JP2004144122A - 自動車の差動装置 - Google Patents
自動車の差動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004144122A JP2004144122A JP2002306735A JP2002306735A JP2004144122A JP 2004144122 A JP2004144122 A JP 2004144122A JP 2002306735 A JP2002306735 A JP 2002306735A JP 2002306735 A JP2002306735 A JP 2002306735A JP 2004144122 A JP2004144122 A JP 2004144122A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pair
- input
- shaft
- distribution
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
- Friction Gearing (AREA)
Abstract
【課題】動力の伝達効率を低下させることなく、また自動車の操舵性を低下させることなく、車が旋回する際の内輪と外輪の行程差に応じた回転配分を行うことが可能であり、また、一方の車輪がトルクを失った場合でも他方の車輪のトルクを保持することができる自動車の差動装置。
【解決手段】入力軸1と一対の出力軸2、2との間に設けられて入力軸1の回転を出力軸2、2にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構4、4を有する差動ユニット3を備え、無段変速機構4、4は、自動車を旋回させる図略の操舵手段の操舵角に応じて入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更することにより、自動車の旋回時に出力軸2、2が内輪側となる無段変速機構4、4は減速方向に、出力軸2、2が外輪側となる無段変速機構4、4は増速方向になるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】入力軸1と一対の出力軸2、2との間に設けられて入力軸1の回転を出力軸2、2にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構4、4を有する差動ユニット3を備え、無段変速機構4、4は、自動車を旋回させる図略の操舵手段の操舵角に応じて入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更することにより、自動車の旋回時に出力軸2、2が内輪側となる無段変速機構4、4は減速方向に、出力軸2、2が外輪側となる無段変速機構4、4は増速方向になるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力を入力する入力軸と、左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸とを備えた自動車の差動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車において左右の車輪にトルクを伝える差動装置としては、ディファレンシャルギヤと呼ばれる差動歯車が広く用いられている。この差動歯車は、自動車が旋回することにより生ずる内輪と外輪の回転差を補うように左右の車輪に回転を配分するためのものであり、簡単な傘歯車機構を採用することにより左右の出力軸にトルクを等配分することができるように構成されている。
【0003】
ところで、この差動歯車は、左右にトルクを等配分する機構のため、例えば自動車の一方の車輪が浮いたり雪道で滑ったりして一方の車輪のトルクが失われた場合には、他方の車輪にもトルクが発生せず、車を駆動することができなくなるという問題点があった。
【0004】
そこで、一方の車輪のトルクが失われた場合でも左右に必要な回転を与えるために、車輪の空転を検知してエンジンの出力を制御するトラクションコントロールや、空転側にブレーキを加えることにより、反対側にトルクを発生させるノンスリップデフ、またはリミテッドスリップデフ(LSD)と呼ばれる機構が種々開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の差動装置の技術は、従来のディファレンシャルギヤにおいてエンジンの出力を制御したり、空転側にブレーキを加えたりして一方の出力軸の機能を抑制するものであるため、動力の伝達効率を低下させたり、自動車の操舵性を低下させるという不具合があった。
【0006】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、動力の伝達効率を低下させることなく、また自動車の操舵性を低下させることなく、車が旋回する際の内輪と外輪の行程差に応じた回転配分を行うことが可能であり、また、一方の車輪がトルクを失った場合でも他方の車輪のトルクを保持することができる自動車の差動装置を提供することを課題としている。
【0007】
なお、本願に記載する無段変速機構を用いた差動装置は、上述の差動装置の従来技術のいずれにも該当せず、出願人の知る限りでは本願出願に類する公知例が無いため、本出願の時点では開示すべき先行技術文献情報は保有していない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、動力を入力する入力軸と、左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸とを備えた自動車の差動装置であって、入力軸と一対の出力軸との間に設けられて入力軸の回転を出力軸にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構を有する差動ユニットを備え、上記一対の無段変速機構は、自動車を旋回させる操舵手段の操舵角に応じて入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することにより、自動車の旋回時に出力軸が内輪側となる無段変速機構は減速方向に、出力軸が外輪側となる無段変速機構は増速方向になるように構成したことを特徴とする自動車の差動装置である。
【0009】
本発明によれば、入力軸と一対の出力軸との間に設けられる無段変速機構が、操舵手段の操舵角に応じて内輪側となる無段変速機構は減速方向に、外輪側となる無段変速機構は増速方向になるように構成しているので、自動車の旋回にあたって、左右の車輪の回転速度をそれぞれ操舵角に応じた適切なものに変更することができる。また、この回転速度の変更は無段階的に行われるので、操舵中の走行を円滑なものにすることができる。
【0010】
本発明の第一の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、中間回転体の左右一対の出力部、左右の分配回転体の入力部、左右の分配回転体の出力部、左右一対の出力軸回転体の入力部のいずれかに設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する出力部もしくは入力部に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置である(請求項2)。
【0011】
次に、本発明の第二の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、中間回転体の左右一対の出力部、左右の分配回転体の入力部、左右の分配回転体の出力部、左右一対の出力軸回転体の入力部のいずれかに設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する出力部もしくは入力部に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面と当接位置が変更されることにより変速周面と無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右少なくとも一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右少なくとも一個ずつの変速周面は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一対の変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置である(請求項3)。
【0012】
また、本発明の第三の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右の出力部を有する中間回転体と、左右の出力軸と一体に設けられ、中間回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の分配回転体とを備えるとともに、左右一対の分配回転体に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する中間回転体に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する変速部とを備え、上記無段変速機構の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項4)である。
【0013】
さらに、本発明の第四の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、中間回転体の左右一対の出力部と、左右一対の出力軸回転体の入力部との両方に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右二個ずつの変速周面と、この左右二個ずつの変速周面の間にある左右少なくとも一個ずつの分配回転体の入力部と出力部とに設けられ、それぞれの変速周面と回転力の授受を保った状態でそれぞれの変速周面において当接位置を変更することによりそれぞれの変速周面と無段階に回転速度を変速するようにそれぞれの変速周面と回転力を授受する左右二個ずつの変速部とを備え、上記無段変速機構の左右二個ずつの変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右二個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項5)である。
【0014】
そして、本発明の第五の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の入力部と出力部との両方に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右二個ずつの変速周面と、この左右二個ずつの変速周面とそれぞれ対向する中間回転体の出力部と出力軸回転体の入力部とに設けられ、それぞれの変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右二個ずつの変速部とを備え、上記無段変速機構の左右二個ずつの変速周面は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右二個ずつの変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項6)である。
【0015】
また、本発明の第六の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右少なくとも1対ずつの軸受け部を有する中間回転体と、中間回転体の左右少なくとも1対ずつの軸受け部に回転軸を保持され、中間回転体の回転軸の周りに公転運動する左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、この公転運動する左右の分配回転体の回転運動を規制することにより分配回転体を自転させる中間静止体と、左右の出力軸に設けられ、分配回転体の遊星運動により回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の被規制部に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面を規制する中間静止体の左右一対の規制部に設けられ、変速周面の回転運動の規制を保った状態で変速周面において当接位置を変更することにより無段階に変速周面の回転速度を変速するように分配回転体の回転運動を規制する左右一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項7)である。
【0016】
また、本発明の第七の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の分配回転体の回転運動を規制することにより分配回転体の回転軸を回動させる中間静止体と、左右の出力軸に設けられ、それぞれ分配回転体の回転軸を保持する軸受け部を有することにより回転軸が回動する分配回転体から回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の被規制部に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面を規制する中間静止体の左右一対の規制部に設けられ、変速周面の回転運動の規制を保った状態で変速周面において当接位置を変更することにより無段階に出力軸回転体の回転速度を変速するように分配回転体の回転運動を規制する左右一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項8)である。
【0017】
これら、第一〜第七の好ましい態様(請求項2〜請求項8)によれば、上記差動ユニットは、回転力を授受する作用半径を無段階に変更可能な変速周面と、変速周面と回転力の授受を保った状態もしくは変速周面の回転運動の規制を保った状態で、変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部とを備え、変速部もしくは変速周面が、操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速周面もしくは変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0018】
そして、第一の好ましい態様(請求項2)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリング部の外径側に設けられ、かつ左右一対の出力部がリング部の内径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線にかつ出力部が円錐底面に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、入力部が外径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項9)。
【0019】
次に、第二の好ましい態様(請求項3)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリングの外径側に設けられ、かつ左右一対の出力部がリングの内径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、回転軸を通る断面が概ね菱形に形成され、2個の円錐面を有して、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の一方の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線にかつ出力部が他方の円錐面の母線に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、入力部が外径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体において出力軸から見て外側の円錐面と内側の円錐面とに形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項10)。
【0020】
また、第三の好ましい態様(請求項4)において、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリングの内径側もしくは外径側に設けられ、かつ出力部がリングの内径側もしくは外径側に設けられ、上記左右一対の分配回転体は、円錐状に形成されるとともに、分配回転体の円錐面の一の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側もしくは外径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項11)。
【0021】
