JP2004139966A - 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池用セパレータ18は、電解質膜12に沿わせたアノード側電極13及びカソード側電極14を拡散層15,16を介して両側から挟み込むものである。この燃料電池用セパレータ18を、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂と、ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックの少なくとも一種から選択した炭素粒子とを含んだ混合材で形成したものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質膜にアノード側電極及びカソード側電極を添わせ、これらを両側から挟持することによりセルモジュールを構成する燃料電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水の電気分解の逆の原理を利用し、水素と酸素とを反応させて水を得る過程で電気を得ることができる電池である。一般に、水素に燃料ガスを置き換え、酸素に空気や酸化剤ガスを置き換えるので、燃料ガス、空気、酸化剤ガスの用語を使用することが多い。以下、一般的な燃料電池を次図に示して説明する。
【0003】
図8は従来の燃料電池を示す分解斜視図である。
燃料電池100は、電解質膜101にアノード側電極102及びカソード側電極103を添わせ、これらの電極102,103を拡散層104,105を介して第1セパレータ106及び第2セパレータ107で挟むことでセルモジュールを構成する。このセルモジュールを多数個積層することで燃料電池を得る。
【0004】
ここで、カソード側電極103には酸化剤ガスを効果的に接触させる必要がある。このため、第2セパレータ107の面107aに溝108・・・を多数本条設し、第2セパレータ107の面207aに拡散層105を重ねて溝108・・・を塞ぐことにより、酸化剤ガスの流路となる第2流路(図示しない)を形成する。
【0005】
一方、アノード側電極102には燃料ガスを効果的に接触させる必要がある。このため、第1セパレータ106の面106aに溝(図示しない)を多数本条設し、第1セパレータ106の面106aに拡散層104を重ねて溝を塞ぐことにより、燃料ガスの流路となる第1流路(図示しない)を形成する。
【0006】
また、第1セパレータ106は、面106aの裏面106bに冷却水通路用溝109・・・を多数本条設し、第2セパレータ107は、面107aの裏面107bに冷却水通路用溝(図示しない)を多数本条設ける。
第1、第2セパレータ106,107を重ね合わせることで、それぞれの冷却水通路用溝109・・・を合わせて冷却水通路(図示しない)を形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この第1、第2のセパレータ106,107を製造する方法として、例えば特開2001−126744公報「燃料電池用セパレータ及びその製造方法」が知られている。
この製造方法によれば、熱可塑性樹脂に導電性粒子を含めた状態で加熱混錬し、この混合物を押出し成形し、圧延ロールで長尺シートに成形し、この長尺シートを所定寸法に切断してブランク材とした後、このブランク材の両面、或いは片面にガス通路や冷却水通路用の溝をスタンピング成形することにより第1、第2セパレータ106,107を得ることができる。
【0008】
第1、第2セパレータ106,107にそれぞれ拡散層104,105を重ね合わせて第1、第2流路を形成するためには、第1、第2セパレータ106,107のそれぞれの面106a,107aに拡散層104,105を密着状態に重ね合わせる必要がある。
【0009】
しかしながら、第1、第2セパレータの106,107の面106a,107aに拡散層104,105を密着状態に重ね合わせることは難しく、第1、第2セパレータの面106a,107aと拡散層104,105との間に部分的に隙間が発生する虞がある。
【0010】
一方、第1セパレータ106と第2セパレータ107とを重ね合わせることで、それぞれの面の冷却水通路を形成するので、第1セパレータ106と第2セパレータ107とを密着状態に重ね合わせる必要がある
しかしながら、第1セパレータ106と第2セパレータ107とを密着状態に重ね合わせることは難しく、第1セパレータ106と第2セパレータ107との間に部分的に隙間が発生する虞がある。
【0011】
このため、第1、第2セパレータ106,107のそれぞれの面106a,107aと拡散層104,105とを密着状態に重ね合わせることができ、さらに第1セパレータ106と第2セパレータ107とを密着状態に重ね合わせることができる燃料電池用セパレータの実用化が望まれていた。
【0012】
また、従来の燃料電池用セパレータの製造方法は、長尺シートを所定寸法に切断してブランク材とした後、それぞれのブランク材にガス通路用の溝や冷却水通路用の溝を成形するものである。
この燃料電池用セパレータの製造方法によれば、ブランク材に溝を成形する際に、各々のブランク材を正規の位置に位置決めする必要がある。
よって、ブランク材の位置決めに時間がかかり、そのことが生産性を上げる妨げになっていた。このため、燃料電池用セパレータをより効率よく成形することができる製造方法の実用化が望まれていた。
【0013】
