JP2004136538A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減してコストを低減し、インクの種類を限定しなくても錆の発生を防止することができ、インクの過剰供給を防いで汚染を抑制できる筆記具を提供する。
【解決手段】インクタンク2と、インクタンク2の先端部に嵌着される先軸10と、先軸10に支持されてインクタンク2からインク1が供給される進退動可能なペン芯20と、インクタンク2からペン芯20に対するインク1の流れを調整するバルブ機構30とを備える。バルブ機構30を、インクタンク2の先端部側に位置する受け駒31と、筆記時のペン芯20の後退に伴いペン芯20に供給されるインク1の流路39を開放するとともに、過剰なインク1の供給を規制し、未筆記時のペン芯20の進出に伴いインクタンク2からペン芯20に供給されるインク1の流路39を閉塞する弾性変形可能な中駒33とから構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】インクタンク2と、インクタンク2の先端部に嵌着される先軸10と、先軸10に支持されてインクタンク2からインク1が供給される進退動可能なペン芯20と、インクタンク2からペン芯20に対するインク1の流れを調整するバルブ機構30とを備える。バルブ機構30を、インクタンク2の先端部側に位置する受け駒31と、筆記時のペン芯20の後退に伴いペン芯20に供給されるインク1の流路39を開放するとともに、過剰なインク1の供給を規制し、未筆記時のペン芯20の進出に伴いインクタンク2からペン芯20に供給されるインク1の流路39を閉塞する弾性変形可能な中駒33とから構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ機構を有する液式の筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
筆記具には、様々なタイプがあるが、その一つとして、ペン芯の進退動に金属製のスプリングを使用するバルブ式筆記具があげられる(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9‐240188号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の筆記具は、以上のようにペン芯の進退動にスプリングを使用するので、部品点数が増加し、結果としてコストを削減することができないという問題がある。また、金属製のスプリングを使用すると、インクの使用に伴い錆が発生して性能の低下を招くので、これを防止するため、インクの種類を限定して使用せざるを得ない。さらに、ペン芯を押し続けると、バルブが開放状態になるので、インクが過剰に供給されて汚染を招きやすいという問題もある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、部品点数を削減してコストを低減し、インクの種類を限定しなくても錆の発生を有効に防止することができ、しかも、インクの過剰供給を防いで汚染を抑制することのできる筆記具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、インクタンクと、このインクタンクに取り付けられる先軸と、この先軸に支持されてインクタンクからインクが供給される進退動可能なペン芯と、インクタンクからペン芯に対するインクの流れを調整するバルブ機構とを含んでなるものであって、
バルブ機構を、インクタンク側に位置する受け駒と、筆記時のペン芯の後退に伴いペン芯に供給されるインクの流路を開放するとともに、過剰なインクの供給を規制し、未筆記時のペン芯の進出に伴いインクタンクからペン芯に供給されるインクの流路を閉塞する中駒とから構成したことを特徴としている。
【0007】
なお、先軸を中空に形成してその内周面にはシール面を形成することが好ましい。
また、受け駒を合成樹脂により略筒形に形成し、この受け駒の内周面に、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まるテーパを形成することが好ましい。
さらに、中駒を合成樹脂により略有底筒形に形成してその外周面にはシール面又はテーパに接触するフランジを設け、中駒の裏面に、筆記時における受け駒のテーパとの接触に伴い弾性変形する脚を形成すると良い。
【0008】
ここで特許請求の範囲におけるインクタンクのインクは、液体であれば、その種類、色彩、粘度等が特に限定されるものではない。バルブ機構の受け駒と中駒との材料は、合成樹脂であれば良いが、例えばPC、変性PPE、PP、PET、POM等が使用される。また、中駒の表面(周面含む)には、単数複数の流通溝が適宜切り欠かれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるゲルインクリフィールタイプの筆記具は、図1ないし図7に示すように、直接インク1を収容するインクタンク2と、このインクタンク2の先端部に嵌着される先軸10と、この先軸10に挿通支持されてインクタンク2からインク1が供給される進退動可能なペン芯20と、先軸10の内部に組み込まれてインクタンク2からペン芯20に対するインク1の流動を調整するバルブ機構30とを備えるようにしている。
