JP2004137518A - 銅ポリイミド基材 - Google Patents

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JP2004137518A JP2002300862A JP2002300862A JP2004137518A JP 2004137518 A JP2004137518 A JP 2004137518A JP 2002300862 A JP2002300862 A JP 2002300862A JP 2002300862 A JP2002300862 A JP 2002300862A JP 2004137518 A JP2004137518 A JP 2004137518A
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Takumi Shimoji
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Takaya Yusa
遊佐 貴也
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Abstract

【課題】シード層にクラックが発生しにくい銅ポリイミド基材を提供する。
【解決手段】ポリイミド層11と、該ポリイミド層11の片面または両面に形成するクロムからなる第1のシード層12と、第1のシード層12の表面に形成する第2のシード層13と、第2のシード層13の表面に形成するスパッタ層14および銅層15とからなり、第2のシード層13は、クロム以外の金属またはその合金からなる。第2のシード層13が、ニッケルまたはニッケル合金からなるか、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。あるいは、第2のシード層13はニッケルクロム合金からなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電気機器に使用する各種半導体パッケージ用材料として用いられる銅ポリイミド基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅ポリイミド基材は、ベースとなるポリイミドのフィルム化が容易であり、耐熱性に優れた絶縁樹脂材料であるため、薄型軽量が求められる半導体パッケージや配線基板等に良く用いられる。
【0003】
銅ポリイミド基材は、構造により、銅層およびポリイミド層からなる第1のタイプと、銅層およびポリイミド層の間に、例えばエポキシ樹脂等の接着剤を用いた第2のタイプとに分けられる。
【0004】
エポキシ樹脂等の接着剤は、一般的にポリイミド樹脂よりも耐熱性に劣るため、第2のタイプは第1のタイプよりも耐熱性に劣るという問題があった。
【0005】
また、耐熱性を要求される用途には有利である第1のタイプでは、銅層とポリイミド層との接着力が低く、回路形成工程や電解めっき工程などにおいて、銅層が剥離し易いという問題があった。
【0006】
以上のような問題を解決するために、特開2002−172734号公報には、ニッケル、ニッケル合金、ニッケル化合物、クロム、クロム合金およびクロム化合物からなる群から選択した1種以上の金属をシード層として、10〜300Åの厚さで、イオンプレーティング法またはスパッタリング法を用いてポリイミド層の片面または両面に形成することが開示されている。
【0007】
特開平2−98994号公報には、0.01〜5μmの厚さのクロム層をシード層としてスパッタリング法によりポリイミド層上に形成することが開示されている。
【0008】
特開昭62−181488号公報には、5〜1000nmの厚さのニッケル層またはニッケルクロム層をシード層として蒸着法で形成することが開示されている。
【0009】
特開昭62−62551号公報には、クロム層をシード層として蒸着で形成することが開示されている。
【0010】
特開昭57−18357号公報には、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、パラジウムまたはこれらを含む合金を、シード層としてイオンプレーティング法で形成することが開示されている。
【0011】
特開昭57−18356号公報には、ニッケルまたはニッケル含有合金をシード層としてイオンプレーティング法で形成することが開示されている。
【0012】
以上の公報に示され、接着剤層を持たずに、シード層としてクロム層を用いた銅ポリイミド基材の一般的な製造方法について、図面を用いて説明する。図3は、従来の銅ポリイミド基材について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【0013】
