JP2004142251A - 成形内装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形内装材の補強層として、ガラス繊維を使用せず、焼却処分時に環境問題がない成形内装材を提供する。
【解決手段】補強層がカーボン繊維と、天然繊維及び/又は合成繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸を成形する。
【選択図】 図2
【解決手段】補強層がカーボン繊維と、天然繊維及び/又は合成繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸を成形する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状安定性に優れた軽量の車両用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、トノボード、車両用フロア材等の成形内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形内装材の内、例えば車両用成形天井材として、
▲1▼ 硬質ウレタンを芯材として表皮や裏面紙等と組み合わせ、ホットプレスで成形するもの。
▲2▼ ダンボールシート、レジンフェルト、ウッドチップ等の非ウレタンを芯材として、▲1▼と同じようにホットプレスで成形するもの。
▲3▼ 予め熱可塑性樹脂を含浸させたPET樹脂綿や天然繊維の芯材を昇温させておき、表皮や裏面紙と組み合わせてコールドプレスするもの。
などが挙げられる。この内、▲1▼と▲2▼については、芯材の補強と、表皮や裏面紙との接着強度を得るために樹脂性接着剤を塗布(含浸)させたガラスマットを芯材の両面にサンドイッチ状に設けるのが一般的である(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【0003】
上記のような従来技術において、補強材として使用されるガラス繊維は、補強効果が極めて優れており、成形寸法の安定性が良いので、車両用等の成形内装材として広く使用されている。
【0004】
また、ガラス繊維を使わないものも知られている。例えば、麻を撚り合わせた繊維を2mmから3mmのかなり荒い目で織り、この織物を補強材として使用した例がある(Opel:ベクトラ他)。しかし、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない(以下、公知技術1という)。
【0005】
また、麻、ケナフ、サイザル繊維、竹繊維、木質繊維の植物繊維を分岐切断或は粉砕したものをガラス繊維の代わりに使用することも知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、カーボン繊維を使用することが検討されている。しかし、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない(以下、公知技術2という)。
【0007】
【特許文献1】
特開平08−246315号公報(第2頁、図2)
【特許文献2】
特開平09−277415号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】
特開平10−000716号公報(第3頁、図1)
【特許文献4】
特開2001−047544号公報(第3頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1,2,3のように、ガラス繊維を用いると、製品成形時に発生する成形端末を処分する際や、使用済み製品を処理するために焼却した際に、極微量の砒素が発生するため、環境問題上の課題を抱えている。
【0009】
公知技術1では、織物を補強材として使った場合、伸び縮みが不自由な為、絞り成形部分で皺が発生する。また、撚り合わせた繊維では接着剤が中まで含浸しにくい為、硬化が不十分で表面に凹凸が発生しやすい。
【0010】
特許文献4では、補強層が植物繊維であるので、処分時に焼却した際に環境問題を生じない点でガラス繊維に比べて優れている。しかし、植物繊維の吸湿時の伸縮或は剛性低下により、成形内装材が使用中に変形する問題を生じることが判明した。特に、成形天井材や成形トリム等のように3次元的に立体成形したものでは、伸縮・剛性低下等の要因で大きく変形して製品として使用できないものが発生した。即ちガラス繊維を植物繊維に置き換えただけでは、補強層としての機能で不十分であった。
【0011】
公知技術2では、カーボン繊維は通常は、約5μmの1本の繊維を数百本から数千本束ねた長繊維の繊維束を使用するものであり、引っ張り強度に優れるが、滑り易く、折れ易い。したがって、カーボン繊維束のみを編んだように絡ませるためには、多くのカーボン繊維を必要とし、コストアップになるとともに、できたシートが厚いものとなり、上記の補強層としては使用できない。
【0012】
そのために、カーボン繊維に天然繊維や合成繊維を混紡して使用することを検討したが、カーボン繊維と樹脂を編んだように絡ませるために、ニードル加工等を必要とするとともに、厚さが太いため、やはり上記の補強層としては使用できないものであった。
【0013】
そのため、カーボン繊維の繊維束でなくて、5μm以上10μm以下の繊維径が細い短繊維1本ずつと天然繊維や合成繊維とを絡ませて、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のバインダーを使ってマット状にしたシートを検討した。しかし、このものでは、成形上、このシート自体の伸びがほとんど期待できない。そのため、成形内装材として使用するために立体成形した際に、成形形状に追従するためには、各カーボン繊維間の結合力を弱め、成形時にお互いのカーボン繊維が滑るように追従させるしかない。
