JP2004144155A - 直進ステージのガイド機構 - Google Patents

直進ステージのガイド機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2004144155A
JP2004144155A JP2002307971A JP2002307971A JP2004144155A JP 2004144155 A JP2004144155 A JP 2004144155A JP 2002307971 A JP2002307971 A JP 2002307971A JP 2002307971 A JP2002307971 A JP 2002307971A JP 2004144155 A JP2004144155 A JP 2004144155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
screw
hole
slider
guide rail
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002307971A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Koike
小池 晴彦
Makoto Takahashi
高橋 誠
Jun Watanabe
渡邊 順
Ryutaro Yoshimoto
吉本 龍太郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sigma Technos Co Ltd
Original Assignee
Sigma Technos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sigma Technos Co Ltd filed Critical Sigma Technos Co Ltd
Priority to JP2002307971A priority Critical patent/JP2004144155A/ja
Publication of JP2004144155A publication Critical patent/JP2004144155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Measuring And Other Instruments (AREA)
  • Machine Tool Units (AREA)
  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

【課題】ヨーイング等を抑え、高い位置決め精度を確保できる直進ステージのガイド機構を得る。
【解決手段】レール部11aと、このレール部11aの幅よりも狭い幅を有するレール支持部11bと、を有するガイドレール11と、レール部11aの外周面上を囲繞し、レール支持部11bが挿入されるスリット12aが形成された筒状のスライダ12と、を有する直進ステージのガイド機構10において、スリット12aにより形成された一対の開口端面12dのそれぞれに第1噴出口21を形成し、開口端面12dと開口端面12dに隣接したレール支持部11bの側面11dとの間に流体を流入させるようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライダがガイドレールに沿ってスライドする直進ステージのガイド機構に係り、特にスライダのヨーイングやピッチングを抑えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の直進ステージ1を示す説明図である。この直進ステージ1は左右対称とされ、断面凹形状のベッド2の凹部に固定子3が相対向して設けられている。また、ベッド2の開口側端面2aのそれぞれには、ガイドレール4が敷設されている。各々のガイドレール4にはスライダ5が係合され、この2つのスライダ5上に正方形板状のステージ6が設けられている。また、ステージ6の中央には可動子7が連結され、この可動子7の下端側は、2つの固定子3の間に挟み込まれている。そして、固定子3と可動子7とでリニアモータを構成し、スライダ5上のステージ6の駆動源とされている。
【0003】
次に、図10を用いて、この直進ステージ1のガイド機構8を示す。ガイドレール4は、スライダ5と係合するレール部4aと、このレール部4aを支える支持部4bとからなり、断面凸形状の棒状の部材である。一方、スライダ5は、断面凸形状の溝5aが形成された筒状の部材である。ガイドレール4とスライダ5との係合は、スライダ5に形成された溝5aにレール部4aが挿入されるようにスライダ5をガイドレール4に沿ってスライドさせることで行われる。また、スライダ5には、不図示のコンプレッサーからチューブ9を介して空気等のガスが供給される。
【0004】
図11は、図10のA−A線断面図である。ガイドレール4とスライダ5との係合面には、僅かな隙間が形成され、この隙間にスライダ5に形成された給気孔5bから空気が送り込まれる構成にされている。給気孔5bから噴出されるガスは、レール部4aの上面、側面、及び下面で受け止めるようにされている。かかる3面支持構造は、XYステージ等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−130281号公報 (第3,4頁、第2,4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、直線運動ステージや複合ステージに要求される精度は、ナノテクノロジーの語が示す通り、ナノオーダが要求され、さらに21世紀に対応するためにnmの位置決め精度が要請されている。
しかしながら、上述したような直進ステージのガイド機構8では、スライダ5がガイドレール4上を移動するときのヨーイングやピッチング等が大きく、十分な位置決め精度が得られないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、ヨーイングやピッチング等を抑え、より高い位置決め精度を得られる直進ステージのガイド機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の直進ステージのガイド機構は、レール部と、このレール部に連結又は一体形成され、かつ前記レール部の幅よりも狭い幅を有するレール支持部と、を有するガイドレールと、前記レール部の外周面上を囲繞し、前記レール支持部が挿入されるスリットが形成された筒状のスライダと、を有し、前記レール部の外周面及び前記レール支持部の側面と、前記筒状のスライダの内側面及び前記スリットにより形成された一対の開口端面との間に、前記スライダに形成された給気孔を介して、流体が流入することで前記ガイドレールと前記スライダとが非接触状態にされる直進ステージのガイド機構であって、前記一対の開口端面の各々には、前記スライダの外側面側から供給された前記流体が流出する第1噴出口が形成され、前記開口端面と前記開口端面に隣接した前記レール支持部の側面との間に前記第1噴出口から流体が流入されることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、一対の開口端面の各々に第1噴出口が形成され、この第1噴出口から開口端面とレール支持部の側面との間に流体を流し込むようにしたので、筒状のスライダがガイドレールの長手方向を回転中心軸として回転しようとしても、その回転が抑止される。すなわち、一方の第1噴出口がレール支持部の側面に近づくと、他方の第1噴出口はレール支持部の側面から遠ざかり、第1噴出口から噴出される流体によるスライダの開口端面をレール支持部の側面から離隔させる力が、一方の第1噴出口側の方が他方の第1噴出口側よりも大きくなるので、スライダの回転が抑止される。従って、スライダのローリングを抑え、スライダとガイドレールとの隙間が左右で異なるのを抑止することができる。そのため、スライダとガイドレールとの隙間に存在する流体の圧力が左右で相異するのを抑止でき、スライダの左右の滑り易さを均一に維持し易くなる。従って、ヨーイングも抑止される。
