JP2004143188A - 結露防止剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に発生する結露を効率良く防止すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁等に塗布した場合に、透明性が優れ且つ塗りむらのない塗膜が得られ、結露が原因で発生するカビなどの雑菌の繁殖防止に高い効果を発揮しうる結露防止剤を提供することを目的とする。
【解決手段】スメクタイト系粘土鉱物が、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スメクタイトから選ばれる1種または2種以上と、界面活性剤と水及び又は有機溶剤からなる結露防止剤。
【選択図】 なし
【解決手段】スメクタイト系粘土鉱物が、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スメクタイトから選ばれる1種または2種以上と、界面活性剤と水及び又は有機溶剤からなる結露防止剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に発生する結露を効率良く防止すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁などに塗布した場合に、透明性が優れ且つ塗りむらの無い塗膜を得ることのできる結露防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅の高気密化が進み、また一方では室内の内装材として調湿機能を有する木材や土壁等が使用されなくなっているので、冬季には室内の空気中に含まれる水分が窓ガラス、サッシ或いは壁等に結露するという問題がある。そして、このような結露が発生する箇所には、カビが発生し、汚れとなるので美観を損ねたり、カビの胞子が飛散した場合には、喘息やアレルギー等の人体に及ぼす悪影響が懸念されている。
【0003】
このような問題点を解決するために、換気扇や除湿機を設置し、室内の湿度を低下させる方法が採られているが、未だ有効な手段となっていない。また窓ガラスにペアガラスを使用し室外の冷気と断熱する方法が実用化されているが、結露を防止するには有効な方法であるものの、多大な工事費用を要するという難点がある。
【0004】
また一方では、比較的低コストで結露を防止する方法として、吸水あるいは吸湿機能を有する薬剤を結露箇所に塗布する方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、抗菌剤を配合した、高吸水性樹脂と合成樹脂エマルジョンからなる結露防止剤が提案されている。しかしながら前記高吸水性樹脂を使用した場合には、塗膜が吸収した水のため短時間に大きく膨潤して、塗膜の強度が低下し塗膜剥離などの障害が起こり易かった。
【0005】
特許文献2には、防黴剤を配合した、ゼオライトと塗料成分からなる結露防止材が提案されている。しかしながら、このような結露防止材は、塗料成分がゼオライトの細孔を封止してしまうので、ゼオライトの吸湿機能が発揮されないという難点があった。
【0006】
また、特許文献3には、水溶性高分子多糖類、またはアルキル酸ソーダー、カルボキシビニールポリマー、ポリエチレンオキサイド、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、セルロース誘導体等の増粘物質を含有させた、結露水のたれ流れ防止剤が提案されており、該たれ流れ防止剤に対して、水、アルコール類、界面活性剤を併用し得る点が記載されている。
しかしながら、前記公報には吸水機能を有する粘土鉱物としてケイ酸アルミニウムマグネシウムやベントナイトを使用しうる点が例示され、該公報に記載された発明は、本発明と発明の構成が類似するものの、結露水の粘度を高めて結露水のたれ流れを防止することを目的とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−158032号公報(第2〜4頁)
【0008】
【特許文献2】
特開平9−13016号公報(第2〜4頁)
【0009】
【特許文献3】
特開2002−148403号公報(第2〜4頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に発生する結露を効率良く防止すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁などに塗布した場合に、透明性が優れ且つ塗りむらのない塗膜が得られ、結露が原因で発生するカビなどの雑菌の繁殖防止に高い効果を発揮しうる結露防止剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、スメクタイト系粘土鉱物、界面活性剤と水及び又は有機溶剤からなる結露防止剤が、所期の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
