JP2004141992A - 埋込ボルト用ソケット - Google Patents
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Abstract
【課題】埋込ボルト用ソケットの改良。異なる外径の埋込ボルトに適合することができるソケットの提供。
【解決手段】ソケット10は、本体11と連結部12とを備える。連結部は、レンチに連結される。本体11は、内径が大きいねじ孔13と内径が小さいねじ孔14とを備える。これらねじ孔13,14は、アンカーボルトがねじ込まれる。ねじ孔13とねじ孔14とは、本体11の軸方向に沿って直列に配置されている。ねじ孔13とねじ孔14とは連続されている。
【選択図】 図2
【解決手段】ソケット10は、本体11と連結部12とを備える。連結部は、レンチに連結される。本体11は、内径が大きいねじ孔13と内径が小さいねじ孔14とを備える。これらねじ孔13,14は、アンカーボルトがねじ込まれる。ねじ孔13とねじ孔14とは、本体11の軸方向に沿って直列に配置されている。ねじ孔13とねじ孔14とは連続されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、建物等の構造物に使用される埋込ボルトに適用されるソケットに関するものである。このソケットは、一般に、埋込ボルトの設置作業に使用されるレンチに装着されるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、建物等の構造物の建設作業においては、柱や梁に埋込ボルトが設置される場合がある。この埋込ボルトは、柱等に他の部材を連結させるためのものである。埋込ボルトは、棒状の部材の外周面にねじが形成されたものであり、いわば頭部を有しないボルトである。この埋込ボルトは、一端側が柱等に埋め込まれて固定され、他端側が当該柱等から突出するように設置される。
【0003】
前述のように、埋込ボルトは頭部を有しないから、作業者は、通常のボルトを締結する要領で埋込ボルトを設置する作業を行うことはできない。そのため、従来から、埋込ボルトを設置するためのソケットが種々提供されている。従来のソケットは、埋込ボルトに螺合されるようになっており、作業者がレンチ等を使用してこのソケットを回転させることによって、当該埋込ボルトは、柱等にねじ込まれるようになっている。
【0004】
ところで、埋込ボルトに連結される部材の種類(すなわち、埋込ボルトに加えられる負荷の大小)によって、埋込ボルトの呼び径(外径)は、最適なものが選定される。したがって、上記ソケットは、埋込ボルトの外径に対応できるように、さまざまな内径のものが用意されていなければならない。
このため、建設現場において、作業者はきわめて多種類のソケットを準備しておかなければならないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、異なる外径の埋込ボルトに適用される埋込ボルト用ソケットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願に係る埋込ボルト用ソケットは、埋込ボルトを設置するために当該埋込ボルトを回転させるレンチに連結される連結部と、連結部に設けられた本体と、本体に設けられ、上記埋込ボルトと螺合し得る内径の異なる複数の螺合孔とを有することを特徴とするものである。
この構成によれば、埋込ボルト用ソケットが複数の螺合孔を有し、各螺合孔はそれぞれ内径が異なっているから、当該埋込ボルト用ソケットは、複数の外径の埋込ボルトと螺合することができる。作業者は、この埋込ボルト用ソケットの連結部にレンチを連結させることにより、埋込ボルト用ソケットを介して設置されるべき埋込ボルトを回転させることができる。
【0006】
(2) 特に、上記本体は、大径螺合孔と小径螺合孔とを有し、これらは互いに連続し、上記本体の軸方向に沿って直列に配置されているのが好ましい。
この構成では、単一の埋込ボルト用ソケットが大小二つの螺合孔を有するから、外径の異なる2種類の埋込ボルトと螺合することができる。これにより、埋込ボルトの装着作業のために、従来準備しておく必要のあったソケットの数が半減する。
【0007】
しかも、2つの螺合孔は、本体の軸方向に沿って直列に配置されているから、作業者が埋込ボルト用ソケットに埋込ボルトを螺合させる作業が簡単である。すなわち、本体の軸方向に沿って2つの螺合孔が設けられているから、埋込ボルトが本体と係合(つまり、螺合孔と螺合)する際に、埋込ボルトは、その外径が異なるものであっても本体の同一の部位から進入・係合することになる。したがって、埋込ボルトの外径に対応した螺合孔を作業者が予め選択する必要はなく、埋込ボルトの外径にかかわらず、作業者は、簡単に埋込ボルトと螺合孔とを螺合させることができる。
