JP2004141698A - レジストパターンの形成方法とそれを用いた太陽電池の製造方法、ならびに、レジストパターン形成装置 - Google Patents

レジストパターンの形成方法とそれを用いた太陽電池の製造方法、ならびに、レジストパターン形成装置 Download PDF

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島川 伸一
Shinko Muro
室 真弘
Takayuki Negami
根上 卓之
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Abstract

【課題】できるだけ基板を傷つけることなく、汎用性に優れたレジストパターンを上記基板上に形成することができるレジストパターンの形成方法およびレジストパターン形成装置を提供する。また、歩留まりよく、安定して太陽電池を製造することができる太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1にレジスト液を塗布することで、基板1上にレジストパターン2を形成するレジストパターンの形成方法であって、(i)基板1をほぼ垂直に保持する工程と、(ii)基板1にレジスト液を塗布するためのノズルをほぼ水平に保持し、ノズルの先端を基板1に接触させながらノズルの先端からレジスト液を吐出するとともに、基板1およびノズルから選ばれる少なくとも一方を移動させて、基板1上に所定のレジストパターン2を形成する工程とを含めばよい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストパターンの形成方法とそれを用いた太陽電池の製造方法、ならびに、レジストパターン形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板などの上にレジストパターンを形成する方法として、フォトリソグラフィ法などが用いられている。
【0003】
また、太陽電池の製造方法において、電極層をストライプ状に加工し分割することで、基板上に複数のユニットセルを直列接続した集積型太陽電池を実現する方法がある(例えば、特許文献1参照)。この場合、上記電極層の加工、分割は、上記フォトリソグラフィ法によってストライプ状のレジストパターンを形成し、エッチング法と組み合わせることにより行うこともできる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−12568号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記フォトリソグラフィ法には、(1)多くのプロセスを必要とする、(2)基本的にバッチ処理であるため連続的なレジストパターン形成に適していない、(3)基板の大きさや形状に制約があり、例えば、大面積の基板や帯状の基板に対するレジストパターンの形成が難しい、などの課題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のレジストパターンの形成方法は、基板にレジスト液を塗布することで、前記基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法であって、
(i)前記基板をほぼ垂直に保持する工程と、
(ii)前記基板に前記レジスト液を塗布するためのノズルをほぼ水平に保持し、前記ノズルの先端を前記基板に接触させながら前記ノズルの先端から前記レジスト液を吐出するとともに、前記基板および前記ノズルから選ばれる少なくとも一方を移動させて、前記基板上に所定のレジストパターンを形成する工程とを含んでいる。
【0007】
上記形成方法の前記(ii)の工程において、前記レジスト液に圧力を加えることにより、前記レジスト液を前記ノズルの先端から吐出させてもよい。
【0008】
また、上記形成方法の前記(ii)の工程において、前記ノズルと前記基板との接触圧をほぼ一定に保ちながら、前記レジスト液を前記ノズルの先端から吐出させてもよい。
【0009】
本発明のレジストパターン形成装置は、基板にレジスト液を塗布することで、前記基板上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成装置であって、
前記基板をほぼ垂直に保持する基板保持手段と、
前記基板および前記基板に前記レジスト液を塗布するノズルから選ばれる少なくとも一方を移動させる手段と、
前記基板に前記レジスト液を塗布するレジスト液塗布手段とを備え、
前記レジスト液塗布手段が、
前記ノズルと、
前記ノズルをほぼ水平に保持し、前記ノズルの先端を前記基板に接触させることができるノズル保持手段と、
