JP2004144189A - テンショナー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸を中心として揺動するテンショナーレバーの軸に捩れコイルバネを取付けてチェーンが弛まないように該テンショナーレバーにバネ力を付勢することで所定の張力を付与するテンショナー装置であって、チェーンに作用する大きな衝撃に対して戻り揺動しないテンショナー装置の提供。
【解決手段】テンショナーレバー1が取付けられる軸4にはラチェット機構10を取付けてテンショナーレバー1の戻り揺動を阻止するようにし、該軸4には捩れコイルバネ5を取付け、その一端を軸4に設けた凹部9に嵌め、他端を延ばして形成したアーム7はテンショナーレバー1に係止してバネ力を付勢している。
【選択図】 図1
【解決手段】テンショナーレバー1が取付けられる軸4にはラチェット機構10を取付けてテンショナーレバー1の戻り揺動を阻止するようにし、該軸4には捩れコイルバネ5を取付け、その一端を軸4に設けた凹部9に嵌め、他端を延ばして形成したアーム7はテンショナーレバー1に係止してバネ力を付勢している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は伝動用チェーンやベルトの弛みを防止するテンショナー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スプロケットに巻き掛けられて動力を伝達する場合、複数のリンクが繋がれて構成するチェーンは、各リンクの連結部が摩耗して伸びを発生する。自動二輪車用の後輪を駆動するように外に露出して巻き掛けられるローラチェーンであるならば、スプロケットの位置を調整することで伸びに対処することが出来るが、エンジン内部に使用されるタイミングチェーンのような場合には、テンショナーが取付けられていて、伸びに伴うチェーンのバタ付き及びバタ付きに伴う過張力を防止している。
【0003】
図6は従来の一般的なテンショナー装置を示しているが、ハウジング(イ)と、該ハウジング(イ)にはプランジャー(ロ)が摺動可能に設けられ、外部から作動油(ハ)が油室(ニ)へ送り込まれることで、油室(ニ)に内蔵しているコイルバネ(ホ)を介して上記プランジャー(ロ)が突出する。従って、軸(ナ)を中心として揺動するテンショナレバー(ラ)を押し上げて弛んだチェーン(ヘ)には適度な張力が付与され、逆にチェーン(ヘ)に大きな張力が作用する際には、チェックバルブが閉じてプランジャー(ロ)の後退を阻止する。このようにチェーン(ヘ)は適度な張力が常に作用する状態に置かれる。
【0004】
ところで、従来のテンショナーでは、プランジャー(ロ)がチェーン(ヘ)に作用する張力に応じて突出・後退動(振動)を繰り返して衝撃を吸収することになるが、チェーン(ヘ)が大きく弛んだ際にはプランジャー(ロ)も大きく突出してラチェットが働き、一旦突出したならば後退しないようになる。そしてチェーンの脈動に伴う衝撃はプランジャーを支える油圧及びプランジャーが隙間嵌めとして滑動する穴との間に介在する油膜の粘性減衰力によって支えられる。従来のプランジャー(ロ)は円形断面を成し、外周面に介在する油膜面積が粘性減衰力に大きく影響している。
【0005】
一方、前記図6に示しているテンショナーは外部から作動油(ハ)が油室(ニ)へ送り込まれることで、油室(ニ)に内蔵しているコイルバネ(ホ)を介して上記プランジャー(ロ)が突出する構造であるが、外部から作動油(ハ)を供給しない密封式のテンショナーもある。図7は従来の密封式テンショナーであり、ハウジング(ト)の中心軸にはロッド(チ)が配置され、該ロッド(チ)の下端にはプランジャー(リ)が取着されてハウジング(ト)に嵌着したスリーブ(ヌ)内に摺動可能に嵌り、ハウジング底との間にはコイルバネ(ル)が介在し、該プランジャー(リ)に設けている流路(ワ)の下端に配置しているボール(オ)を押し上げている。
【0006】
そして、ロッド(チ)の途中には小さな穴(カ)を貫通しているピストン(ヨ)が取着され、該ピストン(ヨ)はロッド(チ)に形成している段差ストッパーに当って上方へ位置ズレしないように成っていて、該ピストン(ヨ)と上記スリーブ上端との間にはコイルバネ(タ)が介在している。従って、ピストン(ヨ)を押し上げ、ロッド(チ)を押し上げるバネ力が作用する。そして、該テンショナーは圧力室(レ)、リザーブ室(ソ)、リザーバ室(ツ)を有し、ハウジング(ト)の上端にはシール(ネ)が取付けられている。
