JP2012212120A - 偏光子保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】表面にツヤを有しながら、光拡散層の表面での反射光と、光拡散層と基材フィルムの界面で反射光との干渉による虹ムラの発生が抑制された偏光子保護フィルムを提供する。
【解決手段】透過画像鮮明度測定試験における反射画像鮮明度C(%)の総和値R(%)が以下の式(1)の関係を満たし、かつ全ヘイズ値H(%)が以下の式(2)の関係を満たす、光拡散層を有する偏光子保護フィルムを提供する。総和値Rは、光学くしの幅n(mm)が、それぞれ0.5、1、2である場合の反射画像鮮明度C0.5、C、Cの総和値である。
120≦R≦185 式(1)
40≦H≦60 式(2)
【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散層を有する偏光子保護フィルムに関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の画像表示装置の表示面には、表面の引っ掻き傷を防止するため、高硬度性能を有する保護フィルムが一般に設けられている。
高硬度性能を有する保護フィルムは、一般的に基材フィルム上にハードコート層を設けて作製される(たとえば、特許文献1参照)。基材フィルムとしては、機械的強度、耐久性、コスト面で優れることから、たとえば、ポリエステル系樹脂からなるフィルムが好適に用いられている。
特開平8−197670号公報
上述のような保護フィルムにおいては、ハードコート層が薄層であるため、ハードコート層と空気との界面での反射光と、ハードコート層と基材フィルムとの界面での反射光とが干渉することにより、虹ムラが生じる場合があり、画像表示装置の表示品質および外観品質が低下するという問題があった。特に、ポリエステル系樹脂からなるフィルムを基材フィルムとして用いた保護フィルムのような、基材フィルムとハードコート層との屈折率差が大きな保護フィルムにおいては、ハードコート層と基材フィルムとの界面での反射光の強度が大きいため、反射光による虹ムラが生じやすいという問題があった。
特許文献1には、基材フィルムのハードコート層が形成される面の表面平均粗さを0.01〜5.0μmとすることにより、ハードコート層と基材フィルムとの界面での反射光の進行方向をばらつかせ、ハードコート層と空気との界面での反射光と干渉させないようにすることが記載されている。しかしながら、基材フィルムの表面への凹凸形状の付与は、一般的にオフライン加工によるためコストが高くなる場合がある。
本発明は、煩雑な作製工程を必要としない構成であって、反射光による虹ムラが抑制され視認性が良好な偏光子保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、反射光による虹ムラの発生が反射画像鮮明度にも相関があることを見出しなされたものである。すなわち、本発明は、反射画像鮮明度測定試験における反射画像鮮明度C(%)の総和値R(%)が以下の式(1):
120≦R≦185 式(1)
の関係を満たし、かつ全ヘイズ値H(%)が以下の式(2):
40≦H≦60 式(2)
の関係を満たす、光拡散層を有する偏光子保護フィルムを提供する。
上記反射画像鮮明度測定試験は、偏光子保護フィルムの試験片の反射光の光量を、反射光の光線軸に直交し、速度10mm/minで移動する幅n(mm)の光学くしを通して測定するものである。反射画像鮮明度C(%)は、上記反射画像鮮明度測定試験において光線軸上に光学くしの透過部分があるときの反射光量の最高値をM、光線軸上に光学くしの遮光部分があるときの反射光量の最小値をmとした場合に、以下の式(3):
={(M−m)/(M+m)}×100 式(3)
で算出される。総和値Rは、光学くしの幅n(mm)が、それぞれ0.5、1、2である場合の反射画像鮮明度C0.5、C、Cの総和値である。
上記偏光子保護フィルムは、好ましくは、基材フィルムと、光拡散層とが積層された構成であり、当該基材フィルムと当該光拡散層との屈折率差は0.03以上である。当該基材フィルムの屈折率は、好ましくは1.59以上である。当該基材フィルムは、好ましくは、ポリエステル系樹脂を主成分とする。当該基材フィルムの厚みは、好ましくは50μm以下である。
上記偏光子保護フィルムは、好ましくは、上記光拡散層が、透光性樹脂と透光性微粒子を含む構成である。当該光拡散層の層厚は、好ましくは、10μm以上20μm以下である。当該透光性微粒子は、好ましくは、重量平均粒径が3〜5.5μmの第1透光性微粒子と、重量平均粒径が7.2〜9μmの第2透光性微粒子とを含む。
上記光拡散層は、透光性樹脂および透光性微粒子を含有する塗工液を塗工して塗工層を形成する塗工工程と、塗工層の表面に平坦面を押し当て塗工層を圧縮する圧縮工程と、塗工層を硬化する硬化工程とを有する方法により形成されたものであることが好ましい。上記光拡散層は、透光性微粒子の体積充填率が、好ましくは40%以上である。
本発明の偏光子保護フィルムよると、反射光による虹ムラの発生が抑制され、表面にツヤがある、外観品質,表示品質の良好な画像表示装置を構成することが可能となる。
本発明の偏光子保護フィルムの好ましい例を示す概略断面図である。
[偏光子保護フィルム]
本発明の偏光子保護フィルムは、光拡散層を有する。光拡散層は、たとえば基材フィルム上に積層されている。偏光子保護フィルムは、上述の光拡散層および基材フィルム以外の別の層を有してもよい。
