JP2004136158A - アニオン吸着材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】これまで何ら提供されていなかった、重金属イオンとしてのセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のアニオンを特異的、かつ選択的に吸着し得るアニオン吸着材を提供すること。
【解決手段】鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂からなることを特徴とするアニオン吸着材料であり、具体的には樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂と、鉄化合物を含有する水溶液と処理することにより、当該樹脂に鉄イオンを吸着させたことを特徴とするアニオン吸着材料である。かかる樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂としては、ポリウレタン樹脂フォームを加水分解し樹脂中にカルボキシル基を存在させたもの、あるいはポリアクリルアミド系の樹脂、特にアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体であるアニオン吸着材料である。
【選択図】 なし
【解決手段】鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂からなることを特徴とするアニオン吸着材料であり、具体的には樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂と、鉄化合物を含有する水溶液と処理することにより、当該樹脂に鉄イオンを吸着させたことを特徴とするアニオン吸着材料である。かかる樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂としては、ポリウレタン樹脂フォームを加水分解し樹脂中にカルボキシル基を存在させたもの、あるいはポリアクリルアミド系の樹脂、特にアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体であるアニオン吸着材料である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶液中に溶存するアニオン、特にセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンを効率良く吸着することができ得るアニオン吸着材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水溶液中に溶存する重金属イオンを吸着することができる材料としては、いわゆるイオン交換樹脂や液体キレート剤等が知られている。しかしながらこれらの材料にあっては、吸着し得る重金属イオンの種類が限られている。さらに、これらのものは、陽イオンの重金属イオンをよく吸着するものの、酸素と結合したアニオンを効率よく吸着するものはなかった。
【0003】
特にセレンは、必須微量元素であり、その欠乏により肝壊死、肝障害、滲出性素質、筋ジストロフィー等が生じ、組織や膜脂質において特異的に抗酸化作用を示す一方、セレン酸、亜セレン酸等のセレン化合物は極めて有毒な物質であるとされている。したがって、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のイオンを効率よく吸着する材料が要望されているにも拘わらず、これまでかかるセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを効率よく吸着でき得る吸着材料は存在していないものであった。
【0004】
これは、セレンの化学的性質が硫黄に似ていることから、セレン酸イオンや亜セレン酸イオンが、それぞれ硫酸イオンあるいは亜硫酸イオンに近い挙動を示すため、イオン交換樹脂や液体キレート剤に対して一種の妨害作用を示すためであると説明されてきている。
【0005】
ところでこれまで、本発明者はポリウレタン樹脂中にカルボキシル基またはアミドキシム基を含有させた重金属吸着剤を提供してきている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−200824号
【特許文献2】
特願2002−200825号
【0007】
今回本発明者は、アニオン、特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを効率よく吸着する材料を検討した結果、カルボキシル基を含有する樹脂を、鉄化合物を含有する水溶液と処理し、鉄イオンを吸着した樹脂とすることにより、特異的、かつ選択的にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを吸着し得る吸着材料となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、これまで何ら検討されていなかった、アニオン、特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のイオンを特異的、かつ選択的に吸着し得るアニオン吸着材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための、基本的態様である請求項1に記載の発明は、鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂からなることを特徴とするアニオン吸着材料である。
【0010】
すなわち本発明が提供する基本的態様であるアニオン吸着材料は、樹脂中にカルボキシル基を含有するものであり、その上で、当該カルボキシル基に鉄イオンを吸着させることにより樹脂自体の水溶性を制御し、目的とするセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の有毒物質イオンを特異的、かつ選択的に吸着させると共に、吸着後の分離が容易なものとなっているものである。
【0011】
より具体的な請求項2に記載の発明は、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂が、ポリウレタン樹脂フォームを加水分解し樹脂中にカルボキシル基を存在させたものであるアニオン吸着材料である。
【0012】
そのなかでも請求項3に記載の発明は、ポリウレタン樹脂フォームが、ポリオール成分としてポリアクリロニトリルを導入したポリマーポリオールを使用したポリエーテル系ポリウレタン樹脂フォームであるアニオン吸着材料である。
【0013】
さらに別の具体的態様としての請求項4に記載の発明は、カルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂がポリアクリルアミド系の樹脂であるアニオン吸着材料である。
かかるポリアクリルアミド系の樹脂は、一般的に高分子凝集剤として汚泥処理に使用されているアニオン型のアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体であり、樹脂中に存在するカルボキシル基が優れた効果を発揮するものである。
【0014】