また、抗菌剤を配合することにより優れた防カビ効果を奏することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するスメクタイト系粘土鉱物の代表的なものとしては、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スメクタイト等を挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの粘土鉱物は、膨潤性層状粘土鉱物とも呼ばれており、100〜800m2/gの表面積を有しており、その表面は高い極性のため、自重の何倍もの水を吸水し保持する性質を備えていることが知られている。
これらのスメクタイト系粘土鉱物は、天然に産出するもの、または人工的に合成されるものの何れでも差し支えないが、水熱合成等の工業的製法により合成されたものが好ましい。
【0013】
前記スメクタイト系粘土鉱物の配合量は、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。10重量%より多い場合には、ガラスやサッシ等に塗布する際に、作業性が悪くなったり塗りむらが発生する。また0.1重量%より少ないと、十分な結露防止効果が得られない。
【0014】
本発明に使用する界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系および両性イオン系の何れの種類の界面活性剤でも差し支えないが、結露防止剤に配合した場合に気泡しにくく、且つ結露防止剤の塗膜を乾燥させた際に、透明性が高いものが適している。
結露防止剤の泡立ちは、結露防止剤の塗りむらを発生させ、且つ結露防止性能を阻害する。
界面活性剤の起泡性は、ロス・マイルス法(JIS K3362の合成洗剤試験方法、温度25℃、濃度0.01%、1分後)で測定した泡の高さが0mmであることが好ましい。
好適に使用し得る界面活性剤としては、オレイン酸カリ石鹸、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0015】
本発明に使用する有機溶剤としては、水と均一に混合するものが適している。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の比較的低沸点のものが好ましい。また有機溶剤の配合量は、結露防止剤の配合組成や配合割合等により適宜調整することができる。
【0016】
本発明で使用する抗菌剤は、フェノール類、アルコール類、ヨウ素及び塩素とその化合物、銀及び銅とその化合物、アミン類やピリジンから誘導される4級窒素化合物等が挙げられ、これらから選ばれる1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記抗菌剤の配合量は、通常0.05〜1重量%程度であるが、使用する抗菌剤により適宜決定することができる。
【0017】
本発明の結露防止剤は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に、刷毛、ローラー、布、スポンジ又はウェットティッシュ等を用いて塗布したり、エアゾール缶に充填し直接対象物に吹き付ける事ができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で使用した原料および評価試験方法は次のとおりである。
【0019】
[原料]
▲1▼スメクタイト系粘土鉱物
・スメクタイト(コープケミカル社製、親水性スメクタイト「SWF」)
・モンモリロナイト(クニミネ工業社製、「スメクトンSA」)
・ソジウム−モンモリロナイト(クニミネ工業社製、「クニピアF」)
・ヘクトライト(日本シリカ工業社製、「ラポナイトRD」)
▲2▼界面活性剤
・ラウリル硫酸トリエタノールアミン(花王社製、「エマールTD」)
・特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(花王社製、「ポイズ520」)
▲3▼抗菌剤
・塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製、試薬)
・塩素化イソシアヌル酸(四国化成工業製、「SDIC−MG」)
▲4▼有機溶剤
・エタノール(和光純薬工業製、試薬1級)
【0020】
[結露試験]
結露防止剤を100mlのガラス製ビーカーの表面に塗布し、60℃に温調した乾燥機で2時間乾燥させた。このビーカーにゲル状保冷剤を50g入れ、冷凍庫内で24時間冷却した後、取り出して重量を測定した。次いで、予め重量を測定したガラス製シャーレに乗せて、室温で1時間放置後、ビーカーとシャーレの各々の重量を測定した。
これらの重量値から、ビーカー表面の結露水量とシャーレに流れ落ちた結露水量を算出した。
【0021】
[抗菌性試験]
上記の結露防止の評価試験において、シャーレ上に垂れ落ちた水について、標準寒天(日水製薬株式会社製、「フードスタンプ」)を用い細菌数を測定した。
【0022】
[塗布試験]
結露防止剤を窓ガラスにスポンジを用いて塗布し、室温で24時間乾燥させた後の塗膜の透明性及び塗りむらの状態を目視で判定し、各々○、△、×の3段階で評価した。但し、○:良好、△:やや劣る、×:悪い
【0023】
〔実施例1〜7、比較例1〜3〕
