JP2004144929A - 画像形成装置 - Google Patents
画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004144929A JP2004144929A JP2002308729A JP2002308729A JP2004144929A JP 2004144929 A JP2004144929 A JP 2004144929A JP 2002308729 A JP2002308729 A JP 2002308729A JP 2002308729 A JP2002308729 A JP 2002308729A JP 2004144929 A JP2004144929 A JP 2004144929A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- unit
- image forming
- density
- forming apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Or Security For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすると共に、画像形成装置の待機時間を低減することを可能とする。
【解決手段】画像形成装置が低電力復帰モードでない時でDhalfが必要な時は感光ドラムの前多回転中断を判断する。前多回転中断の時と、前多回転中断でない時で定着ユニット温度が50度C未満の時はDhalf付き50度C未満前多回転シーケンスを行い、定着ユニット温度が50度C未満でない時はDhalf付き100度C未満前多回転シーケンスを行う。Dhalfが不要な時で装置状態がJAM復帰等に当てはまる時はJAMウエイトシーケンスを行い、当てはまらない時はT/D比ダウンによるトナー無しの発生を判断する。トナー無しの時はトナー無し復帰ウエイトシーケンスを行い、トナー無しでない時はドア開閉ウエイトシーケンスを行う。
【選択図】 図12
【解決手段】画像形成装置が低電力復帰モードでない時でDhalfが必要な時は感光ドラムの前多回転中断を判断する。前多回転中断の時と、前多回転中断でない時で定着ユニット温度が50度C未満の時はDhalf付き50度C未満前多回転シーケンスを行い、定着ユニット温度が50度C未満でない時はDhalf付き100度C未満前多回転シーケンスを行う。Dhalfが不要な時で装置状態がJAM復帰等に当てはまる時はJAMウエイトシーケンスを行い、当てはまらない時はT/D比ダウンによるトナー無しの発生を判断する。トナー無しの時はトナー無し復帰ウエイトシーケンスを行い、トナー無しでない時はドア開閉ウエイトシーケンスを行う。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機・プリンタ・ファクシミリ(FAX)・複合機などの記録材に画像形成を行う画像形成装置において、ドア開閉時などの動作シーケンスに関わる制御を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機・プリンタ・FAXなどの電子写真技術を用いて画像形成を行う画像形成装置では、像露光により感光体上に静電潜像を形成し、静電潜像をトナー(現像剤)で現像した後、記録材(転写シート)に転写し可視像化して定着することで、記録材に画像を形成する。上記トナーとしてイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色を用いカラー画像を形成する電子写真式画像形成装置が一般に普及して久しい。
【0003】
上記カラー画像を形成する電子写真式画像形成装置のうち電子写真プリンタとしては、感光体を1つ備えると共に現像手段を4つ備え、1つの感光体上にトナー像の形成・転写を順に各色分繰り返すことで記録材にカラー画像を形成する「1ドラム方式」と、感光体・露光手段(レーザなど)・現像手段・転写手段を各々4つ備え、各々で形成したトナー像を記録材に順に転写することでカラー画像を形成する「4ドラム方式」とがある。この場合、「4ドラム方式」は記録材に対し1パス上でトナー像を転写することが可能なため、「1ドラム方式」に比べカラー画像形成処理のスループットを高くすることができる。
【0004】
また、上記の電子写真式画像形成装置の現像手段へ供給するトナーの保存に関しても、トナーを保存するトナー容器が画像形成装置内に固定されており且つトナーボトルからトナー容器にトナーを入れる「ホッパ方式」と、トナー容器ごと入れ替える「カートリッジ方式」とが存在する。
【0005】
更に、上記の1ドラム方式及び4ドラム方式ともに、感光体上のトナー像を記録材に直接転写する「直接転写方式」と、感光体から中間転写ベルトなどの中間転写体へトナー像を一旦転写した後、中間転写体上のトナー像を記録材に転写する「間接転写方式」とが従来より実用化されている。一般的に「間接転写方式」を採用した方が記録材の表面形状・水分含有量などの影響を受けにくいため、より安定した画像を得ることができるとされている。
【0006】
しかし、安定した画像を得る場合において、記録材の材質等のばらつきによる画像への影響以外にも、環境変動・耐久劣化による感光体表面の特性・トナー特性・転写特性などの変化によるトナー濃度の変動があり、1ドラム方式・4ドラム方式のどちらの方式にしても、より安定した画像を得るためにはトナー濃度変動を抑える必要がある。特にカラー画像形成時には各色トナーのトナー濃度のばらつきが色味として現れるため、問題となりやすい。
【0007】
上記のトナー濃度の変動を補正する方法として、従来より、濃度最大の濃度パッチを用いてその濃度を計測することで、感光体表面の潜像・現像特性を検知し、潜像・現像条件を調整する「最大濃度補正制御」と、複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチを各色毎に形成しその濃度を計測することで、実画像データを作成する際に各濃度情報に対応したデータを感光体表面の潜像・現像特性検知結果によって補正するためのデータ変換テーブルを作成する「濃度階調補正制御」などが提案されている。
【0008】
上記「最大濃度補正制御」を行うことで、各色毎の濃度再現レンジのばらつきを画像形成部の画像形成条件を変化させることで補正し、更に、上記「濃度階調補正制御」を行うことで、各色毎の各濃度データに対する濃度変化曲線の違いを補正する画像データ補正を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、上記トナーに関する制御としては、画像形成装置を暫く使用しないで電源が切られた状態で放置されていた場合や、トナー容器に新しいトナーが補給された場合や、トナーカートリッジを交換した場合などには、現像装置内のトナーの攪拌を数分間行い、現像装置内のトナーを安定させる技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
更に、画像形成装置の消費電力低減に関する制御としては、画像形成装置に消費電力を抑える低電力モードや節電モードなどを備え、特に低電力モードでは画像形成装置の消費電力を抑えつつ再起動時のウエイトタイムを低減する技術がある(例えば、特許文献3参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−014498号公報
【特許文献2】
特開2000−293068号公報
【特許文献3】
特開2000−330426号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては次のような問題があった。画像形成装置における上記の最大濃度補正制御や濃度階調補正制御、更に現像装置のトナー攪拌制御を始めとする自動制御を、画像形成装置の電源投入時や、画像形成装置に装備されたドア(画像形成装置のカバーの一部でトナーカートリッジ交換などのメンテナンスのために開閉するドア)の開閉により毎回実行するとなると、例えば単にドアの開閉を行っただけでも、再び画像形成動作を始められるようになるまでにかなりの待ち時間が発生するという問題があった。
【0013】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすると共に、画像形成装置の待機時間(ウエイトタイム)を低減することを可能とした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正手段と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の内部構造の一例を示す構成図である。画像形成装置1は、原稿から画像を読み取る画像入力部(リーダ部)200と、記録材に画像を形成する画像出力部(プリンタ部)100とを備えた複写機として構成されている。画像入力部200は、プラテンガラス201、スキャナ202、走査ミラー205、走査ミラー206、レンズ207、イメージセンサ部208から構成されている。画像出力部100は、大別して、画像形成部10(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応した4つのステーションa、b、c、dが並設されておりその構成は同一である)、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、及び制御ユニット(不図示)から構成されている。
【0017】
先ず、画像入力部200の各部の詳細を説明する。プラテンガラス201は、原稿が載置される原稿積載台である。スキャナ204は、原稿を照明する原稿照明用ランプ(不図示)、走査ミラー205等で構成される。画像入力部200において原稿からの画像取り込み処理の開始が指示されると、スキャナ202が所定方向に往復走査されることで、原稿の反射光を走査ミラー204〜206を介してレンズ207を透過させイメージセンサ部208内のCCDセンサに結像する。結像以後の詳細は図3で後述する。尚、画像入力部200の上部には、不図示のADF(自動原稿送り装置)もしくは圧板カバーが装着される。
【0018】
次に、画像出力部100の個々のユニットの詳細を説明する。先ず、画像形成部10の詳細を説明する。画像形成部10は次に述べるような構成になっている。即ち、像担持体としての感光ドラム11a、11b、11c、11dがその中心で軸支され、図示矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に、一次帯電器12a、12b、12c、12d、光学系13a、13b、13c、13d、現像装置14a、14b、14c、14dが配置されている。この場合、それぞれの現像装置14a、14b、14c、14dには、それぞれの現像装置14a、14b、14c、14dに現像剤を供給するための現像剤供給部(いわゆるトナー容器、不図示)が装備されている。
【0019】
画像形成部10で画像形成を行う際は、先ず、一次帯電器12a〜12dにおいて感光ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、光学系13a〜13dにより、記録画像信号に応じて変調した例えばレーザビームなどの光線を感光ドラム11a〜11d上に露光させることによって、感光ドラム11a〜11d上に静電潜像を形成する。更に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックといった4色の現像剤(トナー)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって上記静電潜像を顕像化する。画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdでは、顕像化された可視画像を中間転写ベルト31に転写する。画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの下流側では、記録材に転写されずに感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーをクリーニング装置15a、15b、15c、15dにより掻き落とすことで、感光ドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0020】
次に、給紙ユニット20の詳細を説明する。給紙ユニット20は、自動給紙する記録材Pを収納するカセット21a、21bと、手差し給紙する記録材Pを収納する手差しトレイ27と、カセット21a、21b、手差しトレイ27内の記録材Pをそれぞれ1枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、26と、各ピックアップローラ22a、22b、26から送り出された記録材Pをレジストローラ25a、25bまで搬送するための給紙ローラ対23a〜23c、給紙ガイド24と、画像形成部10の画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25a、25bとから構成される。
【0021】
次に、中間転写ユニット30の詳細を説明する。中間転写ベルト31(その材料として例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)などが用いられる)は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32、ばね(不図示)の付勢によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ33、ベルトを挟んで二次転写領域Teに対向する従動ローラ34に巻回されている。これらの各ローラ32〜34のうち駆動ローラ32とテンションローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32、テンションローラ33、従動ローラ34の外周部を図示矢印B方向へ循環駆動される。
【0022】
駆動ローラ32においては、金属製ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタンまたはクロロプレン)をコーティングすることで中間転写ベルト31とのスリップを防いでいる。駆動ローラ32はパルスモータ(不図示)によって回転駆動される。各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdに対し、中間転写ベルト31の裏に装着された一次転写ブレード35a〜35dが配置されている。また、従動ローラ34に対向して中間転写ベルト31を挟んで二次転写ローラ36が配置されており、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成している。二次転写ローラ36は中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。
【0023】
中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流側には、中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニング装置(不図示)が配置されている。クリーニング装置は、クリーナーブレード(不図示。材質としてはポリウレタンゴムなどが用いられる)及び廃トナーを収納する廃トナーボックス52(不図示)から構成される。また、駆動ローラ32の上方に位置し且つ中間転写ベルト31の表面に対向した状態でトナー像濃度センサ77が配置されている。トナー像濃度センサ77は、画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの各々で中間転写ベルト31に転写されたトナー像(トナーパッチ=濃度パッチ)の濃度を検出するセンサである。
【0024】
次に、制御ユニットを説明する。制御ユニットは、画像形成装置の各ユニット(画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40)内の機構の動作を制御するための制御基板(不図示)や、各種モータを駆動するモータドライブ基板(不図示)等から構成されている。制御基板及びモータドライブ基板の詳細は説明を省略する。
【0025】