さらに、第四の好ましい態様(請求項5)において、上記中間回転体は、円盤部の両側に母線が円弧を形成する二個の円錐体が底面を円盤面に接するように形成されたものであり、入力部が円盤部の周面に設けられ、かつ出力部が両方の円錐面に設けられ、上記出力軸回転体は、円盤部の中間回転体側に母線が円弧を形成する一個の円錐体が底面を円盤面に接するように形成されたものであり、入力部が円錐面に設けられ、上記左右一個ずつの分配回転体は、概ね円盤状に形成され、この円盤部の外周面が中間回転体の出力部と出力軸回転体の入力部とに接する球面を形成し、入力部が中間回転体側の球面部に設けられ、かつ出力部が出力軸回転体側の球面部に設けられ、上記左右二個ずつの変速周面は、中間回転体の円錐面と出力軸回転体の円錐面とに形成され、上記左右二個ずつの変速部は、分配回転体の中間回転体側の球面部と出力軸回転体側の球面部に設けられるとともに、分配回転体の回転軸の角度を変更する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項12)。
【0022】
そして、第五の好ましい態様(請求項6)において、上記中間回転体は、円盤状に形成されたものであり、入力部が円盤部の外周面に設けられ、かつ出力部が両方の円盤面に設けられ、上記出力軸回転体は、円盤状に形成されたものであり、入力部が円盤部の分配回転体側の外縁に設けられ、上記左右一個ずつの分配回転体は、球状に形成され、中間回転体の円盤面と出力軸回転体の外縁とに接し、入力部が中間回転体側の球面部に設けられ、かつ出力部が出力軸回転体側の球面部に設けられ、上記左右二個ずつの変速部は、中間回転体の円盤面と出力軸回転体の外縁とに形成され、上記左右二個ずつの変速周面は、分配回転体の中間回転体側の球面と出力軸回転体側の球面円盤面とに設けられるとともに、分配回転体の回転軸の角度を変更する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速部に対する位置を変更することが好ましい(請求項13)。
【0023】
また、第六の好ましい態様(請求項7)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリング部の外周面に設けられ、かつ左右一対の軸受け部がリング部の両側面に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が出力軸回転体に保持され、出力部が円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部が当該母線に設けられて出力軸の周りに遊星運動を行い、上記中間静止体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、左右一対の規制部が内径側に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心の円盤形状に形成され、入力部は、円盤部の外縁に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間静止体の内径側の左右一対の規制部に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項6に記載の自動車の差動装置ことが好ましい(請求項14)。
【0024】
また、第七の好ましい態様(請求項8)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、円盤状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部が円盤部の外周面に設けられ、かつ左右一対の出力部が円盤部の両側に設けられた円筒部の外周面に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が出力軸回転体に保持され、入力部が円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部が当該母線に設けられて出力軸の周りに遊星運動を行い、上記中間静止体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、分配回転体の回転運動を規制する左右一対の規制部が内径側に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心の略円錐台形状に形成され、入力部に相当する分配回転体の回転軸の保持部が円錐面に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間静止体の内径側の左右一対の規制部に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項15)。
【0025】
これら、請求項9〜請求項15に記載の好ましい態様によれば、分配回転体、出力軸回転体、あるいは中間回転体に、円錐状あるいは球面状の変速周面が形成され、この変速周面もしくはこれに対応する変速部が、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速部もしくは変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について詳述する。図1は本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10の構成を示す説明図である。
【0027】
図1を参照して、図示の本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10は、動力を入力する入力軸1と、図略の左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸2、2と、左右の車輪の回転速度をそれぞれ操舵角に応じた適切なものに変更する差動ユニット3を備えている。
【0028】
上記入力軸1は、動力を自動車の差動装置10に入力するためのものである。この入力軸1において動力の入力部は図示されていないが、出力部1bは入力軸1の略中央部に設けられたピニオンギヤ1cに設けられている。
【0029】
上記左右一対の出力軸2、2は、図略の左右一対の車輪をそれぞれ駆動するためのものであり、回転軸2x、2xがそれぞれ概ね同心で、かつ入力軸1の回転軸1xに概ね平行に設けられている。
【0030】
上記差動ユニット3は、自動車の旋回にあたって、走行を円滑に保った状態で左右の車輪の回転速度をそれぞれ操舵角に応じた適切なものに変更するためのものであり、入力軸1と一対の出力軸2、2との間に設けられて入力軸1の回転を出力軸2、2にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構4、4を有している。
【0031】
上記無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、左右の出力軸2、2に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0032】
上記中間回転体5は、入力軸1と左右一対の出力軸2、2との間で回転を中継するために設けられた部材のひとつであり、リング状に形成され、回転軸5xが入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、リング部の外径側5oに設けられ、入力軸1から回転力を入力される入力部5aと、リング部の内径側5iに設けられ、左右に回転力を分配するための左右一対の出力部5bとを有している。
【0033】
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6は、中間回転体5で分配された左右の回転力を受け取り、左右一対の出力軸2、2に回転力を伝達するために設けられた部材であり、円錐状に形成されて、左右の出力軸2、2を囲繞するようにそれぞれ複数個設けられるとともに、分配回転体6、6の円錐面において出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6x、6xが保持されている。そして、この分配回転体6、6が中間回転体5から回転力を受け取る入力部6a、6aは当該母線6cに設けられ、出力部6b、6bは、分配回転体6、6の円錐底面6d、6dに設けられている。
【0034】
上記左右一対の出力軸回転体7、7は、分配回転体6、6から回転力を受け取り出力軸2、2に回転力を伝達するための部材であり、左右の出力軸2、2と概ね同心のリング状に形成され、出力軸2、2に一体に固定されている。そして入力部が外径側に設けられて分配回転体6、6の円錐底面に当接することにより分配回転体6、6から変速された回転力を受け取るように構成されている。
【0035】
そして、左右の分配回転体6、6の入力部6a、6aには、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができるようにするために、その円錐面により回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が形成され、また、この変速周面8、8と対向する中間回転体5の出力部5bすなわち中間回転体5のリング形状の内径側5iは、この変速周面8、8に接して回転力を伝達し得る状態を保ちつつ変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径(当接位置での分配回転体6、6の半径)を変更することにより、無段階に回転速度を変速する変速部9、9が形成されている。
【0036】
そして、この変速部9、9は、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11が中間回転体5に連結され、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部材11と中間回転体5とが移動して、変速周面8、8に対する位置を変更することにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するようになっている。上記変速部材11は、ステアリング装置(操舵手段)の可動部、例えばタイロッドに連結され、ステアリング操作に応じて移動する。その結果、自動車の旋回時に出力軸2が内輪側となる無段変速機構4は減速方向に、出力軸2が外輪側となる無段変速機構4は増速方向になるようになっている。
【0037】
次に、図2は本発明の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20の構成を示す説明図である。図示の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20は、主要な構成が第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10と同様であるので、重複する点については省略し、以下、第一の実施の形態と異なる点について記載するものとする。
【0038】
図2を参照して、図示の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20において、左右の分配回転体6、6は、回転軸6x、6xを通る断面が概ね菱形に形成され、2個の円錐体6o、6iがそれぞれ底面で結合した形状を有しており、このうち内側の円錐体6iにおいて出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸が保持されている。そして、この母線6cに中間回転体5から回転力を受け取る入力部6aが設けられ、また出力部6bは、外側の円錐体6oの円錐面の母線6eに設けられている。
【0039】
そして、第二の実施の形態では、この分配回転体6、6の入力部6a、6aと出力部6b、6bとにその円錐面により回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が形成されている。また、この変速周面8、8と対向する箇所すなわち、リング状の中間回転体5の内径側5iと出力軸回転体7、7の外径側7oとに、この変速周面8、8に接して回転力を伝達し得る状態を保ちつつ変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径(当接位置での分配回転体6、6の半径)を変更することにより、無段階に回転速度を変速する変速部9、9が形成されている。
【0040】
そして、第二の実施の形態では、分配回転体6、6に設けられた変速周面8、8の方が、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更することにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するように構成されている。
【0041】
また、図3は本発明の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30の構成を示す説明図であり、(a)は、正面図、(b)は、側面図をそれぞれ示している。
【0042】
これらの図を参照して、図示の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30の無段変速機構4、4は、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、左右の出力軸2、2と一体に設けられ、中間回転体5からそれぞれ回転力が入力される左右一対の分配回転体6、6とを備えている。
【0043】
中間回転体5は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、入力部5aがリングの内径側5iに設けられ、かつ出力部5b、5bがリングの内径側5jに設けられている。
【0044】
また、上記左右一対の分配回転体6、6は、円錐状に形成されるとともに、分配回転体6、6の円錐面の一の母線6c、6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6x、6xが保持され、入力部6a、6aが当該母線6c、6cに設けられている。
【0045】
そして、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、左右一対の分配回転体6、6の円錐面の当該母線6c、6cに形成され、この変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部9、9は、リング状の中間回転体5の内径側5jに設けられるとともに、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11が中間回転体5に連結され、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部材11と中間回転体5とが移動することにより、変速周面8、8に対する位置を変更するように構成されている。
【0046】
さらに、図4は本発明の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40の構成を示す説明図である。
【0047】
図4を参照して、図示の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右一個ずつの分配回転体6、6と、左右の出力軸2、2に設けられ、分配回転体6、6からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0048】
上記中間回転体5は、母線が円弧を形成する二個の円錐体5d、5dの底面を円盤部5cの両側の円盤面に接するように形成したものであり、入力部5aが円盤部の周面5eに設けられ、かつ出力部5b、5bが両方の円錐体5d、5dの円錐面に設けられている。
【0049】
上記左右一個ずつの分配回転体6、6は、概ね円盤状に形成され、この円盤部の外周面6f、6fが中間回転体5の出力部5b、5bと出力軸回転体7、7の入力部7a、7aとに接する球面6g、6hを形成し、入力部6a、6aが中間回転体5側の球面6gに設けられ、かつ出力部が出力軸回転体7、7側の球面6hに設けられている。
【0050】
上記出力軸回転体7、7は、円盤部7c、7cの中間回転体5側に母線が円弧を形成する一個の円錐体7d、7dが底面を円盤部7c、7cの円盤面に接するように形成されたものであり、入力部7a、7aが円錐体7d、7dの円錐面に設けられている。
【0051】
そして、第四の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8は、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bと、左右一対の出力軸回転体7、7の入力部7a、7aとの両方すなわち、中間回転体5の円錐体5d、5dの円錐面と出力軸回転体7、7の円錐面とに形成され、それぞれの変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、中間回転体5と、出力軸回転体7、7との間にある左右一個ずつの分配回転体6、6の入力部7a、7aと出力部7b、7bすなわち、分配回転体6、6の中間回転体5側の球面6g、6gと出力軸回転体7、7側の球面6h、6hに設けられている。
【0052】