図1は、本発明の保護フィルムの好ましい例を示す概略断面図である。本発明に係る図1に示される偏光子保護フィルム100は、基材フィルム101と、基材フィルム101上に積層された光拡散層102とを備える。光拡散層102は、透光性樹脂103を基材とする層であって、透光性樹脂103中に透光性微粒子104が分散されてなる。以下、本発明の偏光子保護フィルムについて、さらに詳細に説明する。
<偏光子保護フィルムの光学特性>
本発明の偏光子保護フィルムは、反射画像鮮明度測定試験における反射画像鮮明度C(%)の総和値R(%)が以下の式(1):
120≦R≦185 式(1)
の関係を満たし、かつ全ヘイズ値H(%)が以下の式(2):
40≦H≦60 式(2)
の関係を満たす。
上記反射画像鮮明度測定試験は、試験片(偏光子保護フィルム)の反射光の光量を、反射光の光線軸に直交し、速度10mm/minで移動する幅n(mm)の光学くしを通して測定するものである。具体的には、写像性測定器(スガ試験機(株)製)を用いて測定する。写像性測定器は、スリットを透過した光を平行光線として、試験片に垂直に入射させ、その反射光を移動する光学くしを通して検知する光学装置と、検知した光量の変動を波形として記録する計測系装置とから構成される。光学くしは、明部と暗部の幅の比が1:1で、その幅n(mm)は、0.5、1、2の3種類とし、移動速度は10mm/minとする。
反射画像鮮明度C(%)は、反射画像鮮明度測定試験において光線軸上に光学くしの透過部分(明部)があるときの反射光量の最高値をM、光線軸上に光学くしの遮光部分(暗部)があるときの反射光量の最小値をmとした場合に、下記の式(3):
={(M−m)/(M+m)}×100 式(3)
で算出される。
総和値R(%)は、光学くしの幅n(mm)が、それぞれ0.5、1、2である場合の3つの反射画像鮮明度C0.5(%)、C(%)、C(%)の総和値であり、したがって取りうる最大値は300%である。
総和値R(%)が上記式(1)の関係を満たし、全ヘイズ値H(%)が上記式(2)の関係を満たすことにより、表面にツヤがあり、かつ反射光による虹ムラの発生が抑制された偏光子保護フィルムを提供することが可能となる。
ここで、「全ヘイズ値」とは、偏光子保護フィルムに光を照射して透過した光線の全量を表す全光線透過率Ttと、偏光子保護フィルムにより拡散されて透過した拡散光線透過率Tdとの比から以下の式(4):
全ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100 (4)
により求められる。
全光線透過率Ttは、入射光と同軸のまま透過した平行光線透過率Tpと拡散光線透過率Tdの和である。全光線透過率Ttおよび拡散光線透過率Tdは、JIS K 7361に準拠して測定される値である。
偏光子保護フィルムの全ヘイズ値は、具体的には次のようにして測定される。すなわち、まず、フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、偏光子保護フィルムを光拡散層102が表面となるように基材フィルム101側をガラス基板に貼合して試験片を作製し、当該試験片について全ヘイズ値を測定する。全ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠したヘイズ透過率計(たとえば、(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」)を用いて、全光線透過率Ttおよび拡散光線透過率(Td)を測定し、上記式(4)によって算出される。
<光拡散層>
図1に示す偏光子保護フィルム100は、基材フィルム101上に積層された光拡散層102を備える。光拡散層102は、透光性樹脂103を基材とする層であって、透光性樹脂103中に透光性微粒子104が分散されてなる。なお、基材フィルム101と光拡散層102との間に他の層(接着剤層を含む)を有していてもよい。
透光性樹脂103としては、透光性を有するものであれば特に限定はなく、たとえば、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂の硬化物、熱可塑性樹脂、金属アルコキシドの硬化物などを用いることができる。電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂または金属アルコキシドを用いる場合は、電離放射線の照射または加熱により当該樹脂を硬化させて透光性樹脂103が形成される。この中でも、高い硬度を有し、液晶表示装置表面に設ける偏光子保護フィルムとして用いる場合に、高い耐擦傷性を付与できることから、電離放射線硬化型樹脂が好適である。
電離放射線硬化型樹脂としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート;ジイソシアネートと多価アルコールおよびアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等とから合成されるような多官能のウレタンアクリレートなどが挙げられる。また、これらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。
