JP2004137586A - エッチング液及びエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無機酸成分、及び酸化剤成分を含むエッチング液において、更に脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を含むエッチング液。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置や液晶表示装置等の製造において、金属薄膜による電極配線形成等の微細加工工程に用いるエッチング液、及びこれを用いたエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種金属又は金属酸化物は、半導体装置や液晶表示装置等における、微細な積層構造を有する電極・配線材料等として一般的に幅広く使用されている。従来、これら金属又は金属酸化物等を用いた電極・配線の微細加工技術としては、主として、化学薬品を用いるウエットエッチング法と、イオンエッチング法やプラズマエッチング法等のドライエッチング法とが知られている。これらの方法は、エッチング対象とする金属又は金属酸化物種、及びそれらの複合材料とその目的とする微細加工精度、製造方法等によって使い分けられている。
【0003】
ウエットエッチング法は、ドライエッチング法と比較して高価な装置を必要とせず、また安価な薬品を用いるために経済的である。そしてウエットエッチング法はエッチング対象の形状に左右されにくいために、3次元構造を有する対象物のエッチングにも適している。更には使用後のエッチング液(エッチング廃液)からは、エッチングによりエッチング液に溶解している、電極・配線材料である有用な金属類を比較的容易に回収できるので資源を有効に活用できるといった点からも、広く採用されている方法である。
【0004】
この様な半導体装置や液晶表示装置用の電極・配線材料としては、様々な金属や、その合金、そして金属酸化物が使用されている。例えば金属としてはアルミニウム、モリブデン、チタン、タングステン、ジルコニア、タンタル、金、銀、銅等やこれら金属の合金が使用されており、また画素電極(透明電極)材料等として用いられる金属酸化物としてはインジウムを含有した酸化物、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等が使用されている。これらの金属又は金属酸化物をウエットエッチング法によってエッチングする場合には、対象とする金属及び金属酸化物に適応した酸成分(無機酸成分)と酸化剤成分、そして必要に応じて補助剤等を含むエッチング液を使用するのが一般的である。
【0005】
エッチング液に要求される性能としては、
(1)エッチング速度が経済的な速度であり、制御がしやすいこと。
(2)必要とするエッチング条件下において、微細パターンを形成するためのフォトレジストを侵さないこと。
(3)エッチング液の安定性が良く、エッチング寿命が長いこと。
(4)基板及び目的とする金属以外の接液材料を溶解しないこと。
(5)取り扱いが容易であること(エッチング液の安全性が高く、調整及び保存が容易であること)。
(6)水洗が容易であること。
(7)廃液の処理が容易で、且つ再利用し易いこと
等が挙げられる。
【0006】
近年、半導体装置や液晶用表示装置として用いられる電極配線材料は、その微細加工の精度に対する要求が益々向上しており、低抵抗値を有する電極配線材料として、アルミニウムやその合金の使用が増大している。またこれら装置の特性を向上させるため、高融点金属(例えばモリブデンやその合金)を上述したアルミニウム又はその合金層の上下層に複合したような積層膜構造とすることもある。
【0007】
これらアルミニウムまたはその合金からなる金属薄膜層や、これとモリブデン等の高融点金属薄膜層等を積層した積層膜を含め、金属材料を微細加工する際のエッチング液としては、従来より、酸として燐酸、酸化剤として硝酸、そして必要に応じて補助剤として酢酸を含む、混酸水溶液が一般的に用いられている。
この燐酸、硝酸、酢酸及び水からなる混酸水溶液を用いて金属をエッチングするにおいて、エッチングされる金属の溶解機構は、酸化還元反応を利用したものであり、酸化剤である硝酸が金属表面を酸化し、酸化された金属表面を酸である燐酸で溶解させる機構を利用している(尚、硝酸は酸としての働きも示す場合がある)。
補助剤である酢酸は、希釈の効果を持ち、エッチング液の表面張力低下、エッチング速度の調整や微細パターンを形成するために基板表面に存在する、疎水性のフォトレジストとの親和性(濡れ性・浸透性)の向上に寄与することが知られている。
【0008】
この様なエッチング液を用いた一般的なエッチング方法には、スプレーノズルから基板の表面に対して鉛直方向から噴射させる方法(スプレー法)やエッチング槽にエッチング液を充填し、エッチング液中に基板を浸せきさせる方法(浸せき法)、また回転する基板表面にエッチング液を流下させる方式(スピン法)等がある。
【0009】
しかしながら、従来技術の補助剤として酢酸を用いたエッチング液には下記の様な問題点があった。例えば燐酸、硝酸、酢酸及び水からなる混酸水溶液を上記のエッチング方式等でエッチングする場合、