【0014】
しかし、カーボン繊維は繊維径が非常に細く(例えば5μm)、これと上手に混紡するためには、混紡する他の繊維も適当に補足しなければならない。この状態で、混紡したものを成形した場合、形状変化の大きい箇所では繊維が滑って薄くなったり、裂けたりする。そして極端な場合では、孔が開いてしまう。また、これを避けるために、繊維量やバインダー量を多くして繊維間の結合力を強化すると、成形時の形状変化に追従できずに、部分的に破れてしまい、製品として成立しなくなる。
【0015】
そこで、本願の発明者は、カーボン繊維束でなく、カーボンの短繊維と他の繊維との混紡シートの利点を生かしつつ、カーボン繊維でできた補強層の形状追従性を補う手法について種々検討を行った。その結果、補強層にシボや皺などの伸びを許容する形状を持たせると良いことを見いだした。
【0016】
【課題を解決するための手段】
具体的には、請求項1の発明は、芯材層の表面に表皮層が補強層を介して接合された成形内装材において、上記補強層はカーボン繊維と充填繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸が成形されている構成である。この構成では、混合シートのシボ又は皺によって、成形時に混合シートの伸びを許容できるので、成形時に薄くなったり、裂けたりすることなく、成形加工できる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載の成形内装材において、充填繊維は天然繊維を含むので、カーボン量を少なくでき、混合シートの伸びをさらに許容できるとともに低コスト化できる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の成形内装材において、充填繊維は合成繊維を含むので、請求項2と同様に、カーボン量を少なくでき、混合シートの伸びをさらに許容できるとともに低コスト化できる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の成形内装材において、カーボン繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるので、薄い混合シートでありながら、高強度で成形時の変形に追従できる伸びを備えるものを得られる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の成形内装材において、充填繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるので、カーボン繊維との混合を確実にでき、両繊維が十分に絡んだ混合シートを得られる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の成形内装材において、補強層は、成形時に5%以上20%以下の伸びを有するので、成形時に成形形状に追従して上手に変形でき、薄くなったり、裂けたりすることを防止できる。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の成形内装材において、補強層の厚さは、100μm以上0.5mm以下であるので、薄くしかも軽量で場所を取らず、車両スペースを有効に活用できる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の成形内装材において、カーボン繊維と充填繊維との重量割合は、カーボン繊維:30%以上70%以下に対して充填繊維:70%以下30%以上である。
【0024】
充填繊維が30%未満、即ちカーボン繊維が70%を超えると、成形時の伸びが不足するとともに充填繊維が少なくなり、コストアップとなり実用的でなくなる。その上、芯材層及び表皮層との接合強度が低下し、接合力を高める手段を講じる必要がある。
【0025】
充填繊維が70%を超えると、即ちカーボン繊維が30%未満になると、カーボン繊維が少なくて、引っ張り強度が不足し、成形時に破れたり、孔が開いたりする。したがって、充填繊維とカーボン繊維との重量割合は、上記範囲にすることが好ましい。特に、充填繊維:40%以上60%以下で、カーボン繊維:60%以下40%以上とすることが、更に好ましい。
【0026】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の成形内装材において、充填繊維が麻材、ケナフ、木質繊維、サイザル繊維、竹繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなるので、これらの植物繊維は処分時に公害問題を生じることがなく、処分やリサイクルが容易である。
【0027】
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の成形内装材において、成形内装材が車両の成形天井材であり、成形天井材として実用的なものが得られる。特に、車両のリサイクルや処分時にこの成形天井材を焼却処分しても、有害成分を発生しないので、環境問題上からも優れている。
【0028】
