JP2004145147A - 光素子収納用パッケージおよび光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとすることにより、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るものとすること。
【解決手段】上面に光素子が載置される載置部1aを有する基体1と、基体1の上面に載置部1aを囲繞するように取着され、側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部2aを有するとともに他の側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体2と、入出力端子取付部2aに嵌着された入出力端子4とを具備した光素子収納用パッケージである。光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるものとなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は異なる波長の光信号を合波あるいは分波する波長合分波器、または光スイッチ等の光パッシブデバイス等(以下、光素子という)を収容するための光素子収納用パッケージ、およびこれに光素子を収容した後に光ファイバに光結合させた光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光素子収納用パッケージの例を図8に斜視図で示す。また、この光素子収納用パッケージに波長合分波器等の光素子を収容した後に光ファイバに光結合させた光モジュールの例を図9に斜視図で示す。
【0003】
光素子収納用パッケージは、上面に光素子17が載置される載置部11aを有するとともに、外部電気回路基板(図示せず)にネジ止めされるように外周部に設けられたフランジ部11bを有する基体11と、基体11の上面に載置部11aを囲繞するように取着され、相対する一両側面に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部(以下、取付部という)12aを有するとともに相対する他両側面の略中央部に光ファイバ18を導入するための貫通孔から成る光ファイバ導入部(以下、導入部という)12cを有し、さらに導入部12cの相対する外側側面にパイプ取着部(以下、取着部という)12bを有する枠体12と、取着部12bを囲繞するように接合されるとともに光ファイバ18を導入部12cに導くためのパイプ13と、取付部12aに嵌着されるとともに上面にメタライズ層14aと外部リード14bとを有する入出力端子14とから主に構成される。
【0004】
また、光モジュールは、載置部11aの上面に光素子17,光ファイバ整列器(以下、整列器という)16が保持台15を介して載置されるとともに、光ファイバ18が導入部12cを介してパイプ13から光素子17にかけて導入され、光ファイバ18を整列器16上面の略V字状のV溝16aに沿って前後させることにより光素子17に光結合される。さらに、光結合した後にホルダー13aをパイプ13の先端面にYAG溶接等により溶接するとともに、蓋体19を枠体12上面にYAG溶接またはロウ付けすることにより、光素子収納用パッケージの内部が気密に封止された光モジュールが完成する。この光モジュールは、光素子17を内部に気密に収容し、高速光通信等に用いられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−3566号公報
【特許文献2】
特開平7−198973号公報
【特許文献3】
特開2001−21818号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この光モジュールは光素子17を内部に気密に収容し、高速光通信等に用いられているが、大容量の情報を光伝送するために複数の光ファイバ18を光素子収納用パッケージの内部に導入する場合に、複数の光ファイバ18を光素子収納用パッケージの内部に導入し、さらに光素子17に光結合させるのは作業上非常に煩雑である。具体的には、光ファイバ18を安定して載置固定する部位が整列器16のV溝16aの部位のみであるため、光ファイバ18が複数ある場合には、たとえ1本目の光ファイバ18が光結合できたとしても他の光ファイバ18を光結合させる際に1本目の光ファイバ18の光結合が損なわれるため、すなわち光軸がずれることがあるため全ての光ファイバ18の光軸を良好に合わせるのは非常に困難であるという問題点があった。また、作業が非常に煩雑であるため、作業中に光ファイバ18を折ってしまう可能性も高いという問題点もあった。
【0007】
また、たとえ複数の光ファイバ18と光素子17とを光結合できたとしても、その後にホルダー13aをパイプ13の先端面にYAG溶接する工程と、蓋体19を枠体12の上面に接合する工程の2工程が必要であり、その際の熱履歴により、光ファイバ18を歪ませる程度の応力が発生し、光素子17と光ファイバ18との光結合がわずかながらも劣化するという問題点もあった。
【0008】
そのため、従来の光素子収納用パッケージおよび光モジュールにおいては、光素子17の作動性を良好とできず大容量の情報を光伝送できないことがあるという問題点があった。
【0009】