【0008】
(3) 上記大径螺合孔と小径螺合孔との間に、大径螺合孔に螺合する埋込ボルトの先端部が収容される先端収容室が形成されていてもよい。
この構成では、大径螺合孔に螺合した埋込ボルトは、その先端部が先端収容室に進入し、且つその先端面が小径螺合孔が形成された面に当接する。つまり、当該埋込ボルトの先端部に形成されたねじ部は、先端収容室内に配置されることになる。したがって、当該埋込ボルトが埋込ボルト用ソケットにより締め込まれる場合であっても、当該埋込ボルトの先端部のねじ部が損傷を受けることはない。
【0009】
(4) また、上記小径螺合孔の底部に、小径螺合孔に螺合する埋込ボルトの先端部が当接する当接部材が配設されていてもよい。
この構成では、小径螺合孔に螺合した埋込ボルトは、その先端部が当接部材に当接する。したがって、当該埋込ボルトが埋込ボルト用ソケットにより締め込まれる場合であっても、当該埋込ボルトの先端部のねじ部が損傷を受けることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る埋込ボルト用ソケット(以下、単に「ソケット」と称される。)10の斜視図であり、図2は断面図である。
【0012】
このソケット10は、例えば木造建築物に使用されるアンカーボルトに適用され、アンカーボルトを柱等にねじ込むための道具である。
アンカーボルトは、頭部を有しない棒状に形成されている。特に木造建築用に使用されるアンカーボルトは、一般に、一端部にいわゆる木ねじが形成され、他端部にメートルねじ(雄ねじ)が形成されている。
【0013】
ソケット10は、本体11と、連結部12とを備えている。これらは一体的に形成され、例えば、SCM435等により構成されている。もっとも、本体11と連結部12とがそれぞれ別部材として構成され、これらが既知の固着手段によって固着されていてもよい。
【0014】
本体11は、本実施形態では円柱状に形成されている。ただし、本体11の形状は円柱状に限定されるものではなく角柱状に形成されていてもよい。本体11の全長L1は、本実施形態では36.5mmに設定されており、本体11の外径Dは、本実施形態では17.0mmに設定されている。ただし、寸法L1及び寸法Dはこれに限定されるものではなく、適宜設計変更されるべきものであることは言うまでもない。
【0015】
本体11は、2つのねじ孔13,14(螺合孔)を有している。これらねじ孔13,14は、図2が示すように、本体11の軸方向に沿って直列に配置されている。ねじ孔13は、本体11の先端面18に開口を形成し、且つ本体11の軸方向に延びている。ねじ孔14は、ねじ孔13に連続し、本体11の軸方向に延びている。
本実施形態では、ねじ孔13の深さd1は10.0mmに設定され、ねじ孔14の深さd2は17.5mmに設定されている。ただし、ねじ孔13,14の深さ寸法d1,d2はこれに限定されるものではなく、適宜設計変更されるべきものであることは言うまでもない。
【0016】
これらねじ孔13,14を区画する壁面には、雌ねじ15,16が形成されている。本実施形態では、ねじ孔13は、ねじ孔14よりも大径に形成されている。ねじ孔13には、W3/8(8分の3インチ)の雌ねじが形成されており、ねじ孔14には、W5/16(16分の5インチ)の雌ねじが形成されている。
なお、これら雌ねじのサイズについても、上記寸法に限定されるものではなく、設置されるアンカーボルトの外径に対応させて適宜設計変更されるものであることは言うまでもない。
【0017】
次に、連結部12は、アンカーボルトを柱等にねじ込む際に当該アンカーボルトを回転させるためのレンチが連結される。本実施形態では、連結部12は、六角柱状に形成されている。これは、上記レンチと連結されるために当該レンチに対応されたものであり、レンチの形状に応じて適宜設計変更され得るものである。
また、連結部12の中央部には、縮径部17が形成されている。この縮径部17は、連結部12の外径が縮径されて円柱状に形成されている。
【0018】
本実施形態に係るソケット10は、次のようにして使用される。
まず、作業者は、アンカーボルトの木ねじが形成された側を柱等に予め仮止め(所定量ねじ込む)する。そして、作業者は、アンカーボルトのメートルねじが形成された側をソケット10の先端面18側に挿入する。このとき、アンカーボルトの外径がねじ孔13の内径に対応している場合は、作業者はソケット10を回転させてアンカーボルトにソケット10を螺合させる。ねじ孔13の深さは上記寸法d1に設定されているから、ソケット10がアンカーボルトにねじ込まれていくと、アンカーボルトは、ねじ孔13の底部に当接する。
