JP2004134635A - 電子ビーム描画装置 - Google Patents

電子ビーム描画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004134635A
JP2004134635A JP2002298873A JP2002298873A JP2004134635A JP 2004134635 A JP2004134635 A JP 2004134635A JP 2002298873 A JP2002298873 A JP 2002298873A JP 2002298873 A JP2002298873 A JP 2002298873A JP 2004134635 A JP2004134635 A JP 2004134635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
top plate
sample chamber
electron beam
lens barrel
laser interferometer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002298873A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sakamoto
坂本 淳
Masaki Kurihara
栗原 雅樹
Toshihiko Horiuchi
堀内 敏彦
Yoshimasa Fukushima
福嶋 芳雅
Maki Mizuochi
水落 真樹
Naotomo Maruyama
丸山 直伴
Yoshio Nakajima
中島 吉男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Hitachi High Tech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp, Hitachi High Tech Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2002298873A priority Critical patent/JP2004134635A/ja
Publication of JP2004134635A publication Critical patent/JP2004134635A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】電子ビーム描画装置において、ステ−ジの位置を測定するレーザ干渉計の、大気圧の変動による測定誤差の発生をを抑制する。
【解決手段】試料室4の囲壁上に架台10を設け、前記レーザ干渉計16を取りつける取付ホルダ15は前記架台10で支持して前記試料室天板5を貫通して配置し、前記試料室天板5と構造的に独立させ、取付ホルダ15と前記天板5の貫通部をシ−ルするシ−ル部材18aを設ける。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体やマスク原版上に微細パターンを露光する電子ビーム描画装置に係わり、特に、試料を搭載するステージの位置を検出するレーザ干渉計を備えた電子ビーム描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム描画装置は試料が搭載されたステージを水平方向に移動させながら、電子銃から放出された電子ビームを電子レンズで収束して偏光器で偏向させ、試料上に微細パターンを描画する装置である。従って、電子ビーム描画装置では、電子ビームの軌道を真空にするため、所定の真空度に保持できる試料室内にステージを設け、電子銃、電子レンズ及び偏光器を有する鏡筒を試料室の天板上に直立して設置された構造が一般的である。また、試料を搭載するステージを連続移動方式で移動させる場合には、試料の位置が時々刻々変化していくため、電子ビームが到達するべき位置の情報には、このステージの移動分を考慮しなければならない。
【0003】
電子ビ−ム描画装置では、一般に、各時刻におけるステージの位置を測定するために、レーザ干渉計が用いられる。そこで、ステージにはミラーを設け、これに対向して試料室内の天板下部にレーザ干渉計が設けられることがある。
【0004】