なお、光素子17として、例えばピエゾ素子上に設置するAWG(Array Waveguide Grating:アレイ状導波路)等の光素子は、ピエゾ素子に高周波の電圧を印加することでピエゾ効果が発生して弾性表面波が発生することから、AWGはこの弾性表面波と光との相互干渉によりフィルタ機能を得ることができ、これによって多数の波長を合分波している。また、AWGを始めとして多くの光素子17では温度保償が必要であり、このような光素子17に対しては、ペルチェ素子等を光素子収納用パッケージ内に搭載し光素子17の温度保償が行なわれる。この様に光素子17の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源の伝送に用いるため、光素子収納用パッケージには入出力端子14が必要である。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、一本の光ファイバはもちろんのこと複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率をも良好なものとすることができ、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るものとすることができる光素子収納用パッケージおよび光モジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の光素子収納用パッケージは、上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、該枠体の側部または前記基体の前記枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第1の光素子収納用パッケージによれば、上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、この枠体の側部または基体の枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備したことから、従来のように光ファイバをパイプを介して光素子収納用パッケージの内部に導入する必要がなく、また光ファイバを導入部に仮固定してパッケージの内部に載置される光素子と正確に光結合させることができるので、少なくとも一本の光ファイバと光素子との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに少なくとも一本の光ファイバを安定して固定し保持することができる。また、光ファイバを枠体上部の光ファイバ導入部に通してロウ付けすることにより、従来のように蓋体を枠体の上面にYAG溶接またはロウ付けするとともに、パイプを介して光素子収納用パッケージの内部に導入された光ファイバをYAG溶接等により溶接することが不要となり、蓋体を枠体の上面にロウ付けするのと同時に、同一の熱履歴によって光ファイバ導入部と光ファイバとの間の気密封止が実現できることから、熱履歴工程が1回で済むために、熱履歴が加わる毎に発生する応力を光ファイバを歪ませる程度に至らない大きさにまで非常に小さくすることができる。そのため、複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるものとなる。
【0013】
さらに、入出力端子取付部に嵌着された入出力端子を具備することから、光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができ、これによっても光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0014】
また、本発明の第2の光素子収納用パッケージは、上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、前記基体の前記載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備したことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第2の光素子収納用パッケージによれば、上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、基体の載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備したことから、光ファイバを導入部に仮固定してパッケージの内部に載置される光素子と正確に光結合させることができるので、少なくとも一本の光ファイバと光素子との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに少なくとも一本の光ファイバを安定して固定し保持することができる。また、蓋体を枠体の上面にロウ付けするのと同時に、同一の熱履歴によって光ファイバ導入部と光ファイバとの間の気密封止が実現できることから、熱履歴工程が1回で済むために、熱履歴が加わる毎に発生する応力を光ファイバを歪ませる程度に至らない大きさにまで非常に小さくすることができる。
【0016】
また、これらに加えて基体の載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体を具備することから、光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができ、これによっても光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるとともに、基体の内部の、載置部から入出力端子導体までの間の配線を、W(タングステン),Mo(モリブデン)−Mn(マンガン)等の金属を自由に選定し、またスクリーン印刷法により配線の幅,長さ,厚みを自由に調整して形成することができるので、この入出力端子導体を高周波信号の入出力に使用する場合であれば、配線導体全体のインピーダンスを整えることができ、そのため10GHz以上の高周波信号の挿入損失や反射損失を抑制でき、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことが可能となる。
【0017】
これらにより、本発明の光素子収納用パッケージによれば、複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるのはもちろん、入出力端子または入出力端子導体により光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができ、10GHz以上の高周波信号も伝送損失を小さくして通すことができるものとなる。