この状態で作業者は、ソケット10の連結部12にレンチを連結し、当該レンチを用いてソケットを回転させる。これにより、アンカーボルトが回転され、アンカーボルトの木ねじが形成された側が柱等にねじ込まれ、当該アンカーボルトは、柱等に設置される。
【0019】
また、アンカーボルトの外径がねじ孔14の内径に対応している場合は、作業者は、当該アンカーボルトをねじ孔13を貫通させてねじ孔14に螺合させる。そして、作業者は、ソケット10を回転させてアンカーボルトにソケット10を螺合させる。ねじ孔14の深さは上記寸法d2に設定されているから、ソケット10がアンカーボルトにねじ込まれていくと、アンカーボルトは、ねじ孔14の底部に当接する。
この状態で作業者は、ソケット10の連結部12にレンチを連結し、当該レンチを用いてソケットを回転させる。これにより、アンカーボルトが回転され、アンカーボルトの木ねじが形成された側が柱等にねじ込まれ、当該アンカーボルトは、柱等に設置される。
【0020】
このように本実施形態では、ソケット10には複数のねじ孔13,14が設けられており、これらはそれぞれ内径が異なっているから、ソケット10は、外径の異なる複数のアンカーボルトと螺合することができる。したがって、作業者は、このソケット10を用いて複数のアンカーボルトを設置することができ、その結果、作業者は、一つのソケット10によって複数のアンカーボルトについてその設置作業を行うことができ、かかる作業を行うために多くの工具を準備する必要がない。
【0021】
特に、本実施形態では、ソケット10が大小二つのねじ孔13,14を有するから、作業者は、外径の異なる2種類のアンカーボルトについてその設置作業を行うことができる。したがって、埋込ボルトの装着作業のために、従来準備しておく必要のあったソケットの数が半減する。
【0022】
しかも、2つのねじ孔13,14は、前述のように本体11の軸方向に沿って直列に配置されているから、アンカーボルトをソケット10に螺合させる作業がきわめて簡単である。なぜなら、アンカーボルトの外径にかかわらず、作業者は、ソケットの10の先端面18から当該アンカーボルトを挿入するだけで、両者を螺合させることができるからである。
【0023】
本実施形態では、2つのねじ孔13,14が設けられているが、ねじ孔はさらに多数設けられていてもよい。その場合、各ねじ孔は本体11の軸方向に沿って直列に配置されているのが好ましい。
また、本実施形態では、ねじ孔13,14は、本体11の軸方向に沿って直列に配置されているが、これに限定されるものではなく、並列に配置されていてもよい。
【0024】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明される。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るソケット20の断面図である。
本実施形態に係るソケット20が上記第1の実施形態に係るソケット10と異なるところは、ねじ孔13とねじ孔14との間に、収容室21(先端収容室)が形成されている点、及びねじ孔14の底部に当接部材22が配設されている点である。なお、ソケット20のその他の構成については、上記第1の実施形態に係るソケット10と同様である。
【0025】
上記収容室21は、上記ねじ孔13とねじ孔14との間に区画形成された環状の空間により構成されている。この収容室21の内径Doは、ねじ孔13の内径よりも大きく設定されている。具体的に本実施形態では、この内径Doは、11.0mmに設定されている。また、この収容室21の深さは、適宜設定され得るものであるが、本実施形態では、2.5mmに設定されている。
また、上記当接部材22は、円柱状に形成されており、ねじ孔14にぴったりと嵌め込まれている。当接部材22の材質は特に限定されるものではないが、例えばゴム等の弾性部材により構成されるのが好ましい。
【0026】
本実施形態では、上記収容室21が形成されているから、アンカーボルトがソケット20のねじ孔13に螺合したときに、当該アンカーボルトの先端部は、収容室21に収容される。これにより、当該アンカーボルトの先端部は、ねじ孔13及びねじ孔14の周面と接触しない。したがって、ソケット20によりアンカーボルトが締め込まれた場合であっても、アンカーボルトの先端部に形成されたねじ部は、損傷を受けることがない。
また、ねじ孔14の底部に上記当接部材22が配設されているから、アンカーボルトがソケット20のねじ孔14に螺合したときに、当該アンカーボルトの先端部は、当接部材22に当接する。したがって、ソケット20によりアンカーボルトが締め込まれた場合であっても、アンカーボルトの先端部は、当接部材22に押圧され、当接部材22が変形するので、アンカーボルトに形成されたねじ部は、損傷を受けることがない。
【0027】
