JP2004144881A - 半透過反射フィルム - Google Patents

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Masato Asai
浅井 真人
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

【課題】透過光および反射光の適度な拡散性を保ちかつ偏光解消度の小さい、偏光板貼り合せ時の光利用効率の高い半透過反射板を提供する。
【解決手段】プラスチックフィルムの少なくとも片側の面に、平均粒径3〜60μmかつ平均厚み10〜100nmのパール顔料を10〜70重量%の濃度で含有する層厚2〜38μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半透過反射フィルムに関し、さらに詳しくは、反射光および透過光を用いたときの視認性に優れた液晶表示装置の光源部に用いられる半透過反射フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来の冷陰極管を用いたディスプレイに代わってフラットパネルディスプレイが多く使用されるようになってきた。中でも液晶ディスプレイの需要は高く、パソコン用モニター、家庭用テレビといった大型用途から、携帯電話、モバイルパソコン、PDAといった小型の用途まで幅広く用いられている。
【0003】
透過型液晶ディスプレイの場合、明るいところでの視認性が低く、またバックライトを常に点灯させていることによる消費電力の大きさが問題になる。
【0004】
これらの問題を解消するために反射型の液晶ディスプレイが用いられるようになった。これは液晶セルの背面電極の裏に反射層を設け、この反射層によって外部からの光を反射させて良質な画像コントラストを得るものである。
【0005】
さらに現在は、反射・透過の両方の光学的特性を併せ持った半透過型液晶が用いられるようになった。この液晶表示装置には半透過反射フィルムが使用されている。
【0006】
半透過反射フィルムとしては、ベースフィルム上に金属を蒸着あるいはスパッタしたもの、あるいは顔料をフィルム上に塗布したものなどが用いられる。後者のものとしてはたとえば特開平10−282338号公報には液晶表示装置に用いられる半透過反射板としてパール顔料を含有する層を利用することが示されている。
【0007】
半透過型液晶ディスプレイの場合、明るいところでは外光の反射によって視認され、暗いところではバックライトの透過光によって視認されることで昼夜良好な画像コントラストを得ることができる。また、暗いところでしかバックライトを用いないために透過型液晶と比較して消費電力を抑えることができる。
【0008】
しかし、従来の半透過反射フィルムを用いた半透過型液晶ディスプレイにおいて透過・反射の両方の特性を満たすのは容易ではない。反射モードでの視認性を高めるためには、反射光が鏡面反射とならないためにある程度の光拡散性が必要である。
【0009】
しかしながら反射光における拡散光成分が大きすぎると、一度偏光板を透過した光の偏光軸が半透過反射フィルムでの反射時に乱され、再び偏光板を通過できる光の割合が少なくなってしまうという偏光解消の問題が生じて十分な反射光が得られず、反射モードでの視認性が低下する。
【0010】
また、透過光における拡散光成分が大きすぎると直線光透過率が低くなり、透過モードでの視認性が低下する。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−282338号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を回避するためには反射光・透過光における拡散光成分を高度に制御することが重要である。
【0013】
本発明の目的は半透過反射層に添加する顔料の濃度と半透過反射層の厚みを制御し、かつヘーズの低いプラスチックフィルムをベースフィルムとして用いることによって、透過光および反射光の適度な拡散性を保ちかつ高直線光透過率と低偏光解消度を両立し、透過・反射の両モードにおいて視認性の高い半透過反射板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ヘーズ1%以下のプラスチックフィルムの少なくとも片側の面に、平均粒径3〜60μmかつ平均厚み10〜100nmのパール顔料を10〜70重量%の濃度で含有する層厚2〜38μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルムである。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
[パール顔料]
パール顔料は、マイカの表面が酸化チタンに被覆された粒子であり、マイカ表面が二酸化チタンと低次酸化チタン、または低次酸化チタンを含むチタン化合物で被覆された粒子であることが好ましい。この粒子の表面は二酸化チタンで被覆されていることが好ましい。
【0017】
パール顔料の平均粒径は3〜60μmである。この平均粒径は、平板状面の直径を平均粒径とした値である。平均粒径が3μm未満であると透過および反射の拡散成分が大きくなりすぎ、視認性が低下し、60μmを越えると滑らかな塗工外観を保つことが困難となり、視認性の低下の原因となる。パール顔料の平均厚みは10〜100nmである。
【0018】
パール顔料の表面はバインダー樹脂との密着性を向上させるための処理をされていることが好ましい。表面処理としては、例えばシランカップリング剤処理、チタンカップリング処理が例示される。
【0019】
[バインダー]