上記で提供される本発明のアニオン吸着材料は、特にセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンの吸着能が極めて良好なものであり、選択的なものでもある。したがって、これらのアニオン吸着材料は、特にセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンの吸着に使用されるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂としては、ポリウレタン樹脂をアルカリ加水分解することにより樹脂中にキレート形成基であるカルボキシル基を含有させ、微粉末化したもの、あるいはポリアクリルアミド系の樹脂粉粒体を挙げることができる。
【0016】
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂フォームがその表面積が大きく、加水分解と共に微粉末化したものが好ましいものである。かかるポリウレタンフォームは、いわゆるポリオール成分とイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤、触媒、その他の助剤の存在下に反応させて得られるポリウレタン樹脂フォームである。そのなかでも、特に本発明で使用するポリウレタン樹脂フォームは、樹脂成分としては、ポリエーテル系が好ましい。ポリエステル系ポリウレタン樹脂フォームでは、加水分解に際してキレート形成基であるカルボキシル基を生成させる場合に、樹脂のすべてが加水分解され、グリコールと二塩基酸およびジアミンまでが生成し、好ましいものではない。
【0017】
樹脂中にキレート形成基であるカルボキシル基をより多く含有するポリウレタン樹脂フォームを構成するポリオール成分としては、ポリマーポリオールが最も好ましい。その中でもポリアクリロニトリルを導入したポリマーポリオールが好適に使用される。すなわち、ポリマーポリオールとして、ポリプロピレンオキサイドにアクリロニトリルモノマーをグラフト重合させたものを使用することにより、ポリウレタンフォーム中に当初からニトリル基を存在させておくことができるのである。
【0018】
この場合のポリプロピレンオキサイドは、分子量が2,000ないし7,000程度の範囲内にあるもの、特に末端に3個の水酸基を有し、分子量が3,000程度のものが好ましく、また、アクリロニトリルの含有量は、ポリウレタン樹脂フォームを構成するポリマーポリオール中に15〜25%程度の範囲内で含有されているものが好ましい。
【0019】
なお、アクリロニトリルとポリプロピレンオキサイドとの重合は、いわゆるグラフト重合で行われる。すなわち、アクリロニトリルとのグラフト重合により、ニトリル基が樹脂側鎖に存在することとなり、イソシアネート化合物との反応により、ポリウレタン樹脂中にニトリル基が取り込まれることが少なくなり、その後のアルカリ水溶液の加水分解により、多くのカルボキシル基がポリウレタン樹脂フォーム中に存在することとなるからである。
【0020】
一方、ポリウレタン樹脂フォームを形成するイソシアネート成分としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートの1種または2種以上が、適宜選択されて使用される。
【0021】
芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートなどが挙げられる。
【0022】
脂環族系ポリイソシアネートとしては、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイシシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのなかでも、本発明にあっては、ポリウレタンフォーム製造の容易さならびにコスト等の観点から、イソシアネート化合物として2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの(65/35あるいは80/20)混合物を使用することにより、好結果を与えた。
【0023】
上記したポリオール成分とイソシアネートとの反応によりポリウレタン樹脂フォームを製造する場合に使用する触媒としては、例えば、アミン系触媒や有機金属系触媒等のポリウレタンフォームの発泡において公知のものを使用することができ、特に限定されない。そのような触媒としては、例えば、アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
【0024】
また、有機金属系触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。
【0025】
本発明で使用される樹脂フォームとしてのポリウレタンフォームを製造する場合の発泡剤としては、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタン、n−ペンタン、イソペンタンなどの1種以上の混合物が挙げられる。
【0026】
また、整泡剤としては、従来から知られているオルガノシリコーン系界面活性剤が使用される。しかしながら、本発明の金属吸着材料としてのポリウレタン樹脂フォームにあっては、フォーム中に疎水性物質、例えばシリコーンオイル等が存在すると、その後のアミドキシム化反応において好ましいものではなく、したがって整泡剤としては反応性のあるものか、あるいは容易に洗浄除去できるものを使用するのが好ましい。
【0027】
本発明においては上記で製造されたポリウレタン樹脂フォームの加水分解は、アルカリ水溶液との処理により行われる。すなわち、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸化物の水溶液、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の有機アミンの水溶液を使用し、当該アルカリ水溶液中に樹脂フォームを浸漬させ、加熱、攪拌・粉砕させることにより行われる。かかる操作により樹脂フォーム中に存在するニトリル基がカルボキシル基に置換されると共に、ポリウレタン樹脂フォームのウレタン結合も加水分解されて、その結果微細化し、微粉体状の樹脂として存在することとなる。
【0028】
具体的には、例えばアルカリ加水分解として水酸化ナトリウム水溶液を使用する場合には、その濃度は1〜100g/L程度、好ましくは5〜50g/L程度のアルカリ水溶液を使用するのがよい。その場合のアルカリの量としては、例えばニトリル基をカルボキシル基に置換するに必要なアルカリの量の、10〜100%増し程度の量を添加して加水分解を行うのが好ましい。100%を超える場合には、ポリウレタン樹脂フォームの加水分解が過度に進行し、好ましいものではない。
【0029】
なおアルカリ水溶液との処理にあたっては、アルカリ水溶液をポリウレタンフォーム中に効率よく浸透させるために、界面活性剤を併用させておくことも好ましい。そのような界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム[例えば、ペレクッスOTP(花王株式会社製);サンモリンOT70(三洋化成株式会社製)]等が挙げられ、その濃度として、0.3〜3g/L程度併用するのがよい。また、加水分解の反応温度等にもよるが、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコールを加え、浸透性を改善させることもできる。
【0030】
アルカリ水溶液の処理においては、加熱条件下に攪拌・粉砕して行うのがよいことが判明した。具体的には、例えば60〜130℃程度の加熱条件下に、2ないし6時間程度加水分解反応を行うのがよい。