次に、定着ユニット40を説明する。定着ユニット40は、二次転写領域Teにおいて画像が転写された記録材Pを加熱及び加圧することで画像を定着させるものであり、記録材Pを加熱する定着ローラを含む定着機構41a、定着機構41aの定着ローラを通過する記録材Pに対し加圧を行う加圧ローラ41b、画像が定着された記録材Pを排紙する内排紙ローラ44等から構成されている。また、定着ユニット40には、定着ユニット40の温度を検出する温度センサ(不図示)が配設されている。
【0026】
また、本画像形成装置は、不図示のカバーに覆われており、現像剤供給部の交換/現像剤の補充や、記録材の詰まり(JAM)の解除を行う際には、カバーの一部であるドアを開いて作業することができるように構成されている。画像形成装置の内部には、カバーの一部(以後単にカバーとも表記)であるドアが開いたか閉じているかを検知するドア開閉検知センサ(不図示、開閉検知手段)が配設されている。ドア開閉検知センサでドアの開状態を検知したときの画像形成装置の状態は、後述のCPU171がRAM175等の記憶手段に記憶しておく。尚、画像形成装置は、低電力モード(電力消費を低減するモード)、低電力復帰モード(低電力モードから通常状態へ復帰させるモード)などの各種モードを有する。
【0027】
次に、画像形成装置の画像形成部10の要部の構造を図10及び図11に基づき説明する。図10は画像形成部10の要部の構造を示す断面図である。11は上記図1に示した感光ドラム(感光ドラム11a、11b、11c、11dを便宜上11で示す)、101は攪拌された現像剤を汲み上げる現像スリーブ、102は現像スリーブ上の現像剤を掻き落とすドクターブレード、103は現像剤の透磁率を検出するインダクタンスセンサ、104は現像剤を攪拌するAスクリュー、105は新しく補給された現像剤を撹拌するBスクリューである。また、図11は画像形成部10の概略的な水平方向断面構造を示す構成図である。110は現像剤供給部から新しい現像剤を補給するための補給口である。
【0028】
画像形成部10において、現像容器内の現像剤がAスクリュー104側へ供給され、Aスクリュー104により撹拌された現像剤は現像スリーブ101に汲み上げられ、現像スリーブ101の下方に配置されたドクターブレード102とカット極(N1極)の磁気カット規制によって現像スリーブ101上に現像剤層が形成される。現像領域通過後の現像剤は現像容器内に戻され、反発極(N2極)が形成する反発磁界によって現像スリーブ101の表面から離れ、Aスクリュー104により撹拌された後に、再び現像スリーブ101に供給される。
【0029】
Bスクリュー105はAスクリュー104を通過後(現像後)の現像剤を受け取り、インダクタンスセンサ103は現像剤の透磁率を検出する。インダクタンスセンサ103で検出された現像剤の透磁率の変化を現像剤の濃度の変化に換算し、この換算値に基づいて適正量の新しい現像剤の補給が行われる。また、Bスクリュー105は新しく補給された現像剤を撹拌すると共に搬送して再びAスクリュー104に供給する役割を果たす。尚、後述のCPU171は、現像剤の状態はインダクタンスセンサ103の検出結果から現像剤の新旧の度合い或いは経時変化を基に判断し、現像剤の残量はインダクタンスセンサ103の検出結果から判断する。
【0030】
次に、インダクタンスセンサ103による現像剤の透磁率の検出と現像剤の補給に関して説明する。先ず、画像形成部10で画像形成を開始すると、インダクタンスセンサ103の検出結果を一定周期でサンプリングし、平均をとる。ここでは、例えば16msec毎に10点サンプリングをするものとする。この平均値をSGNLとする。次に、初期のSGNLの値をSGNLi、インダクタンスセンサ103の感度をrateとして、ΔT/Dを算出する。
【0031】
ΔT/D=(SGNLi−SGNL)÷rate
ΔT/D≦0のとき、現像剤補給有りで、ΔT/D>0のとき、現像剤補給無しと
なる。
【0032】
上記算出されたΔT/Dを基に現像剤補給量を決定し現像剤供給部から現像剤を補給することにより、現像装置内の現像剤濃度を安定化させる。また、現像剤供給部から現像剤を補給した量を積算しておき、予め現像剤供給部に充填してある現像材の総量と上記積算値から現像剤供給部の現像剤の残量を計算し、現像剤供給部の現像剤の残量が無くなると、画像形成動作を中断し、現像剤供給部の現像剤の残量が無くなった旨を後述の操作部などを介して操作者へ通知する。操作者は画像形成装置のドアを開け、現像剤供給部を新しいものに交換し、再び画像形成装置のドアを閉める。
【0033】
また、画像形成部10において、現像装置で消費する現像剤の量が多い、いわゆる高デューティ画像を連続して形成するような場合には、現像剤の実際の補給量が上記現像剤を補給した量の積算値より多くなることがあり、予定より早めに現像剤供給部内の現像剤が無くなったり、反対に現像剤の供給能力を超えてしまい、現像装置内の現像剤濃度が異常に低くなることがある。そのような現像装置内の現像剤濃度が低くなる場合を「T/D比ダウンによるトナー無し」と呼び、そのような場合を上記SGNL値に基づき検出し、やはり画像形成動作を中断し、現像装置内の現像剤濃度が低くなった旨を後述の操作部を介して操作者へ通知する。操作者は画像形成装置のドアを開け、現像剤供給部を取り出し、新しい現像剤供給部に交換し、再び画像形成装置のドアを閉める。その際、操作者が現像剤供給部の質量から現像剤の残量が十分ありそうだと判断すれば、現像剤供給部を交換せずに画像形成装置に装着しなおしてもよい。
【0034】
次に、画像形成装置の制御系の構成を図2に基づき説明する。図2は画像形成装置1の制御系の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像メモリ部3、外部I/F処理部4、画像出力部(プリンタ部)100、画像入力部(リーダ部)200、画像処理部170、CPU171、操作部172、入出力ポート(I/O)173、ROM174、RAM175を備えている。
【0035】
CPU171は、画像形成装置1の基本制御を行う中央処理装置である。CPU171には、ROM174、ワークRAM175、入出力ポート173がアドレスバス、データバスにより接続されている。ROM174は、CPU171が実行する制御プログラムや固定データを格納している。RAM175は、CPU171が各種処理を行う際のワーク領域を提供する。入出力ポート173には、画像形成装置1の各種機構を駆動するモータやクラッチ等の各種負荷(不図示)や、記録材の位置を検知するセンサ等の入力(不図示)が接続されている。CPU171は、ROM174に格納された制御プログラムに従って入出力ポート173を介して順次入出力の制御を行い画像形成動作を実行すると共に、上記制御プログラムに基づき後述のフローチャートに示す処理を実行する。
【0036】
また、CPU171には、操作部172が接続されており、CPU171は、操作部172の表示パネル(図6参照)に対する表示制御を行い、操作部172の各種キー入力に基づく制御を行う。操作者は操作部172の各種キーを介して画像形成動作モードや表示の切り替えをCPU171に指示し、CPU171は操作部172の表示パネルに画像形成装置1の状態やキー入力による動作モード設定の表示を行う。更に、CPU171には、画像入力部200のイメージセンサ部208のCCDセンサで電気信号に変換された信号を処理する画像処理部170と、画像処理部170で処理された画像を蓄積する画像メモリ部3が接続されている。外部I/F処理部4は、画像形成装置1と外部コンピュータ等との間のインターフェースを司る。
【0037】
次に、画像処理部170の詳細構成を図3に基づき説明する。図3は画像処理部170を中心とした構成を示すブロック図である。画像処理部170は、CCDセンサ181、A/D変換・SH部182、log変換部183、変倍処理部184、γ補正部185、2値化部186を備えている。また、画像出力部(プリンタ部)100は、スムージング部111、露光制御部112を備えている。
【0038】
原稿画像は画像入力部(リーダ部)200のレンズ207を介しイメージセンサ部208に光学像として結像されBlackの輝度データとして入力される。イメージセンサ部208のCCDセンサ181は、光学像をアナログ電気信号に光電変換する。アナログ電気信号に変換された画像情報は、アナログ信号処理部(不図示)に入力され、サンプル及びホールド、ダークレベルの補正等が行われた後、A/D変換・SH部182に出力される。A/D変換・SH部182は、アナログ信号をデジタル信号にアナログ/デジタル変換(A/D変換)し、デジタル信号をシェーディング補正(原稿を読み取るCCDセンサ181のばらつき及び原稿照明用ランプの配光特性の補正)した後、log変換部183に出力する。
【0039】
log変換部183は、入力された輝度データ(デジタル信号)を濃度データに変換するためのLUT(ルックアップテーブル)を格納しており、入力された輝度データに対応するテーブル値を出力することによって、輝度データを濃度データに変換する。その後、変倍処理部184により所望の倍率に画像を変倍し、変倍処理したデータをγ補正部185に出力する。γ補正部185は、濃度データを出力する際に画像形成部10の特性を考慮したLUTによる変換を行い、操作部172で設定された濃度値に応じた出力の調整を行った後、出力調整したデータを2値化部186へ出力する。2値化部186は、多値の濃度データを2値化することで、濃度値を「0」あるいは「255」とする。
【0040】
8bitの画像データは2値化され「0」または「1」の1bitの画像データに変換されることで、画像メモリ部3に格納する画像データ量は小さくなる。しかし、画像データを2値化すると画像データの階調数は256階調から2階調になるため、写真画像データのような中間調の多い画像データは2値化すると一般に画像の劣化が著しい。そこで、2値データによる擬似的な中間調表現をする必要がある。ここでは、2値データで擬似的に中間調表現を行う手法として誤差拡散法を用いる。
【0041】
この誤差拡散法は、ある画像の濃度がある閾値より大きい場合は「255」の濃度データであるとし、ある閾値以下である場合は「0」の濃度データであるとして2値化した後、実際の濃度データと2値化されたデータの差分を誤差信号として回りの画素に配分する方法である。画素の配分は、予め用意されているマトリクス状の重み係数を2値化によって生じる誤差に対して掛け合わせ、回りの画素に加算することによって行う。これによって、画像全体での濃度平均値が保存され、中間調を擬似的に2値で表現することができる。
【0042】
上記2値化部186で2値化された画像データは、画像メモリ部3へ送られ画像蓄積される。また、外部I/F処理部4から入力される外部コンピュータからの画像データは、外部I/F処理部4で2値の画像データとして処理されているため、そのまま画像メモリ部3に送られる。画像メモリ部3は、後述する高速のページメモリと複数のページ画像データを蓄積可能な大容量のメモリ(ハードディスク)を有している。ハードディスクに格納された複数の画像データは、画像形成装置1の操作部172で指定された編集モードに応じた順序で出力される。
【0043】
例えば、画像形成された記録材を仕分け排出するソートの場合、ADF(不図示、自動原稿送り装置)により原稿積載部の原稿束から1枚ずつ原稿を給送し画像入力部200で読み取った画像を順に画像出力部100により画像形成を行い出力する。即ち、画像メモリ部3のハードディスクから該ハードディスクに一旦格納された原稿の画像データを読み出し、これを複数回繰り返して画像出力部100により画像形成を行い出力する。これにより、画像形成装置に記録材排出用のトレイが1つしか装備されていない場合でも、複数のビンを備えたソータ(記録材仕分け用の後処理装置)と同じ役割を果たすことができる。
【0044】
画像メモリ部3から出力された画像データは、画像出力部100が備えるスムージング部111に送られる。スムージング部111は、上記2値化部186で2値化された画像の線端部が滑らかになるようにデータの補間処理を行い、補間処理した画像データを露光制御部112へ出力する。露光制御部112は、上述したような、画像形成部10の光学系13a〜13dによりレーザ光を感光ドラム11a〜11d上に露光させる等の制御を行うことにより記録材に画像を形成する。
【0045】
次に、画像メモリ部3の詳細構成を図4に基づき説明する。図4は画像メモリ部3を中心とした構成を示すブロック図である。画像メモリ部3は、ページメモリ部301、メモリコントローラ部302、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮部303、ハードディスク304を備えている。
【0046】
画像メモリ部3では、DRAM等のメモリで構成されるページメモリ部301に、メモリコントローラ部302を介して外部I/F処理部4、画像処理部170から入力される2値画像の書き込み、画像出力部100への画像の読み出し、大容量の記憶装置であるハードディスク304への画像の入出力のアクセスを行う。メモリコントローラ部302は、ページメモリ部301のDRAMリフレッシュ信号の発生を行い、また、画像I/F処理部4、画像処理部170、ハードディスク304からのページメモリ部301へのアクセスの調停を行う。
【0047】
更に、メモリコントローラ部302は、CPU171の指示に従い、ページメモリ部301への書き込みアドレス、ページメモリ部301からの読み出しアドレス、読み出し方向などの制御を行う。これにより、CPU171はページメモリ部301に複数の原稿画像を並べてレイアウトを行い、画像出力部100に出力する機能や、画像の一部分のみ切り出して出力する機能や、画像を回転させる画像回転機能を制御する。JPEG圧縮部303は、画像データに対しJPEG方式による圧縮を行う。
【0048】
次に、外部I/F処理部4の詳細を図5に基づき説明する。図5は外部I/F処理部4を中心とした構成を示すブロック図である。外部I/F処理部4は、ファクシミリ部401、ハードディスク402、コンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404、イメージメモリ部405、コア部406を備えている。図中900は電話回線等の公衆回線、1000はパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の外部コンピュータである。
【0049】
外部I/F処理部4は、上述したように、画像メモリ部3を介して、画像入力部(リーダ部)200から出力される2値画像データを外部I/F処理部4に取り込み、また、画像メモリ部3を介して、外部I/F処理部4からの2値画像データを画像出力部(プリンタ部)100へ出力することで画像出力部100により画像形成を行う。
【0050】
ファクシミリ部401は、モデム(不図示)を介して公衆回線(電話回線)900と接続しており、公衆回線900からのファクシミリ通信データの受信と、公衆回線900へのファクシミリ通信データの送信を行う。ファクシミリ部401は、ファクシミリ機能である、指定された時間にファクシミリ送信を行ったり、相手から指定パスワードの問い合わせで画像データを送信するなど、ハードディスク402にファクシミリ用の画像を保存することで処理を行う。これにより、一度、画像入力部200から画像メモリ部3を介して、ファクシミリ部401とファクシミリ用のハードディスク402へ画像を転送した後は、画像入力部200、画像メモリ部3をファクシミリ機能に使うことなしに、ファクシミリ送信を行うことができる。ハードディスク402は、ファクシミリ部401の通信画像データを保存する。
【0051】
コンピュータインターフェース部403は、外部コンピュータ1000と接続し、外部コンピュータ1000との間でデータ通信を行うものであり、ローカルエリアネットワーク(LAN)、シリアルインターフェース、SCSI(Small Computer System Interface)インターフェース、画像出力部100のデータ入力用のセントロニクスインターフェースなどを有する。コンピュータインターフェース部403は、上記インターフェースを介して、画像出力部100及び画像入力部200の状態を外部コンピュータ1000に通知したり、外部コンピュータ1000の指示に基づき画像入力部200で読み取った画像データを外部コンピュータ1000へ転送したりする処理を行う。また、コンピュータインターフェース部403は、外部コンピュータ1000から画像出力部100で画像形成するためのプリント画像データを受け取ったりする処理を行う。
【0052】