そこで、本発明の目的は、燃料電池用セパレータと拡散層との重ね合わせ部を密にすることができ、さらに燃料電池用セパレータの生産性を上げることができる燃料電池用セパレータ及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、電解質膜に沿わせたアノード側電極及びカソード側電極を拡散層を介して両側から挟み込む燃料電池用セパレータにおいて、この燃料電池用セパレータを、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂と、ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックの少なくとも一種から選択した炭素粒子とを含んだ混合材で形成したことを特徴とする。
【0015】
エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂をセパレータに含ませた。エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体は、熱可塑性樹脂のなかで、特に柔軟性に優れている。
よって、これらの柔軟性に優れた熱可塑性樹脂をセパレータに含ませることで、拡散層に接触するセパレータの接触面に弾力性を備えることができ、接触面をシール性に優れた部位にすることができる。
【0016】
さらに、セパレータに、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂を含ませるだけで、セパレータの接触面をシール性に優れた部位に変えることができる。これにより、シール性に優れたセパレータを効率よく生産することができる。
【0017】
一方、ケッチェンブラック、黒鉛やアセチレンブラックの炭素粒子は導電性を備えており、これらの炭素粒子をセパレータに含ませることで、セパレータの導電性を確保することができる。
【0018】
請求項2において、混合材は、熱可塑性樹脂の割合が14〜20質量%、炭素粒子の割合が80〜86質量%であることを特徴とする。
【0019】
熱可塑性樹脂の割合を14〜20質量%に設定した理由は以下の通りである。
熱可塑性樹脂の含有量が14質量%未満になると、熱可塑性樹脂の含有量が少なすぎてセパレータの接触面の弾力性、すなわちシール性を確保することが難しくなる。
【0020】
一方、熱可塑性樹脂の含有量が20質量%を超えると、セパレータに含む炭素粒子の含有量が少なくなり、セパレータの導電性を十分に確保することが難しくなる。
そこで、熱可塑性樹脂の含有量を14〜20質量%に設定して、セパレータのシール性を確保するとともに、十分な導電性を確保することとした。
【0021】
請求項3は、炭素粒子のうち、3〜20質量%がケッチェンブラックであることを特徴とする。
【0022】
ケッチェンブラックは、他のカーボンブラックと比較して特に導電性に優れた部材であり、ケッチェンブラックを含ませることでセパレータの導電性を高めることができる。
【0023】
ここで、ケッチェンブラックの含有量を3〜20質量%に設定した理由は、ケッチェンブラックの含有量が3質量%未満になると、ケッチェンブラックの含有量が少なすぎて、ケッチェンブラックを含ませた効果を得ることが難しくなる。このため、ケッチェンブラックの含有量が3質量%未満ではセパレータの導電性を十分に確保することができない虞がある。
【0024】
一方、ケッチェンブラックの含有量が20質量%を超えると、ケッチェンブラックの含有量が多すぎて混錬しづらくなる。溶剤を添加することで混錬を可能にすることも考えられるが、溶剤を使用することでコストが上がる虞がある。
加えて、溶剤を添加して混錬できたとしても、ケッチェンブラックを含んだ混錬物は流れ性が悪く、例えば成形の際に所定の形状を得ることが難しい。
そこで、ケッチェンブラックの含有量を3〜20質量%に設定することで、セパレータの導電性を十分に確保し、さらに混錬の容易化を図るとともに成形性を好適に確保するようにした。
【0025】
請求項4において、混合材は、熱可塑性樹脂の割合が14〜20質量%、炭素粒子の割合が70〜83.5質量%、ガラス繊維又は炭素繊維の割合が2.5〜10質量%であることを特徴とする。
【0026】
ガラス繊維又は炭素繊維を混合材に混合することで、セパレータの剛性を高めることができる。
ここで、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を2.5〜10質量%に設定した理由は、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が2.5質量%未満になると、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が少なすぎて第1、第2セパレータ20,30の剛性を高めることが難しくなる。
【0027】
一方、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が10質量%を超えると、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が多すぎて混合材中にガラス繊維又は炭素繊維を均一に分散することが難しく、混合材の押出成形やプレス成形などが困難になる。
そこで、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を2.5〜10質量%に設定して、第1、第2セパレータ20,30の剛性を高めるとともに、成形性に優れた混合材を得ることとした。
【0028】
請求項5は、熱可塑性樹脂をエチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択するとともに、炭素粒子をケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックから少なくとも一種選択する工程と、これらの選択した熱可塑性樹脂及び炭素粒子を混合して混合材を得る工程と、この混合材を押出し機で押出し成形してシート材を得る工程と、このシート材をプレス成形してガス流路溝を表面に成形する工程と、このガス流路溝を成形したシート材を所定形状に切断して燃料電池用セパレータを得る工程と、から燃料電池用セパレータの製造方法を構成する。
【0029】
混合材をシート材とした状態で、その表面にガス流路溝をプレス成形した後、シート材を所定形状に切断してセパレータを得る。このように、ガス流路溝をシート材の状態でプレス成形することで、ガス流路溝を連続的に効率よく成形することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造した燃料電池用セパレータの燃料電池を示す分解斜視図である。
燃料電池10は、一例として電解質膜12に固体高分子電解質を使用し、この電解質膜12にアノード側電極13及びカソード側電極14を添わせ、アノード側電極13側にアノード側電極拡散層15を介してセパレータ18を合わせるとともに、カソード側電極14側にカソード側電極拡散層16を介してセパレータ(燃料電池用セパレータ)18を合わせることによりセルモジュール11を構成し、このセルモジュール11を多数個積層した固体高分子型燃料電池である。
【0031】
セパレータ18は、第1セパレータ20と、第2セパレータ30とからなり、第1セパレータ20の冷却水通路形成面20aと第2セパレータ30の接合面30aを、一例として振動溶着法で接合したものである。
【0032】
このように、第1、第2セパレータ20,30を振動溶着することにより、第1セパレータ20の冷却水通路用溝21・・・を第2セパレータ30で覆い、冷却水通路22・・・(図4に示す)を形成する。
この冷却水通路22・・・には、第1、第2セパレータ20,30の上端中央の冷却水供給孔部23a,33aが連通するとともに、第1、第2セパレータ20,30の下端中央の冷却水排出孔部23b,33bが連通する。
【0033】
第1セパレータ20は、燃料ガス通路形成面(接触面)20b側に燃料ガス通路用溝24・・・(図2に示す)を備え、燃料ガス通路形成面20bにアノード側電極拡散層15を重ね合わせることで、燃料ガス通路用溝24・・・をアノード側電極拡散層15で塞いで燃料ガス通路25・・・(図4に示す)を形成する。
この燃料ガス通路25・・・に、第1、第2セパレータ20,30の上端左側の燃料ガス供給孔部26a,36aを連通するとともに、第1、第2セパレータ20,30の下端右側の燃料ガス排出孔部26b,36bを連通する。
【0034】
第2セパレータ30は、酸化剤ガス通路形成面(接触面)30b側に酸化剤ガス通路用溝37・・・を備え、酸化剤ガス通路形成面30bにカソード側電極拡散層16を重ね合わせることで、酸化剤ガス通路用溝37・・・をカソード側電極拡散層16で塞いで酸化剤ガス通路38・・・(図4に示す)を形成する。
この酸化剤ガス通路38・・・に、第1、第2セパレータ20,30の上端右側の酸化剤ガス供給孔部29a,39aを連通するとともに、第1、第2セパレータ20,30の下端左側の酸化剤ガス排出孔部29b,39bを連通する。
【0035】
第1、第2セパレータ20,30を形成する樹脂としては、エチレン・酢ビ(酢酸ビニル)共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂と、ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックのうち少なくとも一種から選択した炭素粒子(炭素材料)と、ガラス繊維又は炭素繊維とを混合した混合材が該当する。
【0036】
この混合材は、熱可塑性樹脂の割合が14〜20質量%、炭素粒子の割合が80〜86であり、炭素粒子80〜86質量%のうちケッチェンブラックを3〜20質量%含ませたものである。
なお、ケッチェンブラックは、導電性に優れたカーボンブラックで、一例としてケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製(販売元;三菱化学株式会社)のものが該当するが、これに限るものではない。
【0037】
エチレン・酢ビ(酢酸ビニル)共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体は、熱可塑性樹脂のなかで柔軟性のある樹脂あり、この樹脂を使用することで、第1、第2セパレータ20,30を柔軟性に優れた部材とすることができる。
またケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックは導電性に優れた材料であり、炭素材料としてケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックのうち少なくとも一種から選択した炭素粒子を使用することにより、第1、第2セパレータ20,30を通電性に優れた部材とすることができる。
【0038】
熱可塑性樹脂の割合を14〜20質量%に設定した理由は以下の通りである。熱可塑性樹脂の含有量が14質量%未満になると、熱可塑性樹脂の含有量が少なすぎて第1、第2セパレータ20,30の接触面の柔軟性、すなわち弾力性を確保することが難しい。
【0039】
一方、熱可塑性樹脂の含有量が20質量%を超えると、熱可塑性樹脂の含有量が多すぎて所望の体積抵抗率(Ω・cm)を維持することが難しく、第1、第2セパレータ20,30の導電性を十分に確保することが困難になる。
そこで、熱可塑性樹脂の含有量を14〜20質量%に設定して、第1、第2セパレータ20,30の弾力性を確保するとともに、十分な導電性を確保することとした。
【0040】
また、炭素粒子の含有量を80〜86質量%に設定した理由は以下の通りである。
炭素粒子の含有量が86質量%を超えると、炭素粒子の含有量が多すぎて炭素粒子を均一に分散することが難しく、押出成形やプレス成形が困難になる。したがって、炭素粒子の含有量を86質量%以下に設定することが好ましい。
【0041】
また、炭素粒子の含有量は70質量%以上に確保することで、第1、第2セパレータ20,30の体積抵抗率(Ω・cm)を低減させて、第1、第2セパレータ20,30の導電性を十分に高めることができる。このため、炭素粒子の含有量を70質量%以上に確保することが好ましい。
しかしながら、第1、第2セパレータ20,30には14〜20質量%の熱可塑性樹脂が含有されているので、第1実施形態においては、炭素粒子の含有量を80質量%以上として、第1、第2セパレータ20,30の導電性を十分に確保することにした。
【0042】
ところで、ケッチェンブラックは、通常のカーボンブラックと比較して導電性に優れた炭素粒子である。このため、ケッチェンブラックを使用することで、第1、第2セパレータ20,30の体積抵抗率(Ω・cm)を大幅に低減することができる。このケッチェンブラックの含有量を3〜20質量%に設定した。
【0043】
ケッチェンブラックの含有量を3〜20質量%に設定した理由は以下の通りである。
ケッチェンブラックの含有量が3質量%未満になると、ケッチェンブラックの含有量が少なすぎて、ケッチェンブラックを含ませた効果を得ることが難しい。このため、ケッチェンブラックの含有量が3質量%未満では第1、第2セパレータ20,30の導電性を十分に確保することができない虞がある。
【0044】
一方、ケッチェンブラックの含有量が20質量%を超えると、ケッチェンブラックの含有量が多すぎて混錬しづらくなる。溶剤を添加することで混錬を可能にすることも考えられるが、溶剤を使用することでコストが上がる虞がある。
加えて、溶剤を添加して混錬できたとしても、ケッチェンブラックを含んだ混錬物は流れ性が悪く、例えば成形の際に所定の形状を得ることが難しい。
そこで、ケッチェンブラックの含有量を3〜20質量%に設定することで、セパレータの導電性を十分に確保し、さらに混錬の容易化を図るとともに成形性を好適に確保するようにした。
【0045】
図2は図1のA−A線断面図である。
第1セパレータ20は、図1に示すように略矩形状に形成した部材で、冷却水通路形成面20aに冷却水通路用溝21・・・を多数本条備え、燃料ガス通路形成面(接触面)20bに燃料ガス通路用溝24・・・を多数本条備える。
【0046】
第1セパレータ20に、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂を含ませた。エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体は、熱可塑性樹脂のなかで、特に柔軟性に優れている。
よって、これらの柔軟性に優れた熱可塑性樹脂を第1セパレータ20に含ませることで、燃料ガス通路形成面20bに弾力性を備えることができる。
【0047】
さらに、第1セパレータ20に、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂を含ませるだけで、燃料ガス通路形成面20bをシール性に優れた部位に変えることができる。これにより、シール性に優れた第1セパレータ20を効率よく生産することができる。
【0048】
図3は図1のB−B線断面図である。
第2セパレータ30は、図1に示すように略矩形状に形成した部材で、接合面30aを平坦に形成し、酸化剤ガス通路形成面(接触面)30bに酸化剤ガス通路用溝37・・・を多数本条備える。
【0049】
第2セパレータ30に、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂を含ませた。エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体は、熱可塑性樹脂のなかで、特に柔軟性に優れている。
よって、これらの柔軟性に優れた熱可塑性樹脂を第2セパレータ30に含ませることで、酸化剤ガス通路形成面30bに弾力性を備えることができる。
【0050】
さらに、第2セパレータ30に、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂を含ませるだけで、酸化剤ガス通路形成面30bをシール性に優れた部位に変えることができる。これにより、シール性に優れた第2セパレータ30を効率よく生産することができる。
【0051】
図4は本発明に係る燃料電池用セパレータを示す断面図である。
セパレータ18は、第1、第2セパレータ20,30を重ね合わせた後に第1、第2セパレータ20,30に加圧力をかけ、第1、第2セパレータ20,30の一方を振動させて摩擦熱を発生させることにより、第1セパレータ20の冷却水通路形成面20aと、第2セパレータ30の接合面30aとを振動溶着し、第1セパレータ20の冷却水通路用溝21を第2セパレータ30で塞いで冷却水通路22を形成したものである。
【0052】
燃料ガス通路形成面20bにアノード側電極拡散層15を合わせることで、燃料ガス通路用溝24・・・及びアノード側電極拡散層15で燃料ガス通路25・・・を形成する。
ここで、第2セパレータ30に、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂を含ませることで、燃料ガス通路形成面20bに弾力性を備えることができ、燃料ガス通路形成面20bをシール性に優れた部位にすることができる。
【0053】
このため、燃料ガス通路形成面20bとアノード側電極拡散層15との重ね合わせ部を密に保つことができる。よって、燃料ガス通路形成面20bとアノード側電極拡散層15との間にシール材を塗布する必要がない。
したがって、部品点数を減らすことができるとともにシール材を塗布する手間を省くことができ、さらに燃料ガス通路形成面20b及びアノード側電極拡散層15間の接触抵抗を抑えて燃料電池の出力を高めることができる。
【0054】
また、酸化剤ガス通路形成面30bにカソード側電極拡散層16を合わせることで、酸化剤ガス通路用溝37・・・及びカソード側電極拡散層16で酸化剤ガス通路38・・・を形成する。
ここで、第2セパレータ30に、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂を含ませることで、酸化剤ガス通路形成面30bに弾力性を備えることができ、酸化剤ガス通路形成面30bをシール性に優れた部位にすることができる。
【0055】
このため、酸化剤ガス通路形成面30bとカソード側電極拡散層16との重ね合わせ部を密に保つことができる。よって、酸化剤ガス通路形成面30bとカソード側電極拡散層16との間にシール材を塗布する必要がない。
したがって、部品点数を減らすことができるとともにシール材を塗布する手間を省くことができ、さらに酸化剤ガス通路形成面30b及びカソード側電極拡散層16間の接触抵抗を抑えて燃料電池の出力を高めることができる。
【0056】
次に、本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法で第1セパレータ20を成形する例を図5〜図8に基づいて説明する。
図5は本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法の概略を示すフローチャートであり、図中ST××はステップ番号を示す。
ST10;熱可塑性樹脂と導電性材料とを混錬することにより混合材を得る。ST11;混錬した混合材を押出し成形することにより帯状のシートを成形する。
【0057】
ST12;この帯状のシートの一方の面、すなわち冷却水通路形成面に相当する面に冷却水通路用溝をプレス成形するとともに、帯状のシートの他方の面、すなわち燃料ガス通路形成面に相当する面に燃料ガス通路用溝をプレス成形することにより、セパレータ素材を得る。
【0058】
ST13;セパレータ素材を所定寸法に切断することにより第1セパレータを得る。
以下、本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法のST10〜ST13の工程を図6〜図7で詳しく説明する。
【0059】
図6(a),(b)は本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法の第1説明図であり、(a)はST10を示し、(b)はST11の前半を示す。
(a)において、先ず、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、直鎖状低密度ポリエチレンから選択した熱可塑性樹脂46を準備する。
【0060】
次に、黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラックの炭素粒子から少なくとも一種を選択した導電性材料45を準備する。
準備した熱可塑性樹脂46及び導電性材料45を混錬装置47の容器48に矢印の如く投入する。投入した熱可塑性樹脂46及び導電性材料45を、混錬羽根(又はスクリュー)49を矢印の如く回転することにより容器48内で混錬する。
【0061】
(b)において、混錬した混合材50を第1押出し成形装置51のホッパー52に投入し、投入した混合材50を第1押出し成形装置51で押出し成形する。押出し成形した成形材53を水槽54に通すことで、水槽54内の水55で成形材53を冷却する。
冷却した成形材53をカッター装置56のカッター57で所定の長さに切断して、切断したペレット58・・・をストック籠59にストックする。
【0062】
図7は本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法の第2説明図であり、ST11の後半〜ST13を示す。
前工程で得たペレット58・・・を第2押出し成形装置60のホッパー61に矢印の如く投入し、投入したペレット58・・・を第2押出し成形装置60で押出し成形する。押出し成形した成形材62を圧延ロール63で圧延して帯状のシート64を成形する。
【0063】
圧延ロール63の下流側にはプレス装置65を備え、このプレス装置65は、帯状のシート64の上下にそれぞれ上下のプレス型66,67を備える。
上プレス型66は、帯状のシート64の他方の面64bに対向するプレス面66aに凹凸部(図示しない)を備える。この凹凸部は、帯状のシート64の他方の面64bに燃料ガス通路用溝24・・・(図4に示す)をプレス成形するものである。
【0064】
一方、下プレス型67は、帯状のシート64の一方の面64aに対向するプレス面67aに凹凸部(図示しない)を備える。この凹凸部は、帯状のシート64の一方の面64aに冷却水通路用溝21・・・(図4に示す)をプレス成形するものである。
【0065】
上下のプレス型66,67をプレス開始位置P1に配置し、上下のプレス型66,67で帯状のシート64の両面64a,64bを押圧し、この状態を維持しながら上下のプレス型66,67を帯状のシート64の押出速度に合わせて矢印▲1▼,▲2▼の如く連動する。
【0066】
これにより、帯状のシート64の一方の面64a、すなわち冷却水通路形成面20a(図4に示す)に相当する面に冷却水通路用溝21・・・をプレス成形するとともに、帯状のシート64の他方の面64b、すなわち燃料ガス通路形成面20b(図4に示す)に相当する面に燃料ガス通路用溝24・・・をプレス成形して、帯状のシート64をセパレータ素材68に成形することができる。
【0067】
上下のプレス型66,67がプレス解除位置P2に到達すると、上下のプレス型66,67を矢印▲3▼,▲4▼の如く帯状のシート64から離す方向に移動し、上下のプレス型66,67が解除側の所定位置に到達した後、上下のプレス型66,67を矢印▲5▼,▲6▼の如く上流側に向けて移動する。
【0068】
上下のプレス型66,67がプレス開始側の所定位置に到達した後、上下のプレス型66,67を矢印▲7▼,▲8▼の如くプレス開始位置P1まで移動する。
以下上述した工程を順次繰り返すことにより、帯状のシート64の両面64a,64bに冷却水通路用溝21・・・及び燃料ガス通路用溝24・・・をそれぞれプレス成形することができる。
【0069】
図7においては、理解を容易にするために上下のプレス型66,67をそれぞれ1個づつ備えた例について説明したが、現実には上下のプレス型66,67をそれぞれ複数個備える。
上下のプレス型66,67をそれぞれ複数個備えることで、帯状のシート64の両面64a,64bに冷却水通路用溝21・・・及び燃料ガス通路用溝24・・・(図4に示す)をそれぞれ連続的にプレス成形することができる。
【0070】
なお、上下のプレス型66,67には、図1に示す燃料ガス供給孔部26a及び燃料ガス排出孔部26bを成形する部位を備える。また、上下のプレス型66,67には、図1に示す酸化剤ガス供給孔部29a及び酸化剤ガス排出孔部29bを成形する部位を備える。
さらに、上下のプレス型66,67には、図1に示す冷却水供給孔部23a及び冷却水排出孔部23bを成形する部位を備える。
【0071】
よって、上下のプレス型66,67で帯状のシート64の両面64a,64bに冷却水通路用溝21・・・及び燃料ガス通路用溝24・・・をそれぞれ連続的にプレス成形するとともに、図1に示す冷却水供給孔部23a及びガス供給孔部26a,29aや冷却水排出孔部23b及びガス排出孔部26b,29bを同時に成形することができる。
【0072】
プレス装置65の下流側には、前工程で得たセパレータ素材68の上方にカッター装置73を備える。
このカッター装置70のカッター71を矢印▲9▼の如く下降することにより、セパレータ素材68を所定寸法に切断して第1セパレータ20・・・を得る。これにより、第1セパレータ20の製造工程を完了する。
【0073】
このように、本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法によれば、混合材50を帯状のシート64とした状態で、その両面64a,64bに冷却水通路用溝21・・・及び燃料ガス通路用溝24・・・をそれぞれプレス成形した後、シート64を所定形状に切断して第1セパレータ20を得る。
【0074】
このように、冷却水通路用溝21・・・及び燃料ガス通路用溝24・・・をシート64の状態でプレス成形することで、冷却水通路用溝21・・・及び燃料ガス通路用溝24・・・を連続的に効率よく成形することができるので、第1セパレータ20の生産性を高めることができる。
【0075】
図5〜図7では第1セパレータ20を成形する例について説明したが、第1セパレータ20の製造方法と同様の方法で第2セパレータ30を製造することが可能である。
但し、第2セパレータ30は、第1セパレータ20のように冷却水通路用溝21・・・を備えておらず、平坦な接合面30aを備えている。このため、図7に示す下プレス型67は、帯状のシート64の一方の面に対向する面に、帯状のシート64の一方の面に冷却水通路用溝21・・・をプレス成形する凹凸部を備える必要はない。
【0076】
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、第1、第2セパレータ20,30に含む熱可塑性樹脂の割合を14〜20質量%、炭素粒子の割合を80〜86質量%とした例について説明したが、第1、第2セパレータ20,30に含む熱可塑性樹脂の割合を14〜20質量%、炭素粒子の割合を70〜83.5質量%、ガラス繊維又は炭素繊維の割合を2.5〜10質量%とすることも可能である。
【0077】
第2実施形態の第1、第2セパレータ20,30は、ガラス繊維又は炭素繊維を混合材に混合することで、第1、第2セパレータ20,30の剛性を高めることができる。
ここで、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を2.5〜10質量%に設定した理由は以下の通りである。
ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が2.5質量%未満になると、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が少なすぎて第1、第2セパレータ20,30の剛性を高めることが難しい。
【0078】
一方、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が10質量%を超えると、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量が多すぎて混合材中にガラス繊維又は炭素繊維を均一に分散することが難しく、混合材の押出成形やプレス成形などが困難になる。
そこで、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を2.5〜10質量%に設定して、第1、第2セパレータ20,30の剛性を高めるとともに、成形性に優れた混合材を得ることとした。
【0079】
また、炭素粒子の含有量を70〜83.5質量%に設定した理由は以下の通りである。
炭素粒子の含有量が70質量%未満になると、炭素粒子の含有量が少なすぎて第1、第2セパレータ20,30の体積抵抗率(Ω・cm)を低減することが難しく、第1、第2セパレータ20,30の導電性を十分に確保することが難しい。
【0080】
一方、上述したように、炭素粒子の含有量は86質量%を超えると、炭素粒子の含有量が多すぎて炭素粒子を均一に分散することが難しく、押出成形やプレス成形が困難になる。したがって、炭素粒子の含有量を86質量%以下に設定することが好ましい。
しかしながら、第1、第2セパレータ20,30には14〜20質量%の熱可塑性樹脂、2.5〜10質量%のガラス繊維又は炭素繊維が含有されているので、第2実施形態においては、炭素粒子の含有量を83.5質量%以下として、炭素粒子を均一に分散させて、押出成形やプレス成形を好適に実施できるようにした。
このように、炭素粒子の含有量を70〜83.5質量%に設定することで、体積抵抗率(Ω・cm)を低減するとともに、成形性に優れた混合材を得ることができる。
【0081】
第2実施形態の第1、第2セパレータ20,30によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができ、加えてガラス繊維又は炭素繊維を混合することで、第1、第2セパレータ20,30の剛性を高めることができる。
【0082】
なお、前記実施形態では、電解質膜12として固体高分子電解質を使用した固体高分子型燃料電池10について説明したが、これに限らないで、その他の燃料電池に適用することも可能である。
【0083】
また、前記実施形態では、第1、第2セパレータ20,40を押出し成形やプレス成形で連続的に成形した例について説明したが、これに限らないで、加熱プレス方法、射出成形方法やトランスファー成形方法などのその他の製造方法で成形することも可能である。
トランスファー成形方法とは、成形材料をキャビティとは別のポット部に1ショット分入れ、プランジャーによって溶融状態の材料をキャビティに移送して成形する方法である。
【0084】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂をセパレータに含ませた。エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体は、熱可塑性樹脂のなかで、特に柔軟性に優れている。
【0085】
よって、これらの柔軟性に優れた熱可塑性樹脂をセパレータに含ませることで、拡散層に接触するセパレータの接触面に弾力性を備えることができ、接触面をシール性に優れた部位にすることができる。
このため、セパレータの接触面と拡散層との重ね合わせ部を密に保つことができる。したがって、セパレータの接触面と拡散層との間にシール材を塗布する必要はない。
【0086】
さらに、セパレータに、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂を含ませるだけで、セパレータの接触面をシール性に優れた部位に変えることができる。これにより、シール性に優れたセパレータを効率よく生産することができる。
【0087】
一方、ケッチェンブラック、黒鉛やアセチレンブラックの炭素粒子は導電性を備えており、これらの炭素粒子をセパレータに含ませることでセパレータの導電性を確保することができる。
【0088】
請求項2は、混合材の熱可塑性樹脂の割合を14〜20質量%、炭素粒子の割合を80〜86質量%とした。このように、熱可塑性樹脂の含有量を14質量%以上とすることで、熱可塑性樹脂の含有量を確保してセパレータの接触面の弾力性、すなわちシール性を確保することができる。
一方、熱可塑性樹脂の含有量を20質量%以下とすることで、セパレータに含む炭素粒子の含有量を好適に保ち、セパレータの導電性を十分に確保することができる。
【0089】
請求項3は、炭素粒子のうち、3〜20質量%をケッチェンブラックとした。ケッチェンブラックは、他のカーボンブラックと比較して特に導電性に優れた部材であり、ケッチェンブラックを含ませることでセパレータの導電性を効率よく高めることができる。