【0009】
請求項2に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項1に記載の直進ステージのガイド機構において、前記レール部は矩形状断面を有し、この矩形状断面のレール部の上面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に対して対称な位置に一対の第2噴出口が形成され、前記矩形状断面のレール部の下面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に対して対称な位置に一対の第3噴出口が形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、レール部の上下面とスライダの内側面との間に第2噴出口及び第3噴出口から流体を流入させるようにしたので、スライダのレール部に対する上下の移動が抑止される。また、一対の第2噴出口及び一対の第3噴出口をスライダの幅方向中央に対して対称な位置に形成したので、ローリングが抑止され、ひいてはヨーイングも抑止される。
【0011】
請求項3に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項1に記載の直進ステージのガイド機構において、前記レール部は矩形状断面を有し、この矩形状断面のレール部の上面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に第2噴出口が形成され、前記矩形状断面のレール部の下面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に対して対称な位置に一対の第3噴出口が形成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、レール部の上下面とスライダの内側面との間に第2噴出口及び第3噴出口から流体を流入させるようにしたので、スライダのレール部に対する上下の移動が抑止される。また、第2噴出口をスライダの幅方向中央に形成し、一対の第3噴出口をスライダの幅方向中央に対して対称な位置に形成したので、ローリングが抑止され、ひいてはヨーイングも抑止される。
【0013】
請求項4に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項1に記載の直進ステージのガイド機構において、前記第1噴出口が、前記スライダのスライド方向に所定間隔で複数形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、第1噴出口をスライダのスライド方向に所定間隔で複数形成したので、より効果的にスライダのローリングやヨーイングが抑止される。
【0015】
請求項5に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項2又は請求項3に記載の直進ステージのガイド機構において、前記第2噴出口及び前記第3噴出口が、前記スライダのスライド方向に所定間隔で複数形成されたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、第2噴出口及び第3噴出口をスライダのスライド方向に所定間隔で複数形成したので、スライダがガイドレール上を移動するときのピッチングが抑止される。
【0017】
請求項6に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の直進ステージのガイド機構において、前記ガイドレールの幅方向の一側に設けられ、前記ガイドレールの側面を付勢し前記ガイドレールを他側へ移動させるための一側治具と、前記ガイドレールの幅方向の他側に設けられ、前記ガイドレールの側面を付勢し前記ガイドレールを一側へ移動させるための他側治具と、を前記ガイドレールに沿って複数設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、一側治具と他側治具とによりガイドレールを付勢すれば、ガイドレールが多少曲がっていても矯正することが可能である。また、第1噴出口を開口端面に設けたので、内側面に設けた場合よりも第1噴出口を一側治具及び他側治具に近接させることができ、より小さな付勢力で効果的にガイドレールを矯正することができる。そして、スライダをガイドレールに沿ってスライドさせ、そのときの真直度やヨーイングを計測し、その計測結果に応じてガイドレールの曲がりを矯正すれば、高い真直度を確保でき、またヨーイングを抑えることができる。
【0019】
請求項7に記載の直進ステージのガイド機構は、長手方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のガイドレールと、前記ガイドレールの上面を覆いながら前記ガイドレールに固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のガイドレール補助部材と、第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、前記ガイドレール補助部材と係合され、前記ガイドレールに沿って移動するスライダと、を有し、前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記ガイドレール補助部材の下面よりも突出することを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、次のように組立てが行われる。先ず、ガイドレール補助部材の第2螺子孔に第2開口部側から大螺子部材が挿入され、第2小孔部に形成された雌螺子に螺合される。次いで、その先端がガイドレール補助部材の下面より突出せず、かつ大螺子部材の頭部がガイドレール補助部材の上面から突出しないかほとんど突出しない位置まで、大螺子部材を第2小孔部に螺合させる。次いで、大螺子部材が螺合した状態のガイドレール補助部材をガイドレール上に載置する。次いで、大螺子部材の第1貫通孔に小螺子部材を挿通し、さらに小螺子部材の頭部が大螺子部材の第1開口部と当接する位置までガイドレールの第1螺子孔に小螺子部材を螺合させる。すると、ガイドレール補助部材がイドレールの上面に載置された状態で固定される。最後に、スライダをガイドレール補助部材に係合させる。
【0021】
そして、組立てが終了した後、スライダをガイドレールに沿ってスライドさせピッチングを計測する。ピッチングが大きい場合には、スライダとガイドレール補助部材との係合を解き、さらに小螺子部材と第1螺子孔との螺合を解き、小螺子部材を大螺子部材から抜き取る。次いで、長手方向に沿って複数配置された大螺子部材の全部又は一部の螺合状態をピッチングの計測結果に応じて変化させる。より具体的には、一部又は全部の大螺子部材をガイドレール補助部材の下面から突出するようにし、ガイドレール補助部材に傾きを設け、大まかな補正をする。
【0022】
次いで、小螺子部材を再び大螺子部材の第1貫通孔に挿通し、第1螺子孔に螺合させ、締結を行う。すると、大螺子部材とガイドレールが当接していない箇所の小螺子部材の締結力によりガイドレール補助部材は、ガイドレールの長手方向に沿って撓みを生じる。そして、その後のスライダの変位の計測結果に応じて何度も微調整すれば、ピッチングが飛躍的に小さくなる。