フォーマッタ部404は、次のようなデータ処理を行う。即ち、フォーマッタ部404は、外部コンピュータ1000からコンピュータインターフェース部403を介して通知されるプリントデータが専用のプリンタコードで記述されているため、そのプリンタコードを画像メモリ部3を介して画像出力部100で画像形成を行うためのラスタイメージデータに変換する。また、フォーマッタ部404は、イメージメモリ部405にラスタイメージデータの展開を行う。
【0053】
イメージメモリ部405は、上記のようにフォーマッタ部404がラスタイメージデータを展開するメモリとして使用される。また、イメージメモリ部405は、画像入力部200の画像をコンピュータインターフェース部403を介して外部コンピュータ1000に送る(画像スキャナ機能)場合に、画像メモリ部3から送られる画像データをイメージメモリ部405に一度展開し、外部コンピュータ1000に送るデータの形式に変換してコンピュータインターフェース部403からデータを送出するような場合においても使用される。
【0054】
コア部406は、ファクシミリ部401、コンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404、イメージメモリ部405、画像メモリ部3の間におけるそれぞれのデータ転送を制御し管理する。これにより、外部I/F処理部4に複数の画像出力部が接続されている場合でも、画像メモリ部3に対する画像転送路が一つの場合でも、コア部406の管理のもとで排他制御及び優先度制御を行うことで、画像データ出力を行うことができる。
【0055】
次に、画像形成装置の操作部172の詳細構成を図6に基づき説明する。図6は操作部172の構成を示す図である。パワーランプ621は、画像形成装置の電源が入っていることを示すランプである。パワーランプ621は、パワースイッチ613による画像形成装置の電源のON/OFFの切り替えに合わせ、点灯/消灯される。テンキー622は、画像形成枚数の設定やモードの設定の数値入力に使用するキーである。クリアーキー623は、テンキー622で入力した設定のクリアを行うキーである。リセットキー616は、設定された画像形成枚数や動作モードや選択給紙段等のモードを既定値に戻すためのキーである。
【0056】
スタートキー614は、その押下により画像形成動作を開始するためのキーである。スタートキー614の中央には画像形成動作が開始可能か否かを示す赤色のLEDと緑色のLED(不図示)が配設されており、画像形成動作が開始できない場合は赤色のLEDが点灯し、画像形成動作が開始可能な場合は緑色のLEDが点灯する。ストップキー615は、複写動作の停止を行うために使用するキーである。ガイドキー617は、このキーを押下した後に他のキーを押下すると、その押下したキーにより設定できる機能の説明を表示パネルに表示させるためのキーである。このガイド表示を解除する場合は、再度、ガイドキー617を押下することで行う。
【0057】
ユーザ設定キー618は、その押下により画像形成装置の設定を操作者が変更可能とするためのキーである。操作者が変更可能な設定とは、設定内容を自動的にクリアするまでの時間やタイマの設定に関連したものや専用給排紙トレイの装着に関する設定などの画像形成動作(プリント動作)・複写動作(コピー動作)共通の設定、もしくは各ファンクションキー固有の機能全般に対する設定などである。割り込みキー619は、画像形成動作中にこのキーを押下すると、画像形成動作を中止して複写動作を行うことを可能とするキーである。
【0058】
表示パネル620は、液晶等で構成されており、詳細なモード設定を容易にするべく、操作者が設定したモードに応じて表示内容が変わるように構成されている。また、表示パネル620の表面はタッチセンサになっている。図示例では複写動作モードの設定画面を示している。また、図示例では表示パネル620内にキー624〜キー632が表示されており、操作者が該当キーの表示の位置を触れることで、CPU171はキーの押下を判断して該当するモードを設定する制御を行う。記録材を給紙する給紙段の選択キー627は、その押下により、カセット21a、カセット21b、手差しトレイ27のいずれから記録材の給紙を行うかを設定する表示を表示パネル620に行うためのキーである。縮小キー628、等倍キー629、拡大キー630、ズームキー631は、複写動作の複写倍率を設定するためのキーである。
【0059】
応用モードの設定キー626は、その押下により、記録材に画像を縮小した状態でレイアウトする縮小レイアウトモード、画像形成を行う記録材に表紙等を付加する表紙・合紙モード等の応用機能モードを設定する画面を表示パネル620に表示させるためのキーである。両面動作の設定キー624は、例えば、片面に画像がある片面原稿から記録材の両面に画像形成する両面出力を行う「片−両モード」、両面に画像がある両面原稿から両面出力を行う「両−両モード」、両面原稿から2枚の記録材の片面に画像形成する片面出力を行う「両−片モード」の3種類の両面モードの設定を行うためのキーである。ソートキー625は、その押下により、画像形成装置に付設されるソータ等の後処理装置(不図示)の動作モードの設定や、画像メモリ部3を用いての画像形成済み記録材の仕分けモードの設定を行うためのキーである。
【0060】
表示パネル620内のキーの表示は通常の表示の他に、表示のキーのモードが設定できない場合は表示の線を点線(網掛け)にすることで、そのキーが操作できないことを示すようになっている。また、図示例では、表示パネル620内の上段部分に複写動作に関し設定された内容の表示や現在の動作状態の表示がなされている。表示パネル620内の応用モードキー626の横には、操作者により変更可能なキー(不図示)があり、応用モードの設定画面で設定できる機能のキーを最大2つまで登録可能である。応用モードの設定画面で設定できる機能のキーを表示することで、登録したモードの設定をより容易に行えるようにすることができる。
【0061】
プルーフプリントモードキー632は、ソートキー625により仕分けモード設定されている場合で1枚の原稿画像を複数部画像形成して出力するときに、1部の画像形成出力が終了したときに一旦画像形成動作を停止し、操作者にプリントの仕上がり状態を確認させ、操作者がOKを指示したならば画像形成動作の継続、操作者がNGを指示したならば画像形成動作の中止を選択できるプルーフプリントモードの設定を行うためのキーである。
【0062】
コピー機能キー604〜LED表示612は、画像形成装置を用いた複写動作やシステム動作(画像形成装置に後処理装置を付設した画像形成システムにおける複写動作及び後処理動作)の各機能の設定を行うために、表示パネル620の表示を切り替えるためのキー及びLED表示である。コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610は、それぞれ、コピー機能、ボックス機能、拡張機能を切り替えるためのキーである。
【0063】
コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610は半透明のキーボタンで構成されており、キー内部にはLED等の表示ランプ(不図示)が配設されている。コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610を押下することで、表示パネル620に表示する操作機能画面を選択すると、各キー内部の表示ランプが点灯する。各キー内部の表示ランプは、選択されている操作機能画面に対応したキーの内部にある表示ランプのみ点灯するように制御され、その他のキーの内部の表示ランプは消灯するように制御される。
【0064】
また、コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610のそれぞれ右側には、緑色のLEDが配置されている(606、609、612)。各LED606、609、612は、各機能の動作状況をその点灯制御で表すためのものである。例えば、コピーのLED606は、コピー機能がスタンバイ状態の場合に消灯制御され、図示例のようにコピー機能が動作状態の場合に点滅制御され、画像メモリ部3のハードディスク304に原稿の読み取り画像が保存され且つコピー機能による画像形成動作が行われていない場合に点灯制御される。
【0065】
また、コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610のそれぞれの左側には、赤色のLEDが配置されている(605、608、611)。各LED605、608、611は、各機能の異常状況が発生したことをその点灯制御で表すためのものである。例えば、コピー機能のLED605は、記録材が無いためにコピー動作が中断した場合やJAM等の異常が発生した場合に点滅制御される。この時、コピー機能キー604を押下し操作部172の表示をコピーに切り替える指示を行うことで、表示パネル620にコピーの状況が表示され、異常状況の詳細を確認することができる。これらの機能切り替えキー(コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610)は、各機能の動作状況によらずいつでも押下可能であり、表示を切り替えることが可能である。
【0066】
次に、画像形成装置の画像濃度補正制御について説明する。本発明における画像濃度補正制御は、最大濃度補正制御であるVcont制御と画像濃度階調補正制御であるγLUT制御の2つから構成される。Vcontとは、最低濃度である「00h(0)」で記録材に画像形成を行い出力した場合のVd特性と、最大濃度である「FFh(255)」で記録材に画像形成を行い出力した場合のVl特性と、現像装置14a、14b、14c、14dに印加する現像バイアス特性Vdcとから決まる電位のことを言う。尚、hの付いたものは16進数表記、( )内は10進数表記とする。
【0067】
先ず、最大濃度補正制御におけるVcont、Vback、Vd、Vl、Vdcの関係を図7に基づき説明する。図7は最大濃度補正制御におけるVcont、Vback、Vd、Vl、Vdcの関係を示す特性図である。横軸は感光ドラム帯電バイアスに対応し、縦軸は感光ドラム表面電位に対応する。
【0068】
続いて、Vcontの計算方法について図8に基づき説明する。図8は最大濃度補正制御の原理を示す図である。横軸は上記図7に示したVcont+Vbackに対応し、縦軸は最大濃度Dmaxに対応する。
【0069】
図示のように、最大濃度Dmaxと(Vcont+Vback)は比例すると考える。このため、現在の環境におけるVcontをVcontEnvとし、最大濃度の設定目標値を例えば1.8、中間転写ベルト31に転写されたトナー像の濃度を検出するトナー像濃度センサ77の出力データ「FFh」に対応した濃度検出データをODffとすると、新しい環境でのVcontであるVcontNewは、
VcontNew=(VcontEnv+Vback)×1.8/ODff−Vback
と計算することができる。
【0070】
以上の計算処理を各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対して行い、以後のVcontにはVcontNewを用いて高圧出力を行い画像形成する。即ち、算出された各色のVcontに基づいて、一次帯電器12a、12b、12c、12dに電圧を印加する高圧トランスの出力を制御(感光ドラム11a、11b、11c、11dの表面電位を制御)し、現像装置14a、14b、14c、14dに印加する現像バイアスを制御する。
【0071】
次に、画像濃度階調補正制御であるγLUT補正の原理を図9に基づき説明する。図9は画像濃度階調補正制御であるγLUT補正の原理を示す図である。横軸はトナー像濃度センサ77の出力信号値に対応し、縦軸は記録材に画像形成出力したい濃度値に対応する。
【0072】
図示のように、トナー像濃度センサ77によって検出された、中間転写ベルト30上に転写されたトナーパッチ(濃度パッチ)の濃度データが点線で示されている。記録材に画像形成出力したい濃度値に対しトナー像濃度センサ77の出力信号値は、図示の原点0と(濃度OD「255(FFh)」、Signal「255(FFh)」)を結ぶ直線になるのが理想である(理想直線)。例えば、濃度「80h」で記録材に画像形成出力したければ、「80h」の信号値をトナー像濃度センサ77から出力すればよいわけである。
【0073】
ところが実際には、トナー像濃度センサ77で検出した画像形成特性濃度は、例えば図示点線で示すようにリニアな特性を示さないことになる。この状態を補正し、トナー像濃度センサ77の出力信号値に対し所望の濃度を画像形成出力画像として得るためには、低濃度領域においてはγLUTの値が大きくなるように出力し、高濃度領域においてはγLUTの値が小さくなるように出力する必要がある。また、このγLUTの曲線は、図示のようにトナー像濃度センサ77で検出した濃度データの曲線が上記の理想直線に関して対称になるように作成される。
【0074】
次に、上記の如く構成された画像形成装置における特徴的な動作を図12及び図13のフローチャートに基づき説明する。図12及び図13は画像形成装置において画像形成を行う前の準備動作(感光ドラムの前多回転(初期化回転))に関わる処理を示すフローチャートである。本フローチャートに示す処理は画像形成装置のCPU171がROM174に格納された制御プログラムに基づき実行する。
【0075】
先ず、画像形成装置のCPU171は画像形成装置が低電力復帰モード(電力消費を低減する低電力モードから通常状態へ復帰させるモード)かどうかを判断する(ステップS1201)。ステップS1201で低電力復帰モードであると判断した場合は、低電力復帰シーケンス(画像形成装置を例えば30secで立ち上げるシーケンス)を実行する(ステップS1202)。ステップS1201で低電力復帰モードではないと判断した場合は、Dhalf(画像濃度階調補正制御であるγLUT補正)が必要かどうかを判断する(ステップS1203)。ステップS1203でDhalfが必要と判断した場合は、感光ドラム11a、11b、11c、11dの前多回転(初期化回転)が中断されたかどうかを判断する(ステップS1209)。
【0076】
ステップS1209で前多回転中断と判断した場合は、上記Dhalfを併せて行う50度C未満前多回転シーケンス(定着ユニット40の温度が50度C未満の状態で感光ドラム11a、11b、11c、11dを前多回転させるシーケンス)を実行する(ステップS1210)。ステップS1209で前多回転中断ではないと判断した場合は、定着ユニット40の温度を検出する温度センサ(不図示)の検出出力に基づき、定着ユニット40の温度が50度C未満かどうかを判断する(ステップS1211)。
【0077】
ステップS1211で定着ユニット40の温度が50度C未満と判断した場合は、上記ステップS1210のシーケンスを実行する。ステップS1211で定着ユニット40の温度が50度C未満ではないと判断した場合は、上記Dhalfを併せて行う100度C未満前多回転シーケンス(定着ユニット40の温度が100度C未満の状態で感光ドラム11a、11b、11c、11dを前多回転させるシーケンス)を実行する(ステップS1212)。
【0078】
他方、ステップS1203で上記Dhalfが不要と判断した場合は、画像形成装置の現在の状態が、画像形成装置内の記録材の詰まりを解消したJAM復帰状態、低電力モード中に画像形成装置のドアの開閉があった状態、画像形成装置を待機状態とするウエイト動作が中断された状態のうち何れかの状態に当てはまるかどうかを判断する(ステップS1204)。ステップS1204で上記何れかの状態に当てはまると判断した場合は、JAMウエイトシーケンスを実行する(ステップS1208)。ステップS1204で上記何れの状態にも当てはまらないと判断した場合は、T/D比ダウンによるトナー無し(現像装置内のトナー濃度が低くなった状態)が発生しているかどうかを判断する(ステップS1205)。
【0079】
ステップS1205でT/D比ダウンによるトナー無しが発生していると判断した場合は、トナー無し復帰ウエイトシーケンスを実行する(ステップS1206)。ステップS1205でT/D比ダウンによるトナー無しが発生していないと判断した場合は、ドア開閉ウエイトシーケンスを実行する(ステップS1207)。上記ステップS1206〜ステップS1208の各ウエイトシーケンスは、基本的には定着ユニット40が定着動作可能な温度に加熱されるまで待機するという点に共通性を有するシーケンスであり、個々のシーケンスの細部は異なるが、詳細は説明を省略する。
【0080】