パール顔料は、バインダーに分散含有されて、半透過反射層を構成する。バインダーには樹脂を用いることができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂を用いることができる。好ましいバインダーは、熱可塑性樹脂のうち熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂;熱硬化性樹脂のうちのアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂である。
【0020】
熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化前のガラス転移温度が10℃〜90℃、さらに10℃〜60℃のものが好ましい。このような樹脂は、軟質であり、塗膜内で応力が分散されるために塗膜自体の強度が向上するため、半透過反射層を構成する材料として好ましい。
【0021】
バインダーの樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよい。
【0022】
熱硬化性樹脂の架橋剤として、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、アクリルアミド系の化合物、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物を含有することが好ましい。
【0023】
[パール顔料とバインダ−の比率]
パール顔料は半透過反射層中に、10〜70重量%の濃度で含有される。半透過反射層は、パール顔料とバインダーから構成されるが、反射および透過双方での十分な視認性を確保するために、パール顔料とバインダーの重量比率は、10/90〜70/30、好ましくは20/80〜60/40である。さらに好ましくは30/70〜50/50である。パール顔料の比率が10/90より小さいと十分な光線反射が得られず反射での視認性が低下する。70/30を超えると半透過反射層内での顔料の単位体積当たりに占める割合が低くなり、塗工時のシェアによって顔料の十分な配向が起こりにくく拡散反射光成分が大きくなるために、偏光板貼り合せ時の偏光解消度が大きくなり、良好な視認性を得ることができず、また、十分な全光線透過率が得られずに透過での視認性が不足し、滑らかな塗工外観を実現するのが困難となり安定した品質が得られない。
【0024】
[界面活性剤]
パール顔料をバインダーに分散含有させて塗料を作製する際には、パール顔料の分散性を向上させ、安定化させるために、バインダーに界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、脂肪酸トリグリセライド、Zn−ナフテネート、Ca−ナフテネート、Cu−オレート、オレイン酸、Na−ラウリルサルフェート、Na−オクチルスルフォサクシネート、Na−アルキリルサルフェートを例示することができる。
【0025】
[厚み]
半透過反射層は、2〜38μm、好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmの厚みを有する。厚みが2μm未満では、顔料濃度を高くしなければ透過率と反射率の両立させて、良好な視認性を達成することが困難であり、顔料濃度を高くするとわずかな塗装厚みの斑が筋状に見えやすくなり、良好な外観を得ることが困難になる。厚みが38μmを超えると、塗膜中の残留溶媒を除くための乾燥工程に時間がかかり、生産性が低下し、顔料の体積効果による配向が促進されなくなり、拡散光成分が大きくなり、偏光解消度が大きくなりすぎる。
【0026】
[全光線反射率と全光線透過率]
本発明の半透過反射フィルムは、波長550nmにおける全光線反射率が40%以上、全光線透過率が20%以上、かつ全光線反射率と全光線透過率の和が80%を越える。
【0027】
本発明の半透過反射フィルムは、反射光での十分な視認性を得るために、半透過反射フィルムのみでの波長550nmにおける全光線反射率が、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。偏光板と貼り合わされたときの全光線反射率として、好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上である。全光線反射率が上述の値に満たないと反射光での十分な視認性は得られない。
【0028】
本発明の半透過反射フィルムは、透過光での十分な視認性を得るために、半透過反射フィルムのみで550nmにおける全光線透過率が、好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上である。偏光板と貼り合わされたときの全光線透過率として、好ましくは7%以上、さらに好ましくは9%以上である。全光線透過率が上述の数値に満たないと透過光での視認性が十分に得られない。
【0029】
本発明の半透過反射フィルムは、透過光および反射光の両方において十分に明るく、視認性に優れた表示装置を得るために、半透過反射フィルムのみにおいて全光線反射率と全光線透過率との和が、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。偏光板と貼り合わされたときの全光線反射率と全光線透過率の和として、好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上である。全光線反射率と全光線透過率の和が上述の数値に満たないと透過視認性あるいは反射視認性のどちらかが優れていても他方が劣ることになり、半透過反射層として十分な性能を満たせない。
【0030】
[偏光解消度]
本発明の半透過反射フィルムは、偏光解消度が20%以下である。この偏光解消度は次の式で定義される。
【0031】
【数3】
偏光解消度(%)={(理論反射率―実測反射率)/理論反射率}×100