(1)揮発度の高い酢酸の蒸発に伴い、所定の酢酸含有量が低下すると、酢酸の機能であるエッチング速度の調整および基板表面に存在する疎水性のフォトレジストとの親和性(浸透性・濡れ性)に大きな影響を与え、基板表面でエッチングむらが発生し易くなり、目的とする均一な微細加工精度が安定して得られ難くなる。
(2)よってエッチング液の寿命が短くなり、且つエッチング液の組成制御性が難しくなる。
(3)酢酸を含有するので刺激臭があり、取り扱いに際しては臭気対策が必要となる。
(4)エッチング廃液を他用途へ再利用する際には、(3)の理由から用途に制限があり、また、あらかじめ、酢酸分を除去する等の前処理が必要であった。
【0010】
この様な酢酸の問題点に鑑み、酢酸の代替としてクエン酸及び/又はマロン酸を混合した燐酸、硝酸及び水を含む混酸水溶液を用いたアルミニウムないしアルミニウム合金薄膜のエッチング液が提案されている(例えば特許文献1及び2参照。)。このエッチング液では酢酸の臭気は無いが、特に微細加工精度を要求される様な場合には、疎水性を有するフォトレジストとの親和性(浸透性・濡れ性)を得るには酢酸の代替として十分とは言えなかった。また、クエン酸及びマロン酸等の有機酸類は、固体物質であることから、エッチング液中の水分蒸発等によって溶解度以上に濃縮されるとエッチング装置壁面等(特にスプレー方式)に析出する問題があった。よってこれらの含有量が制限されることからも補助酸としてクエン酸及び/又はマロン酸を用いたエッチング液は十分に満足されるものではなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開平10年第130870号公報
【特許文献2】
特開2000−100778号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、半導体装置又は液晶表示装置を製造するための、半導体基板又は液晶用基板の配線微細化工程におけるウエットエッチングプロセスの使用に適したエッチング液を提供することを目的とする。
【0013】
即ち、無機酸成分、酸化剤を含むエッチング液において、補助剤として酢酸成分を含有する従来技術のエッチング液の欠点を補った、新規なエッチング液を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来補助剤として用いられていた酢酸の代替として、脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を用いることによって、酢酸特有の臭気のない、またエッチング工程におけるエッチング液の組成及び液性変化を抑制できることから、目的とする安定したエッチングが得られることを見いだし、本発明者らは本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、無機酸成分、酸化剤成分、並びに脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を含むことを特徴とするエッチング液に存する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のエッチング液について詳細に説明する。
【0016】
本発明のエッチング液は、無機酸成分、酸化剤成分を含み、更に脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を含むエッチング液である。
本発明のエッチング液に用いる無機酸成分及び酸化剤成分の種類、含有量は、対象とする金属種及び目的とするエッチング速度等により、適宜選定すればよい。
無機酸成分としては燐酸、弗酸、硫酸、塩酸等が挙げられ、酸化剤成分としては硝酸、過酸化水素、過塩素酸等が挙げられ、これらを単独又は任意の割合で併用してもよい。
【0017】
これら無機酸成分は、エッチング対象の金属によって適宜選択すればよく、例えばアルミ、モリブデン、銀、及びこれらの合金のエッチング液として用いる際には、燐酸が好ましい。またSi、SiO2、並びにタンタル、チタンやこれらの合金には弗酸が好ましい。また酸化剤も同様に、金属種により適宜選択すればよいが、基板上にフォトレジストがある際には、酸化剤によってこのフォトレジストが分解されるなどの影響をも考慮して、酸化剤を選択すればよい。例えば銅やその合金に用いるエッチング液において、酸化剤成分として過酸化水素を用いる際には硫酸が好ましく、また硝酸を用いる際にはリン酸が好ましい。
【0018】
本発明のエッチング液における無機酸成分及び酸化剤成分の含有量は、先述の通り、エッチング対象となる金属種、所望のエッチング速度等によって適宜選択し決定すればよいが、一般的に無機酸成分の含有量は10〜90重量%、好ましくは10〜80重量%であり、酸化剤成分の含有量は、一般的に0.01〜25重量%、好ましくは0.01〜20重量%である。
たとえば、対象とする金属種がアルミニウムやその合金である場合には、無機酸成分としては燐酸を用いることが好ましく、エッチング液における燐酸の含有量は20〜80重量%であることが好ましく、なかでも45〜75重量%であることが好ましい。またこの際の酸化剤成分としては硝酸をもちいることが好ましく、その含有量は0.01〜20重量%、中でも0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0019】
