JP2004138218A - ホースガイド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性を有するホースHの所定部位を挿通すると共に、ホースHの折れを防止する螺旋体11を有するホースガイド10であって、螺旋体11は帯体20が螺旋状に捲回されて形成され、この帯体20の基準断面は、ホースHの挿通側が直線部21をなし、反対側が膨出形状部22をなし、直線部21と膨出形状部22との間が直線部21に対して鋭角をなすと共に互いに開く切欠線部23をなしている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、可撓性を有するホースが折れて潰れることを防止するために装着されるホースガイドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のホースガイドとして、図5(a)に示すようなものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このホースガイド1は図示しない可撓性を有するホースが挿入される螺旋体2を備え、螺旋体2は帯体3が螺旋状に捲回されて形成されている。
【0004】
そして、この帯体3は、ホースに対向する内側面3aが直線で形成された底辺で、外側面3bが直線で形成された上辺で、両側面3c、3cが外側面3bに向かうにつれて互いに近づく傾斜辺の台形形状を呈した基準断面を有している。ここで、基準断面とは帯体3の螺進方向に対して直交する断面である。また、図5(a)に示す断面は、螺旋体2の軸方向に沿った断面であるために台形がわずかに捩れて、基準断面とは少し異なった断面となっている。しかし、ここでは基準断面の図示を省略し、図5(a)に示す断面を基準断面と仮に同様に扱う。
【0005】
さらに、従来のホースガイドの他の例として、螺旋体の軸方向に沿った断面(基準断面と同様に扱う)が図5(b)、図5(c)に示すようなものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
図5(b)に示す帯体4の基準断面は、ホースに対向する内側面4aが直線で、外側面4bが円弧で、両側面4c、4cが内側面4aと直交する直線に形成されている。
【0007】
図5(c)に示す帯体5の基準断面は楕円形状であり、長軸が螺旋体の軸方向に沿っている。
【0008】
【特許文献1】
登録実用新案第2527836号公報(第5頁、第1図)
【特許文献2】
実公昭51−19724号公報(第2欄−第3欄、第1図、第4図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そして、上述のホースガイド1を射出成形で製造する際には、螺旋体2の中心に配置される棒状の中心型と、外側に配置される2分割の外型とが必要となる。しかし、螺旋体2の基準断面は肉厚が偏っているため、中心部分ほど引けが大きく、一般的に内側面3aが凹湾曲する。そして、帯体3の内側面3aの両端が鋭角になったり、型分割位置となっている内側面3aの両端にバリが生じたりしていた。
【0010】
そのため、ホースがホースガイド1の螺旋体2ごと繰り返し屈曲された際に、鋭角になった内側面3aの両端がホースの外表面を擦過したり、挟んだり、噛み込んだり等して、ホースの外表面を傷つけて脆弱にしてしまうおそれもあった。
【0011】
また、図5(b)に示すホースガイドであっても、上述のホースガイド1と比較して少しは改善されたとしても、帯体4の内側面4aの両端が鋭角になりやすく、同様な問題を生じていた。
【0012】
さらに、図5(c)に示す帯体5では、螺旋体を成形する際に外型を基準断面の楕円の長軸位置で型分割せざるを得ず、螺旋体の内側に挿入される中心型を引き抜くことができずに、この中心型を回転させながら外していた。そのため、成形に手間がかかり製造コストが上昇するという問題があった。
【0013】
この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、可撓性を有するホースの折れを防止すると共に、ホースの外表面に擦過傷を与えたり挟み込んだりせず、容易に形成することができる基準断面の螺旋体を有したホースガイドを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のホースガイドは、可撓性を有するホースの所定部位を挿通すると共に、ホースの折れを防止する螺旋体を有し、螺旋体は帯体が螺旋状に捲回されて形成され、この帯体の基準断面は、ホースの挿通側が直線部をなし、反対側が膨出形状部をなし、直線部と膨出形状部との間が直線部に対して鋭角をなすと共に互いに開く切欠線部をなしていることを特徴としている。
【0015】
請求項1の発明によれば、帯体の基準断面は、直線部と膨出形状部との間の角が切欠線部によって除去され、ホースに当たるこの部分が鋭角になったりバリが生じたりすることを防止できる。そして、ホースが繰り返し折れ曲がっても、帯体の直線部の両端でホースの外表面を擦過したり、挟み込んだり、噛み込んだり等することがなくなる。さらに、ホースの外表面を傷つけて脆弱にしてしまうおそれもなくなる。
【0016】
また、帯体の基準断面は、ホースの挿通側が直線をなすと共に、型分割位置が緩い傾斜の直線をなしているので、螺旋体を射出成形後に螺旋体の中心に配置された中心型を外しやすく、容易に成形することができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のホースガイドにおいて、膨出形状部の両側部分には、切欠線部と繋がり、直線部に対して鈍角をなす直線状の繋がり部が形成されたことを特徴としている。
【0018】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、ホースが曲がった際に、繋がり部が互いに当接しにくく、ホースの屈曲率を大きくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1及び図2に示す10は、ホースガイドである。