先ず、図3−1に示したように、ポリイミドフィルム(21)の両面にクロムからなるシード層(22)を形成する。クロムシード層(22)は、主にスパッタリング法で形成する。図示しないが、クロムシード層(22)は、ポリイミドフィルムの片面だけに形成することもある。
【0014】
次に、スパッタリング法を行い、図3−2に示したように、クロムシード層(22)の表面に銅からなるスパッタ層(23)を形成する。該スパッタ層(23)により、電気めっきによる銅箔形成が可能な導電性を確保することができる。
【0015】
最後に、電気めっきを行い、図3−3に示したように、スパッタ層(23)の表面に銅箔(24)を形成する。電気めっきには、一般的な銅めっき浴である硫酸銅浴、シアン化銅浴などが用いられる。
【0016】
以上のようにして製造された銅ポリイミド基材から、以下の方法で配線基板を製造する。従来の配線基板の製造方法について、各製造過程における断面を示した図4を用いて説明する。
【0017】
先ず、図4−1に示したように、銅ポリイミド基材の両面に銅エッチング用レジスト(図示せず)を形成し、片面に露光、現像を行い、その後、フォトリソグラフィ法によってレジストの無い部分の銅箔(24)およびスパッタ層(23)をエッチングして開口部を形成する。その後、銅箔(24)の表面の前記銅エッチング用レジストを剥離する。
【0018】
次に、図4−2に示したように、開口部の底部に露出するクロムシード層(22)を、過マンガン酸溶液などを用いて除去する。以上までで、残った銅箔(24)、スパッタ層(23)、クロムシード層(22)からなるポリイミドエッチング用の銅マスクが形成される。
【0019】
次に、銅マスクが形成された銅ポリイミド基材をポリイミドエッチング液中に浸漬することにより、図4−3に示したように、開口部の底部に露出するポリイミドフィルム(21)に該エッチング液を接してポリイミドフィルム(21)のエッチングを行う。
【0020】
次に、ポリイミドエッチングを行った側と反対側の面に、銅箔(24)からなる配線パターンを形成するために、その面に銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、図4−4に示したように、フォトリソグラフィ法によって、レジストの無い部分の銅箔(24)およびスパッタ層(23)、およびポリイミドエッチングを行った側で残った銅箔(24)およびスパッタ層(23)をエッチングする。その後、銅エッチング用のレジストを剥離する。
【0021】
最後に、図4−5に示したように、露出するクロムシード層(22)を、過マンガン酸溶液などを用いて除去し、必要に応じて、ポリイミド開口部の側面および配線パターン表面にめっきを行う。
【0022】
しかし、従来の銅ポリイミド基材で使用されるクロムシード層は、ポリイミドとの密着性に優れた材質であるが、反面、それ自身が硬く、クラックなどの欠陥を生じやすいという問題があった。このため、例えば図4−1に示すポリイミドエッチングのための銅マスクを形成する工程において、銅が除去された開口部は銅めっきの応力が開放され、銅箔部分との応力差が発生して、クロムシード層(22)にクラックが生じることがあった。さらに、クロムシード層(22)のクラックが銅マスク開口部の周囲に達していた場合は、図4−3に示すポリイミドエッチング工程において、その箇所にエッチング液が侵入してエッチングされることで、開口部の周囲のポリイミド層の一部が欠けてしまうといった問題があった。
【0023】
さらには、図4−4に示す配線パターンを形成する工程においても、エッチングによって銅箔(24)が除去されたクロムシード層(22)に同様のクラックが発生し、このクラックの形状が図4−5に示すクロムシード層除去工程を経た後に、ポリイミドフィルム(21)の表面へ転写されてしまうことがあった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シード層にクラックが発生しにくい銅ポリイミド基材を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の銅ポリイミド基材は、ポリイミド層と、該ポリイミド層の片面または両面に形成するクロムからなる第1のシード層と、第1のシード層の表面に形成する第2のシード層と、第2のシード層の表面に形成する銅層とからなり、第2のシード層は、クロムより耐クラック性の高い金属または合金からなる。耐クラック性が高いとは、弾性率が低い、延性が高い、あるいは柔らかいものをいう。
【0026】