本発明のエッチング液は、脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を含有することを特徴とする。この脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩の含有量は、主に基板表面に存在するエッチングする金属の面積とフォトレジスト樹脂によってマスクされている面積の比率並びに酸化剤の含有量によって適宜決定すればよい。
【0020】
本発明に用いる脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩は、スルホン酸基(−SO3H)に、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が結合したものである。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ、また芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基、トリル基等が挙げられる。
【0021】
本発明に於いては、中でも脂肪族炭化水素基を有するスルホン酸及び/またはその塩を用いることが好ましい。脂肪脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の数は任意であり、エッチング液に対して安定であり溶解性に優れているのもであれば、適宜選択して使用できる。具体的には炭素数が1〜10、中でも1〜4である脂肪族炭化水素基を有することが好ましい。
【0022】
この炭化水素基は飽和、不飽和の何れでもよく、また直鎖状でも環状でもよい。中でも直鎖状のものが好ましく、特に直鎖状飽和炭化水素基であることが好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、アセチニル基、n−プロピル基、i−プロピル基、プロピレニル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ブチレン基等が挙げられる。またこの脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
【0023】
置換基としては、任意の置換基が挙げられ、具体的には例えば、水酸基、エーテル基、アンモニウム基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基等が挙げられる。
【0024】
本発明で用いる脂肪族スルホン酸及び/またはその塩としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、i−プロパンスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、フェニルスルホン酸等が好ましく、中でもエタンスルホン酸、メタンスルホン酸が好ましく、特にメタンスルホン酸が好ましい。
【0025】
本発明のエッチング液における、脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩は、フォトレジスト樹脂層との親和性を向上させ、主に基板表面に存在するフォトレジスト樹脂(疎水性)によって微細化パターン化された、微細な配線構造の細部にまでエッチング液を容易に浸透させる機能を有すると考えられる。よってエッチング液中の脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩の含有量は、基板表面に存在するエッチングする金属の面積とフォトレジスト樹脂によってマスクされている面積の比率によって適宜選択し決定すればよく、一般的には0.1〜30重量%、中でも0.1〜20重量%、特に0.5〜15重量%であることが好ましい。
【0026】
さらに、処理基板内でのエッチング速度が、フォトレジスト樹脂でパターニングされていない金属のみの部分とフォトレジスト樹脂でパターニングされた部分とに差異が生じない様に、含有量を調整することが、より好ましい。
脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩の含有量が少なすぎると、処理基板内で均一なエッチングが得られなくおそれがある。一方、含有量が高すぎると、フォトレジスト樹脂層にダメージを与えるおそれがある。
また、本エッチング液には、更に界面活性剤等を添加して、エッチング液の液性を改善し、例えば表面張力の低下、接触角の低下を行ってもよい。
【0027】
エッチング液中に存在する微粒子は、パターンサイズが微細化するに伴い均一なエッチングを阻害する恐れがあるので、除去しておくことが望ましい。粒子径が0.5μm以上の微粒子は、1000個/ml以下が好ましい。この様なエッチング液は、エッチング液を精密フィルターを用いて、ろ過処理をすればよい。ろ過の方式は任意であり、ワンパス方式等でもよいが、微粒子の除去効率の点から循環式が、より好ましい。精密フィルターの孔径は、0.5μm以下のものがを用いることが好ましく、中でもフィルター孔径0.1μm以下であることが好ましい。また、フィルターの素材は、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系素材等を用いればよい。