即ち、本画像形成装置では、画像形成を行う前の準備動作において、上記フローチャートに示したように、画像濃度階調補正制御であるγLUT補正が必要な場合は、感光ドラム11a、11b、11c、11dの前多回転中断の有無に応じてγLUT補正付きの前多回転シーケンスを実行し、画像濃度階調補正制御であるγLUT補正が不要な場合は、JAM復帰、低電力中のドア開閉、T/D比ダウンによるトナー無しの有無に応じて各ウエイトシーケンスを実行するものである。
【0081】
尚、本実施の形態では説明しなかったが、記録材に転写される画像の位置や傾き、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のずれなどを補正するための画像位置補正動作シーケンスを上記フローチャートに示した処理に盛り込んでもよい。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすると共に、従来のような、濃度階調補正制御等の制御を画像形成装置の電源投入時やドアの開閉により毎回実行するために画像形成動作が再開可能となるまでにかなりの待ち時間が発生するといった不具合を解消し、画像形成装置の待機時間(ウエイトタイム)を低減することが可能となる。
【0083】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、画像形成装置の感光ドラムを4ドラム方式とした場合を例に挙げたが、本発明は4ドラム方式に限定されるものではなく、1ドラム方式に適用することも可能である。
【0084】
上記実施の形態では、画像形成装置の転写方式を間接転写方式とした場合を例に挙げたが、本発明は間接転写方式に限定されるものではなく、直接転写方式に適用することも可能である。
【0085】
上記実施の形態では、画像形成装置を複写機とした場合を例に挙げたが、本発明は複写機に限定されるものではなく、プリンタ、ファクシミリ、複合機に適用することも可能である。
【0086】
また、本発明の目的は、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0087】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0088】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVDRAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0089】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0090】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0091】
[実施態様の例]
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0092】
「実施態様1」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正手段と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段とを有し、
更に、前記濃度階調の補正が必要か否かを判断する第1の判断手段と、装置の初期設定動作を開始する開始手段と、前記初期設定動作を開始するときの装置の状態を判断する第2の判断手段と、装置のカバーの開閉を検知する開閉検知手段と、前記カバーの開状態を検知したときの装置の状態を記憶する記憶手段とを有し、前記決定手段は、前記第1の判断手段の判断結果、前記第2の判断手段の判断結果、前記開始手段の動作状態、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、前記初期設定動作の内容を決定することを特徴とする画像形成装置。
【0093】
「実施態様2」
前記初期設定動作とは、前記感光体の初期化回転を含むことを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0094】
「実施態様3」
前記感光体を4つ備え、前記現像手段はイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の可視像を形成することを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0095】
「実施態様4」
前記感光体上の可視像を記録材に直接転写する直接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0096】
「実施態様5」
前記感光体上の可視像を中間転写体へ転写した後に前記中間転写体上の可視像を記録材に転写する間接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0097】
「実施態様6」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0098】
「実施態様7」
前記現像手段へ供給する現像剤の状態を判断する第1の判断手段と、装置の初期設定動作を開始する開始手段と、前記初期設定動作を開始するときの装置の状態を判断する第2の判断手段と、装置のカバーの開閉を検知する開閉検知手段と、前記カバーの開状態を検知したときの装置の状態を記憶する記憶手段とを有し、前記決定手段は、前記第1の判断手段の判断結果、前記第2の判断手段の判断結果、前記開始手段の動作状態、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、前記初期設定動作の内容を決定することを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0099】
「実施態様8」
前記初期設定動作とは、前記感光体の初期化回転を含むことを特徴とする実施態様6又は7記載の画像形成装置。
【0100】
「実施態様9」
前記感光体を4つ備え、前記現像手段はイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の可視像を形成することを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0101】
「実施態様10」
前記感光体上の可視像を記録材に直接転写する直接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0102】
「実施態様11」
前記感光体上の可視像を中間転写体へ転写した後に前記中間転写体上の可視像を記録材に転写する間接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0103】
「実施態様12」
前記第1の判断手段は、前記現像剤の状態を現像剤の新旧の度合い或いは経時変化を基に判断することを特徴とする実施態様7記載の画像形成装置。
【0104】
「実施態様13」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0105】
「実施態様14」
前記現像手段へ供給する現像剤の残量を判断する第1の判断手段と、装置の初期設定動作を開始する開始手段と、前記初期設定動作を開始するときの装置の状態を判断する第2の判断手段と、装置のカバーの開閉を検知する開閉検知手段と、前記カバーの開状態を検知したときの装置の状態を記憶する記憶手段とを有し、前記決定手段は、前記第1の判断手段の判断結果、前記第2の判断手段の判断結果、前記開始手段の動作状態、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、前記初期設定動作の内容を決定することを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0106】
「実施態様15」
前記初期設定動作とは、前記感光体の初期化回転を含むことを特徴とする実施態様13又は14記載の画像形成装置。
【0107】
「実施態様16」
前記感光体を4つ備え、前記現像手段はイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の可視像を形成することを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0108】
「実施態様17」
前記感光体上の可視像を記録材に直接転写する直接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0109】
「実施態様18」
前記感光体上の可視像を中間転写体へ転写した後に前記中間転写体上の可視像を記録材に転写する間接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0110】
「実施態様19」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法において、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測工程と、前記濃度計測工程により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正工程と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定工程とを有することを特徴とする制御方法。
【0111】
「実施態様20」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法において、
前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定工程を有することを特徴とする制御方法。
【0112】
「実施態様21」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法において、
前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定工程を有することを特徴とする制御方法。
【0113】
「実施態様22」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置に適用されるプログラムにおいて、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する機能と、複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する機能と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0114】
「実施態様23」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置に適用されるプログラムにおいて、
前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0115】
「実施態様24」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置に適用されるプログラムにおいて、
前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0116】
「実施態様25」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータにより読み出し可能な記憶媒体において、
前記制御方法は、前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測するステップと、複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正するステップと、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定するステップとを有することを特徴とする記憶媒体。
【0117】
「実施態様26」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータにより読み出し可能な記憶媒体において、
前記制御方法は、前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定するステップを有することを特徴とする記憶媒体。
【0118】
「実施態様27」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータにより読み出し可能な記憶媒体において、
前記制御方法は、前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定するステップを有することを特徴とする記憶媒体。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすることができると共に、従来のような、濃度階調補正制御等の制御を画像形成装置の電源投入時やドアの開閉により毎回実行するために画像形成動作が再開可能となるまでにかなりの待ち時間が発生するといった不具合を解消し、画像形成装置の待機時間(ウエイトタイム)を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示す構成図である。
【図2】画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の画像処理部を中心とした構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置の画像メモリ部を中心とした構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置の外部I/F処理部を中心とした構成を示すブロック図である。
【図6】画像形成装置の操作部の構成を示す図である。
【図7】最大濃度補正制御におけるVcont、Vback、Vd、Vl、Vdcの関係を示す特性図である。
【図8】最大濃度補正制御の原理を示す図である。
【図9】画像濃度階調補正制御であるγLUT補正の原理を示す図である。
【図10】画像形成部の要部の構造を示す断面図である。
【図11】現像装置のAスクリュー及びBスクリューの概略的な水平方向断面構造を示す構成図である。
【図12】画像形成装置の準備動作に関わる処理を示すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
11a、11b、11c、11d 感光ドラム(感光体)
12a、12b、12c、12d 一次帯電器
13a、13b、13c、13d 光学系(露光手段)
14a、14b、14c、14d 現像装置(現像手段)
31 中間転写ベルト
77 トナー像濃度センサ(濃度計測手段)
170 画像処理部(濃度階調補正手段)
171 CPU(第1の判断手段、第2の判断手段、開始手段、決定手段)
175 RAM(記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機・プリンタ・ファクシミリ(FAX)・複合機などの記録材に画像形成を行う画像形成装置において、ドア開閉時などの動作シーケンスに関わる制御を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機・プリンタ・FAXなどの電子写真技術を用いて画像形成を行う画像形成装置では、像露光により感光体上に静電潜像を形成し、静電潜像をトナー(現像剤)で現像した後、記録材(転写シート)に転写し可視像化して定着することで、記録材に画像を形成する。上記トナーとしてイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色を用いカラー画像を形成する電子写真式画像形成装置が一般に普及して久しい。
【0003】
上記カラー画像を形成する電子写真式画像形成装置のうち電子写真プリンタとしては、感光体を1つ備えると共に現像手段を4つ備え、1つの感光体上にトナー像の形成・転写を順に各色分繰り返すことで記録材にカラー画像を形成する「1ドラム方式」と、感光体・露光手段(レーザなど)・現像手段・転写手段を各々4つ備え、各々で形成したトナー像を記録材に順に転写することでカラー画像を形成する「4ドラム方式」とがある。この場合、「4ドラム方式」は記録材に対し1パス上でトナー像を転写することが可能なため、「1ドラム方式」に比べカラー画像形成処理のスループットを高くすることができる。
【0004】