【0007】
ところで、この密封型テンショナーの場合にも、チェーン(ヘ)が弛んだ場合、内蔵しているコイルバネ(タ)のバネ力が作用してロッド(チ)が突出し、軸を中心に揺動するテンショナレバーを押し上げる。そして、プランジャー(リ)が上昇することで圧力室(レ)の油圧が低下すれば、リザーブ室(ツ)及びリザーバ室(ツ)から作動油が圧力室(レ)に流入して油圧はバランスする。従って、弛んだチェーン(ヘ)には適度な張力が付与され、逆にチェーン(ヘ)に大きな張力が作用する際には、ロッド(チ)の後退を阻止する。このようにチェーン(ヘ)は適度な張力が常に作用する状態に置かれる。
【0008】
このように、テンショナー装置は、油圧でロッドを突出するテンショナーと、軸を中心に揺動するテンショナレバーから構成しているが、別型式としてバネをテンショナレバーに組合わせたテンショナー装置がある。
特開2000−266142に係る「機械式テンショナー」は、エンジンブロックに固定されたボルトに回動自在に支持された樹脂製のテンショナーアーム(テンショナレバー)と、エンジンブロックに固定されたフランジボルトの周りに配設され、テンショナーアームがチェーンに向う側に回動するようにテンショナーアームにバネ力を付勢する捩れコイルバネとから成っている。
【0009】
上記捩れコイルバネはチェーンが伸びるにつれてテンショナーアームをチェーン側へ向いて回動するバネ力を付勢するが、該バネ力はテンショナーアームの回動につれて弱くなる。従って、チェーンに所定の張力を作用させることが出来ず、テンショナー装置として機能する能力が低下する。
【0010】
特開2000−274501に係る「チェーン伝動用テンショナレバー」は、レバー本体に、捩れコイルバネの少なくとも巻回部を収容する空間が内部に形成されていると共に、空間内に捩れコイルバネを組み込み可能な開口部が設けられ、さらに空間内にはピボット軸が貫通する軸孔と捩れコイルバネの巻回部が遊嵌される外周面とが同心状に形成されたボス部を設けている。
このテンショナー装置の場合も、捩れコイルバネが変形すると共にテンショナレバーに作用するバネ力が低下し、チェーン張力が小さくなってテンショナー装置としての機能が損なわれる
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のバネを組み込んだテンショナー装置には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、チェーンが伸びてテンショナレバーが揺動した場合、チェーンに作用する大きな衝撃に対して戻り揺動しないようにしたテンショナー装置を提供する。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るテンショナー装置は軸を中心として揺動可能なテンショナレバーの上記軸に捩れコイルバネを取付け、該捩れコイルバネのバネ力をテンショナレバーに付加することで、チェーンに所定の張力を作用した構造である。従って、基本的には特開2000−274501に係る「チェーン伝動用テンショナレバー」と共通している。しかし、上記チェーン伝動用テンショナレバーは、捩れコイルバネがバネ変形するにつれて作用するバネ力が低下する為に、本発明はチェーンに過度な張力が作用してもテンショナレバーが戻り揺動しない構造としている。
【0013】
そこで、捩れコイルバネはテンションレバーの軸に取付けられて、その一端は該軸に止着されると共に,他端はテンショナレバーに係止している。該テンショナレバーがチェーンの伸びと共に揺動する場合、テンショナレバーの軸部に取付けたラチェットが回転し、その戻り揺動をツメで阻止する構造となっている。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
【実施例】