【0028】
また本発明のエッチング液においては、エッチング液中に存在する無機酸成分、酸化剤成分及び脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩由来以外の、アニオン性不純物は、エッチング対象とする金属と難溶解性化合物(溶解度の低い塩化合物等)を形成する恐れがあるので、除去しておくことが好ましい。特に、塩素、硫黄分等は20重量ppm以下、好ましくは10重量ppm以下、より好ましくは1重量ppm以下とすることが好ましい。
尚、本発明に用いる脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩においては、アルカリ(土類)金属等、任意の金属塩として用いてもよいが、上述した様に不純物の混入防止やエッチング特性の面からも、本発明においては、脂肪族または芳香族スルホン酸をもちいることが好ましい。
【0029】
この様に製造された本発明のエッチング液は、従来技術で補助剤として酢酸を用いたエッチング液でエッチングされた、液晶表示装置基板等の表面上に形成される電極配線材料の全てに適用することが可能である。具体的には例えば、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、ジルコニア、タンタル等から選ばれた金属やその合金、そして画素電極(透明電極)材料としては、インジウムを含有したインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等が挙げられる。尚、本発明のエッチング液は、これらの金属や金属酸化物が単層膜の際のみならず、複合化された積層膜構造である際にも適用することができる。
【0030】
上記、単層膜又は積層膜を有する半導体装置及び液晶表示装置基板と、エッチング液を接触させる方法は任意である。例えば基板の表面に対して鉛直方向等からエッチング液を噴射させる方法(スプレー法)、エッチング液の中に基板を浸漬させる方法(浸漬法)、回転する基板にエッチング液を流下させる方法(スピン法)等が挙げられる。
【0031】
本発明のエッチング液は、特に、生産性に優れたスプレー法を適用することが好ましい。エッチング液の噴霧形態(噴霧ノズル)は、扇形や円錐型が使用できる。噴霧時は基板表面全体にエッチング液が均一に当たるように、必要数の噴霧ノズルを基板幅方向並びに移動方向に配列し、且つ噴霧ノズルを揺動することが望ましい。また、エッチング液を噴霧している時に、基板全体の往復運動を併用させてもよい。
【0032】
本発明のエッチング液及びエッチング方法を用いてエッチングを行う際のエッチング温度(エッチング液温度)は、対象とする金属種並びに必要とするエッチング速度に応じて、一般的なエッチング温度、具体的には20〜80℃、中でも20〜60℃の範囲内で適宜選択し決定すればよい。
【0033】
また、金属薄膜層をエッチングすることにより、エッチング液を構成している各成分含有量は変化する。例えば該金属との反応によって無機酸成分や酸化剤成分は減少し、又、主に水は蒸発して減少する。そしてエッチングが進行するに連れてエッチング液中の金属イオン濃度は上昇する。エッチング液組成の変化及び金属イオン濃度の上昇は、少なからずエッチング特性に影響を与える恐れがあるので、例えば、エッチング液成分(無機酸成分、酸化剤成分、脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩、水、該金属)濃度を定期的に分析した結果を元に、エッチング液の一部を抜き出し、新たなエッチング液を加えるなどして、エッチング液成分の含有量を所定の範囲内に調節することが好ましい。
【0034】
尚、本発明のエッチング液に用いる、脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩は、酢酸とは異なり、一般的に蒸発し難いので、エッチング液の組成変動が小さく、制御は容易で安定性に優れているという利点がある。
【0035】
この様に簡便な方法でエッチング液中の各成分濃度や金属イオン濃度を調節することで、エッチング液を有効に使用することができ経済的に有利である。また、使用済みのエッチング廃液は、臭気がないことから、金属表面処理(酸洗浄等)等の他用途へ再利用することが容易になる。
【0036】
この様に本発明のエッチング液は、従来、補助剤として用いられていた酢酸の代替として、脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を用いることによって、酢酸特有の臭気のない、またエッチング工程におけるエッチング液の組成及び液性変化や気体の発生を抑制できることから、液晶表示装置基板等の微細電極配線等のパターン形成を、安定して精度良く、均一にエッチングすることができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
実施例及び比較例
