JP2002251721A - 磁気転写用マスター担体 - Google Patents

磁気転写用マスター担体

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JP2002251721A
JP2002251721A JP2001046596A JP2001046596A JP2002251721A JP 2002251721 A JP2002251721 A JP 2002251721A JP 2001046596 A JP2001046596 A JP 2001046596A JP 2001046596 A JP2001046596 A JP 2001046596A JP 2002251721 A JP2002251721 A JP 2002251721A
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Makoto Nagao
信 長尾
Shoichi Nishikawa
正一 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気転写用のマスター担体の寿命を長くし、
より多くのスレーブ媒体への磁気転写を可能とする。 【解決手段】 磁気転写用マスター担体3の非転写領域
11、12に、転写領域10に形成される凹凸パターンの凸部
表面よりも高い表面を有する凸部15、16を形成すること
により、転写時におけるスレーブ媒体2と前記凹凸パタ
ーンとの接触圧を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スレーブ媒体に情
報を転写するための凹凸パターンを備えた磁気転写用マ
スター担体に関すものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体においては一般に、情報量
の増加と共に多くの情報を記録する大容量で安価で、さ
らに好ましくは短時間で必要な箇所が読み出せるよう
な、いわゆる高速アクセスが可能な媒体が望まれてい
る。それらの一例としてハードディスク装置やフロッピ
ー(登録商標)ディスク装置に用いられる高密度磁気デ
ィスク媒体が知られ、その大容量を実現するためには、
狭いトラック幅を正確に磁気ヘッドが走査し、高いS/
N比で信号を再生する、いわゆるトラッキングサーボ技
術が、大きな役割を担っている。ディスクの1周の中
で、ある間隔でトラッキング用のサーボ信号、アドレス
情報信号、再生クロック信号等が、いわるプリフォーマ
ットとして記録されている。
【0003】磁気ヘッドはこのようなプリフォーマット
の信号を読み取って自らの位置を修正することにより正
確にトラック上を走行することが可能に設定されてい
る。現在のプリフォーマットは、ディスクを専用のサー
ボ記録装置を用いて1枚ずつまた1トラックずつ記録し
て作成される。
【0004】しかしながら、サーボ記録装置は高価であ
り、またプリフォーマット作成に時間が掛かるために、
この工程が製造コストの大きな部分を占めることにな
り、その低コスト化が望まれている。
【0005】一方、1トラックずつプリフォーマットを
書くのではなく、磁気転写によりそれを実現する方法も
提案されている。例えば、特開昭63−183623、
特開平10−40544および特開平10−26956
6に磁気転写技術が紹介されている。この磁気転写は、
被磁気転写媒体である磁気ディスク媒体等のスレーブ媒
体に対して転写すべき情報に対応する凹凸パターンを有
するマスター担体を用意し、このマスター担体とスレー
ブ媒体を密着させた状態で、転写用磁界を印加すること
により、マスター担体の凹凸パターンが担持する情報
(例えばサーボ信号)に対応する磁気パターンをスレー
ブ媒体に転写するもので、マスター担体とスレーブ媒体
との相対的な位置を変化させることなく静的に記録を行
うことができ、正確なプリフォーマット記録が可能であ
り、しかも記録に要する時間も極めて短時間である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気転写法
ではマスター担体はスレーブ媒体と密着させて磁気転写
を行うために、まず、マスター担体とスレーブ媒体とを
密着させた状態で位置決めする必要がある。この位置決
め時にマスター担体とスレーブ媒体とが擦れあうため、
繰り返される磁気転写に伴いマスター担体の情報を担持
したパターン面形状が摩耗して転写精度が低下する。
【0007】摩耗して転写精度が低下するとマスター担
体の交換が必要となるが、このマスター担体は非常に高
価なものであり、1枚のマスター担体で何枚のスレーブ
媒体に転写することができるかが製造コストを抑制する
にあたって非常に重要な問題となる。
【0008】本発明は上記事情に鑑み、より多くのスレ
ーブ媒体への磁気転写を行うことができる寿命の長いマ
スター担体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気転写用マス