【0021】
このホースガイド10は、図1(a)に示すように、合成樹脂によって形成された螺旋体11と、螺旋体11の端部の少なくとも一方、ここでは両方に設けられた第1、第2リング部12a、12bと、一方のリング部である第1リング部12aに一体又は別体に設けられた接続部13とを有している。すなわち、この接続部13は、インサート成形によって一体にするが、成形後に圧入あるは接着剤等によって装着してもよい。
【0022】
螺旋体11は、螺旋状に捲回された帯体20を有している。この螺旋体11の内径は、この螺旋体11に挿通されるホースHの外径よりもわずかに大きくされている。
【0023】
帯体20は細長い帯状に形成された合成樹脂であり、両端部がそれぞれ第1、第2リング部12a、12bと一体に連続されている。なお、帯体20は螺旋部11の全長に亘って一定或いは不定間隔のピッチで捲回されている。
【0024】
そして、この帯体20の基準断面Dは、図1(b)に示すように、ホースHの挿通側が直線状の直線部21をなし、反対側が外側に膨出した膨出形状部22をなし、この直線部21と膨出形状部22との間が直線部21に対する角θ、θを鋭角にすると共に互いに開く方向に延在する切欠線部23、23をなしている。
【0025】
ここで、基準断面とは、帯体20の螺進方向に対して直交する断面である。そして、帯体20はこの基準断面が螺旋状に連続することで形成されている。
【0026】
なお、図3に示す帯体20の断面は、螺旋体11の中心軸O(図1参照)に沿った断面であり、基準断面とはわずかに捩れて異なった形状になっている。
【0027】
そして、切欠線部23、23の直線部21に対する角θ、θは、後述する中心型(図示せず)を螺旋体11の一方の端部から引き抜き可能となる角度にされている。
【0028】
また、膨出形状部22の両側部分には、切欠線部23、23と繋がり、直線部21に対する角α、αが鈍角にされた繋がり部22a、22bが形成されている。そして、中心軸O側から外側に向かうにつれてこの繋がり部22a、22bは互いに近づくように形成されている。
【0029】
さらに、この膨出形状部22は、中間部分が外側に向かって膨出する円弧状に形成され、他のものに触れやすい表面が滑らかな湾曲形状を呈している。
【0030】
第1リング部12aは、帯体20の一方の端末を環状に閉鎖している。また、この第1リング部12aには、螺旋体11の反対側に延在された円筒部12cが形成されている。この円筒部12cには、例えば機器等を接続する螺子が設けられた接続部13の一端部が嵌着されている。なお、この第1リング部12aは、後述する型分割位置で分割される中心型を抜き外し可能な径に形成されている。
【0031】
第2リング部12bは、帯体20の他方の端末を環状に閉鎖している。なお、この第2リング12bの内径は、後述する型分割位置で分割される中心型を抜き外し可能な径に形成されている。
【0032】
接続部13は、両端が開口した円筒形状で、合成樹脂または金属で形成されており、一方端の内周面にネジ部13aが形成されている。そして、他方端が第1リング部12aの円筒部12cに圧入嵌着されるかインサート成形等で、円筒部12cと一体にされている。
【0033】
そして、このホースガイド10を成形するには、螺旋体11と第1、第2リング部12a、12bとを合成樹脂の射出成形によって形成する。
【0034】
このとき、図示しない成形金型は、ホースガイド10の外周面を成形する二分割の外型と、ホースガイド10の内側に挿入されて内周面を成形する棒状の中心型とを備えている。なお、外型と中心型との分割位置は、図3に示す型分割線Lである。
【0035】
また、接続部13はあらかじめ別工程で形成し、この接続部13を成形金型内に配置してから合成樹脂を射出するインサート成形によって、この接続部13と円筒部12cとを一体にする。
【0036】
そして、合成樹脂を射出してから一定温度になるまで冷却した後、外型は分割して外し、中心型はホースガイド10の一方の端部からまっすぐに引き抜いて外す。このとき、ホースガイド10の螺旋体11は、ホースHの挿通側が直線状の直線部21をなしており、中心型の外形基準断面は、高さが低く緩やかな傾斜をした台形形状を呈しているので、中心型を回転させずに引き出すだけで容易に離型することができる。そして、製造効率が向上し、製造コストを抑制することもできる。
【0037】
次に、このホースガイド10の作用について説明する。
【0038】
このホースガイド10を使用するには、例えば図2に示すように、機器K等に接続されるホースHの接続端部近傍等の所定位置に装着される。そして、ホースガイド10にホースHを挿入し、このホースHの先端を接続部13内に押込み等の公知の方法によって固定する。
【0039】
なお、このホースHは可撓性を有しており、自在に屈曲することが可能となっている。
【0040】
そして、接続部13のネジ部13aを被接続部である機器Kの取付部Nに螺合し、取付部Nにホースガイド10が固定される。これにより、ホースHと取付部Nとを容易に接続することができる。
【0041】
また、ホースHが引っ張られても、ホースHは取付部Nに固定されたホースガイド10に固定されており、ホースHの保護したい部分に設けたホースガイド10が所定の位置からずれにくいため、常にホースHを保護することができる。
【0042】
さらに、螺旋体11の両端に設けられたリング部12a、12bにホースHを挿通することよって、螺旋体11に挿入したホースHが外れることを確実に防止することができる。
【0043】
そして、ホースHが屈曲された場合、図4に示すように、帯体20が螺旋状に捲回された螺旋体11は、内側に位置する部分が縮み、外側に位置する部分が広がり、螺旋体11のないのホースHが折れることなく少々偏平となった円形が保持されて自然と曲がる。
【0044】
また一方で、螺旋体11はホースHの屈曲角度を規制すると共に、外力からホースHを保護することができる。これにより、ホースHが潰れることを防止できる。
【0045】