レーザ干渉計は試料室の外部から光ファイバで誘導されたレーザ光をレ−ザ干渉計内のビームスプリッタにより2方向に分割して、レーザ光の一部をステージに設けたミラ−に送って、残りをレーザ干渉計内の固定ミラーに送り、これらのミラーの反射波が再度、ビームスプリッタで合流して発生する干渉縞を検出する。この干渉縞の検出により、ステージに設けたミラーの位置が測定される。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】
特開2002―175770号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
固定ミラーを含むレーザ干渉計ユニットの上下方向および回転方向の位置の変動は、レーザ干渉計により測定されるステージの変位測定に誤差をもたらす。実際の装置では、試料室内が真空であるために大気圧との差圧によって、レーザ干渉計が設けられる天板に変形が発生する。特に、試料室が大型の場合、天板に大きなたわみ変形が発生する。
【0006】
試料室の真空度は、装置の性能を維持するため、予め設定された値に維持されるが、大気圧は日々変動する。このため、前記差圧が大気圧の変動に伴なって変動し、前記たわみ変形の量も変動する。
【0007】
上記のような変形の変動が発生すると、次に列挙する測長誤差が発生する。
(a) レーザ干渉計の変位ΔXによる測長誤差
(b) レーザ干渉計の変位ΔZによるアッベ誤差
(c) レーザ干渉計の回転Δθによるコサインエラー
(d) 鏡筒の変位ΔYによる測長誤差
図6を用いてこれらの誤差を説明する。(a)の測長誤差は、主に天板5のたわみ変形による回転変位Δθによってレーザ干渉計16の位置がΔX変位してしまう測長誤差である。(b)のアッベ誤差は、ミラー17、あるいは、ステージ6が傾き角θpを有している状態で、レーザ干渉計16がΔZ変位すると測定位置が変化する。これによって生ずるΔZ・sinθpのアッベ誤差である。(c)のコサインエラーは、天板5のたわみ変形によって回転変位Δθが発生すると、測定対象のミラー17までの距離が変化する。 この変化分による誤差である。測定された長さをLとすると、本来の正しい長さはL・cosΔθであるので、差分のL・(1−cosΔθ)が誤差になる。(d)の測長誤差は、鏡筒9の傾きなどによって、電子線の照射位置がΔY変位してしまう位置決め誤差である。
【0008】
上記の誤差に対し、試料室4内を真空にした時の初期の誤差は調整により除去することができるが、大気圧が時々刻々変化する場合にはレ−ザ干渉計16の測長誤差となる。このような大気圧変動は気象条件次第で発生し得る。実際、試料室天板の径が大きい(例えば2m)と、大気圧の変動を考慮した圧力分布を試料室4周りに加えたとき、天板5の変形によるレ−ザ干渉計16とステージ6上に設けたミラー17間の相対変位には、レーザ干渉計16の変位分解能よりも大きい変位変動があることがFEM解析により明らかになった。従って、電子ビーム描画装置における試料室4の天板5にレーザ干渉計16を設ける場合の技術課題は、大気圧の変動によるレーザ干渉計16の測定誤差の発生を抑制することである。このような測長誤差は、電子ビーム12の位置決め精度低下を招く。この技術課題は、特に試料室4の大型化によって顕在化したもので、従来は考えられていなかった。
【0009】
レーザ干渉計を試料室床面に設置することも考えられるが、試料室床面に設置した場合、ステージ駆動反力による影響を床から直接受けるので、振動、変形が大きくなり、精度的に好ましくない。また、レーザ干渉計を試料室壁面に設置する例もあるが、試料室の寸法が大きくなった場合、大気圧による変形の影響は壁面でも同様に現れるため、測長誤差の問題は解決できない。
【0010】
本発明の課題は、大気圧の変動によるレーザ干渉計の測定誤差の発生を抑制することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成する第1の手段は、試料を搭載して水平方向に移動するステージを内装し、上面を天板で塞いで所定の真空度に保持される試料室と、前記試料室内に配置され、前記ステージに取りつけられたミラーにレーザ光を照射してステージの位置を検出するレーザ干渉計と、前記試料室上方に配置され、前記試料に電子ビームで描画する電子銃を内装した鏡筒と、を含んでなる電子ビーム描画装置であって、前記レーザ干渉計は前記天板を貫通して配置されたレーザ干渉計取付ホルダに装着され、該レーザ干渉計取付ホルダの天板上方の端部は、前記試料室の囲壁に固定支持された架台に固定支持されていることを特徴とする。