【0023】
請求項8に記載の直進ステージのガイド機構は、幅方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のガイドレールと、前記ガイドレールの上面を覆いながら前記ガイドレールに固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のガイドレール補助部材と、第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、前記ガイドレール補助部材と係合され、前記ガイドレールに沿って移動するスライダと、を有し、前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記ガイドレール補助部材の下面よりも突出することを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7と同様に組立てが行われる。そして、スライダのローリングの変位の計測結果に応じて大螺子部材と小螺子部材とを微調整すれば、ローリングが飛躍的に小さくなる。ひいては、ヨーイングも抑止される。
【0025】
請求項9に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項7又は請求項8に記載の直進ステージのガイド機構において、前記ガイドレール補助部材の前記複数の第2螺子孔間には、前記小螺子部材が直接挿通される第3螺子孔が形成され、この第3螺子孔の位置に合わせて前記ガイドレールに前記第1螺子孔が形成されたことを特徴とする。
【0026】
請求項9の発明によれば、大螺子部材をガイドレール補助部材の下面から突出させてガイドレール補助部材を傾かせ、それから第2螺子孔に螺合された大螺子部材の第1貫通孔及び第3螺子孔に小螺子部材を挿通し、ガイドレールの第1螺子孔に螺合させる。そのため、第2螺子孔間に設けられた第3螺子孔には、直接小螺子部材が挿入されるので、小螺子部材の第1螺子孔への螺合具合を変えるだけで、容易にガイドレール補助部材の撓み具合が微調整される。
【0027】
請求項10に記載の直進ステージのガイド機構は、長手方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のレール支持部と、前記レール支持部の上面を覆いながら前記レール支持部に固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のレール部と、第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、前記レール部と係合され、前記レール部に沿って移動するスライダと、を有し、前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記レール部の下面よりも突出することを特徴とする。
【0028】
請求項10の発明によれば、次のように組立てが行われる。先ず、レール部の第2螺子孔に第2開口部側から大螺子部材が挿入され、第2小孔部に形成された雌螺子に螺合される。次いで、その先端がレール部の下面より突出せず、かつ大螺子部材の頭部がレール部の上面から突出しないかほとんど突出しない位置まで、大螺子部材を第2小孔部に螺合させる。次いで、大螺子部材が螺合した状態のレール部をレール支持部上に載置する。次いで、大螺子部材の第1貫通孔に小螺子部材を挿通し、さらに小螺子部材の頭部が大螺子部材の第1開口部と当接する位置までレール支持部の第1螺子孔に小螺子部材を螺合させる。すると、レール部がレール支持部の上面に載置された状態で固定される。最後に、スライダをレール部に係合させる。
【0029】
そして、組立てが終了した後、スライダをレール部に沿ってスライドさせピッチングを計測する。ピッチングが大きい場合には、スライダとレール部との係合を解き、さらに小螺子部材と第1螺子孔との螺合を解き、小螺子部材を大螺子部材から抜き取る。次いで、長手方向に沿って複数配置された大螺子部材の全部又は一部の螺合状態をピッチングの計測結果に応じて変化させる。より具体的には、一部又は全部の大螺子部材をレール部の下面から突出するようにし、レール部に傾きを設け、大まかな補正をする。
【0030】
次いで、小螺子部材を再び大螺子部材の第1貫通孔に挿通し、第1螺子孔に螺合させ、締結を行う。すると、大螺子部材とレール支持部が当接していない箇所の小螺子部材の締結力によりレール部は、レール支持部の長手方向に沿って撓みを生じる。そして、その後のスライダの変位の計測結果に応じて何度も微調整すれば、ピッチングが飛躍的に小さくなる。
【0031】
請求項11に記載の直進ステージのガイド機構は、幅方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のレール支持部と、前記レール支持部の上面を覆いながら前記レール支持部に固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のレール部と、第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、前記レール部と係合され、前記レール部に沿って移動するスライダと、を有し、前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記レール部の下面よりも突出することを特徴とする。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、請求項10と同様に組立てが行われる。そして、スライダのローリングの変位の計測結果に応じて大螺子部材と小螺子部材とを微調整すれば、ローリングが飛躍的に小さくなる。ひいては、ヨーイングも抑止される。
【0033】
請求項12に記載の直進ステージのガイド機構は、請求項10又は請求項11に記載の直進ステージのガイド機構において、前記レール部の前記複数の第2螺子孔間には、前記小螺子部材が直接挿通される第3螺子孔が形成され、この第3螺子孔の位置に合わせて前記レール支持部に前記第1螺子孔が形成されたことを特徴とする。
【0034】
請求項12の発明によれば、大螺子部材をレール部の下面から突出させてレール部を傾かせ、それから第2螺子孔に螺合された大螺子部材の第1貫通孔及び第3螺子孔に小螺子部材を挿通し、レール支持部の第1螺子孔に螺合させる。そのため、第2螺子孔間に設けられた第3螺子孔には、直接小螺子部材が挿入されるので、小螺子部材の第1螺子孔への螺合具合を変えるだけで、容易にレール部の撓み具合が微調整される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態による直進ステージのガイド機構を示す斜視図である。ガイド機構10は、断面矩形状のレール部11aと、このレール部11aと一体形成されたレール支持部11bとを有するガイドレール11と、レール部11aの外周面上を囲繞し、レール支持部11bが挿入されるスリット12aが形成された筒状のスライダ12とを有している。ガイドレール11は、レール支持部11bの下面11cを定盤13の上面13aに当接させることで、定盤13上に載置されている。そして、このガイドレール11を定盤13に固定させるために、レール支持部11bの一側及び他側には、それぞれ一側治具及び他側治具である固定治具14が設けられている。
【0036】