理論反射率は、拡散反射しない鏡面体単体とそれに偏光板を貼り合せたものの全光線反射率を測ることで、偏光板を2回通過することによる光取り出し効率の係数(用いる偏光板固有の値)を求め、その係数を半透過反射フィルム単体の全光線反射率にかけることで算出される値である。すなわち下記式で表される。
【0032】
【数4】
理論反射率(%)={(鏡面体の偏光板貼り合せ時の全光線反射率)/(鏡面体のみの全光線反射率)}×100
ここで、レファレンスとして用いられる鏡面体としては、アルミニウム蒸着鏡が好ましい。
【0033】
[粘着層]
半透過反射フィルムは、粘着層を介して液晶表示部またはバックライトと貼り合わすことができる。そのために、半透過反射フィルムは、粘着層を備えることが好ましい。粘着剤には、例えば、アクリル系、ゴム系、ウレタン系の粘着剤を用いることができる。
【0034】
[ハードコート層]
半透過反射フィルムが液晶表示部またはバックライト部に貼り合わされた中間部品の状態で、中間部品が積層され、または運搬されるときに、半透過反射フィルムの表面に傷が入ることがあり、この傷の発生は最終製品の歩留まりを低下させる。傷の発生を防止するために、半透過反射フィルムはハードコート層を備えることが好ましい。
【0035】
ハードコート層としては、例えばシラン系、放射線硬化系の通常用いられるハードコート層が挙ることができるが、特に放射線硬化系のハードコート層が好ましく、中でもUV硬化系のハードコート層が好ましく用いられる。
【0036】
ハードコート層の形成に用いるUV硬化系組成物としては、例えば、ウレタン―アクリレート系、エポキシ―アクリレート系、ポリエステル―アクリレート系のUV硬化性組成物を用いることができる。
【0037】
ハードコート層を積層するには、半透過反射フィルムの少なくとも片面上に組成物を塗布し、加熱、放射線(例えば紫外線)照射等により該組成物を硬化させればよい。
【0038】
ハードコート層の厚みは、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmである。0.5μm未満であると十分なハードコート性が得られず、10μmを超えるとブロッキングを起こしやすくなり好ましくない。
【0039】
[プラスチックフィルム]
本発明におけるプラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。このフィルムとして、ポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルムを例示することができる。これらのプラスチックフィルムのうち、機械特性や透明性の点からポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0040】
[ポリエステルフィルム]
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分とからなる結晶性の線状飽和ポリエステルであることが好ましい。このようなポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを例示することができる。
【0041】
ポリエステルを用いる場合、ポリエステルは、ホモポリマーであってもよく、フィルムの耐熱変形性を損なわない範囲で共重合成分を少量(例えば10モル%以下、特に5モル%以下)共重合したコポリマーであってもよい。
【0042】
共重合成分を用いる場合、共重合成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;例えばシュウ酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;例えばジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールを例示することができる。
【0043】
また、ポリエステルポリマーは、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸等のような3官能以上の成分を極小量(実質的に線状のポリマーが得られる範囲)共重合したものであってもよい。
【0044】
さらに、ポリエステルポリマーは、その耐加水分解性を向上させるために例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコール等の一官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであってもよい。
【0045】
ポリエステルフィルムは逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法等の公知の方法で製造することができる。例えば、逐次二軸延伸法では、上記ポリエステルを乾燥後溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得、続いて該未延伸フィルムを縦方向に2〜6倍の範囲で延伸し、次いで横方向に2〜5倍の範囲で延伸を行ない、さらに160〜260℃で5秒〜1分間熱固定することで製造することができる。なお、この熱固定は制限収縮下に行なってもよい。また溶融押出しの際、静電密着法を使用することが好ましい。
【0046】
さらに、二軸延伸ポリエステルフィルムの等方性を良好なものとするために、前述の縦方向および横方向の延伸倍率をほぼ同じにすることが好ましい。
【0047】
プラスチックフィルム、特にポリエステルフィルムは、表面粗さ(Ra)が15〜400nmであると良好な耐擦傷性を備えるので好ましく、また、波長550nmにおける全光線透過率が60%以上であると良好な透明性を備えるので好ましい。
【0048】
プラスチックフィルム、特にポリエステルフィルムに微粒子を添加することにより、上述の表面粗さと透明性を得ることができる。微粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微粒子、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、架橋シリコーン樹脂等の有機微粒子を例示することができる。