熱硬化型樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化型ウレタン樹脂のほか、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルおよびその共重合体、塩化ビニルおよびその共重合体、塩化ビニリデンおよびその共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;アクリル樹脂およびその共重合体、メタクリル樹脂およびその共重合体等のアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、珪素アルコキシド系の材料を原料とする酸化珪素系マトリックス等を使用することができる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等であり、加水分解や脱水縮合により無機系または有機無機複合系マトリックス(透光性樹脂)とすることができる。
また、本発明で使用する透光性微粒子104としては、透光性を有する有機微粒子または無機微粒子を用いることができる。たとえば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等からなる有機微粒子や、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス等からなる無機微粒子等が挙げられる。また、有機重合体のバルーンやガラス中空ビーズも使用できる。透光性微粒子104は、1種類の微粒子から構成されていてもよいし、2種類以上の微粒子を含んでいてもよい。透光性微粒子104の形状は、球状、扁平状、板状、針状、不定形状等いずれであってもよいが、球状または略球状が好ましい。
透光性微粒子104の充填率は、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。透光性微粒子104の充填率がこの範囲内にあることにより、上記式(1)および(2)の関係を満たす偏光子保護フィルムの作製が容易となる。本明細書でいう透光性微粒子104の充填率は、次のように算出する。まず、光学顕微鏡によって光拡散層102の画像を取得し、50μm×50μの領域を無作為に選定し透光性微粒子104の数を計測し(5回平均)、総微粒子数を透光性微粒子の配合によって分け、各微粒子の体積から微粒子が占める総体積を算出する。そして、光拡散層102の平均層厚を測定し、50μm×50μmの面積を掛け、測定領域における光拡散層の総体積とする。透光性微粒子104が占める総体積を光拡散層の総体積で除し、100を掛けることによって透光性微粒子104の充填率を得る。
ここで、透光性微粒子104の重量平均粒径は、0.5μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上9μm以下であることがより好ましい。透光性微粒子104の重量平均粒径が0.5μm未満であると、波長領域が380nmから800nmの可視光を十分に散乱しない場合がある。また、重量平均粒径が15μmを超える場合、光拡散層102全体の厚みが厚くなり、ディスプレイの薄型化の妨げとなる場合がある。なお、透光性微粒子104の重量平均粒径は、コールター原理(細孔電気抵抗法)を用いたコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用いて測定される。
透光性微粒子104は、重量平均粒径が3〜5.5μの第1透光性微粒子と、重量平均粒径が7.2〜9μmの第2透光性微粒子とを含むことが好ましい。このような2種類の透光性微粒子104を配合することにより、透光性微粒子104の充填率を40%以上、さらには50%以上とすることが容易となる。また、透光性樹脂および透光性微粒子を含有する塗工液を塗工して塗工層を形成する塗工工程と、塗工層の表面に平坦面を押し当て塗工層を圧縮する圧縮工程と、塗工層を硬化する硬化工程とを有する方法により光拡散層を形成することによっても、透光性樹脂中103の透光性微粒子104の充填率を40%以上、さらには50%以上とすることが容易となり、上記式(1)および(2)の関係を満たすように偏光子保護フィルムを作製することが容易となる。当該平坦面は、均一な平面を有しているものであれば限定されることはなく、たとえば、ガラス、金属などからなる、板状またはロール状のものを用いることができる。
透光性微粒子104の屈折率は、透光性樹脂103の屈折率よりも大きくすることが好ましく、その差は0.04から0.15の範囲が好ましい。透光性微粒子104と透光性樹脂103との屈折率差を上記範囲内とすることによって、透光性微粒子104と透光性樹脂103との屈折率差による適度な内部散乱が生じ、偏光子保護フィルムの全ヘイズ値を上記式(2)の関係を満たすように制御することが容易になる。
また、光拡散層の表面(基材フィルム101とは反対側の表面)は、透光性樹脂103のみによって形成されていることが好ましい。すなわち、透光性微粒子104は、光拡散層102表面から突出しておらず、完全に光拡散層102内に埋没していることが好ましい。光拡散層102表面から透光性微粒子104が突出すると、反射画像鮮明度の総和値が上記(1)の関係を満たすように偏光子保護フィルムを作製することが難しい場合がある。
光拡散層102の層厚は、10μm以上20μm以下であることが好ましい。10μm未満の場合、透光性微粒粒子104が光拡散層102の表面から突出することがある。一方、20μmを超えると、偏光子保護フィルム全体が厚くなり、カールしやすくなったり、割れやすくなったりするため、取り扱いの点で不利である。
