側の略四角錐部分に囲まれて光入射の有効角度範囲を狭められた状態で用いられ、光を広角度に入射させられる外側のセンサ部で光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光の影響を低減した内側のセンサ部でも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられると共に、二つのセンサ部で精度と追従性を高めながらセンサブロックを一つにまとめて大幅にコンパクト化が図れ、設置個所の制約を受けにくいという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る太陽追尾装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの配置状態説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 太陽追尾装置
10 制御対象物
2、20 センサブロック
21 カバー
22 光検出センサ
23 遮光板
24 遮光体
25 外側センサ部
26 内側センサ部
3 演算制御部
4 駆動手段
5 支持具
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽の動きを追尾して制御対象物を常に太陽に向ける様に調整制御する太陽追尾装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光を利用する装置は、例えば、太陽の方向に向けて太陽光を正面で受ける場合に最も発電効率が高くなる太陽電池パネルなどに見られるように、受光部分を太陽の方に向けると太陽光の利用効率を最も高くできる性質を有している。こうした太陽光利用装置で効率を高めるため、太陽光利用装置における受光部分の方位角及び仰角をそれぞれ所定の駆動手段で調整可能とし、駆動手段を駆動制御して太陽光利用装置をなるべく太陽の方向に向ける、すなわち太陽光利用装置に太陽を追尾させることが従来から提案されていた。
【0003】
こうした太陽光利用装置等の制御対象物に太陽を追尾させる場合、従来は二通りの方法で行われていた。すなわち、設置箇所に対する太陽の位置を日付や時間から計算により導き、制御対象物の方位角及び仰角を調整する方法と、太陽からの入射光を検出して太陽の実位置を判定し、これに合わせて制御対象物の方位角及び仰角を調整する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の太陽の追尾は以上のように行われており、前者の日付や時間に基づいて制御する方法では、常に正しい時刻及び日付を制御装置が取得しなければならないため、電力を確保できない夜間のために外部電源(バックアップ電源)が必要になるなど、装置が複雑化して高コストになってしまうという課題を有していた。また、計算上の太陽の移動経路と実際の経路との間に若干のずれが生じるのはやむを得ず、正確に太陽へ正面を向けることは困難であった。
【0005】
一方、太陽からの入射光に基づいて制御する方法では、日中のみ電源を供給すれば良く、太陽電池を電源とすることで電源を不要として信頼性向上及びコストダウンを図れたが、曇天や雨天時など太陽光が散乱して太陽位置を特定しにくい場合、太陽の動きに追随できなくなり、手調整が必要となって、システム全体の保守コストが高くなってしまうという課題を有していた。
また、上記二者を組合わせたものも提案されていたが、更に構造が複雑化してコスト高になってしまうという課題を有していた。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、簡略ながら検出性に優れるセンサ機構を用いて太陽光入射状態を正確に認識でき、確実に制御対象物を太陽に追従させられる太陽追尾装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る太陽追尾装置は、方位角及び仰角をそれぞれ所定角度範囲内で調整可能とした所定の制御対象物の太陽に向けられるべき正面方向を、演算制御部で制御された駆動手段による方位角及び仰角の角度調整動作により太陽の動きに追随させつつ太陽に向ける太陽追尾装置において、少なくとも略四角錐状部分を有する形状に成形され、当該略四角錐状部分の対向する配置の一組の錐面同士が前記制御対象物の仰角調整中心軸について互いに略対称関係となると共に、対向する配置の他の組の錐面同士が制御対象物の方位角調整中心軸について互いに略対称関係となり、且つ略四角錐先端の向かう方向が制御対象物の正面方向と略一致する配置状態として、制御対象物近傍に配設される透光性材料製のカバーと、当該カバー内にカバーの各錐面に対応させて四つ配置され、各錐面を透過した光の入射量をそれぞれ検知する光検出センサと、前記カバー内の前記各光検出センサ間に配設され、各光検出センサへの対応する錐面以外からの入射光を遮る遮光板とを少なくとも有するセンサブロックを備え、当該センサブロックにおける対向する配置の錐面に対応する光検出センサ同士の光入射量をそれぞれ前記演算制御部で比較し、入射量の差が所定の設定値に略一致する状態となるよう前記駆動手段に対し制御対象物の仰角及び方位角調整の駆動制御を行うものである。