前記ノズルの先端から前記レジスト液を吐出するレジスト液吐出手段とを備えている。
【0010】
上記形成装置において、前記ノズル保持手段が、前記ノズルを弾性的に支持する支持部を備え、前記支持部は、前記ノズルと前記基板との角度を調整する手段をさらに備えていてもよい。また、上記形成装置において、前記ノズル保持手段が、前記ノズルと前記基板との接触圧を感知するセンサーと、前記接触圧に合わせて前記ノズルと前記基板との角度を調整する手段とをさらに備えていてもよい。
【0011】
上記形成装置において、前記レジスト液吐出手段が、前記レジスト液を加圧する手段をさらに備えていてもよい。また、上記形成装置において、前記レジスト液吐出手段が、圧縮ガス源と、前記圧縮ガス源から供給される圧縮ガスの圧力を調整するレギュレータと、前記調整された圧縮ガスによって加圧されたレジスト液の圧力を測定する圧力センサーと、前記圧力センサーによって測定した前記レジスト液の圧力に応じて前記レギュレータを制御する手段とを備えていてもよい。
【0012】
本発明の太陽電池の製造方法は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成され、かつ、互いに直列接続された複数のユニットセルとを備えた太陽電池の製造方法であって、
(I)前記絶縁性基板上に第1の電極膜を形成する工程と、
(II)前記第1の電極膜の一部をストライプ状に除去することによって前記第1の電極膜を分割する工程と、
(III)前記第1の電極膜上にpn接合を含む半導体膜を形成する工程と、
(IV)前記半導体膜の一部をストライプ状に除去することによって前記半導体膜を分割する工程と、
(V)前記半導体膜上および前記半導体膜が除去されて露出した前記第1の電極膜上に第2の電極膜を形成する工程と、
(VI)前記第2の電極膜の一部をストライプ状に除去することによって前記第2の電極膜を分割する工程とを含み、
前記第1の電極膜および前記第2の電極膜から選ばれる少なくとも1つの電極膜は、
(A)レジスト液を塗布してストライプ状のレジストパターンを形成する工程と、
(B)前記レジストパターンを覆うように前記少なくとも1つの電極膜を形成する工程と、
(C)前記レジストパターンおよび前記レジストパターン上に形成された前記少なくとも1つの電極膜を共に除去する工程とを含む工程によって分割され、
前記(A)の工程が、上記本発明のレジストパターンの形成方法を含んでいる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態において、同一の部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0014】
(実施の形態1)
まず、本発明におけるレジストパターン形成装置の例について説明する。
【0015】
図1は、本発明におけるレジストパターン形成装置の例を示す模式図である。図1に示す例は、基板1にレジスト液を塗布することで、基板1上にレジストパターン2を形成するレジストパターン形成装置であり、基板1をほぼ垂直に保持する基板保持手段3と、基板1上にレジスト液を塗布するレジスト液塗布手段4とを備えている。レジスト液塗布手段4は、基板1にレジスト液を塗布するためのノズルを備えたディスペンサ41と、ディスペンサ41を(即ち、ディスペンサ41が備えているノズルを)ほぼ水平に支持し、上記ノズルの先端を基板1に接触させることができる支持部42と、上記ノズルにレジスト液を供給する容器部43とを備えている。ディスペンサ41は、ノズル保持手段の一部、かつ、レジスト液吐出手段の一部となっている。支持部42は、ノズル保持手段の一部、容器43は、レジスト液吐出手段の一部である。また、基板保持手段3は、基板1を上下方向(図1に示すZ軸方向)に移動させ、任意の位置で固定することができるステージ31を備えている。また、ステージ31は、基板1を図1に示すX軸方向に自由に移動させることができ、基板1にレジスト液を塗布する際に基板1を移動させる手段にもなる。また、図1に示す例では、基板保持手段3およびレジスト液塗布手段4を制御する制御部5を備えている。
【0016】
図1に示す例では、ノズルから基板1上にレジスト液を塗布することによってレジストパターン2を形成しているため、基板1の大きさ、形状などに関する制約を最小限にすることができる。また、ステージ31によって基板1がほぼ垂直に保持され、支持部42によってレジスト液を吐出するノズルがほぼ水平に保持されているため、上記ノズルや吐出するレジスト液などによる重量の影響が最小限の状態で上記ノズルを基板1に接触させ、そのままレジスト液の吐出を行うことができる。この場合、レジスト液の吐出の際に基板1と上記ノズルとが接触しているため、基板1と上記ノズルとが接触していない場合にみられるような、両者の距離(クリアランス)が変化することによるレジストパターンの乱れ(パターンが断続する、パターン幅が不安定になるなど)の発生が抑制され、均一なレジストパターンを形成することができる。さらに、上記重量の影響が最小限の状態で上記ノズルを基板1に接触させることができるため、レジスト液吐出時に基板1の表面に傷をつけにくく、レジストパターンを安定して形成することができる。