そして、左右二個ずつの変速部9、9が、分配回転体6、6の回転軸6x、6xの角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右の変速周面8、8に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するように構成されている。
【0053】
また、図5は本発明の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置50の構成を示す説明図である。
【0054】
図5を参照して、図示の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置50の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、左右の出力軸2、2に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0055】
上記中間回転体5は、円盤状に形成されたものであり、入力部5aが円盤部の外周面に設けられ、かつ出力部5bが両方の円盤面に設けられている。
【0056】
上記左右一個ずつの分配回転体6、6は、球状に形成され、中間回転体5の円盤面と出力軸回転体7、7の外縁とに接し、入力部6aが中間回転体5側の球面部に設けられ、かつ出力部6bが出力軸回転体7、7側の球面部に設けられている。
【0057】
上記出力軸回転体7、7は、円盤状に形成されたものであり、入力部7aが円盤部の分配回転体6側の外縁に設けられている。
【0058】
そして、第五の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8は、分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bすなわち、分配回転体6、6の中間回転体5側の球面と出力軸回転体7、7側の球面とに設けられ、それぞれの変速周面8において当接位置を変更する変速部9は、中間回転体5の出力部5bと出力軸回転体7、7の入力部7aとの両方すなわち、中間回転体5の円盤面と出力軸回転体7、7の外縁とに形成されている。
【0059】
そして、左右二個ずつの変速周面8、8が、分配回転体6、6の回転軸6xの角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更することにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するように構成されている。
【0060】
また、図6は本発明の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置60の構成を示す説明図である。
【0061】
図6を参照して、図示の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置60の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右少なくとも1対ずつの軸受け部5eを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右少なくとも1対ずつの軸受け部5eに回転軸6xを保持され、中間回転体5の回転軸5xの周りに公転運動する左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、この公転運動する左右の分配回転体6、6の回転運動を規制することにより分配回転体6、6を自転させる中間静止体12と、左右の出力軸2、2に設けられ、分配回転体6、6の遊星運動により回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0062】
上記左右一対の出力軸2、2は、回転軸2xが概ね同心かつ入力軸1の回転軸1xに概ね平行に設けられている。
【0063】
上記中間回転体5は、リング状に形成されて、回転軸5xが入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、入力部5aがリング部の外周面に設けられ、かつ左右一対の軸受け部5eがリング部の両側面に設けられている。
【0064】
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸2、2を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体6、6の円錐面においてそれぞれの出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6xが中間回転体5に保持されている。また、被規制部6kが当該母線6cに設けられて出力軸2、2の周りに遊星運動を行うように構成されている。
【0065】
上記中間静止体12は、出力軸2、2と概ね同心のリング状に形成され、左右一対の規制部12aが内径側に設けられている。
【0066】
上記左右一対の出力軸回転体7、7は、出力軸2、2と概ね同心の円盤形状に形成され、入力部7aは、円盤部の外縁に設けられ、分配回転体6、6の底面の外縁に当接している。
【0067】
そして、第六の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成され、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部、すなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12a、12aに設けられるとともに、変速周面8、8の回転運動の規制を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更することにより無段階に変速周面8、8の回転速度を変速するように構成されている。
【0068】
また、図7は本発明の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置70の構成を示す説明図である。
【0069】
図7を参照して、図示の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置70の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、左右の分配回転体6、6の回転運動を規制することにより分配回転体6、6の回転軸6x、6xを回動させる中間静止体12と、左右の出力軸2、2に設けられ、それぞれ分配回転体6、6の回転軸6x、6xを保持する軸受け部7c、7cを有することにより回転軸6x、6xが回動する分配回転体6、6から回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0070】
上記左右一対の出力軸2、2は、回転軸2xが概ね同心かつ入力軸1の回転軸1xに概ね平行に設けられている。
【0071】
上記中間回転体5は、円盤状に形成されて、回転軸5xが入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、入力部5aが円盤部の外周面に設けられ、かつ左右一対の出力部5bが円盤部の両側に設けられた円筒部5fの外周面に設けられている。
【0072】
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸2、2を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体6、6の円錐面においてそれぞれの出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6xが出力軸回転体7、7に保持され、入力部6aが円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部6kが当該母線6cに設けられて出力軸2、2の周りに遊星運動を行うように構成されている。
【0073】
上記中間静止体12は、出力軸2、2と概ね同心のリング状に形成され、分配回転体6、6の回転運動を規制する左右一対の規制部12aが内径側に設けられている。
【0074】
上記左右一対の出力軸回転体7、7は、出力軸2、2と概ね同心の略円錐台形状に形成され、入力部に相当する分配回転体6、6の回転軸6xの保持部7cが円錐面に設けられている。
【0075】
そして、第七の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成され、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部12aすなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12aに設けられるとともに、入力軸1の回転軸に概ね平行に進退する変速部材11が中間静止体12に連結され、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部材11と中間静止体12とが移動することにより、変速周面8、8に対する位置を変更するように構成されている。
【0076】
次に図1〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係る自動車の差動装置の作用について説明する。
【0077】
図1を参照して、図示の本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10においては、左右の分配回転体6、6の入力部6aに、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができるようにするために、その円錐面により回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が形成され、また、この変速周面8、8と対向する中間回転体5の出力部5bすなわち中間回転体5のリング形状の内径側には、この変速周面8、8と回転力の授受を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面8、8と回転力を授受する左右一対の変速部9、9が設けられている。
【0078】
そして、この変速部9、9が、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速周面8、8に対する位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するようになっている。その結果、自動車の旋回時に出力軸2、2が内輪側となる無段変速機構4、4は減速方向に、出力軸2、2が外輪側となる無段変速機構4、4は増速方向になるように作用する。
【0079】
具体的には、中間回転体5が図1で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0080】
次に、図2を参照して、図示の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20においては、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bとに形成されている。また、この変速周面8、8と対向する箇所すなわち、リング状の中間回転体5の内径側と出力軸回転体7、7の外径側とに、この変速周面8、8と回転力の授受を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面8、8と回転力を授受する左右二対の変速部9、9が設けられている。
【0081】
そして、分配回転体6、6に設けられた変速周面8、8の方が、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0082】
具体的には、分配回転体6、6が図2で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に出力部は大径側に変位することにより左側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は大径側に出力部は小径側に変位することにより右側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化する。
【0083】
また、図3を参照して、図示の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30の無段変速機構4、4においては、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、左右一対の分配回転体6、6の円錐面に形成され、また、この変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部9、9は、リング状の中間回転体5の内径側に設けられている。そして、中間回転体5の内径側に設けられた変速部9、9が入力軸1の回転軸に概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速周面8、8に対する位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0084】
具体的には、中間回転体5が図3で右に傾くと、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化する。
【0085】
さらに、図4を参照して、図示の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40の無段変速機構4、4においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、中間回転体5の左右一対の出力部5bと、左右一対の出力軸回転体7、7の入力部7aとの両方すなわち、中間回転体5の円錐面と出力軸回転体7、7の円錐面とに形成されており、また、それぞれの変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、中間回転体5と、出力軸回転体7、7との間にある左右一個ずつの分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bすなわち、分配回転体6、6の中間回転体5側の球面部と出力軸回転体7、7側の球面部に設けられている。
【0086】
そして、左右二個ずつの変速部9、9が、分配回転体6、6の回転軸の角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右の変速周面8、8に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0087】
具体的には、分配回転体6が図4で右に傾くと、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に出力部は大径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は大径側に出力部は小径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0088】
また、図5を参照して、図示の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置の無段変速機構4、4は、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、左右一個ずつの分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bとの両方に設けられ、また、それぞれの変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、中間回転体5の出力部5bと出力軸回転体7、7の入力部7aとに形成されている。
【0089】
そして、左右二個ずつの変速周面8、8が、分配回転体6、6の回転軸6xの角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更されることにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0090】
具体的には、分配回転体6が図5で右に傾くと、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に変位するが、出力部はより小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に、出力部は大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0091】