この固定治具14は、定盤13上に2つの螺子15で固定された断面L字状のナット部材16と、このナット部材16に螺合されたボルト17と、レール支持部11bの側面11dを傷つけないように設けられた金属製のスペーサー18とから構成されている。また、固定治具14は、レール支持部11bの長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。このとき、一側及び他側の固定治具14は相対向して設けられている。なお、ガイドレール11やスライダ12の材料としては、大理石、グラナイト、アルミニウム、鉄、ステンレス、セラミックス、又は石英ガラス等の材料が用いられる。
【0037】
また、スライダ12の幅方向に対して垂直な外側面12bの中央には、それぞれ継手19が取り付けられ、この継手19の一端には、不図示のコンプレッサーから送風される流体である空気を流通させるチューブ20が取り付けられている。
【0038】
図2は、図1のB−B線断面図である。
スライダ12には、その幅方向中央に対して左右対称に給気孔12cが形成されており、継手19側から流入した空気は、第1噴出口21、第2噴出口22、及び第3噴出口23から流出する。第1噴出口21は、スリット12aにより形成された一対の開口端面12dの各々に相対向して形成されている。第2噴出口22は、レール部11aの上面11eに対向するスライダ12の内側面12eに、スライダ12の幅方向中央に対して対称な位置に一対形成されている。第3噴出口23は、レール部11aの下面11fに対向するスライダの内側面12eに、スライダ12の幅方向中央に対して対称な位置に一対形成されている。
【0039】
そして、レール部11aの上面11eと下面11fと側面11gとからなる外周面及びレール支持部11bの側面11dと、筒状のスライダ12の内側面12e及び開口端面12dと、の間に第1噴出口21、第2噴出口22、及び第3噴出口23から空気を流入させガイドレール11とスライダ12とを非接触状態にする。
【0040】
図3は、スライダ12のガイドレール11上でのヨーイングの計測結果を示している。縦軸は角度を示し、横軸は、スライダ12のガイドレール11上での移動距離を示している。より具体的には、スライダ12が400mm進む毎にその間の左右方向の傾斜角の最大値と最小値との差をプロットしたものである。2点鎖線は、従来型の直進ステージのガイド機構8を示しており、実線は、本発明に係る直進ステージのガイド機構10を示している。
図に示すように、従来型及び本発明ともに移動距離が大きくなる程ヨーイングも増加する傾向にあり、移動距離が2000mmの所で最大のヨーイングになっている。従来型では、3秒程の傾きが生じていたが、本発明は、1秒程に減少している。
【0041】
図4は、スライダ12のガイドレール11上での水平方向の真直度の計測結果を示している。縦軸は変位量を示し、横軸は、スライダ12のガイドレール11上での移動距離を示している。より具体的には、スライダ12が400mm進む毎にその間のスライダ12の幅方向への変位の最大値と最小値との差をプロットしたものである。2点鎖線は、従来型の直進ステージのガイド機構8を示しており、実線は、本発明に係る直進ステージのガイド機構10を示している。
図に示すように、従来型及び本発明ともに移動距離が大きくなる程変位量も増加する傾向にあり、移動距離が2000mmの所で最大の変位量になっている。
従来型では、5μm程の変位が生じていたが、本発明は、1μm未満に抑えられている。
【0042】
以上述べたように第1実施形態によれば、一対の開口端面12dの各々に第1噴出口21を形成し、この第1噴出口21から開口端面12dとレール支持部11bの側面11dとの間に流体を流し込むようにしたので、筒状のスライダ12がガイドレール11の長手方向を回転中心軸として回転しようとしても、その回転が抑止される。すなわち、一方の第1噴出口21がレール支持部11bの側面11dに近づくと、他方の第1噴出口21はレール支持部11bの側面11dから遠ざかり、第1噴出口21から噴出される流体によるスライダ12の開口端面12dをレール支持部11bの側面11dから離隔させる力が、一方の第1噴出口21側の方が他方の第1噴出口21側よりも大きくなるので、スライダ12の回転が抑止される。従って、スライダ12のローリングを抑え、スライダ12とガイドレール11との隙間が左右で異なるのを抑止することができる。そのため、スライダ12とガイドレール11との隙間に存在する流体の圧力が左右で相異するのを抑止でき、スライダ12の左右の滑り易さを均一に維持し易くなる。従って、ヨーイングも抑止され、高い位置決め精度の直進ステージのガイド機構10を得ることができる。
【0043】
また、第1実施形態では、一対の第2噴出口22及び一対の第3噴出口23をスライダ12の幅方向中央に対して対称な位置に形成したので、ローリングを抑止でき、ひいてはヨーイングも抑止することができる。
【0044】
さらに、第1実施形態では、レール支持部11bの一側及び他側に設けた固定治具14によりガイドレール11を付勢するようにしたので、ガイドレール11が多少曲がっていても矯正することが可能である。また、第1噴出口21を開口端面12dに設けたので、内側面12eに設けた場合よりも第1噴出口21を固定治具14に近接させることができ、より小さな付勢力で効果的にガイドレール11を矯正することができる。そして、スライダ12をガイドレール11に沿ってスライドさせ、そのときの真直度やヨーイングを計測し、その計測結果に応じてガイドレール11の曲がりを矯正すれば、高い真直度を確保でき、またヨーイングを抑えることができる。
【0045】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態による直進ステージのガイド機構の要部を示す分解斜視図である。なお、この第2実施形態は、ガイドレール上にガイドレール補助部材が設けられた点で第1実施形態と異なるため、その部分の構成についてのみ説明する。
ガイドレール部28は、ガイドレール24と、ガイドレール補助部材25と、ガイドレール補助部材25に螺合される大螺子部材である六角穴付きボルト26と、ガイドレール24とガイドレール補助部材25とを締結するための小螺子部材である六角穴付きボルト27とを有している。
【0046】
ガイドレール24は、レール部24aとこのレール部24aと一体形成されたレール支持部24bとを有している。レール部24aには、その長手方向と幅方向とに沿って所定間隔毎に第1螺子孔24cが形成されている。ガイドレール24の上面24dには、ガイドレール補助部材25が上面24dを覆いながらガイドレール24に固定される。このガイドレール補助部材25には、第1螺子孔24cの位置に合わせて第2螺子孔25a又は第3螺子孔25fが形成されている。この第2螺子孔25aは、雌螺子が形成された第2小孔部25bと、六角穴付きボルト26の頭部26aを収容可能に形成された第2開口部である座繰り穴25cとを有している。また、第2螺子孔25aは、ガイドレール補助部材25の四隅に形成されている。そして、第3螺子孔25fは、第2螺子孔25a間等に形成されており、幅方向には中央に一列形成されている。また、第3螺子孔25fには座繰り穴25gが形成されている。
【0047】
六角穴付きボルト26には、六角穴付きボルト27の螺子部27aが挿入される第1貫通孔26dが形成されている。この第1貫通孔26dは、第1小孔部26bと六角穴付きボルト27の頭部27bが収容される第1開口部である六角穴26cとを有している。六角穴26cは、六角穴付きボルト26をガイドレール補助部材25に螺合させるために、六角レンチが挿入できるように六角柱状に形成されている。また、六角穴付きボルト26の螺子部26eは、雌螺子が形成された第2小孔部25bに螺合される。