なお、本発明の偏光子保護フィルムは、図1に示す光拡散層102上(基材フィルム101とは反対側の面)に積層された反射防止層をさらに備えていてもよい。反射防止層は、反射率を限りなく低くするために設けられるものであり、反射防止層の形成により、表示画面への映り込みを防止することができる。反射防止層としては、光拡散層102の屈折率よりも低い材料から構成された低屈折率層;光拡散層102の屈折率より高い材料から構成された高屈折率層と、この高屈折率層の屈折率より低い材料から構成された低屈折率層との積層構造などを挙げることができる。
<基材フィルム>
基材フィルム101は、材料は限定されないが、好ましくは屈折率の高い材料からなる。具体的には、基材フィルム101の屈折率は1.59以上であることが好ましい。また、基材フィルム101と光拡散層102との界面の屈折率差が0.03以上である基材フィルム101が好ましい。
基材フィルム101の材料は特に限定されず、公知の材質を使用できる。たとえば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレートのようなアクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂のような環状オレフィン系樹脂などを包含する合成高分子、また、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースのようなセルロース系樹脂などを包含する天然高分子が挙げられる。基材フィルム101は、無色透明であることが好ましいが、面の識別などを目的として、欠陥検出性に支障のない範囲で、有色であっても半透明であってもよい。
上述の材料を用いて基材フィルム101を製造する方法は特に限定されることはなく、溶剤キャスト法、押出法など、公知の方法により製造することができる。また、フィルム成形後に、一軸延伸または二軸延伸等の延伸処理を施した基材フィルム101を用いることができる。面内のレタデーション値Rが上述の範囲内である基材フィルム101として、好ましくは延伸処理を施したポリエステル系樹脂からなる基材フィルム101が用いられる。たとえば、延伸処理を施したポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム101が挙げられる。
延伸は、通常、フィルムロールを巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールの進行方向、その進行方向と垂直の方向、またはその両方へ延伸される。加熱炉の温度は、通常、基材フィルム101を構成する樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃までの範囲である。
基材フィルム101として用いられるポリエステルフィルムは、ポリエステルを主成分とするフィルムであり、ポリエステルを主成分とする単層フィルムであってもよいし、ポリエステルを主成分とする層を有する多層フィルムであってもよい。また、これら単層フィルム又は多層フィルムの両面又は片面に表面処理が施されたものであってもよく、この表面処理は、コロナ処理、ケン化処理、熱処理、紫外線照射、電子線照射等による表面改質であってもよいし、高分子や金属等の塗布や蒸着等による薄膜形成であってもよい。ポリエステルフィルム全体に占めるポリエステルの重量割合は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
ポリエステルとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
ポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する構成単位と、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する構成単位とを有するポリエステルであり、全繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるのが好ましく、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、4,4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等のジカルボン酸成分や、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分が挙げられる。
これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、上記カルボン酸成分やジオール成分と共に、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分及び/又はジオール成分が用いられていてもよい。ポリエチレンテレフタレートの製造法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸及び/又は他のジオールを直接反応させるいわゆる直接重合法や、テレフタル酸のジメチルエステルとエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸のジメチルエステル及び/又は他のジオールをエステル交換反応させる、いわゆるエステル交換反応法等の任意の製造法を適用することができる。