図1は本発明に係るテンショナー装置を示す実施例であり、同図の1はテンショナレバー、2はチェーンを表している。テンショナレバー1はアルミのダイキャスト製で樹脂製のガイド3が取付けられ、上記チェーン2はガイド3に沿って走行することが出来る。そして、チェーン2が伸びた場合には、テンショナレバー1が軸4を中心として揺動して該チェーン2が弛まないように所定の張力を付加することが出来る。すなわち、上記軸4に取付けている捩れコイルバネ5のバネ力がテンショナレバー1に作用する。
【0015】
軸4の先端にはネジ6が突出し、エンジンフレームに設けたネジ穴に該ネジ6が螺合してテンショナレバー1は取付けられる。ここで、上記捩れコイルバネ5の一端は軸4に形成した穴に嵌って止着され、他端は大きく延びたアーム7がテンショナレバー1に係止している。そして該アーム7はテンショナレバー1に軸4を中心に反時計方向へ回動するバネ力を付勢する。
【0016】
図2は軸4に捩れコイルバネ5を取付けた詳細を示しているが、捩れコイルバネ5の一端8は軸外周に形成した凹部9に嵌って止着され、他端に設けたアーム7はテンショナレバー1に係止して反時計方向へ回動するバネ力を付勢している。
【0017】
ところで、上記アーム7はテンショナレバー1にバネ力を付加して反時計方向へ回動させるが、該アーム7の変形と共に付加するバネ力は低下する。その結果、チェーン2に過大な張力が作用した際にはテンショナレバー1は戻され、その結果、該チェーンに大きな衝撃が加わる。従来の油圧式テンショナーを用いてテンショナレバー1を支えたテンショナー装置であれば、該テンショナーの油圧バルブが閉鎖してテンショナレバー1の戻りを阻止することが出来るが、上記捩れコイルバネ5ではこの戻りを阻止することが出来ない。
【0018】
そこで、本発明のテンショナー装置は、ラチェットを取付けてテンショナレバー1の戻りを阻止する構造としている。図1において2点鎖線で示した部分がラチェット機構を表している。本発明では、2点鎖線で示したラチェット機構を必要に応じて取付けることが出来る。すなわち、テンショナレバー1の揺動角(押込み量)が小さい時にのみ使用されるテンショナー装置であれば、上記ラチェット機構は不要である為に、必要なときに簡単に取付け出来る構造と成っている。
【0019】
図3はテンショナレバー1を揺動可能に支持する軸4にラチェット機構10を取付けた場合である。同図の11はラチェット、12はレバー、13はツメ、14は板バネを表し、上記円盤状のラチェット11はテンショナレバー1のボス15端面に当って取着される。
【0020】
図4に示す上記軸4の軸頭16の中央には穴17が設けられ、該穴17の周りには3個のネジ穴18,18・・が形成されている。そして該軸頭16の表面19にレバー12をネジ20,20・・で取着し、レバー先端部にはツメ13が軸支されると共に、該レバー12にネジ止めした板バネ14によってツメ13の背面を押圧されてラチェット11の歯21に係合している。
【0021】
そこで、テンショナレバー1がチェーン2の伸びと共に反時計方向へ回動するならば、上記ラチェット11も回転し、ツメ13が噛み合う歯21の位置がズレて、チェーン2に過大な張力が作用しても該ラチェット11は戻り揺動しないようになる。従って、テンショナレバー1の戻りが阻止される。図5は上記ラチェット11を単独で表しているが、歯21,21・・が外周の一部に設けられ、該ラチェット11は穴22,22・・にネジを挿入してテンショナレバー1のボス端面にネジ止めされる。
【0022】
以上述べたように、本発明のテンショナー装置は、テンショナレバーを支持する軸に捩れコイルバネを取付け、又必要に応じて軸にラチェット機構を取付けできるようにしたものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係るテンショナー装置は、テンショナレバーを軸支している軸に捩れコイルバネを取付け、該捩れコイルバネのバネ力をテンショナレバーに付勢している。従って、チェーンが伸びるならば、それに伴ってチェーン側へ回動して所定の張力をチェーンに作用することが出来、チェーンの振動を抑制することが出来る。
【0024】