【0012】
レーザ干渉計取付ホルダとレーザ干渉計取付ホルダが貫通した天板との間はシール部材で密封される。
【0013】
上記構成によれば、レーザ干渉計取付ホルダが試料室外の大気中に設けた架台に取り付けられ、この架台には気圧差が負荷されないため、これに支持されたレ−ザ干渉計の上下、回転方向の変位は生じない。従って、気圧変動によるレーザ干渉計の誤差は生じない。また、架台10は鏡筒9をも支持する構造にすることにより、天板5は真空保持機能のみ確保できればよいため、高精度な電子ビーム描画装置を提供することが可能である。
【0014】
また、本発明の目的を達成する第2の手段として、前記鏡筒をも前記架台で支持する構成としてもよい。この場合も、鏡筒と鏡筒が貫通した天板との間はシール部材で密封される。架台は鏡筒9をも支持する構造にすることにより、天板は真空保持機能のみ確保できればよいため、高精度な電子ビーム描画装置を提供することが可能である。
【0015】
さらに、本発明の目的を達成する第3の手段は、試料を搭載して水平方向に移動するステージを内装し、上面を天板で塞いで所定の真空度に保持される試料室と、前記試料室内に配置され、前記ステージに取りつけられたミラーにレーザ光を照射してステージの位置を検出するレーザ干渉計と、前記試料室上方に配置され、前記試料に電子ビームで描画する電子銃を内装した鏡筒と、を含んでなる電子ビーム描画装置であって、前記試料室の上に前記天板上面を底面として密閉区画が設けられ、前記鏡筒は前記密閉区画の上面を貫通して配置されるとともに、該鏡筒が前記密閉区画の上面を貫通している個所に、鏡筒と該上面の間を、両者が鏡筒軸方向に相対変位可能にシールするシール部材が設けられ、前記密閉区画の内圧を検出して出力する圧力検出手段と、この圧力検出手段の出力信号に基づいて前記密閉区画の内圧を所定の圧力に維持する圧力制御手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、前記密閉区画の内圧を、例えば、1気圧を確保するように、圧力検出手段と圧力制御手段により前記密閉区画の内圧を一定にすることによって、大気圧の変動があっても天板が受ける荷重は鏡筒の断面積分の気圧差となり、天板の上下方向の変位の変化が低減されるため、レーザ干渉計の測定誤差は小さく抑えられる。
【0017】
また、本発明の目的を達成する第4の手段として、前記圧力制御手段は、前記密閉区画に吐出口を圧縮空気流路を介して接続された圧縮機と、前記圧力検出手段の出力信号に基づいて前記圧縮機の運転を制御するコントローラと、前記密閉区画に設けられ、その内圧が予め設定された上限圧力を超えたときに開いて前記密閉区画内部の気体を外部に放出する弁と、を含んで構成されているものとしてもよい。
【0018】
本発明の目的を達成する第5の手段は、試料を搭載して水平方向に移動するステージを内装し、上面を天板で塞いで所定の真空度に保持される試料室と、前記試料室内に配置され、前記ステージに取りつけられたミラーにレーザ光を照射してステージの位置を検出するレーザ干渉計と、前記試料室上方に配置され、前記試料に電子ビームで描画する電子銃を内装した鏡筒と、を含んでなる電子ビーム描画装置であって、前記レーザ干渉計は前記天板に支持されており、前記天板の上下方向の変位を検出して出力する変位検出手段と、前記天板に直接もしくは他の部材を介して固着され、天板上方に延在する連結部材と、試料室囲壁に支持固定され、前記連結部材に上向きの力を加える変位補正力負荷手段と、変位検出手段で検出される天板の上下方向の変位が予め設定された値になるように、前記変位補正力負荷手段が前記連結部材に加える上向きの力を、前記変位検出手段の出力に基づいて制御するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、大気圧の変動により発生する天板の上下方向の変位を変位検出手段により測定し、この天板の上下方向の変位が予め設定された値になるように前記変位補正力負荷手段が前記連結部材に加える上向きの力が制御されるから、天板の上下方向の変位が予め設定された値に制御され、天板に設けられたレーザ干渉計の誤差の発生を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である電子ビーム描画装置の側面図である。