ポリエステルには、必要に応じて公知の添加剤を配合してもよく、その例としては、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤が挙げられる。ただし、ポリエステルフィルムを防眩フィルムの基材フィルムとして用いる場合は、一般に透明性が必要とされるため、添加剤の添加量は最小限にとどめておくことが好ましい。
ポリエステルフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されていることが好ましい(このように一軸延伸又は二軸延伸されたポリエステルフィルムを以下単に「延伸ポリエステルフィルム」とも記す)。延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コスト等に優れたフィルムであり、このようなポリエステルフィルムを用いた光学フィルムは、機械的強度等に優れるとともに、厚みの低減を図ることができる。
ポリエステルをフィルム状に成形し、一軸延伸処理又は二軸延伸処理を施すことにより、延伸されたポリエステルフィルムを作製することができる。延伸処理を行うことにより、機械的強度の高いポリエステルフィルムを得ることができる。延伸されたポリエステルフィルムの作製方法は任意であり、特に限定されるものではないが、たとえば一軸延伸ポリエステルフィルムとしては、ポリエステルを溶融し、シート状に押出し成形された無配向フィルムを、ガラス転移温度以上の温度においてテンターで横延伸後、熱固定処理を施す方法を挙げることができる。また、二軸延伸ポリエステルフィルムでは、ポリエステルを溶融し、シート状に押出し成形された無配向フィルムを、ガラス転移温度以上の温度においてテンターで縦延伸後、熱固定処理を施し、次いで横延伸後、熱固定処理を施す方法を挙げることができる。この場合、延伸温度は通常80〜130℃、好ましくは90〜120℃であり、延伸倍率は通常2.5〜6倍、好ましくは3〜5.5倍である。延伸倍率が低いと、ポリエステルフィルムが十分な透明性を示さない傾向にある。
また、配向主軸の歪みを低減するために、延伸後熱固定処理を行う前に、ポリエステルフィルムを弛緩処理することが望ましい。弛緩処理時の温度は通常90〜200℃、好ましくは120〜180℃である。弛緩量は、延伸条件によって異なり、弛緩処理後のポリエステルフィルムの、150℃における熱収縮率が2%以下になるように弛緩量及び弛緩処理時の温度を設定することが好ましい。
熱固定処理温度は180〜250℃とすることができ、好ましくは200〜245℃である。熱固定処理においては、まず定長で熱固定処理を行った後、配向主軸の歪みが低減され、耐熱性等の強度を向上させるために、さらに幅方向の弛緩処理を行うことが好ましい。この場合の弛緩量は、弛緩処理後のポリエステルフィルムの、150℃における熱収縮率が1〜10%となるように調整されることが好ましく、より好ましくは2〜5%である。本発明において用いられる延伸ポリエステルフィルムの配向主軸の歪みの最大値は、通常10度以下、好ましくは8度以下、さらに好ましくは5度以下である。配向主軸の最大値が10度より大きいと、液晶表示画面に貼合したときに色付不良が大きくなる傾向にある。なお、延伸ポリエステルフィルムの「配向主軸の歪みの最大値」は、たとえば、大塚電子株式会社製の位相差フィルム検査装置RETSシステムにより測定することができる。
基材フィルム101の厚みは、20〜100μmとすることが好ましく、30〜50μmとすることがより好ましい。基材フィルム101の厚みが20μm未満であると、ハンドリングしにくい傾向にあり、厚みが100μmを超えると、薄肉化のメリットが薄れる傾向にある。
<偏光子保護フィルムの製造方法>
次に、図1に示す偏光子保護フィルムを製造するための方法について説明する。偏光子保護フィルム100は、好ましくは、次の工程(A)および(B)を含む方法によって製造される。
(A)基材フィルム101上に、透光性微粒子104が分散された、透光性樹脂を含有する塗工液を塗工して塗工層を形成する塗工工程、および、
(B)上記塗工層を硬化する硬化工程。
上記工程(A)で用いる塗工液は、透光性微粒子104、光拡散層102を構成する透光性樹脂103またはこれを形成する樹脂(たとえば、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂または金属アルコキシド)、および必要に応じて溶媒等のその他の成分を含む。透光性樹脂103を形成する樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合、上記塗工液は、光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)を含む。光重合開始剤としては、たとえば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、オキサジアゾール系光重合開始剤などが用いられる。また、光重合開始剤として、たとえば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等も用いることができる。光重合開始剤の使用量は、通常、塗工液に含有される樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部であり、好ましくは、1〜5重量部である。なお、光拡散フィルムの光学特性および表面形状を均質なものとするために、塗工液中の透光性微粒子104の分散は等方分散であることが好ましい。