本発明のカーボン繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるものが好ましい。繊維径が大きいと、繊維同士が滑りやすく、充填繊維との接着強度が不足する結果となる。また、成形品表面に繊維の凹凸が現れ外観を著しく損なうことがあるが、上記範囲とすることで、この凹凸が表面に表れることを防止できる。また、繊維長が長いと取り扱いが難しく、充填繊維との混合、即ち絡めることが十分にできないが、上記範囲とすることで、充填繊維との混合が十分にできる。
【0029】
本発明の充填繊維としては、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるものが好ましい。これらの範囲にする理由は、カーボン繊維とほぼおなじ線径や線長にすることで、両者の混合が上手に行なえるからである。
【0030】
本発明の充填繊維である天然繊維としては、セルロースを主体とした植物を分岐切断または粉砕したものであって、麻、ケナフ、サイザル繊維、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維等の植物繊維が挙げられる。木質繊維は木から得られる。木としては、杉、松、けやき、ひのき、ひば、桜、ポプラ、樅などが挙げられる。この植物繊維は、カーボン繊維と同様に補強の機能を有し、カーボン繊維に比較して伸びやすく、接合性に優れるので、カーボン繊維に対して適切量混合することが好ましい。
【0031】
また、充填繊維である天然繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂が使用される。この合成繊維は、カーボン繊維と天然繊維とのバインダー機能を備えるので、この合成繊維を含める場合には、バインダーを無くする、或は少なくできる。
【0032】
本発明の補強層(混合シート)は、カーボン繊維や充填繊維の大きさや混合量を適切に選定するとともに、この補強層にシボ又は皺による凹凸を成形することによって、成形時に5%以上20%以下の伸びを有するようにすることが好ましい。シボや皺の形状・大きさは特別限定されるものではないが、成形時に薄くなることや、追従変形させるためには、成形時に上記範囲の伸びを有するように形成することが好ましい。
【0033】
混合シートの厚さは100μm以上0.5mm以下であることが好ましい。この範囲にすると、混合シートを薄くでき、軽量化できるとともに、成形時の形状変化にも追従しやすい。特に、0.1mm以上0.3mm以下の範囲が好ましい。
【0034】
カーボン繊維と充填繊維との重量割合は、カーボン繊維:30%以上70%以下に対して、充填繊維:70%以下30%以上であることが好ましい。この範囲にすることで、適切な引っ張り強度を有し、両者の接合状態を良好にすることができる。
【0035】
必要に応じて、接着剤染み出し防止用フィルムを補強層と表皮層の間に設置してよい。表面装飾用表皮としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド系の織布または不織布、ビニールレザーが挙げられる。
【0036】
カーボン繊維と充填繊維との混合シートからなる補強層の製造は、これらの繊維を混在させた混合液状体から、紙抄きの要領で抄いて薄膜を形成する。混合シートのシボや皺の成形は、混合シートを成形した際に、シボ模様を有するロール型内を通してシボを成形する、或は皺成形型で皺を成形する等が摘要できる。
【0037】
成形内装材の製造方法としては、カーボン繊維と充填繊維との混合物に熱硬化型接着剤を塗布した混合シートを用意し、これをウレタンフォームの両面に重ね、更に表皮材を重ね配置したものを、加熱した金型に入れて加圧成形するようにしても良い。また、ウレタンフォームの両面に、熱硬化型接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)し、その両面に混合シートを重ね、さらに表皮材を重ね配置したものを、加熱金型に入れて加圧し、接着剤を硬化させた後、金型から成形品を取り出す方法でも良い。
【0038】
本発明の成形内装材は、自動車用成形内装材、例えば自動車用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、フロア材等に使用できる。自動車に限らず、他の乗物にも適用可能である。成形天井材として使用する際には、ウレタンフォームからできている層の厚さは、3mm以上15mm以下のものが使用される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体的に説明する。図1は自動車の成形天井材の斜視図を示し、図2は図1の部分断面図を示す。図3は、混合シートの部分概略表面図を示す。図1に示すように、成形天井材1は、中央が凹んだ立体形状に成形される。成形天井材1の断面は、図2に示すように、芯材層2の両側に補強層3,4が配設され、その外側一方に表皮層5、他方側に離型層6が接着されている。
【0040】
次に、上記実施例に係る成形内装材の製造方法を説明する。
【0041】
芯材層2として、単位面積重量200g/m2の連続気泡を有する熱成形可能な硬質ウレタンフォームシート(1200mm×1600mm×厚さ5.5mm)を用意する。また、表皮層5としてトリコット製表皮を、離型層6として離面紙をそれぞれ用意する。さらに、補強層3,4としてとして以下のものを用意した。
▲1▼ カーボン繊維:繊維長1インチ、繊維径10μm、量20g/m2
充填繊維(パルプ系):ピッチ径が1インチ、繊維径10μm、量20g/m2
バインダー:ウレタン系で4g/m2
混合シート厚さ:0.25mm
この混合シートの製造時に、表面及び裏面に対して凹凸になるようなシボ成形を行なった。