図1に示す電子ビーム描画装置33は、床1上に配置された防振マウント2で支持された定盤3上に軸線を上下方向にして設けられた箱状あるいは円筒状の試料室4と、試料室4の内部に設けられたステージ6と、ステージ6に固定されたミラー17と、試料室4の囲壁上面に気密に載置されて試料室4の上面をなす天板5と、試料室4の囲壁外面に設置され、該囲壁を通して前記ステージ6を移動させるステージ駆動系7と、前記天板5を挟んで試料室4の互いに対向する位置の囲壁上面に両端を結合、支持された架台10と、架台10の下面に結合されて下方に延在し、前記天板5に形成された開口を貫通して下端を試料室4内に位置させたレーザ干渉計取付ホルダ(以下、取付ホルダという)15と、この取付ホルダ15の下端部に支持されたレーザ干渉計16と、軸線を上下方向にして配置され、下部外周に形成されたフランジを前記架台10の中央部に支持されて下端部を前記天板5の中央に形成された開口内に位置させた鏡筒9と、鏡筒9の内部の最上部に軸線を上下方向にして設けられた電子銃11と、鏡筒9内に設けられた電子レンズ13と偏向器14と、図示されていないレーザ源と、を含んで構成されている。
【0021】
取付ホルダ15が前記天板5の開口を貫通している部分はシール部材18aで、鏡筒9が前記天板5の開口を貫通している部分はシール部材18bで、それぞれシールされ、取付ホルダ15や鏡筒9に対して天板5がそれらの軸線方向に相対的に移動しても試料室4内の真空度を保持させるようにしてある。
【0022】
鏡筒9の下部外周に設けられたフランジは、前記架台10にボルトで固定される。前記架台10は、鏡筒9の軸線方向上方から下に見たとき十字状をなしている梁部材で構成されており、外周側の4箇所で、試料室4の囲壁に結合、支持されている。
【0023】
図1に示すように、本発明の電子ビーム描画装置33では、従来型の電子ビーム描画装置の天板が有している試料室内の真空度を確保する機能と、鏡筒及びレーザ干渉計を支持する機能を分離して、天板5は試料室4内の真空度を確保する機能のみとし、鏡筒9及びレーザ干渉計16を支持する機能は試料室4の四隅に固定した梁部材(両端固定支持)で構成した架台10に持たせる構造としてある。
【0024】
次に、図1を用いて、本実施の形態の作用を説明する。
【0025】
電子ビーム描画装置33では、一般に、電子銃11から放出される電子ビーム12は電子レンズ13により収束され、偏向器14で偏向されて、試料室4に収納されたステージ6上の試料8に照射される。試料8はステージ6に搭載されており、また、ステージ6はステージ駆動系7により駆動されて位置を変化させる。電子銃11から放出される電子ビーム12は、ステージ6をステージ駆動系7により連続移動させながら、試料8に微細パターンを描画する。ステージ6は試料8をビーム電子線照射位置に移動させるために用いられる。
【0026】
また、電子ビーム12とステージ6の位置決め精度はnmオーダであるため、床振動の影響を受けやすく、電子ビーム描画装置33の本体(図1において定盤3以上の部分)は床1との間に防振マウント2を設けて、床振動を振動的に絶縁している。
【0027】
上記構成によれば、電子ビーム描画装置33が設けられている部屋内の圧力が気象現象の変化で変動する場合にも、試料室4の圧縮方向に強度が高い壁部、例えば、試料室4の外周四個所に固定した梁部材からなる架台10は、レーザ干渉計16と鏡筒9を支持するのみであり、従来のように真空を保持する機能が必要ない。従って、設計上の制約が少ないため、強度部材として設計でき、しかも上下面とも大気中であるため、大気圧と真空との圧力差がない。このため、レーザ干渉計16は大気圧変動による位置の変動を生ぜず、測定誤差を生じることがない。
【0028】
図2に本発明の第2の実施の形態に係る電子ビーム描画装置を示す。図2に示す実施の形態が前記第1の実施の形態と異なるのは、架台10aが平面形状が十字状の両端固定支持の梁部材ではなくて、一端を試料室4の囲壁に天板5を介して固定された片持ち梁である点と、鏡筒9は従来どおり天板5に支持されている点である。取付ホルダ15は、第1の実施の形態と同様に、架台10aの下面に軸線を上下方向にして取り付けられて下方に延在し、天板5に形成された開口を貫通して下端を試料室4内に位置させている。レーザ干渉計16は、取付ホルダ15の下端に取り付けられている。他の構成は前記第1の実施の形態と同じであるので、同一の符号を付して説明は省略する。