ター担体は、スレーブ媒体に情報を転写するための凹凸
パターンを備えた転写領域と、該転写領域に隣接する非
転写領域を有する磁気転写用マスター担体であって、前
記非転写領域に、転写時における前記スレーブ媒体と前
記凹凸パターンとの接触圧を低減するための凸部を備え
たことを特徴とするものである。
【0010】ここで、前記凸部による前記スレーブ媒体
と前記凹凸パターンとの接触圧の低減された状態とは、
接触圧がゼロすなわち両者が接触しない状態をも含む。
また、上記「転写時」とはスレーブ媒体とマスター担体
との位置決め時をも含むものである。
【0011】前記凸部表面の前記凹凸パターンの凹部底
面からの高さは、同底面から前記凹凸パターンの凸部表
面までの高さよりも大きいことが望ましい。
【0012】また、前記転写領域はドーナツ形状であ
り、前記非転写領域は前記ドーナツ形状の内周および/
もしくは外周に形成されていてもよい。この場合、前記
凸部は前記ドーナツ形状の前記内周および/もしくは外
周の前記スレーブ媒体と対向する位置にリング状に形成
されていてもよい。また、リング状に限らず、円弧状や
点状の複数の凸部から構成されていてもよい。
【0013】なお、上記各磁気転写用マスター担体にお
いては、前記凸部表面と前記凹凸パターンの凸部表面と
に保護膜が形成されていることが望ましい。
【0014】また、前記凸部表面と前記凹凸パターンの
凸部表面との高低差は20nmから200nmであるこ
とが望ましい。
【0015】
【発明の効果】本発明の磁気転写用マスター担体は、非
転写領域に、転写時におけるスレーブ媒体と凹凸パター
ンとの接触圧を低減するための凸部を備えているので、
スレーブ媒体と凹凸パターンとの間に生じる摩擦を低減
することができ、特に、凹凸パターンの摩耗の主原因と
考えられるスレーブ媒体との位置決め時におけるスレー
ブ媒体と凹凸パターンとの接触圧を低減することがで
き、凹凸パターンの摩耗を遅延させることができる。従
って、マスター担体の寿命が延び、より多くのスレーブ
媒体への磁気転写が可能となる。これにより、磁気転写
におけるコストが削減され、プリフォーマット済みのス
レーブ媒体を低価格で提供することができるようにな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態による磁気転写
用マスター担体の具体的形状を図1に示す。図1(a)
はマスター担体の上面図、図1(b)は同図(a)のI
−I線断面図である。
【0017】図1(a)に示すように、マスター担体3
はディスク状に形成されており、同図中点線で囲まれる
ドーナツ形状の領域がスレーブ媒体に情報を転写するた
めの凹凸パターンが形成される転写領域10である。また
この転写領域10の内周側および外周側の領域は非転写領
域11、12であり、この非転写領域11、12の一部に凸部1
5、16が形成されている。凸部15は内側非転写領域11の
縁部に沿ってリング状に、凸部16は外側非転写領域12の
縁部に沿ってリング状に形成されている。
【0018】図1(b)に示すように、マスター担体3
の内周側非転写領域11、外周側非転写領域にそれぞれ形
成されている凸部15,16表面はそれぞれ凹凸パターンの
凸部表面よりも高い。この凸部表面と凹凸パターンの凸
部表面との高低差Δhは20nmから200nm程度と
することが望ましい。
【0019】また、図1(b)においてはマスター担体
3上に一点鎖線でスレーブ媒体2を示している。被磁気
転写媒体であるスレーブ媒体2は、例えばハードディス
ク装置やフロッピーディスク装置に用いられる磁気ディ
スク媒体であり、マスター担体3の転写領域10に対応す
るユーザ使用領域に上述の凹凸パターンが担持する情報
を磁気転写される。スレーブ媒体2は、そのユーザ使用
領域の内外周縁のユーザ不使用領域をマスター担体3の
凸部が支持する状態で磁気転写がなされることとなる。
図中では、マスター担体3の凹凸パターンと凸部15、16
との高低差により、凹凸パターンの領域でマスター担体
3とスレーブ媒体2が完全に離間しているように示され
ているが、実際には、作製上の問題でマスター担体には
反りがあり、また両者を密着させる際にスレーブ媒体、
マスター担体共に撓みが生じるために凹凸パターンの凸
部表面とスレーブ媒体とが接触すると考えられる。しか
しながら、スレーブ媒体がその周縁部でマスター担体の
凸部に支持されているために、両者の接触圧は非常に小
さいものとなる。従って特に、両者の位置決め時におけ
る摩擦を従来より非常に小さく抑えることができ、凹凸
パターン形状の摩耗速度の遅延化、即ちマスター担体の
寿命を長くすることができる。なお、磁気転写に際して
は、マスター担体3の凹凸パターンとスレーブ媒体2と
は略均一な距離を保って非接触の状態でもよいし、両者
が接触した状態であってもよい。なお、非接触の状態で
のマスター担体3の凹凸パターンとスレーブ媒体2との
離間距離は500nm程度以下、さらには100nm以