【0008】
このように本発明においては、カバーの略四角錐状部分内側に光検出センサを配置し、さらに各光検出センサへの入射光を限定する遮光板を配置してセンサブロックとし、このセンサブロックへの入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係(負の相関関係)で変化することにより、対向する位置の二つの光検出センサ間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物を駆動制御することで入射光源である太陽の動きを制御対象物が確実に追尾できることとなり、制御対象物を効率よく使用できる。また、受光面となる錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサによる検出可能範囲を適切に設定できる。
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、前記センサブロックのカバーが、一様な不透明素材からなるものである。
【0009】
このように本発明においては、カバー素材を透明でない素材とし、光をいったんカバーで受け、カバーを透過する間に光を散乱させて光検出センサ側に入射させることにより、光検出センサにおける光検出の指向性を考慮せずに済み、光検出センサ選択を柔軟に行えると共に、光検出センサの光軸合せを高精度に行う必要が無く、調整の手間が省けることに加え、センサブロック各部について高精度の加工や調整の必要もなく、コストダウンが図れる。
【0010】
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、前記センサブロックの周囲を囲んで配設され、センサブロックに対する側方からの光の入射を遮って光の入射を略四角錐先端側からのみに制限する遮光体を備えるものである。
このように本発明においては、センサブロック周囲を取囲む遮光体を配置し、センサブロック側方からの光の入射を遮って、当初広い角度となっている光入射の有効角度範囲を狭めることにより、外部からの反射光による悪影響を低減し、確実に太陽からの入射光量の差を検出して仰角及び方位角調整を行えることとなり、センサブロックから見た太陽の周囲に雲や建築物等の光を反射する影響物があっても、反射光の影響で入射光量の差を検出できずに太陽への追従を途切れさせてしまうようなこともなく、制御の信頼性をより一層高められる。
【0011】
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、周囲に前記遮光体を配置したセンサブロックと、カバー周囲に遮光物を配置しない別のセンサブロックとを同時に備え、前記演算制御部が、遮光していない方のセンサブロックにおける光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、遮光体を配置した方のセンサブロックにおける光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用するものである。
このように本発明においては、周囲に遮光体を配置したセンサブロックと周囲に何も配置しないセンサブロックの二つを用い、光を広角度に入射させられるセンサブロックで光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減したセンサブロックでも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられる。
【0012】
また、本発明に係る太陽追尾装置は必要に応じて、前記センサブロックのカバーが、略四角錐先端から所定範囲部分を除去し、当該除去部分より四角錐底部側となる略四角錐内側部分に別の小型四角錐を各錐面が外側の四角錐面と同じ向きとなるように配置すると共に、外側の略四角錐上端部と内側の小型四角錐下端部間を閉塞する四つの略垂直面を配置した形状とされてなり、前記カバーの小型四角錐部分内側にも別途光検出センサが小型四角錐部分の各錐面に対応させて四つ配置されるものである。
【0013】