第2のシード層が、ニッケルまたはニッケル合金からなるか、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることが好ましい。ニッケル合金には、クロムを30%まで含むニッケルクロム合金が含められる。
【0027】
第2のシード層は、2層以上の積層構造とすることもできる。積層構造を構成する層は、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる層である。さらに、該積層構造の中にクロム層を介在させてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の銅ポリイミド基材の一実施例を製造する方法を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の銅ポリイミド基材の一実施例について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【0029】
先ず、図1−1に示したように、ポリイミドフィルム(11)の両面に、例えばスパッタリング法を用いてクロムからなる第1のシード層(12)を形成する。
【0030】
次に、図1−2に示すように、第1のシード層(12)の表面に第2のシード層(13)を同様の方法で形成する。第2のシード層(13)は、クロムよりも耐クラック性が高い、例えば柔らかい金属であれば、各種金属およびその合金を使用することができるが、後で形成する銅箔からなる配線パターンを残して、開口部に露出したシード層のみを容易に除去できる金属が望ましい。このような金属としては、例えばニッケルまたはニッケル合金、例えばNiCr、NiFe、NiCoFe、アルミニウムまたはアルミニウム合金、例えばAlSi、AlCuが良い。ニッケル合金には、クロムを30%まで含むニッケルクロム合金を含められる。また、第1のシード層(12)または第2のシード層(13)の厚さは、シード層自身の破壊を防ぐために、それぞれ1000Å以下とすることが望ましい。さらに、第2のシード層(13)は、必要に応じてこれらの金属、合金およびクロムを用いて3層以上の多層化を行うことも可能である。
【0031】
次に、図1−3に示したように、第2のシード層(13)の表面に銅からなるスパッタ層(14)を形成する。該スパッタ層(14)により、電気めっきによる銅箔形成が可能な導電性を確保することができる。
【0032】
最後に、電気めっきを行い、図1−4に示したように、スパッタ層(14)の表面に銅箔(15)を形成する。電気めっきには、一般的な銅めっき浴である硫酸銅浴、シアン化銅浴などが用いられる。
【0033】
以上のようにして製造された本発明の銅ポリイミド基材から、以下の方法で配線基板を製造する。図2は、本発明の銅ポリイミド基材の一実施例を用いた配線基板について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【0034】
先ず、図2−1に示したように、銅ポリイミド基材の両面に銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、片面に露光、現像を行い、その後、フォトリソグラフィ法によってレジストの無い部分の銅箔(15)およびスパッタ層(14)をエッチングして開口部を形成した。その後、両面の銅エッチング用のレジストを剥離する。
【0035】
次に、図2−2に示したように、開口部の底部に露出する第2のシード層(13)を除去する。第2のシード層(13)の除去は、例えばニッケル合金であれば塩酸などが使用可能であり、アルミニウムであれば塩酸や水酸化ナトリウムなどが使用可能である。これらの薬剤を使用することによって、銅箔(15)がエッチングされることなく、第2のシード層(13)のみが除去される。
【0036】
次に、図2−3に示したように、開口部の底部に露出する第1のシード層(12)を除去する。第1のシード層(12)の除去は、過マンガン酸溶液などを用いて除去する。以上までで、残った銅箔(15)、スパッタ層(14)、第2のシード層(13)および第1のシード層(12)からなるポリイミドエッチング用の銅マスクが形成される。
【0037】
次に、図2−4に示したように、銅マスクが形成された銅ポリイミド基材をポリイミドエッチング液中に浸漬することにより、開口部の底部に露出するポリイミドフィルム(11)に該エッチング液を接してポリイミドフィルム(11)のエッチングを行う。
【0038】