【0018】
また、本発明の光素子収納用パッケージは、上記各構成において、前記光ファイバ導入部は、前記光ファイバの直径をr(μm)としたときに、開口の幅がr+5μm乃至r+200μmであり、深さがr+5μm乃至r+200μmであることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の光素子収納用パッケージによれば、光ファイバの直径をr(μm)としたときに、光ファイバ導入部の開口の幅がr+5μm乃至r+200μmであり、深さがr+5μm乃至r+200μmであるときには、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができ、ロウ材のボイドの発生を皆無とできるとともに光ファイバが折れるのを有効に防止することができる。そのため、光ファイバ導入部における気密封止を良好なものとすることができ、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0020】
本発明の光モジュールは、上記各構成の本発明の光素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された光素子と、前記光ファイバ導入部に通されてロウ付けされた光ファイバと、前記枠体の上面にロウ付けされた、前記光素子および前記光ファイバ導入部を気密に封止する蓋体とを具備したことを特徴とするものである。
【0021】
本発明の光モジュールによれば、上記構成により、従来のように複数の光ファイバと光素子とを光結合した後に、ホルダーをパイプの先端面にYAG溶接する工程と、蓋体を枠体の上面に接合する工程との2工程が不要となり、その際の熱履歴により、光ファイバを歪ませる程度の応力が発生し、光素子と光ファイバとの光結合が劣化するようなことがないため、光素子の作動性を良好とすることができ、大容量の情報を光伝送することの可能な光モジュールを提供することができる。また、入出力端子または入出力端子導体により光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送も良好に行なうことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の光素子収納用パッケージを以下に詳細に説明する。図1は本発明の第1の光素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2はその光ファイバ導入部の周辺部の部分拡大斜視図である。
【0023】
図1および図2において、1は基体、2は枠体、4は入出力端子であり、これら基体1,枠体2および入出力端子4で、光素子を収容する容器が基本的に構成される。
【0024】
基体1は、光素子を支持するための支持部材ならびに光素子から発せられる熱を放散するための略四角形の放熱板として機能し、その上面の略中央部に光素子を載置するための載置部1aを有している。また、基体1の外周部には、外部電気回路基板(図示せず)とネジ止めできるように、基体1を枠体2の外側に延出させてネジ穴を設けた、フランジ部1bを有していることが好ましい。
【0025】
基体1は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る板状体であり、例えばFe−Ni−Co合金から成る場合は、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の金属加工法を施すことによって所定の形状に製作される。
【0026】
なお、基体1の表面には耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5μm乃至9μmのNi層と、厚さ0.5μm乃至5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくのがよく、これにより、基体1が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、基体1の上面に光素子および枠体2をロウ材により強固に接着固定することができるものとなる。
【0027】
また、基体1は、その上面に光素子が載置される載置部1aを囲繞するように四角形等の枠形状の枠体2が接合されており、枠体2の内側に光素子を収容するための空所が形成される。
【0028】
この枠体2は、基体1と同様に金属材料から成り、基体1と同様の加工法で、少なくとも1つの側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部2aを、また他の側部の上面の略中央部に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る少なくとも1つの光ファイバ導入部2cを有するものに加工される。
【0029】
枠体2は、例えばFe−Ni−Co合金から成る場合は、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の枠形状に製作される。また、枠体2の基体1への取着は、基体1の上面と枠体2の下面とを、基体1の上面に敷設した、適度な体積を有するプリフォームとされた銀(Ag)ロウ等のロウ材を介してロウ付け接合することによって行なわれる。さらに、基体1と同様に、枠体2の表面に厚さ0.5μm乃至9μmのNi層と厚さ0.5μm乃至5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくのがよい。
【0030】