【0017】
なお、本明細書における「ほぼ垂直」および「ほぼ水平」とは、上記重量の影響が最小限になる角度であればよい。例えば、「ほぼ垂直」が、鉛直方向からのずれが±5°以内の領域、「ほぼ水平」が、鉛直方向に直角な平面からのずれが±5°以内の領域である。
【0018】
基板保持手段3としては、基板1をほぼ垂直に保持することができ、基板1を図1に示すX軸およびZ軸方向に自由に移動および固定できる構造であれば特に限定されない。図1に示す例では、ステージ31によって基板1を上記移動および固定することができる。また、さらに、基板1をY軸方向に自由に移動および固定できるものであってもよい。
【0019】
支持部42は、レジスト液を吐出するノズルをほぼ水平に保持できる構造であれば特に限定されない。図1に示す例では、上記ノズルはディスペンサ41が備えているため、支持部42はディスペンサ41をほぼ水平に支持していることになる。ディスペンサ41については後述する。
【0020】
図2は、図1に示す例を上方(Z軸方向)から示した模式図である。図を分かりやすくするために、制御部5、容器部43などが省略されている。図2に示すように、基板1上にレジストパターン2を形成する際に、支持部42やディスペンサ41の重量による影響を最小限にした状態で、ディスペンサ41の先端にあるノズルを基板1に接触させることができる。また、上記重量による影響が最小限であるため、レジストパターン2形成時における、基板1とディスペンサ41との(即ち、基板1とノズルの中心軸との)角度θを自由に設定することができる。
【0021】
上記角度θは特に限定されない。例えば、0°〜60°の範囲で設定できればよく、好ましくは5°〜45°の範囲である。
【0022】
支持部42が、ディスペンサ41を(即ち、上記ノズルを)弾性的に支持する支持部であってもよく、支持部42が、上記角度θを調整する手段をさらに備えていてもよい。基板や、レジスト液、ノズルの種類などにより、レジストパターンの形成をより最適化することができる。また、基板が撓んだ場合でも、上記ノズルが基板から離れることを抑制することができる。ディスペンサ41を弾性的に支持するためには、例えば、支持部42がバネやエアシリンダなどを備えていればよい。また、上記角度θを調整する手段としては、例えば、支持部42が、回転ステージを備えていればよい。
【0023】
また、支持部42が、上記ノズルと基板1との接触圧を感知するセンサーと、感知した上記接触圧に応じて、上記角度θを調整する手段をさらに備えていてもよい。上記ノズルからレジスト液を吐出する際に、基板1に上記ノズルをより最適に接触させることができ、レジストパターンの形成をより最適化することができる。なお、上記センサーは、支持部42ではなく、他のノズル保持手段が備えていてもよい。
【0024】
図3は、図1および図2に示すディスペンサ41付近を拡大した模式図である。図3に示すディスペンサ41は、支持部42によってほぼ水平に保持されており、また、その先端にノズル412を備えている。図3に示す例において、ノズル412は、ディスペンサ41と同様、ほぼ水平に保持されていることになる。なお、図1〜図3の例に示すようにディスペンサ41自体が必ずしもほぼ水平に保持されている必要はなく、ノズル412がほぼ水平に保持される構造であればよい。
【0025】
また、ディスペンサ41は、バルブ部411を備えており、バルブ411を制御することによって外部から供給されるレジスト液をノズル412から吐出することができる。また、ノズル412としては、例えば、200μm幅のレジストパターンを形成する際には、その外径が200μm以下であればよい。
【0026】
ノズル412からレジスト液を吐出するために、レジスト液吐出手段が、上記レジスト液を加圧する手段をさらに備えていてもよい。この場合、図3に示すバルブ部411に、圧力変動により開閉がなされるバルブを用いれば、レジスト液に加える圧力を変化させることにより、ノズル412からのレジスト液の吐出量を制御することができる。上記加圧する手段としては、例えば、レジスト液を圧縮ガスによって加圧するなどの手段を用いればよい。例えば、図1に示す容器部43が、上記加圧する手段を備えていてもよい。また、上記レジスト液を圧縮ガスによって加圧する手段を用いる場合、例えば、レジスト液吐出手段が圧縮ガス源を備え、その圧縮ガス源から供給される圧縮ガスによって前記レジスト液を加圧すればよい。なお、上記圧縮ガスのガスとしては、例えば、空気、窒素などを用いればよい。