そして、チェーンが大きく伸びてテンショナレバーの揺動角が拡大する場合には、テンショナレバーを軸支する軸にラチェット機構を簡単に取り付け出来る。該ラチェット機構はテンショナレバーの戻り揺動を阻止することが出来、戻りに伴って作用する大きな衝撃を防止し、チェーンの寿命を向上する。又、軸に取付けられるラチェットの取付け構造は簡単であり、ラチェットを備えないテンショナー装置と兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテンショナー装置を示す実施例。
【図2】テンショナレバーを軸支する軸に取り付けられる捩れコイルバネ。
【図3】軸に取付けたラチェット機構の具体例。
【図4】テンショナレバーを軸支する軸。
【図5】ラチェットの具体例。
【図6】従来のテンショナー装置。
【図7】従来の密封式テンショナー。
【符号の説明】
1 テンショナレバー
2 チェーン
3 ガイド
4 軸
5 捩れコイルバネ
6 ネジ
7 アーム
8 一端
9 凹部
10 ラチェット機構
11 ラチェット
12 レバー
13 ツメ
14 板バネ
15 ボス
16 軸頭
17 穴
18 ネジ穴
19 表面
20 ネジ
21 歯
22 穴
【発明の属する技術分野】
本発明は伝動用チェーンやベルトの弛みを防止するテンショナー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スプロケットに巻き掛けられて動力を伝達する場合、複数のリンクが繋がれて構成するチェーンは、各リンクの連結部が摩耗して伸びを発生する。自動二輪車用の後輪を駆動するように外に露出して巻き掛けられるローラチェーンであるならば、スプロケットの位置を調整することで伸びに対処することが出来るが、エンジン内部に使用されるタイミングチェーンのような場合には、テンショナーが取付けられていて、伸びに伴うチェーンのバタ付き及びバタ付きに伴う過張力を防止している。
【0003】
図6は従来の一般的なテンショナー装置を示しているが、ハウジング(イ)と、該ハウジング(イ)にはプランジャー(ロ)が摺動可能に設けられ、外部から作動油(ハ)が油室(ニ)へ送り込まれることで、油室(ニ)に内蔵しているコイルバネ(ホ)を介して上記プランジャー(ロ)が突出する。従って、軸(ナ)を中心として揺動するテンショナレバー(ラ)を押し上げて弛んだチェーン(ヘ)には適度な張力が付与され、逆にチェーン(ヘ)に大きな張力が作用する際には、チェックバルブが閉じてプランジャー(ロ)の後退を阻止する。このようにチェーン(ヘ)は適度な張力が常に作用する状態に置かれる。
【0004】
ところで、従来のテンショナーでは、プランジャー(ロ)がチェーン(ヘ)に作用する張力に応じて突出・後退動(振動)を繰り返して衝撃を吸収することになるが、チェーン(ヘ)が大きく弛んだ際にはプランジャー(ロ)も大きく突出してラチェットが働き、一旦突出したならば後退しないようになる。そしてチェーンの脈動に伴う衝撃はプランジャーを支える油圧及びプランジャーが隙間嵌めとして滑動する穴との間に介在する油膜の粘性減衰力によって支えられる。従来のプランジャー(ロ)は円形断面を成し、外周面に介在する油膜面積が粘性減衰力に大きく影響している。
【0005】
一方、前記図6に示しているテンショナーは外部から作動油(ハ)が油室(ニ)へ送り込まれることで、油室(ニ)に内蔵しているコイルバネ(ホ)を介して上記プランジャー(ロ)が突出する構造であるが、外部から作動油(ハ)を供給しない密封式のテンショナーもある。図7は従来の密封式テンショナーであり、ハウジング(ト)の中心軸にはロッド(チ)が配置され、該ロッド(チ)の下端にはプランジャー(リ)が取着されてハウジング(ト)に嵌着したスリーブ(ヌ)内に摺動可能に嵌り、ハウジング底との間にはコイルバネ(ル)が介在し、該プランジャー(リ)に設けている流路(ワ)の下端に配置しているボール(オ)を押し上げている。
【0006】
そして、ロッド(チ)の途中には小さな穴(カ)を貫通しているピストン(ヨ)が取着され、該ピストン(ヨ)はロッド(チ)に形成している段差ストッパーに当って上方へ位置ズレしないように成っていて、該ピストン(ヨ)と上記スリーブ上端との間にはコイルバネ(タ)が介在している。従って、ピストン(ヨ)を押し上げ、ロッド(チ)を押し上げるバネ力が作用する。そして、該テンショナーは圧力室(レ)、リザーブ室(ソ)、リザーバ室(ツ)を有し、ハウジング(ト)の上端にはシール(ネ)が取付けられている。