このように本発明においては、センサブロックのカバーが先端を除去した略四角錐の中心部に別の小型の四角錐部分を設けた形状とされてなり、この小型四角錐部分内部にも光検出センサを配置して別のセンサ部となし、この内側のセンサ部が周囲を外側の略四角錐部分に囲まれて光入射の有効角度範囲を狭められた状態で用いられ、光を広角度に入射させられる外側のセンサ部で光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光の影響を低減した内側のセンサ部でも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられると共に、二つのセンサ部で精度と追従性を高めながらセンサブロックを一つにまとめて大幅にコンパクト化が図れ、設置個所の制約を受けにくい。
【0014】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る太陽追尾装置を図1ないし図7に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る太陽追尾装置のブロック図、図2は本実施の形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図、図3は図2ののA−A断面図である。
前記各図に示すように、本実施の形態に係る太陽追尾装置1は、光源、すなわち太陽からの入射光を検出するセンサブロック2と、検出された入射光の入射状態を比較演算する演算制御部3と、この演算制御部3に制御されて制御対象物10を太陽の方向に向け、且つ太陽の動きに追随するよう駆動する駆動手段4とを備えるものである。
【0015】
前記センサブロック2は、一部を略四角錐状に成形され、この略四角錐状部分における対向する配置の一組の錐面同士が制御対象物10の仰角調整中心軸について互いに略対称関係となると共に、対向する配置の他の組の錐面同士が制御対象物10の方位角調整中心軸について互いに略対称関係となり、且つ略四角錐先端の向かう方向が制御対象物10の太陽に向けられるべき正面方向と略一致する配置状態として、制御対象物10近傍に配設される透光性材料製のカバー21と、このカバー21内側にカバー21の各錐面に対応させて四つ配置され、各錐面を透過した光の入射量をそれぞれ検知する光検出センサ22と、カバー21内の各光検出センサ22の間に配設され、各光検出センサ22への対応する錐面以外からの光の入射を遮る遮光板23とを有する構成である。このセンサブロック2は、制御対象物10の近傍で制御対象物10と一体に駆動手段4により方位角及び仰角を調整される仕組みである。
【0016】
前記カバー21は、乳白色のアクリル板等で形成された四角錐部分と台状部分との組合せ形状とされてなり、各錐面の内方にあたる箇所に光検出センサ22を配置され、入射光は一旦カバー21を透過した後に光検出センサ22に到達する仕組みである。入射光はカバー21の受光面で拡散されて平均化することから、光学的ノイズに対する耐性は高くなっている。
【0017】
前記光検出センサ22は、入射光量を検出する公知の光センサであり、カバー21の各錐面に対応させてカバー21内側に四つ配置され、仰角調整中心軸について互いに対称となる位置関係の組を仰角調整量決定用として用いると共に、方位角調整中心軸について互いに対称となる位置関係の組を方位角調整量決定用として用いる仕組みである。
この光検出センサ22においては、対応するカバー21の錐面(受光面)を透過する際に拡散されて入射強度が平均化された入射光を検出できればよく、センサ単体の指向性はあまり問われないことから、センサブロック2内への設置位置及び構造の自由度が高く、組立調整も容易に行え、簡略で低コストな構造とすることができる。
【0018】
前記遮光板23は、カバー21内に略十字状に交差させて配設され、カバー21内を光検出センサ22に合わせて四つの空間に仕切る非透光性の略板状体からなる構成であり、各光検出センサ22をそれぞれカバー21内空間側から取囲んで各光検出センサ22への対応する錐面以外からの光の入射を遮るものである。
【0019】
前記演算制御部3は、光検出センサ22の出力信号を取得し、あらかじめ入力された各種設定値と共に所定の制御プログラムに基づいて演算処理を行い、駆動手段4を制御するものである。演算制御部3では、光検出センサ22の出力をA/D変換して数値データとして取扱っている。この演算制御部3は、晴天時等の光の入射部分とそうでない部分とのコントラストの高い状態や、曇天又は雨天時等コントラストの低い状態を、入射光量及びセンサ間での光量差から検出でき、天候状態を推測して制御対象物10の太陽に追随できない迷走状態など不要な動作を防止できる。
【0020】
前記駆動手段4は、制御対象物10を仰角調整中心軸及び方位角調整中心軸の二軸について所定角度範囲内でそれぞれ変位させて制御対象物10の太陽に向けられるべき正面方向を太陽に向けるものであり、公知のモータ等のアクチュエータに必要に応じて歯車装置等を組合わせて用いられる仕組みである。
【0021】
次に、前記構成の太陽追尾装置における制御対象物の駆動制御処理について説明する。日中、太陽光は制御対象物10近傍のセンサブロック2にも照射され、センサブロック2の受光面となるカバー21の各錐面に入射する。入射光は一旦カバー21をなす乳白色のアクリル板で拡散されているため、光検出センサ22への入射強度は平均化されている。