なお、上記各実施形態では、木造建築用のアンカーボルトに使用されるソケット10,20について説明されているが、本発明はこの種類のソケットにのみ適用されるものではなく、一般的な埋込ボルトに使用されるソケットにも適用されることは勿論である。ただし、特殊な埋込ボルトに使用されるソケットの場合は、ソケットに設けられるねじ孔等は、当該埋込ボルト適合された形状等に適宜設計変更される。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、単一の埋込ボルト用ソケットが複数の外径の埋込ボルトと螺合することができるので、建設現場等において、作業者は一つの埋込ボルト用ソケットによって複数の埋込ボルトの設置作業を行うことができる。その結果、作業者は、かかる作業を行うために多くの工具を準備する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るソケットの斜視図である。り、図2は断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係るソケットの断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態に係るソケットの断面図である。
【符号の説明】
10・・・ソケット
11・・・本体
12・・・連結部
13・・・ねじ孔
14・・・ねじ孔
18・・・先端面
20・・・ソケット
21・・・収容室
22・・・当接部材
【発明の属する技術の分野】
この発明は、建物等の構造物に使用される埋込ボルトに適用されるソケットに関するものである。このソケットは、一般に、埋込ボルトの設置作業に使用されるレンチに装着されるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、建物等の構造物の建設作業においては、柱や梁に埋込ボルトが設置される場合がある。この埋込ボルトは、柱等に他の部材を連結させるためのものである。埋込ボルトは、棒状の部材の外周面にねじが形成されたものであり、いわば頭部を有しないボルトである。この埋込ボルトは、一端側が柱等に埋め込まれて固定され、他端側が当該柱等から突出するように設置される。
【0003】
前述のように、埋込ボルトは頭部を有しないから、作業者は、通常のボルトを締結する要領で埋込ボルトを設置する作業を行うことはできない。そのため、従来から、埋込ボルトを設置するためのソケットが種々提供されている。従来のソケットは、埋込ボルトに螺合されるようになっており、作業者がレンチ等を使用してこのソケットを回転させることによって、当該埋込ボルトは、柱等にねじ込まれるようになっている。
【0004】
ところで、埋込ボルトに連結される部材の種類(すなわち、埋込ボルトに加えられる負荷の大小)によって、埋込ボルトの呼び径(外径)は、最適なものが選定される。したがって、上記ソケットは、埋込ボルトの外径に対応できるように、さまざまな内径のものが用意されていなければならない。
このため、建設現場において、作業者はきわめて多種類のソケットを準備しておかなければならないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、異なる外径の埋込ボルトに適用される埋込ボルト用ソケットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願に係る埋込ボルト用ソケットは、埋込ボルトを設置するために当該埋込ボルトを回転させるレンチに連結される連結部と、連結部に設けられた本体と、本体に設けられ、上記埋込ボルトと螺合し得る内径の異なる複数の螺合孔とを有することを特徴とするものである。
この構成によれば、埋込ボルト用ソケットが複数の螺合孔を有し、各螺合孔はそれぞれ内径が異なっているから、当該埋込ボルト用ソケットは、複数の外径の埋込ボルトと螺合することができる。作業者は、この埋込ボルト用ソケットの連結部にレンチを連結させることにより、埋込ボルト用ソケットを介して設置されるべき埋込ボルトを回転させることができる。
【0006】
(2) 特に、上記本体は、大径螺合孔と小径螺合孔とを有し、これらは互いに連続し、上記本体の軸方向に沿って直列に配置されているのが好ましい。
この構成では、単一の埋込ボルト用ソケットが大小二つの螺合孔を有するから、外径の異なる2種類の埋込ボルトと螺合することができる。これにより、埋込ボルトの装着作業のために、従来準備しておく必要のあったソケットの数が半減する。
【0007】
しかも、2つの螺合孔は、本体の軸方向に沿って直列に配置されているから、作業者が埋込ボルト用ソケットに埋込ボルトを螺合させる作業が簡単である。すなわち、本体の軸方向に沿って2つの螺合孔が設けられているから、埋込ボルトが本体と係合(つまり、螺合孔と螺合)する際に、埋込ボルトは、その外径が異なるものであっても本体の同一の部位から進入・係合することになる。したがって、埋込ボルトの外径に対応した螺合孔を作業者が予め選択する必要はなく、埋込ボルトの外径にかかわらず、作業者は、簡単に埋込ボルトと螺合孔とを螺合させることができる。
