JP2004140985A - トンネル用ケーブル支持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上下両端部にアンカーボルトへ装着する固定用耳部2,3が設けられている支持金具1にケーブルを支持する受け皿6が多段的に取り付けられており、支持金具1には中心線上に沿ってスリット4が設けられ、受け皿6は螺合手段を介して相対的に摺動できるように連結している固定部材7と可動部材8とからなり、この両部材7,8はケーブルcを抱持できるように相対向した湾曲面部7a,8aを備え、固定部材7の背面部には、スリット4から挿入し受け皿6を90°回転することによって、支持金具1の裏面側に係止する係止部14が設けられている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力や通信ケーブルをトンネル内に布設する時に用いる、トンネル用ケーブル支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル側壁に縦添え状態にして取り付けられる金属製の支持金具と、この支持金具に多段的に取り付けられる複数個の受け皿により構成されているトンネル用ケーブル支持具が従来より用いられている。このトンネル用ケーブル支持具の支持金具は表面形状が短冊状であって、上下両端部に設けられているアンカーボルトへの固定用耳部を除いて左右両縁部が内向きのコの字状断面形に形成されている。
【0003】
一方、受け皿には上記支持金具の左右両縁部に嵌め込み可能に形成されている背板部に半円筒状のケーブル受け部が連設され、該ケーブル受け部上にケーブルを受け止めて、ケーブルを被覆線により縛着して支持できる仕組みになっている。なお、支持金具はトンネル側壁に大体1500〜2000mm間隔で取り付けられているのが一般である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記周知のトンネル用ケーブル支持具は、受け皿が支持金具に上方より順次落とし込むようにして装着され、支持金具と受け皿とは工場等での事前組立て乃至は現場組立てに関係なくケーブルを支持できるという使用上の利点を有している反面、支持金具に多段的に装着された受け皿は任意の装着個所からの着脱は不能になるという不便がある。また、ケーブルをケーブル受け部上に縛着によって固定するため、固定作業に個人差の生じることは避けられず、時間もかかって作業性の面での改善が望まれていた。
【0005】
更にまた、新幹線トンネル内では列車走行時の風圧等により受け皿同士ががたつき合い、ケーブルの安定支持面で影響を及ぼすという問題もあった。そこで、本発明の目的はかかる作業性とか安定性の問題を解消すると同時に、支持金具への受け皿の事前セット(事前組立て)ができて、ケーブルの布設作業時にケーブルの仮置きが可能であるという利便性を損なわないことは勿論、受け皿の着脱が支持金具への装着位置に関係なく任意の個所からできるように改良したトンネル用ケーブル支持具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の特徴とするトンネル用ケーブル支持具は、上下両端部にアンカーボルトへ装着する固定用耳部が設けられている支持金具にケーブルを支持する受け皿が多段的に取り付けられているトンネル用ケーブル支持具において、支持金具には中心線上に沿ってスリットが設けられ、一方、受け皿は螺合手段を介して相対的に摺動できるように連結している固定部材と可動部材とからなり、この両部材はケーブルを抱持できるように相対向した湾曲面部を備え、固定部材の背面部には、支持金具の嵌合部から挿入し受け皿を90°回転することによって、支持金具の裏面側に係止する係止部が設けられている構成である。
【0007】
この構成において、螺合手段として、固定部材にはナットが埋設されている一方、可動部材には正面部から戻しバネを介して上記ナットが螺合するボルトが挿通されており、電動工具によって可動部材の締め付け操作が素早くできるように実施するのが望ましく、可動部材はボルトの螺進により固定部材に向かって摺動し、該両部材の湾局面部間にケーブルを挟持できる。そして、支持金具の下端部にはスリットの下端側に臨ませて受け皿のストッパーを設けて、支持金具に装着された最下位の受け皿を受け止めることができるように実施する。
【0008】
また、固定用耳部を除いて支持金具はコの字状断面形に形成し、その左右両袖部は固定用耳部より引っ込ませて該固定用耳部とは段落状態に形成して、支持金具をトンネルの側壁に固定用耳部で固定する際に、該側壁に生じている凹凸に対応できるようにするのが好ましい。更にまた、固定部材と可動部材は合成樹脂製の型物成形品として構成され、可能固定部材の上下両端部は該固定部材同士が上下に接合した状態で弾性的に互いに嵌め外しできる雌雄の係合部に形成し、かつ下端部側の係合部は支持金具に設けられているストッパーと嵌め外しとして、支持金具に多段的に装着された受け皿の取り付け状態が安定して確定できるように実施するのが望ましい。
【0009】
【作用】