【0010】
インクタンク2は、図1や図3に示すように、例えば耐薬品性等に優れるPPを使用して細長い円筒形に成形され、インク1が充填された後、開口した末端部にフォロワ3が嵌着される。また、先軸10は、図1ないし図4に示すように、例えばPPを使用して中空の断面略凸字形に成形され、インクタンク2の開口した先端部に嵌着される。この先軸10は、インクタンク2の先端部に嵌着される円筒形の拡径部11と、この拡径部11の先端に連設される円筒形の縮径部12とを備え、これら拡径部11と縮径部12との間の段差内周面がバルブ機構30用のエンドレスのシール面13に傾斜形成される。拡径部11の内周面には、複数の凸部14が所定の間隔をおいて周設される。
【0011】
ペン芯20は、図1や図6に示すように、例えば酸、弱アルカリ、酸化剤に対する抵抗の大きいPETを使用して成形され、先軸10の縮径部12に進退動可能(スライド可能)に貫通支持されており、インクタンク2からバルブ機構30を介してインク1が供給される。このペン芯20は、筆記時にはフォロワ方向に後退し、未筆記時には反フォロワ方向に進出(復帰)する。
【0012】
バルブ機構30は、図2や図4に示すように、インクタンク2の先端部側に位置する受け駒31と、筆記時のペン芯20の後退に伴いペン芯20に供給されるインク1の流路39を開放するとともに、インクタンク2からの過剰なインク1の供給を規制し、未筆記時のペン芯20の進出に伴いインクタンク2からペン芯20に供給されるインク1の流路39を閉塞する中駒33とを備え、これら受け駒31と中駒33とが嵌合した状態で先軸10の拡径部11に内蔵されており、インクタンク2の先端部とペン芯20の末端部との間に介在してインク1の流量や流れを調整するよう機能する。このバルブ機構30の受け駒31と中駒33とは、例えば力学的性質等に優れるPOMを使用して成形され、少なくとも中駒33が可撓性、弾性を有している。
【0013】
受け駒31は、同図に示すように、ペン芯20側の開口が大きく、フォロワ3側の開口が小さい円筒形に成形され、周壁がペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい厚肉に形成される。この周壁の内周面には、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まる大小複数のテーパ32・32Aが二段に亘って傾斜形成される。
【0014】
中駒33は、図5ないし図7に示すように、基本的には略有底円筒形、あるいは略有底角筒形に成形され、外周面に半径外方向に伸びる肉厚のフランジ34が突設されており、このフランジ周縁部の表裏の傾斜面35・35Aが先軸10のシール面13又は受け駒31のテーパ32に接触する。この中駒33は、ペン芯20の末端部に接触する周壁の表面に、平面略十字形の流通溝36を区画形成する複数(本実施形態では4個)の突部37が所定の等間隔で突設され、裏面の周縁部付近には、受け駒31のテーパ32Aに弾発的に接触する複数(本実施形態では4本)の細い脚38が所定の等間隔をおいて突出形成されており、この可撓性を有する複数の脚38の間が流路39の一部を区画形成する。このような複数の脚38は、筆記時に受け駒31のテーパ32Aに摺接して内側に屈曲し、中駒33をフォロワ方向に後退させる。
【0015】
上記構成において、本実施形態の筆記具を使用して筆記する場合には、紙面にペン芯20を押圧すれば良い。すると、筆記力によりペン芯20が押圧されて中駒33を後退させ、押圧された中駒33の脚38が受け駒31のテーパ32Aと摺接しつつ内側に撓んで屈曲するとともに、先軸10のシール面13から後退する中駒33の傾斜面35が離れてシールを解除する。これにより、ペン芯20に対するインク1の流路39が開放されるので、インク1が受け駒31と中駒33との間からペン芯20に流出し、筆記が可能になる。
【0016】
但し、ペン芯20を押圧して筆記を継続しようとすると、中駒33がさらに後退してその傾斜面35Aが受け駒31のテーパ32に接触して強固にシールする(図1、図2参照)。これにより、インクタンク2からのインク1の流路39が閉塞されるので、インク1がインクタンク2から複数の脚38の間を経由して受け駒31のテーパ32と中駒33の傾斜面35A間に流動するのが遮断され、インクタンク2からの過剰なインク1の供給が規制される。
【0017】
これに対し、筆記具を使用しない場合には、筆記力が作用しなくなるので、後退していたペン芯20が進出して中駒33を進出可能とし、受け駒31のテーパ32Aに接触する中駒33の脚38の弾性力により、受け駒31のテーパ32から中駒33の傾斜面35Aが離れてシールを解除する。これにより、インクタンク2からのインク1の流路39が開放されるので、インク1がインクタンク2から複数の脚38の間を経由して受け駒31のテーパ32と中駒33の傾斜面35Aの間に流出する。その後、中駒33がさらに進出すると、中駒33の傾斜面35が先軸10のシール面13に接触して強固にシールする(図3、図4参照)。これにより、ペン芯20に対するインク1の流路39が閉塞されるので、インク1が受け駒31と中駒33との間からペン芯20に流出するのが遮断され、次回の筆記のために貯えられる。
【0018】
なお、中駒33の移動ストロークを1mm以下とし、その際の反発力を0.3〜2N程度とすれば、筆記時に中駒33移動の違和感を感じるのを有効に抑制防止することができる。
【0019】
上記構成によれば、ペン芯20の進退動にスプリングを使用するのではなく、中駒33に弁機能とバネ機能とを共に付与するので、部品点数の増加することがない。したがって、コストを著しく削減することができ、構成の簡素化やデザイン性の向上も期待できる。また、金属製のスプリングを使用するのではなく、合成樹脂からなる受け駒31や中駒33を使用するので、インク1の使用に伴い錆の発生することがない。したがって、筆記具の性能低下を招いたり、使用するインク1の種類を限定する必要が全くない。
【0020】
また、ペン芯20を押し続けても、中駒33の傾斜面35Aが受け駒31のテーパ32に接触してシールするので、バルブが常時開放状態になることがなく、インク1が過剰に供給されて汚染を招いたり、インク漏れが生じるのをきわめて有効に防止することができる。また、受け駒31と中駒33の設計を適宜変更すれば、インク溜まりの量を簡単に増減することができるので、適正なインク1の供給が可能になる。さらに、中駒33にインク1を流す流通溝36が十字に切り欠かれるので、ペン芯20の末端部にインク1が十分に供給され、ペン芯20に対するインク1の供給が円滑、かつ容易となる。
【0021】
次に、図8ないし図12は本発明の第2の実施形態における直液式タイプの筆記具を示すもので、この場合には、インクタンク2の開口した末端部に尾栓40を備え、このインクタンク2の先端部に、略円筒形の先軸10を嵌着してその開口した末端部側の内周面にはエンドレスのシール面13を部分的に傾斜形成し、バルブ機構30の受け駒31を先軸10の末端部に嵌着して受け駒31の周壁の肉厚をペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に厚くするとともに、受け駒31の内周面には、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まるテーパ32Aを傾斜形成するようにしている。
【0022】
先軸10にはペン芯20が進退動可能に貫通支持されるが、このペン芯20は着脱自在のキャップ41により嵌合被覆される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が期待できるのは明らかである。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、バルブ機構を、インクタンク側に位置する受け駒と、筆記時のペン芯の後退に伴いペン芯に供給されるインクの流路を開放するとともに、過剰なインクの供給を規制し、未筆記時のペン芯の進出に伴いインクタンクからペン芯に供給されるインクの流路を閉塞する中駒とから構成するので、部品点数を削減してコストを低減し、インクの種類を限定しなくても錆の発生を有効に防止することができるという効果がある。また、インクの過剰な供給を防いで汚染を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筆記具の実施形態における筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図2】図1の要部拡大説明図である。
【図3】本発明に係る筆記具の実施形態における未筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図4】図3の要部拡大説明図である。
【図5】本発明に係る筆記具の実施形態における中駒を示す平面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の裏面図である。
【図8】本発明に係る筆記具の第2の実施形態を示す総組立図である。
【図9】本発明に係る筆記具の第2の実施形態における筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図10】図9の要部拡大説明図である。
【図11】本発明に係る筆記具の第2の実施形態における未筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図12】図11の要部拡大説明図である。
【符号の説明】
1 インク
2 インクタンク
10 先軸
13 シール面
20 ペン芯
30 バルブ機構
31 受け駒
32 テーパ
32A テーパ
33 中駒
34 フランジ
35 傾斜面
35A 傾斜面
38 脚
39 流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ機構を有する液式の筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
筆記具には、様々なタイプがあるが、その一つとして、ペン芯の進退動に金属製のスプリングを使用するバルブ式筆記具があげられる(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9‐240188号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の筆記具は、以上のようにペン芯の進退動にスプリングを使用するので、部品点数が増加し、結果としてコストを削減することができないという問題がある。また、金属製のスプリングを使用すると、インクの使用に伴い錆が発生して性能の低下を招くので、これを防止するため、インクの種類を限定して使用せざるを得ない。さらに、ペン芯を押し続けると、バルブが開放状態になるので、インクが過剰に供給されて汚染を招きやすいという問題もある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、部品点数を削減してコストを低減し、インクの種類を限定しなくても錆の発生を有効に防止することができ、しかも、インクの過剰供給を防いで汚染を抑制することのできる筆記具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、インクタンクと、このインクタンクに取り付けられる先軸と、この先軸に支持されてインクタンクからインクが供給される進退動可能なペン芯と、インクタンクからペン芯に対するインクの流れを調整するバルブ機構とを含んでなるものであって、
バルブ機構を、インクタンク側に位置する受け駒と、筆記時のペン芯の後退に伴いペン芯に供給されるインクの流路を開放するとともに、過剰なインクの供給を規制し、未筆記時のペン芯の進出に伴いインクタンクからペン芯に供給されるインクの流路を閉塞する中駒とから構成したことを特徴としている。
【0007】
なお、先軸を中空に形成してその内周面にはシール面を形成することが好ましい。
また、受け駒を合成樹脂により略筒形に形成し、この受け駒の内周面に、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まるテーパを形成することが好ましい。
さらに、中駒を合成樹脂により略有底筒形に形成してその外周面にはシール面又はテーパに接触するフランジを設け、中駒の裏面に、筆記時における受け駒のテーパとの接触に伴い弾性変形する脚を形成すると良い。
【0008】
ここで特許請求の範囲におけるインクタンクのインクは、液体であれば、その種類、色彩、粘度等が特に限定されるものではない。バルブ機構の受け駒と中駒との材料は、合成樹脂であれば良いが、例えばPC、変性PPE、PP、PET、POM等が使用される。また、中駒の表面(周面含む)には、単数複数の流通溝が適宜切り欠かれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるゲルインクリフィールタイプの筆記具は、図1ないし図7に示すように、直接インク1を収容するインクタンク2と、このインクタンク2の先端部に嵌着される先軸10と、この先軸10に挿通支持されてインクタンク2からインク1が供給される進退動可能なペン芯20と、先軸10の内部に組み込まれてインクタンク2からペン芯20に対するインク1の流動を調整するバルブ機構30とを備えるようにしている。
【0010】
インクタンク2は、図1や図3に示すように、例えば耐薬品性等に優れるPPを使用して細長い円筒形に成形され、インク1が充填された後、開口した末端部にフォロワ3が嵌着される。また、先軸10は、図1ないし図4に示すように、例えばPPを使用して中空の断面略凸字形に成形され、インクタンク2の開口した先端部に嵌着される。この先軸10は、インクタンク2の先端部に嵌着される円筒形の拡径部11と、この拡径部11の先端に連設される円筒形の縮径部12とを備え、これら拡径部11と縮径部12との間の段差内周面がバルブ機構30用のエンドレスのシール面13に傾斜形成される。拡径部11の内周面には、複数の凸部14が所定の間隔をおいて周設される。
【0011】
ペン芯20は、図1や図6に示すように、例えば酸、弱アルカリ、酸化剤に対する抵抗の大きいPETを使用して成形され、先軸10の縮径部12に進退動可能(スライド可能)に貫通支持されており、インクタンク2からバルブ機構30を介してインク1が供給される。このペン芯20は、筆記時にはフォロワ方向に後退し、未筆記時には反フォロワ方向に進出(復帰)する。
【0012】
バルブ機構30は、図2や図4に示すように、インクタンク2の先端部側に位置する受け駒31と、筆記時のペン芯20の後退に伴いペン芯20に供給されるインク1の流路39を開放するとともに、インクタンク2からの過剰なインク1の供給を規制し、未筆記時のペン芯20の進出に伴いインクタンク2からペン芯20に供給されるインク1の流路39を閉塞する中駒33とを備え、これら受け駒31と中駒33とが嵌合した状態で先軸10の拡径部11に内蔵されており、インクタンク2の先端部とペン芯20の末端部との間に介在してインク1の流量や流れを調整するよう機能する。このバルブ機構30の受け駒31と中駒33とは、例えば力学的性質等に優れるPOMを使用して成形され、少なくとも中駒33が可撓性、弾性を有している。
【0013】
受け駒31は、同図に示すように、ペン芯20側の開口が大きく、フォロワ3側の開口が小さい円筒形に成形され、周壁がペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい厚肉に形成される。この周壁の内周面には、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まる大小複数のテーパ32・32Aが二段に亘って傾斜形成される。
【0014】
中駒33は、図5ないし図7に示すように、基本的には略有底円筒形、あるいは略有底角筒形に成形され、外周面に半径外方向に伸びる肉厚のフランジ34が突設されており、このフランジ周縁部の表裏の傾斜面35・35Aが先軸10のシール面13又は受け駒31のテーパ32に接触する。この中駒33は、ペン芯20の末端部に接触する周壁の表面に、平面略十字形の流通溝36を区画形成する複数(本実施形態では4個)の突部37が所定の等間隔で突設され、裏面の周縁部付近には、受け駒31のテーパ32Aに弾発的に接触する複数(本実施形態では4本)の細い脚38が所定の等間隔をおいて突出形成されており、この可撓性を有する複数の脚38の間が流路39の一部を区画形成する。このような複数の脚38は、筆記時に受け駒31のテーパ32Aに摺接して内側に屈曲し、中駒33をフォロワ方向に後退させる。
【0015】
上記構成において、本実施形態の筆記具を使用して筆記する場合には、紙面にペン芯20を押圧すれば良い。すると、筆記力によりペン芯20が押圧されて中駒33を後退させ、押圧された中駒33の脚38が受け駒31のテーパ32Aと摺接しつつ内側に撓んで屈曲するとともに、先軸10のシール面13から後退する中駒33の傾斜面35が離れてシールを解除する。これにより、ペン芯20に対するインク1の流路39が開放されるので、インク1が受け駒31と中駒33との間からペン芯20に流出し、筆記が可能になる。
【0016】
但し、ペン芯20を押圧して筆記を継続しようとすると、中駒33がさらに後退してその傾斜面35Aが受け駒31のテーパ32に接触して強固にシールする(図1、図2参照)。これにより、インクタンク2からのインク1の流路39が閉塞されるので、インク1がインクタンク2から複数の脚38の間を経由して受け駒31のテーパ32と中駒33の傾斜面35A間に流動するのが遮断され、インクタンク2からの過剰なインク1の供給が規制される。
【0017】
これに対し、筆記具を使用しない場合には、筆記力が作用しなくなるので、後退していたペン芯20が進出して中駒33を進出可能とし、受け駒31のテーパ32Aに接触する中駒33の脚38の弾性力により、受け駒31のテーパ32から中駒33の傾斜面35Aが離れてシールを解除する。これにより、インクタンク2からのインク1の流路39が開放されるので、インク1がインクタンク2から複数の脚38の間を経由して受け駒31のテーパ32と中駒33の傾斜面35Aの間に流出する。その後、中駒33がさらに進出すると、中駒33の傾斜面35が先軸10のシール面13に接触して強固にシールする(図3、図4参照)。これにより、ペン芯20に対するインク1の流路39が閉塞されるので、インク1が受け駒31と中駒33との間からペン芯20に流出するのが遮断され、次回の筆記のために貯えられる。
【0018】
なお、中駒33の移動ストロークを1mm以下とし、その際の反発力を0.3〜2N程度とすれば、筆記時に中駒33移動の違和感を感じるのを有効に抑制防止することができる。
【0019】
上記構成によれば、ペン芯20の進退動にスプリングを使用するのではなく、中駒33に弁機能とバネ機能とを共に付与するので、部品点数の増加することがない。したがって、コストを著しく削減することができ、構成の簡素化やデザイン性の向上も期待できる。また、金属製のスプリングを使用するのではなく、合成樹脂からなる受け駒31や中駒33を使用するので、インク1の使用に伴い錆の発生することがない。したがって、筆記具の性能低下を招いたり、使用するインク1の種類を限定する必要が全くない。
【0020】
また、ペン芯20を押し続けても、中駒33の傾斜面35Aが受け駒31のテーパ32に接触してシールするので、バルブが常時開放状態になることがなく、インク1が過剰に供給されて汚染を招いたり、インク漏れが生じるのをきわめて有効に防止することができる。また、受け駒31と中駒33の設計を適宜変更すれば、インク溜まりの量を簡単に増減することができるので、適正なインク1の供給が可能になる。さらに、中駒33にインク1を流す流通溝36が十字に切り欠かれるので、ペン芯20の末端部にインク1が十分に供給され、ペン芯20に対するインク1の供給が円滑、かつ容易となる。
【0021】
次に、図8ないし図12は本発明の第2の実施形態における直液式タイプの筆記具を示すもので、この場合には、インクタンク2の開口した末端部に尾栓40を備え、このインクタンク2の先端部に、略円筒形の先軸10を嵌着してその開口した末端部側の内周面にはエンドレスのシール面13を部分的に傾斜形成し、バルブ機構30の受け駒31を先軸10の末端部に嵌着して受け駒31の周壁の肉厚をペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に厚くするとともに、受け駒31の内周面には、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まるテーパ32Aを傾斜形成するようにしている。
【0022】
先軸10にはペン芯20が進退動可能に貫通支持されるが、このペン芯20は着脱自在のキャップ41により嵌合被覆される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が期待できるのは明らかである。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、バルブ機構を、インクタンク側に位置する受け駒と、筆記時のペン芯の後退に伴いペン芯に供給されるインクの流路を開放するとともに、過剰なインクの供給を規制し、未筆記時のペン芯の進出に伴いインクタンクからペン芯に供給されるインクの流路を閉塞する中駒とから構成するので、部品点数を削減してコストを低減し、インクの種類を限定しなくても錆の発生を有効に防止することができるという効果がある。また、インクの過剰な供給を防いで汚染を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筆記具の実施形態における筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図2】図1の要部拡大説明図である。
【図3】本発明に係る筆記具の実施形態における未筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図4】図3の要部拡大説明図である。
【図5】本発明に係る筆記具の実施形態における中駒を示す平面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の裏面図である。
【図8】本発明に係る筆記具の第2の実施形態を示す総組立図である。
【図9】本発明に係る筆記具の第2の実施形態における筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図10】図9の要部拡大説明図である。
【図11】本発明に係る筆記具の第2の実施形態における未筆記状態を示す一部断面説明図である。
【図12】図11の要部拡大説明図である。
【符号の説明】
1 インク
2 インクタンク
10 先軸
13 シール面
20 ペン芯
30 バルブ機構
31 受け駒
32 テーパ
32A テーパ
33 中駒
34 フランジ
35 傾斜面
35A 傾斜面
38 脚
39 流路
Claims (4)
- インクタンクと、このインクタンクに取り付けられる先軸と、この先軸に支持されてインクタンクからインクが供給される進退動可能なペン芯と、インクタンクからペン芯に対するインクの流れを調整するバルブ機構とを含んでなる筆記具であって、
バルブ機構を、インクタンク側に位置する受け駒と、筆記時のペン芯の後退に伴いペン芯に供給されるインクの流路を開放するとともに、過剰なインクの供給を規制し、未筆記時のペン芯の進出に伴いインクタンクからペン芯に供給されるインクの流路を閉塞する中駒とから構成したことを特徴とする筆記具。 - 先軸を中空に形成してその内周面にはシール面を形成した請求項1記載の筆記具。
- 受け駒を合成樹脂により略筒形に形成し、この受け駒の内周面に、ペン芯方向からインクタンク方向に向かうにしたがい徐々に狭まるテーパを形成した請求項1又は2記載の筆記具。
- 中駒を合成樹脂により略有底筒形に形成してその外周面にはシール面又はテーパに接触するフランジを設け、中駒の裏面に、筆記時における受け駒のテーパとの接触に伴い弾性変形する脚を形成した請求項3記載の筆記具。
Priority Applications (1)
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-
2002
- 2002-10-17 JP JP2002303028A patent/JP2004136538A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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JP4692995B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2011-06-01 | 三菱鉛筆株式会社 | 液体塗布具 |
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