上記塗工液の基材フィルム上への塗布は、たとえば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ロッドコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、キスコート法、ダイコート法などによって行なうことができる。塗工液の塗工にあたっては、上述のように、硬化後の光拡散層102の層厚が、10μm以上20μm以下となるように、塗工層厚を調整することが好ましい。
塗工液の塗工性の改良または光拡散層102との接着性の改良を目的として、基材フィルム101の表面(光拡散層側表面)には、各種表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、酸表面処理、アルカリ表面処理、紫外線照射処理などが挙げられる。また、基材フィルム上に、たとえばプライマー層等の他の層を形成し、この他の層の上に、塗工液を塗工するようにしてもよい。
また、本発明の偏光子保護フィルムと偏光子との接着性を向上させるために、基材フィルム101の表面(光拡散層とは反対側の表面)を各種表面処理によって親水化しておくことが好ましい。
上記工程(B)においては、塗工層を硬化する。透光性樹脂103を形成する樹脂として電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂または金属アルコキシドを用いる場合は、上記塗工層を形成し、必要により乾燥(溶媒の除去)を行ない、好ましくはその塗工層の表面に平坦面を押し当て塗工層を圧縮した状態で、または圧縮させた後、電離放射線の照射(電離放射線硬化型樹脂を用いる場合)または加熱(熱硬化型樹脂または金属アルコキシドを用いる場合)により塗工層を硬化する。電離放射線としては、塗工液に含まれる樹脂の種類に応じて紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線などから適宜選択することができるが、これらの中で紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが得られることから紫外線が好ましい。
紫外線の光源としては、たとえば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。これらの中でも、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンアーク、メタルハライドランプが好ましく用いられる。
また、電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
偏光子保護フィルムにおけるRおよびHは、たとえば下記に示す方法によって、本発明に規定する範囲に調整することができる。まず、上記した材料及び方法により偏光子保護フィルムを製造し、RおよびHを測定する。その結果、Rの値が低すぎる場合には、表面粗さを平坦化する、具体的には光拡散層の層厚や透光性微粒子の粒径を操作し、層表面に粒子が表出、あるいは凹凸形成しないようにする等の処置、逆にRの値が高すぎる場合には、上記とは逆の処置、即ち表面粗さを大きくする、具体的には光拡散層の層厚や透光性微粒子の粒径を操作し、層表面に粒子が表出、あるいは凹凸形成するようにする等の処置、Hの値が低すぎる場合には、透光性微粒子の添加部数を上げる、透光性微粒子の形状をいびつにする等のいずれかの処理、あるいはこれらの処置を組み合わせて、逆にHの値が高すぎる場合には、上記とは逆の処置、即ち透光性微粒子の添加部数を下げる、透光性微粒子の形状を球状にする等のいずれかの処理、あるいはこれらの処置を組み合わせて、再度偏光子保護フィルムを製造し、そのRおよびHを測定する。目標とするRの値およびHの値となるまで、上記偏光子保護フィルムの製造とそのRおよびHの測定を繰り返す。
[偏光板]
本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子の表面に貼合され、偏光子と偏光子保護フィルムとからなる偏光板を構成する。本発明の偏光子保護フィルムは、反射光に対する虹ムラの発生が抑えられ、機械的強度にも優れ、表面ツヤに優れることから、これを用いた偏光板は、これと同様、虹ムラの発生が抑えられ、機械的強度にも優れ、表面ツヤに優れる偏光板となる。偏光子としては、公知の偏光子を用いることができる。偏光子は、一般に、ヨウ素又は二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる。偏光子の少なくとも一方の面に本発明の偏光子保護フィルムを貼合して、偏光板を構成する。画像表示素子の視認側に配置して用いられる偏光板および背面側に配置して用いられる偏光板いずれをも構成することができる。たとえば、偏光子保護フィルムと偏光子を、視認側から光拡散層102、基材フィルム101、偏光子の順に積層されるように配置して、視認側の偏光板を構成することができる。たとえば、偏光子保護フィルムと偏光子を、視認側から偏光子、基材フィルム101、光拡散層102の順に積層されるように配置して、背面側の偏光板を構成することができる。一つの偏光子の両面に、本発明に係る偏光子保護フィルムを貼合して偏光板を構成してもよい。