【0027】
また、レジスト液吐出手段が、吐出したレジスト液の量を測定できる手段をさらに備えていてもよい。
【0028】
また、レジスト液吐出手段が、圧縮ガス源と、上記圧縮ガス源から供給される圧縮ガスの圧力を調整するレギュレータと、上記調整された圧縮ガスによって加圧されたレジスト液の圧力を測定する圧力センサーと、上記圧力センサーによって測定した上記レジスト液の圧力に応じて上記レギュレータを制御する手段とを備えていてもよい。圧力センサーは、レジスト液吐出手段における上記レギュレータよりも下流側の任意の場所に設置すればよい。
【0029】
上記圧力センサーの測定値に対応した上記レギュレータの制御や、基板とノズルとの接触圧の測定値に対応した上記角度θの制御などレジスト液吐出手段の制御には、図1に示す制御部5を用いればよい。
【0030】
なお、本実施の形態において、基板としては、例えば、各種ガラス、ステンレス薄板、ポリイミドなどの樹脂基板などを用いればよい。レジスト液としては、例えば、熱硬化型あるいは紫外線(UV)硬化型のエッチングレジストや印刷インクなどを用いればよい。また、図1に示す例のように、基板1へレジスト液を塗布する際に基板1を移動させる手段(図1の例におけるステージ31)を備える代わりに、ディスペンサ41を(即ち、ディスペンサ41が備えるノズルを)移動させる手段を備えていてもよい。上記双方の手段を備えていてもよい。例えば、支持部42に、上記ディスペンサ41を移動させる手段としての役割を与えればよい。
【0031】
(実施の形態2)
次に、本発明におけるレジストパターンの形成方法の例について図1〜図3に示すレジストパターン形成装置の例を用いて説明する。
【0032】
まず、レジストパターンを形成する基板1を、図1に示すようにステージ31にセットし、ほぼ垂直に保持させる。次に、支持部42によってほぼ水平に保持されているノズルの先端を図2および図3に示すように基板1に接触させる。このとき、基板1と上記ノズル(図3におけるノズル412)の中心軸との角度θは、例えば、0°〜60°の範囲であり、5°〜45°の範囲が好ましい。
【0033】
次に、図3に示すように、基板1とノズル412とを上記接触させたまま、ノズル412の先端からレジスト液を吐出し、基板1を、例えば、矢印の方向に移動させればよい。基板1の移動に応じたレジストパターンを形成することができる。上記基板1の移動は、例えば、図2に示すようにステージ31を矢印の方向に移動させればよい。また、基板1を上記のように移動させる代わりに、ノズル412を移動させながら基板1にレジスト液を塗布してもよいし、基板1の移動とノズル412の移動とを同時に行いながら基板1にレジスト液を塗布してもよい。
【0034】
また、基板1の移動方向は、必要なレジストパターンの形状に応じて自由に設定すればよい。例えば、図2および図3に示したように基板1を移動させて直線状のレジストパターンを形成し、一度レジスト液の吐出を停止した後に基板1をZ軸方向に移動させ、再び上記のように基板1を移動させて直線状のレジストパターンを形成すれば、図1に示すようなストライプ状のレジストパターン2を形成することができる。
【0035】
上記レジスト液の吐出は、上記レジスト液に圧力を加えることによって行ってもよい。例えば、図1に示す容器部43内部に圧力を加えればよい。上記圧力を加える手段としては、例えば、容器部43に圧縮ガスを導入したりすればよい。
【0036】
また、上記レジスト液の吐出を、圧縮ガス源と、上記圧縮ガス源から供給される圧縮ガスの圧力を調整するレギュレータと、上記調整された圧縮ガスによって加圧されたレジスト液の圧力を測定する圧力センサーと、上記圧力センサーによって測定した上記レジスト液の圧力に応じて上記レギュレータを制御する手段とを用いて行ってもよい。
【0037】
上記のようにして加圧されたレジスト液の圧力は、例えば、基板としてステンレス薄板を、レジスト液としてグラビア用印刷インクを、ノズルとして孔径100μmのノズルを用いた場合、10kPa〜500kPaの範囲であり、50kPa〜400kPaの範囲が好ましい。
【0038】
また、図3に示すノズル412と基板1との接触圧をほぼ一定に保ちながら、上記レジスト液の吐出を行ってもよい。感知した上記接触圧に応じて、図3に示すノズル412と基板1との角度θを調整する手段をさらに備えていてもよい。ノズル412からレジスト液を吐出する際に、基板1にノズル412をより最適に接触させることができ、レジストパターンの形成をより最適化することができる。なお、上記接触圧の測定は、ノズル保持手段、例えば、支持部42が、基板1とノズル412との接触圧を感知するセンサーを備えればよい。