図6を参照して、図示の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置の無段変速機構4、4においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成されており、また、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部12a、すなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12aに設けられている。そして、変速部9、9が変速周面8、8の回転運動の規制を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更されることにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0092】
具体的には、中間静止体12が図6で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化する。
【0093】
また、図7を参照して、図示の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置の無段変速機構4、4においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成され、また、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部12aすなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12aに設けられている。そして、変速部9、9が入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速周面8、8に対する位置を変更されることにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0094】
具体的には、中間静止体12が図7で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0095】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る自動車の差動装置10〜70によれば、上記無段変速機構4、4は、回転力を授受する作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8と、変速周面8、8と回転力の授受を保った状態もしくは変速周面8、8の回転運動の規制を保った状態で、変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部9、9とを備え、変速部9、9もしくは変速周面8、8が、図略の操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速周面8、8もしくは変速部9、9に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0096】
また、これら、本発明の実施の形態に係る自動車の差動装置10〜70によれば、分配回転体6、6、出力軸回転体7、7、あるいは中間回転体5に、円錐状あるいは球面状の変速周面8、8が形成され、この変速周面8、8もしくはこれに対応する変速部9、9が、入力軸1の回転軸に概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速部9、9もしくは変速周面8、8に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0097】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0098】
例えば、第一の実施の形態と第二の実施の形態とに係る自動車の差動装置10、20において、入力軸1の出力部1bは必ずしも図示のように入力軸1の略中央部に設けられたピニオンギヤ1cに設けられたものに限らない。その他の動力伝達機構が採用可能である。
【0099】
また、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面8、8は、必ずしも分配回転体6、6に形成されることに限定されない。
【0100】
また、変速周面8、8は、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能に構成されていれば、中間回転体5の左右一対の出力部5b、左右の分配回転体6、6の入力部6a、左右の分配回転体6、6の出力部6b、左右一対の出力軸回転体7、7の入力部7aのいずれにでも設けることが可能である。
【0101】
また、左右一対の出力軸回転体7、7も、必ずしも図示の形状に限定されない。分配回転体6、6から回転力を受け取り出力軸2、2に回転力を伝達するための部材であれば、種々の設計変更が可能である。
【0102】
次に、第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30において、中間回転体5の入力部5aはリングの外径側に設計変更が可能である。また、出力部5bもリングの外径側に設計変更が可能である。
【0103】
そして第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40においては、分配回転体6、6は、円盤状である必要はない。分配回転体6、6の外周面が中間回転体5の出力部5bと出力軸回転体7、7の入力部7aとに接する球面を形成し、入力部6aが中間回転体5側の円錐面部に設けられ、かつ出力部6bが出力軸回転体7、7側の円錐面部に設けられていれば、球形状なども採用可能である。
【0104】
また、第六の実施の形態に係る自動車の差動装置60において、分配回転体6、6の出力部6bは、必ずしも円錐底面の外縁である必要はなく、円錐面であってもよい。
【0105】
また、第七の実施の形態に係る自動車の差動装置70において、分配回転体6、6の入力部6aが円錐底面の外縁である必要はなく、円錐面であってもよい。
【0106】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来のディファレンシャルギアのように駆動源からのトルクを左右に均等配分するのではなく、無段変速機構を利用して車輪に操舵角に応じた回転配分をするので、動力の伝達効率を低下させることなく、また自動車の操舵性を低下させることなく、車が旋回する際の内輪と外輪の行程差に応じた回転配分を行うことが可能である。また、一方の車輪がトルクを失った場合でも他方の車輪のトルクを保持することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図5】本発明の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図6】本発明の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、60、70 自動車の差動装置
1 入力軸
1b 入力軸の出力部
1x 入力軸の回転軸
2 出力軸
2x 出力軸の回転軸
3 差動ユニット
4 無段変速機構
5 中間回転体
5a 中間回転体の入力部
5b 中間回転体の出力部
5e 中間回転体の軸受け部
5x 中間回転体の回転軸
6 分配回転体
6a 分配回転体の入力部
6b 分配回転体の出力部
6c 分配回転体の円錐面の母線
6k 分配回転体の被規制部
6x 分配回転体の回転軸
7 出力軸回転体
7a 出力軸回転体の入力部
7c 出力軸回転体の軸受け部
8 変速周面
9 変速部
11 変速部材
12 中間静止体
12a 規制部
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力を入力する入力軸と、左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸とを備えた自動車の差動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車において左右の車輪にトルクを伝える差動装置としては、ディファレンシャルギヤと呼ばれる差動歯車が広く用いられている。この差動歯車は、自動車が旋回することにより生ずる内輪と外輪の回転差を補うように左右の車輪に回転を配分するためのものであり、簡単な傘歯車機構を採用することにより左右の出力軸にトルクを等配分することができるように構成されている。
【0003】
ところで、この差動歯車は、左右にトルクを等配分する機構のため、例えば自動車の一方の車輪が浮いたり雪道で滑ったりして一方の車輪のトルクが失われた場合には、他方の車輪にもトルクが発生せず、車を駆動することができなくなるという問題点があった。
【0004】
そこで、一方の車輪のトルクが失われた場合でも左右に必要な回転を与えるために、車輪の空転を検知してエンジンの出力を制御するトラクションコントロールや、空転側にブレーキを加えることにより、反対側にトルクを発生させるノンスリップデフ、またはリミテッドスリップデフ(LSD)と呼ばれる機構が種々開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の差動装置の技術は、従来のディファレンシャルギヤにおいてエンジンの出力を制御したり、空転側にブレーキを加えたりして一方の出力軸の機能を抑制するものであるため、動力の伝達効率を低下させたり、自動車の操舵性を低下させるという不具合があった。
【0006】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、動力の伝達効率を低下させることなく、また自動車の操舵性を低下させることなく、車が旋回する際の内輪と外輪の行程差に応じた回転配分を行うことが可能であり、また、一方の車輪がトルクを失った場合でも他方の車輪のトルクを保持することができる自動車の差動装置を提供することを課題としている。
【0007】
なお、本願に記載する無段変速機構を用いた差動装置は、上述の差動装置の従来技術のいずれにも該当せず、出願人の知る限りでは本願出願に類する公知例が無いため、本出願の時点では開示すべき先行技術文献情報は保有していない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、動力を入力する入力軸と、左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸とを備えた自動車の差動装置であって、入力軸と一対の出力軸との間に設けられて入力軸の回転を出力軸にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構を有する差動ユニットを備え、上記一対の無段変速機構は、自動車を旋回させる操舵手段の操舵角に応じて入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することにより、自動車の旋回時に出力軸が内輪側となる無段変速機構は減速方向に、出力軸が外輪側となる無段変速機構は増速方向になるように構成したことを特徴とする自動車の差動装置である。
【0009】
本発明によれば、入力軸と一対の出力軸との間に設けられる無段変速機構が、操舵手段の操舵角に応じて内輪側となる無段変速機構は減速方向に、外輪側となる無段変速機構は増速方向になるように構成しているので、自動車の旋回にあたって、左右の車輪の回転速度をそれぞれ操舵角に応じた適切なものに変更することができる。また、この回転速度の変更は無段階的に行われるので、操舵中の走行を円滑なものにすることができる。
【0010】
本発明の第一の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、中間回転体の左右一対の出力部、左右の分配回転体の入力部、左右の分配回転体の出力部、左右一対の出力軸回転体の入力部のいずれかに設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する出力部もしくは入力部に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置である(請求項2)。
【0011】
次に、本発明の第二の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、中間回転体の左右一対の出力部、左右の分配回転体の入力部、左右の分配回転体の出力部、左右一対の出力軸回転体の入力部のいずれかに設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する出力部もしくは入力部に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面と当接位置が変更されることにより変速周面と無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右少なくとも一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右少なくとも一個ずつの変速周面は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一対の変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置である(請求項3)。
【0012】
また、本発明の第三の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右の出力部を有する中間回転体と、左右の出力軸と一体に設けられ、中間回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の分配回転体とを備えるとともに、左右一対の分配回転体に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する中間回転体に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する変速部とを備え、上記無段変速機構の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項4)である。
【0013】
さらに、本発明の第四の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、中間回転体の左右一対の出力部と、左右一対の出力軸回転体の入力部との両方に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右二個ずつの変速周面と、この左右二個ずつの変速周面の間にある左右少なくとも一個ずつの分配回転体の入力部と出力部とに設けられ、それぞれの変速周面と回転力の授受を保った状態でそれぞれの変速周面において当接位置を変更することによりそれぞれの変速周面と無段階に回転速度を変速するようにそれぞれの変速周面と回転力を授受する左右二個ずつの変速部とを備え、上記無段変速機構の左右二個ずつの変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右二個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項5)である。
【0014】
そして、本発明の第五の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の入力部と出力部との両方に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右二個ずつの変速周面と、この左右二個ずつの変速周面とそれぞれ対向する中間回転体の出力部と出力軸回転体の入力部とに設けられ、それぞれの変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右二個ずつの変速部とを備え、上記無段変速機構の左右二個ずつの変速周面は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右二個ずつの変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項6)である。
【0015】
また、本発明の第六の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右少なくとも1対ずつの軸受け部を有する中間回転体と、中間回転体の左右少なくとも1対ずつの軸受け部に回転軸を保持され、中間回転体の回転軸の周りに公転運動する左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、この公転運動する左右の分配回転体の回転運動を規制することにより分配回転体を自転させる中間静止体と、左右の出力軸に設けられ、分配回転体の遊星運動により回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の被規制部に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面を規制する中間静止体の左右一対の規制部に設けられ、変速周面の回転運動の規制を保った状態で変速周面において当接位置を変更することにより無段階に変速周面の回転速度を変速するように分配回転体の回転運動を規制する左右一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項7)である。
【0016】