本発明の光素子収納用パッケージにおける光ファイバ導入部2cは、少なくとも1本の光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る。この光ファイバ導入部2cは、光ファイバを安定して固定し保持する機能を有するとともに、基体1をフランジ部1bにより外部電気回路基板にネジ止めする場合においても、ネジ止めによりフランジ部1bに発生して光ファイバに伝わる応力を非常に小さくし得る機能を有する。さらに、光ファイバ導入部2cは、その内側に光ファイバを通してロウ付けすることによって固定した際に光ファイバの外周面を略均一にロウ材で覆うことが可能な形状であるため、ロウ材が溶融して光ファイバの外周面と光ファイバ導入部2cとの間を封止する際に発生するロウ材中のボイドの原因となる光ファイバ導入部2cに存在しているエアを外部へ抜けやすくする作用があるので、そのロウ材中のボイドの発生を皆無とし、光ファイバ導入部2cにおける気密封止を良好とする機能も有するものである。
【0031】
次に、図4は本発明の第2の光素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す下面側から見た斜視図であり、4cは入出力端子導体、4bは入出力端子導体4cに接合された外部入出力端子である。
【0032】
本発明の第2の光素子収納用パッケージは、上面に光素子が載置される載置部1aを有する基体1と、この基体1の上面に載置部1aを囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体2と、基体1の載置部1aから下面にかけて導出された入出力端子導体4cとを具備することが重要である。
【0033】
本発明の第2の光素子収納用パッケージによれば、上面に光素子が載置される載置部1aを有する基体1と、この基体1の上面に載置部1aを囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体2と、基体1の載置部1aから下面にかけて導出された入出力端子導体4cとを具備したことから、光ファイバを光ファイバ導入部2cに仮固定してパッケージの内部に載置される光素子と正確に光結合させることができるので、少なくとも1本の光ファイバと光素子との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに、少なくとも1本の光ファイバを安定して固定し保持することができる。また、蓋体を枠体2の上面にロウ付けするのと同時に、同一の熱履歴によって光ファイバ導入部2cと光ファイバとの間の気密封止が実現できることから、熱履歴工程が1回で済むために、熱履歴が加わる毎に発生する応力を光ファイバを歪ませる程度に至らない大きさにまで非常に小さくすることができる。
【0034】
また、これらに加えて基体1の載置部1aから下面にかけて導出された入出力端子導体4cを具備することから、この導出のために基体1の内部の載置部1aから入出力端子導体4cまでの間に形成される配線導体について、W(タングステン),Mo(モリブデン)−Mn(マンガン)等の金属を自由に選定し、またスクリーン印刷法により配線の幅,長さ,厚みを自由に調整することができるので、光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができるのはもとより、配線導体全体のインピーダンスを所望の値に整えることができ、それにより10GHz以上の高周波信号の挿入損失や反射損失を抑制でき、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことが可能となる。
【0035】
これらにより、複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるのはもちろん、光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことができるものとなる。
【0036】
光ファイバ導入部2cは、図2に部分拡大斜視図で示すように、この光ファイバ導入部2cを通して導入される光ファイバの直径をr(μm)とした場合に、その開口の幅Aがr+5μm乃至r+200μmであり、深さBがr+5μm乃至r+200μmであることが好ましい。
【0037】
開口の幅Aがr+5μm未満の場合は、光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けできなくなり、ロウ材中のボイドの発生を皆無とできなくなって、光ファイバ導入部2cにおける気密封止を良好なものとできなくなり、光素子を気密封止することが困難となる。一方、開口の幅Aがr+200μmを超える場合は、光ファイバを光ファイバ導入部2cの略中央部に安定して固定することが困難となるため、光ファイバ導入部2cにおける光ファイバの断面の中心点と、光軸調整用として機能する、載置部1aに保持台を介して光素子とともに載置される光ファイバの整列器のV溝に載置固定された光ファイバの断面の中心点とが位置ずれを起こすようになる。そのため、光ファイバに応力が発生して折れ易くなり、この光素子収納用パッケージを用いた光モジュールの信頼性が非常に低くなるという問題点を生じることとなる。
【0038】
また、深さBがr+5μm未満の場合は、光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けできなくなり、ロウ材中のボイドの発生を皆無とできなくなって、光ファイバ導入部2cにおける気密封止を良好なものとできなくなり、光素子を気密封止することが困難となる。一方、深さBがr+200μmを超える場合は、枠体2を基体1の上面に接合した際のそれぞれの熱膨張係数差に起因した枠体2および基体1の反りや捻れによって発生した歪みをネジ止めにより平坦に戻そうとする応力が、基体1から枠体2の光ファイバ導入部2cおよびロウ材を介して光ファイバ8に伝わるようになるので、基体1をフランジ部1bにより外部電気回路基板にネジ止め固定した際に、光ファイバを折れ易くする程度の応力が基体1から光ファイバ導入部2c,ロウ材を介して光ファイバ8に伝わることになり、この光素子収納用パッケージを用いた光モジュールの信頼性が非常に低くなるという問題点を生じることとなる。