そして、スライダ12は、ガイドレール24のレール部24a及びガイドレール補助部材25を囲繞して係合され、ガイドレール24に沿って移動可能にされる。
【0048】
組立てにあたっては、先ず、ガイドレール補助部材25の第2螺子孔25aに座繰り穴25c側から六角穴付きボルト26が挿入し、第2小孔部25bに形成された雌螺子に螺合する。このとき、その先端がガイドレール補助部材25の下面25dより突出せず、かつ六角穴付きボルト26の頭部26aがガイドレール補助部材25の上面25eから突出しない位置まで、六角穴付きボルト26を第2小孔部25bに螺合させる。次いで、六角穴付きボルト26が螺合した状態のガイドレール補助部材25をガイドレール24上に載置する。
【0049】
次いで、六角穴付きボルト26の第1貫通孔26dに六角穴付きボルト27を挿通し、さらに六角穴付きボルト27が六角穴付きボルト26の六角穴26cの底面と当接する位置まで第1螺子孔24cに六角穴付きボルト27を螺合させる。すると、ガイドレール補助部材25がガイドレール24の上面24dに載置された状態で固定される。次いで、第3螺子孔25fにも六角穴付きボルト27を直接挿通し、座繰り穴25gの底面に当接するまで六角穴付きボルト27を第1螺子孔24cに螺合させる。最後に、スライダ12をガイドレール補助部材25に係合させる。なお、第3螺子孔25fに六角穴付きボルト27を直接挿通するとは、六角穴付きボルト26のような筒状部材の内部でなく、第3螺子孔25fそのものに挿通することをいう。
【0050】
次に、図6に図5の組立図を示す。図に示すように、ガイドレール補助部材25は、六角穴付きボルト27により締付けられ、幅方向及び長手方向ともに撓んでいる。六角穴付きボルト26はガイドレール補助部材25の下面25dより突出しガイドレール24の上面24dと当接している。なお、ガイドレール24の上面24dとガイドレール補助部材25の下面25dとの隙間L1は、マイクロメートルオーダである。
【0051】
この第2実施形態のガイドレール部28では、以下のようにしてスライダ12の位置決め精度を向上させる。
上述したようにして組立てが終了した後、スライダ12をガイドレール部28に沿ってスライドさせピッチング及びローリングを計測する。ピッチング又はローリングが大きい場合には、スライダ12とガイドレール補助部材25との係合を解き、さらに六角穴付きボルト27と第1螺子孔24cとの螺合を解き、六角穴付きボルト27を六角穴付きボルト26の第1貫通孔26d又は第3螺子孔25fから抜き取る。次いで、六角穴付きボルト26の全部又は一部の螺合状態をピッチング及びローリングの計測結果に応じて変化させる。より具体的には、一部又は全部の六角穴付きボルト26をガイドレール補助部材25の下面25dから突出するようにし、ガイドレール補助部材25に傾きを設け、大まかな補正をする。
【0052】
次いで、六角穴付きボルト27を再び六角穴付きボルト26の第1貫通孔26d及び第3螺子孔25fに挿通し、第1螺子孔24cに螺合させ、締結を行う。
すると、この締結力によりガイドレール補助部材25は、ガイドレール24の水平面に対して撓みを生じる。特に、第3螺子孔25fに螺合された六角穴付きボルト27は撓み具合の微調整の役割を果たす。その後、再びスライダ12を取付け、変位の計測をし、第3螺子孔25fの六角穴付きボルト27を六角レンチにより微調整すれば、スライダ12の位置決め精度は容易かつ飛躍的に向上する。
【0053】
この第2実施形態でも第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
さらに、第2実施形態によれば、六角穴付きボルト26をガイドレール補助部材25の下面25dから突出させてガイドレール補助部材25を傾かせ、その後第2螺子孔25aに螺合された六角穴付きボルト26の第1貫通孔26d及び第3螺子孔25fに、六角穴付きボルト27を挿通し、ガイドレール24の第1螺子孔24cに螺合させる。第2螺子孔25a間に設けられた第3螺子孔25fには、六角穴付きボルト27が直接挿通されるので、六角穴付きボルト27の第1螺子孔24cへの螺合具合を六角レンチにより変えるだけで、容易にガイドレール補助部材25の撓み具合を微調整することができる。従って、スライダ12移動時のピッチング及びローリングを抑止することができ、ひいてはヨーイングを抑止することができる。
【0054】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態による直進ステージのガイド機構の要部を示す分解斜視図である。なお、この第3実施形態は、レール部とレール支持部を分離しボルト等で締結した点で第1実施形態と異なるため、その部分の構成についてのみ説明する。
ガイドレール29は、レール支持部30と、レール部31と、レール部31に螺合される六角穴付きボルト26と、レール支持部30とレール部31とを締結するための六角穴付きボルト27とを有している。
【0055】
レール支持部30には、その長手方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔30aが形成されている。また、幅方向には、左右一対の第1螺子孔30aが形成されている。レール支持部30の上面30bには、レール支持部30よりも幅広のレール部31が上面30bを覆いながらレール支持部30に固定される。このレール部31には、第1螺子孔30aの位置に合わせて第2螺子孔31a又は第3螺子孔31fが形成されている。この第2螺子孔31aは、雌螺子が形成された第2小孔部31bと、六角穴付きボルト26の頭部26aを収容可能に形成された第2開口部である座繰り穴31cとを有している。また、第2螺子孔31aは、レール部31の長手方向両端側に形成されている。第3螺子孔31fは、レール部31の長手方向における第2螺子孔31a間に形成されている。また、第3螺子孔31fには座繰り穴31gが形成されている。
【0056】
また、六角穴付きボルト26の螺子部26eは、雌螺子が形成された第2小孔部31bに螺合される。
そして、スライダ12は、ガイドレール29のレール部31を囲繞して係合され、ガイドレール29に沿って移動可能にされる。
【0057】
組立てにあたっては、先ず、レール部31の第2螺子孔31aに座繰り穴31c側から六角穴付きボルト26が挿入し、第2小孔部31bに形成された雌螺子に螺合する。このとき、その先端がレール部31の下面31dより突出せず、かつ六角穴付きボルト26の頭部26aがレール部31の上面31eから突出しない位置まで、六角穴付きボルト26を第2小孔部31bに螺合させる。次いで、六角穴付きボルト26が螺合した状態のレール部31をレール支持部30上に載置する。
【0058】
次いで、六角穴付きボルト26の第1貫通孔26dに六角穴付きボルト27を挿通し、さらに六角穴付きボルト27が六角穴付きボルト26の六角穴26cの底面と当接する位置まで第1螺子孔30aに六角穴付きボルト27を螺合させる。すると、レール部31がレール支持部30の上面30bに載置された状態で固定される。次いで、第3螺子孔31fにも六角穴付きボルト27を直接挿通し、座繰り穴31gの底面に当接するまで六角穴付きボルト27を第1螺子孔30aに螺合させる。最後に、スライダ12をレール部31に係合させる。なお、第3螺子孔31fに六角穴付きボルト27を直接挿通するとは、六角穴付きボルト26のような筒状部材の内部でなく、第3螺子孔31fそのものに挿通することをいう。
【0059】
次に、図8に図7の組立図を示す。図に示すように、レール部31は、六角穴付きボルト27により締め付けられ、幅方向及び長手方向ともに撓んでいる。六角穴付きボルト26はレール部31の下面31dより突出しレール支持部30の上面30bと当接している。なお、レール支持部30の上面30bとレール部31の下面31dとの隙間L2は、マイクロメートルオーダである。
【0060】
この第3実施形態のガイドレール29では、以下のようにしてスライダ12の位置決め精度を向上させる。
上述したようにして組立てが終了した後、スライダ12をガイドレール29に沿ってスライドさせピッチング及びローリングを計測する。ピッチング又はローリングが大きい場合には、スライダ12とレール部31との係合を解き、さらに六角穴付きボルト27と第1螺子孔30aとの螺合を解き、六角穴付きボルト27を六角穴付きボルト26の第1貫通孔26d又は第3螺子孔31fから抜き取る。次いで、六角穴付きボルト26の全部又は一部の螺合状態をピッチング及びローリングの計測結果に応じて変化させる。より具体的には、一部又は全部の六角穴付きボルト26をレール部31の下面31dから突出するようにし、レール部31に傾きを設け、大まかな補正をする。
【0061】
次いで、六角穴付きボルト27を再び六角穴付きボルト26の第1貫通孔26d及び第3螺子孔31fに挿通し、第1螺子孔30aに螺合させ、締結を行う。
すると、この締結力によりレール部31は、レール支持部30の水平面に対して撓みを生じる。特に、第3螺子孔31fに螺合された六角穴付きボルト27は撓み具合の微調整の役割を果たす。その後、再びスライダ12を取付け、変位の計測をし、第3螺子孔31fの六角穴付きボルト27を六角レンチにより微調整すれば、スライダ12の位置決め精度は容易かつ飛躍的に向上する。
【0062】
この第3実施形態でも第1及び第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
さらに、第3実施形態によれば、第2実施形態のようにガイドレール補助部材25を設けなくても良いので、幅方向の微調整では劣るものの部品点数を減少させることができ、より簡易な構成でスライダ12移動時のピッチング及びローリングを抑止することができ、ひいてはヨーイングを抑止することができる。
【0063】
なお、上述した第1実施形態では、給気孔12cをスライダ12のスライド方向の中央に設けたが、スライド方向に所定間隔で、複数設けても良い。このようにすれば、第1噴出口21の存在によりローリングやヨーイングの抑止効果が高まり、第2噴出口22及び第3噴出口23の存在によりピッチングの抑止効果が高まる。
また、第1実施形態では、一対の第2噴出口22をスライダ12の幅方向中央に対して対称な位置に形成したが、第2噴出口22はスライダ12の幅方向中央に1つ形成するものであっても良い。
【0064】
さらに、第1実施形態では、流体として空気を用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、不活性ガスを用いても良い。要するに、スライダ12をガイドレール11に沿って精度良くスライドさせることができる流体であれば良い。
また、第1実施形態では、一側及び他側の固定治具14を相対向させて設けた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一側の2つの固定治具14の中間付近に設けても良い。
【0065】
上述した第2及び第3実施形態では、大螺子部材として六角穴付きボルト26を用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、十字穴付き螺子に第1貫通孔26dが形成されたものでも良い。又は、螺子部だけを有する筒状の部材の一端側に六角レンチ挿入用の穴を形成するようにしても良い。ただし、頭部がないため、マイクロメートルオーダの位置決めには、好適でない。
【0066】
また、第2及び第3実施形態では、小螺子部材として六角穴付きボルト27を用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、単なる螺子であっても良い。
さらに、第2及び第3実施形態では、第1小孔部26bの断面形状は特に限定するものではない。例えば、正方形断面であっても良い。
【0067】
また、第2及び第3実施形態では、第1開口部として六角穴26cを形成した例について説明したが、これに限定されるものでない。例えば、直方体状の穴であっても良い。
さらに、第2実施形態では、第3螺子孔25fに六角穴付きボルト27を挿通した例について述べたが、第3螺子孔25fを形成せずに全て第2螺子孔25aとして六角穴付きボルト26を螺合させても良い。この場合、六角穴付きボルト26とガイドレール24とが当接していない箇所の六角穴付きボルト27によりガイドレール補助部材25のガイドレール24水平面に対する撓みを調整できる。
【0068】
また、第3実施形態では、第3螺子孔31fに六角穴付きボルト27を挿通した例について述べたが、第3螺子孔31fを形成せずに全て第2螺子孔31aとして六角穴付きボルト26を螺合させても良い。この場合、六角穴付きボルト26とレール支持部30とが当接していない箇所の六角穴付きボルト27によりレール部31のレール支持部30水平面に対する撓みを調整できる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、スライダの一対の開口端面の各々に第1噴出口を形成し、この第1噴出口から開口端面とレール支持部の側面との間に流体を流し込むようにしたので、スライダの回転が抑止され、ひいてはヨーイングも抑えることができ、スライダの位置決めを高精度にすることができる。
また、第1噴出口を開口端面に設けたので、内側面に設けた場合よりも第1噴出口を一側治具及び他側治具に近接させることができ、ガイドレールの曲がりを矯正するために一側治具と他側治具とによりガイドレールに加える付勢力を小さくすることができる。また、ガイドレールの曲がりは矯正されるので、スライダがガイドレールをスライドするときに高い真直度を確保でき、ヨーイングも抑えることができる。
さらに、大螺子部材と小螺子部材とにより、ガイドレール補助部材又はレール部のレール支持部水平面に対する撓みを調整できるようにしたので、スライダ移動時のピッチング及びローリングを抑止することができ、ひいてはヨーイングを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による直進ステージのガイド機構を示す斜視図である。
【図2】図1のB−B線断面図である。
【図3】第1実施形態による直進ステージのガイド機構のヨーイングの計測結果を示す説明図である。
【図4】第1実施形態による直進ステージのガイド機構の真直度の計測結果を示す説明図である。
【図5】第2実施形態による直進ステージのガイド機構の要部の分解斜視図である。
【図6】図5の組立図である。
【図7】第3実施形態による直進ステージのガイド機構の要部の分解斜視図である。
【図8】図7の組立図である。
【図9】従来例による直進ステージを示す説明図である。
【図10】図9のガイド機構を示す斜視図である。
【図11】図10のA−A線断面図である。
【符号の説明】
10 ガイド機構
11,24 ガイドレール
11a,31 レール部
11b,30 レール支持部
11d 側面
11e 上面
11f 下面
12 スライダ
12a スリット
12b 外側面
12d 開口端面
12e 内側面
14 固定治具
21 第1噴出口
22 第2噴出口
23 第3噴出口
24c,31a 第1螺子孔
24d,30b 上面
25 ガイドレール補助部材
25a,31a 第2螺子孔
25b,31b 第2小孔部