また、当該アルカリ水溶液との処理にあたっては、ポリウレタン樹脂フォームの微細分化ならびに微粉体化を助長するために、攪拌翼のある攪拌機でポリウレタンフォームを攪拌翼と衝突させる湿式粉砕で微粉体化するのがよい。すなわち、攪拌に際して、攪拌翼の剪断力の効果によりポリウレタン樹脂フォームの微細分化が助長され、それに加えてウレタン結合の適度の加水分解が生じ、ポリウレタン樹脂フォームが微粉体化され、微粉体状物に形成されるのである。
【0031】
なお、加水分解に際してはアルカリ水溶液をポンプにより循環して行うことも好ましいものである。所望する最終製品の形態により異なるが、攪拌条件あるいは循環条件を種々変化させ、所望の粒子径を有する樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂を得ることができる。
【0032】
また、アルカリ水溶液との処理に供するポリウレタン樹脂フォームとしては、その軟硬の程度を特に問われるものではない。すなわち軟質ウレタン樹脂フォームであっても、硬質ウレタン樹脂フォームであってもよく、例えば軟質樹脂フォームの場合には、前もってフォーム自体を10mm厚の薄板状に切出しておくことにより効率よくアルカリ加水分解反応を行うことができる。また、硬質樹脂フォームの場合には、10mm程度のサイコロ状物に切出しておくことにより、また効率よくアルカリ加水分解を行うことができる。
【0033】
以上のアルカリ水溶液との処理により、ポリウレタン樹脂フォーム中のニトリル基はカルボキシル基に置換されると共に、樹脂フォームは微粉体化され、微粉体状物の樹脂となる。その場合の微粉体状物の平均粒子径は、1,000μm程度以下、好ましくは500μm程度以下であるのが好ましい。
【0034】
一方、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂としてのポリアクリルアミド系の樹脂としては、いわゆる高分子凝集剤として微粉末タイプのポリアクリルアミド系の樹脂が使用される。その中でもアニオン系のポリアクリルアミド系樹脂が好ましく、中でもアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体が特に好ましい。このアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体は、樹脂中にカルボキシル基を含有すると共に、既に微紛体状の樹脂としての形態を保持しているものである。
【0035】
かかるアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体としては、分子量が大きなものが好ましく、好ましい分子量の範囲としては100万ないし1000万程度である。分子量が100万未満のものでは水中での微紛体状の粒子状体を保つことができず、ゲル状のものとなってしまい好ましいものではない。そのためアクリルアミド・アクリル酸ナトリウムの比率を変化させ、所望の分子量を有する樹脂とすることができるが、特にアクリルアミドは、分子量を大きくする上で好ましいものであり、その比率は、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムの比率で、30〜40/70〜60程度である。また微紛体状の粒子状としての平均粒子径は、200μm程度以下、好ましくは100μm程度以下で、表面積の大きいものであるのが好ましい。
【0036】
本発明においては、これらの樹脂中に含有するカルボキシル基は、金属アニオン、特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオンを吸着するために、鉄イオンを吸着させておくことが必要である。そのための鉄イオンの吸着は例えば以下のようにして行われる。
【0037】
樹脂中にカルボキシル基を含有するウレタン樹脂の場合には、吸着させる鉄イオンとして第一鉄イオンおよび第二鉄イオンの両者を使用することができるが、特に第一鉄イオンが好ましい。第二鉄イオンの場合には酸化力を有しているものであり、基質であるウレタン樹脂の劣化を生じさせる恐れがあり好ましいものではない。
【0038】
鉄イオンの吸着は、例えば、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、塩化第一鉄、過塩素酸第一鉄等の水溶性の第一鉄化合物の水溶液と、上記で得られた樹脂中にカルボキシル基を含有するウレタン樹脂の微紛体状物とを混合処理することにより行われる。より具体的には、上記のアルカリ加水分解処理を終了し、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂を得た後、当該樹脂をイオン交換水で洗浄し、直ちに水溶性の第一鉄化合物の水溶液と処理するか、または水酸化物の生成を抑えるため、樹脂を酸で洗浄した後水溶性の第一鉄化合物の水溶液と処理することで行われる。
【0039】
一方、樹脂中にカルボキシル基を含有する樹脂として、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体を使用する場合には、吸着させる鉄イオンとしては第二鉄イオンを吸着させるのが好ましい。第一鉄イオンの場合には、樹脂中のカルボキシル基が鉄イオンを取り込むことが困難であり、また樹脂が溶解してしまい好ましいものではない。具体的には、樹脂粉末が水に溶解することを避けるため、大過剰の第二鉄化合物を含む水溶液中に、攪拌下に樹脂粉末を徐々に投入し処理することで行われる。また、逆に大過剰の第二鉄化合物を含む水溶液を、攪拌下に樹脂粉末中に、徐々に投入し処理することで行うこともできる。第二鉄化合物を含む水溶液を急速に投入すると、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体中のカルボキシル基と鉄イオンが十分に反応せず、樹脂紛体のみが溶解し始め、凝集するため好ましいものではない。
【0040】
かくして製造された鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂は、乾燥することにより、目的とする本発明の微紛体状の樹脂としてのアニオン吸着材料を得ることができる。得られた微粉体状の樹脂は、微細粉体状物として水との接触面積が大きなものであり、特にセレン酸イオンあるいは亜セレン酸イオンを選択的に吸着し、かかる毒性のイオンの吸着能は、特に優れたものであった。
【0041】
本発明が提供する樹脂の微粉体状物であるアニオン吸着材料を使用する場合の使用形態は特に限定されない。例えば、カートリッジに本発明のアニオン吸着材料を充填し、かかるカートリッジを水中に沈めておき、アニオンの捕集に使用することができる。また、適当な径を有するカートリッジカラムに本発明のアニオン吸着材料を充填し、このカートリッジカラム内を、例えばアニオンを含有する溶液を展開させることにより、当該アニオンを捕集することができる。
【0042】
また、本発明が提供する樹脂の微粉体状物であるアニオン吸着材料は、微粒子状でありながら水中での沈降速度が極めて迅速であるため、一般的な凝集沈殿法排水処理装置におけるシックナーとしてアニオンを捕集し、固液分離を行うことができる。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定する意図を有するものではない。
【0044】
実施例1:ポリウレタン樹脂フォームの製造