さらに、図3に示すように、帯体20は、その直線部21の両端21a、21bが切欠線部23、23によって角が除去され、鈍角にされているので、鋭角になったり、バリが生じたりすることがなくなる。
【0046】
そして、図4に示すように、この直線部21の両端21a、21bがホースHの外表面Haを噛み込んだり傷つけたりすることを防止できる。また、隣接する両端21a、21b同士が当接することがなくなり、ホースHの外表面Haを挟み込むことも防止できる。
【0047】
さらに、ホースHに流体を流した場合では、流体の圧力よってホースHは外径が多少膨張し、外表面Haが螺旋体11に接したまま屈曲することとなるが、直線部21の両端21a、21bによってホースHの外表面Haが傷つくおそれはない。
【0048】
また、膨出形状部22の繋がり部22a、22bが直線状に形成されると共に、中心軸O側から外側に向かうにつれて互いに近づくように形成されているので、この繋がり部22a、22bが互いに当接するまでには、ホースHを大きく曲げることになり、このホースHの屈曲率を大きくすることができる。
【0049】
そして、帯体20の膨出形状部22の中間部分が外側に向かって膨出する円弧状に形成されたので、ホースHを使用中にホースガイド10が他の物に接触しても引っ掛かりにくくなる。このため、螺旋体11の帯体20の捲回間隔が部分的に広がることがなくなり、ホースHがはみ出すことを防止できる。また、作業者がホースガイド20を握るような場合でも、膨出形状部22が湾曲しているので角が当たらず、握りやすくすることができる。
【0050】
以上、この発明に係る実施の形態の一つを図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等もこの発明に含まれる。
【0051】
例えば、直線部21と切欠線部23との連続部分である直線部21の両端21a、21bに、小さなRをつけてもよい。これにより、さらに成形金型の中心型を抜きやすくすることができると共に、さらにホースHを傷つけにくくすることができる。
【0052】
また、接続部13は螺旋部11及び第1、第2リング部12a、12bと別体に形成されているが、合成樹脂によって一体形成されてもよい。この場合、ホースガイド10を成形する工程数が少なくすることができ、ホースガイド10を容易に成形することができる。
【0053】
【発明の効果】
この発明によれば、可撓性を有するホースの折れを防止すると共に、ホースの外表面に擦過傷を与えたり挟み込んだりせず、容易に形成することができる基準断面の螺旋体を有したホースガイドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明に係るホースガイドの一部を破断した側面図である。
(b)この発明に係る帯体の基準断面である。
【図2】この発明に係るホースガイドをホースに装着した状態を示す側面図である。
【図3】図1(a)におけるA部の拡大図である。
【図4】この発明に係るホースガイドの使用状態を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)従来のホースガイドの一部を破断した側面図である。
(b)従来のホースガイドの他の例に係る要部を拡大した断面図である。
(c)従来のホースガイドの他の例に係る要部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
10 ホースガイド
11 螺旋体
20 帯体
21 直線部
22 膨出形状部
23 切欠線部
H ホース
Claims (2)
- 可撓性を有するホースの所定部位を挿通すると共に、前記ホースの折れを防止する螺旋体を有するホースガイドであって、
前記螺旋体は帯体が螺旋状に捲回されて形成され、該帯体の基準断面は、前記ホースの挿通側が直線部をなし、反対側が膨出形状部をなし、前記直線部と前記膨出形状部との間が前記直線部に対して鋭角をなすと共に互いに開く切欠線部をなしていることを特徴とするホースガイド。 - 請求項1に記載のホースガイドにおいて、前記膨出形状部の両側部分には、前記切欠線部と繋がり、前記直線部に対して鈍角をなす直線状の繋がり部が形成されたことを特徴とするホースガイド。
Priority Applications (1)
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JP2002305640A JP4342788B2 (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | ホースガイドの製造方法 |
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JP2004138218A true JP2004138218A (ja) | 2004-05-13 |
JP4342788B2 JP4342788B2 (ja) | 2009-10-14 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006130104A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Fuji Iryoki:Kk | マッサージ機の回動構造 |
US7837157B2 (en) | 2007-09-21 | 2010-11-23 | Truplast Kunststofftechnik Gmbh | Kink protector for a line |
-
2002
- 2002-10-21 JP JP2002305640A patent/JP4342788B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7837157B2 (en) | 2007-09-21 | 2010-11-23 | Truplast Kunststofftechnik Gmbh | Kink protector for a line |
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