【0008】
(3) 上記大径螺合孔と小径螺合孔との間に、大径螺合孔に螺合する埋込ボルトの先端部が収容される先端収容室が形成されていてもよい。
この構成では、大径螺合孔に螺合した埋込ボルトは、その先端部が先端収容室に進入し、且つその先端面が小径螺合孔が形成された面に当接する。つまり、当該埋込ボルトの先端部に形成されたねじ部は、先端収容室内に配置されることになる。したがって、当該埋込ボルトが埋込ボルト用ソケットにより締め込まれる場合であっても、当該埋込ボルトの先端部のねじ部が損傷を受けることはない。
【0009】
(4) また、上記小径螺合孔の底部に、小径螺合孔に螺合する埋込ボルトの先端部が当接する当接部材が配設されていてもよい。
この構成では、小径螺合孔に螺合した埋込ボルトは、その先端部が当接部材に当接する。したがって、当該埋込ボルトが埋込ボルト用ソケットにより締め込まれる場合であっても、当該埋込ボルトの先端部のねじ部が損傷を受けることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る埋込ボルト用ソケット(以下、単に「ソケット」と称される。)10の斜視図であり、図2は断面図である。
【0012】
このソケット10は、例えば木造建築物に使用されるアンカーボルトに適用され、アンカーボルトを柱等にねじ込むための道具である。
アンカーボルトは、頭部を有しない棒状に形成されている。特に木造建築用に使用されるアンカーボルトは、一般に、一端部にいわゆる木ねじが形成され、他端部にメートルねじ(雄ねじ)が形成されている。
【0013】
ソケット10は、本体11と、連結部12とを備えている。これらは一体的に形成され、例えば、SCM435等により構成されている。もっとも、本体11と連結部12とがそれぞれ別部材として構成され、これらが既知の固着手段によって固着されていてもよい。
【0014】
本体11は、本実施形態では円柱状に形成されている。ただし、本体11の形状は円柱状に限定されるものではなく角柱状に形成されていてもよい。本体11の全長L1は、本実施形態では36.5mmに設定されており、本体11の外径Dは、本実施形態では17.0mmに設定されている。ただし、寸法L1及び寸法Dはこれに限定されるものではなく、適宜設計変更されるべきものであることは言うまでもない。
【0015】
本体11は、2つのねじ孔13,14(螺合孔)を有している。これらねじ孔13,14は、図2が示すように、本体11の軸方向に沿って直列に配置されている。ねじ孔13は、本体11の先端面18に開口を形成し、且つ本体11の軸方向に延びている。ねじ孔14は、ねじ孔13に連続し、本体11の軸方向に延びている。
本実施形態では、ねじ孔13の深さd1は10.0mmに設定され、ねじ孔14の深さd2は17.5mmに設定されている。ただし、ねじ孔13,14の深さ寸法d1,d2はこれに限定されるものではなく、適宜設計変更されるべきものであることは言うまでもない。
【0016】
これらねじ孔13,14を区画する壁面には、雌ねじ15,16が形成されている。本実施形態では、ねじ孔13は、ねじ孔14よりも大径に形成されている。ねじ孔13には、W3/8(8分の3インチ)の雌ねじが形成されており、ねじ孔14には、W5/16(16分の5インチ)の雌ねじが形成されている。
なお、これら雌ねじのサイズについても、上記寸法に限定されるものではなく、設置されるアンカーボルトの外径に対応させて適宜設計変更されるものであることは言うまでもない。
【0017】
次に、連結部12は、アンカーボルトを柱等にねじ込む際に当該アンカーボルトを回転させるためのレンチが連結される。本実施形態では、連結部12は、六角柱状に形成されている。これは、上記レンチと連結されるために当該レンチに対応されたものであり、レンチの形状に応じて適宜設計変更され得るものである。
また、連結部12の中央部には、縮径部17が形成されている。この縮径部17は、連結部12の外径が縮径されて円柱状に形成されている。
【0018】
本実施形態に係るソケット10は、次のようにして使用される。
まず、作業者は、アンカーボルトの木ねじが形成された側を柱等に予め仮止め(所定量ねじ込む)する。そして、作業者は、アンカーボルトのメートルねじが形成された側をソケット10の先端面18側に挿入する。このとき、アンカーボルトの外径がねじ孔13の内径に対応している場合は、作業者はソケット10を回転させてアンカーボルトにソケット10を螺合させる。ねじ孔13の深さは上記寸法d1に設定されているから、ソケット10がアンカーボルトにねじ込まれていくと、アンカーボルトは、ねじ孔13の底部に当接する。