また、本発明の第七の好ましい態様は、上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の分配回転体の回転運動を規制することにより分配回転体の回転軸を回動させる中間静止体と、左右の出力軸に設けられ、それぞれ分配回転体の回転軸を保持する軸受け部を有することにより回転軸が回動する分配回転体から回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の被規制部に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面を規制する中間静止体の左右一対の規制部に設けられ、変速周面の回転運動の規制を保った状態で変速周面において当接位置を変更することにより無段階に出力軸回転体の回転速度を変速するように分配回転体の回転運動を規制する左右一対の変速部とを備え、上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置(請求項8)である。
【0017】
これら、第一〜第七の好ましい態様(請求項2〜請求項8)によれば、上記差動ユニットは、回転力を授受する作用半径を無段階に変更可能な変速周面と、変速周面と回転力の授受を保った状態もしくは変速周面の回転運動の規制を保った状態で、変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部とを備え、変速部もしくは変速周面が、操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速周面もしくは変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0018】
そして、第一の好ましい態様(請求項2)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリング部の外径側に設けられ、かつ左右一対の出力部がリング部の内径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線にかつ出力部が円錐底面に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、入力部が外径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項9)。
【0019】
次に、第二の好ましい態様(請求項3)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリングの外径側に設けられ、かつ左右一対の出力部がリングの内径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、回転軸を通る断面が概ね菱形に形成され、2個の円錐面を有して、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の一方の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線にかつ出力部が他方の円錐面の母線に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、入力部が外径側に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体において出力軸から見て外側の円錐面と内側の円錐面とに形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項10)。
【0020】
また、第三の好ましい態様(請求項4)において、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリングの内径側もしくは外径側に設けられ、かつ出力部がリングの内径側もしくは外径側に設けられ、上記左右一対の分配回転体は、円錐状に形成されるとともに、分配回転体の円錐面の一の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側もしくは外径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項11)。
【0021】
さらに、第四の好ましい態様(請求項5)において、上記中間回転体は、円盤部の両側に母線が円弧を形成する二個の円錐体が底面を円盤面に接するように形成されたものであり、入力部が円盤部の周面に設けられ、かつ出力部が両方の円錐面に設けられ、上記出力軸回転体は、円盤部の中間回転体側に母線が円弧を形成する一個の円錐体が底面を円盤面に接するように形成されたものであり、入力部が円錐面に設けられ、上記左右一個ずつの分配回転体は、概ね円盤状に形成され、この円盤部の外周面が中間回転体の出力部と出力軸回転体の入力部とに接する球面を形成し、入力部が中間回転体側の球面部に設けられ、かつ出力部が出力軸回転体側の球面部に設けられ、上記左右二個ずつの変速周面は、中間回転体の円錐面と出力軸回転体の円錐面とに形成され、上記左右二個ずつの変速部は、分配回転体の中間回転体側の球面部と出力軸回転体側の球面部に設けられるとともに、分配回転体の回転軸の角度を変更する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項12)。
【0022】
そして、第五の好ましい態様(請求項6)において、上記中間回転体は、円盤状に形成されたものであり、入力部が円盤部の外周面に設けられ、かつ出力部が両方の円盤面に設けられ、上記出力軸回転体は、円盤状に形成されたものであり、入力部が円盤部の分配回転体側の外縁に設けられ、上記左右一個ずつの分配回転体は、球状に形成され、中間回転体の円盤面と出力軸回転体の外縁とに接し、入力部が中間回転体側の球面部に設けられ、かつ出力部が出力軸回転体側の球面部に設けられ、上記左右二個ずつの変速部は、中間回転体の円盤面と出力軸回転体の外縁とに形成され、上記左右二個ずつの変速周面は、分配回転体の中間回転体側の球面と出力軸回転体側の球面円盤面とに設けられるとともに、分配回転体の回転軸の角度を変更する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速部に対する位置を変更することが好ましい(請求項13)。
【0023】
また、第六の好ましい態様(請求項7)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリング部の外周面に設けられ、かつ左右一対の軸受け部がリング部の両側面に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が出力軸回転体に保持され、出力部が円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部が当該母線に設けられて出力軸の周りに遊星運動を行い、上記中間静止体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、左右一対の規制部が内径側に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心の円盤形状に形成され、入力部は、円盤部の外縁に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間静止体の内径側の左右一対の規制部に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項6に記載の自動車の差動装置ことが好ましい(請求項14)。
【0024】
また、第七の好ましい態様(請求項8)において、上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、上記中間回転体は、円盤状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部が円盤部の外周面に設けられ、かつ左右一対の出力部が円盤部の両側に設けられた円筒部の外周面に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が出力軸回転体に保持され、入力部が円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部が当該母線に設けられて出力軸の周りに遊星運動を行い、上記中間静止体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、分配回転体の回転運動を規制する左右一対の規制部が内径側に設けられ、上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心の略円錐台形状に形成され、入力部に相当する分配回転体の回転軸の保持部が円錐面に設けられ、上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、上記左右一対の変速部は、リング状の中間静止体の内径側の左右一対の規制部に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することが好ましい(請求項15)。
【0025】
これら、請求項9〜請求項15に記載の好ましい態様によれば、分配回転体、出力軸回転体、あるいは中間回転体に、円錐状あるいは球面状の変速周面が形成され、この変速周面もしくはこれに対応する変速部が、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速部もしくは変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について詳述する。図1は本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10の構成を示す説明図である。
【0027】
図1を参照して、図示の本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10は、動力を入力する入力軸1と、図略の左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸2、2と、左右の車輪の回転速度をそれぞれ操舵角に応じた適切なものに変更する差動ユニット3を備えている。
【0028】
上記入力軸1は、動力を自動車の差動装置10に入力するためのものである。この入力軸1において動力の入力部は図示されていないが、出力部1bは入力軸1の略中央部に設けられたピニオンギヤ1cに設けられている。
【0029】
上記左右一対の出力軸2、2は、図略の左右一対の車輪をそれぞれ駆動するためのものであり、回転軸2x、2xがそれぞれ概ね同心で、かつ入力軸1の回転軸1xに概ね平行に設けられている。
【0030】
上記差動ユニット3は、自動車の旋回にあたって、走行を円滑に保った状態で左右の車輪の回転速度をそれぞれ操舵角に応じた適切なものに変更するためのものであり、入力軸1と一対の出力軸2、2との間に設けられて入力軸1の回転を出力軸2、2にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構4、4を有している。
【0031】
上記無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、左右の出力軸2、2に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0032】
上記中間回転体5は、入力軸1と左右一対の出力軸2、2との間で回転を中継するために設けられた部材のひとつであり、リング状に形成され、回転軸5xが入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、リング部の外径側5oに設けられ、入力軸1から回転力を入力される入力部5aと、リング部の内径側5iに設けられ、左右に回転力を分配するための左右一対の出力部5bとを有している。
【0033】
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6は、中間回転体5で分配された左右の回転力を受け取り、左右一対の出力軸2、2に回転力を伝達するために設けられた部材であり、円錐状に形成されて、左右の出力軸2、2を囲繞するようにそれぞれ複数個設けられるとともに、分配回転体6、6の円錐面において出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6x、6xが保持されている。そして、この分配回転体6、6が中間回転体5から回転力を受け取る入力部6a、6aは当該母線6cに設けられ、出力部6b、6bは、分配回転体6、6の円錐底面6d、6dに設けられている。
【0034】
上記左右一対の出力軸回転体7、7は、分配回転体6、6から回転力を受け取り出力軸2、2に回転力を伝達するための部材であり、左右の出力軸2、2と概ね同心のリング状に形成され、出力軸2、2に一体に固定されている。そして入力部が外径側に設けられて分配回転体6、6の円錐底面に当接することにより分配回転体6、6から変速された回転力を受け取るように構成されている。
【0035】
そして、左右の分配回転体6、6の入力部6a、6aには、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができるようにするために、その円錐面により回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が形成され、また、この変速周面8、8と対向する中間回転体5の出力部5bすなわち中間回転体5のリング形状の内径側5iは、この変速周面8、8に接して回転力を伝達し得る状態を保ちつつ変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径(当接位置での分配回転体6、6の半径)を変更することにより、無段階に回転速度を変速する変速部9、9が形成されている。
【0036】
そして、この変速部9、9は、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11が中間回転体5に連結され、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部材11と中間回転体5とが移動して、変速周面8、8に対する位置を変更することにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するようになっている。上記変速部材11は、ステアリング装置(操舵手段)の可動部、例えばタイロッドに連結され、ステアリング操作に応じて移動する。その結果、自動車の旋回時に出力軸2が内輪側となる無段変速機構4は減速方向に、出力軸2が外輪側となる無段変速機構4は増速方向になるようになっている。
【0037】
次に、図2は本発明の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20の構成を示す説明図である。図示の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20は、主要な構成が第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10と同様であるので、重複する点については省略し、以下、第一の実施の形態と異なる点について記載するものとする。
【0038】
図2を参照して、図示の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20において、左右の分配回転体6、6は、回転軸6x、6xを通る断面が概ね菱形に形成され、2個の円錐体6o、6iがそれぞれ底面で結合した形状を有しており、このうち内側の円錐体6iにおいて出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸が保持されている。そして、この母線6cに中間回転体5から回転力を受け取る入力部6aが設けられ、また出力部6bは、外側の円錐体6oの円錐面の母線6eに設けられている。
【0039】
そして、第二の実施の形態では、この分配回転体6、6の入力部6a、6aと出力部6b、6bとにその円錐面により回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が形成されている。また、この変速周面8、8と対向する箇所すなわち、リング状の中間回転体5の内径側5iと出力軸回転体7、7の外径側7oとに、この変速周面8、8に接して回転力を伝達し得る状態を保ちつつ変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径(当接位置での分配回転体6、6の半径)を変更することにより、無段階に回転速度を変速する変速部9、9が形成されている。
【0040】
そして、第二の実施の形態では、分配回転体6、6に設けられた変速周面8、8の方が、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更することにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するように構成されている。