【0022】
センサブロック2内で対向位置関係となる方位角調整用及び仰角調整用の二組の光検出センサ22でそれぞれ入射光を検出し、入射光量に基づいて演算制御部3で制御を行う。光検出センサ22間での入射光量の差が、あらかじめ設定された制御対象物正面方向が太陽に向かっている場合の値を外れている場合、演算制御部3で駆動手段4を適切に駆動制御して制御対象物10の方位角及び仰角を調整する。
【0023】
駆動後、センサブロック2への入射光の入射角度が変化すると、カバー21で対向位置関係にある錐面への入射光量(単位面積あたりの受けるエネルギ量)が互いにトレード・オフの関係で変化するため、各錐面の内側にある対向位置関係の二組の光検出センサ22間で入射光量の差が設定値に近付くように継続して制御対象物10を駆動制御することで制御対象物正面方向が光源である太陽の方を向く状態となる。
【0024】
時間経過に伴う太陽の方位角・仰角変化でセンサブロック2への入射光の角度が変化した場合も、対向位置関係の二つの光検出センサ22間で入射光量の差を設定値に保つように制御対象物10を駆動制御することで、入射光源である太陽の動きを制御対象物10が追尾できる。
【0025】
一方、太陽光は曇天時には散乱光源としての性格が強くなり、入射光の方向性が弱く、且つ照度も低くなるため、方位角、仰角を調整するための各光検出センサ22間での入射光量の差を求めることはできない事態も生じ得る。ただし、この場合は、制御対象物10正面方向をあえて太陽に向けるよう駆動する必要もないことから、演算制御部3で不要な駆動制御を停止して無駄なエネルギ消費の低減を図っている。
【0026】
このように、本実施形態に係る太陽追尾装置においては、略四角錐状のカバー21内側に光検出センサ22を配置し、さらに各光検出センサ22への入射光を限定する遮光板23を配置してセンサブロック2とし、このセンサブロック2への入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化することから、対向する位置の二つの光検出センサ22間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物10を駆動制御することで入射光源である太陽の動きを制御対象物10が確実に追尾できることとなり、制御対象物10を効率よく使用できる。また、カバー21の受光面となる錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサ22による検出可能範囲を適切に設定できる。
【0027】
なお、前記実施の形態に係る太陽追尾装置においては、センサブロック2の四角錐先端の向く方向を制御対象物10の太陽に向けられるべき正面方向と一致させる構成としているが、これに限らず、センサブロック2をその四角錐先端の向く方向が制御対象物10の正面方向と一致しない状態で配設する構成とすることもでき、光検出センサ22の感度補正を電気的に、または演算制御部3でソフトウェア的に行うことでセンサブロック2における四つの光検出センサ22の光入射基準方向を変更可能であることから、センサブロック配設後に機械的調整を伴わずに光入射基準方向を制御対象物10の正面方向と一致させられ、センサブロック2の取付精度を高くする必要が無く、取付作業を容易に能率良く行える。
【0028】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る太陽追尾装置を図4に基づいて説明する。図4は本実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの配置状態説明図である。
前記図4に示すように、本実施の形態に係る太陽追尾装置1は、前記第1の実施形態同様、センサブロック2と、演算制御部3と、駆動手段4とを備える一方、異なる点として、別のセンサブロック20を併設し、このセンサブロック20の周囲に遮光体24を配設した構成を有するものである。
【0029】
前記センサブロック2、20は、それぞれ高さ位置を異ならせて支持具5上に一体に配設され、より低い位置に配設したセンサブロック20の周囲には、これを取囲むように略板状の遮光体24を配設し、センサブロック20に対する側方からの光の入射を遮って光の入射を略四角錐先端側からのみに制限する仕組みである。より高い位置に配設したセンサブロック2周囲には太陽光入射の障害となるものは配置されない。
前記演算制御部3は、センサブロック2における光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、遮光体24を周囲に配設したセンサブロック20における光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用する仕組みである。