この状態で作業者は、ソケット10の連結部12にレンチを連結し、当該レンチを用いてソケットを回転させる。これにより、アンカーボルトが回転され、アンカーボルトの木ねじが形成された側が柱等にねじ込まれ、当該アンカーボルトは、柱等に設置される。
【0019】
また、アンカーボルトの外径がねじ孔14の内径に対応している場合は、作業者は、当該アンカーボルトをねじ孔13を貫通させてねじ孔14に螺合させる。そして、作業者は、ソケット10を回転させてアンカーボルトにソケット10を螺合させる。ねじ孔14の深さは上記寸法d2に設定されているから、ソケット10がアンカーボルトにねじ込まれていくと、アンカーボルトは、ねじ孔14の底部に当接する。
この状態で作業者は、ソケット10の連結部12にレンチを連結し、当該レンチを用いてソケットを回転させる。これにより、アンカーボルトが回転され、アンカーボルトの木ねじが形成された側が柱等にねじ込まれ、当該アンカーボルトは、柱等に設置される。
【0020】
このように本実施形態では、ソケット10には複数のねじ孔13,14が設けられており、これらはそれぞれ内径が異なっているから、ソケット10は、外径の異なる複数のアンカーボルトと螺合することができる。したがって、作業者は、このソケット10を用いて複数のアンカーボルトを設置することができ、その結果、作業者は、一つのソケット10によって複数のアンカーボルトについてその設置作業を行うことができ、かかる作業を行うために多くの工具を準備する必要がない。
【0021】
特に、本実施形態では、ソケット10が大小二つのねじ孔13,14を有するから、作業者は、外径の異なる2種類のアンカーボルトについてその設置作業を行うことができる。したがって、埋込ボルトの装着作業のために、従来準備しておく必要のあったソケットの数が半減する。
【0022】
しかも、2つのねじ孔13,14は、前述のように本体11の軸方向に沿って直列に配置されているから、アンカーボルトをソケット10に螺合させる作業がきわめて簡単である。なぜなら、アンカーボルトの外径にかかわらず、作業者は、ソケットの10の先端面18から当該アンカーボルトを挿入するだけで、両者を螺合させることができるからである。
【0023】
本実施形態では、2つのねじ孔13,14が設けられているが、ねじ孔はさらに多数設けられていてもよい。その場合、各ねじ孔は本体11の軸方向に沿って直列に配置されているのが好ましい。
また、本実施形態では、ねじ孔13,14は、本体11の軸方向に沿って直列に配置されているが、これに限定されるものではなく、並列に配置されていてもよい。
【0024】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明される。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るソケット20の断面図である。
本実施形態に係るソケット20が上記第1の実施形態に係るソケット10と異なるところは、ねじ孔13とねじ孔14との間に、収容室21(先端収容室)が形成されている点、及びねじ孔14の底部に当接部材22が配設されている点である。なお、ソケット20のその他の構成については、上記第1の実施形態に係るソケット10と同様である。
【0025】
上記収容室21は、上記ねじ孔13とねじ孔14との間に区画形成された環状の空間により構成されている。この収容室21の内径Doは、ねじ孔13の内径よりも大きく設定されている。具体的に本実施形態では、この内径Doは、11.0mmに設定されている。また、この収容室21の深さは、適宜設定され得るものであるが、本実施形態では、2.5mmに設定されている。
また、上記当接部材22は、円柱状に形成されており、ねじ孔14にぴったりと嵌め込まれている。当接部材22の材質は特に限定されるものではないが、例えばゴム等の弾性部材により構成されるのが好ましい。
【0026】
本実施形態では、上記収容室21が形成されているから、アンカーボルトがソケット20のねじ孔13に螺合したときに、当該アンカーボルトの先端部は、収容室21に収容される。これにより、当該アンカーボルトの先端部は、ねじ孔13及びねじ孔14の周面と接触しない。したがって、ソケット20によりアンカーボルトが締め込まれた場合であっても、アンカーボルトの先端部に形成されたねじ部は、損傷を受けることがない。
また、ねじ孔14の底部に上記当接部材22が配設されているから、アンカーボルトがソケット20のねじ孔14に螺合したときに、当該アンカーボルトの先端部は、当接部材22に当接する。したがって、ソケット20によりアンカーボルトが締め込まれた場合であっても、アンカーボルトの先端部は、当接部材22に押圧され、当接部材22が変形するので、アンカーボルトに形成されたねじ部は、損傷を受けることがない。