【0029】
本実施の形態においても、架台10は真空を保持する機能が必要なく、従って、設計上の制約が少ないため、強度部材として設計でき、しかも上下面とも大気中であるため、大気圧と真空との圧力差がない。このため、レーザ干渉計16は大気圧変動による位置の変動を生ぜず、測定誤差を生じることがない。
【0030】
なお、前記各実施の形態では、架台10、10aは、天板5を介して試料室4の囲壁上面に締結されているが、試料室4の囲壁に沿って通し柱形式で設置してもよい。
【0031】
図3に、本発明の第3の実施の形態の縦断面図を示す。本実施の形態では、従来型のように鏡筒9と取付ホルダ15は天板5に設けられ、天板5に支持される。レーザ干渉計16は取付ホルダ15の下端に取りつけられる。そして、架台10に代えて、天板5を覆うように天板5の上方に密閉された気密の箱形あるいは円筒形の密閉区画(以下、定圧室という)19が、前記天板5の上面を底面として試料室4と同じ内径で同心に設けられ、定圧室19の囲壁は、天板5を介して試料室4の囲壁上面に支持されている。鏡筒9は定圧室19の上面を貫通しており、鏡筒9の上端は定圧室19の上方、外部に位置している。そして、鏡筒9が定圧室19の上面を貫通している個所では、定圧室19と鏡筒9との間の間隙にシール部材18bが設けられて気密を保持するようになっている。
【0032】
他の構成は前記第1の実施の形態と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
本実施の形態は、さらに、定圧室19に、空気ホース24で吐出口を接続された圧縮機23と、定圧室19内の圧力が予め設定された上限圧力を超えたときに開いて定圧室内部の気体を外部に放出する弁25と、定圧室19内の圧力を検出して出力する圧力センサ20と、圧力センサ20の出力信号が入力されるセンサアンプ21と、センサアンプ21から出力される圧力センサ20の信号を入力として前記圧縮機23を制御するコントローラ22を含んで構成されている。弁25と前記圧縮機23と空気ホース24とコントローラ22で圧力制御手段が構成されている。
【0034】
コントローラ22は、センサアンプ21を介して入力される圧力センサ20の信号により圧縮機23を制御して定圧室19に空気を入れて、定圧室19の圧力を予め設定された圧力(厳密には圧力範囲)に維持する。
【0035】
次に本実施の形態の動作を説明する。コントローラ22は、定圧室19に設けられた圧力センサ20により定圧室19の内圧を監視し、電子ビーム描画装置33が設けられている部屋内の圧力が気象現象の変化で変動しても、定圧室19の圧力が常に予め設定された圧力になるように、圧縮機23を制御する。つまり、定圧室19の圧力が前記予め設定された圧力より低くなる場合は、圧力センサ20で検出された圧力と前記設定された圧力の差をゼロにするように、圧縮機23を駆動して空気を定圧室19に送り込むように制御することによって、大気圧の変動による天板5の上下変位を低減する。
【0036】
本実施の形態では、鏡筒9は大気中と真空中の二つの領域に跨って位置するため、大気圧の変動の影響を受ける。この場合、上下方向の圧力を受ける鏡筒9の面積が天板5の面積に比べて、十分小さい場合には、鏡筒9が大気中にあっても問題にならないが、必要があれば、鏡筒9を収容する定圧室19を設けるか、もしくは、鏡筒9を図1のように、別に設けた架台で支持してもよい。
【0037】
図4に、本発明の第4の実施の形態の縦断面図を示す。本実施の形態は、鏡筒9とレーザ干渉計16を、従来型のように、試料室4の真空度を保持する天板5に設け、架台10に代えて、天板5の撓みを検出して、天板5の撓みが所定の値になるよう、天板5を動かす機械的な手段(吊り上げ装置34)を設けたものである。他の構成は前記第1の実施の形態と同じであるので、同一の符号を付して説明は省略する。
【0038】
本実施の形態では、図示のように、鏡筒9とレーザ干渉計16は、従来型のように、試料室4の真空度を保持する天板5に設けられる。鏡筒9は、その下部外周に形成されたフランジ9aの下面を天板5の上面に固着して配置されている。そして、上下方向に剛性の高い試料室4の壁構造、例えば、試料室4の囲壁の周方向四等分する位置にそれぞれ一端を固定支持され、他端を試料室4の中心方向に伸ばした4個の片持ち式の梁部材26が設けられている。4個の梁部材26は、上方から平面的に見た場合、試料室中心側端部を、試料室中心(図4では鏡筒9の軸心と同じ)から等距離の位置(同心円の円周を4等分する位置)に置き、各梁部材26の軸線を試料室中心側端部の位置から外周方向に向かって放射状に配置し、各梁部材26の外周側端部を試料室4の囲壁の周方向四等分する位置に固定してある。