【0030】
次に、前記構成の太陽追尾装置における制御対象物の駆動制御処理について説明する。日中、太陽光は制御対象物10近傍に配設した二つのセンサブロック2、20にも照射され、センサブロック2、20のカバー21の各錐面に入射する。前記第1の実施形態同様、センサブロック2内で対向位置関係となる方位角調整用及び仰角調整用の二組の光検出センサ22でそれぞれ入射光を検出し、制御対象物正面方向が太陽の方を向いていない、すなわち、光検出センサ22間での入射光量の差が設定値を外れている場合、演算制御部3で駆動手段4を適切に駆動制御して制御対象物10の方位角及び仰角を調整する。
【0031】
駆動後、各センサブロック2、20への入射光の入射角度が変化すると、カバー21で対向位置関係にある錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化するため、各錐面の内側にある光検出センサ22間で入射光量の差が設定値に近付くように継続して制御対象物10を駆動制御し、制御対象物正面方向を太陽の方に向け、太陽の動きに追従させる。
【0032】
周囲に障害物のないセンサブロック2を用いて太陽の位置を大まかに捕捉し、制御対象物正面方向を太陽の方に近付ける過程で、周囲からの反射光等の影響でそれ以上はセンサブロック2の光検出センサ22で入射光量の変化が見られなくなっても、周囲に遮光体24を配置して反射光の影響を低減したセンサブロック20において入射光量の変化を検出でき、方位角と仰角の調整を継続して制御対象物正面方向を太陽の向きに一致させられる。
【0033】
このように、本実施形態に係る太陽追尾装置においては、周囲に遮光体24を配置したセンサブロック20と周囲に何も配置しないセンサブロック2の二つを用い、光を広角度に入射させられるセンサブロック2で太陽の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減したセンサブロック20でも入射光量の差を検出することから、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物10を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられる。また、一旦制御対象物正面方向が太陽から大きく外れてしまっても、光源を検知できず見失った状態になることもない。
【0034】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る太陽追尾装置を図5及び図6に基づいて説明する。図5は本実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図、図6は図5のB−B断面図である。
前記各図に示すように、本実施の形態に係る太陽追尾装置1は、前記第1の実施形態同様、センサブロック2と、演算制御部3と、駆動手段4とを備える一方、異なる点として、センサブロックの中心に別のセンサブロックを組合わせた二重構造のセンサブロック2を備える構成を有するものである。
【0035】
前記センサブロック2のカバー21は、略四角錐先端から所定範囲部分を除去し、この除去部分より底部側となる略四角錐内側部分に別の小型四角錐を各錐面が外側の四角錐面と同じ向きとなるように配置すると共に、外側の略四角錐上端部と内側の小型四角錐下端部間を閉塞する四つの垂直面を配置した形状とされてなる構成である。このカバー21における外側の略四角錐部分の内側に光検出センサ22が各錐面に対応させて四つ配置され、外側センサ部25をなすと共に、カバー21における内側の小型四角錐部分内に光検出センサ22が各錐面に対応させて四つ配置され、内側センサ部26をなす構成である。
【0036】
カバー21における内側の小型四角錐部分の周囲には、これを取囲むように垂直面と外側の略四角錐が存在するため、センサブロック2における内側センサ部26に対する側方からの光の入射は遮られ、光の入射が略四角錐先端側からのみに制限される仕組みである。
【0037】
前記遮光板23は、カバー21内に略十字状に交差させて配設され、カバー21内を外側の略四角錐と内側の小型四角錐部分それぞれについて光検出センサ22に合わせた四つの空間に仕切る非透光性の略板状体からなる構成であり、前記第1の実施形態同様、各光検出センサ22への対応する錐面以外からの光の入射を遮る仕組みである。
【0038】
前記演算制御部3は、センサブロック2における外側センサ部25の各光検出センサ22の光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、内側センサ部26の各光検出センサ22の光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用する仕組みである。
【0039】