▲2▼ カーボン繊維:繊維長1インチ、繊維径10μm、量20g/m2
充填繊維(パルプ系):ピッチ径が1インチ、繊維径10μm、量10g/m2
合成繊維:ピッチ径が1インチ、繊維径10μm、量3g/m2
混合シート厚さ:0.25mm
混合シート成形後、シートの両面に対して皺を成形した。
▲3▼ カーボン繊維:繊維長2〜3mm、繊維径7〜10μm、量20g/m2
充填繊維(パルプ系):ピッチ径が2mmから3mm、繊維径7〜10μm、 量20g/m2
バインダー:ウレタン系で、5g/m2
混合シート厚さ:0.28mm
この混合シートの製造時に、表面及び裏面に対して凹凸になるようなシボ成形を行なった。
【0042】
次に、混合シート、硬質ウレタンフォームシート、表皮及び離面紙を接合するために、混合シートにイソシアネート系接着剤を塗布する。混合シートへの接着剤の塗布は、混合シートの網目の大きさとあいまって、混合シートが通気性を持った(向こうが見える)状態を維持した量に制御され、この実施例では44g/m2の混合シートに対して、50g/m2とした。この場合に、混合シートが通気性を持ったとは、上記接着剤を塗布した状態で通気性を確保できたものも良いが、塗布時には通気性がほとんど無く、接着剤が硬化して混合シート、硬質ウレタンフォームシート、表皮、離面紙の各々が接着された後に通気性が確保されるものも含む。
【0043】
こうして用意した混合シートを硬質ウレタンフォームシートの両側に配設し、その一方の外側にトリコットの装飾用表皮を、他方の外側に離面紙をそれぞれ配置して、成形型内に表皮−混合シート−硬質ウレタンフォームシート−混合シート−裏面紙の順で配置されるようにする。成形金型内で加圧成形するとともに互いを接着させる。成形接着後、成形品を成形金型から取り出し、幅:1200mm×1600mm、そして天井を形成する全ての材料を含めた総厚が7.5mmとなった成形天井材を製造した。
【0044】
次にテスト状況を説明する。
【0045】
上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼の混合シートでシボや皺を設けたものでは、成形天井材のフロントのサンバイザーが設けられるために立体的に大きく変形される部分(図1のA部及びB部)でも十分に伸びて追従しており、薄くなったり破れたりすることなく成形できた。上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼のサンプルについて、3例テストしたが、いずれもきれいに成形できた。
【0046】
比較のために、上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼の混合シートで、皺やシボを設けてない、平坦なシートで成形天井材を成形したところ、上記サンバイザーに相当する部分(図1のA部及びB部)で、混合シートが裂けたり、非常に薄くなっていた。3例をテストした結果、テストしたものによっては、上記の部分で成形時の変形に追従できずに、破損して孔が開いてしまったものもあった。
【0047】
【発明の効果】
本発明では、芯材層の表面に表皮層が補強層を介して接合された成形内装材において、上記補強層がカーボン繊維の短繊維と充填繊維の短繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸が成形されているので、混合シートのシボ又は皺によって成形時の変形に追従でき、薄くなったり、裂けたりすることのない内装品を得ることができる。
【0048】
また、上記充填繊維として天然繊維を含むものでは、カーボン量を少なくでき、低コスト化できるとともに、カーボン繊維と天然繊維とが上手に絡んだ混合シートを得ることができる。また、カーボン量を少なくして天然繊維を使うことで混合シートの伸びも良くなり、成形時の変形追従性も向上する。
【0049】
さらに、充填繊維として合成繊維を含むものでは、カーボン繊維と天然繊維との接合を強化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形天井材の斜視図を示す。
【図2】図1の成形天井材の部分断面図を示す。
【図3】本発明の補強層を構成する混合シートの部分平面図を示す。
【符号の説明】
1 成形天井
2 芯材層
3 補強層(混合シート)
4 補強層(混合シート)
5 表皮層
6 離型層
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状安定性に優れた軽量の車両用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、トノボード、車両用フロア材等の成形内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形内装材の内、例えば車両用成形天井材として、
▲1▼ 硬質ウレタンを芯材として表皮や裏面紙等と組み合わせ、ホットプレスで成形するもの。
▲2▼ ダンボールシート、レジンフェルト、ウッドチップ等の非ウレタンを芯材として、▲1▼と同じようにホットプレスで成形するもの。
▲3▼ 予め熱可塑性樹脂を含浸させたPET樹脂綿や天然繊維の芯材を昇温させておき、表皮や裏面紙と組み合わせてコールドプレスするもの。
などが挙げられる。この内、▲1▼と▲2▼については、芯材の補強と、表皮や裏面紙との接着強度を得るために樹脂性接着剤を塗布(含浸)させたガラスマットを芯材の両面にサンドイッチ状に設けるのが一般的である(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【0003】
上記のような従来技術において、補強材として使用されるガラス繊維は、補強効果が極めて優れており、成形寸法の安定性が良いので、車両用等の成形内装材として広く使用されている。
【0004】
また、ガラス繊維を使わないものも知られている。例えば、麻を撚り合わせた繊維を2mmから3mmのかなり荒い目で織り、この織物を補強材として使用した例がある(Opel:ベクトラ他)。しかし、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない(以下、公知技術1という)。
【0005】
また、麻、ケナフ、サイザル繊維、竹繊維、木質繊維の植物繊維を分岐切断或は粉砕したものをガラス繊維の代わりに使用することも知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、カーボン繊維を使用することが検討されている。しかし、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない(以下、公知技術2という)。
【0007】
【特許文献1】
特開平08−246315号公報(第2頁、図2)
【特許文献2】
特開平09−277415号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】
特開平10−000716号公報(第3頁、図1)
【特許文献4】
特開2001−047544号公報(第3頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1,2,3のように、ガラス繊維を用いると、製品成形時に発生する成形端末を処分する際や、使用済み製品を処理するために焼却した際に、極微量の砒素が発生するため、環境問題上の課題を抱えている。
【0009】
公知技術1では、織物を補強材として使った場合、伸び縮みが不自由な為、絞り成形部分で皺が発生する。また、撚り合わせた繊維では接着剤が中まで含浸しにくい為、硬化が不十分で表面に凹凸が発生しやすい。
【0010】
特許文献4では、補強層が植物繊維であるので、処分時に焼却した際に環境問題を生じない点でガラス繊維に比べて優れている。しかし、植物繊維の吸湿時の伸縮或は剛性低下により、成形内装材が使用中に変形する問題を生じることが判明した。特に、成形天井材や成形トリム等のように3次元的に立体成形したものでは、伸縮・剛性低下等の要因で大きく変形して製品として使用できないものが発生した。即ちガラス繊維を植物繊維に置き換えただけでは、補強層としての機能で不十分であった。
【0011】
公知技術2では、カーボン繊維は通常は、約5μmの1本の繊維を数百本から数千本束ねた長繊維の繊維束を使用するものであり、引っ張り強度に優れるが、滑り易く、折れ易い。したがって、カーボン繊維束のみを編んだように絡ませるためには、多くのカーボン繊維を必要とし、コストアップになるとともに、できたシートが厚いものとなり、上記の補強層としては使用できない。
【0012】
そのために、カーボン繊維に天然繊維や合成繊維を混紡して使用することを検討したが、カーボン繊維と樹脂を編んだように絡ませるために、ニードル加工等を必要とするとともに、厚さが太いため、やはり上記の補強層としては使用できないものであった。
【0013】
そのため、カーボン繊維の繊維束でなくて、5μm以上10μm以下の繊維径が細い短繊維1本ずつと天然繊維や合成繊維とを絡ませて、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のバインダーを使ってマット状にしたシートを検討した。しかし、このものでは、成形上、このシート自体の伸びがほとんど期待できない。そのため、成形内装材として使用するために立体成形した際に、成形形状に追従するためには、各カーボン繊維間の結合力を弱め、成形時にお互いのカーボン繊維が滑るように追従させるしかない。
【0014】
しかし、カーボン繊維は繊維径が非常に細く(例えば5μm)、これと上手に混紡するためには、混紡する他の繊維も適当に補足しなければならない。この状態で、混紡したものを成形した場合、形状変化の大きい箇所では繊維が滑って薄くなったり、裂けたりする。そして極端な場合では、孔が開いてしまう。また、これを避けるために、繊維量やバインダー量を多くして繊維間の結合力を強化すると、成形時の形状変化に追従できずに、部分的に破れてしまい、製品として成立しなくなる。
【0015】
そこで、本願の発明者は、カーボン繊維束でなく、カーボンの短繊維と他の繊維との混紡シートの利点を生かしつつ、カーボン繊維でできた補強層の形状追従性を補う手法について種々検討を行った。その結果、補強層にシボや皺などの伸びを許容する形状を持たせると良いことを見いだした。
【0016】
【課題を解決するための手段】
具体的には、請求項1の発明は、芯材層の表面に表皮層が補強層を介して接合された成形内装材において、上記補強層はカーボン繊維と充填繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸が成形されている構成である。この構成では、混合シートのシボ又は皺によって、成形時に混合シートの伸びを許容できるので、成形時に薄くなったり、裂けたりすることなく、成形加工できる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載の成形内装材において、充填繊維は天然繊維を含むので、カーボン量を少なくでき、混合シートの伸びをさらに許容できるとともに低コスト化できる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の成形内装材において、充填繊維は合成繊維を含むので、請求項2と同様に、カーボン量を少なくでき、混合シートの伸びをさらに許容できるとともに低コスト化できる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の成形内装材において、カーボン繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるので、薄い混合シートでありながら、高強度で成形時の変形に追従できる伸びを備えるものを得られる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の成形内装材において、充填繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるので、カーボン繊維との混合を確実にでき、両繊維が十分に絡んだ混合シートを得られる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の成形内装材において、補強層は、成形時に5%以上20%以下の伸びを有するので、成形時に成形形状に追従して上手に変形でき、薄くなったり、裂けたりすることを防止できる。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の成形内装材において、補強層の厚さは、100μm以上0.5mm以下であるので、薄くしかも軽量で場所を取らず、車両スペースを有効に活用できる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の成形内装材において、カーボン繊維と充填繊維との重量割合は、カーボン繊維:30%以上70%以下に対して充填繊維:70%以下30%以上である。
【0024】
充填繊維が30%未満、即ちカーボン繊維が70%を超えると、成形時の伸びが不足するとともに充填繊維が少なくなり、コストアップとなり実用的でなくなる。その上、芯材層及び表皮層との接合強度が低下し、接合力を高める手段を講じる必要がある。
【0025】
充填繊維が70%を超えると、即ちカーボン繊維が30%未満になると、カーボン繊維が少なくて、引っ張り強度が不足し、成形時に破れたり、孔が開いたりする。したがって、充填繊維とカーボン繊維との重量割合は、上記範囲にすることが好ましい。特に、充填繊維:40%以上60%以下で、カーボン繊維:60%以下40%以上とすることが、更に好ましい。
【0026】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の成形内装材において、充填繊維が麻材、ケナフ、木質繊維、サイザル繊維、竹繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなるので、これらの植物繊維は処分時に公害問題を生じることがなく、処分やリサイクルが容易である。
【0027】
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の成形内装材において、成形内装材が車両の成形天井材であり、成形天井材として実用的なものが得られる。特に、車両のリサイクルや処分時にこの成形天井材を焼却処分しても、有害成分を発生しないので、環境問題上からも優れている。
【0028】
本発明のカーボン繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるものが好ましい。繊維径が大きいと、繊維同士が滑りやすく、充填繊維との接着強度が不足する結果となる。また、成形品表面に繊維の凹凸が現れ外観を著しく損なうことがあるが、上記範囲とすることで、この凹凸が表面に表れることを防止できる。また、繊維長が長いと取り扱いが難しく、充填繊維との混合、即ち絡めることが十分にできないが、上記範囲とすることで、充填繊維との混合が十分にできる。
【0029】
本発明の充填繊維としては、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなるものが好ましい。これらの範囲にする理由は、カーボン繊維とほぼおなじ線径や線長にすることで、両者の混合が上手に行なえるからである。
【0030】
本発明の充填繊維である天然繊維としては、セルロースを主体とした植物を分岐切断または粉砕したものであって、麻、ケナフ、サイザル繊維、竹繊維、木質繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維等の植物繊維が挙げられる。木質繊維は木から得られる。木としては、杉、松、けやき、ひのき、ひば、桜、ポプラ、樅などが挙げられる。この植物繊維は、カーボン繊維と同様に補強の機能を有し、カーボン繊維に比較して伸びやすく、接合性に優れるので、カーボン繊維に対して適切量混合することが好ましい。
【0031】
また、充填繊維である天然繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂が使用される。この合成繊維は、カーボン繊維と天然繊維とのバインダー機能を備えるので、この合成繊維を含める場合には、バインダーを無くする、或は少なくできる。
【0032】