【0039】
この梁部材26の試料室中心側端部の下側に、図5に示すように、試料室中心側に突出する棚状の固定部材27が形成され、梁部材26の試料室中心側端部の上側に、下面を前記固定部材27の上面に対向させたレバー部材30が、同じく試料室中心側に棚状に突出するように形成されている。そして、レバー部材30と固定部材27には、鏡筒9の軸線と平行な直線を共通の中心とする開口が形成され、この開口に棒状の連結部材28が挿通されている。連結部材28の下端は前記フランジ9aの上面に固着され、雄ねじが形成されている上端部はレバー部材30の開口の上方に突出していて、該雄ねじに螺合されたナットはレバー部材30の上面に当接するように締め込まれている。つまり、連結部材28は、レバー部材30に対して相対的に上方には移動可能であるが、下方には移動できないようになっている。言い換えると、レバー部材30が上方に動くと連結部材28もともに上方に動くが、レバー部材30が下方に動いても連結部材28は他の強制力がない限り、そのままの位置に止まるのである。
【0040】
また、レバー部材30と固定部材27との間に直動アクチュエータ29が設けられており、直動アクチュエータ29は、付勢されると固定部材27に対してレバー部材30を上方に相対変位させるように動作する。
【0041】
本実施の形態では、梁部材26とレバー部材30と固定部材27と直動アクチュエータ29とで変位補正力負荷手段が構成され、変位補正力負荷手段と連結部材28からなる吊り上げ装置34が、4組設けられている。さらに、4個の直動アクチュエータ29を一括駆動する駆動アンプ32と、天板5上に取り付けられ、天板5の上下方向の変位を検出して出力する変位検出手段である歪みセンサ31と、この歪みセンサ31の電気信号を増幅するセンサアンプ21と、センサアンプ21を介して入力される前記歪みセンサ31の電気信号を入力として前記駆動アンプ32を制御するコントローラ22と、が設けられている。コントローラ22は、前記歪みセンサ31の電気信号を入力として、天板5の歪み(上下方向の変位)が予め設定された値になるように、駆動アンプ32を介して直動アクチュエータ29を駆動する。本実施の形態では、直動アクチュエータ29として、圧電素子(圧電アクチュエータ)を用いた。
【0042】
本実施の形態は次のように動作する。大気圧の変動により発生する天板5の歪み(上下方向の変位、以下同じ)は天板5に張り付けられた歪みセンサ31により測定され、コントローラ22は、この天板5の歪みを小さくするように固定部材27とレバー部材30との間に設けた直動アクチュエータ29を駆動アンプ32を介して制御する。すなわち、歪みセンサ31により測定された天板5の大気圧による下方への撓みが予め設定された値よりも大きくなった場合、コントローラ22は、駆動アンプ32を介して直動アクチュエータ29を作動させ、レバー部材30を押し上げる。レバー部材30が押し上げられると、連結部材28が上方へ動き、それに伴なって、天板5が鏡筒9とともに、上方へ引き上げられ、天板5の撓みが前記設定された値に近づく。コントローラ22は、歪みセンサ31により測定された天板5の下方への撓みが予め設定された値になったら、直動アクチュエータ29をその状態に保持する。
【0043】
逆に、直動アクチュエータ29が作動している状態で、歪みセンサ31により測定された天板5の下方への撓みが予め設定された値以下になった場合、コントローラ22は直動アクチュエータ29に印加する電圧を低下させる。直動アクチュエータ29の変位量が少なくなると、それまで押し上げられていたレバー部材30が自身の弾性で下方に復原する。それに伴なって連結部材28が下方へ動き、天板5の下方への撓みが増加する。
【0044】
本実施の形態によれば、上記のように制御することにより、連結部材28を介して天板5の下方への撓みが予め設定された値(厳密にはこの値は上下に許容範囲を持つ)を超えること、あるいは予め設定された値よりも小さくなることを抑制し、天板5に設けられたレーザ干渉計16の誤差の発生を防止することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、連結部材28は、フランジ9aを介して天板5に結合されているが、天板5のフランジ9aが取り付けられていない位置に別の座板を取りつけ、その座板に連結部材28を取りつけてもよいし、天板5の強度が許せば、天板5に直接、連結部材28を結合しても差し支えない。