【0027】
なお、上記各実施形態では、木造建築用のアンカーボルトに使用されるソケット10,20について説明されているが、本発明はこの種類のソケットにのみ適用されるものではなく、一般的な埋込ボルトに使用されるソケットにも適用されることは勿論である。ただし、特殊な埋込ボルトに使用されるソケットの場合は、ソケットに設けられるねじ孔等は、当該埋込ボルト適合された形状等に適宜設計変更される。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、単一の埋込ボルト用ソケットが複数の外径の埋込ボルトと螺合することができるので、建設現場等において、作業者は一つの埋込ボルト用ソケットによって複数の埋込ボルトの設置作業を行うことができる。その結果、作業者は、かかる作業を行うために多くの工具を準備する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るソケットの斜視図である。り、図2は断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係るソケットの断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態に係るソケットの断面図である。
【符号の説明】
10・・・ソケット
11・・・本体
12・・・連結部
13・・・ねじ孔
14・・・ねじ孔
18・・・先端面
20・・・ソケット
21・・・収容室
22・・・当接部材
Claims (4)
- 埋込ボルトを設置するために当該埋込ボルトを回転させるレンチに連結される連結部と、
連結部に設けられた本体と、
本体に設けられ、上記埋込ボルトと螺合し得る内径の異なる複数の螺合孔とを有する埋込ボルト用ソケット。 - 上記本体は、大径螺合孔と小径螺合孔とを有し、
これらは互いに連続し、上記本体の軸方向に沿って直列に配置されている請求項1記載の埋込ボルト用ソケット。 - 上記大径螺合孔と小径螺合孔との間に、大径螺合孔に螺合する埋込ボルトの先端部が収容される先端収容室が形成されている請求項2記載の埋込ボルト用ソケット。
- 上記小径螺合孔の底部に、小径螺合孔に螺合する埋込ボルトの先端部が当接する当接部材が配設されている請求項2又は3記載の埋込ボルト用ソケット。
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---|---|---|---|
JP2002307712A JP2004141992A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 埋込ボルト用ソケット |
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JP2002307712A JP2004141992A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 埋込ボルト用ソケット |
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ID=32454048
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004141992A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005031014A1 (de) * | 2005-07-02 | 2007-01-04 | Fischerwerke Artur Fischer Gmbh & Co. Kg | Selbstschneidende Betonschraube und Werkzeug zum Eindrehen einer selbstschneidenden Betonschraube |
KR101091122B1 (ko) | 2010-06-25 | 2011-12-09 | 한국전력공사 | 스터드 커넥터 |
CN111015565A (zh) * | 2019-12-31 | 2020-04-17 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 螺栓螺柱两用套筒 |
-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002307712A patent/JP2004141992A/ja active Pending
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