本発明の補強層(混合シート)は、カーボン繊維や充填繊維の大きさや混合量を適切に選定するとともに、この補強層にシボ又は皺による凹凸を成形することによって、成形時に5%以上20%以下の伸びを有するようにすることが好ましい。シボや皺の形状・大きさは特別限定されるものではないが、成形時に薄くなることや、追従変形させるためには、成形時に上記範囲の伸びを有するように形成することが好ましい。
【0033】
混合シートの厚さは100μm以上0.5mm以下であることが好ましい。この範囲にすると、混合シートを薄くでき、軽量化できるとともに、成形時の形状変化にも追従しやすい。特に、0.1mm以上0.3mm以下の範囲が好ましい。
【0034】
カーボン繊維と充填繊維との重量割合は、カーボン繊維:30%以上70%以下に対して、充填繊維:70%以下30%以上であることが好ましい。この範囲にすることで、適切な引っ張り強度を有し、両者の接合状態を良好にすることができる。
【0035】
必要に応じて、接着剤染み出し防止用フィルムを補強層と表皮層の間に設置してよい。表面装飾用表皮としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド系の織布または不織布、ビニールレザーが挙げられる。
【0036】
カーボン繊維と充填繊維との混合シートからなる補強層の製造は、これらの繊維を混在させた混合液状体から、紙抄きの要領で抄いて薄膜を形成する。混合シートのシボや皺の成形は、混合シートを成形した際に、シボ模様を有するロール型内を通してシボを成形する、或は皺成形型で皺を成形する等が摘要できる。
【0037】
成形内装材の製造方法としては、カーボン繊維と充填繊維との混合物に熱硬化型接着剤を塗布した混合シートを用意し、これをウレタンフォームの両面に重ね、更に表皮材を重ね配置したものを、加熱した金型に入れて加圧成形するようにしても良い。また、ウレタンフォームの両面に、熱硬化型接着剤を塗布(例えば、スプレー塗布)し、その両面に混合シートを重ね、さらに表皮材を重ね配置したものを、加熱金型に入れて加圧し、接着剤を硬化させた後、金型から成形品を取り出す方法でも良い。
【0038】
本発明の成形内装材は、自動車用成形内装材、例えば自動車用成形天井材、成形ドアトリム、リヤパッケージトレイ、フロア材等に使用できる。自動車に限らず、他の乗物にも適用可能である。成形天井材として使用する際には、ウレタンフォームからできている層の厚さは、3mm以上15mm以下のものが使用される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体的に説明する。図1は自動車の成形天井材の斜視図を示し、図2は図1の部分断面図を示す。図3は、混合シートの部分概略表面図を示す。図1に示すように、成形天井材1は、中央が凹んだ立体形状に成形される。成形天井材1の断面は、図2に示すように、芯材層2の両側に補強層3,4が配設され、その外側一方に表皮層5、他方側に離型層6が接着されている。
【0040】
次に、上記実施例に係る成形内装材の製造方法を説明する。
【0041】
芯材層2として、単位面積重量200g/m2の連続気泡を有する熱成形可能な硬質ウレタンフォームシート(1200mm×1600mm×厚さ5.5mm)を用意する。また、表皮層5としてトリコット製表皮を、離型層6として離面紙をそれぞれ用意する。さらに、補強層3,4としてとして以下のものを用意した。
▲1▼ カーボン繊維:繊維長1インチ、繊維径10μm、量20g/m2
充填繊維(パルプ系):ピッチ径が1インチ、繊維径10μm、量20g/m2
バインダー:ウレタン系で4g/m2
混合シート厚さ:0.25mm
この混合シートの製造時に、表面及び裏面に対して凹凸になるようなシボ成形を行なった。
▲2▼ カーボン繊維:繊維長1インチ、繊維径10μm、量20g/m2
充填繊維(パルプ系):ピッチ径が1インチ、繊維径10μm、量10g/m2
合成繊維:ピッチ径が1インチ、繊維径10μm、量3g/m2
混合シート厚さ:0.25mm
混合シート成形後、シートの両面に対して皺を成形した。
▲3▼ カーボン繊維:繊維長2〜3mm、繊維径7〜10μm、量20g/m2
充填繊維(パルプ系):ピッチ径が2mmから3mm、繊維径7〜10μm、 量20g/m2
バインダー:ウレタン系で、5g/m2
混合シート厚さ:0.28mm
この混合シートの製造時に、表面及び裏面に対して凹凸になるようなシボ成形を行なった。
【0042】
次に、混合シート、硬質ウレタンフォームシート、表皮及び離面紙を接合するために、混合シートにイソシアネート系接着剤を塗布する。混合シートへの接着剤の塗布は、混合シートの網目の大きさとあいまって、混合シートが通気性を持った(向こうが見える)状態を維持した量に制御され、この実施例では44g/m2の混合シートに対して、50g/m2とした。この場合に、混合シートが通気性を持ったとは、上記接着剤を塗布した状態で通気性を確保できたものも良いが、塗布時には通気性がほとんど無く、接着剤が硬化して混合シート、硬質ウレタンフォームシート、表皮、離面紙の各々が接着された後に通気性が確保されるものも含む。
【0043】
こうして用意した混合シートを硬質ウレタンフォームシートの両側に配設し、その一方の外側にトリコットの装飾用表皮を、他方の外側に離面紙をそれぞれ配置して、成形型内に表皮−混合シート−硬質ウレタンフォームシート−混合シート−裏面紙の順で配置されるようにする。成形金型内で加圧成形するとともに互いを接着させる。成形接着後、成形品を成形金型から取り出し、幅:1200mm×1600mm、そして天井を形成する全ての材料を含めた総厚が7.5mmとなった成形天井材を製造した。
【0044】
次にテスト状況を説明する。
【0045】