【0041】
また、図3は本発明の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30の構成を示す説明図であり、(a)は、正面図、(b)は、側面図をそれぞれ示している。
【0042】
これらの図を参照して、図示の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30の無段変速機構4、4は、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、左右の出力軸2、2と一体に設けられ、中間回転体5からそれぞれ回転力が入力される左右一対の分配回転体6、6とを備えている。
【0043】
中間回転体5は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、入力部5aがリングの内径側5iに設けられ、かつ出力部5b、5bがリングの内径側5jに設けられている。
【0044】
また、上記左右一対の分配回転体6、6は、円錐状に形成されるとともに、分配回転体6、6の円錐面の一の母線6c、6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6x、6xが保持され、入力部6a、6aが当該母線6c、6cに設けられている。
【0045】
そして、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、左右一対の分配回転体6、6の円錐面の当該母線6c、6cに形成され、この変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部9、9は、リング状の中間回転体5の内径側5jに設けられるとともに、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11が中間回転体5に連結され、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部材11と中間回転体5とが移動することにより、変速周面8、8に対する位置を変更するように構成されている。
【0046】
さらに、図4は本発明の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40の構成を示す説明図である。
【0047】
図4を参照して、図示の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右一個ずつの分配回転体6、6と、左右の出力軸2、2に設けられ、分配回転体6、6からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0048】
上記中間回転体5は、母線が円弧を形成する二個の円錐体5d、5dの底面を円盤部5cの両側の円盤面に接するように形成したものであり、入力部5aが円盤部の周面5eに設けられ、かつ出力部5b、5bが両方の円錐体5d、5dの円錐面に設けられている。
【0049】
上記左右一個ずつの分配回転体6、6は、概ね円盤状に形成され、この円盤部の外周面6f、6fが中間回転体5の出力部5b、5bと出力軸回転体7、7の入力部7a、7aとに接する球面6g、6hを形成し、入力部6a、6aが中間回転体5側の球面6gに設けられ、かつ出力部が出力軸回転体7、7側の球面6hに設けられている。
【0050】
上記出力軸回転体7、7は、円盤部7c、7cの中間回転体5側に母線が円弧を形成する一個の円錐体7d、7dが底面を円盤部7c、7cの円盤面に接するように形成されたものであり、入力部7a、7aが円錐体7d、7dの円錐面に設けられている。
【0051】
そして、第四の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8は、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bと、左右一対の出力軸回転体7、7の入力部7a、7aとの両方すなわち、中間回転体5の円錐体5d、5dの円錐面と出力軸回転体7、7の円錐面とに形成され、それぞれの変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、中間回転体5と、出力軸回転体7、7との間にある左右一個ずつの分配回転体6、6の入力部7a、7aと出力部7b、7bすなわち、分配回転体6、6の中間回転体5側の球面6g、6gと出力軸回転体7、7側の球面6h、6hに設けられている。
【0052】
そして、左右二個ずつの変速部9、9が、分配回転体6、6の回転軸6x、6xの角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右の変速周面8、8に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するように構成されている。
【0053】
また、図5は本発明の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置50の構成を示す説明図である。
【0054】
図5を参照して、図示の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置50の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、左右の出力軸2、2に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0055】
上記中間回転体5は、円盤状に形成されたものであり、入力部5aが円盤部の外周面に設けられ、かつ出力部5bが両方の円盤面に設けられている。
【0056】
上記左右一個ずつの分配回転体6、6は、球状に形成され、中間回転体5の円盤面と出力軸回転体7、7の外縁とに接し、入力部6aが中間回転体5側の球面部に設けられ、かつ出力部6bが出力軸回転体7、7側の球面部に設けられている。
【0057】
上記出力軸回転体7、7は、円盤状に形成されたものであり、入力部7aが円盤部の分配回転体6側の外縁に設けられている。
【0058】
そして、第五の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8は、分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bすなわち、分配回転体6、6の中間回転体5側の球面と出力軸回転体7、7側の球面とに設けられ、それぞれの変速周面8において当接位置を変更する変速部9は、中間回転体5の出力部5bと出力軸回転体7、7の入力部7aとの両方すなわち、中間回転体5の円盤面と出力軸回転体7、7の外縁とに形成されている。
【0059】
そして、左右二個ずつの変速周面8、8が、分配回転体6、6の回転軸6xの角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更することにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するように構成されている。
【0060】
また、図6は本発明の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置60の構成を示す説明図である。
【0061】
図6を参照して、図示の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置60の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右少なくとも1対ずつの軸受け部5eを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右少なくとも1対ずつの軸受け部5eに回転軸6xを保持され、中間回転体5の回転軸5xの周りに公転運動する左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、この公転運動する左右の分配回転体6、6の回転運動を規制することにより分配回転体6、6を自転させる中間静止体12と、左右の出力軸2、2に設けられ、分配回転体6、6の遊星運動により回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0062】
上記左右一対の出力軸2、2は、回転軸2xが概ね同心かつ入力軸1の回転軸1xに概ね平行に設けられている。
【0063】
上記中間回転体5は、リング状に形成されて、回転軸5xが入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、入力部5aがリング部の外周面に設けられ、かつ左右一対の軸受け部5eがリング部の両側面に設けられている。
【0064】
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸2、2を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体6、6の円錐面においてそれぞれの出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6xが中間回転体5に保持されている。また、被規制部6kが当該母線6cに設けられて出力軸2、2の周りに遊星運動を行うように構成されている。
【0065】
上記中間静止体12は、出力軸2、2と概ね同心のリング状に形成され、左右一対の規制部12aが内径側に設けられている。
【0066】
上記左右一対の出力軸回転体7、7は、出力軸2、2と概ね同心の円盤形状に形成され、入力部7aは、円盤部の外縁に設けられ、分配回転体6、6の底面の外縁に当接している。
【0067】
そして、第六の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成され、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部、すなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12a、12aに設けられるとともに、変速周面8、8の回転運動の規制を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更することにより無段階に変速周面8、8の回転速度を変速するように構成されている。
【0068】
また、図7は本発明の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置70の構成を示す説明図である。
【0069】
図7を参照して、図示の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置70の無段変速機構4、4は、入力軸1から回転力が入力され、左右一対の出力部5b、5bを有する中間回転体5と、中間回転体5の左右一対の出力部5b、5bからそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6と、左右の分配回転体6、6の回転運動を規制することにより分配回転体6、6の回転軸6x、6xを回動させる中間静止体12と、左右の出力軸2、2に設けられ、それぞれ分配回転体6、6の回転軸6x、6xを保持する軸受け部7c、7cを有することにより回転軸6x、6xが回動する分配回転体6、6から回転力が入力される左右一対の出力軸回転体7、7とを備えている。
【0070】
上記左右一対の出力軸2、2は、回転軸2xが概ね同心かつ入力軸1の回転軸1xに概ね平行に設けられている。
【0071】
上記中間回転体5は、円盤状に形成されて、回転軸5xが入力軸1の回転軸1xに概ね平行になるように設けられるとともに、入力部5aが円盤部の外周面に設けられ、かつ左右一対の出力部5bが円盤部の両側に設けられた円筒部5fの外周面に設けられている。
【0072】
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体6、6は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸2、2を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体6、6の円錐面においてそれぞれの出力軸2、2から見て外側に位置する円錐面の母線6cが入力軸1に概ね平行になるように分配回転体6、6のそれぞれの回転軸6xが出力軸回転体7、7に保持され、入力部6aが円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部6kが当該母線6cに設けられて出力軸2、2の周りに遊星運動を行うように構成されている。
【0073】
上記中間静止体12は、出力軸2、2と概ね同心のリング状に形成され、分配回転体6、6の回転運動を規制する左右一対の規制部12aが内径側に設けられている。
【0074】
上記左右一対の出力軸回転体7、7は、出力軸2、2と概ね同心の略円錐台形状に形成され、入力部に相当する分配回転体6、6の回転軸6xの保持部7cが円錐面に設けられている。
【0075】
そして、第七の実施の形態においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成され、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部12aすなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12aに設けられるとともに、入力軸1の回転軸に概ね平行に進退する変速部材11が中間静止体12に連結され、図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部材11と中間静止体12とが移動することにより、変速周面8、8に対する位置を変更するように構成されている。
【0076】
次に図1〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係る自動車の差動装置の作用について説明する。
【0077】
図1を参照して、図示の本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置10においては、左右の分配回転体6、6の入力部6aに、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができるようにするために、その円錐面により回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が形成され、また、この変速周面8、8と対向する中間回転体5の出力部5bすなわち中間回転体5のリング形状の内径側には、この変速周面8、8と回転力の授受を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面8、8と回転力を授受する左右一対の変速部9、9が設けられている。
【0078】
そして、この変速部9、9が、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速周面8、8に対する位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更するようになっている。その結果、自動車の旋回時に出力軸2、2が内輪側となる無段変速機構4、4は減速方向に、出力軸2、2が外輪側となる無段変速機構4、4は増速方向になるように作用する。
【0079】
具体的には、中間回転体5が図1で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0080】
次に、図2を参照して、図示の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置20においては、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8が分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bとに形成されている。また、この変速周面8、8と対向する箇所すなわち、リング状の中間回転体5の内径側と出力軸回転体7、7の外径側とに、この変速周面8、8と回転力の授受を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面8、8と回転力を授受する左右二対の変速部9、9が設けられている。
【0081】
そして、分配回転体6、6に設けられた変速周面8、8の方が、入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0082】
具体的には、分配回転体6、6が図2で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に出力部は大径側に変位することにより左側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は大径側に出力部は小径側に変位することにより右側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化する。