【0046】
以上のべた各実施の形態は本発明の実施例であり、本発明はこれらの実施の形態に限定されない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、電子ビーム描画装置の天板に設けられたレーザ干渉計の、大気圧の変動による誤差を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子ビーム描画装置を示す側面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る電子ビーム描画装置を示す側面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る電子ビーム描画装置を示す側面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る電子ビーム描画装置を示す側面図である。
【図5】図4に示す実施の形態の部分の詳細を示す側面図である。
【図6】天板の変形とレーザ干渉計の誤差の関連を示す説明図である。
【符号の説明】
1 床
2 防振マウント
3 定盤
4 試料室
5 天板
6 ステージ
7 ステージ駆動系
8 試料
9 鏡筒
9a フランジ
10、10a 架台
11 電子銃
12 電子ビーム
13 電子レンズ
14 偏向器
15 取付ホルダ
16 レーザ干渉計
17 ミラー
18a,18b シール部材
19 定圧室
20 圧力センサ
21 センサアンプ
22 コントローラ
23 圧縮機
24 空気ホース
25 弁
26 梁部材
27 固定部材
28 連結部材
29 直動アクチュエータ
30 レバー部材
31 歪みセンサ
32 駆動アンプ
33 電子ビーム描画装置
34 吊り上げ装置

Claims (5)

  1. 試料を搭載して水平方向に移動するステージを内装し、上面を天板で塞いで所定の真空度に保持される試料室と、前記試料室内に配置され、前記ステージに取りつけられたミラーにレーザ光を照射してステージの位置を検出するレーザ干渉計と、前記試料室上方に配置され、前記試料に電子ビームで描画する電子銃を内装した鏡筒と、を含んでなり、前記レーザ干渉計は前記天板を貫通して配置されたレーザ干渉計取付ホルダに装着され、該レーザ干渉計取付ホルダの天板上方の端部は、前記試料室の囲壁に固定支持された架台に固定支持されていることを特徴とする電子ビーム描画装置。
  2. 請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記鏡筒は前記架台で支持されていることを特徴とする電子ビーム描画装置。
  3. 試料を搭載して水平方向に移動するステージを内装し、上面を天板で塞いで所定の真空度に保持される試料室と、前記試料室内に配置され、前記ステージに取りつけられたミラーにレーザ光を照射してステージの位置を検出するレーザ干渉計と、前記試料室上方に配置され、前記試料に電子ビームで描画する電子銃を内装した鏡筒と、を含んでなり、
    前記試料室の上に前記天板上面を底面として密閉区画が設けられ、前記鏡筒は前記密閉区画の上面を貫通して配置されるとともに、該鏡筒が前記密閉区画の上面を貫通している個所に、鏡筒と該上面の間を、両者が鏡筒軸方向に相対変位可能にシールするシール部材が設けられ、
    前記密閉区画の内圧を検出して出力する圧力検出手段と、この圧力検出手段の出力信号に基づいて前記密閉区画の内圧を所定の圧力に維持する圧力制御手段と、が設けられていることを特徴とする電子ビーム描画装置。
  4. 請求項3記載の電子ビーム描画装置において、前記圧力制御手段は、前記密閉区画に吐出口を圧縮空気流路を介して接続された圧縮機と、前記圧力検出手段の出力信号に基づいて前記圧縮機の運転を制御するコントローラと、前記密閉区画に設けられ、その内圧が予め設定された上限圧力を超えたときに開いて前記密閉区画内部の気体を外部に放出する弁と、を含んで構成されていることを特徴とする電子ビーム描画装置。