【0039】
また、光ファイバ導入部2cの奥行き、すなわち枠体2の厚さは0.7乃至1.8mm程度が好ましい。奥行きが0.7mm未満の場合は光ファイバを安定して固定し保持することが困難となり、一方、1.8mmを超える場合は、光ファイバが固定され保持される部位のロウ付け面積が広くなるため、光ファイバと光ファイバ導入部2cとの間にロウ付け後に発生する残留応力が非常に大きいものとなり、光ファイバに外力が加わると光ファイバ導入部2cにおける光ファイバの周囲のロウ材にクラック等の機械的な破壊が発生し易くなって、光素子を気密に封止することが困難となる傾向がある。
【0040】
また、枠体2の入出力端子取付部2aには、光素子収納用パッケージの内部と外部電気回路基板との間の電気的接続を行なうための入出力端子4が嵌着される。この入出力端子4は、例えばピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源の伝送に用いられる。ピエゾ素子の使用例としては、ピエゾ素子上に光素子であるAWG(Array Waveguide Grating:アレイ状導波路)を設置し、ピエゾ素子に高周波の電圧を印加することでピエゾ効果が発生して弾性表面波が発生するというものがある。AWGはこの弾性表面波と光との相互干渉でフィルタ機能が得られるものであり、これにより多数の波長を合分波することができる。また、ペルチェ素子の使用例としては、AWG等の温度保償が必要な光素子に対して、ペルチェ素子を光素子収納用パッケージ内に搭載することによって光素子の温度保償を行なう。この様に、ピエゾ素子やペルチェ素子等は光素子を正常に作動させるために必要であり、その駆動電源や高周波信号の伝送に入出力端子4が必要である。
【0041】
この入出力端子4は、例えば図1に示すように、高周波信号を伝送する線路導体およびグランド機能を有する接地導体としての複数のメタライズ層4aが枠体2の内外を導通するように形成された直方体状の誘電体板から成る平板部と、この平板部の上面にメタライズ層4aを間に挟んで接合され、枠体2内外を遮断するように形成された略直方体状の誘電体板から成る立壁部とから成り、その平板部の上面に形成されたメタライズ層4aと光素子とをボンディングワイヤ(図示せず)等で接続することにより、光素子に高周波信号を入出力する機能を有する。この平板部や立壁部の誘電体材料には、その誘電率や熱膨張係数等の要求される特性に応じて、アルミナ(Al)セラミックスや窒化アルミニウム(AlN)セラミックス等が適宜選定される。
【0042】
この入出力端子4は、メタライズ層4aとなるタングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等の粉末に有機溶剤,溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、平板部や立壁部となる原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法によって成されたセラミックグリーンシートに、予め従来周知のスクリーン印刷法により所望の形状に印刷,塗布し、約1600℃の高温で焼結することにより製作される。
【0043】
また、枠体2の外側に位置するメタライズ層4aの上面には、それぞれ光素子収納用パッケージと外部電気回路基板とを電気的に接続する外部入出力端子4bがAgロウ等のロウ材を介して接合される。この外部入出力端子4bには、入出力端子4との接合を強固なものとするために、入出力端子4の熱膨張係数に近似する金属部材が用いられる。例えば、入出力端子4の平板部がAlセラミックスから成る場合は、外部入出力端子4bにはFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金が用いられる。
【0044】
このような本発明の光素子収納用パッケージを用いて、図3にその実施の形態の一例を斜視図で示すように、載置部1aの上面に光素子7、整列器6が保持台5を介して載置されるとともに、光ファイバ8が、光ファイバ導入部2cを通してロウ付けされることによって外部から光体素子7にかけて導入され、その光ファイバ8の端部を整列器6の上面の略V字状のV溝6aに載置しそれに沿って前後させることにより、光素子7に光結合される。さらに、その後に下面に金(Au)−錫(Sn)ロウ材等の低温ロウ材9aがクラッドされている蓋体9を、光ファイバ導入部2cを含む枠体2の上面にロウ付けすることにより、光素子収納用パッケージの内部が気密に封止された本発明の光モジュールが完成する。
【0045】
なお、この光モジュールにおいて、光ファイバ導入部2cを介して導入される光ファイバ8の光ファイバ導入部2cに位置する部位の保護膜(樹脂等)を剥がして石英ガラス(光ファイバ8の芯線)を露出させるとともに、露出させた光ファイバ8の芯線の外周の全面にNi,Au等のメッキ膜を順次被着させておくことにより、光ファイバ8の外周面がメッキ膜およびロウ材を介して光ファイバ導入部2cおよび蓋体9に良好にロウ付けされ、光ファイバ導入部2cが気密封止されることになる。そして、この光モジュールは、従来のように、複数の光ファイバと光素子とを光結合した後、ホルダーをパイプの先端面にYAG溶接する工程と、蓋体を枠体の上面に接合する工程との2工程が不要となり、その際の熱履歴により、光ファイバを歪ませる程度の応力が発生して光素子と光ファイバとの光結合が劣化するようなことがないことから、光素子7の作動性を良好とすることができ、大容量の情報を光伝送することが可能なものとなる。
【0046】
また、本発明の光モジュールは、図4に示した本発明の第2の光素子収納用パッケージを用いて、図3に示したものと同様にして構成してもよい。
【0047】
【実施例】