【0007】
ところで、この密封型テンショナーの場合にも、チェーン(ヘ)が弛んだ場合、内蔵しているコイルバネ(タ)のバネ力が作用してロッド(チ)が突出し、軸を中心に揺動するテンショナレバーを押し上げる。そして、プランジャー(リ)が上昇することで圧力室(レ)の油圧が低下すれば、リザーブ室(ツ)及びリザーバ室(ツ)から作動油が圧力室(レ)に流入して油圧はバランスする。従って、弛んだチェーン(ヘ)には適度な張力が付与され、逆にチェーン(ヘ)に大きな張力が作用する際には、ロッド(チ)の後退を阻止する。このようにチェーン(ヘ)は適度な張力が常に作用する状態に置かれる。
【0008】
このように、テンショナー装置は、油圧でロッドを突出するテンショナーと、軸を中心に揺動するテンショナレバーから構成しているが、別型式としてバネをテンショナレバーに組合わせたテンショナー装置がある。
特開2000−266142に係る「機械式テンショナー」は、エンジンブロックに固定されたボルトに回動自在に支持された樹脂製のテンショナーアーム(テンショナレバー)と、エンジンブロックに固定されたフランジボルトの周りに配設され、テンショナーアームがチェーンに向う側に回動するようにテンショナーアームにバネ力を付勢する捩れコイルバネとから成っている。
【0009】
上記捩れコイルバネはチェーンが伸びるにつれてテンショナーアームをチェーン側へ向いて回動するバネ力を付勢するが、該バネ力はテンショナーアームの回動につれて弱くなる。従って、チェーンに所定の張力を作用させることが出来ず、テンショナー装置として機能する能力が低下する。
【0010】
特開2000−274501に係る「チェーン伝動用テンショナレバー」は、レバー本体に、捩れコイルバネの少なくとも巻回部を収容する空間が内部に形成されていると共に、空間内に捩れコイルバネを組み込み可能な開口部が設けられ、さらに空間内にはピボット軸が貫通する軸孔と捩れコイルバネの巻回部が遊嵌される外周面とが同心状に形成されたボス部を設けている。
このテンショナー装置の場合も、捩れコイルバネが変形すると共にテンショナレバーに作用するバネ力が低下し、チェーン張力が小さくなってテンショナー装置としての機能が損なわれる
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のバネを組み込んだテンショナー装置には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、チェーンが伸びてテンショナレバーが揺動した場合、チェーンに作用する大きな衝撃に対して戻り揺動しないようにしたテンショナー装置を提供する。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るテンショナー装置は軸を中心として揺動可能なテンショナレバーの上記軸に捩れコイルバネを取付け、該捩れコイルバネのバネ力をテンショナレバーに付加することで、チェーンに所定の張力を作用した構造である。従って、基本的には特開2000−274501に係る「チェーン伝動用テンショナレバー」と共通している。しかし、上記チェーン伝動用テンショナレバーは、捩れコイルバネがバネ変形するにつれて作用するバネ力が低下する為に、本発明はチェーンに過度な張力が作用してもテンショナレバーが戻り揺動しない構造としている。
【0013】
そこで、捩れコイルバネはテンションレバーの軸に取付けられて、その一端は該軸に止着されると共に,他端はテンショナレバーに係止している。該テンショナレバーがチェーンの伸びと共に揺動する場合、テンショナレバーの軸部に取付けたラチェットが回転し、その戻り揺動をツメで阻止する構造となっている。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
【実施例】
図1は本発明に係るテンショナー装置を示す実施例であり、同図の1はテンショナレバー、2はチェーンを表している。テンショナレバー1はアルミのダイキャスト製で樹脂製のガイド3が取付けられ、上記チェーン2はガイド3に沿って走行することが出来る。そして、チェーン2が伸びた場合には、テンショナレバー1が軸4を中心として揺動して該チェーン2が弛まないように所定の張力を付加することが出来る。すなわち、上記軸4に取付けている捩れコイルバネ5のバネ力がテンショナレバー1に作用する。