また、上記の電子写真式画像形成装置の現像手段へ供給するトナーの保存に関しても、トナーを保存するトナー容器が画像形成装置内に固定されており且つトナーボトルからトナー容器にトナーを入れる「ホッパ方式」と、トナー容器ごと入れ替える「カートリッジ方式」とが存在する。
【0005】
更に、上記の1ドラム方式及び4ドラム方式ともに、感光体上のトナー像を記録材に直接転写する「直接転写方式」と、感光体から中間転写ベルトなどの中間転写体へトナー像を一旦転写した後、中間転写体上のトナー像を記録材に転写する「間接転写方式」とが従来より実用化されている。一般的に「間接転写方式」を採用した方が記録材の表面形状・水分含有量などの影響を受けにくいため、より安定した画像を得ることができるとされている。
【0006】
しかし、安定した画像を得る場合において、記録材の材質等のばらつきによる画像への影響以外にも、環境変動・耐久劣化による感光体表面の特性・トナー特性・転写特性などの変化によるトナー濃度の変動があり、1ドラム方式・4ドラム方式のどちらの方式にしても、より安定した画像を得るためにはトナー濃度変動を抑える必要がある。特にカラー画像形成時には各色トナーのトナー濃度のばらつきが色味として現れるため、問題となりやすい。
【0007】
上記のトナー濃度の変動を補正する方法として、従来より、濃度最大の濃度パッチを用いてその濃度を計測することで、感光体表面の潜像・現像特性を検知し、潜像・現像条件を調整する「最大濃度補正制御」と、複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチを各色毎に形成しその濃度を計測することで、実画像データを作成する際に各濃度情報に対応したデータを感光体表面の潜像・現像特性検知結果によって補正するためのデータ変換テーブルを作成する「濃度階調補正制御」などが提案されている。
【0008】
上記「最大濃度補正制御」を行うことで、各色毎の濃度再現レンジのばらつきを画像形成部の画像形成条件を変化させることで補正し、更に、上記「濃度階調補正制御」を行うことで、各色毎の各濃度データに対する濃度変化曲線の違いを補正する画像データ補正を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、上記トナーに関する制御としては、画像形成装置を暫く使用しないで電源が切られた状態で放置されていた場合や、トナー容器に新しいトナーが補給された場合や、トナーカートリッジを交換した場合などには、現像装置内のトナーの攪拌を数分間行い、現像装置内のトナーを安定させる技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
更に、画像形成装置の消費電力低減に関する制御としては、画像形成装置に消費電力を抑える低電力モードや節電モードなどを備え、特に低電力モードでは画像形成装置の消費電力を抑えつつ再起動時のウエイトタイムを低減する技術がある(例えば、特許文献3参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−014498号公報
【特許文献2】
特開2000−293068号公報
【特許文献3】
特開2000−330426号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては次のような問題があった。画像形成装置における上記の最大濃度補正制御や濃度階調補正制御、更に現像装置のトナー攪拌制御を始めとする自動制御を、画像形成装置の電源投入時や、画像形成装置に装備されたドア(画像形成装置のカバーの一部でトナーカートリッジ交換などのメンテナンスのために開閉するドア)の開閉により毎回実行するとなると、例えば単にドアの開閉を行っただけでも、再び画像形成動作を始められるようになるまでにかなりの待ち時間が発生するという問題があった。
【0013】
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすると共に、画像形成装置の待機時間(ウエイトタイム)を低減することを可能とした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正手段と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の内部構造の一例を示す構成図である。画像形成装置1は、原稿から画像を読み取る画像入力部(リーダ部)200と、記録材に画像を形成する画像出力部(プリンタ部)100とを備えた複写機として構成されている。画像入力部200は、プラテンガラス201、スキャナ202、走査ミラー205、走査ミラー206、レンズ207、イメージセンサ部208から構成されている。画像出力部100は、大別して、画像形成部10(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応した4つのステーションa、b、c、dが並設されておりその構成は同一である)、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、及び制御ユニット(不図示)から構成されている。
【0017】
先ず、画像入力部200の各部の詳細を説明する。プラテンガラス201は、原稿が載置される原稿積載台である。スキャナ204は、原稿を照明する原稿照明用ランプ(不図示)、走査ミラー205等で構成される。画像入力部200において原稿からの画像取り込み処理の開始が指示されると、スキャナ202が所定方向に往復走査されることで、原稿の反射光を走査ミラー204〜206を介してレンズ207を透過させイメージセンサ部208内のCCDセンサに結像する。結像以後の詳細は図3で後述する。尚、画像入力部200の上部には、不図示のADF(自動原稿送り装置)もしくは圧板カバーが装着される。
【0018】
次に、画像出力部100の個々のユニットの詳細を説明する。先ず、画像形成部10の詳細を説明する。画像形成部10は次に述べるような構成になっている。即ち、像担持体としての感光ドラム11a、11b、11c、11dがその中心で軸支され、図示矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に、一次帯電器12a、12b、12c、12d、光学系13a、13b、13c、13d、現像装置14a、14b、14c、14dが配置されている。この場合、それぞれの現像装置14a、14b、14c、14dには、それぞれの現像装置14a、14b、14c、14dに現像剤を供給するための現像剤供給部(いわゆるトナー容器、不図示)が装備されている。
【0019】
画像形成部10で画像形成を行う際は、先ず、一次帯電器12a〜12dにおいて感光ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、光学系13a〜13dにより、記録画像信号に応じて変調した例えばレーザビームなどの光線を感光ドラム11a〜11d上に露光させることによって、感光ドラム11a〜11d上に静電潜像を形成する。更に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックといった4色の現像剤(トナー)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって上記静電潜像を顕像化する。画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdでは、顕像化された可視画像を中間転写ベルト31に転写する。画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの下流側では、記録材に転写されずに感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーをクリーニング装置15a、15b、15c、15dにより掻き落とすことで、感光ドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0020】
次に、給紙ユニット20の詳細を説明する。給紙ユニット20は、自動給紙する記録材Pを収納するカセット21a、21bと、手差し給紙する記録材Pを収納する手差しトレイ27と、カセット21a、21b、手差しトレイ27内の記録材Pをそれぞれ1枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、26と、各ピックアップローラ22a、22b、26から送り出された記録材Pをレジストローラ25a、25bまで搬送するための給紙ローラ対23a〜23c、給紙ガイド24と、画像形成部10の画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25a、25bとから構成される。
【0021】
次に、中間転写ユニット30の詳細を説明する。中間転写ベルト31(その材料として例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)などが用いられる)は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32、ばね(不図示)の付勢によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ33、ベルトを挟んで二次転写領域Teに対向する従動ローラ34に巻回されている。これらの各ローラ32〜34のうち駆動ローラ32とテンションローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32、テンションローラ33、従動ローラ34の外周部を図示矢印B方向へ循環駆動される。
【0022】
駆動ローラ32においては、金属製ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタンまたはクロロプレン)をコーティングすることで中間転写ベルト31とのスリップを防いでいる。駆動ローラ32はパルスモータ(不図示)によって回転駆動される。各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdに対し、中間転写ベルト31の裏に装着された一次転写ブレード35a〜35dが配置されている。また、従動ローラ34に対向して中間転写ベルト31を挟んで二次転写ローラ36が配置されており、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成している。二次転写ローラ36は中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。
【0023】
中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流側には、中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニング装置(不図示)が配置されている。クリーニング装置は、クリーナーブレード(不図示。材質としてはポリウレタンゴムなどが用いられる)及び廃トナーを収納する廃トナーボックス52(不図示)から構成される。また、駆動ローラ32の上方に位置し且つ中間転写ベルト31の表面に対向した状態でトナー像濃度センサ77が配置されている。トナー像濃度センサ77は、画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの各々で中間転写ベルト31に転写されたトナー像(トナーパッチ=濃度パッチ)の濃度を検出するセンサである。
【0024】
次に、制御ユニットを説明する。制御ユニットは、画像形成装置の各ユニット(画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40)内の機構の動作を制御するための制御基板(不図示)や、各種モータを駆動するモータドライブ基板(不図示)等から構成されている。制御基板及びモータドライブ基板の詳細は説明を省略する。
【0025】
次に、定着ユニット40を説明する。定着ユニット40は、二次転写領域Teにおいて画像が転写された記録材Pを加熱及び加圧することで画像を定着させるものであり、記録材Pを加熱する定着ローラを含む定着機構41a、定着機構41aの定着ローラを通過する記録材Pに対し加圧を行う加圧ローラ41b、画像が定着された記録材Pを排紙する内排紙ローラ44等から構成されている。また、定着ユニット40には、定着ユニット40の温度を検出する温度センサ(不図示)が配設されている。
【0026】
また、本画像形成装置は、不図示のカバーに覆われており、現像剤供給部の交換/現像剤の補充や、記録材の詰まり(JAM)の解除を行う際には、カバーの一部であるドアを開いて作業することができるように構成されている。画像形成装置の内部には、カバーの一部(以後単にカバーとも表記)であるドアが開いたか閉じているかを検知するドア開閉検知センサ(不図示、開閉検知手段)が配設されている。ドア開閉検知センサでドアの開状態を検知したときの画像形成装置の状態は、後述のCPU171がRAM175等の記憶手段に記憶しておく。尚、画像形成装置は、低電力モード(電力消費を低減するモード)、低電力復帰モード(低電力モードから通常状態へ復帰させるモード)などの各種モードを有する。
【0027】
次に、画像形成装置の画像形成部10の要部の構造を図10及び図11に基づき説明する。図10は画像形成部10の要部の構造を示す断面図である。11は上記図1に示した感光ドラム(感光ドラム11a、11b、11c、11dを便宜上11で示す)、101は攪拌された現像剤を汲み上げる現像スリーブ、102は現像スリーブ上の現像剤を掻き落とすドクターブレード、103は現像剤の透磁率を検出するインダクタンスセンサ、104は現像剤を攪拌するAスクリュー、105は新しく補給された現像剤を撹拌するBスクリューである。また、図11は画像形成部10の概略的な水平方向断面構造を示す構成図である。110は現像剤供給部から新しい現像剤を補給するための補給口である。
【0028】
画像形成部10において、現像容器内の現像剤がAスクリュー104側へ供給され、Aスクリュー104により撹拌された現像剤は現像スリーブ101に汲み上げられ、現像スリーブ101の下方に配置されたドクターブレード102とカット極(N1極)の磁気カット規制によって現像スリーブ101上に現像剤層が形成される。現像領域通過後の現像剤は現像容器内に戻され、反発極(N2極)が形成する反発磁界によって現像スリーブ101の表面から離れ、Aスクリュー104により撹拌された後に、再び現像スリーブ101に供給される。
【0029】
Bスクリュー105はAスクリュー104を通過後(現像後)の現像剤を受け取り、インダクタンスセンサ103は現像剤の透磁率を検出する。インダクタンスセンサ103で検出された現像剤の透磁率の変化を現像剤の濃度の変化に換算し、この換算値に基づいて適正量の新しい現像剤の補給が行われる。また、Bスクリュー105は新しく補給された現像剤を撹拌すると共に搬送して再びAスクリュー104に供給する役割を果たす。尚、後述のCPU171は、現像剤の状態はインダクタンスセンサ103の検出結果から現像剤の新旧の度合い或いは経時変化を基に判断し、現像剤の残量はインダクタンスセンサ103の検出結果から判断する。
【0030】
次に、インダクタンスセンサ103による現像剤の透磁率の検出と現像剤の補給に関して説明する。先ず、画像形成部10で画像形成を開始すると、インダクタンスセンサ103の検出結果を一定周期でサンプリングし、平均をとる。ここでは、例えば16msec毎に10点サンプリングをするものとする。この平均値をSGNLとする。次に、初期のSGNLの値をSGNLi、インダクタンスセンサ103の感度をrateとして、ΔT/Dを算出する。
【0031】
ΔT/D=(SGNLi−SGNL)÷rate
ΔT/D≦0のとき、現像剤補給有りで、ΔT/D>0のとき、現像剤補給無しと
なる。
【0032】
上記算出されたΔT/Dを基に現像剤補給量を決定し現像剤供給部から現像剤を補給することにより、現像装置内の現像剤濃度を安定化させる。また、現像剤供給部から現像剤を補給した量を積算しておき、予め現像剤供給部に充填してある現像材の総量と上記積算値から現像剤供給部の現像剤の残量を計算し、現像剤供給部の現像剤の残量が無くなると、画像形成動作を中断し、現像剤供給部の現像剤の残量が無くなった旨を後述の操作部などを介して操作者へ通知する。操作者は画像形成装置のドアを開け、現像剤供給部を新しいものに交換し、再び画像形成装置のドアを閉める。
【0033】