本発明の光素子収納用パッケージにおける光ファイバ導入部2cの開口の幅Aおよび深さBの寸法を決めるための実験を以下に示すように行なった。
【0048】
図1に示すような光素子収納用パッケージを製作するにあたり、外周部の両端に縦×横を37mm×16mmの大きさとし、ネジ穴の直径を2.5mmとしたフランジ部1bが設けられ、縦×横×高さを42mm×20mm×1mmの大きさとしたCu−W合金から成る基体1を準備した。次に、基体1の上面に、外寸法が縦32mm,横20mm,高さ3.5mmで、厚さが1mmのFe−Ni−Co合金から成る枠体2をAgロウ材で接合した。この枠体2には、相対する一対の側部に貫通孔から成る入出力端子取付部2aを設けるとともに、相対するもう一対の側部の上面の略中央部に断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを一方の側部に8箇所ずつ、計16箇所設けた。この光ファイバ導入部2cの開口の幅Aおよび深さBをパラメータにとるとともに、入出力端子取付部2aにAlセラミックスから成る平板部および立壁部とメタライズ層4aとを有する入出力端子4をAgロウ材を介して嵌着した。
【0049】
なお、本実施例では、この入出力端子4は光ファイバ導入部2cにおける光モジュールとしての信頼性を実験により評価するために嵌着するものであり、外部電気回路基板との電気的接続を行なうものではないため、外部入出力端子4bは設けなかった。
【0050】
そして、以上のようにして作製した光素子収納用パッケージの評価用試料について、図3に示すように、内部の基体1の上面の載置部1aに保持台5,整列器6,光素子7を錫(Sn)−鉛(Pb)半田等の低温ロウ材で接合するとともに光ファイバ8を全ての光ファイバ導入部2c(一方の側部で8箇所ずつ、計16箇所)に挿通し、光素子7との光結合を行なった。
【0051】
次に、下面にAu−Snロウ材から成る低温ロウ材9aがクラッドされている蓋体9を、光ファイバ導入部2cを含む枠体2の上面にロウ付けすることによって、同時に各光ファイバ8をそれぞれ光ファイバ導入部2cにロウ付けして、光モジュールの試料を作製した。なお、これら光モジュールの試料においては、光ファイバ導入部2cに通してロウ付けされる部位の光ファイバ8の樹脂から成る保護膜を剥がして石英ガラスから成る光ファイバ8の芯線を露出させるとともに、その芯線の外周の全面に厚さ1μmのNiメッキ膜および厚さ1μmのAuメッキ膜を順次被着させ、光ファイバ8の外周面がこのメッキ膜を介して光ファイバ導入部2cにロウ付けされるようにした。
【0052】
このようにして作製した光モジュールの各試料について、光ファイバの折れおよび気密性の評価を行なった。
【0053】
光ファイバの折れについては、作製した光モジュールの各試料を目視で確認し、光ファイバに折れやクラック等の欠陥の発生の有無を評価した。
【0054】
気密性については、作製した光モジュールの各試料をフロリナート系の揮発性の高い液体中に浸漬してグロスリーク試験を行ない、液体中への気泡の発生の有無を評価して、気泡の生じない試料を良品とし、気泡の生じた試料を不良品とした。さらに、グロスリーク試験で良品であった試料について50N/cmで2時間He加圧を行なった後にHeリーク試験を実施し、Heの検出量が5×10−9Pa・m/sec以下の試料を最終的に良品とし、検出量が5×10−9Pa・m/secを超える試料を不良品とした。
【0055】
その結果、この光モジュールの信頼性は、表1および表2に示すように、光ファイバ8の直径rと光ファイバ導入部2cの開口の幅A,光ファイバ導入部2cの深さBの関係によりほぼ決まることが分かった。
【0056】
表1は深さBを一定として開口の幅Aを変化させた実験の結果を示すものであり、開口の幅Aがr+5μm未満では50個の光モジュールの試料のうち数個は気密性不良を起こし、開口の幅Aをrと等しくしたものでは、50個中18個が気密性不良を起こした。この気密性不良の原因は光ファイバ8の外周面を均一に覆うようにロウ付けできていないことによるものであり、ロウ材中にボイドも多数見られた。一方、開口の幅Aがr+200μmを超える場合には、光ファイバ8が折れる場合があった。この折れの原因は、光ファイバ導入部2cに通してロウ付けした部位の光ファイバ8の断面の中心点とV溝6aに載置固定した部位の光ファイバ8の断面の中心点とが位置ずれを起こしていたことによるものであることが分かった。すなわち、光ファイバ8を光ファイバ導入部2cの略中央部に精度良くロウ付けできなかったことによるものであった。これに対し、開口の幅Aをr+5μm乃至r+200μmの範囲とした本発明の試料では、いずれも気密性不良の発生はなく、光ファイバの折れ等の不具合の発生もなかった。
【0057】
【表1】
Figure 2004145147
【0058】
次に、表2は開口の幅Aを一定として深さBを変化させた実験の結果を示すものであり、深さBがr+5μm未満では50個の光モジュールの試料のうち数個は気密性不良を起こし、深さBをrと等しくしたものでは、50個中4個が気密性不良を起こした。この気密性不良の原因は、光ファイバ8の外周面を均一に覆うようにロウ付けできていないことによるものであり、ロウ材中にボイドも多数見られた。一方、深さBがr+200μmを超える場合には、光モジュールを縦50mm,横30mm,高さ5mmのアルミニウム(Al)から成る簡易的な外部電気回路基板にフランジ部1bを介してネジ止めした際に、光ファイバ8が折れてしまう場合があった。この折れの原因は、基体1には、枠体2を接合した際に基体1と枠体2との熱膨張係数差に起因して発生した反りや捻れの歪みが発生しているのに対して、ネジ止めによりこの歪みを平坦に戻そうとする力が加わり、基体1から枠体2の光ファイバ導入部2cおよびロウ材を介して光ファイバ8に伝わったことによるものであった。これに対し、深さBをr+5μm乃至r+200μmの範囲とした本発明の試料では、いずれも気密性不良の発生はなく、光ファイバの折れ等の不具合の発生もなかった。