【0015】
軸4の先端にはネジ6が突出し、エンジンフレームに設けたネジ穴に該ネジ6が螺合してテンショナレバー1は取付けられる。ここで、上記捩れコイルバネ5の一端は軸4に形成した穴に嵌って止着され、他端は大きく延びたアーム7がテンショナレバー1に係止している。そして該アーム7はテンショナレバー1に軸4を中心に反時計方向へ回動するバネ力を付勢する。
【0016】
図2は軸4に捩れコイルバネ5を取付けた詳細を示しているが、捩れコイルバネ5の一端8は軸外周に形成した凹部9に嵌って止着され、他端に設けたアーム7はテンショナレバー1に係止して反時計方向へ回動するバネ力を付勢している。
【0017】
ところで、上記アーム7はテンショナレバー1にバネ力を付加して反時計方向へ回動させるが、該アーム7の変形と共に付加するバネ力は低下する。その結果、チェーン2に過大な張力が作用した際にはテンショナレバー1は戻され、その結果、該チェーンに大きな衝撃が加わる。従来の油圧式テンショナーを用いてテンショナレバー1を支えたテンショナー装置であれば、該テンショナーの油圧バルブが閉鎖してテンショナレバー1の戻りを阻止することが出来るが、上記捩れコイルバネ5ではこの戻りを阻止することが出来ない。
【0018】
そこで、本発明のテンショナー装置は、ラチェットを取付けてテンショナレバー1の戻りを阻止する構造としている。図1において2点鎖線で示した部分がラチェット機構を表している。本発明では、2点鎖線で示したラチェット機構を必要に応じて取付けることが出来る。すなわち、テンショナレバー1の揺動角(押込み量)が小さい時にのみ使用されるテンショナー装置であれば、上記ラチェット機構は不要である為に、必要なときに簡単に取付け出来る構造と成っている。
【0019】
図3はテンショナレバー1を揺動可能に支持する軸4にラチェット機構10を取付けた場合である。同図の11はラチェット、12はレバー、13はツメ、14は板バネを表し、上記円盤状のラチェット11はテンショナレバー1のボス15端面に当って取着される。
【0020】
図4に示す上記軸4の軸頭16の中央には穴17が設けられ、該穴17の周りには3個のネジ穴18,18・・が形成されている。そして該軸頭16の表面19にレバー12をネジ20,20・・で取着し、レバー先端部にはツメ13が軸支されると共に、該レバー12にネジ止めした板バネ14によってツメ13の背面を押圧されてラチェット11の歯21に係合している。
【0021】
そこで、テンショナレバー1がチェーン2の伸びと共に反時計方向へ回動するならば、上記ラチェット11も回転し、ツメ13が噛み合う歯21の位置がズレて、チェーン2に過大な張力が作用しても該ラチェット11は戻り揺動しないようになる。従って、テンショナレバー1の戻りが阻止される。図5は上記ラチェット11を単独で表しているが、歯21,21・・が外周の一部に設けられ、該ラチェット11は穴22,22・・にネジを挿入してテンショナレバー1のボス端面にネジ止めされる。
【0022】
以上述べたように、本発明のテンショナー装置は、テンショナレバーを支持する軸に捩れコイルバネを取付け、又必要に応じて軸にラチェット機構を取付けできるようにしたものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係るテンショナー装置は、テンショナレバーを軸支している軸に捩れコイルバネを取付け、該捩れコイルバネのバネ力をテンショナレバーに付勢している。従って、チェーンが伸びるならば、それに伴ってチェーン側へ回動して所定の張力をチェーンに作用することが出来、チェーンの振動を抑制することが出来る。
【0024】
そして、チェーンが大きく伸びてテンショナレバーの揺動角が拡大する場合には、テンショナレバーを軸支する軸にラチェット機構を簡単に取り付け出来る。該ラチェット機構はテンショナレバーの戻り揺動を阻止することが出来、戻りに伴って作用する大きな衝撃を防止し、チェーンの寿命を向上する。又、軸に取付けられるラチェットの取付け構造は簡単であり、ラチェットを備えないテンショナー装置と兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテンショナー装置を示す実施例。
