JP2004139897A - 電池の製造法 - Google Patents

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暖水 慶孝
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Abstract

【課題】長期安定性に優れるアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明は電解液を注液する際にあらかじめセパレータ、もしくは電池群に2−プロパノールを適用することによって電解液の分布を均一にするものである。これによって、長期安定性に優れたアルカリ蓄電池を提供することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ蓄電池の製造に適用する電池への注液方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年アルカリ蓄電池は、小型二次電池の分野から駆動用電源としてハイブリッド自動車や携帯電話の大型基地局用電源や停電時に使用されるバックアップ電源として市場が拡大しつつある。このような市場でもっとも重要になってきているのは長期間に渡り安定した性能を発揮する電池が望まれている。つまり長寿命の電池が必要とされてきている。
【0003】
以下に、従来のアルカリ蓄電池の製造方法について具体的に述べる。
従来、アルカリ蓄電池への注液方法として、遠心注液方法で所定量の電解液を電池に注入することが古くから知られている。(例えば、特許文献1参照。)。この遠心注液法によれば、注液時間が短縮される効果が非常に高い。
【0004】
また、所定の電解液を遠心注液方法で注入をした後、さらに必要量の電解液を真空注液方法で注入する方法が知られている。(例えば、特許文献2参照。)。この方法によれば、より多くの電解液を電解液の飛散等で電池を汚染することなく製造することが可能になる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−134558号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開2000−260463号公報(第1頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、密閉型アルカリ蓄電池は次のように製造される。まず、三次元金属多孔基板にニッケルを主体とした活物質ペーストを充填・乾燥・加圧して作製したペースト式ニッケル極を正極板とし、水素吸蔵合金電極、カドミウム電極などを負極板とし、これら正・負極板間にセパレータを介在させて成る極板群を巻回したもの、または積層状にしたものを金属缶、又は樹脂ケースなどの容器に収容して電池を組み立てる。
【0007】
この電池に遠心注液方法、遠心注液方法と真空注液方法の組み合わせ、又は真空注液方法により注入して極板群に電解液を含浸させる。その後、その容器の上面開口部に蓋を施して、その蓋の周縁を溶接またはかしめにより気密に封口して製造する。この密閉電池は、充放電を繰り返して使用されるが、長期間にわたる充放電により正極は膨脹し、また負極の水素吸蔵合金は酸化されるため、電解液を吸収してしまい、セパレータ中の電解液は枯渇し、内部抵抗が増大することが、実用上問題となっている。
【0008】
この時、電解液の分布状態が長期間にわたる充放電により内部抵抗の増大に大きく影響することになる。アルカリ蓄電池の極板、セパレータは適量の電解液を保持するために、空隙を持たせる設計になっている。注入すると電解液はこの空隙に入っていき電解液を保持する。極板全体で見た場合、保持する電解液量は、ほぼ、それぞれがもっている空隙体積に比例した分布となる。
【0009】
しかしながら、遠心注液法や真空注液法で電解液を注入した場合、例えば、正極板の製造工程におけるバラツキにより極板の表面の空隙分布が異なったり、セパレータは電解液を吸液しやすいように親水化処理を行ったものを用いるが、そのバラツキにより単位面積あたりの吸液量がばらつくことになる。このばらつきは、電池反応が起こる部位がばらつく原因となり、すなわち極板が局所的に劣化の進行が異なることになる。
【0010】
本発明は、前記課題を解決するもので、長期安定性に優れる電池を提供するために、正極板の電解液の分布を均一にする電解液の注液方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は電解液を注入する際にあらかじめセパレータ、もしくは電池群に2−プロパノールを適用することによって電解液の分布を均一にするものである。これによって、長期安定性に優れたアルカリ蓄電池を提供することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、容器内に極板群を収容して成る電池に、所定量の電解液を注入するに当たり、極板群を巻回する際にセパレータにあらかじめ、2−プロパノールを塗布し、極板群を形成し、該電池に遠心注液法にて所定量の電解液を注入した後、減圧処理することを特徴とする電池の製造法である。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、容器内に極板群を収容して成る電池に、所定量の電解液を注入するに当たり、あらかじめ2−プロパノールを注入し、さらに該電池に遠心注液法にて所定量の電解液を注入した後、減圧処理することを特徴とする電池の製造法である。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、容器内に極板群を収容して成る電池に、所定量の電解液を注入するに当たり、あらかじめ極板群を容器内に収納した後、2−プロパノールの蒸気中に所定時間保存し、その後、該電池に遠心注液法にて所定量の電解液を注入した後減圧処理することを特徴とする電池の製造法である。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、容器内に極板群を収容して成る電池に、所定量の電解液を注入するに当たり、極板群を巻回する際にセパレータにあらかじめ、2−プロパノールを塗布し、極板群を形成し、該電池に真空注液で所定の電解液量を注入することを特徴とする電池の製造法である。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、容器内に極板群を収容して成る電池に、所定量の電解液を注入するに当たり、あらかじめ、2−プロパノールを注入し、さらに該電池に真空注液法にて所定量の電解液を注入することを特徴とする電池の製造法である。
【0017】
本発明の請求項6に記載した発明は、容器内に極板群を収容して成る電池に、所定量の電解液を注入するに当たり、あらかじめ、極板群を容器内に収納した後、2−プロパノールの蒸気中に所定時間保存する。その後、該電池に真空注液法にて所定量の電解液を注入することを特徴とする電池の製造法である。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
正極板の作製を以下の手順で行った。水酸化ニッケル粉末300gと、水酸化コバルト粉末30gと、酸化亜鉛6gと、上記処理で選ばれた粉末3gと水を混合し、ペースト状とした。このペーストを発泡メタルに充填・乾燥・圧延して正極板とした。圧延後の正極板厚さは800μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1850mAhであった。また、この時の空隙率は16%であった。
【0019】
ここで空隙率とは出来上がった極板の厚み、幅、長さを測定し、その値から極板体積を求め、極板の重量を測定する。発泡メタルはあらかじめ単位面積あたりの重量を測定しておく。極板の面積から極板中の発泡メタルの重量が計算から求めることができるので、実際の極板の重量からその値を引いた値が、発泡メタルに充填した、水酸化ニッケル、水酸化コバルト、酸化亜鉛の重量が計算できる。一方水酸化ニッケル、水酸化コバルト、酸化亜鉛は密度を測定しておき充填した重量から、極板中での占有体積を求めることができる。すなわち極板の体積から発泡メタルの体積と水酸化ニッケル、水酸化コバルト、酸化亜鉛の体積を引いたものが空間体積で、空隙率はこの空間体積を極板体積で割った値を百分率で示した値である。
【0020】
負極板に関しても、同様の方法で求めた。セパレータの空隙率も同様にセパレータの厚み、幅、長さを測定し体積を求め、重量も測定する。今回使用したセパレータの材質はポリプロピレンを主体とする繊維から成る不織布で、この繊維の密度も測定しておく。空隙率は正極と同様にセパレータの体積、重量、密度から求めた。
【0021】
負極は、AB水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と水を加えて調整したペーストを塗布し、乾燥した後、圧延した。圧延後の電極の厚さは380μmであった。この電極の理論容量は2700mAhであった。またこの電極の空隙率は24%であった。
【0022】
セパレータにはポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚さは130μmのものを用いた。セパレータの空隙率は48%であった。
【0023】
ここで用いたセパレータの空間体積は約0.7cmでこの空間に対して0.4cmの2−プロパノールを塗布した。
【0024】
次に、上記の正極、負極、セパレータを正極、セパレータ、負極、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻回後、AAサイズの電池ケースに挿入した。水酸化カリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を約2.1cm、遠心注液法にて注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに30秒静置した。その後減圧を解除し常圧にもどした。つづいて封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Aとする。
【0025】
比較電池としては、セパレータに2−プロパノールを塗布せず、アルカリ電解液を2.1cm、遠心注液法にて注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに30秒静置した。その後減圧を解除し常圧にもどした。つづいて封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Xとする。
【0026】
電池Aと電池Xを25℃の雰囲気で185mAで16時間充電した後、370mAで放電電圧1Vになるまで放電した。この時の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)はいずれも100%であった。
【0027】
同一の容量が得られた本発明電池Aと比較電池Xで、充放電サイクルによる寿命試験をおこなった。
【0028】
充電条件としては、充電電流1.5Aで満充電検出は通常行われている−ΔV制御でおこなった。−ΔV制御はアルカリ蓄電池の場合、電池が満充電になると充電電位が低下する現象を捉えて充電をとめる方法である。
【0029】
充電完了後1時間静置し、電池温度が雰囲気温度の25℃になることを確認後、放電条件としては1.85Aの電流で放電した。このサイクルを繰り返し行い初期の容量の60%になるまでおこなった。
【0030】
その結果を図1に示す。
【0031】
図からも明らかなように、2−プロパノールを塗布した電池では、比較電池に比べサイクル寿命が約1.5倍になった。
【0032】
寿命評価を行う前と寿命後の電池Aと電池Xを分解し、セパレータを取り出し長さ方向の電解液分布を調べた。
【0033】
その結果を図2に示す。
【0034】
図から明らかなように、2−プロパノールを塗布した電池のセパレータでは、寿命後電解液量は減っているが、寿命評価を行う前の電解液分布と同様に、長さ方向の電解液分布は均一であるといえる。それに比較して比較電池では、寿命前と寿命後で電解液の分布が不均一であることがわかる。このように、2−プロパノールを塗布することにより、電解液分布が均一になり、サイクル寿命が向上したことがわかる。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様の正極板、負極板、セパレータを準備し、正極板、セパレータ、負極板、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻回後、AAサイズの電池ケースに挿入した。
【0036】
この状態で2−プロパノールを0.7cm、遠心注液した。続いて水酸化カリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を約2.1cm、遠心注液法にて注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに30秒静置した。その後減圧を解除し常圧にもどした。次に封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Bとする。
【0037】
比較電池は実施例1と同様の電池Xとした。
【0038】
本発明電池Bと比較電池Xの容量を確認したところ、1850mAhであった。
【0039】
この電池を実施例1と同様の寿命試験を行ったところ、やはり寿命は比較電池Xの約1.5倍となった。
【0040】
この結果から2−プロパノールを極板群を巻回した後に加えても、電解液注入前であれば、2−プロパノールの浸透性により、電解液が極板、セパレータの中で均一に分布することによる寿命の向上がえられることが明らかとなった。
【0041】
(実施例3)
実施例1,2と同様に正極板、負極板、セパレータを準備し、正極板、セパレータ、負極板、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻回後、AAサイズの電池ケースに挿入した。
【0042】
電池ケースに極板群を挿入したものを2−プロパノール飽和蒸気で満たしたチャンバーに3分間静置した。続いて水酸化カリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を約2.1cm、遠心注液法にて注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに30秒静置した。その後、減圧を解除し常圧にもどした。次に封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Cとする。
【0043】
比較電池は実施例1と同様の電池Xとした。
【0044】
本発明電池Cと比較電池Xの容量を確認したところ、1850mAhであった。
【0045】
この電池を実施例1と同様の寿命試験を行ったところ、やはり寿命は比較電池Xの約1.5倍となった。
【0046】
この結果から2−プロパノールを極板群を巻回した後に蒸気状態で処理した場合でも、電解液注入前であれば、2−プロパノールの浸透性により、電解液が極板、セパレータの中で均一に分布することによる寿命の向上がえられることが明らかとなった。
【0047】
(実施例4)
Dサイズ電池の作製手順を以下に示す。
【0048】
水酸化ニッケル粉末300gと、水酸化コバルト粉末30gと、酸化亜鉛6gと、上記処理で選ばれた粉末3gと水を混合し、ペースト状とした。このペーストを発泡メタルに充填・乾燥・圧延して正極板とした。圧延後の正極板の厚みは540μm程度となった。この電極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は8400mAhであった。またこの時の空隙率は16%であった。
【0049】
負極は、AB型水素吸蔵合金と、炭素材1重量%と、PTFE1重量%と水を加えて調整したペーストを塗布・乾燥後、圧延した。圧延後の電極の厚みは310μmであった。この電極の理論容量は12700mAhであった。またこの電極の空隙率は24%であった。
【0050】
セパレータにはポリプロピレン製の不織布を用いた。このセパレータの厚さは180μmのものを用いた。セパレータの空隙率は56%であった。
【0051】
ここで用いたセパレータの空間体積は約6.3cmでこの空間に対して4cmの2−プロパノールを塗布した。
【0052】
次に、上記の正極板、負極板、セパレータを正極板、セパレータ、負極板、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻回後、Dサイズの電池ケースに挿入した。水酸化カリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を約13cmの内の、6.5cmを電池に注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに120秒静置した。その後減圧を解除し、常圧にもどした。この操作を2回行い合計13cmを電池に注入した。つづいて封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Dとする。
【0053】
比較電池としては、セパレータに2−プロパノールを塗布せずに作製した電池を電池Yとする。
【0054】
電池Dと電池Yを25℃の雰囲気下で850mAで16時間充電した後、1700mAで放電電圧1Vになるまで放電した。この時の放電容量から求めた利用率(実際の放電容量/正極理論容量の百分率)はいずれも100%であった。
【0055】
同一の容量が得られた本発明電池Dと比較電池Yで、充放電サイクルによる寿命試験をおこなった。
【0056】
充電条件としては、充電電流2.2Aで満充電検出は通常行われているdT/dt制御でおこなった。dT/dt制御はアルカリ蓄電池の場合、電池が満充電になると電池温度が上昇していく現象を捉えて充電をとめる方法である。
【0057】
充電完了後1時間静置し、電池温度が雰囲気温度の25℃になることを確認し、放電条件としては8Aの電流で放電した。このサイクルを繰り返し行い初期の容量の60%になるまでおこなった。
【0058】
その結果を図3に示す。
【0059】
図からも明らかなように、2−プロパノールを塗布した電池では、比較電池に比べサイクル寿命が約1.7倍になった。
【0060】
寿命評価を行う前と寿命後の電池Dと電池Yを分解し、セパレータを取り出し長さ方向の電解液分布を調べた。その結果は実施例1と同様の傾向を示し電解液の分布が異なることがわかった。
【0061】
(実施例5)
実施例4と同様の正極板、負極板、セパレータを準備し、正極板、セパレータ、負極板、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻回後、Dサイズの電池ケースに挿入した。
【0062】
この状態で2−プロパノールを2cmを注入した。続いて水酸化カリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を約13cmの内の、6.5cmを電池に注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに120秒静置した。その後減圧を解除し常圧にもどした。この操作を2回行い合計13cmを電池に注入した。つづいて封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Eとする。
【0063】
比較電池は実施例4と同様の電池Yとした。
【0064】
本発明電池Eと比較電池Yの容量を確認したところ、8400mAhであった。
【0065】
この電池を実施例1と同様の寿命試験を行ったところ、やはり寿命は比較電池Xの約1.6倍となった。
【0066】
この結果から2−プロパノールを極板群を巻回した後に加えても、電解液注入前であれば、2−プロパノールの浸透性により、電解液が極板、セパレータの中で均一に分布することによる寿命の向上がえられることが明らかとなった。
【0067】