下が好ましい。また、スレーブ媒体2および/もしくは
マスター担体3の撓み等により各部分で離間距離が大き
く異なってしまう場合には、スレーブ媒体又はマスター
担体の背面を加圧し、凹凸パターンの全面をスレーブ媒
体と接触させる。
【0020】図2、図3は本発明の別の実施形態による
磁気転写用マスター媒体を示すものである。図1に示し
たマスター媒体3は、その非転写領域11、12にリング状
の凸部15、16を備えるものであったが、マスター媒体の
凹凸パターンとスレーブ媒体との接触圧を低減するため
に形成される凸部は、点状のもの、円弧状のものであっ
てもよく、また、内周側非転写領域、外周側非転写領域
の両方にあってもよいし、片方のみに形成されていても
よい。図2のマスター媒体3’は、その外周側非転写領
域12’のみに点状の凸部16’が複数形成されたものであ
り、一方、図3のマスター媒体3”は、その内周側非転
写領域11”および外周側非転写領域12”にそれぞれ円弧
状の凸部15”、16”が複数形成されたものである。いず
れの場合にも、図1に示した上述のマスター媒体3と同
様に凹凸パターンとスレーブ媒体2との接触圧を低減す
る効果を得ることができる。
【0021】次に、マスター担体の作製について説明す
る。マスター担体の基板としては、ニッケル、シリコ
ン、石英板、ガラス、アルミニウム、合金、セラミック
ス、合成樹脂等を使用する。凹凸パターンの形成は、ス
タンパー法、フォトファブリケーション法等によって行
われる。ここでは、凹凸パターンの形成にスタンパー法
を用いた場合のマスター担体の作製について説明する。
【0022】まず、スタンパー法により、表面が平滑な
ガラス板(または石英板)の上にスピンコート等でフォ
トレジストを形成し、このガラス板を回転させながらサ
ーボ信号に対応して変調したレーザー光(または電子ビ
ーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定のパター
ン、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に
延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレ
ームに対応する部分に露光し、その後、フォトレジスト
を現像処理し、露光部分を除去しフォトレジストによる
凹凸形状を有する原盤を得る。次に、原盤の表面の凹凸
パターンをもとに、この表面にメッキ(電鋳)を施し、
ポジ状凹凸パターンを有するNi基板を作成し、原盤か
ら剥離する。この基板をそのままマスター担体とする
か、または凹凸パターン上に必要に応じて軟磁性層、保
護膜を被覆してマスター担体とする。
【0023】また、前記原盤にメッキを施して第2の原
盤を作成し、この第2の原盤を使用してメッキを行い、
ネガ状凹凸パターンを有する基板を作成してもよい。さ
らに、第2の原盤にメッキを行うか樹脂液を押し付けて
硬化を行って第3の原盤を作成し、第3の原盤にメッキ
を行い、ポジ状凹凸パターンを有する基板を作成しても
よい。
【0024】なお、前記ガラス板にフォトレジストによ
るパターンを形成した後、エッチングしてガラス板に穴
を形成し、フォトレジストを除去した原盤を得て、以下
前記と同様に基板を形成するようにしてもよい。
【0025】金属による基板の材料としては、Niもし
くはNi合金を使用することができ、この基板を作成す
る前記メッキは、無電解メッキ、電鋳、スパッタリン
グ、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法が適
用できる。基板の凹凸パターンの深さ(突起の高さ)
は、80nm〜800nmの範囲が好ましく、より好ま
しくは150nm〜600nmである。この凹凸パター
ンはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。
例えば、半径方向の長さは0.05〜20μm、円周方
向は0.05〜5μmが好ましく、この範囲で半径方向
の方が長いパターンを選ぶことがサーボ信号の情報を担
持するパターンとして好ましい。
【0026】基板がNiなどによる強磁性体の場合はこ
の基板のみで磁気転写は可能であるが、転写特性の良い
磁性層を設けることでより良好な磁気転写を行うことが
できる。また、基板が非磁性体の場合は磁性層を設ける
ことが必要である。
【0027】この磁性層(軟磁性層)は、磁性材料を真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜形成する。
磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoN
i、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe
合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeA
lSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金(N
iFe)を用いることができる。特に好ましくはFeC
o、FeCoNiである。磁性層の厚みは、50nm〜
500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは150
nm〜400nmである。
【0028】なお、磁性層の上にさらに5〜30nmの
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の保護膜を設
けることが好ましく、さらに潤滑剤を設けてもよい。ま
た、磁性層と保護膜の間に、Si等の密着強化層を設け
てもよい。
【0029】前記原盤を用いて樹脂基板を作製し、その
表面に磁性層を設けてマスター担体としてもよい。樹脂
基板の樹脂材料としては、ポリカーボネート・ポリメチ
ルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
・塩化ビニル共重合体などの塩化ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル
などが使用可能である。耐湿性、寸法安定性および価格
などの点からポリカーボネートが好ましい。成形品にバ
リがある場合は、バーニシュまたはポリッシュにより除
去する。樹脂基板のパターン突起の高さは、50〜10
00nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは200〜
500nmの範囲である。
【0030】前記樹脂基板の表面の微細パターンの上に
磁性層を被覆しマスター担体を得る。なお、磁性層は、
磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成
膜形成する。
【0031】なお、原盤作製時に凹凸パターンの溝より
も深い溝をマスター担体基板の非転写領域に対応する箇
所に形成し、この原盤を用いれば、凹凸パターンの凸部
表面よりも高い表面を有する凸部を備えた基板を容易に
得ることができ、上記実施形態に示した非転写領域に凸
部を有するマスター担体を作製することができる。図4
はこのようにして作製したマスター担体の一部断面図を
示すものであり、図示のマスター担体3は、凹凸パター
ンとこの凹凸パターンの凸部表面よりも高い凸部36とが
形成された基板31と、この基板31上に一様に形成された
軟磁性層33、保護層35とからなる。
【0032】また、図5に示すマスター担体4のよう
に、基板41には凹凸パターンよりも高い凸部を形成する
ことなく、基板41上に一様に軟磁性層43を形成し、その
上層に形成される保護層44を一部厚く形成することによ
り凹凸パターンの凸部表面よりも高い凸部46を形成する
ようにしてもよい。これば、例えば、全面に一様に保護
膜を形成した後に、凸部形成部以外にマスクをしてさら
に保護層を形成することにより達成可能である。
【0033】本発明の磁気転写用マスター担体を使用す
る磁気転写の原理を図6に基づき説明する。まず図6
(a)に示すように、予めスレーブ媒体2に初期磁界Hin
をトラック方向の一方向に印加して初期磁化(直流消磁)
を施しておく。その後、図6(b)に示すように、このス
レーブ媒体2の記録面とマスター担体3の凹凸パターン
が形成されている情報担持面とを密着させ、スレーブ媒
体2のトラック方向に前記初期磁界Hinとは逆方向に転
写用磁界Hduを印加して磁気転写を行う。その結果、図
6(c)に示すように、スレーブ媒体2の磁気記録面(ト
ラック)にはマスター担体3の情報担持面の凹凸形成パ
ターンに応じた情報(例えばサーボ信号)が磁気的に転
写記録される。
【0034】以下に、本発明の磁気転写方法の実施例を
示し、その特性を評価した結果を表1に示す。
【0035】[実施例]ガラス基板上にフォトレジストを
塗布し、0.5μmラインとスペースとなるように露
光、フォトレジストを現像処理し露光部分を除去した
後、エッチングを施して基板に凹凸を設け原盤を得、こ
の原盤にニッケルメッキ後、このニッケルを剥離させて
表面を研磨し、このニッケルをマスター担体の基板とし
た。このニッケル基板の表面にスパッタにより軟磁性層
としてFe75Co25を200nm蒸着させ、その
後、マスクを用いて凹凸パターンの周辺(図1に示す内
周側および外周側非転写領域)5mmの部分にCrをス
パッタ蒸着させることにより凸部を設けた。図1に示す
凹凸パターンの凸部高さと周辺部に設けられる凸部高さ
の差Δhがそれぞれ200nm(実施例1)、100n
m(実施例2)、20nm(実施例3)のものを用意
し、凸部が設けられていない従来のもの(比較例)と比
較した。
【0036】スレーブ媒体としては2.5インチのガラ
ス基板上に下地層TaSi、磁性層さらに、磁性層上に
DLC(ダイアモンドライクカーボン)層10nmが設
けられたメディアを用いた。このスレーブ媒体の磁性層