【図2】テンショナレバーを軸支する軸に取り付けられる捩れコイルバネ。
【図3】軸に取付けたラチェット機構の具体例。
【図4】テンショナレバーを軸支する軸。
【図5】ラチェットの具体例。
【図6】従来のテンショナー装置。
【図7】従来の密封式テンショナー。
【符号の説明】
1 テンショナレバー
2 チェーン
3 ガイド
4 軸
5 捩れコイルバネ
6 ネジ
7 アーム
8 一端
9 凹部
10 ラチェット機構
11 ラチェット
12 レバー
13 ツメ
14 板バネ
15 ボス
16 軸頭
17 穴
18 ネジ穴
19 表面
20 ネジ
21 歯
22 穴
Claims (3)
- 軸を中心として揺動するテンショナレバーの該軸に捩れコイルバネを取付けてチェーンが弛まないように上記テンショナレバーにバネ力を付勢することで所定の張力を付与するテンショナー装置において、上記軸にラチェット機構を取付けてテンショナレバーの戻り揺動を阻止するようにしたことを特徴とするテンショナー装置。
- 上記捩れコイルバネの一端を軸に設けた凹部に嵌めて止着し、他端を延ばしてアームとし、このアームをテンショナレバーに係止してバネ力を付勢した請求項1記載のテンショナー装置。
- 上記ラチェット機構を、テンショナレバーのボス端面にラチェットを取着し、上記テンショナレバーを軸支した軸頭にはレバーを固定して外方向へ延ばし、該レバーの先端部にはツメを揺動可能に軸支すると共にラチェットの歯に噛み合うようにバネ力を付勢して構成した請求項1、又は請求項2記載のテンショナー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002309450A JP2004144189A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | テンショナー装置 |
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JP2002309450A JP2004144189A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | テンショナー装置 |
Publications (1)
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Family
ID=32455258
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004144189A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007124986A1 (de) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Schaeffler Kg | Zugmitteltrieb für maschinenteile und antriebsaggregate |
KR101226893B1 (ko) * | 2004-09-10 | 2013-01-30 | 섀플러 테크놀로지스 아게 운트 코. 카게 | 트랙션 기구 안내부재 |
-
2002
- 2002-10-24 JP JP2002309450A patent/JP2004144189A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101226893B1 (ko) * | 2004-09-10 | 2013-01-30 | 섀플러 테크놀로지스 아게 운트 코. 카게 | 트랙션 기구 안내부재 |
WO2007124986A1 (de) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Schaeffler Kg | Zugmitteltrieb für maschinenteile und antriebsaggregate |
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