次に、ポリイミドエッチングを行った側と反対側の面に、銅箔(15)からなる配線パターンを形成するために、その面に銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、図2−5に示したように、フォトリソグラフィ法によって、レジストの無い部分の銅箔(15)およびスパッタ層(14)、およびポリイミドエッチングを行った側の銅箔(15)およびスパッタ層(14)をエッチングする。その後、両面の銅エッチング用のレジストを剥離する。
【0039】
次に、図2−6に示したように、開口部の底部に露出する第1のシード層(12)を除去する。第1のシード層(12)の除去は、前述と同様に行う。
【0040】
次に、図2−7に示したように、両面の開口部の底部に露出する第2のシード層(13)を除去する。第2のシード層(13)の除去は、前述と同様に行う。
【0041】
最後に、図2−8に示したように、露出するクロムからなる第1のシード層(12)を、過マンガン酸溶液などを用いて除去し、必要に応じて、ポリイミド開口部の側面および配線パターン表面にめっきを行う。
【0042】
耐クラック性が高いことの指標としては、クロムより柔らかいことの他に、弾性率が2.5(10−12dyn/cm)以下、あるいは延性が40%以上であることが挙げられる。
【0043】
【実施例】
本発明について、実施例によりさらに説明する。
【0044】
(実施例1)
本実施例の銅ポリイミド基材の製造方法について、各製造過程における断面を示した図1を用いて説明する。
【0045】
本実施例では、厚さが75μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学工業社製、製品名アピカルNPI)を用いた。大きさは、170×48mmで、10シート作製した。
【0046】
先ず、図1−1に示したように、ポリイミドフィルム(11)の両面にスパッタリング法を用いてアルゴン雰囲気下で厚さ800Åのクロムからなる第1のシード層(12)を形成した。
【0047】
次に、図1−2に示したように、第1のシード層(12)の表面にスパッタリング法を用いてアルゴン雰囲気下で厚さ800Åのニッケルクロム合金(クロム30%)からなる第2のシード層(13)を形成した。
【0048】
次に、図1−3に示したように、第2のシード層(13)の表面にスパッタリング法を用いて厚さ300Åの銅からなるスパッタ層(14)を形成した。
【0049】
最後に、硫酸銅めっき浴による電気めっき法を用いて、図1−4に示したように、スパッタ層(14)の表面に厚さ18μmの銅箔(15)を形成した。
【0050】
以上のようにして製造された銅ポリイミド基材から、以下の方法で配線基板を製造した。本実施例の配線基板の製造方法について、各製造過程における断面を示した図2を用いて説明する。
【0051】
先ず、銅ポリイミド基材の両面に、直径460μmの開口部が、1シートあたり57600個、格子の交点状に配列するように、銅エッチング用レジスト(図示せず)を形成し、片面に露光、現像を行い、その後、フォトリソグラフィ法によって、図2−1に示したように、レジストの無い部分の銅箔(15)およびスパッタ層(14)をエッチングして開口部を形成した。その後、両面の前記銅エッチング用レジストを剥離した。
【0052】
次に、図2−2に示したように、開口部の底部に露出する第2のシード層(13)を除去した。第2のシード層(13)の除去は、塩酸を用い、室温でスプレー処理を行った。
【0053】
次に、図2−3に示したように、開口部の底部に露出するクロムの第1のシード層(12)を、温度が40℃の過マンガン酸溶液に接し除去した。以上までで、残った銅箔(15)、スパッタ層(14)、第2のシード層(13)および第1のシード層(12)からなるポリイミドエッチング用の銅マスクが形成された。
【0054】
次に、銅マスクが形成された銅ポリイミド基材をアミン系のポリイミドエッチング液中に浸漬することにより、図2−4に示したように、開口部の底部の直径が400μmの大きさとなるように、ポリイミドフィルム(11)のエッチングを行った。
【0055】
次に、ポリイミドエッチングを行った側と反対側の面に、銅箔(15)からなる配線パターンを形成するために、その面に銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、図2−5に示したように、フォトリソグラフィ法によって、レジストの無い部分の銅箔(15)およびスパッタ層(14)、およびポリイミドエッチングを行った側の銅箔(15)およびスパッタ層(14)をエッチングした。その後、銅エッチング用のレジストを剥離した。
【0056】
次に、図2−6に示したように、開口部の底部に露出するクロムの第1のシード層(12)を除去した。第1のシード層(12)の除去は、前述と同様に行った。
【0057】