【0083】
また、図3を参照して、図示の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30の無段変速機構4、4においては、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、左右一対の分配回転体6、6の円錐面に形成され、また、この変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部9、9は、リング状の中間回転体5の内径側に設けられている。そして、中間回転体5の内径側に設けられた変速部9、9が入力軸1の回転軸に概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速周面8、8に対する位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0084】
具体的には、中間回転体5が図3で右に傾くと、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化する。
【0085】
さらに、図4を参照して、図示の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40の無段変速機構4、4においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、中間回転体5の左右一対の出力部5bと、左右一対の出力軸回転体7、7の入力部7aとの両方すなわち、中間回転体5の円錐面と出力軸回転体7、7の円錐面とに形成されており、また、それぞれの変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、中間回転体5と、出力軸回転体7、7との間にある左右一個ずつの分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bすなわち、分配回転体6、6の中間回転体5側の球面部と出力軸回転体7、7側の球面部に設けられている。
【0086】
そして、左右二個ずつの変速部9、9が、分配回転体6、6の回転軸の角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右の変速周面8、8に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0087】
具体的には、分配回転体6が図4で右に傾くと、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に出力部は大径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は大径側に出力部は小径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0088】
また、図5を参照して、図示の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置の無段変速機構4、4は、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、左右一個ずつの分配回転体6、6の入力部6aと出力部6bとの両方に設けられ、また、それぞれの変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、中間回転体5の出力部5bと出力軸回転体7、7の入力部7aとに形成されている。
【0089】
そして、左右二個ずつの変速周面8、8が、分配回転体6、6の回転軸6xの角度を変更する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速部9、9に対する位置を変更されることにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0090】
具体的には、分配回転体6が図5で右に傾くと、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に変位するが、出力部はより小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が入力部は小径側に、出力部は大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0091】
図6を参照して、図示の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置の無段変速機構4、4においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成されており、また、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部12a、すなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12aに設けられている。そして、変速部9、9が変速周面8、8の回転運動の規制を保った状態で変速周面8、8において当接位置を変更されることにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0092】
具体的には、中間静止体12が図6で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化する。
【0093】
また、図7を参照して、図示の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置の無段変速機構4、4においては、作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8は、分配回転体6、6の被規制部6k、すなわち、分配回転体6、6の円錐面に形成され、また、変速周面8、8において当接位置を変更する変速部9、9は、変速周面8、8を規制する中間静止体12の左右一対の規制部12aすなわち、リング状の中間静止体12の内径側の左右一対の規制部12aに設けられている。そして、変速部9、9が入力軸1の回転軸1xに概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて変速周面8、8に対する位置を変更されることにより入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比が変更されるように作用する。
【0094】
具体的には、中間静止体12が図7で右に移動すると、左側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が小径側に変位することにより左側の無段変速機構4は減速方向に変速比が変化し、右側の無段変速機構4の分配回転体6に対する当接位置が大径側に変位することにより右側の無段変速機構4は増速方向に変速比が変化する。
【0095】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る自動車の差動装置10〜70によれば、上記無段変速機構4、4は、回転力を授受する作用半径を無段階に変更可能な変速周面8、8と、変速周面8、8と回転力の授受を保った状態もしくは変速周面8、8の回転運動の規制を保った状態で、変速周面8、8において当接位置を変更して作用半径を変更する変速部9、9とを備え、変速部9、9もしくは変速周面8、8が、図略の操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速周面8、8もしくは変速部9、9に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0096】
また、これら、本発明の実施の形態に係る自動車の差動装置10〜70によれば、分配回転体6、6、出力軸回転体7、7、あるいは中間回転体5に、円錐状あるいは球面状の変速周面8、8が形成され、この変速周面8、8もしくはこれに対応する変速部9、9が、入力軸1の回転軸に概ね平行に進退する変速部材11により図略の操舵手段の操舵角に応じて、それぞれ変速部9、9もしくは変速周面8、8に対して位置を変更されることにより、入力軸1に対する左右の出力軸2、2のそれぞれの変速比を変更する構成となっているので、簡単な構造でしかも確実に回転速度を無段階に変更することができる。
【0097】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0098】
例えば、第一の実施の形態と第二の実施の形態とに係る自動車の差動装置10、20において、入力軸1の出力部1bは必ずしも図示のように入力軸1の略中央部に設けられたピニオンギヤ1cに設けられたものに限らない。その他の動力伝達機構が採用可能である。
【0099】
また、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面8、8は、必ずしも分配回転体6、6に形成されることに限定されない。
【0100】
また、変速周面8、8は、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能に構成されていれば、中間回転体5の左右一対の出力部5b、左右の分配回転体6、6の入力部6a、左右の分配回転体6、6の出力部6b、左右一対の出力軸回転体7、7の入力部7aのいずれにでも設けることが可能である。
【0101】
また、左右一対の出力軸回転体7、7も、必ずしも図示の形状に限定されない。分配回転体6、6から回転力を受け取り出力軸2、2に回転力を伝達するための部材であれば、種々の設計変更が可能である。
【0102】
次に、第三の実施の形態に係る自動車の差動装置30において、中間回転体5の入力部5aはリングの外径側に設計変更が可能である。また、出力部5bもリングの外径側に設計変更が可能である。
【0103】
そして第四の実施の形態に係る自動車の差動装置40においては、分配回転体6、6は、円盤状である必要はない。分配回転体6、6の外周面が中間回転体5の出力部5bと出力軸回転体7、7の入力部7aとに接する球面を形成し、入力部6aが中間回転体5側の円錐面部に設けられ、かつ出力部6bが出力軸回転体7、7側の円錐面部に設けられていれば、球形状なども採用可能である。
【0104】
また、第六の実施の形態に係る自動車の差動装置60において、分配回転体6、6の出力部6bは、必ずしも円錐底面の外縁である必要はなく、円錐面であってもよい。
【0105】
また、第七の実施の形態に係る自動車の差動装置70において、分配回転体6、6の入力部6aが円錐底面の外縁である必要はなく、円錐面であってもよい。
【0106】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来のディファレンシャルギアのように駆動源からのトルクを左右に均等配分するのではなく、無段変速機構を利用して車輪に操舵角に応じた回転配分をするので、動力の伝達効率を低下させることなく、また自動車の操舵性を低下させることなく、車が旋回する際の内輪と外輪の行程差に応じた回転配分を行うことが可能である。また、一方の車輪がトルクを失った場合でも他方の車輪のトルクを保持することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第三の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の第四の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図5】本発明の第五の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図6】本発明の第六の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の第七の実施の形態に係る自動車の差動装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、60、70 自動車の差動装置
1 入力軸
1b 入力軸の出力部
1x 入力軸の回転軸
2 出力軸
2x 出力軸の回転軸
3 差動ユニット
4 無段変速機構
5 中間回転体
5a 中間回転体の入力部
5b 中間回転体の出力部
5e 中間回転体の軸受け部
5x 中間回転体の回転軸
6 分配回転体
6a 分配回転体の入力部
6b 分配回転体の出力部
6c 分配回転体の円錐面の母線
6k 分配回転体の被規制部
6x 分配回転体の回転軸
7 出力軸回転体
7a 出力軸回転体の入力部
7c 出力軸回転体の軸受け部
8 変速周面
9 変速部
11 変速部材
12 中間静止体
12a 規制部
Claims (15)
- 動力を入力する入力軸と、左右一対の車輪をそれぞれ駆動する左右一対の出力軸とを備えた自動車の差動装置であって、
入力軸と一対の出力軸との間に設けられて入力軸の回転を出力軸にそれぞれ変速して伝達する左右一対の無段変速機構を有する差動ユニットを備え、
上記一対の無段変速機構は、自動車を旋回させる操舵手段の操舵角に応じて入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することにより、自動車の旋回時に出力軸が内輪側となる無段変速機構は減速方向に、出力軸が外輪側となる無段変速機構は増速方向になるように構成したことを特徴とする自動車の差動装置。 - 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、
中間回転体の左右一対の出力部、左右の分配回転体の入力部、左右の分配回転体の出力部、左右一対の出力軸回転体の入力部のいずれかに設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する出力部もしくは入力部に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右一対の変速部とを備え、
上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。 - 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、
中間回転体の左右一対の出力部、左右の分配回転体の入力部、左右の分配回転体の出力部、左右一対の出力軸回転体の入力部のいずれかに設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する出力部もしくは入力部に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面と当接位置が変更されることにより変速周面と無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右少なくとも一対の変速部とを備え、
上記無段変速機構の左右少なくとも一個ずつの変速周面は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一対の変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。 - 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右の出力部を有する中間回転体と、左右の出力軸と一体に設けられ、中間回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の分配回転体とを備えるとともに、左右一対の分配回転体に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面と対向する中間回転体に設けられ、変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する変速部とを備え、上記無段変速機構の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。
- 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、
中間回転体の左右一対の出力部と、左右一対の出力軸回転体の入力部との両方に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右二個ずつの変速周面と、この左右二個ずつの変速周面の間にある左右少なくとも一個ずつの分配回転体の入力部と出力部とに設けられ、それぞれの変速周面と回転力の授受を保った状態でそれぞれの変速周面において当接位置を変更することによりそれぞれの変速周面と無段階に回転速度を変速するようにそれぞれの変速周面と回転力を授受する左右二個ずつの変速部とを備え、
上記無段変速機構の左右二個ずつの変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右二個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。 - 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の出力軸に設けられ、左右少なくとも一個ずつの分配回転体からそれぞれ回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、