アクリロニトリルを21%含有する水酸基価56.1のグリセリンベースポリプロピレンオキサイド系ポリマーポリオール(A)と、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=50/50でグリセリンに付加した水酸基価56.1のポリアルキレンオキサイド(B)の混合ポリオールを、トルエンジイソシナネートと、常法に従い反応させ、密度0.029のポリウレタンフォームを得た。次いで、この得られたフォームを、水素:酸素=2.2:1の混合気体を用いて、爆発法によりセル膜を除去し、無膜化されたポリウレタン樹脂フォームとした。
【0045】
実施例2:鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有するアニオン吸着用ポリウレタン樹脂粉体状物の製造
実施例1で得られたポリウレタン樹脂フォームを10mm角状に切り出し、その50gを、3Lガラス製フラスコに入れ、水2900g、水酸化ナトリウム150gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5gを投入し、85℃で攪拌翼(4枚羽根)により攪拌(500rpm/分)を行い、ポリウレタンフォームと攪拌翼との衝突粉砕を加えながら、加水分解を進行させた。
反応開始後およそ2.5時間経過後からフォームの微細粉砕化が認められ、3.5時間でフォームの微細粉砕化が完全に進行した。その後30分間攪拌を継続した。反応終了時点では、ポリウレタン樹脂は、目視では微細な粉体状物として反応容器内に存在した。得られた粉体状物をフィルター濾取した後、イオン交換水にてよく水洗後、水洗液がイオン交換水のpHになった段階で110℃にて通風乾燥し、ポリウレタン樹脂の粉体状物を得た。
【0046】
かくして得られた微細分化されたポリウレタン樹脂の微粉体状物15gを、硫酸第一鉄10gを含む水溶液2000g中に攪拌下投入した。投入直後から樹脂の微紛体状物が着色して、鉄イオンの良好な吸着を暗示させた。攪拌を30分間継続させた後、フィルター濾取をし、イオン交換水にてよく水洗後、通風乾燥して、本発明の鉄イオンを吸着したカルボキシル基を有するアニオン吸着用ポリウレタン樹脂粉体状物を得た。
得られた鉄イオン吸着ポリウレタン樹脂粉体状物を硝酸にて分解させて誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で鉄吸着含量を定量したところ、樹脂粉体状物1g当り7.1mgの鉄が吸着していた。
【0047】
亜セレン酸イオンの吸着能
実施例2で得られた鉄イオン吸着ポリウレタン樹脂粉体状物を用いて亜セレン酸イオンの吸着能を以下の方法により検討した。
樹脂粉体状物試料0.5gを使用し、pH8.0の亜セレン酸4.4ppmおよび0.1ppm含有水溶液(関東化学社製標準液を使用し、液温25℃で、各濃度に調整した)50mLに投入し、30分間浸透させた。水溶液部分のセレン濃度を、誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で定量した結果、セレンの吸着率は下記の表1の通りであった。
【0048】
【表1】
【0049】
比較例1:銅イオンを吸着したカルボキシル基を含有するアニオン吸着用ポリウレタン樹脂粉体状物の亜セレン酸イオンの吸着能
実施例2と同様の操作により、実施例1で得たポリウレタン樹脂フォームを用い、硫酸銅水溶液と処理し、樹脂中に含有するカルボキシル基銅イオンを吸着させた。吸着後の樹脂紛体状物は青緑色に着色しており、銅イオンの吸着が確認され、その吸着含有量は、誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で定量した結果、樹脂粉体状物1g当り4.9mgの銅が吸着していた。
得られた樹脂粉体状物試料0.5gを使用し、上記試験例1と同様の亜セレン酸水溶液により亜セレン酸イオンの吸着能を検討した。
その結果を下記表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
以上の結果から明らかなように、樹脂中に含有するカルボキシル基に鉄イオンを吸着させた本発明のアニオン吸着材料は、特異的に亜セレン酸イオンを吸着するものであることが判明した。
【0052】
実施例3:鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有するアニオン吸着用ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂粉体状物の製造
ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体として、センカ(株)製のセンカフロックSS1830A(微粒子粉砕品)を使用した。このものの性状は、強アニオンタイプであり、pH7.5(0.5%水溶液;25℃)、粒度は1200mPa・sの白色顆粒状物である。
センカフロックSS1830A(微粒子粉砕品)15gを、硫酸第二鉄・n水和物10gの水190gの水溶液中に攪拌下投入し、30分間攪拌を継続した後、フィルター濾取をし、イオン交換水にてよく水洗後、105℃で通風乾燥し、本発明の鉄イオンを吸着したポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂を得た。
得られた鉄イオン吸着樹脂粉体状物を硝酸にて分解させて誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で鉄吸着含量を定量したところ、樹脂粉体状物1g当り15.0mgの鉄が吸着していた。
【0053】
亜セレン酸イオンの吸着能
実施例3で得られた鉄イオン吸着ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂粉体状物試料0.5gを使用し、上記試験例1と同様の亜セレン酸水溶液により亜セレン酸イオンの吸着能を検討した。
その結果を下記表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】
比較例2:
実施例3と同様の操作により、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂としてセンカフロックSS1830A(微粒子粉砕品)を用い、第一鉄イオン水溶液を使用して同様の操作により第一鉄イオンを樹脂中に含有するカルボキシル基に吸着させたが、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂の微粒子粉砕品が水により膨潤、溶解し、所望の微粒子状鉄吸着体を得ることができなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明が提供するアニオン吸着材料は、樹脂中に含有するカルボキシル基に鉄イオンを吸着させた微紛体状物として樹脂である。特にカルボキシル基に鉄イオンを吸着させたことにより、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のイオンを効率よく、かつ選択的に吸着することができる。
【0057】
基材のカルボキシル基含有粉粒体と硫酸第一鉄水溶液を用いて鉄イオンの固着を行っているにも拘わらず、これまでのイオン交換樹脂や液体キレート剤等の吸着剤に対して妨害イオンとして作用するセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを吸着し得ることは、極めて特異的なものである。
【0058】
特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンの濃度が極低濃度であっても、このものをかなりの効率で吸着し得ることができ、しかも分子内中に硫黄原子を含まないことより吸着能の低下も認められず、経時的に安定なアニオン吸着材料が提供される。
これまでかかるセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の有害酸素酸イオンを効率よく吸着でき得る吸着材料が存在していなかった現状下においては、その産業上の利用価値は多大なものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶液中に溶存するアニオン、特にセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンを効率良く吸着することができ得るアニオン吸着材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水溶液中に溶存する重金属イオンを吸着することができる材料としては、いわゆるイオン交換樹脂や液体キレート剤等が知られている。しかしながらこれらの材料にあっては、吸着し得る重金属イオンの種類が限られている。さらに、これらのものは、陽イオンの重金属イオンをよく吸着するものの、酸素と結合したアニオンを効率よく吸着するものはなかった。
【0003】
特にセレンは、必須微量元素であり、その欠乏により肝壊死、肝障害、滲出性素質、筋ジストロフィー等が生じ、組織や膜脂質において特異的に抗酸化作用を示す一方、セレン酸、亜セレン酸等のセレン化合物は極めて有毒な物質であるとされている。したがって、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のイオンを効率よく吸着する材料が要望されているにも拘わらず、これまでかかるセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを効率よく吸着でき得る吸着材料は存在していないものであった。
【0004】
これは、セレンの化学的性質が硫黄に似ていることから、セレン酸イオンや亜セレン酸イオンが、それぞれ硫酸イオンあるいは亜硫酸イオンに近い挙動を示すため、イオン交換樹脂や液体キレート剤に対して一種の妨害作用を示すためであると説明されてきている。
【0005】
ところでこれまで、本発明者はポリウレタン樹脂中にカルボキシル基またはアミドキシム基を含有させた重金属吸着剤を提供してきている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−200824号
【特許文献2】
特願2002−200825号
【0007】
今回本発明者は、アニオン、特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを効率よく吸着する材料を検討した結果、カルボキシル基を含有する樹脂を、鉄化合物を含有する水溶液と処理し、鉄イオンを吸着した樹脂とすることにより、特異的、かつ選択的にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを吸着し得る吸着材料となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、これまで何ら検討されていなかった、アニオン、特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のイオンを特異的、かつ選択的に吸着し得るアニオン吸着材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための、基本的態様である請求項1に記載の発明は、鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂からなることを特徴とするアニオン吸着材料である。
【0010】
すなわち本発明が提供する基本的態様であるアニオン吸着材料は、樹脂中にカルボキシル基を含有するものであり、その上で、当該カルボキシル基に鉄イオンを吸着させることにより樹脂自体の水溶性を制御し、目的とするセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の有毒物質イオンを特異的、かつ選択的に吸着させると共に、吸着後の分離が容易なものとなっているものである。
【0011】
より具体的な請求項2に記載の発明は、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂が、ポリウレタン樹脂フォームを加水分解し樹脂中にカルボキシル基を存在させたものであるアニオン吸着材料である。
【0012】
そのなかでも請求項3に記載の発明は、ポリウレタン樹脂フォームが、ポリオール成分としてポリアクリロニトリルを導入したポリマーポリオールを使用したポリエーテル系ポリウレタン樹脂フォームであるアニオン吸着材料である。
【0013】
さらに別の具体的態様としての請求項4に記載の発明は、カルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂がポリアクリルアミド系の樹脂であるアニオン吸着材料である。
かかるポリアクリルアミド系の樹脂は、一般的に高分子凝集剤として汚泥処理に使用されているアニオン型のアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体であり、樹脂中に存在するカルボキシル基が優れた効果を発揮するものである。
【0014】
上記で提供される本発明のアニオン吸着材料は、特にセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンの吸着能が極めて良好なものであり、選択的なものでもある。したがって、これらのアニオン吸着材料は、特にセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンの吸着に使用されるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂としては、ポリウレタン樹脂をアルカリ加水分解することにより樹脂中にキレート形成基であるカルボキシル基を含有させ、微粉末化したもの、あるいはポリアクリルアミド系の樹脂粉粒体を挙げることができる。
【0016】
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂フォームがその表面積が大きく、加水分解と共に微粉末化したものが好ましいものである。かかるポリウレタンフォームは、いわゆるポリオール成分とイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤、触媒、その他の助剤の存在下に反応させて得られるポリウレタン樹脂フォームである。そのなかでも、特に本発明で使用するポリウレタン樹脂フォームは、樹脂成分としては、ポリエーテル系が好ましい。ポリエステル系ポリウレタン樹脂フォームでは、加水分解に際してキレート形成基であるカルボキシル基を生成させる場合に、樹脂のすべてが加水分解され、グリコールと二塩基酸およびジアミンまでが生成し、好ましいものではない。
【0017】