次に、図2−7に示したように、両面の開口部の底部に露出する第2のシード層(13)を除去した。第2のシード層(13)の除去は、前述と同様に行った。
【0058】
最後に、図2−8に示したように、露出するクロムの第1のシード層(12)を、温度が40℃の過マンガン酸溶液を用いて除去した。
【0059】
このようにして作製された配線基板のポリイミド表面およびポリイミド開口部の観察を行った。全てのポリイミド層の表面において、クラックが転写されたような表面異常は認められなかった。また、1シートあたり57600個のポリイミド層の開口部において、周囲が欠損したという不良は見られなかった。
【0060】
(実施例2)
第2のシード層(13)にアルミニウムを使用した以外は実施例1と同様にして、銅ポリイミド基材を製造し、以下の方法で配線基板を製造した。本実施例の配線基板の製造方法について、各製造過程における断面を示した図2を用いて説明する。
【0061】
先ず、銅ポリイミド基材の両面に、直径460μmの開口部が、1シートあたり57600個、格子の交点状に配列するように、銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、片面に露光、現像を行い、その後、フォトリソグラフィ法によって、図2−1に示したように、レジストの無い部分の銅箔(15)およびスパッタ層(14)をエッチングして開口部を形成した。
【0062】
次に、図2−2に示したように、開口部の底部に露出する第2のシード層(13)を除去した。第2のシード層(13)の除去は、温度が45℃の水酸化ナトリウム水溶液によって行い、同時に銅エッチング用のレジストの剥離を行った。
【0063】
次に、図2−3に示したように、開口部の底部に露出するクロムの第1のシード層(12)を、温度が40℃の過マンガン酸溶液に接し除去した。以上までで、残った銅箔(15)、スパッタ層(14)、第2のシード層(13)および第1のシード層(12)からなるポリイミドエッチング用の銅マスクが形成された。
【0064】
次に、銅マスクが形成された銅ポリイミド基材をアミン系のポリイミドエッチング液中に浸漬することにより、図2−4に示したように、開口部の底部の直径が400μmの大きさとなるように、ポリイミドフィルム(11)のエッチングを行った。
【0065】
次に、ポリイミドエッチングを行った側と反対側の面に、銅箔(15)からなる配線パターンを形成するために、その面に銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、図2−5に示したように、フォトリソグラフィ法によって、レジストの無い部分の銅箔(15)およびスパッタ層(14)、およびポリイミドエッチングを行った側の銅箔(15)およびスパッタ層(14)をエッチングした。
【0066】
次に、図2−6に示したように、開口部の底部に露出するクロムの第1のシード層(12)を、温度が40℃の過酸化マンガン酸溶液によって除去した。
【0067】
次に、図2−7に示したように、両面の開口部の底部に露出する第2のシード層(13)を除去した。第2のシード層(13)の除去は、前述と同様に行い、同時に、両面の銅エッチング用のレジストを剥離した。
【0068】
最後に、図2−8に示したように、露出するクロムの第1のシード層(12)を、温度が40℃の過マンガン酸溶液を用いて除去した。
【0069】
このようにして作製された配線基板のポリイミド表面およびポリイミド開口部の観察を行った。全てのポリイミド層の表面において、クラックが転写されたような表面異常は認められなかった。また、1シートあたり57600個のポリイミド層の開口部において、周囲が欠損したという不良は見られなかった。
【0070】
(比較例1)
本比較例の銅ポリイミド基材の製造方法について、各製造過程における断面を示した図3を用いて説明する。
【0071】
本比較例では、厚さが75μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学工業社製、製品名アピカルNPI)を用いた。大きさは、170×48mmで、10シート作製した。
【0072】
先ず、図3−1に示したように、ポリイミドフィルム(21)の両面にスパッタリング法を用いてアルゴン雰囲気下で厚さ800Åのクロムシード層(22)を形成した。
【0073】
次に、スパッタリング法を用い、図3−2に示したように、クロムシード層(22)の表面に厚さ300Åの銅からなるスパッタ層(23)を形成した。
【0074】
最後に、硫酸銅めっき浴による電気めっき法を用い、図3−3に示したように、スパッタ層(23)の表面に、厚さ18μmの銅箔(24)を形成した。
【0075】
以上のようにして製造された銅ポリイミド基材から、以下の方法で配線基板を製造した。本比較例の配線基板の製造方法について、各製造過程における断面を示した図4を用いて説明する。
【0076】
先ず、銅ポリイミド基材の両面に、直径460μmの開口部が、1シートあたり57600個、格子の交点状に配列するように、銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、片面に露光、現像を行い、その後、フォトリソグラフィ法によって、図4−1に示したように、レジストの無い部分の銅箔(24)およびスパッタ層(23)をエッチングして開口部を形成した。その後、両面の銅エッチング用のレジストを剥離した。
【0077】
次に、図4−2に示したように、開口部に露出するクロムシード層(22)を、温度が40℃の過マンガン酸溶液に接し除去した。以上までで、残った銅箔(24)、スパッタ層(23)、クロムシード層(22)からなるポリイミドエッチング用の銅マスクが形成された。
【0078】
次に、銅マスクが形成された銅ポリイミド基材をアミン系のポリイミドエッチング液中に浸漬することにより、図4−3に示したように、開口部の底部の直径が400μmの大きさとなるように、ポリイミドフィルム(21)のエッチングを行った。
【0079】
次に、ポリイミドエッチングを行った側と反対側の面に、銅箔(24)からなる配線パターンを形成するために、その面に銅エッチング用のレジスト(図示せず)を形成し、図4−4に示したように、フォトリソグラフィ法によって、レジストの無い部分の銅箔(24)およびスパッタ層(23)、およびポリイミドエッチングを行った側で残った銅箔(24)およびスパッタ層(23)をエッチングした。その後、銅エッチング用のレジストを剥離した。
【0080】
最後に、図4−5に示したように、露出するクロムシード層(22)を、温度が40℃の過マンガン酸溶液を用いて除去した。
【0081】
このようにして作製された配線基板のポリイミド表面およびポリイミド開口部の観察を行った。全てのシートにおいて、配線間のポリイミド層の露出部分にクロムシード層(22)のクラック形状が転写されたしわ状の痕跡が観察された。また、1シートあたり57600個のポリイミド開口部の中で、47個の開口部の周囲が欠損していた。
【0082】
【発明の効果】
本発明により、シード層にクラックが発生しにくい銅ポリイミド基材を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の銅ポリイミド基材の一実施例について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【図2】本発明の銅ポリイミド基材の一実施例を用いた配線基板について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【図3】従来の銅ポリイミド基材について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【図4】従来の銅ポリイミド基材を用いた配線基板について、各製造過程における断面を示した説明図である。
【符号の説明】
11 ポリイミドフィルム
12 第1のシード層
13 第2のシード層
14 スパッタ層
15 銅箔
21 ポリイミドフィルム
22 クロムシード層
23 スパッタ層
24 銅箔

Claims (6)

  1. ポリイミド層と、該ポリイミド層の片面または両面に形成するクロムからなる第1のシード層と、第1のシード層の表面に形成する第2のシード層と、第2のシード層の表面に形成する銅層とからなる銅ポリイミド基材であって、第2のシード層は、クロムより耐クラック性の高い金属または合金からなることを特徴とする銅ポリイミド基材。
  2. 第2のシード層が、ニッケルまたはニッケル合金からなることを特徴とする請求項1に記載の銅ポリイミド基材。
  3. 第2のシード層が、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載の銅ポリイミド基材。
  4. 第2のシード層が、2層以上の積層構造であることを特徴とする請求項1に記載の銅ポリイミド基材。
  5. 積層構造を構成する層が、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる層であることを特徴とする請求項4に記載の銅ポリイミド基材。
  6. 積層構造に、クロムからなる層が介在する請求項5に記載の銅ポリイミド基材。
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