支持金具に予め受け皿を取り付け(事前セット)て、支持金具の固定用耳部をトンネルの側壁面に打ち込まれているアンカーボルトに装着してナットにより固定すれば、各各の受け皿の湾局面部でケーブルを仮置きできる布設作業上の利便があることは勿論、ケーブルの支持位置の決定次第、前述したように可動部材を固定部材へ向かって摺動させれば、両部材間にケーブルをしっかりと挟着して支持できる。また、支持金具に多段状に取り付けられた受け皿は係合部により互いに連結されて、その取り付けは状態は安定する。なお、受け皿は任意位置で容易に着脱できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。1は金属板製の支持金具で、その上下両端部はトンネルの側壁に打ち込まれたアンカーボルト(図示せず)への固定用耳部2,3に形成されており、2a,3aはアンカーボルトへの挿通穴である。支持金具1は、固定用耳部2,3を除いて表面形状が長方形状であって、コの字状断面形を呈し、その左右両袖部1a,1aは固定用耳部2,3より引っ込んでいて、該固定用耳部2,3とは段落状態に形成されている。
【0011】
支持金具1には中心線上に沿ってスリット4が設けられ、該スリット4は下端が閉塞されていると共に、その閉塞した下端に臨んでストッパー5が切り起こしにより支持金具1に設けられている。一方、支持金具1上に多段的に取り付けられる複数個((図示の場合は4個)の受け皿6は合成樹脂製(ナイロンやポリプロピレン等)の型物成形品であって、相対的に摺動できるように連結している固定部材7と可動部材8からなり、該両部材はケーブルcを抱持できるように相対向した湾曲面部7a,8aを備えている。
【0012】
固定部材7の湾局面部7aには開口した嵌合部9が設けられており、嵌合部9は天井部の先方部分(湾局面部7aの先方部分)が切り開かれていて、この嵌合部9に可動部材8の湾局面部8aの前部側が摺動可能に嵌め込まれている。上記天井部の開放により形成された嵌合部9の左右両側縁9aは可動部材8の前面張り出し部8bが内接する摺動案内として機能しており、固定部材7と可動部材8は螺合手段により連結されている。
【0013】
即ち、螺合手段として、固定部材7の嵌合部9の奥部にナット11が埋設されている一方、可動部材8には正面部側から戻しバネ13を介して上記ナット11に螺合するボルト12が挿通されている。固定部材7の背面部には、支持金具1のスリット4から挿入し受け皿6を90°回転することによって、支持金具1の裏面側に係止できる係止部14が連設され、14aはその連繋部である。係止部14は長方形であって、固定部材7を横倒した状態でスリット4の上端及び正面から挿入できる大きさに形成されている。
【0014】
また、固定部材7の上下両端部には該固定部材7同士が上下に接合した状態で弾性的に互いに嵌め外しできる雌雄の係合部15,16が形成されており、上端部側の係合部15は左右両側の一部を段落して狭めた雄係合部として、下端部側の係合部16は左右両側に下方へ向けて張り出し上記係合部15に外接して係止するフック状の雌係合部としてそれぞれ形成されている。 そして、下端部側の係合部16は支持金具1の前述したストッパー5と嵌め外し可能として、受け皿6同士の取り付け状態が安定して確定できるように考慮されている。図中、17はボルト12の相通孔である。
【0015】
【発明の効果】
本発明は上記の如くであって,支持金具に受け皿が事前セット可能、ケーブルの仮置きが可能、部品の落下や紛失の防止が果たされケーブル支持作業が容易迅速にでき、また、受け皿の支持金具に対し任意位置での装着と撤去が可能であり、受け皿の取り付け状態の安定性も確保される等の効果があって、その実用的価値は極めて多大である。、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すものの一部が切断されている側面図である。
【図3】図1に示されている支持金具の斜視図である。
【図4】図1に示されている受け皿構成部材の分解斜視図である。
【符号の説明】
1は支持金具
1aは左右袖部
2,3は固定用耳部
4はスリット4
5はストッパー
6は受け皿6
7は固定部材
8は可動部材
7a,8aは湾曲面部
11はナット
12はボルト
13は戻しバネ
14は係止部
15,16は雌雄の係合部
cはケーブル
Claims (5)
- 上下両端部にアンカーボルトへ装着する固定用耳部が設けられている支持金具にケーブルを支持する受け皿が多段的に取り付けられているトンネル用ケーブル支持具において、支持金具には中心線上に沿ってスリットが設けられ、一方、受け皿は螺合手段を介して相対的に摺動できるように連結している固定部材と可動部材とからなり、この両部材はケーブルを抱持できるように相対向した湾曲面部を備え、固定部材の背面部には、上記スリットから挿入し受け皿を90°回転することによって、支持金具の裏面側に係止する係止部が設けられていることを特徴とするトンネル用ケーブル支持具。
- 螺合手段として、固定部材にはナットが埋設されている一方、可動部材には正面部から戻しバネを介して上記ナットに螺合するボルトが挿通されていることを特徴とする請求項1記載のトンネル用ケーブル支持具。
- 支持金具の下端部にはスリットの下端側に臨ませて受け皿のストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1記載のトンネル用ケーブル支持具。
- 固定用耳部を除いて支持金具はコの字状断面形を呈し、その左右両袖部は、固定用耳部より引っ込ませて、該固定用耳部とは段落状態に形成されていることを特徴とする請求項1又は3記載のトンネル用ケーブル支持具。
- 固定部材と可動部材は合成樹脂製の型物成形品であって、固定部材の上下両端部は、該固定部材同士が上下に接合した状態で、互いに嵌め外しできる雌雄の係合部に形成され、かつ下端部側の係合部は支持金具に設けられているストッパーと嵌め外し可能であることを特徴とする請求項1、3、4又は5記載のトンネル用ケーブル支持具。
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