25c 座繰り穴
25d,31d 下面
25f,31f 第3螺子孔
26 六角穴付きボルト
26a 頭部
26b 第1小孔部
26c 六角穴
26d 第1貫通孔
27 六角穴付きボルト
27b 頭部

Claims (12)

  1. レール部と、このレール部に連結又は一体形成され、かつ前記レール部の幅よりも狭い幅を有するレール支持部と、を有するガイドレールと、
    前記レール部の外周面上を囲繞し、前記レール支持部が挿入されるスリットが形成された筒状のスライダと、
    を有し、
    前記レール部の外周面及び前記レール支持部の側面と、前記筒状のスライダの内側面及び前記スリットにより形成された一対の開口端面との間に、前記スライダに形成された給気孔を介して、流体が流入することで前記ガイドレールと前記スライダとが非接触状態にされる直進ステージのガイド機構であって、
    前記一対の開口端面の各々には、前記スライダの外側面側から供給された前記流体が流出する第1噴出口が形成され、前記開口端面と前記開口端面に隣接した前記レール支持部の側面との間に前記第1噴出口から流体が流入されることを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  2. 請求項1に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記レール部は矩形状断面を有し、
    この矩形状断面のレール部の上面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に対して対称な位置に一対の第2噴出口が形成され、
    前記矩形状断面のレール部の下面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に対して対称な位置に一対の第3噴出口が形成されたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  3. 請求項1に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記レール部は矩形状断面を有し、
    この矩形状断面のレール部の上面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に第2噴出口が形成され、
    前記矩形状断面のレール部の下面と対向する前記スライダの内側面には、前記スライダの幅方向中央に対して対称な位置に一対の第3噴出口が形成されたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  4. 請求項1に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記第1噴出口が、前記スライダのスライド方向に所定間隔で複数形成されたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記第2噴出口及び前記第3噴出口が、前記スライダのスライド方向に所定間隔で複数形成されたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記ガイドレールの幅方向の一側に設けられ、前記ガイドレールの側面を付勢し前記ガイドレールを他側へ移動させるための一側治具と、
    前記ガイドレールの幅方向の他側に設けられ、前記ガイドレールの側面を付勢し前記ガイドレールを一側へ移動させるための他側治具と、
    を前記ガイドレールに沿って複数設けたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  7. 長手方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のガイドレールと、
    前記ガイドレールの上面を覆いながら前記ガイドレールに固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のガイドレール補助部材と、
    第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、
    前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、
    前記ガイドレール補助部材と係合され、前記ガイドレールに沿って移動するスライダと、
    を有し、
    前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、
    前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、
    前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記ガイドレール補助部材の下面よりも突出することを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  8. 幅方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のガイドレールと、
    前記ガイドレールの上面を覆いながら前記ガイドレールに固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のガイドレール補助部材と、
    第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、
    前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、
    前記ガイドレール補助部材と係合され、前記ガイドレールに沿って移動するスライダと、
    を有し、
    前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、
    前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、
    前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記ガイドレール補助部材の下面よりも突出することを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記ガイドレール補助部材の前記複数の第2螺子孔間には、前記小螺子部材が直接挿通される第3螺子孔が形成され、
    この第3螺子孔の位置に合わせて前記ガイドレールに前記第1螺子孔が形成されたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  10. 長手方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のレール支持部と、
    前記レール支持部の上面を覆いながら前記レール支持部に固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のレール部と、
    第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、
    前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、
    前記レール部と係合され、前記レール部に沿って移動するスライダと、
    を有し、
    前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、