【0039】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明におけるレジストパターンの形成方法およびレジストパターン形成装置のまた別の例について説明する。
【0040】
図4に示すレジストパターン形成装置の例では、図1に示した例とは異なり、連続して供給される基板11上にレジストパターンが形成されている。基板11が連続的に供給されている以外は、図1に示した例と同様にレジストパターンが形成されている。即ち、レジスト液が塗布される位置における基板11は、ロール32およびロール33によってほぼ垂直な状態に保持されており、基板11にレジスト液を塗布するためのノズルを備えたディスペンサ41が(即ち、上記ノズルが)支持部42によってほぼ水平に保持されており、上記ノズルと基板11とが接触しながら上記ノズルの先端からレジスト液が吐出されている。
【0041】
このようなレジストパターン形成装置では、図1に示した例と同様に、上記ノズルや吐出するレジスト液などによる重量の影響が最小限の状態で上記ノズルを基板11に接触させ、そのままレジスト液の吐出を行うことができる。よって、図1に示した例と同様に、レジストパターンの乱れの発生が抑制され、均一なレジストパターンを形成することができる。また、さらに、レジスト液吐出時に基板11の表面に傷をつけにくく、レジストパターンを安定して形成することができる。
【0042】
また、図4に示す例では、図1に示す例とは異なり、基板11を連続して供給するため、レジストパターンの形成を連続して行うことができる。
【0043】
図4(a)に示す例では、基板51の進行方向に対して垂直方向にレジストパターンを形成している(ステッピング・ロール方式)。まず、基板11を固定したまま、図2および図3に示した例と同様に、基板11をX軸方向にスライドさせレジストパターンを形成する。上記レジストパターンを形成後、基板11を図4(a)に示す矢印方向に所定の長さだけ進める。その後、基板11を固定し、再び基板11をX軸方向にスライドさせてレジストパターンを形成する。これを繰り返すことで、ストライプ状のレジストパターンを連続して形成することができる。なお、レジスト液を基板11上に塗布する際には、基板11をX軸方向にスライドさせるのではなく、ディスペンサ41を(即ち、ディスペンサ41が備えるノズルを)X軸方向にスライドさせてもよい。
【0044】
図4(b)に示す例では、基板51の進行方向に対して平行にレジストパターンを形成している(ロール・トゥ・ロール方式)。レジスト液吐出手段の一部であるディスペンサ41を複数平行に並べ、基板11を連続的に移送することで、ストライプ状のレジストパターンを連続して形成することができる。
【0045】
なお、基板11としては、例えば、ステンレス薄板やポリイミドなどの可撓性の基板を用いればよい。
【0046】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明における太陽電池の製造方法の例について説明する。
【0047】
図5は、集積型太陽電池の一例を示す断面図である。図5に示す太陽電池は、絶縁性基板61上に、第1の電極膜62、半導体膜63および第2の電極膜64が積層されている。第1の電極膜62、半導体膜63および第2の電極膜64は、それぞれ領域A65、領域B66および領域C67において分割されている。図5に示す太陽電池は、複数のユニットセルが直列接続されている。このような太陽電池は、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、絶縁性基板61としては、表面が絶縁処理された基板を用いてもよい。
【0048】
まず、絶縁性基板61上に第1の電極膜62を形成し、第1の電極膜62の一部をストライプ状に除去することにより(上記除去された部分は、領域A65に相当する)、第1の電極膜62を分割する。次に、第1の電極膜62上にpn接合を含む半導体膜63を形成し(このとき領域A65にも半導体膜63が形成される)、半導体膜63の一部をストライプ状に除去することにより(上記除去された部分は、領域B66に相当する)、半導体膜63は分割される。続けて、半導体膜63上および半導体膜63の一部がストライプ状に除去されることによる露出した第1の電極膜62上(領域B66に相当する)に第2の電極膜を形成する。次に、上記形成した第2の電極膜の一部をストライプ状に除去することにより(上記除去された部分は、領域C67に相当する)、図5に示す太陽電池を製造することができる。
【0049】