また、画像形成部10において、現像装置で消費する現像剤の量が多い、いわゆる高デューティ画像を連続して形成するような場合には、現像剤の実際の補給量が上記現像剤を補給した量の積算値より多くなることがあり、予定より早めに現像剤供給部内の現像剤が無くなったり、反対に現像剤の供給能力を超えてしまい、現像装置内の現像剤濃度が異常に低くなることがある。そのような現像装置内の現像剤濃度が低くなる場合を「T/D比ダウンによるトナー無し」と呼び、そのような場合を上記SGNL値に基づき検出し、やはり画像形成動作を中断し、現像装置内の現像剤濃度が低くなった旨を後述の操作部を介して操作者へ通知する。操作者は画像形成装置のドアを開け、現像剤供給部を取り出し、新しい現像剤供給部に交換し、再び画像形成装置のドアを閉める。その際、操作者が現像剤供給部の質量から現像剤の残量が十分ありそうだと判断すれば、現像剤供給部を交換せずに画像形成装置に装着しなおしてもよい。
【0034】
次に、画像形成装置の制御系の構成を図2に基づき説明する。図2は画像形成装置1の制御系の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像メモリ部3、外部I/F処理部4、画像出力部(プリンタ部)100、画像入力部(リーダ部)200、画像処理部170、CPU171、操作部172、入出力ポート(I/O)173、ROM174、RAM175を備えている。
【0035】
CPU171は、画像形成装置1の基本制御を行う中央処理装置である。CPU171には、ROM174、ワークRAM175、入出力ポート173がアドレスバス、データバスにより接続されている。ROM174は、CPU171が実行する制御プログラムや固定データを格納している。RAM175は、CPU171が各種処理を行う際のワーク領域を提供する。入出力ポート173には、画像形成装置1の各種機構を駆動するモータやクラッチ等の各種負荷(不図示)や、記録材の位置を検知するセンサ等の入力(不図示)が接続されている。CPU171は、ROM174に格納された制御プログラムに従って入出力ポート173を介して順次入出力の制御を行い画像形成動作を実行すると共に、上記制御プログラムに基づき後述のフローチャートに示す処理を実行する。
【0036】
また、CPU171には、操作部172が接続されており、CPU171は、操作部172の表示パネル(図6参照)に対する表示制御を行い、操作部172の各種キー入力に基づく制御を行う。操作者は操作部172の各種キーを介して画像形成動作モードや表示の切り替えをCPU171に指示し、CPU171は操作部172の表示パネルに画像形成装置1の状態やキー入力による動作モード設定の表示を行う。更に、CPU171には、画像入力部200のイメージセンサ部208のCCDセンサで電気信号に変換された信号を処理する画像処理部170と、画像処理部170で処理された画像を蓄積する画像メモリ部3が接続されている。外部I/F処理部4は、画像形成装置1と外部コンピュータ等との間のインターフェースを司る。
【0037】
次に、画像処理部170の詳細構成を図3に基づき説明する。図3は画像処理部170を中心とした構成を示すブロック図である。画像処理部170は、CCDセンサ181、A/D変換・SH部182、log変換部183、変倍処理部184、γ補正部185、2値化部186を備えている。また、画像出力部(プリンタ部)100は、スムージング部111、露光制御部112を備えている。
【0038】
原稿画像は画像入力部(リーダ部)200のレンズ207を介しイメージセンサ部208に光学像として結像されBlackの輝度データとして入力される。イメージセンサ部208のCCDセンサ181は、光学像をアナログ電気信号に光電変換する。アナログ電気信号に変換された画像情報は、アナログ信号処理部(不図示)に入力され、サンプル及びホールド、ダークレベルの補正等が行われた後、A/D変換・SH部182に出力される。A/D変換・SH部182は、アナログ信号をデジタル信号にアナログ/デジタル変換(A/D変換)し、デジタル信号をシェーディング補正(原稿を読み取るCCDセンサ181のばらつき及び原稿照明用ランプの配光特性の補正)した後、log変換部183に出力する。
【0039】
log変換部183は、入力された輝度データ(デジタル信号)を濃度データに変換するためのLUT(ルックアップテーブル)を格納しており、入力された輝度データに対応するテーブル値を出力することによって、輝度データを濃度データに変換する。その後、変倍処理部184により所望の倍率に画像を変倍し、変倍処理したデータをγ補正部185に出力する。γ補正部185は、濃度データを出力する際に画像形成部10の特性を考慮したLUTによる変換を行い、操作部172で設定された濃度値に応じた出力の調整を行った後、出力調整したデータを2値化部186へ出力する。2値化部186は、多値の濃度データを2値化することで、濃度値を「0」あるいは「255」とする。
【0040】
8bitの画像データは2値化され「0」または「1」の1bitの画像データに変換されることで、画像メモリ部3に格納する画像データ量は小さくなる。しかし、画像データを2値化すると画像データの階調数は256階調から2階調になるため、写真画像データのような中間調の多い画像データは2値化すると一般に画像の劣化が著しい。そこで、2値データによる擬似的な中間調表現をする必要がある。ここでは、2値データで擬似的に中間調表現を行う手法として誤差拡散法を用いる。
【0041】
この誤差拡散法は、ある画像の濃度がある閾値より大きい場合は「255」の濃度データであるとし、ある閾値以下である場合は「0」の濃度データであるとして2値化した後、実際の濃度データと2値化されたデータの差分を誤差信号として回りの画素に配分する方法である。画素の配分は、予め用意されているマトリクス状の重み係数を2値化によって生じる誤差に対して掛け合わせ、回りの画素に加算することによって行う。これによって、画像全体での濃度平均値が保存され、中間調を擬似的に2値で表現することができる。
【0042】
上記2値化部186で2値化された画像データは、画像メモリ部3へ送られ画像蓄積される。また、外部I/F処理部4から入力される外部コンピュータからの画像データは、外部I/F処理部4で2値の画像データとして処理されているため、そのまま画像メモリ部3に送られる。画像メモリ部3は、後述する高速のページメモリと複数のページ画像データを蓄積可能な大容量のメモリ(ハードディスク)を有している。ハードディスクに格納された複数の画像データは、画像形成装置1の操作部172で指定された編集モードに応じた順序で出力される。
【0043】
例えば、画像形成された記録材を仕分け排出するソートの場合、ADF(不図示、自動原稿送り装置)により原稿積載部の原稿束から1枚ずつ原稿を給送し画像入力部200で読み取った画像を順に画像出力部100により画像形成を行い出力する。即ち、画像メモリ部3のハードディスクから該ハードディスクに一旦格納された原稿の画像データを読み出し、これを複数回繰り返して画像出力部100により画像形成を行い出力する。これにより、画像形成装置に記録材排出用のトレイが1つしか装備されていない場合でも、複数のビンを備えたソータ(記録材仕分け用の後処理装置)と同じ役割を果たすことができる。
【0044】
画像メモリ部3から出力された画像データは、画像出力部100が備えるスムージング部111に送られる。スムージング部111は、上記2値化部186で2値化された画像の線端部が滑らかになるようにデータの補間処理を行い、補間処理した画像データを露光制御部112へ出力する。露光制御部112は、上述したような、画像形成部10の光学系13a〜13dによりレーザ光を感光ドラム11a〜11d上に露光させる等の制御を行うことにより記録材に画像を形成する。
【0045】
次に、画像メモリ部3の詳細構成を図4に基づき説明する。図4は画像メモリ部3を中心とした構成を示すブロック図である。画像メモリ部3は、ページメモリ部301、メモリコントローラ部302、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮部303、ハードディスク304を備えている。
【0046】
画像メモリ部3では、DRAM等のメモリで構成されるページメモリ部301に、メモリコントローラ部302を介して外部I/F処理部4、画像処理部170から入力される2値画像の書き込み、画像出力部100への画像の読み出し、大容量の記憶装置であるハードディスク304への画像の入出力のアクセスを行う。メモリコントローラ部302は、ページメモリ部301のDRAMリフレッシュ信号の発生を行い、また、画像I/F処理部4、画像処理部170、ハードディスク304からのページメモリ部301へのアクセスの調停を行う。
【0047】
更に、メモリコントローラ部302は、CPU171の指示に従い、ページメモリ部301への書き込みアドレス、ページメモリ部301からの読み出しアドレス、読み出し方向などの制御を行う。これにより、CPU171はページメモリ部301に複数の原稿画像を並べてレイアウトを行い、画像出力部100に出力する機能や、画像の一部分のみ切り出して出力する機能や、画像を回転させる画像回転機能を制御する。JPEG圧縮部303は、画像データに対しJPEG方式による圧縮を行う。
【0048】
次に、外部I/F処理部4の詳細を図5に基づき説明する。図5は外部I/F処理部4を中心とした構成を示すブロック図である。外部I/F処理部4は、ファクシミリ部401、ハードディスク402、コンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404、イメージメモリ部405、コア部406を備えている。図中900は電話回線等の公衆回線、1000はパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の外部コンピュータである。
【0049】
外部I/F処理部4は、上述したように、画像メモリ部3を介して、画像入力部(リーダ部)200から出力される2値画像データを外部I/F処理部4に取り込み、また、画像メモリ部3を介して、外部I/F処理部4からの2値画像データを画像出力部(プリンタ部)100へ出力することで画像出力部100により画像形成を行う。
【0050】
ファクシミリ部401は、モデム(不図示)を介して公衆回線(電話回線)900と接続しており、公衆回線900からのファクシミリ通信データの受信と、公衆回線900へのファクシミリ通信データの送信を行う。ファクシミリ部401は、ファクシミリ機能である、指定された時間にファクシミリ送信を行ったり、相手から指定パスワードの問い合わせで画像データを送信するなど、ハードディスク402にファクシミリ用の画像を保存することで処理を行う。これにより、一度、画像入力部200から画像メモリ部3を介して、ファクシミリ部401とファクシミリ用のハードディスク402へ画像を転送した後は、画像入力部200、画像メモリ部3をファクシミリ機能に使うことなしに、ファクシミリ送信を行うことができる。ハードディスク402は、ファクシミリ部401の通信画像データを保存する。
【0051】
コンピュータインターフェース部403は、外部コンピュータ1000と接続し、外部コンピュータ1000との間でデータ通信を行うものであり、ローカルエリアネットワーク(LAN)、シリアルインターフェース、SCSI(Small Computer System Interface)インターフェース、画像出力部100のデータ入力用のセントロニクスインターフェースなどを有する。コンピュータインターフェース部403は、上記インターフェースを介して、画像出力部100及び画像入力部200の状態を外部コンピュータ1000に通知したり、外部コンピュータ1000の指示に基づき画像入力部200で読み取った画像データを外部コンピュータ1000へ転送したりする処理を行う。また、コンピュータインターフェース部403は、外部コンピュータ1000から画像出力部100で画像形成するためのプリント画像データを受け取ったりする処理を行う。
【0052】
フォーマッタ部404は、次のようなデータ処理を行う。即ち、フォーマッタ部404は、外部コンピュータ1000からコンピュータインターフェース部403を介して通知されるプリントデータが専用のプリンタコードで記述されているため、そのプリンタコードを画像メモリ部3を介して画像出力部100で画像形成を行うためのラスタイメージデータに変換する。また、フォーマッタ部404は、イメージメモリ部405にラスタイメージデータの展開を行う。
【0053】
イメージメモリ部405は、上記のようにフォーマッタ部404がラスタイメージデータを展開するメモリとして使用される。また、イメージメモリ部405は、画像入力部200の画像をコンピュータインターフェース部403を介して外部コンピュータ1000に送る(画像スキャナ機能)場合に、画像メモリ部3から送られる画像データをイメージメモリ部405に一度展開し、外部コンピュータ1000に送るデータの形式に変換してコンピュータインターフェース部403からデータを送出するような場合においても使用される。
【0054】
コア部406は、ファクシミリ部401、コンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404、イメージメモリ部405、画像メモリ部3の間におけるそれぞれのデータ転送を制御し管理する。これにより、外部I/F処理部4に複数の画像出力部が接続されている場合でも、画像メモリ部3に対する画像転送路が一つの場合でも、コア部406の管理のもとで排他制御及び優先度制御を行うことで、画像データ出力を行うことができる。
【0055】
次に、画像形成装置の操作部172の詳細構成を図6に基づき説明する。図6は操作部172の構成を示す図である。パワーランプ621は、画像形成装置の電源が入っていることを示すランプである。パワーランプ621は、パワースイッチ613による画像形成装置の電源のON/OFFの切り替えに合わせ、点灯/消灯される。テンキー622は、画像形成枚数の設定やモードの設定の数値入力に使用するキーである。クリアーキー623は、テンキー622で入力した設定のクリアを行うキーである。リセットキー616は、設定された画像形成枚数や動作モードや選択給紙段等のモードを既定値に戻すためのキーである。
【0056】
スタートキー614は、その押下により画像形成動作を開始するためのキーである。スタートキー614の中央には画像形成動作が開始可能か否かを示す赤色のLEDと緑色のLED(不図示)が配設されており、画像形成動作が開始できない場合は赤色のLEDが点灯し、画像形成動作が開始可能な場合は緑色のLEDが点灯する。ストップキー615は、複写動作の停止を行うために使用するキーである。ガイドキー617は、このキーを押下した後に他のキーを押下すると、その押下したキーにより設定できる機能の説明を表示パネルに表示させるためのキーである。このガイド表示を解除する場合は、再度、ガイドキー617を押下することで行う。
【0057】
ユーザ設定キー618は、その押下により画像形成装置の設定を操作者が変更可能とするためのキーである。操作者が変更可能な設定とは、設定内容を自動的にクリアするまでの時間やタイマの設定に関連したものや専用給排紙トレイの装着に関する設定などの画像形成動作(プリント動作)・複写動作(コピー動作)共通の設定、もしくは各ファンクションキー固有の機能全般に対する設定などである。割り込みキー619は、画像形成動作中にこのキーを押下すると、画像形成動作を中止して複写動作を行うことを可能とするキーである。
【0058】
表示パネル620は、液晶等で構成されており、詳細なモード設定を容易にするべく、操作者が設定したモードに応じて表示内容が変わるように構成されている。また、表示パネル620の表面はタッチセンサになっている。図示例では複写動作モードの設定画面を示している。また、図示例では表示パネル620内にキー624〜キー632が表示されており、操作者が該当キーの表示の位置を触れることで、CPU171はキーの押下を判断して該当するモードを設定する制御を行う。記録材を給紙する給紙段の選択キー627は、その押下により、カセット21a、カセット21b、手差しトレイ27のいずれから記録材の給紙を行うかを設定する表示を表示パネル620に行うためのキーである。縮小キー628、等倍キー629、拡大キー630、ズームキー631は、複写動作の複写倍率を設定するためのキーである。
【0059】