【0049】
これら微粒子の組成・添加量などによってプラスチックフィルムのヘーズは決定されるが、半透過反射フィルムとして透過モードでの高い視認性を得るためにはベースフィルムとしてのプラスチックフィルムのヘーズが1%以下であることが必要となる。
【0050】
プラスチックフィルムのRaが15nm未満であると半透過反射フィルムの塗工されていない面の耐擦傷性が不十分となり、積層状態での搬送時に擦り傷が入ってしまい好ましくない。Raが400nmを超えるとパール顔料の配向を妨げてしまい、さらに、透過率が著しく低下し、透過光による十分な視認性が得られ難くなり好ましくない。
【0051】
プラスチックフィルムには、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を配合することができる。
【0052】
帯電防止剤は、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性を有する各種カチオン性帯電防止剤;スルホン酸塩基、硝酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性を有するアニオン性帯電防止剤;アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤;アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等の各種界面活性剤型帯電防止剤;これらを高分子化した帯電防止剤を使用することができる。
【0053】
また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマー;スズ、アンチモン等の酸化物系フィラーを分散含有させてもよい。
【0054】
プラスチックフィルムには、帯電防止層を設けてもよく、帯電防止層を設ける方法として、銀、スズ等の金属層を気相成長法や真空蒸着法、スパッタ法またはプラズマCVD法を適用することができる。
【0055】
添加剤は、プラスチックフィルム自体に添加してもよく、例えば重合段階で添加してもよく、また製膜の際に添加してもよい。
【0056】
[半透過反射層の形成]
本発明における半透過反射層の形成方法をプラスチックフィルムとして二軸配向ポリエステルフィルムを用いた場合を例に説明する。
【0057】
半透過反射層を形成するためには、二軸配向ポリエステルフィルムの結晶配向が完了する前の製膜時または結晶配向が完了した製膜後に、半透過反射層を形成する塗液を塗布すればよい。二軸配向ポリエステルフィルムへの塗布方法としては、任意の公知の方法が使用でき、例えばリップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法等が好ましく挙げられる。
【0058】
熱硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、半透過反射層の塗設はそれぞれを形成する成分を含む塗液を基材に塗布し、加熱乾燥させて塗膜を形成させる。加熱条件としては80〜160℃で10〜120秒間、特に100〜150℃で20〜60秒間が好ましい。
【0059】
UV硬化性樹脂またはEB硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、一般的には予備乾燥を行った後、紫外線照射または電子線照射を行なう。
【0060】
また、塗液を二軸配向ポリエステルフィルムに塗布する際は、必要に応じて、密着性、塗工性を向上させるための予備処理として、二軸配向ポリエステルフィルム表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施すか、または、製膜中または製膜後に有機樹脂系や無機樹脂系の塗料を塗布する化学的表面処理を施すことが好ましい。
【0061】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。
なお、測定および評価は下記の方法で行なった。「部」は重量部を意味する。
【0062】
(1)全光線反射率、全光線透過率および直線光透過率
紫外・可視分光光度計(島津製作所製、製品名UV−3101PC)を用い、波長550nmにおける全光線透過率、全光線反射率および直線光透過率を測定した。測定は半透過反射フィルム単体についてと偏光板と張り合わせたものについて行った。
【0063】
(2)偏光解消度
紫外・可視分光光度計(島津製作所製、製品名UV−3101PC)を用い、基準鏡の波長550nmにおける全光線反射率を測定した(反射率R1)。次に基準鏡に偏光板を貼り合せて、波長550nmにおける全光線反射率を測定した(反射率R2)。R2/R1を算出して偏光板の反射光取り出し効率とした。この係数を半透過反射フィルム単体の全光線反射率測定値にかけることで全光線反射率理論値RTHEを求めた。半透過反射フィルムに偏光板を貼り付けたものの全光線反射率実測値RREAをRTHEで割ることで偏光解消度を算出した。
【0064】
(3)ヘーズ
日本電色工業製ヘーズ測定装置NDH2000を用いてJIS K6714−1958に従い、全光線透過率Tt(%)と散乱光透過率Td(%)を求め、ヘーズ((Td/Tt)×100)(%)を算出した。
【0065】
〔実施例1〕
アクリルポリオール樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、A801P)40部、イソシアネート硬化剤(大日本インキ化学工業株式会社製、DN981)5部およびシランカップリング処理されていないパール顔料(イリオジン123)を60部にメチルエチルケトンを加え初期粘度を0.03mPa・sに調整し分散させたものに、メチルエチルケトン70部とメチルイソブチルケトン30部の混合溶剤を加え、粘度0.002mPa・sの半透過反射層塗工液を調整した。
【0066】
この塗工液を二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、HS−50μm、ヘーズ0.9)の片面にバーコーターを用いて塗布し、130℃、1分間乾燥させ厚さ約5μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルムを得た。得られた半透過反射フィルムの特性を表1に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2004144881
【0068】
〔実施例2〕
アクリルポリオール樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、A801P)52部、イソシアネート硬化剤(大日本インキ化学工業株式会社製、DN981)8部およびシランカップリング処理されていないパール顔料(イリオジン123)40部にメチルエチルケトンを加え初期粘度を0.03mPa・sに調整し分散させたものに、メチルエチルケトン70部とメチルイソブチルケトン30部の混合溶剤を加え、粘度0.002mPa・sの半透過反射層塗工液を調整した。
【0069】
この塗工液を二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、HS−50μm、ヘーズ0.9)の片面にバーコーターを用いて塗布し、130℃、1分間乾燥させ厚さ約7μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルムを得た。得られた半透過反射フィルムの特性を表1に示す。
【0070】
〔比較例1〕
アクリルポリオール樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、A801P)65部、イソシアネート硬化剤(大日本インキ化学工業株式会社製、DN981)10部およびシランカップリング処理されていないパール顔料(イリオジン123)25部にメチルエチルケトンを加え初期粘度を0.03mPa・sに調整し分散させたものに、メチルエチルケトン70部とメチルイソブチルケトン30部の混合溶剤を加え、粘度0.002mPa・sの半透過反射層塗工液を調整した。この塗工液を二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、HS−50μm、ヘーズ0.9)の片面にバーコーターを用いて塗布し、130℃、1分間乾燥させ厚さ約11μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルムを得た。得られた半透過反射フィルムの特性を表1に示す。
【0071】
〔比較例2〕
アクリルポリオール樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、A801P)65部、イソシアネート硬化剤(大日本インキ化学工業株式会社製、DN981)10部およびシランカップリング処理されていないパール顔料(イリオジン123)25部にメチルエチルケトンを加え初期粘度を0.05mPa・sに調整し分散させたものに、メチルエチルケトン70部とメチルイソブチルケトン30部の混合溶剤を加え、粘度0.03mPa・sの半透過反射層塗工液を調整した。
【0072】
この塗工液を二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、HS−50μm、ヘーズ0.9)の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃、1分間乾燥させ厚さ約12μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルムを得た。得られた半透過反射フィルムの特性を表1に示す。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、透過光および反射光の適度な拡散性を保ち、かつ偏光解消度の小さい、偏光板貼り合せ時の光利用効率の高い半透過反射板を提供することができる。本発明の半透過反射フィルムは、液晶表示の用途に特に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. ヘーズ1%以下のプラスチックフィルムの少なくとも片側の面に、平均粒径3〜60μmかつ平均厚み10〜100nmのパール顔料を10〜70重量%の濃度で含有する層厚2〜38μmの半透過反射層を有する半透過反射フィルム。
  2. 偏光板と貼り合せたときの反射光について下記式で表される偏光解消度の値が20%以下である、請求項1記載の半透過反射フィルム。
    【数1】
    偏光解消度(%)={(理論反射率―実測反射率)/理論反射率}×100
  3. 波長550nmにおける直線光透過率(Tp)と全光線透過率(Tt)が下記式を満足する、請求項1記載の半透過反射フィルム。
    【数2】
    (直線光線透過率(Tp)/全光線透過率(Tt))≧0.05
  4. 波長550nmにおける全光線反射率が40%以上、全光線透過率が20%以上、かつ全光線反射率と全光線透過率の和が80%を越える、請求項1記載の半透過反射フィルム。
  5. 液晶表示装置の光源部に用いられる請求項1記載の半透過反射フィルム。
  6. さらに粘着層を有する請求項1記載の半透過反射フィルム。
  7. さらにハードコート層を有する請求項1記載の半透過反射フィルム。
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