表1に示した配合割合(重量%)で、スメクタイト系粘土鉱物、界面活性剤、抗菌剤と水及び又は有機溶剤を混合して結露防止剤を調製した。
得られた結露防止剤について、結露試験、抗菌性試験及び塗布試験を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
【0024】
【表1】
【0025】
表1の試験結果より、実施例において調製した結露防止剤は、ビーカー表面の結露水量とシャーレに流れ落ちた結露水量が、結露防止剤を使用しない場合に比べて少なくなっているので、結露防止効果が優れているものと認められる。なお塗膜の表面には、結露水と思われる水滴及び曇りは見られなかった。
本発明の結露防止剤は、結露水を塗膜中に吸湿する作用と共に、塗膜の表面に粘土鉱物が露出して塗膜の表面積を大きくしているので、吸湿した水分を塗膜から蒸発させる作用と相俟って、結露防止効果を飛躍的に増大させている。
また、結露防止剤中に含有する粘土鉱物の割合が多い程、ビーカー表面の結露水量(塗膜中の水分保持量)が増えているが、この理由は、結露防止剤の塗膜中の粘土鉱物の量が多い程、吸湿量が増加するためである。
更には、本発明の結露防止剤の塗膜は無色透明であり、且つ塗りむらが無く造膜性に優れているものと認められる。
また、抗菌剤を配合した場合には、優れた抗菌効果を有する結露防止剤を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の結露防止剤は、優れた結露防止効果を有すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁等に塗布した場合には、透明で塗りむらの無い塗膜が得られるので、窓ガラス、サッシ或いは壁等の美観を損ねることが無い。また、抗菌剤を配合した場合には、結露が原因で発生するカビなどの雑菌の繁殖を防止することができる。更には浴室や洗面所等の鏡の曇り止め剤としても好適に使用できるので、その利用効果は多大である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に発生する結露を効率良く防止すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁などに塗布した場合に、透明性が優れ且つ塗りむらの無い塗膜を得ることのできる結露防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅の高気密化が進み、また一方では室内の内装材として調湿機能を有する木材や土壁等が使用されなくなっているので、冬季には室内の空気中に含まれる水分が窓ガラス、サッシ或いは壁等に結露するという問題がある。そして、このような結露が発生する箇所には、カビが発生し、汚れとなるので美観を損ねたり、カビの胞子が飛散した場合には、喘息やアレルギー等の人体に及ぼす悪影響が懸念されている。
【0003】
このような問題点を解決するために、換気扇や除湿機を設置し、室内の湿度を低下させる方法が採られているが、未だ有効な手段となっていない。また窓ガラスにペアガラスを使用し室外の冷気と断熱する方法が実用化されているが、結露を防止するには有効な方法であるものの、多大な工事費用を要するという難点がある。
【0004】
また一方では、比較的低コストで結露を防止する方法として、吸水あるいは吸湿機能を有する薬剤を結露箇所に塗布する方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、抗菌剤を配合した、高吸水性樹脂と合成樹脂エマルジョンからなる結露防止剤が提案されている。しかしながら前記高吸水性樹脂を使用した場合には、塗膜が吸収した水のため短時間に大きく膨潤して、塗膜の強度が低下し塗膜剥離などの障害が起こり易かった。
【0005】
特許文献2には、防黴剤を配合した、ゼオライトと塗料成分からなる結露防止材が提案されている。しかしながら、このような結露防止材は、塗料成分がゼオライトの細孔を封止してしまうので、ゼオライトの吸湿機能が発揮されないという難点があった。
【0006】
また、特許文献3には、水溶性高分子多糖類、またはアルキル酸ソーダー、カルボキシビニールポリマー、ポリエチレンオキサイド、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、セルロース誘導体等の増粘物質を含有させた、結露水のたれ流れ防止剤が提案されており、該たれ流れ防止剤に対して、水、アルコール類、界面活性剤を併用し得る点が記載されている。
しかしながら、前記公報には吸水機能を有する粘土鉱物としてケイ酸アルミニウムマグネシウムやベントナイトを使用しうる点が例示され、該公報に記載された発明は、本発明と発明の構成が類似するものの、結露水の粘度を高めて結露水のたれ流れを防止することを目的とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−158032号公報(第2〜4頁)
【0008】
【特許文献2】
特開平9−13016号公報(第2〜4頁)
【0009】
【特許文献3】
特開2002−148403号公報(第2〜4頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に発生する結露を効率良く防止すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁などに塗布した場合に、透明性が優れ且つ塗りむらのない塗膜が得られ、結露が原因で発生するカビなどの雑菌の繁殖防止に高い効果を発揮しうる結露防止剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、スメクタイト系粘土鉱物、界面活性剤と水及び又は有機溶剤からなる結露防止剤が、所期の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
また、抗菌剤を配合することにより優れた防カビ効果を奏することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するスメクタイト系粘土鉱物の代表的なものとしては、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スメクタイト等を挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの粘土鉱物は、膨潤性層状粘土鉱物とも呼ばれており、100〜800m2/gの表面積を有しており、その表面は高い極性のため、自重の何倍もの水を吸水し保持する性質を備えていることが知られている。
これらのスメクタイト系粘土鉱物は、天然に産出するもの、または人工的に合成されるものの何れでも差し支えないが、水熱合成等の工業的製法により合成されたものが好ましい。
【0013】
前記スメクタイト系粘土鉱物の配合量は、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。10重量%より多い場合には、ガラスやサッシ等に塗布する際に、作業性が悪くなったり塗りむらが発生する。また0.1重量%より少ないと、十分な結露防止効果が得られない。
【0014】
本発明に使用する界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系および両性イオン系の何れの種類の界面活性剤でも差し支えないが、結露防止剤に配合した場合に気泡しにくく、且つ結露防止剤の塗膜を乾燥させた際に、透明性が高いものが適している。
結露防止剤の泡立ちは、結露防止剤の塗りむらを発生させ、且つ結露防止性能を阻害する。
界面活性剤の起泡性は、ロス・マイルス法(JIS K3362の合成洗剤試験方法、温度25℃、濃度0.01%、1分後)で測定した泡の高さが0mmであることが好ましい。
好適に使用し得る界面活性剤としては、オレイン酸カリ石鹸、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0015】
本発明に使用する有機溶剤としては、水と均一に混合するものが適している。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の比較的低沸点のものが好ましい。また有機溶剤の配合量は、結露防止剤の配合組成や配合割合等により適宜調整することができる。
【0016】
本発明で使用する抗菌剤は、フェノール類、アルコール類、ヨウ素及び塩素とその化合物、銀及び銅とその化合物、アミン類やピリジンから誘導される4級窒素化合物等が挙げられ、これらから選ばれる1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記抗菌剤の配合量は、通常0.05〜1重量%程度であるが、使用する抗菌剤により適宜決定することができる。
【0017】
本発明の結露防止剤は、窓ガラス、サッシ或いは壁等に、刷毛、ローラー、布、スポンジ又はウェットティッシュ等を用いて塗布したり、エアゾール缶に充填し直接対象物に吹き付ける事ができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で使用した原料および評価試験方法は次のとおりである。
【0019】
[原料]
▲1▼スメクタイト系粘土鉱物
・スメクタイト(コープケミカル社製、親水性スメクタイト「SWF」)
・モンモリロナイト(クニミネ工業社製、「スメクトンSA」)
・ソジウム−モンモリロナイト(クニミネ工業社製、「クニピアF」)
・ヘクトライト(日本シリカ工業社製、「ラポナイトRD」)
▲2▼界面活性剤
・ラウリル硫酸トリエタノールアミン(花王社製、「エマールTD」)
・特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(花王社製、「ポイズ520」)
▲3▼抗菌剤
・塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製、試薬)
・塩素化イソシアヌル酸(四国化成工業製、「SDIC−MG」)
▲4▼有機溶剤
・エタノール(和光純薬工業製、試薬1級)
【0020】
[結露試験]
結露防止剤を100mlのガラス製ビーカーの表面に塗布し、60℃に温調した乾燥機で2時間乾燥させた。このビーカーにゲル状保冷剤を50g入れ、冷凍庫内で24時間冷却した後、取り出して重量を測定した。次いで、予め重量を測定したガラス製シャーレに乗せて、室温で1時間放置後、ビーカーとシャーレの各々の重量を測定した。
これらの重量値から、ビーカー表面の結露水量とシャーレに流れ落ちた結露水量を算出した。
【0021】
[抗菌性試験]
上記の結露防止の評価試験において、シャーレ上に垂れ落ちた水について、標準寒天(日水製薬株式会社製、「フードスタンプ」)を用い細菌数を測定した。
【0022】
[塗布試験]
結露防止剤を窓ガラスにスポンジを用いて塗布し、室温で24時間乾燥させた後の塗膜の透明性及び塗りむらの状態を目視で判定し、各々○、△、×の3段階で評価した。但し、○:良好、△:やや劣る、×:悪い
【0023】
〔実施例1〜7、比較例1〜3〕
表1に示した配合割合(重量%)で、スメクタイト系粘土鉱物、界面活性剤、抗菌剤と水及び又は有機溶剤を混合して結露防止剤を調製した。
得られた結露防止剤について、結露試験、抗菌性試験及び塗布試験を行った。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
【0024】
【表1】
【0025】
表1の試験結果より、実施例において調製した結露防止剤は、ビーカー表面の結露水量とシャーレに流れ落ちた結露水量が、結露防止剤を使用しない場合に比べて少なくなっているので、結露防止効果が優れているものと認められる。なお塗膜の表面には、結露水と思われる水滴及び曇りは見られなかった。
本発明の結露防止剤は、結露水を塗膜中に吸湿する作用と共に、塗膜の表面に粘土鉱物が露出して塗膜の表面積を大きくしているので、吸湿した水分を塗膜から蒸発させる作用と相俟って、結露防止効果を飛躍的に増大させている。
また、結露防止剤中に含有する粘土鉱物の割合が多い程、ビーカー表面の結露水量(塗膜中の水分保持量)が増えているが、この理由は、結露防止剤の塗膜中の粘土鉱物の量が多い程、吸湿量が増加するためである。
更には、本発明の結露防止剤の塗膜は無色透明であり、且つ塗りむらが無く造膜性に優れているものと認められる。
また、抗菌剤を配合した場合には、優れた抗菌効果を有する結露防止剤を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の結露防止剤は、優れた結露防止効果を有すると共に、窓ガラス、サッシ或いは壁等に塗布した場合には、透明で塗りむらの無い塗膜が得られるので、窓ガラス、サッシ或いは壁等の美観を損ねることが無い。また、抗菌剤を配合した場合には、結露が原因で発生するカビなどの雑菌の繁殖を防止することができる。更には浴室や洗面所等の鏡の曇り止め剤としても好適に使用できるので、その利用効果は多大である。
Claims (4)
- スメクタイト系粘土鉱物(但し、ベントナイトを除く)、界面活性剤と水及び又は有機溶剤からなる結露防止剤。
- スメクタイト系粘土鉱物が、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト及びスメクタイトから選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の結露防止剤。
- 界面活性剤がポリカルボン酸型高分子界面活性剤である請求項1又は請求項2に記載の結露防止剤。
- 抗菌剤を配合したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の結露防止剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306079A JP2004143188A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 結露防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306079A JP2004143188A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 結露防止剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004143188A true JP2004143188A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32452979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002306079A Pending JP2004143188A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 結露防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004143188A (ja) |
-
2002
- 2002-10-21 JP JP2002306079A patent/JP2004143188A/ja active Pending
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