としては保持力Hcは199kA/m(2500Oe)
のものを用いた。
【0037】上記のような各マスター担体とスレーブ媒
体とを軽く重ねた後、減圧、圧力をかけて両者を密着し
た状態で、まずトラックの一方向に398kA/m(5
000Oe)の初期直流磁界を印加し、その後逆方向に
199kA/m(2500Oe)の転写磁界を印加して
磁気転写を行った。
【0038】まず、スペーシングに対する信号品位の変
化を確認するため、MR(磁気抵抗効果)ヘッドによる
C/N測定を行った。これはマスター担体の凹凸パター
ンとスレーブ媒体との密着度(接触圧)に依存する結果
となり、Δhが大きくなるほどC/Nが低下した。しか
しながら、通常の使用にあたっては20dBのレベルで
あれば十分と考えられる。なお、ギャップ長0.23μ
m、記録幅3.0μmの記録ヘッド、ギャップ長0.1
7ミクロンm、再生幅2.1μmの再生ヘッドを使用
し、再生出力をスペクトルアナライザーで周波数分解し
て1stピークの信号値とノイズ値からC/Nを求め
た。
【0039】マスター担体の耐久性の評価は、磁気転写
1回目と1000回目のスレーブ媒体について内周から
約20mmのところを再生し、エンベロープの最大値か
ら6dB低下した部分の時間の総合計を測定して行っ
た。各実施例および比較例について10サンプルずつ測
定を行って平均を取り、比較例に挙げた従来のマスター
担体を使用した場合のドロップアウト(Drop Ou
t)時間を1として実施例1から3についてのドロップ
アウト時間を比で表した。
【0040】
【表1】 表1に示すように、本発明のマスター担体の実施例1〜
3はいずれも比較例に比べてドロップアウト時間が少な
く、1000回の転写後も良好な磁気転写が可能である
ことがあきらかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態に係るマスター担体の
上面図および断面図
【図2】本発明の他の実施形態に係るマスター担体の上
面図
【図3】本発明の他の実施形態に係るマスター担体の上
面図
【図4】マスター担体の層構成を示す断面図
【図5】マスター担体の層構成を示す断面図
【図6】本発明の一つの実施形態に係るマスター担体を
用いた磁気転写方法を示す図
【符号の説明】
2 スレーブ媒体 3,4 マスター担体 10 転写領域 11,12 非転写領域 15,16 凸部 31,41 基板 33,43 軟磁性層 34,44 保護膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スレーブ媒体に情報を転写するための凹
    凸パターンを備えた転写領域と、該転写領域に隣接する
    非転写領域を有する磁気転写用マスター担体であって、 前記非転写領域に、転写時における前記スレーブ媒体と
    前記凹凸パターンとの接触圧を低減するための凸部を備
    えたことを特徴とする磁気転写用マスター担体。
  2. 【請求項2】 前記凸部表面の前記凹凸パターンの凹部
    底面からの高さが、同底面から前記凹凸パターンの凸部
    表面までの高さよりも大きいことを特徴とする請求項1
    記載の磁気転写用マスター担体。
  3. 【請求項3】 前記転写領域がドーナツ形状であり、 前記非転写領域が前記ドーナツ形状の内周および/もし
    くは外周に形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の磁気転写用マスター担体。
  4. 【請求項4】 前記凸部が前記ドーナツ形状の前記内周
    および/もしくは外周の前記スレーブ媒体と対向する位
    置にリング状に形成されていることを特徴とする請求項
    3記載の磁気転写用マスター担体。
  5. 【請求項5】 前記凸部表面と前記凹凸パターンの凸部
    表面とに保護膜が形成されていることを特徴とする請求
    項1から4いずれか1項記載の磁気転写用マスター担
    体。
  6. 【請求項6】 前記凹凸パターンの凸部表面と前記第2
    の凸部表面との高低差が20nmから200nmである
    ことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の磁
    気転写用マスター担体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009238331A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Fujifilm Corp 磁気転写用マスター担体及びその製造方法、並びに磁気記録媒体
US7630153B2 (en) 2003-08-27 2009-12-08 Fujifilm Corporation Master carrier for magnetic transfer

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