次に、前記構成の太陽追尾装置における制御対象物の駆動制御処理について説明する。日中、太陽光は制御対象物10近傍に配設したセンサブロック2にも照射され、センサブロック2のカバー21の各錐面に入射する。前記第1の実施形態同様、センサブロック2内で対向位置関係となる方位角調整用及び仰角調整用の二組の光検出センサ22でそれぞれ入射光を検出し、制御対象物正面方向が太陽の方を向いていない、すなわち、光検出センサ22間での入射光量の差が設定値を外れている場合、演算制御部3で駆動手段4を適切に駆動制御して制御対象物10の方位角及び仰角を調整する。
【0040】
駆動後、各センサブロック2への入射光の入射角度が変化すると、カバー21で対向位置関係にある錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係で変化するため、各錐面の内側にある光検出センサ22間で入射光量の差が設定値に近付くように継続して制御対象物10を駆動制御し、制御対象物正面方向を太陽の方に向け、太陽の動きに追従させる。
【0041】
センサブロック2のうち、周囲に障害物のない外側センサ部25を用いて太陽の位置を大まかに捕捉し、制御対象物正面方向を太陽の方に近付ける過程で、周囲からの反射光等の影響でそれ以上は外側センサ部25の光検出センサ22で入射光量の変化が見られなくなっても、周囲を外側センサ部25で囲まれて反射光の影響が抑えられている内側センサ部26において入射光量の変化を検出でき、方位角と仰角の調整を継続して制御対象物正面方向を太陽の向きに一致させられる。
【0042】
このように、本実施形態に係る太陽追尾装置においては、センサブロック2のカバー21が略四角錐の中心部に別の小型の四角錐部分を設けた形状とされ、この小型四角錐部分内部にも光検出センサ22を配置して別のセンサ部となし、この内側のセンサ部26が周囲を外側の略四角錐部分に囲まれて光入射の有効角度範囲を狭められた状態で用いられ、光を広角度に入射させられる外側センサ部25で光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減した内側センサ部26でも入射光量の差を検出することから、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物10を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられると共に、二つのセンサ部で精度と追従性を高めながらセンサブロック2を一つにまとめて大幅にコンパクト化が図れ、設置個所の制約を受けにくい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、カバーの略四角錐状部分内側に光検出センサを配置し、さらに各光検出センサへの入射光を限定する遮光板を配置してセンサブロックとし、このセンサブロックへの入射光の角度が変化すると、対向する錐面への入射光量が互いにトレード・オフの関係(負の相関関係)で変化することにより、対向する位置の二つの光検出センサ間で入射光量の差を一定に保つように制御対象物を駆動制御することで入射光源である太陽の動きを制御対象物が確実に追尾できることとなり、制御対象物を効率よく使用できるという効果を奏する。また、受光面となる錐面の傾斜角を変えることで光の入射具合の調整も行え、光検出センサによる検出可能範囲を適切に設定できるという効果を有する。
【0044】
また、本発明によれば、カバー素材を透明でない素材とし、光をいったんカバーで受け、カバーを透過する間に光を散乱させて光検出センサ側に入射させることにより、光検出センサにおける光検出の指向性を考慮せずに済み、光検出センサ選択を柔軟に行えると共に、光検出センサの光軸合せを高精度に行う必要が無く、調整の手間が省けることに加え、センサブロック各部について高精度の加工や調整の必要もなく、コストダウンが図れるという効果を有する。
【0045】
また、本発明によれば、センサブロック周囲にセンサブロックを取囲む遮光体を配置し、センサブロック側方からの光の入射を遮って、当初広い角度となっている光入射の有効角度範囲を狭めることにより、外部からの反射光による悪影響を低減し、確実に太陽からの入射光量の差を検出して仰角及び方位角調整を行えることとなり、センサブロックから見た太陽の周囲に雲や建築物等の光を反射する影響物があっても、反射光の影響で入射光量の差を検出できずに太陽への追従を途切れさせてしまうようなこともなく、制御の信頼性をより一層高められるという効果を有する。
【0046】