応用モードの設定キー626は、その押下により、記録材に画像を縮小した状態でレイアウトする縮小レイアウトモード、画像形成を行う記録材に表紙等を付加する表紙・合紙モード等の応用機能モードを設定する画面を表示パネル620に表示させるためのキーである。両面動作の設定キー624は、例えば、片面に画像がある片面原稿から記録材の両面に画像形成する両面出力を行う「片−両モード」、両面に画像がある両面原稿から両面出力を行う「両−両モード」、両面原稿から2枚の記録材の片面に画像形成する片面出力を行う「両−片モード」の3種類の両面モードの設定を行うためのキーである。ソートキー625は、その押下により、画像形成装置に付設されるソータ等の後処理装置(不図示)の動作モードの設定や、画像メモリ部3を用いての画像形成済み記録材の仕分けモードの設定を行うためのキーである。
【0060】
表示パネル620内のキーの表示は通常の表示の他に、表示のキーのモードが設定できない場合は表示の線を点線(網掛け)にすることで、そのキーが操作できないことを示すようになっている。また、図示例では、表示パネル620内の上段部分に複写動作に関し設定された内容の表示や現在の動作状態の表示がなされている。表示パネル620内の応用モードキー626の横には、操作者により変更可能なキー(不図示)があり、応用モードの設定画面で設定できる機能のキーを最大2つまで登録可能である。応用モードの設定画面で設定できる機能のキーを表示することで、登録したモードの設定をより容易に行えるようにすることができる。
【0061】
プルーフプリントモードキー632は、ソートキー625により仕分けモード設定されている場合で1枚の原稿画像を複数部画像形成して出力するときに、1部の画像形成出力が終了したときに一旦画像形成動作を停止し、操作者にプリントの仕上がり状態を確認させ、操作者がOKを指示したならば画像形成動作の継続、操作者がNGを指示したならば画像形成動作の中止を選択できるプルーフプリントモードの設定を行うためのキーである。
【0062】
コピー機能キー604〜LED表示612は、画像形成装置を用いた複写動作やシステム動作(画像形成装置に後処理装置を付設した画像形成システムにおける複写動作及び後処理動作)の各機能の設定を行うために、表示パネル620の表示を切り替えるためのキー及びLED表示である。コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610は、それぞれ、コピー機能、ボックス機能、拡張機能を切り替えるためのキーである。
【0063】
コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610は半透明のキーボタンで構成されており、キー内部にはLED等の表示ランプ(不図示)が配設されている。コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610を押下することで、表示パネル620に表示する操作機能画面を選択すると、各キー内部の表示ランプが点灯する。各キー内部の表示ランプは、選択されている操作機能画面に対応したキーの内部にある表示ランプのみ点灯するように制御され、その他のキーの内部の表示ランプは消灯するように制御される。
【0064】
また、コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610のそれぞれ右側には、緑色のLEDが配置されている(606、609、612)。各LED606、609、612は、各機能の動作状況をその点灯制御で表すためのものである。例えば、コピーのLED606は、コピー機能がスタンバイ状態の場合に消灯制御され、図示例のようにコピー機能が動作状態の場合に点滅制御され、画像メモリ部3のハードディスク304に原稿の読み取り画像が保存され且つコピー機能による画像形成動作が行われていない場合に点灯制御される。
【0065】
また、コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610のそれぞれの左側には、赤色のLEDが配置されている(605、608、611)。各LED605、608、611は、各機能の異常状況が発生したことをその点灯制御で表すためのものである。例えば、コピー機能のLED605は、記録材が無いためにコピー動作が中断した場合やJAM等の異常が発生した場合に点滅制御される。この時、コピー機能キー604を押下し操作部172の表示をコピーに切り替える指示を行うことで、表示パネル620にコピーの状況が表示され、異常状況の詳細を確認することができる。これらの機能切り替えキー(コピー機能キー604、ボックス機能キー607、拡張機能キー610)は、各機能の動作状況によらずいつでも押下可能であり、表示を切り替えることが可能である。
【0066】
次に、画像形成装置の画像濃度補正制御について説明する。本発明における画像濃度補正制御は、最大濃度補正制御であるVcont制御と画像濃度階調補正制御であるγLUT制御の2つから構成される。Vcontとは、最低濃度である「00h(0)」で記録材に画像形成を行い出力した場合のVd特性と、最大濃度である「FFh(255)」で記録材に画像形成を行い出力した場合のVl特性と、現像装置14a、14b、14c、14dに印加する現像バイアス特性Vdcとから決まる電位のことを言う。尚、hの付いたものは16進数表記、( )内は10進数表記とする。
【0067】
先ず、最大濃度補正制御におけるVcont、Vback、Vd、Vl、Vdcの関係を図7に基づき説明する。図7は最大濃度補正制御におけるVcont、Vback、Vd、Vl、Vdcの関係を示す特性図である。横軸は感光ドラム帯電バイアスに対応し、縦軸は感光ドラム表面電位に対応する。
【0068】
続いて、Vcontの計算方法について図8に基づき説明する。図8は最大濃度補正制御の原理を示す図である。横軸は上記図7に示したVcont+Vbackに対応し、縦軸は最大濃度Dmaxに対応する。
【0069】
図示のように、最大濃度Dmaxと(Vcont+Vback)は比例すると考える。このため、現在の環境におけるVcontをVcontEnvとし、最大濃度の設定目標値を例えば1.8、中間転写ベルト31に転写されたトナー像の濃度を検出するトナー像濃度センサ77の出力データ「FFh」に対応した濃度検出データをODffとすると、新しい環境でのVcontであるVcontNewは、
VcontNew=(VcontEnv+Vback)×1.8/ODff−Vback
と計算することができる。
【0070】
以上の計算処理を各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対して行い、以後のVcontにはVcontNewを用いて高圧出力を行い画像形成する。即ち、算出された各色のVcontに基づいて、一次帯電器12a、12b、12c、12dに電圧を印加する高圧トランスの出力を制御(感光ドラム11a、11b、11c、11dの表面電位を制御)し、現像装置14a、14b、14c、14dに印加する現像バイアスを制御する。
【0071】
次に、画像濃度階調補正制御であるγLUT補正の原理を図9に基づき説明する。図9は画像濃度階調補正制御であるγLUT補正の原理を示す図である。横軸はトナー像濃度センサ77の出力信号値に対応し、縦軸は記録材に画像形成出力したい濃度値に対応する。
【0072】
図示のように、トナー像濃度センサ77によって検出された、中間転写ベルト30上に転写されたトナーパッチ(濃度パッチ)の濃度データが点線で示されている。記録材に画像形成出力したい濃度値に対しトナー像濃度センサ77の出力信号値は、図示の原点0と(濃度OD「255(FFh)」、Signal「255(FFh)」)を結ぶ直線になるのが理想である(理想直線)。例えば、濃度「80h」で記録材に画像形成出力したければ、「80h」の信号値をトナー像濃度センサ77から出力すればよいわけである。
【0073】
ところが実際には、トナー像濃度センサ77で検出した画像形成特性濃度は、例えば図示点線で示すようにリニアな特性を示さないことになる。この状態を補正し、トナー像濃度センサ77の出力信号値に対し所望の濃度を画像形成出力画像として得るためには、低濃度領域においてはγLUTの値が大きくなるように出力し、高濃度領域においてはγLUTの値が小さくなるように出力する必要がある。また、このγLUTの曲線は、図示のようにトナー像濃度センサ77で検出した濃度データの曲線が上記の理想直線に関して対称になるように作成される。
【0074】
次に、上記の如く構成された画像形成装置における特徴的な動作を図12及び図13のフローチャートに基づき説明する。図12及び図13は画像形成装置において画像形成を行う前の準備動作(感光ドラムの前多回転(初期化回転))に関わる処理を示すフローチャートである。本フローチャートに示す処理は画像形成装置のCPU171がROM174に格納された制御プログラムに基づき実行する。
【0075】
先ず、画像形成装置のCPU171は画像形成装置が低電力復帰モード(電力消費を低減する低電力モードから通常状態へ復帰させるモード)かどうかを判断する(ステップS1201)。ステップS1201で低電力復帰モードであると判断した場合は、低電力復帰シーケンス(画像形成装置を例えば30secで立ち上げるシーケンス)を実行する(ステップS1202)。ステップS1201で低電力復帰モードではないと判断した場合は、Dhalf(画像濃度階調補正制御であるγLUT補正)が必要かどうかを判断する(ステップS1203)。ステップS1203でDhalfが必要と判断した場合は、感光ドラム11a、11b、11c、11dの前多回転(初期化回転)が中断されたかどうかを判断する(ステップS1209)。
【0076】
ステップS1209で前多回転中断と判断した場合は、上記Dhalfを併せて行う50度C未満前多回転シーケンス(定着ユニット40の温度が50度C未満の状態で感光ドラム11a、11b、11c、11dを前多回転させるシーケンス)を実行する(ステップS1210)。ステップS1209で前多回転中断ではないと判断した場合は、定着ユニット40の温度を検出する温度センサ(不図示)の検出出力に基づき、定着ユニット40の温度が50度C未満かどうかを判断する(ステップS1211)。
【0077】
ステップS1211で定着ユニット40の温度が50度C未満と判断した場合は、上記ステップS1210のシーケンスを実行する。ステップS1211で定着ユニット40の温度が50度C未満ではないと判断した場合は、上記Dhalfを併せて行う100度C未満前多回転シーケンス(定着ユニット40の温度が100度C未満の状態で感光ドラム11a、11b、11c、11dを前多回転させるシーケンス)を実行する(ステップS1212)。
【0078】
他方、ステップS1203で上記Dhalfが不要と判断した場合は、画像形成装置の現在の状態が、画像形成装置内の記録材の詰まりを解消したJAM復帰状態、低電力モード中に画像形成装置のドアの開閉があった状態、画像形成装置を待機状態とするウエイト動作が中断された状態のうち何れかの状態に当てはまるかどうかを判断する(ステップS1204)。ステップS1204で上記何れかの状態に当てはまると判断した場合は、JAMウエイトシーケンスを実行する(ステップS1208)。ステップS1204で上記何れの状態にも当てはまらないと判断した場合は、T/D比ダウンによるトナー無し(現像装置内のトナー濃度が低くなった状態)が発生しているかどうかを判断する(ステップS1205)。
【0079】
ステップS1205でT/D比ダウンによるトナー無しが発生していると判断した場合は、トナー無し復帰ウエイトシーケンスを実行する(ステップS1206)。ステップS1205でT/D比ダウンによるトナー無しが発生していないと判断した場合は、ドア開閉ウエイトシーケンスを実行する(ステップS1207)。上記ステップS1206〜ステップS1208の各ウエイトシーケンスは、基本的には定着ユニット40が定着動作可能な温度に加熱されるまで待機するという点に共通性を有するシーケンスであり、個々のシーケンスの細部は異なるが、詳細は説明を省略する。
【0080】
即ち、本画像形成装置では、画像形成を行う前の準備動作において、上記フローチャートに示したように、画像濃度階調補正制御であるγLUT補正が必要な場合は、感光ドラム11a、11b、11c、11dの前多回転中断の有無に応じてγLUT補正付きの前多回転シーケンスを実行し、画像濃度階調補正制御であるγLUT補正が不要な場合は、JAM復帰、低電力中のドア開閉、T/D比ダウンによるトナー無しの有無に応じて各ウエイトシーケンスを実行するものである。
【0081】
尚、本実施の形態では説明しなかったが、記録材に転写される画像の位置や傾き、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のずれなどを補正するための画像位置補正動作シーケンスを上記フローチャートに示した処理に盛り込んでもよい。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすると共に、従来のような、濃度階調補正制御等の制御を画像形成装置の電源投入時やドアの開閉により毎回実行するために画像形成動作が再開可能となるまでにかなりの待ち時間が発生するといった不具合を解消し、画像形成装置の待機時間(ウエイトタイム)を低減することが可能となる。
【0083】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、画像形成装置の感光ドラムを4ドラム方式とした場合を例に挙げたが、本発明は4ドラム方式に限定されるものではなく、1ドラム方式に適用することも可能である。
【0084】
上記実施の形態では、画像形成装置の転写方式を間接転写方式とした場合を例に挙げたが、本発明は間接転写方式に限定されるものではなく、直接転写方式に適用することも可能である。
【0085】
上記実施の形態では、画像形成装置を複写機とした場合を例に挙げたが、本発明は複写機に限定されるものではなく、プリンタ、ファクシミリ、複合機に適用することも可能である。
【0086】
また、本発明の目的は、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0087】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0088】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVDRAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0089】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0090】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0091】
[実施態様の例]
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0092】
「実施態様1」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正手段と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段とを有し、
更に、前記濃度階調の補正が必要か否かを判断する第1の判断手段と、装置の初期設定動作を開始する開始手段と、前記初期設定動作を開始するときの装置の状態を判断する第2の判断手段と、装置のカバーの開閉を検知する開閉検知手段と、前記カバーの開状態を検知したときの装置の状態を記憶する記憶手段とを有し、前記決定手段は、前記第1の判断手段の判断結果、前記第2の判断手段の判断結果、前記開始手段の動作状態、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、前記初期設定動作の内容を決定することを特徴とする画像形成装置。
【0093】
「実施態様2」
前記初期設定動作とは、前記感光体の初期化回転を含むことを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0094】
「実施態様3」
前記感光体を4つ備え、前記現像手段はイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の可視像を形成することを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0095】