分配回転体の入力部と出力部との両方に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右二個ずつの変速周面と、この左右二個ずつの変速周面とそれぞれ対向する中間回転体の出力部と出力軸回転体の入力部とに設けられ、それぞれの変速周面と回転力の授受を保った状態で変速周面において当接位置を変更して作用半径を変更することにより無段階に回転速度を変速するように変速周面と回転力を授受する左右二個ずつの変速部とを備え、
上記無段変速機構の左右二個ずつの変速周面は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右二個ずつの変速部に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。 - 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右少なくとも1対ずつの軸受け部を有する中間回転体と、中間回転体の左右少なくとも1対ずつの軸受け部に回転軸を保持され、中間回転体の回転軸の周りに公転運動する左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、この公転運動する左右の分配回転体の回転運動を規制することにより分配回転体を自転させる中間静止体と、左右の出力軸に設けられ、分配回転体の遊星運動により回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、
分配回転体の被規制部に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面を規制する中間静止体の左右一対の規制部に設けられ、変速周面の回転運動の規制を保った状態で変速周面において当接位置を変更することにより無段階に変速周面の回転速度を変速するように分配回転体の回転運動を規制する左右一対の変速部とを備え、
上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。 - 上記差動ユニットは、一対の無段変速機構を構成する部材として、入力軸から回転力が入力され、左右一対の出力部を有する中間回転体と、中間回転体の左右一対の出力部からそれぞれ回転が入力される左右少なくとも一個ずつの分配回転体と、左右の分配回転体の回転運動を規制することにより分配回転体の回転軸を回動させる中間静止体と、左右の出力軸に設けられ、それぞれ分配回転体の回転軸を保持する軸受け部を有することにより回転軸が回動する分配回転体から回転力が入力される左右一対の出力軸回転体とを備えるとともに、分配回転体の被規制部に設けられ、回転力を受ける作用半径を無段階に変更可能な左右少なくとも一個ずつの変速周面と、この変速周面を規制する中間静止体の左右一対の規制部に設けられ、変速周面の回転運動の規制を保った状態で変速周面において当接位置を変更することにより無段階に出力軸回転体の回転速度を変速するように分配回転体の回転運動を規制する左右一対の変速部とを備え、
上記無段変速機構の左右一対の変速部は、操舵手段の操舵角に応じて、対応する左右少なくとも一個ずつの変速周面に対して位置を変更されることにより、入力軸に対する左右の出力軸のそれぞれの変速比を変更することを特徴とする請求項1に記載の自動車の差動装置。 - 上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、
上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリング部の外径側に設けられ、かつ左右一対の出力部がリング部の内径側に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線にかつ出力部が円錐底面に設けられ、
上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、入力部が外径側に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、
上記左右一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項2に記載の自動車の差動装置。 - 上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、
上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリングの外径側に設けられ、かつ左右一対の出力部がリングの内径側に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、回転軸を通る断面が概ね菱形に形成され、2個の円錐面を有して、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の一方の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線にかつ出力部が他方の円錐面の母線に設けられ、
上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、入力部が外径側に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体において出力軸から見て外側の円錐面と内側の円錐面とに形成され、
上記左右一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側と出力軸回転体の外径側とに設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項3に記載の自動車の差動装置。 - 上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリングの内径側もしくは外径側に設けられ、かつ出力部がリングの内径側もしくは外径側に設けられ、
上記左右一対の分配回転体は、円錐状に形成されるとともに、分配回転体の円錐面の一の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が保持され、入力部が当該母線に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、
上記一対の変速部は、リング状の中間回転体の内径側もしくは外径側に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項4に記載の自動車の差動装置。 - 上記中間回転体は、円盤部の両側に母線が円弧を形成する二個の円錐体が底面を円盤面に接するように形成されたものであり、入力部が円盤部の周面に設けられ、かつ出力部が両方の円錐面に設けられ、
上記出力軸回転体は、円盤部の中間回転体側に母線が円弧を形成する一個の円錐体が底面を円盤面に接するように形成されたものであり、入力部が円錐面に設けられ、
上記左右一個ずつの分配回転体は、概ね円盤状に形成され、この円盤部の外周面が中間回転体の出力部と出力軸回転体の入力部とに接する球面を形成し、入力部が中間回転体側の球面部に設けられ、かつ出力部が出力軸回転体側の球面部に設けられ、
上記左右二個ずつの変速周面は、中間回転体の円錐面と出力軸回転体の円錐面とに形成され、
上記左右二個ずつの変速部は、分配回転体の中間回転体側の球面部と出力軸回転体側の球面部に設けられるとともに、分配回転体の回転軸の角度を変更する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項5に記載の自動車の差動装置。 - 上記中間回転体は、円盤状に形成されたものであり、入力部が円盤部の外周面に設けられ、かつ出力部が両方の円盤面に設けられ、
上記出力軸回転体は、円盤状に形成されたものであり、入力部が円盤部の分配回転体側の外縁に設けられ、
上記左右一個ずつの分配回転体は、球状に形成され、中間回転体の円盤面と出力軸回転体の外縁とに接し、入力部が中間回転体側の球面部に設けられ、かつ出力部が出力軸回転体側の球面部に設けられ、
上記左右二個ずつの変速部は、中間回転体の円盤面と出力軸回転体の外縁とに形成され、
上記左右二個ずつの変速周面は、分配回転体の中間回転体側の球面と出力軸回転体側の球面円盤面とに設けられるとともに、分配回転体の回転軸の角度を変更する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速部に対する位置を変更することを特徴とする請求項6に記載の自動車の差動装置。 - 上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、
上記中間回転体は、リング状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部がリング部の外周面に設けられ、かつ左右一対の軸受け部がリング部の両側面に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が出力軸回転体に保持され、出力部が円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部が当該母線に設けられて出力軸の周りに遊星運動を行い、
上記中間静止体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、左右一対の規制部が内径側に設けられ、
上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心の円盤形状に形成され、入力部は、円盤部の外縁に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、
上記左右一対の変速部は、リング状の中間静止体の内径側の左右一対の規制部に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項7に記載の自動車の差動装置。 - 上記左右一対の出力軸は、回転軸が概ね同心かつ入力軸の回転軸に概ね平行に設けられ、
上記中間回転体は、円盤状に形成されて、回転軸が入力軸の回転軸に概ね平行になるように設けられるとともに、入力部が円盤部の外周面に設けられ、かつ左右一対の出力部が円盤部の両側に設けられた円筒部の外周面に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの分配回転体は、円錐状に形成されて、それぞれの出力軸を囲繞するように複数個設けられるとともに、分配回転体の円錐面においてそれぞれの出力軸から見て外側に位置する円錐面の母線が入力軸に概ね平行になるように分配回転体のそれぞれの回転軸が出力軸回転体に保持され、入力部が円錐底面の外縁に設けられ、かつ被規制部が当該母線に設けられて出力軸の周りに遊星運動を行い、
上記中間静止体は、出力軸と概ね同心のリング状に形成され、分配回転体の回転運動を規制する左右一対の規制部が内径側に設けられ、
上記左右一対の出力軸回転体は、出力軸と概ね同心の略円錐台形状に形成され、入力部に相当する分配回転体の回転軸の保持部が円錐面に設けられ、
上記左右少なくとも一個ずつの変速周面は、分配回転体の円錐面に形成され、
上記左右一対の変速部は、リング状の中間静止体の内径側の左右一対の規制部に設けられるとともに、入力軸の回転軸に概ね平行に進退する変速部材により操舵手段の操舵角に応じて変速周面に対する位置を変更することを特徴とする請求項8に記載の自動車の差動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306735A JP2004144122A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 自動車の差動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306735A JP2004144122A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 自動車の差動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004144122A true JP2004144122A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32453405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002306735A Withdrawn JP2004144122A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 自動車の差動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004144122A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009078638A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両の操舵装置 |
WO2017179527A1 (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 回転伝達装置 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002306735A patent/JP2004144122A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009078638A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両の操舵装置 |
WO2017179527A1 (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 回転伝達装置 |
CN108884916A (zh) * | 2016-04-14 | 2018-11-23 | 索尼互动娱乐股份有限公司 | 旋转传递装置 |
CN108884916B (zh) * | 2016-04-14 | 2021-07-20 | 索尼互动娱乐股份有限公司 | 旋转传递装置 |
US11073196B2 (en) | 2016-04-14 | 2021-07-27 | Sony Interactive Entertainment Inc. | Rotation transmitting device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008215519A (ja) | 駆動力配分装置および車両制御装置 | |
US7665377B2 (en) | Cone and idler continuously variable transmission | |
US9856960B2 (en) | Power transmission unit | |
KR20080073334A (ko) | 가변기 | |
US20180209518A1 (en) | Vehicle | |
JP2015017664A (ja) | 電気自動車用駆動装置 | |
JP2000002239A (ja) | スラストベアリング機構 | |
JP2004144122A (ja) | 自動車の差動装置 | |
JP2010144762A (ja) | 駆動力配分装置 | |
JP2011153645A (ja) | 無段変速機及び無段変速機の制御装置 | |
JP5786367B2 (ja) | 変速機能及び回転方向変換機能を備えた駆動装置 | |
JP5141668B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP7327098B2 (ja) | 駆動輪駆動装置 | |
WO2018083458A1 (en) | Transmissions | |
JP2019116934A (ja) | 車両走行用駆動装置 | |
JP2003314661A (ja) | 無段変速装置 | |
JPH0522095B2 (ja) | ||
JPH05213080A (ja) | 四輪制御式四輪駆動車 | |
JP4626747B2 (ja) | トルク配分制御装置 | |
JP2007045220A (ja) | 車両用駆動装置 | |
JPH0949557A (ja) | 差動制限装置 | |
JP3892510B2 (ja) | 車両用左右駆動力配分装置 | |
JP6575377B2 (ja) | 無段変速装置 | |
JP2008309208A (ja) | 無段変速機 | |
JPH11247968A (ja) | トルク可変差動機及びトルク可変差動式無段階変速機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |