JP2004139630A - 磁気転写用マスター担体および磁気ディスク媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転写すべき情報に応じた磁性体パターンを表面に有する磁気転写用マスター担体において、磁性体パターンを構成する磁性体エレメント3bの略平行四辺形の上面を、その対向する1組の辺33が、対応する磁気ディスク媒体上の位置における再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向に沿って延びる形状とする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク媒体に情報を転写するための磁性体パターンを表面に有する磁気転写用マスター担体に関するものである。
【0002】
また、本発明は、磁気転写用マスター担体を用いて磁気転写により形成された磁化パターンを有する磁気ディスク媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
磁気記録媒体においては一般に、情報量の増加に伴い、多くの情報を記録する大容量で、安価で、かつ、好ましくは短時間で必要な箇所が読み出せる、いわゆる高速アクセスが可能な媒体が望まれており、この一例として、ハードディスク、ZIP(アイオメガ社)等のフレキシブルディスクからなる高密度磁気記録媒体が知られている。これらの高密度磁気記録媒体は情報記録領域が狭トラックで構成されており、狭いトラック幅を正確に磁気ヘッドにより走査させて高いS/Nで信号を再生するためには、いわゆるトラッキングサーボ技術が大きな役割を担っている。
【0004】
トラック位置決めのためのサーボ信号や、そのトラックのアドレス信号、再生クロック信号等のサーボ情報は、磁気記録媒体の製造時にプリフォーマットとして予め磁気記録媒体に記録する必要があり、現在は専用のサーボ記録装置(サーボトラックライター)を用いてプリフォーマットが行われている。しかしながら、このサーボ記録装置によるプリフォーマットは、磁気記録媒体1枚ずつ、磁気ヘッドにより記録するので、相当の時間がかかり生産効率の点で問題がある。
【0005】
一方、プリフォーマットを正確にかつ効率よく行う方法として、マスター担体に形成されたサーボ情報を担持するパターンを磁気記録媒体へ磁気転写により転写する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
この磁気転写は、磁気ディスク媒体等の磁気記録媒体(スレーブ媒体)に転写すべき情報に対応する磁性体パターンを表面に有するマスター担体とスレーブ媒体を密着させた状態で、転写用磁界を印加することにより、磁性体パターンが担持する情報(例えばサーボ信号)に対応する磁化パターンをスレーブ媒体に磁気的に転写するもので、マスター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を変化させることなく静的に記録を行うことができ、正確なプリフォーマット記録が可能であり、しかも記録に要する時間も極めて短時間であるという利点を有している。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−183623号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平10−40544号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平10−269566号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のサーボトラックライターを用いたサーボライトは、磁気記録媒体が備えられている磁気ディスク装置内の磁気ヘッドを用いて行われ、磁化パターンの記録と再生を共に該磁気ディスク装置の磁気ヘッドで行うためにアジマス損失を小さく抑えることが可能であった。しかしながら、磁気転写用マスター担体を用いた磁気転写により磁化パターンを形成した磁気ディスク媒体について、該磁化パターンに基づく信号を再生する場合、記録と再生の工程が全く異なるためアジマス損失が大きくなる可能性が高い。アジマス損失の増加は再生信号の品質の低下に繋がる。さらに、転写情報がサーボ信号であれば、トラッキングサーボの精度の低下に繋がり好ましくない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、磁気転写により磁化パターンが形成される磁気ディスク媒体において、アジマス損失の小さい良好な再生信号を得ることができる、マスター担体を提供することを目的とするものである。
【0012】
また、本発明は、アジマス損失の小さい良好な再生信号を得ることができる磁気ディスク媒体を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気転写用マスター担体は、回動するアームの一部に固定された再生ヘッドを備えた磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク媒体に対して情報を転写するための、該情報に応じた同心円状もしくは螺旋状に配列された磁性体パターンを表面に有する円盤状の磁気転写用マスター担体であって、
前記磁性体パターンを構成する各磁性体エレメントが、略平行四辺形状の上面を有し、該上面の対向する1組の辺が前記同心円もしくは螺旋の円周方向に沿って延び、他の1組の辺が該円周方向に交差して延びるものであり、
前記各磁性体エレメントの前記他の1組の辺が、該磁性体エレメントの位置に対応する前記磁気ディスク媒体上の位置における前記再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向に沿って延びるものであることを特徴とするものである。
【0014】
「回動するアームの一部に固定された再生ヘッドを備えた磁気ディスク装置」は、再生ヘッドが磁気ディスク媒体の円周を横切って円弧状に移動する構成の装置であり、具体的には、アームを回動させるロータリーアクチュエータを備えた磁気ディスク装置が挙げられる。
【0015】
「前記磁性体パターンを表面に有する」とは、磁気転写時にスレーブ媒体である磁気ディスク媒体に対面する面の、少なくとも該磁気ディスク媒体に近接(もしくは接触)する部分に磁性体がパターン状に形成されていることをいうものあり、凹凸パターンを有する基板上の少なくとも凸部表面に形成された磁性体からなるパターン、凹凸パターンを有する基板上の凹部のみに埋め込まれた磁性体からなるパターン、凹凸パターン状に形成された磁性体からなるパターン、パターン状に配置された磁性体からなるパターンのいずれであってもよい。
【0016】
従って「前記磁性層パターンを構成する磁性体エレメント」とは、磁気ディスク媒体に近接する部分に形成されている個々の磁性体をいうものであり、上述の各磁性体パターンにおいては、それぞれ、凹凸パターンを有する基板上の各凸部表面に形成された磁性体、凹凸パターンを有する基板上の各凹部のみに埋め込まれた磁性体、凹凸パターン状に形成された磁性体の凸部を構成する部分、パターン状に配置された各磁性体等をいうものである。
【0017】
「前記再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向」とは、該再生ヘッドによって定まる再生トラックの幅の延びる方向に相当し、回動するアームの一部に取り付けられて、同心円を横切る方向に円弧状に移動される再生ヘッドの場合、この再生トラック幅の延びる方向がディスクの回転中心からの距離毎で異なる。
【0018】
従って、本発明の磁気転写用マスター担体は、表面に形成されている磁性体パターンを構成する磁性体エレメントの上面の、前記他の1組の辺の円周方向に対する傾きが、そのエレメントが形成されている円盤状基板の中心からの距離毎で異なっていることを特徴とするものである。
【0019】
なお、前記情報をサーボ信号とすることができる。
【0020】
本発明の磁気ディスク媒体は、回動するアームの一部に固定された、再生ヘッドを備えた磁気ディスク装置に使用される、同心円状もしくは螺旋状のトラックを有する磁気ディスク媒体であって、
上記磁気転写用マスター担体を用いた磁気転写により、前記トラックに沿って配列された磁区からなる磁化パターンが形成されたものであり、
前記磁化パターンを構成する、前記トラックに沿って配列された前記磁区間の磁化遷移領域が、該トラック位置における前記再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向に沿って延びるものであることを特徴とするものである。
【0021】
なお、本発明の磁気ディスク媒体においては、前記磁化パターンとしては、サーボ信号に応じたパターンが好適である。
【0022】
【発明の効果】
本発明の磁気転写用マスター担体は、転写すべき情報に応じた磁性体パターンを構成する各磁性体エレメントの上面が略平行四辺形状であり、この上面形状の円周方向に交差して延びる1組の辺が、対応する磁気ディスク媒体上の位置における再生ヘッドの幅方向に沿って延びるものであるので、本発明の磁気転写用マスター担体を用いて、磁気転写を行った磁気ディスク媒体に転写される磁化パターンの磁化遷移領域が再生ヘッドの幅方向に沿って延びるものとなるため、アジマス損失を抑えることができ、良好な信号の再生が可能となる。
【0023】
本発明の磁気ディスク媒体は、上述の本発明の磁気転写用マスター担体を用いて情報が転写されたものであり、前述の通り、磁化パターンの磁化遷移領域が再生ヘッドの幅方向の沿って延びるものであるため、アジマス損失を押さえることができ、良好な信号の再生が可能である。
【0024】
特に、転写される情報がサーボ信号である場合には、トラッキングの精度を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明の磁気転写用マスター担体を用いてスレーブ媒体(磁気ディスク媒体)へ情報を転写する磁気転写の基本工程を図1および図2に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の磁気転写用マスター担体3、4と、該マスター担体3、4により転写を受けるスレーブ媒体2とを示す斜視図である。スレーブ媒体2は、例えば、高密度フレキシブルディスク、ハードディスク装置において用いられるハードディスクなどの磁気ディスク媒体であり、非磁性体からなる円盤状のベース21の両面に磁性体層からなる記録面22、23を有するものである。
【0027】
また、マスター担体3、4は、表面に磁性体パターンを有する円盤状の剛体であり、円盤状基板31、41と、該基板31、41上に配された磁性層32、42とからなる。ここでは、マスター担体3、4はそれぞれスレーブ媒体2の下側記録面22、上側記録面23用の磁性体パターンが形成されている。ここで、マスター担体3、4が担持する情報は、磁気ディスク媒体のヘッド位置決めのためのサーボ信号であり、該サーボ信号に対応する磁性体パターンが放射線状の複数のサーボ領域3aに形成されている。
【0028】
なお、基板31、41がNiなどの強磁性体である場合には基板のみで磁気転写可能であり、必ずしも磁性層32、42を被覆しなくてもよい。但し、転写特性の良い磁性層を設けることでより良好な磁気転写を行うことができる。また、基板が非磁性体の場合は磁性層を設ける必要がある。さらに最上層にダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の保護膜を被覆すれば、この保護膜により接触耐久性が向上し多数回の磁気転写が可能となる。さらには、密着性を向上させるためにDLC保護膜の下層にSi膜をスパッタリング等で形成するようにしてもよい。
【0029】
本実施形態のマスター担体3、4は、サーボ信号に対応する凹凸パターンが形成された円盤状基板31、41と凹凸パターン上に形成された磁性層32、42とから構成されており、該磁性層32、42のうち凹凸パターンの凸部上に形成された部分(これを磁性体エレメント3bという)により、結果として磁性体パターンが形成されてなるものである。但し、マスター担体は、磁性体パターンを表面に有するものであればよく、凹凸パターンが形成された基板の凹部にのみ磁性体が埋め込まれ、この埋め込まれた磁性体により磁性体パターンが形成されてなるものであってもよい、また、平板基板上に、磁性体による凹凸パターンが形成され、該凹凸パターンの凸部により磁性体パターンが形成されてなるものであってもよい。前者において磁性体エレメントとは、凹部に埋め込まれた磁性体をいい、後者において磁性体エレメンとは、凹凸パターンの凸部をいう。さらに、平板基板上に、磁性体(磁性体エレメント)がパターン状に形成されてなるマスター担体であってもよい。
【0030】
図2は、この磁気転写用マスター担体を用いた磁気転写の基本工程を説明するための図であり、図2(a)は磁場を一方向に印加してスレーブ媒体の磁性層を初期直流磁化する工程、(b)はマスター担体とスレーブ媒体とを密着して転写磁界を印加する工程、(c)は磁気転写後のスレーブ媒体の磁性層の磁化状態をそれぞれ示す図である。なお、図2においてスレーブ媒体2についてはその下面記録面22のみを示している。
【0031】
図2(a)に示すように、予めスレーブ媒体2に初期磁界Hinをトラック方向の一方向に印加してその磁性層22の磁化をトラック方向の一方向に初期磁化させる。その後、図2(b)に示すように、このスレーブ媒体2の記録面22とマスター担体3の基板31の微細凹凸パターンに磁性層32が被覆されてなる情報担持面とを密着させ、スレーブ媒体2のトラック方向に前記初期磁界Hinとは逆方向に転写用磁界Hduを印加して磁気転写を行う。その結果、図2(c)に示すように、スレーブ媒体2の磁性層22にはマスター担体3の情報担持面の磁性体パターンパターンに応じた情報(例えばサーボ信号)が磁気的に転写記録される。ここでは、スレーブ媒体2の下側記録面22と下側マスター担体3とについて説明したが、スレーブ媒体2の上側記録面23についても上側マスター担体4と密着させて同様に磁気転写を行う。但し、スレーブ媒体2の上下記録面22、23への磁気転写は同時になされてもよいし、片面ずつ順次なされてもよい。
【0032】
また、マスター担体3の凹凸パターンが図2のポジパターンと逆の凹凸形状のネガパターンの場合であっても、初期磁界Hinの方向および転写用磁界Hduの方向を上記と逆方向にすることによって同様の情報を磁気的に転写記録することができる。なお、初期磁界および転写用磁界は、スレーブ媒体の保磁力、マスター担体およびスレーブ媒体の比透磁率を勘案して定められた値を採用する必要がある。
【0033】
次に、本発明のマスター担体についてより詳細に説明する。
【0034】
図3は、図1の本実施形態のマスター担体3の、サーボ領域3aの最大半径同心円rout、中央半径同心円rm、最小半径同心円rin上のそれぞれに形成されている磁性体パターンの一部を拡大した上面図である。磁性体エレメント3bの上面形状(図中斜線で示す部分)は略平行四辺形であり、その対向する1組の辺は同心円の円周方向Xに沿って延び、他の1組の辺33は円周方向に交差して延びる。内周側rinから外周側routにかけて、その半径位置により、エレメント3bの上面形状を構成する前述の他の1組の辺33の半径方向Yに対する傾きおよび該上面形状の半径方向の幅が異なっている(Win<Wm<Wout)。本実施形態においては、内周側のエレメント3bは略半径方向Yに沿った辺33を有し、外周側のエレメント3bの辺33ほど半径方向Yに対する傾きが大きくなっており、エレメント3bの幅Wも外周側ほど大きい。エレメント3bの上面形状(辺33のY方向に対する傾き)および該上面形状の半径方向の幅は、該マスター担体を用いて磁気転写がなされて得られる磁気ディスク媒体を使用する磁気ディスク装置における再生ヘッドのアジマス角を考慮して設定されたものであり、各磁性体エレメント3bの上面の前述の他の1組の辺33は、該磁性体エレメント3bの位置に対応する磁気ディスク媒体上の位置における再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向に沿って延びるものである。
【0035】
なお、マスター担体の基板としては、ニッケル、シリコン、石英板、ガラス、アルミニウム、合金、セラミックス、合成樹脂等を使用する。凹凸パターンの形成は、光ディスク原盤の作製方法として用いられているスタンパー法、半導体作製時に使用されるフォトリソグラフィ法等を用いて行われる。基板の凹凸パターンの深さ(突起の高さ)は、80nm〜800nmの範囲が好ましく、より好ましくは150nm〜600nmである。この凹凸パターンはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。例えば、半径方向の長さは0.05〜20μm、円周方向は0.05〜5μmが好ましく、この範囲で半径方向の方が長いパターンであることがサーボ信号の情報を担持するパターンとして好ましい。
【0036】
また、磁性層の磁性材料としては、軟磁性もしくは半硬質磁性の材料が好ましく、具体的には、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金(NiFe)等が用いられる。特に好ましいのはFeCo、FeCoNiである。この磁性層は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜形成される。磁性層の厚みは、50nm〜500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは150nm〜400nmである。
【0037】
図4は上記実施の形態の磁気転写用マスター担体を用いて磁気転写がなされた、本発明の一実施形態の磁気ディスク媒体を備えた磁気ディスク装置の要部上面図を示すものである。
【0038】
図4に示すように、磁気ディスク装置10は、磁気転写により形成された磁化パターンを有する磁気ディスク媒体2、ピボット11を中心に回動するアーム12、該アーム12の一部(先端)に固定された、データの記録・再生を行う磁気ヘッド13、アーム12を回動させるアクチュエータ14、磁気ディスク媒体2を回転させるスピンドルモータ15を備え、さらに図示しない、ヘッドの位置決めやディスク回転を制御するコントローラ、データ処理回路、コンピュータとのインターフェース、カバーを備えてなる。
【0039】
磁気ディスク媒体2は、1枚もしくは複数枚積層され、スピンドルモータ15により回転している。
【0040】
データの記録・再生を行う磁気ヘッド13は、記録および再生を1つのヘッドエレメントで行うものであってもよいし、記録および再生を別個のヘッドエレメントで行うものであってもよい。前者のヘッドエレメントおよび後者の記録ヘッドエレメントとしてはフェライトヘッドや薄膜ヘッド等のインタラクティブヘッドが挙げられ、後者の再生ヘッドエレメントとしてはMRヘッドもしくはGMRヘッド等が挙げられる。
【0041】
アクチュエータ14は、アーム12を回動させることにより、結果としてアーム12の先端に取り付けられている磁気ヘッド13を、図4中点線で示すように、ディスク2の内外周を円弧状に移動させる。
【0042】
図5は、図4に示した磁気ディスク装置10に備えられた磁気ディスク媒体2の外周側トラックTout、中央トラックTm、内周トラックTinのそれぞれに形成されている磁化パターン2aを模式的に示すものである。図中には、再生ヘッドエレメント20(以下、単に再生ヘッド20という)を各トラックにおけるその傾きを示すために併せて示している。磁気ディスク媒体2の磁化パターン2aは、図3に示したマスター担体3の磁性体パターンに応じて形成されたものであり、個々の磁区2bおよび磁壁2cは、磁性体エレメント3bの形状に応じたものとなっている。図5に示すように、磁化パターン2aを構成する磁区2b間のトラック方向Xに交差する磁壁(磁化遷移領域)2cの延びる方向Aの、該トラック方向Xに垂直な半径方向Yに対する傾きは各トラック毎で異なっている。各トラックにおける、磁壁2cの延びる方向Aは、各トラックにおける再生ヘッド20のヘッドギャップの幅の延びる方向Bと略平行となるように形成されている。また、各トラックTout、Tm、Tinの記録トラック幅Wout、Wm、Winも再生ヘッド20の傾きに応じて設定されており、ここでは、外周側ほどトラック幅が広く形成されている。
【0043】
磁気ディスク媒体2は、該磁気ディスク媒体2が備えられる磁気ディスク装置の再生ヘッド20のトラックに対する傾きに応じた磁化パターンが磁気転写により形成されているので、再生ヘッド20は常にそのヘッドギャップの幅の延びる方向(再生トラック幅方向)Bに略平行な磁化遷移領域2cを検出することができ、アジマス損失を抑え、良好な再生信号を得ることができる。
【0044】
なお、図5に示す磁化パターンは本実施形態の磁気ディスク装置10に適したものであるが、磁気ディスク媒体の磁化パターンおよび該磁化パターンを形成するためのマスター担体の磁性体パターンは、磁気ディスク媒体が備えられる磁気ディスク装置の構成、すなわち、アームの長さ、ピボットの位置、ヘッドの取り付け位置等に応じたものとすることができる。従って、マスター担体の磁性体パターンおよび磁気ディスクの磁化パターンはそれぞれ図3および図5に示すものに限るものではない。
【0045】
例えば、再生ヘッドが中央トラックTmの位置でトラック方向に略平行となる磁気ディスク装置に用いられる磁気ディスク媒体の磁化パターンは、中央トラックTmで磁化パターンがトラック幅方向に平行な磁化遷移領域を備え、外周トラックToutと内周トラックTinとの磁化パターンの磁化遷移領域の傾きが互いに異なる方向となるものである。
【0046】
このような磁化パターンを形成するための磁気転写用マスター担体は、例えば、図6に示すように、中央半径同心円rmに形成されている磁性体エレメント103bが、半径方向Yに沿った1組の辺133を有する上面形状であり、最大半径同心円routに形成されている磁性体エレメントと最小半径同心円rinに形成されている磁性体エレメントのそれぞれの辺133が互いに異なる方向となっている。
【0047】
なお、上記実施の形態において、マスター担体により磁気ディスク媒体に転写する情報はサーボ信号としたが、サーボ信号に限るものではない。
【0048】
また、上記において、凹凸パターンは同心円状に配列されたものとしたが、必ずしも同心円状に限るものではなく、螺旋状に配列されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態にかかるマスター担体および磁気ディスク媒体を示す斜視図
【図2】本発明の一つの実施の形態にかかるマスター担体を使用した磁気転写方法の工程を示す図
【図3】図1に示す磁気転写用マスター担体の磁性体パターンの一部を示す平面図
【図4】本発明の磁気ディスク媒体の一実施形態における磁化パターンの一部を模式的に示す図
【図5】磁気ディスク装置の要部を示す平面図
【図6】本発明の他の実施の形態にかかるマスター担体の磁性体パターンの一部を示す平面図
【符号の説明】
2 磁気ディスク媒体
2a 磁化パターン
2b 磁区
2c 磁化遷移領域(磁壁)
3 磁気転写用マスター担体
3a サーボ領域(磁性体パターン)
3b 磁性体エレメント
10 磁気ディスク装置
11 ピボット
12 アーム
13 磁気ヘッド
14 アクチュエータ
15 スピンドルモータ
21 磁気ディスク媒体のベース
22、23 磁気ディスク媒体の磁性層(磁気記録層)
31 磁気転写用マスター担体の基板
32 磁性層
Claims (4)
- 回動するアームの一部に固定された再生ヘッドを備えた磁気ディスク装置に使用される磁気ディスク媒体に対して情報を転写するための、該情報に応じた同心円状もしくは螺旋状に配列された磁性体パターンを表面に有する円盤状の磁気転写用マスター担体であって、
前記磁性体パターンを構成する各磁性体エレメントが、略平行四辺形状の上面を有し、該上面の対向する1組の辺が前記同心円もしくは螺旋の円周方向に沿って延び、他の1組の辺が該円周方向に交差して延びるものであり、
前記各磁性体エレメントの前記他の1組の辺が、該磁性体エレメントの位置に対応する前記磁気ディスク媒体上の位置における前記再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向に沿って延びるものであることを特徴とする磁気転写用マスター担体。 - 前記情報がサーボ信号であることを特徴とする請求項1記載の磁気転写用マスター担体。
- 回動するアームの一部に固定された、再生ヘッドを備えた磁気ディスク装置に使用される、同心円状もしくは螺旋状のトラックを有する磁気ディスク媒体であって、
請求項1または2記載の磁気転写用マスター担体を用いた磁気転写により、前記トラックに沿って配列された磁区からなる磁化パターンが形成されたものであり、
前記磁化パターンを構成する、前記トラックに沿って配列された前記磁区間の磁化遷移領域が、該トラック位置における前記再生ヘッドのヘッドギャップの幅方向に沿って延びるものであることを特徴とする磁気ディスク媒体。 - 前記磁化パターンが、サーボ信号に応じたパターンであることを特徴とする請求項3記載の磁気ディスク媒体。
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