(実施例6)
実施例4,5と同様に正極板、負極板、セパレータを準備し、正極板、セパレータ、負極板、セパレータの順に配置して全体を渦巻状に巻回後、Dサイズの電池ケースに挿入した。
【0068】
電池ケースに極群を挿入したものを2−プロパノール飽和蒸気で満たしたチャンバーに3分間静置した。続いて水酸化カリウム、水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を約13cmの内の6.5cmを電池に注入した後、5300Paに減圧したチャンバーに120秒静置した。その後減圧を解除し常圧にもどした。この操作を2回行い合計13cmを電池に注入した。つづいて封口板で封口して密閉型ニッケル−水素蓄電池を作製した。この電池を電池Fとする。
【0069】
本発明電池Fと比較電池Yの容量を確認したところ、8400mAhであった。
【0070】
この電池を実施例3と同様の寿命試験を行ったところ、やはり寿命は比較電池Xの約1.5倍となった。
【0071】
この結果から2−プロパノールを極板群を巻回した後に蒸気状態で処理した場合でも、電解液注入前であれば、2−プロパノールの浸透性により、電解液が極板、セパレータの中で均一に分布することによる寿命の向上がえられることが明らかとなった。
【0072】
以上実施例において、電池のサイズ、電池容量、極板空隙率、セパレータ空隙率、電解液量、静置時間等本発明の趣旨を変えないものであれば限定されるものではない。
【0073】
また、実施例において非焼結式正極を用いたニッケル−水素蓄電池の例で説明したが、焼結式正極を用いたニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池の場合でも同様の効果がえられたことは言うまでもない。
【0074】
また、円筒形ニッケル−水素蓄電池の例で説明したが、角型の電極をスタック状に配置する電池においても、本発明の趣旨を変えないもので同様の効果がえられることは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】
このように本発明の電池の製造法によれば、2−プロパノールで処理することにより、電池内極板やセパレータ中の電解液分布が均一となり長寿命なアルカリ蓄電池を提供することが可能になる。また、電解液の均一性が向上したことにより、電極の反応が均一になり放電特性も向上する効果が得られた。
【0076】
今後重要性が増してくる駆動用電源や大型バックアップ電源としてアルカリ蓄電池を用いる場合の工業的価値は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における、本発明電池Aと比較電池Xのサイクル数と容量維持率の関係を示す図
【図2】本発明の実施例1におけるセパレータの電解液分布を示す図
【図3】本発明の実施例4における本発明電池Dと比較電池Yのサイクル数と容量維持率の関係を示す図

Claims (6)

  1. 正極板と負極板と、その両者間に2−プロパノールを塗布したセパレータを介在させて極板群を形成し、前記極板群を巻回して容器内に収容し、前記容器内に遠心注液法で電解液を注入した後減圧処理することを特徴とする電池の製造法。
  2. 正極板と負極板と、その両者間にセパレータを介在させて極板群を形成し、前記極板群を容器内に収容し、前記容器内に2−プロパノールを注入し、ついで遠心注液法で電解液を注入した後、減圧処理することを特徴とする電池の製造法。
  3. 正極板と負極板と、その両者間にセパレータを介在させて極板群を形成し、前記極板群を容器内に収容し、この容器を2−プロパノールの蒸気中に所定時間載置し、ついで遠心注液法で電解液を注入した後減圧処理することを特徴とする電池の製造法。
  4. 正極板と負極板と、その両者間に2−プロパノールを塗布したセパレータを介在させて極板群を形成し、前記極板群を巻回して容器内に収容し、前記容器内に真空注液法で電解液を注入することを特徴とする電池への注液方法。
  5. 正極板と負極板と、その両者間にセパレータを介在させて極板群を形成し、前記極板群を容器内に収容し、前記容器内に2−プロパノールを注入し、ついで真空注液法で電解液を注入することを特徴とする電池の製造法。
  6. 正極板と負極板と、その両者間にセパレータを介在させて極板群を形成し、前記極板群を容器内に収容し、この容器を2−プロパノールの蒸気中に所定時間載置し、ついで真空注液法で電解液を注入することを特徴とする電池の製造法。
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KR101183010B1 (ko) 2007-08-30 2012-09-18 주식회사 엘지화학 감압처리된 캔형 전기화학소자
WO2013051503A1 (ja) * 2011-10-06 2013-04-11 日産自動車株式会社 アルカリ電池用電解液及びアルカリ電池

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