樹脂中にキレート形成基であるカルボキシル基をより多く含有するポリウレタン樹脂フォームを構成するポリオール成分としては、ポリマーポリオールが最も好ましい。その中でもポリアクリロニトリルを導入したポリマーポリオールが好適に使用される。すなわち、ポリマーポリオールとして、ポリプロピレンオキサイドにアクリロニトリルモノマーをグラフト重合させたものを使用することにより、ポリウレタンフォーム中に当初からニトリル基を存在させておくことができるのである。
【0018】
この場合のポリプロピレンオキサイドは、分子量が2,000ないし7,000程度の範囲内にあるもの、特に末端に3個の水酸基を有し、分子量が3,000程度のものが好ましく、また、アクリロニトリルの含有量は、ポリウレタン樹脂フォームを構成するポリマーポリオール中に15〜25%程度の範囲内で含有されているものが好ましい。
【0019】
なお、アクリロニトリルとポリプロピレンオキサイドとの重合は、いわゆるグラフト重合で行われる。すなわち、アクリロニトリルとのグラフト重合により、ニトリル基が樹脂側鎖に存在することとなり、イソシアネート化合物との反応により、ポリウレタン樹脂中にニトリル基が取り込まれることが少なくなり、その後のアルカリ水溶液の加水分解により、多くのカルボキシル基がポリウレタン樹脂フォーム中に存在することとなるからである。
【0020】
一方、ポリウレタン樹脂フォームを形成するイソシアネート成分としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートの1種または2種以上が、適宜選択されて使用される。
【0021】
芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートなどが挙げられる。
【0022】
脂環族系ポリイソシアネートとしては、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイシシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのなかでも、本発明にあっては、ポリウレタンフォーム製造の容易さならびにコスト等の観点から、イソシアネート化合物として2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの(65/35あるいは80/20)混合物を使用することにより、好結果を与えた。
【0023】
上記したポリオール成分とイソシアネートとの反応によりポリウレタン樹脂フォームを製造する場合に使用する触媒としては、例えば、アミン系触媒や有機金属系触媒等のポリウレタンフォームの発泡において公知のものを使用することができ、特に限定されない。そのような触媒としては、例えば、アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
【0024】
また、有機金属系触媒としては、オクチル酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。
【0025】
本発明で使用される樹脂フォームとしてのポリウレタンフォームを製造する場合の発泡剤としては、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロフルオロエタン、トリクロロエタン、n−ペンタン、イソペンタンなどの1種以上の混合物が挙げられる。
【0026】
また、整泡剤としては、従来から知られているオルガノシリコーン系界面活性剤が使用される。しかしながら、本発明の金属吸着材料としてのポリウレタン樹脂フォームにあっては、フォーム中に疎水性物質、例えばシリコーンオイル等が存在すると、その後のアミドキシム化反応において好ましいものではなく、したがって整泡剤としては反応性のあるものか、あるいは容易に洗浄除去できるものを使用するのが好ましい。
【0027】
本発明においては上記で製造されたポリウレタン樹脂フォームの加水分解は、アルカリ水溶液との処理により行われる。すなわち、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸化物の水溶液、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の有機アミンの水溶液を使用し、当該アルカリ水溶液中に樹脂フォームを浸漬させ、加熱、攪拌・粉砕させることにより行われる。かかる操作により樹脂フォーム中に存在するニトリル基がカルボキシル基に置換されると共に、ポリウレタン樹脂フォームのウレタン結合も加水分解されて、その結果微細化し、微粉体状の樹脂として存在することとなる。
【0028】
具体的には、例えばアルカリ加水分解として水酸化ナトリウム水溶液を使用する場合には、その濃度は1〜100g/L程度、好ましくは5〜50g/L程度のアルカリ水溶液を使用するのがよい。その場合のアルカリの量としては、例えばニトリル基をカルボキシル基に置換するに必要なアルカリの量の、10〜100%増し程度の量を添加して加水分解を行うのが好ましい。100%を超える場合には、ポリウレタン樹脂フォームの加水分解が過度に進行し、好ましいものではない。
【0029】
なおアルカリ水溶液との処理にあたっては、アルカリ水溶液をポリウレタンフォーム中に効率よく浸透させるために、界面活性剤を併用させておくことも好ましい。そのような界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム[例えば、ペレクッスOTP(花王株式会社製);サンモリンOT70(三洋化成株式会社製)]等が挙げられ、その濃度として、0.3〜3g/L程度併用するのがよい。また、加水分解の反応温度等にもよるが、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコールを加え、浸透性を改善させることもできる。
【0030】
アルカリ水溶液の処理においては、加熱条件下に攪拌・粉砕して行うのがよいことが判明した。具体的には、例えば60〜130℃程度の加熱条件下に、2ないし6時間程度加水分解反応を行うのがよい。
また、当該アルカリ水溶液との処理にあたっては、ポリウレタン樹脂フォームの微細分化ならびに微粉体化を助長するために、攪拌翼のある攪拌機でポリウレタンフォームを攪拌翼と衝突させる湿式粉砕で微粉体化するのがよい。すなわち、攪拌に際して、攪拌翼の剪断力の効果によりポリウレタン樹脂フォームの微細分化が助長され、それに加えてウレタン結合の適度の加水分解が生じ、ポリウレタン樹脂フォームが微粉体化され、微粉体状物に形成されるのである。
【0031】
なお、加水分解に際してはアルカリ水溶液をポンプにより循環して行うことも好ましいものである。所望する最終製品の形態により異なるが、攪拌条件あるいは循環条件を種々変化させ、所望の粒子径を有する樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂を得ることができる。
【0032】
また、アルカリ水溶液との処理に供するポリウレタン樹脂フォームとしては、その軟硬の程度を特に問われるものではない。すなわち軟質ウレタン樹脂フォームであっても、硬質ウレタン樹脂フォームであってもよく、例えば軟質樹脂フォームの場合には、前もってフォーム自体を10mm厚の薄板状に切出しておくことにより効率よくアルカリ加水分解反応を行うことができる。また、硬質樹脂フォームの場合には、10mm程度のサイコロ状物に切出しておくことにより、また効率よくアルカリ加水分解を行うことができる。
【0033】
以上のアルカリ水溶液との処理により、ポリウレタン樹脂フォーム中のニトリル基はカルボキシル基に置換されると共に、樹脂フォームは微粉体化され、微粉体状物の樹脂となる。その場合の微粉体状物の平均粒子径は、1,000μm程度以下、好ましくは500μm程度以下であるのが好ましい。
【0034】
一方、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂としてのポリアクリルアミド系の樹脂としては、いわゆる高分子凝集剤として微粉末タイプのポリアクリルアミド系の樹脂が使用される。その中でもアニオン系のポリアクリルアミド系樹脂が好ましく、中でもアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体が特に好ましい。このアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体は、樹脂中にカルボキシル基を含有すると共に、既に微紛体状の樹脂としての形態を保持しているものである。
【0035】
かかるアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体としては、分子量が大きなものが好ましく、好ましい分子量の範囲としては100万ないし1000万程度である。分子量が100万未満のものでは水中での微紛体状の粒子状体を保つことができず、ゲル状のものとなってしまい好ましいものではない。そのためアクリルアミド・アクリル酸ナトリウムの比率を変化させ、所望の分子量を有する樹脂とすることができるが、特にアクリルアミドは、分子量を大きくする上で好ましいものであり、その比率は、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムの比率で、30〜40/70〜60程度である。また微紛体状の粒子状としての平均粒子径は、200μm程度以下、好ましくは100μm程度以下で、表面積の大きいものであるのが好ましい。
【0036】
本発明においては、これらの樹脂中に含有するカルボキシル基は、金属アニオン、特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオンを吸着するために、鉄イオンを吸着させておくことが必要である。そのための鉄イオンの吸着は例えば以下のようにして行われる。
【0037】
樹脂中にカルボキシル基を含有するウレタン樹脂の場合には、吸着させる鉄イオンとして第一鉄イオンおよび第二鉄イオンの両者を使用することができるが、特に第一鉄イオンが好ましい。第二鉄イオンの場合には酸化力を有しているものであり、基質であるウレタン樹脂の劣化を生じさせる恐れがあり好ましいものではない。
【0038】
鉄イオンの吸着は、例えば、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、塩化第一鉄、過塩素酸第一鉄等の水溶性の第一鉄化合物の水溶液と、上記で得られた樹脂中にカルボキシル基を含有するウレタン樹脂の微紛体状物とを混合処理することにより行われる。より具体的には、上記のアルカリ加水分解処理を終了し、樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂を得た後、当該樹脂をイオン交換水で洗浄し、直ちに水溶性の第一鉄化合物の水溶液と処理するか、または水酸化物の生成を抑えるため、樹脂を酸で洗浄した後水溶性の第一鉄化合物の水溶液と処理することで行われる。
【0039】
一方、樹脂中にカルボキシル基を含有する樹脂として、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体を使用する場合には、吸着させる鉄イオンとしては第二鉄イオンを吸着させるのが好ましい。第一鉄イオンの場合には、樹脂中のカルボキシル基が鉄イオンを取り込むことが困難であり、また樹脂が溶解してしまい好ましいものではない。具体的には、樹脂粉末が水に溶解することを避けるため、大過剰の第二鉄化合物を含む水溶液中に、攪拌下に樹脂粉末を徐々に投入し処理することで行われる。また、逆に大過剰の第二鉄化合物を含む水溶液を、攪拌下に樹脂粉末中に、徐々に投入し処理することで行うこともできる。第二鉄化合物を含む水溶液を急速に投入すると、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体中のカルボキシル基と鉄イオンが十分に反応せず、樹脂紛体のみが溶解し始め、凝集するため好ましいものではない。
【0040】
かくして製造された鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂は、乾燥することにより、目的とする本発明の微紛体状の樹脂としてのアニオン吸着材料を得ることができる。得られた微粉体状の樹脂は、微細粉体状物として水との接触面積が大きなものであり、特にセレン酸イオンあるいは亜セレン酸イオンを選択的に吸着し、かかる毒性のイオンの吸着能は、特に優れたものであった。
【0041】
本発明が提供する樹脂の微粉体状物であるアニオン吸着材料を使用する場合の使用形態は特に限定されない。例えば、カートリッジに本発明のアニオン吸着材料を充填し、かかるカートリッジを水中に沈めておき、アニオンの捕集に使用することができる。また、適当な径を有するカートリッジカラムに本発明のアニオン吸着材料を充填し、このカートリッジカラム内を、例えばアニオンを含有する溶液を展開させることにより、当該アニオンを捕集することができる。
【0042】
また、本発明が提供する樹脂の微粉体状物であるアニオン吸着材料は、微粒子状でありながら水中での沈降速度が極めて迅速であるため、一般的な凝集沈殿法排水処理装置におけるシックナーとしてアニオンを捕集し、固液分離を行うことができる。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定する意図を有するものではない。
【0044】
実施例1:ポリウレタン樹脂フォームの製造
アクリロニトリルを21%含有する水酸基価56.1のグリセリンベースポリプロピレンオキサイド系ポリマーポリオール(A)と、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=50/50でグリセリンに付加した水酸基価56.1のポリアルキレンオキサイド(B)の混合ポリオールを、トルエンジイソシナネートと、常法に従い反応させ、密度0.029のポリウレタンフォームを得た。次いで、この得られたフォームを、水素:酸素=2.2:1の混合気体を用いて、爆発法によりセル膜を除去し、無膜化されたポリウレタン樹脂フォームとした。
【0045】
実施例2:鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有するアニオン吸着用ポリウレタン樹脂粉体状物の製造
実施例1で得られたポリウレタン樹脂フォームを10mm角状に切り出し、その50gを、3Lガラス製フラスコに入れ、水2900g、水酸化ナトリウム150gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5gを投入し、85℃で攪拌翼(4枚羽根)により攪拌(500rpm/分)を行い、ポリウレタンフォームと攪拌翼との衝突粉砕を加えながら、加水分解を進行させた。
反応開始後およそ2.5時間経過後からフォームの微細粉砕化が認められ、3.5時間でフォームの微細粉砕化が完全に進行した。その後30分間攪拌を継続した。反応終了時点では、ポリウレタン樹脂は、目視では微細な粉体状物として反応容器内に存在した。得られた粉体状物をフィルター濾取した後、イオン交換水にてよく水洗後、水洗液がイオン交換水のpHになった段階で110℃にて通風乾燥し、ポリウレタン樹脂の粉体状物を得た。
【0046】
かくして得られた微細分化されたポリウレタン樹脂の微粉体状物15gを、硫酸第一鉄10gを含む水溶液2000g中に攪拌下投入した。投入直後から樹脂の微紛体状物が着色して、鉄イオンの良好な吸着を暗示させた。攪拌を30分間継続させた後、フィルター濾取をし、イオン交換水にてよく水洗後、通風乾燥して、本発明の鉄イオンを吸着したカルボキシル基を有するアニオン吸着用ポリウレタン樹脂粉体状物を得た。
得られた鉄イオン吸着ポリウレタン樹脂粉体状物を硝酸にて分解させて誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で鉄吸着含量を定量したところ、樹脂粉体状物1g当り7.1mgの鉄が吸着していた。
【0047】
亜セレン酸イオンの吸着能
実施例2で得られた鉄イオン吸着ポリウレタン樹脂粉体状物を用いて亜セレン酸イオンの吸着能を以下の方法により検討した。
樹脂粉体状物試料0.5gを使用し、pH8.0の亜セレン酸4.4ppmおよび0.1ppm含有水溶液(関東化学社製標準液を使用し、液温25℃で、各濃度に調整した)50mLに投入し、30分間浸透させた。水溶液部分のセレン濃度を、誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で定量した結果、セレンの吸着率は下記の表1の通りであった。
【0048】
【表1】
【0049】
比較例1:銅イオンを吸着したカルボキシル基を含有するアニオン吸着用ポリウレタン樹脂粉体状物の亜セレン酸イオンの吸着能
実施例2と同様の操作により、実施例1で得たポリウレタン樹脂フォームを用い、硫酸銅水溶液と処理し、樹脂中に含有するカルボキシル基銅イオンを吸着させた。吸着後の樹脂紛体状物は青緑色に着色しており、銅イオンの吸着が確認され、その吸着含有量は、誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で定量した結果、樹脂粉体状物1g当り4.9mgの銅が吸着していた。
得られた樹脂粉体状物試料0.5gを使用し、上記試験例1と同様の亜セレン酸水溶液により亜セレン酸イオンの吸着能を検討した。
その結果を下記表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
以上の結果から明らかなように、樹脂中に含有するカルボキシル基に鉄イオンを吸着させた本発明のアニオン吸着材料は、特異的に亜セレン酸イオンを吸着するものであることが判明した。
【0052】
実施例3:鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有するアニオン吸着用ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂粉体状物の製造
ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体として、センカ(株)製のセンカフロックSS1830A(微粒子粉砕品)を使用した。このものの性状は、強アニオンタイプであり、pH7.5(0.5%水溶液;25℃)、粒度は1200mPa・sの白色顆粒状物である。
センカフロックSS1830A(微粒子粉砕品)15gを、硫酸第二鉄・n水和物10gの水190gの水溶液中に攪拌下投入し、30分間攪拌を継続した後、フィルター濾取をし、イオン交換水にてよく水洗後、105℃で通風乾燥し、本発明の鉄イオンを吸着したポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂を得た。
得られた鉄イオン吸着樹脂粉体状物を硝酸にて分解させて誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP)で鉄吸着含量を定量したところ、樹脂粉体状物1g当り15.0mgの鉄が吸着していた。
【0053】
亜セレン酸イオンの吸着能
実施例3で得られた鉄イオン吸着ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂粉体状物試料0.5gを使用し、上記試験例1と同様の亜セレン酸水溶液により亜セレン酸イオンの吸着能を検討した。
その結果を下記表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】
比較例2:
実施例3と同様の操作により、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂としてセンカフロックSS1830A(微粒子粉砕品)を用い、第一鉄イオン水溶液を使用して同様の操作により第一鉄イオンを樹脂中に含有するカルボキシル基に吸着させたが、ポリ(アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム)共重合体樹脂の微粒子粉砕品が水により膨潤、溶解し、所望の微粒子状鉄吸着体を得ることができなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明が提供するアニオン吸着材料は、樹脂中に含有するカルボキシル基に鉄イオンを吸着させた微紛体状物として樹脂である。特にカルボキシル基に鉄イオンを吸着させたことにより、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン等のイオンを効率よく、かつ選択的に吸着することができる。
【0057】
基材のカルボキシル基含有粉粒体と硫酸第一鉄水溶液を用いて鉄イオンの固着を行っているにも拘わらず、これまでのイオン交換樹脂や液体キレート剤等の吸着剤に対して妨害イオンとして作用するセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンを吸着し得ることは、極めて特異的なものである。
【0058】
特にセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の酸素酸イオンの濃度が極低濃度であっても、このものをかなりの効率で吸着し得ることができ、しかも分子内中に硫黄原子を含まないことより吸着能の低下も認められず、経時的に安定なアニオン吸着材料が提供される。
これまでかかるセレン酸イオン、亜セレン酸イオン等の有害酸素酸イオンを効率よく吸着でき得る吸着材料が存在していなかった現状下においては、その産業上の利用価値は多大なものである。
Claims (4)
- 鉄イオンを吸着したカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂からなることを特徴とするアニオン吸着材料。
- 樹脂中にカルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂が、ポリウレタン樹脂フォームを加水分解し樹脂中にカルボキシル基を存在させたものである請求項1に記載のアニオン吸着材料。
- ポリウレタン樹脂フォームが、ポリオール成分としてポリアクリロニトリルを導入したポリマーポリオールを使用したポリエーテル系ポリウレタン樹脂フォームである請求項2に記載のアニオン吸着材料。
- カルボキシル基を含有する微紛体状の樹脂がポリアクリルアミド系の樹脂である請求項1に記載のアニオン吸着材料。
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