ガラス基板上に金属薄膜層として、下記の金属をスパッタリング法によって300nmの膜厚となるように成膜し、次いでその表面上に、ポジ型フォトレジスト樹脂をスピンコーティングし、必要に応じて、フォトリソグラフィー技術により、スペース幅(Al、AlNd等の金属露出部)を10μmとし、ライン幅(フォトレジスト部)を10μm、20μm、30μm、40μm、50μmとした、ライン幅の異なる5種の微細パターンを形成させた。この様にして、以下の表1に示す評価基板(1)〜(4)を得た。
【0039】
【表1】
エッチング評価には、これら基板を幅約10mm、長さ約50mmに切断したものを使用した。
【0040】
エッチング液は、燐酸(85重量%)、硝酸(70重量%)、酢酸(氷酢酸)、メタンスルホン酸(98重量%)及び水を用いて表2の組成となる様に各成分を混合して調整した。
調整したエッチング液を200mlのビーカーに200g入れ、40゜Cの温度に調温した。これに上記のエッチングテスト用基板を浸せきし、基板を上下左右に動かしながらエッチングを行った。
【0041】
ジャストエッチング時間は、各金属の溶解(基板が透明化)を目視で観察し、計測した。また、上述(3)の基板は、エッチング完了後のフォトレジスト樹脂層の状態を観察するため、ジャストエッチ時間から50%(1.5倍)のオーバーエッチングを実施した後、基板を取り出し、純水で1分間洗浄した後、クリーン空気を用いて風乾したものをレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−8500)及び表面検査ランプ(フナテック社製FY−100R)を用いて観察した。評価結果を表3に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
表3から次のことが明らかである。即ち、本発明のエッチング液は、比較例1の従来の技術では回避出来なかった酢酸由来の問題点(特に臭気、蒸発による組成変化等)を改善出来ると共に、以下のような、優れたエッチング特性を有することが分かる。
【0045】
▲1▼Al及びAlNdのエッチング速度は、従来技術と同等である。
▲2▼フォトレジストパターンあり、なしでエッチング速度に差異が生じない。
▲3▼フォトレジストを変化(変質)させることがない。
▲4▼Moのエッチング速度は、従来技術より低下するが実用上問題のないレベルにある。特にエッチング時において、エッチングむらの原因となる窒素酸化物と思われる気泡の発生を抑制できることから、微細加工精度により優れていることが判る。
▲5▼酢酸臭がないことからエッチング廃液の他用途への再利用が容易である。
▲6▼補助剤が酢酸より高沸点成分であるため、エッチング工程における組成変化が小さい。
【0046】
【発明の効果】
以上細述したとおり、本発明のエッチング液によれば、即ち無機酸成分、及び酸化剤成分を含むエッチング液において、更に補助剤として脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を含むエッチング液を用いて金属及び又は金属酸化物をエッチングすることにより、従来技術として補助剤として用いられていた酢酸と比較して、酢酸特有の臭気がなく、またエッチング工程においてエッチング液の組成及び液性の変化や気体の発生を抑制することができる。これにより、微細加工精度を必要とする半導体及び液晶用表示装置等に用いられる電極配線を安定して精度良く均一にエッチングすることができる。
Claims (8)
- 無機酸成分、酸化剤成分、並びに脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩を含むことを特徴とするエッチング液。
- 無機酸成分含有量が10〜80重量%であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング液。
- 酸化剤成分の含有量が0.01〜25重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のエッチング液。
- 脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩の含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエッチング液。
- 脂肪族または芳香族スルホン酸及び/またはその塩が、炭素数1〜10のアルキルスルホン酸及び/またはその塩であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエッチング液。
- 無機酸成分が、燐酸、硫酸、弗酸及び塩酸からなる群より選ばれる少なくとも一つの酸であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエッチング液。
- 酸化剤成分が、硝酸及び/又は過酸化水素であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエッチング液
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のエッチング液を用いることを特徴とするエッチング方法。
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