【0059】
【表2】
Figure 2004145147
【0060】
以上の結果より、本発明の試料のように、光ファイバ8の直径をr(μm)とした場合に、光ファイバ導入部2cの開口の幅Aがr+5μm乃至r+200μmであり、深さBがr+5μm乃至r+200μmであることが良いことが確認できた。
【0061】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を行なうことは何等差し支えない。例えば、図5に斜視図で示すように、光素子収納用パッケージの枠体2の外側の光ファイバ導入部2cの側面2bに光ファイバ支持部材3を接合しておいても良く、この場合は、図6にその実施の形態の例を斜視図で示すように光モジュールとした後に、外部電気回路基板にネジ止め等するために光ファイバ8を上下左右に動かすようなことがあっても、支持部材3の先端部が光ファイバ8の起点となるため、光ファイバ導入部2cにおける光ファイバ8の周囲のロウ材や光ファイバ8に直接的に応力が伝わらないものとすることができる。なお、この場合、図6に示すように蓋体9には支持部材3の上面部に接合されるように鍔部9bを設けておいたほうが好ましく、例えば光ファイバ8を上方向に動かした場合に鍔部9bを光ファイバ8の起点とすることができる。その結果、本発明の光モジュールにおける光ファイバ8の支持についての信頼性が非常に良いものとなる。
【0062】
また、以上の実施の形態の例では、枠体2の対向する2つの側部に光ファイバ導入部2cを形成するとともに、基体1の外周部の光ファイバ導入部2cが形成された側にフランジ部1bを設けていたが、フランジ部1bの配置はこのような関係に限定されるものではなく、入出力端子取付部2aが形成された側に配置してもよく、枠体2の四隅に張り出すように配置してもよい。
【0063】
また、以上の実施の形態の例では、入出力端子導体4cに外部入出力端子4bをロウ材を介して接合したが、例えば図7に示すように外部入出力端子4bの形状が球状のBGA(Ball Grid Array)タイプや、外部入出力端子4bを介さずにはんだ等のロウ材により入出力端子導体4cと外部電気回路基板とを接合するLGA(Land Grid Array)タイプ等に使用用途に応じて変更してもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明の第1の光素子収納用パッケージによれば、上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、この枠体の側部または基体の枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備したことにより、従来のように光ファイバをパイプを介して光素子収納用パッケージの内部に導入する必要がなく、また光ファイバを光ファイバ導入部に仮固定してパッケージの内部に載置される光素子と正確に光結合させることができるので、複数の光ファイバと光素子との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに少なくとも一本の光ファイバを安定して固定し保持することができる。また、光ファイバを枠体上部の光ファイバ導入部に通してロウ付けすることにより、従来のように蓋体を枠体の上面にYAG溶接またはロウ付けするとともに、パイプを介して光素子収納用パッケージの内部に導入された光ファイバをYAG溶接等により溶接することが不要となり、蓋体を枠体の上面にロウ付けするのと同時に、同一の熱履歴によって光ファイバ導入部と光ファイバとの間の気密封止が実現できることから、熱履歴工程が1回で済むために、熱履歴が加わる毎に発生する応力を光ファイバを歪ませる程度に至らない大きさにまで非常に小さくすることができる。そのため、複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるものとなる。
【0065】
さらに、入出力端子取付部に嵌着された入出力端子を具備することから、光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができ、これによっても光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0066】
また、本発明の第2の光素子収納用パッケージによれば、上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、基体の載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備したことから、光ファイバを導入部に仮固定してパッケージの内部に載置される光素子と正確に光結合させることができるので、少なくとも一本の光ファイバと光素子との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに少なくとも一本の光ファイバを安定して固定し保持することができる。また、蓋体を枠体の上面にロウ付けするのと同時に、同一の熱履歴によって光ファイバ導入部と光ファイバとの間の気密封止が実現できることから、熱履歴工程が1回で済むために、熱履歴が加わる毎に発生する応力を光ファイバを歪ませる程度に至らない大きさにまで非常に小さくすることができる。
【0067】
また、これらに加えて基体の載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体を具備することから、光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができ、これによっても光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるとともに、基体の内部の、載置部から入出力端子導体までの間の配線を、W(タングステン),Mo(モリブデン)−Mn(マンガン)等の金属を自由に選定し、またスクリーン印刷法により配線の幅,長さ,厚みを自由に調整して形成することができるので、この入出力端子導体を高周波信号の入出力に使用する場合であれば、配線線路全体のインピーダンスを整えることができ、そのため10GHz以上の高周波信号の挿入損失や反射損失を抑制でき、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことが可能となる。