本発明における太陽電池の製造方法では、上述した、第1の電極膜62、半導体膜63および第2の電極膜64から選ばれる少なくとも1つの電極膜の一部をストライプ状に除去し、分割する工程を、例えば、実施の形態2および3に記載したレジストパターンの形成方法を含む工程を用いて行えばよい。上記工程の一例を、図6を用いて説明する。
【0050】
まず、図6(a)に示すように、絶縁性基板61上に、ノズル72からレジスト液を塗布し、ストライプ状のレジストパターン71を形成する。上記塗布されたレジストパターン71の幅は、例えば、50μm〜200μmの範囲であり、レジストパターン71同士の間隔(ピッチ)は、例えば、3mm〜8mmの範囲である。レジストパターン同士は、例えば、等間隔で配置すればよい。
【0051】
このとき、絶縁性基板61上へのレジストパターン71の形成は、絶縁性基板61をほぼ垂直に保持し、かつ、レジスト液を吐出するノズル72をほぼ水平に保持し、絶縁性基板61とノズル72とが接触した状態で行えばよい。例えば、実施の形態2または実施の形態3で説明した方法を用いればよい。また、上記レジストパターンの形成は、例えば、実施形態1または実施の形態3で説明したレジストパターン形成装置を用いればよい。
【0052】
また、レジストパターン71の形成は、レジスト液に圧力を加えることによりレジスト液を吐出させて行ってもよい。上記圧力は、吐出するレジスト液の粘度によっても異なるが、例えば、レジスト液としてグラビア用印刷インクを用いた場合は、10kPa〜500kPa(0.1kgf/cm〜5kgf/cm)の範囲である。また、この場合、幅が200μmのレジストパターンを形成するには、外径が200μm以下のノズルを用いればよい。
【0053】
次に、図6(b)に示すように、絶縁性基板61およびレジストパターン71を覆うように、第1の電極膜62を形成する。このとき、レジストパターン71上に形成された第1の電極膜62は、レジストパターン71の厚さ分だけ浮いた形で形成される。
【0054】
次に、図6(c)に示すように、レジストパターン71およびレジストパターン71上に形成された第1の電極膜62を除去する。レジストパターン71上に形成された第1の電極膜62は、レジストパターン71を除去することによって同時に除去することができる。上記のようにして、第1の電極膜62の一部をストライプ状に除去し、第1の電極膜62を分割することができる。
【0055】
レジスト液が水溶性の化合物(水溶性の樹脂など)を含む場合や、レジスト液が水溶性インクである場合には、水を含む液体(例えば、水)を用いることによってレジストパターン71を除去してもよい。また、レジスト液71が有機溶媒に可溶な高分子化合物を含む場合には、有機溶媒を用いることによってレジストパターン71を除去してもよい。
【0056】
また、レジストパターン71を除去する方法の1つとして、液体中で超音波洗浄を行う方法などが挙げられる。レジスト液の粘性が高い場合は、ブラシを用いて洗浄を行うなどの機械的な手段を用いた洗浄方法であってもよい。また、洗浄の前に、レジストパターン71の大部分を予め研削などではく離させ、その後、液体を用いた洗浄でレジストパターン71の残留部を除去してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレジストパターン形成装置およびレジストパターンの形成方法によれば、できるだけ基板を傷つけることなく、汎用性に優れたレジストパターンを上記基板上に形成することができる。また、本発明の太陽電池の製造方法によれば、できるだけ基板を傷つけることなく、歩留まりよく、安定して太陽電池を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるレジストパターン形成装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明におけるレジストパターン形成装置の一例を示す模式図である。
【図3】本発明におけるレジストパターン形成装置の一例を示す模式図である。
【図4】本発明におけるレジストパターン形成装置の別の例を示す模式図である。
【図5】本発明の太陽電池の製造方法によって製造される太陽電池の一例を示す断面図である。
【図6】本発明における太陽電池の製造方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1、11 基板
2、71 レジストパターン
3 基板保持手段
31 ステージ
32、33 ロール
4 レジスト液塗布手段
41 ディスペンサ
411 バルブ部
412、72 ノズル
42 支持部
43 容器部
5 制御部
61 絶縁性基板
62 第1の電極膜
63 半導体膜
64 第2の電極膜
65 領域A
66 領域B
67 領域C

Claims (9)

  1. 基板にレジスト液を塗布することで、前記基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法であって、
    (i)前記基板をほぼ垂直に保持する工程と、
    (ii)前記基板に前記レジスト液を塗布するためのノズルをほぼ水平に保持し、前記ノズルの先端を前記基板に接触させながら前記ノズルの先端から前記レジスト液を吐出するとともに、前記基板および前記ノズルから選ばれる少なくとも一方を移動させて、前記基板上に所定のレジストパターンを形成する工程とを含むレジストパターンの形成方法。
  2. 前記(ii)の工程において、前記レジスト液に圧力を加えることにより、前記レジスト液を前記ノズルの先端から吐出させる請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
  3. 前記(ii)の工程において、前記ノズルと前記基板との接触圧をほぼ一定に保ちながら、前記レジスト液を前記ノズルの先端から吐出させる請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
  4. 基板にレジスト液を塗布することで、前記基板上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成装置であって、
    前記基板をほぼ垂直に保持する基板保持手段と、
    前記基板および前記基板に前記レジスト液を塗布するノズルから選ばれる少なくとも一方を移動させる手段と、
    前記基板に前記レジスト液を塗布するレジスト液塗布手段とを備え、
    前記レジスト液塗布手段が、
    前記ノズルと、
    前記ノズルをほぼ水平に保持し、前記ノズルの先端を前記基板に接触させることができるノズル保持手段と、
    前記ノズルの先端から前記レジスト液を吐出するレジスト液吐出手段とを備えるレジストパターン形成装置。
  5. 前記ノズル保持手段が、前記ノズルを弾性的に支持する支持部を備え、
    前記支持部は、前記ノズルと前記基板との角度を調整する手段をさらに備える請求項4に記載のレジストパターン形成装置。
  6. 前記ノズル保持手段が、
    前記ノズルと前記基板との接触圧を感知するセンサーと、
    前記接触圧に合わせて前記ノズルと前記基板との角度を調整する手段とをさらに備える請求項5に記載のレジストパターン形成装置。
  7. 前記レジスト液吐出手段が、前記レジスト液を加圧する手段をさらに備える請求項4に記載のレジストパターン形成装置。
  8. 前記レジスト液吐出手段が、
    圧縮ガス源と、
    前記圧縮ガス源から供給される圧縮ガスの圧力を調整するレギュレータと、
    前記調整された圧縮ガスによって加圧されたレジスト液の圧力を測定する圧力センサーと、
    前記圧力センサーによって測定した前記レジスト液の圧力に応じて前記レギュレータを制御する手段とを備えた請求項7に記載のレジストパターン形成装置。
  9. 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成され、かつ、互いに直列接続された複数のユニットセルとを備えた太陽電池の製造方法であって、
    (I)前記絶縁性基板上に第1の電極膜を形成する工程と、
    (II)前記第1の電極膜の一部をストライプ状に除去することによって前記第1の電極膜を分割する工程と、
    (III)前記第1の電極膜上にpn接合を含む半導体膜を形成する工程と、
    (IV)前記半導体膜の一部をストライプ状に除去することによって前記半導体膜を分割する工程と、
    (V)前記半導体膜上および前記半導体膜が除去されて露出した前記第1の電極膜上に第2の電極膜を形成する工程と、
    (VI)前記第2の電極膜の一部をストライプ状に除去することによって前記第2の電極膜を分割する工程とを含み、
    前記第1の電極膜および前記第2の電極膜から選ばれる少なくとも1つの電極膜は、
    (A)レジスト液を塗布してストライプ状のレジストパターンを形成する工程と、
    (B)前記レジストパターンを覆うように前記少なくとも1つの電極膜を形成する工程と、
    (C)前記レジストパターンおよび前記レジストパターン上に形成された前記少なくとも1つの電極膜を共に除去する工程とを含む工程によって分割され、
    前記(A)の工程が、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターンの形成方法を含む太陽電池の製造方法。
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