上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼の混合シートでシボや皺を設けたものでは、成形天井材のフロントのサンバイザーが設けられるために立体的に大きく変形される部分(図1のA部及びB部)でも十分に伸びて追従しており、薄くなったり破れたりすることなく成形できた。上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼のサンプルについて、3例テストしたが、いずれもきれいに成形できた。
【0046】
比較のために、上記▲1▼、▲2▼及び▲3▼の混合シートで、皺やシボを設けてない、平坦なシートで成形天井材を成形したところ、上記サンバイザーに相当する部分(図1のA部及びB部)で、混合シートが裂けたり、非常に薄くなっていた。3例をテストした結果、テストしたものによっては、上記の部分で成形時の変形に追従できずに、破損して孔が開いてしまったものもあった。
【0047】
【発明の効果】
本発明では、芯材層の表面に表皮層が補強層を介して接合された成形内装材において、上記補強層がカーボン繊維の短繊維と充填繊維の短繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸が成形されているので、混合シートのシボ又は皺によって成形時の変形に追従でき、薄くなったり、裂けたりすることのない内装品を得ることができる。
【0048】
また、上記充填繊維として天然繊維を含むものでは、カーボン量を少なくでき、低コスト化できるとともに、カーボン繊維と天然繊維とが上手に絡んだ混合シートを得ることができる。また、カーボン量を少なくして天然繊維を使うことで混合シートの伸びも良くなり、成形時の変形追従性も向上する。
【0049】
さらに、充填繊維として合成繊維を含むものでは、カーボン繊維と天然繊維との接合を強化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形天井材の斜視図を示す。
【図2】図1の成形天井材の部分断面図を示す。
【図3】本発明の補強層を構成する混合シートの部分平面図を示す。
【符号の説明】
1 成形天井
2 芯材層
3 補強層(混合シート)
4 補強層(混合シート)
5 表皮層
6 離型層
Claims (10)
- 芯材層の表面に表皮層が補強層を介して接合された成形内装材において、
上記補強層はカーボン繊維と充填繊維との混合シートからなり、その表面にシボ又は皺による凹凸が成形されていることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1に記載の成形内装材において、
充填繊維は天然繊維を含むことを特徴とする成形内装材。 - 請求項1又は2に記載の成形内装材において、
充填繊維は合成繊維を含むことを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の成形内装材において、
カーボン繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の成形内装材において、
充填繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下で、繊維長が10mm以上100mm以下の短繊維からなることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の成形内装材において、
補強層は成形時に5%以上20%以下の伸びを有することを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の成形内装材において、
補強層の厚さは100μm以上0.5mm以下であることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の成形内装材において、
カーボン繊維と充填繊維との重量割合は、カーボン繊維:30%以上70%以下に対して、充填繊維:70%以下30%以上であることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の成形内装材において、
充填繊維は、麻材、ケナフ、木質繊維、サイザル繊維、竹繊維、サボテン繊維、サトウキビ繊維の少なくとも1種からなることを特徴とする成形内装材。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の成形内装材において、
成形内装材が車両の成形天井材であることを特徴とする成形内装材。
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JP2007083762A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Hayashi Engineering Inc | ヘッドライナ端末構造およびヘッドライナ内装材 |
JP2017082366A (ja) * | 2015-10-30 | 2017-05-18 | 王子ホールディングス株式会社 | 外装補強用シート及び成形体 |
-
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- 2002-10-24 JP JP2002309725A patent/JP2004142251A/ja active Pending
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