【0068】
これらにより、本発明の光素子収納用パッケージによれば、複数の光ファイバと光素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるのはもちろん、入出力端子または入出力端子導体により光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送を良好に行なうことができ、10GHz以上の高周波信号も伝送損失を小さくして通すことができるものとなる。
【0069】
また、本発明の光素子収納用パッケージによれば、光ファイバ導入部が、光ファイバの直径をr(μm)としたときに、光ファイバ導入部の開口の幅Aがr+5μm乃至r+200μmであり、深さBがr+5μm乃至r+200μmであるものとしたときには、ロウ材が溶融して光ファイバの外周面と光ファイバ導入部との間を封止する際に発生するロウ材中のボイドの原因となる光ファイバ導入部に存在しているエアを外部へ抜けやすくする作用があるので、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができ、ロウ材のボイドの発生を皆無とできるとともに光ファイバが折れるのを有効に防止することができる。そのため、光ファイバ導入部における気密封止を良好なものとすることができ、光素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0070】
また、本発明の光モジュールによれば、上記各構成の本発明の光素子収納用パッケージと、載置部に載置された光素子と、光ファイバ導入部に通されてロウ付けされた光ファイバと、枠体の上面にロウ材付け接合された、光素子および光ファイバ導入部を気密に封止する蓋体とを具備したことにより、従来のように複数の光ファイバと光素子とを光結合した後に、ホルダーをパイプの先端面にYAG溶接する工程と、蓋体を枠体の上面に接合する工程との2工程が不要となり、その際の熱履歴により、光ファイバを歪ませる程度の応力が発生し、光素子と光ファイバとの光結合が劣化するようなことがないため、光素子の作動性を良好とすることができ、大容量の情報を光伝送することの可能な光モジュールを提供することができる。また、入出力端子または入出力端子導体により光素子の作動のために必要なピエゾ素子やペルチェ素子等の駆動電源または高周波信号の伝送も良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の光素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光素子収納用パッケージの光ファイバ導入部の周辺部の部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の光モジュールの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の光素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の光素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明の光モジュールの実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の光素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図8】従来の光素子収納用パッケージの例を示す斜視図である。
【図9】従来の光モジュールの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:フランジ部
2:枠体
2a:入出力端子取付部
2c:光ファイバ導入部
4:入出力端子
7:光素子
8:光ファイバ
9:蓋体

Claims (4)

  1. 上面に波長合分波器等の光素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、該枠体の側部または前記基体の前記枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備したことを特徴とする光素子収納用パッケージ。
  2. 上面に光素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、前記基体の前記載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備したことを特徴とする光素子収納用パッケージ。
  3. 前記光ファイバ導入部は、前記光ファイバの直径をr(μm)としたときに、開口の幅がr+5μm乃至r+200μmであり、深さがr+5μm乃至r+200μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光素子収納用パッケージ。
  4. 請求項1または請求項2記載の光素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された光素子と、前記光ファイバ導入部に通されてロウ付けされた光ファイバと、前記枠体の上面にロウ付けされた、前記光素子および前記光ファイバ導入部を気密に封止する蓋体とを具備したことを特徴とする光モジュール。
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