[画像表示装置]
本発明の偏光子保護フィルムを用いた偏光板は、画像表示素子とともに用いられ画像表示装置を構成する。ここで、画像表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う液晶パネルが代表的である。このように、本発明の偏光子保護フィルムを備えた画像表示装置は、反射光による虹ムラの発生が抑えられる上、機械的強度に優れ、さらに表面ツヤにも優れる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における偏光子保護フィルムの光学特性、および透光性微粒子の重量平均粒径の測定方法は次のとおりである。
(a)反射画像鮮明度Cの総和値R
写像性測定器(スガ試験機(株)製)を用いて上述の反射画像鮮明度測定試験を行ない、光学くしの幅が、それぞれ0.5mm、1mm、2mmである場合の反射画像鮮明度C0.5、C、Cを式(3)に基づいて算出した。そして、C0.5、C、Cの総和値Rを算出した。
(b)全ヘイズ値H、表面ヘイズ値
JIS K 7136に準拠したヘイズ透過率計(株式会社村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」)を用いて、全光線透過率Ttと、偏光子保護フィルムにより拡散されて透過した拡散光線透過率Tdを測定し、式(4)に基づいて全ヘイズ値Hを算出した。また、表面ヘイズ値は、偏光子保護フィルムの光拡散層の出射面に、ヘイズがほぼ0%であるトリアセチルセルロースフィルムを、グリセリンを用いて貼合し、上述の全ヘイズ値の測定と同様にしてヘイズ値を測定した。当該ヘイズ値は、光拡散性偏光板の表面形状に起因する表面ヘイズが貼合されたトリアセチルセルロースフィルムによってほぼ打ち消されていることから、光拡散フィルムの「内部ヘイズ」とみなすことができる。したがって、光拡散性偏光板の「表面ヘイズ」は、下記式(5):
表面ヘイズ(%)=全ヘイズ(%)−内部ヘイズ(%) (5)
より求められた。
(c)透光性微粒子の重量平均粒径
コールター原理(細孔電気抵抗法)を用いたコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
<実施例1>
(1)鏡面金属製ロールの作製
直径200mmの鉄ロール(JISによるSTKM13A)の表面に工業用クロムめっき加工を行ない、ついで表面を鏡面研磨して鏡面金属製ロールを作製した。得られた鏡面金属製ロールのクロムめっき面のビッカース硬度は1000であった。なお、ビッカース硬度は、超音波硬度計MIC10(Krautkramer社製)を用い、JIS Z 2244に準拠して測定した(以下の例においてもビッカース硬度の測定法は同じ)。
(2)偏光子保護フィルムの作製
ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量部、および多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物)40重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液に混合し、固形分濃度60重量%となるように調整して紫外線硬化性樹脂組成物を得た。なお、該組成物からプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去して紫外線硬化した後の硬化物の屈折率は1.53であった。
次に、上記紫外線硬化性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、透光性微粒子として重量平均粒径が7.0μmのポリスチレン系粒子を25重量部、および光重合開始剤である「ルシリン TPO」(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を5重量部添加し、固形分率が60重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈して塗工液を調製した。
この塗工液を、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(基材フィルム)(屈折率1.61)上に塗工し、80℃に設定した乾燥機中で1分間乾燥させた。乾燥後の基材フィルムを、上記(1)で作製した鏡面金属製ロールの鏡面に、紫外線硬化性樹脂組成物層がロール側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態で基材フィルム側より、強度20mW/cmの高圧水銀灯からの光をh線換算光量で300mJ/cmとなるように照射して、紫外線硬化性樹脂組成物層を硬化させ、平坦な表面を有する厚さ14μmの光拡散層と基材フィルムとからなる、図1に示す構成の偏光子保護フィルムを得た。これを実施例1の偏光子保護フィルムとした。
<比較例1>
比較例1の偏光子保護フィルムとして、2軸延伸ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(基材フィルム)(商品名:ルミラー、東レ(株)製)上に、主にペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)およびトリメチロールヘキシルラクトン(HDI)から形成される防眩層を有し、防眩層中に透光性微粒子を含まない光学フィルムを用いた。