「実施態様4」
前記感光体上の可視像を記録材に直接転写する直接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0096】
「実施態様5」
前記感光体上の可視像を中間転写体へ転写した後に前記中間転写体上の可視像を記録材に転写する間接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様1記載の画像形成装置。
【0097】
「実施態様6」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0098】
「実施態様7」
前記現像手段へ供給する現像剤の状態を判断する第1の判断手段と、装置の初期設定動作を開始する開始手段と、前記初期設定動作を開始するときの装置の状態を判断する第2の判断手段と、装置のカバーの開閉を検知する開閉検知手段と、前記カバーの開状態を検知したときの装置の状態を記憶する記憶手段とを有し、前記決定手段は、前記第1の判断手段の判断結果、前記第2の判断手段の判断結果、前記開始手段の動作状態、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、前記初期設定動作の内容を決定することを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0099】
「実施態様8」
前記初期設定動作とは、前記感光体の初期化回転を含むことを特徴とする実施態様6又は7記載の画像形成装置。
【0100】
「実施態様9」
前記感光体を4つ備え、前記現像手段はイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の可視像を形成することを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0101】
「実施態様10」
前記感光体上の可視像を記録材に直接転写する直接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0102】
「実施態様11」
前記感光体上の可視像を中間転写体へ転写した後に前記中間転写体上の可視像を記録材に転写する間接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様6記載の画像形成装置。
【0103】
「実施態様12」
前記第1の判断手段は、前記現像剤の状態を現像剤の新旧の度合い或いは経時変化を基に判断することを特徴とする実施態様7記載の画像形成装置。
【0104】
「実施態様13」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0105】
「実施態様14」
前記現像手段へ供給する現像剤の残量を判断する第1の判断手段と、装置の初期設定動作を開始する開始手段と、前記初期設定動作を開始するときの装置の状態を判断する第2の判断手段と、装置のカバーの開閉を検知する開閉検知手段と、前記カバーの開状態を検知したときの装置の状態を記憶する記憶手段とを有し、前記決定手段は、前記第1の判断手段の判断結果、前記第2の判断手段の判断結果、前記開始手段の動作状態、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、前記初期設定動作の内容を決定することを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0106】
「実施態様15」
前記初期設定動作とは、前記感光体の初期化回転を含むことを特徴とする実施態様13又は14記載の画像形成装置。
【0107】
「実施態様16」
前記感光体を4つ備え、前記現像手段はイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色の可視像を形成することを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0108】
「実施態様17」
前記感光体上の可視像を記録材に直接転写する直接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0109】
「実施態様18」
前記感光体上の可視像を中間転写体へ転写した後に前記中間転写体上の可視像を記録材に転写する間接転写方式により転写を行うことを特徴とする実施態様13記載の画像形成装置。
【0110】
「実施態様19」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法において、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測工程と、前記濃度計測工程により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正工程と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定工程とを有することを特徴とする制御方法。
【0111】
「実施態様20」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法において、
前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定工程を有することを特徴とする制御方法。
【0112】
「実施態様21」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法において、
前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定工程を有することを特徴とする制御方法。
【0113】
「実施態様22」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置に適用されるプログラムにおいて、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する機能と、複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する機能と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0114】
「実施態様23」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置に適用されるプログラムにおいて、
前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0115】
「実施態様24」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置に適用されるプログラムにおいて、
前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する機能を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
【0116】
「実施態様25」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータにより読み出し可能な記憶媒体において、
前記制御方法は、前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測するステップと、複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正するステップと、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定するステップとを有することを特徴とする記憶媒体。
【0117】
「実施態様26」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータにより読み出し可能な記憶媒体において、
前記制御方法は、前記現像手段へ供給する現像剤の状態と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定するステップを有することを特徴とする記憶媒体。
【0118】
「実施態様27」
感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置における制御方法を実行するプログラムを記憶したコンピュータにより読み出し可能な記憶媒体において、
前記制御方法は、前記現像手段へ供給する現像剤の残量と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定するステップを有することを特徴とする記憶媒体。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置の状況に応じて初期設定動作の内容を決定することで、適切な初期設定動作を可能とすることができると共に、従来のような、濃度階調補正制御等の制御を画像形成装置の電源投入時やドアの開閉により毎回実行するために画像形成動作が再開可能となるまでにかなりの待ち時間が発生するといった不具合を解消し、画像形成装置の待機時間(ウエイトタイム)を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示す構成図である。
【図2】画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の画像処理部を中心とした構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置の画像メモリ部を中心とした構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置の外部I/F処理部を中心とした構成を示すブロック図である。
【図6】画像形成装置の操作部の構成を示す図である。
【図7】最大濃度補正制御におけるVcont、Vback、Vd、Vl、Vdcの関係を示す特性図である。
【図8】最大濃度補正制御の原理を示す図である。
【図9】画像濃度階調補正制御であるγLUT補正の原理を示す図である。
【図10】画像形成部の要部の構造を示す断面図である。
【図11】現像装置のAスクリュー及びBスクリューの概略的な水平方向断面構造を示す構成図である。
【図12】画像形成装置の準備動作に関わる処理を示すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
11a、11b、11c、11d 感光ドラム(感光体)
12a、12b、12c、12d 一次帯電器
13a、13b、13c、13d 光学系(露光手段)
14a、14b、14c、14d 現像装置(現像手段)
31 中間転写ベルト
77 トナー像濃度センサ(濃度計測手段)
170 画像処理部(濃度階調補正手段)
171 CPU(第1の判断手段、第2の判断手段、開始手段、決定手段)
175 RAM(記憶手段)
Claims (1)
- 感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像に現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記現像手段により形成された可視像の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により複数の濃度階調に対応した複数の濃度パッチの濃度を計測した結果に基づいて、画像形成する際の画像データの濃度階調を補正する濃度階調補正手段と、前記濃度階調の補正の有無と装置の状態に基づいて、装置の初期設定動作の内容を決定する決定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308729A JP2004144929A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308729A JP2004144929A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004144929A true JP2004144929A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32454795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002308729A Pending JP2004144929A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004144929A (ja) |
-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308729A patent/JP2004144929A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7167659B2 (en) | Image-forming apparatus with inertial means selectively connected to fixing drive | |
US7769309B2 (en) | Image forming apparatus and method with process control for stably forming images | |
JP4757160B2 (ja) | 画像形成装置およびその制御方法 | |
JP2005249873A (ja) | 画像形成装置及び画像安定化処理実行方法 | |
JP3804355B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2001066842A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2005138575A (ja) | 画像形成装置及び画像形成方法 | |
US20050036798A1 (en) | Image forming apparatus | |
US7307754B2 (en) | Density control method for image control apparatuses and image forming apparatus capable of executing the method | |
JP2002148878A (ja) | 画像形成装置 | |
US6169863B1 (en) | Image formation apparatus capable of receiving plural jobs | |
JP4318199B2 (ja) | 画像形成装置および複写装置 | |
JP2005250311A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003345171A (ja) | 定着温度制御方法,定着装置および画像形成装置 | |
JP2004144929A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2004125990A (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及び制御プログラム | |
JP2009101710A (ja) | 画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP3774583B2 (ja) | 画像形成装置、画像形成方法、及び記憶媒体 | |
JP4062826B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JPH0846795A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003316088A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3459780B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2007127963A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3619028B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003076231A (ja) | 画像形成装置 |