【0090】
このように、ケッチェンブラックの含有量を3質量%以上とすることで、ケッチェンブラックの含有量をある程度確保することができ、ケッチェンブラックを含ませた効果を得ることができ、セパレータの導電性を十分に確保することができる。
一方、ケッチェンブラックの含有量を20質量%以下とすることで、セパレータの導電性を十分に確保し、さらに混錬の容易化を図るとともに成形性を好適に確保するようにした。
【0091】
請求項4は、熱可塑性樹脂の割合が14〜20質量%、炭素粒子の割合が70〜83.5質量%、ガラス繊維又は炭素繊維の割合が2.5〜10質量%である。ガラス繊維又は炭素繊維を混合材に混合することで、セパレータの剛性を高めることができる。
【0092】
このように、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を2.5質量%以上とすることで、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を確保してセパレータの剛性を高めることができる。
一方、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を20質量%以下とすることで、ガラス繊維又は炭素繊維の含有量を好適に保ち、ガラス繊維又は炭素繊維を均一に分散することができ、成形性に優れたセパレータを得る。
このように、成形性に優れたセパレートとすることで、セパレータの生産性を高めることができる。
【0093】
請求項5は、混合材をシート材とした状態で、その表面にガス流路溝をプレス成形した後、シート材を所定形状に切断してセパレータを得る。
このように、ガス流路溝をシート材の状態でプレス成形することで、ガス流路溝を連続的に効率よく成形することができるので、セパレータの生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法で製造した燃料電池用セパレータの燃料電池を示す分解斜視図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図1のB−B線断面図
【図4】本発明に係る燃料電池用セパレータを示す断面図
【図5】本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法を示すフローチャート
【図6】本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法の第1説明図
【図7】本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法の第2説明図
【図8】従来の燃料電池を示す分解斜視図
【符号の説明】
10…燃料電池、12…電解質膜、13…アノード側電極、14…カソード側電極、15…アノード側電極拡散層(拡散層)、16…カソード側電極拡散層(拡散層)、18…セパレータ(燃料電池用セパレータ)、20…第1セパレータ、20b…燃料ガス通路形成面(接触面)、24…燃料ガス通路用溝、30…第2セパレータ、30b…酸化剤ガス通路形成面(接触面)、37…酸化剤ガス通路用溝、45…導電性材料、46…熱可塑性樹脂、50…混合材、68…セパレータ素材。
Claims (5)
- 電解質膜に沿わせたアノード側電極及びカソード側電極を拡散層を介して両側から挟み込む燃料電池用セパレータにおいて、
この燃料電池用セパレータを、エチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択した熱可塑性樹脂と、
ケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックの少なくとも一種から選択した炭素粒子とを含んだ混合材で形成したことを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 前記混合材は、前記熱可塑性樹脂の割合が14〜20質量%、前記炭素粒子の割合が80〜86質量%であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記炭素粒子のうち、3〜20質量%が前記ケッチェンブラックであることを特徴とする請求項2記載の燃料電池用セパレータ。
- 前記混合材は、前記熱可塑性樹脂の割合が14〜20質量%、前記炭素粒子の割合が70〜83.5質量%、ガラス繊維又は炭素繊維の割合が2.5〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
- 熱可塑性樹脂をエチレン・酢ビ共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体から選択するとともに、炭素粒子をケッチェンブラック、黒鉛、アセチレンブラックから少なくとも一種選択する工程と、
これらの選択した熱可塑性樹脂及び炭素粒子を混合して混合材を得る工程と、
この混合材を押出し機で押出し成形してシート材を得る工程と、
このシート材をプレス成形してガス流路溝を表面に成形する工程と、
このガス流路溝を成形したシート材を所定形状に切断して燃料電池用セパレータを得る工程と、からなる燃料電池用セパレータの製造方法。
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