(液晶表示装置の作製)
また、得られた実施例1および比較例1の偏光子保護フィルムを用いて液晶表示装置を作製し、反射光による虹ムラおよび表面のツヤを下記の方法にしたがって評価した。まず、シャープ(株)製の液晶表示装置「AQUOS(登録商標)LC−20AX5」から視認側偏光板を剥がし、その代わりに、実施例1または比較例1の偏光子保護フィルムをそれぞれ視認側保護フィルムとして貼合した偏光板をオリジナルの偏光板と同軸方向で貼り付け液晶表示装置を作製した。
(虹ムラの評価)
得られた液晶表示装置を黒表示させ、蛍光灯を表示装置表面に反射させて反射光による虹ムラの発生を以下の基準:
A:虹ムラがほとんど見えない
C:虹ムラがはっきり見える
にしたがって、目視で評価した。表1に結果を示す。
(表面のツヤの評価)
得られた液晶表示装置を黒表示させ、蛍光灯を液晶表示装置の表面で反射させて映り込む角度から、表面のツヤを以下の基準:
A:表面にツヤがある
C:表面にツヤがない
にしたがって、目視で評価した。表1に結果を示す。
Figure 2012212120
表1からわかるように、反射画像鮮明度の総和値Rが式(1)の関係を満たし、さらに全ヘイズ値Hが式(2)の関係を満たす実施例1の偏光子保護フィルムは、反射光による虹ムラの発生が抑えられ、表面にツヤがあった。
(試験結果の解析)
本発明者らは、反射画像鮮明度の総和値Rが式(1)を満たす値であれば、反射光による虹ムラの発生を抑えることができることを見出した。しかし、一般的な設計制御によって反射画像鮮明度を下げると、全ヘイズ値Hが、式(2)の範囲を逸脱するほど過度に増加し、表面ツヤが大きく損なわれる傾向がある。しかし偏光子保護フィルムの作製時、透光性微粒子を高密度に充填して反射画像鮮明度を下げ、表面に平坦面を押し当て凹凸面を少なくし、表面にツヤを持たせるなど上述の工夫をすることにより、全ヘイズ値Hが式(2)の範囲を満たすように構成することができ、反射光による虹ムラの発生が抑制され、かつ表面にツヤのある偏光子保護フィルムを得ることができた。
100 光学フィルム、101 基材フィルム、102 光拡散層、103 透光性樹脂層、104 透光性微粒子。

Claims (10)

  1. 光拡散層を有する偏光子保護フィルムであって、
    反射画像鮮明度測定試験における反射画像鮮明度C(%)の総和値Rが以下の式(1)の関係を満たし、かつ全ヘイズ値Hが以下の式(2)の関係を満たし、
    前記反射画像鮮明度測定試験は、試験片からの反射光の光量を、反射光の光線軸に直交し、速度10mm/minで移動する幅n(mm)の光学くしを通して測定するものであり、
    前記反射画像鮮明度C(%)は、前記反射画像鮮明度測定試験において光線軸上に前記光学くしの透過部分があるときの反射光量の最高値をM、光線軸上に前記光学くしの遮光部分があるときの反射光量の最小値をmとした場合に、下記の式(3)で算出され、
    前記総和値Rは、前記光学くしの幅n(mm)が、それぞれ0.5、1、2である場合の反射画像鮮明度C0.5、C、Cの総和値である、偏光子保護フィルム。
    120≦R≦185 式(1)
    40≦H≦60 式(2)
    ={(M−m)/(M+m)}×100 式(3)
  2. 基材フィルムと、前記光拡散層とが積層され、
    前記基材フィルムと前記光拡散層との屈折率差が0.03以上である、請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記基材フィルムは、屈折率が1.59以上である、請求項2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記基材フィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分とする、請求項2または3に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記基材フィルムは、厚みが50μm以下である、請求項2〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  6. 前記光拡散層は、透光性樹脂と透光性微粒子を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  7. 前記光拡散層は、厚みが10μm以上20μm以下である、請求項6に記載の偏光子保護フィルム。
  8. 前記透光性微粒子は、重量平均粒径が3〜5.5μの第1透光性微粒子と、重量平均粒径が7.2〜9μmの第2透光性微粒子とを含む、請求項6または7に記載の偏光子保護フィルム。
  9. 前記光拡散層は、前記透光性樹脂および前記透光性微粒子を含有する塗工液を塗工して塗工層を形成する塗工工程と、前記塗工層の表面に平坦面を押し当て前記塗工層を圧縮する圧縮工程と、前記塗工層を硬化する硬化工程とを有する方法により形成される、請求項6〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
  10. 前記光拡散層は、前記透光性微粒子の体積充填率が40%以上である、請求項6〜9のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
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