また、本発明によれば、周囲に遮光体を配置したセンサブロックと周囲に何も配置しないセンサブロックの二つを用い、光を広角度に入射させられるセンサブロックで光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光による悪影響を低減したセンサブロックでも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、曇天時など太陽光線の入射状態が不安定な場合でも確実に太陽に制御対象物を向けられ、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられるという効果を有する。
【0047】
また、本発明によれば、センサブロックのカバーが先端を除去した略四角錐の中心部に別の小型の四角錐部分を設けた形状とされてなり、この小型四角錐部分内部にも光検出センサを配置して別のセンサ部となし、この内側のセンサ部が周囲を外側の略四角錐部分に囲まれて光入射の有効角度範囲を狭められた状態で用いられ、光を広角度に入射させられる外側のセンサ部で光源の向きを大まかに捕捉しつつ、反射光の影響を低減した内側のセンサ部でも入射光量の差を検出することにより、検出精度と光源への迅速な追従を両立でき、角度調整制御の信頼性及び能率を大きく向上させられると共に、二つのセンサ部で精度と追従性を高めながらセンサブロックを一つにまとめて大幅にコンパクト化が図れ、設置個所の制約を受けにくいという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る太陽追尾装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの配置状態説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る太陽追尾装置におけるセンサブロックの平面図及び正面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 太陽追尾装置
10 制御対象物
2、20 センサブロック
21 カバー
22 光検出センサ
23 遮光板
24 遮光体
25 外側センサ部
26 内側センサ部
3 演算制御部
4 駆動手段
5 支持具
Claims (5)
- 方位角及び仰角をそれぞれ所定角度範囲内で調整可能とした所定の制御対象物の太陽に向けられるべき正面方向を、演算制御部で制御された駆動手段による方位角及び仰角の角度調整動作により太陽の動きに追随させつつ太陽に向ける太陽追尾装置において、
少なくとも略四角錐状部分を有する形状に成形され、当該略四角錐状部分の対向する配置の一組の錐面同士が前記制御対象物の仰角調整中心軸について互いに略対称関係となると共に、対向する配置の他の組の錐面同士が制御対象物の方位角調整中心軸について互いに略対称関係となり、且つ略四角錐先端の向かう方向が制御対象物の正面方向と略一致する配置状態として、制御対象物近傍に配設される透光性材料製のカバーと、当該カバー内にカバーの各錐面に対応させて四つ配置され、各錐面を透過した光の入射量をそれぞれ検知する光検出センサと、前記カバー内の前記各光検出センサ間に配設され、各光検出センサへの対応する錐面以外からの入射光を遮る遮光板とを少なくとも有するセンサブロックを備え、
当該センサブロックにおける対向する配置の錐面に対応する光検出センサ同士の光入射量をそれぞれ前記演算制御部で比較し、入射量の差が所定の設定値に略一致する状態となるよう前記駆動手段に対し制御対象物の仰角及び方位角調整の駆動制御を行うことを
特徴とする太陽追尾装置。 - 前記請求項1に記載の太陽追尾装置において、
前記センサブロックのカバーが、一様な不透明素材からなることを
特徴とする太陽追尾装置。 - 前記請求項1又は2に記載の太陽追尾装置において、
前記センサブロックの周囲を囲んで配設され、センサブロックに対する側方からの光の入射を遮って光の入射を略四角錐先端側からのみに制限する遮光体を備えることを
特徴とする太陽追尾装置。 - 前記請求項3に記載の太陽追尾装置において、
周囲に前記遮光体を配置したセンサブロックと、カバー周囲に遮光物を配置しない別のセンサブロックとを同時に備え、
前記演算制御部が、遮光していない方のセンサブロックにおける光入射量比較結果を仰角及び方位角の粗調整制御に利用すると共に、遮光体を配置した方のセンサブロックにおける光入射量比較結果を仰角及び方位角の精密調整制御に利用することを
特徴とする太陽追尾装置。 - 前記請求項1又は2に記載の太陽追尾装置において、
前記センサブロックのカバーが、略四角錐先端から所定範囲部分を除去し、当該除去部分より四角錐底部側となる略四角錐内側部分に別の小型四角錐を各錐面が外側の四角錐面と同じ向きとなるように配置すると共に、外側の略四角錐上端部と内側の小型四角錐下端部間を閉塞する四つの略垂直面を配置した形状とされてなり、
前記カバーの小型四角錐部分内側にも別途光検出センサが小型四角錐部分の各錐面に対応させて四つ配置されることを
特徴とする太陽追尾装置。
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