    前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、
    前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記レール部の下面よりも突出することを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  11. 幅方向に沿って所定間隔毎に第1螺子孔が形成された棒状のレール支持部と、
    前記レール支持部の上面を覆いながら前記レール支持部に固定され、かつ前記第1螺子孔の位置に合わせて第2螺子孔が形成された棒状のレール部と、
    第1小孔部と第1開口部とを有する第1貫通孔が形成され、かつ前記第2螺子孔に螺合される大螺子部材と、
    前記第2螺子孔に螺合された状態の前記大螺子部材の前記第1貫通孔に前記第1開口部側から挿通され、前記第1螺子孔に螺合される小螺子部材と、
    前記レール部と係合され、前記レール部に沿って移動するスライダと、
    を有し、
    前記第1貫通孔の前記第1開口部は、前記小螺子部材の頭部を収容可能に形成され、
    前記第2螺子孔は、雌螺子が形成された第2小孔部と、前記大螺子部材の頭部を収容可能に形成された第2開口部とを有し、
    前記大螺子部材をその頭部が前記第2開口部と当接するまで挿入したとき、前記大螺子部材の先端は前記レール部の下面よりも突出することを特徴とする直進ステージのガイド機構。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の直進ステージのガイド機構において、
    前記レール部の前記複数の第2螺子孔間には、前記小螺子部材が直接挿通される第3螺子孔が形成され、
    この第3螺子孔の位置に合わせて前記レール支持部に前記第1螺子孔が形成されたことを特徴とする直進ステージのガイド機構。
JP2002307971A 2002-10-23 2002-10-23 直進ステージのガイド機構 Pending JP2004144155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002307971A JP2004144155A (ja) 2002-10-23 2002-10-23 直進ステージのガイド機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002307971A JP2004144155A (ja) 2002-10-23 2002-10-23 直進ステージのガイド機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004144155A true JP2004144155A (ja) 2004-05-20

Family

ID=32454235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002307971A Pending JP2004144155A (ja) 2002-10-23 2002-10-23 直進ステージのガイド機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004144155A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100363150C (zh) * 2006-04-13 2008-01-23 潘旭华 一种静压导轨及其制造方法
CN100363149C (zh) * 2006-03-28 2008-01-23 潘旭华 一种可精密定位的静压导轨及其定位方法
JP2012237394A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Nsk Ltd 直動案内装置の設置構造
JP2014062580A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Toto Ltd 静圧気体軸受

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100363149C (zh) * 2006-03-28 2008-01-23 潘旭华 一种可精密定位的静压导轨及其定位方法
CN100363150C (zh) * 2006-04-13 2008-01-23 潘旭华 一种静压导轨及其制造方法
JP2012237394A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Nsk Ltd 直動案内装置の設置構造
JP2014062580A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Toto Ltd 静圧気体軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160023391A1 (en) Movable platen support structure for injection molding apparatus
JP2006205031A (ja) スリットダイ及び塗布装置
JP2004144155A (ja) 直進ステージのガイド機構
JP6876244B2 (ja) マスクフレーム及び真空処理装置
JPS60232839A (ja) 直線状案内軌道の固定装置
WO2004090450A8 (en) Plate heat exchanger and flow guide plate
US8011832B2 (en) Linear guide
JPH05277870A (ja) 駆動装置及びこれを具備したxy駆動装置
US6960855B2 (en) Bearing for a measuring instrument, particularly a coordinate measuring instrument
JP4180875B2 (ja) 角度調整装置
JP2005188246A (ja) 軌道の接続構造
JP2006241742A (ja) 扉枠調整具及び扉枠取付構造
JP2008133939A (ja) リニアガイド装置
JPH05215131A (ja) 直線運動装置用の直線状スライド
JP2007088154A (ja) 電子部品実装機
JP2008121901A (ja) 角度調整装置
CN1142620C (zh) 光学谐振腔的调节机构
JP2009113155A (ja) 可動台のための位置調整機構
CN1775448A (zh) 一种新型激光切割头
JP2553973B2 (ja) ボールねじ付直線運動案内装置およびボールねじの予圧付与方法
JP2000337376A (ja) 直動軸受機構
JP2007152488A (ja) スライド装置の防塵構造およびその防塵アダプタ
JP3200490B2 (ja) 連続鋳造装置と該装置に用いられる鋳型装置
CN213729814U (zh) 一种电火花机的机头罩
CN213538566U (zh) 一种轨道机构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051021

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081127

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090318

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02