  5. 試料を搭載して水平方向に移動するステージを内装し、上面を天板で塞いで所定の真空度に保持される試料室と、前記試料室内に配置され、前記ステージに取りつけられたミラーにレーザ光を照射してステージの位置を検出するレーザ干渉計と、前記試料室上方に配置され、前記試料に電子ビームで描画する電子銃を内装した鏡筒と、を含んでなり、
    前記レーザ干渉計は前記天板に支持されており、前記天板の上下方向の変位を検出して出力する変位検出手段と、前記天板に直接もしくは他の部材を介して固着され、天板上方に延在する連結部材と、試料室囲壁に支持固定され、前記連結部材に上向きの力を加える変位補正力負荷手段と、変位検出手段で検出される天板の上下方向の変位が予め設定された値になるように、前記変位補正力負荷手段が前記連結部材に加える上向きの力を、前記変位検出手段の出力に基づいて制御するコントローラと、を備えることを特徴とする電子ビーム描画装置。
JP2002298873A 2002-10-11 2002-10-11 電子ビーム描画装置 Pending JP2004134635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002298873A JP2004134635A (ja) 2002-10-11 2002-10-11 電子ビーム描画装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002298873A JP2004134635A (ja) 2002-10-11 2002-10-11 電子ビーム描画装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004134635A true JP2004134635A (ja) 2004-04-30

Family

ID=32288167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002298873A Pending JP2004134635A (ja) 2002-10-11 2002-10-11 電子ビーム描画装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004134635A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009058630A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Ulvac Japan Ltd 光照射装置
JP2010056390A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Nuflare Technology Inc 荷電ビーム描画装置及び荷電ビーム描画装置の設計方法
JP2013080951A (ja) * 2012-12-21 2013-05-02 Nuflare Technology Inc 荷電ビーム描画装置及び荷電ビーム描画装置の設計方法
KR20210028079A (ko) * 2019-09-03 2021-03-11 주식회사 히타치하이테크 하전 입자선 장치

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009058630A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Ulvac Japan Ltd 光照射装置
JP2010056390A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Nuflare Technology Inc 荷電ビーム描画装置及び荷電ビーム描画装置の設計方法
JP2013080951A (ja) * 2012-12-21 2013-05-02 Nuflare Technology Inc 荷電ビーム描画装置及び荷電ビーム描画装置の設計方法
KR20210028079A (ko) * 2019-09-03 2021-03-11 주식회사 히타치하이테크 하전 입자선 장치
US11380515B2 (en) 2019-09-03 2022-07-05 Hitachi High-Tech Corporation Charged particle beam device
KR102465175B1 (ko) * 2019-09-03 2022-11-10 주식회사 히타치하이테크 하전 입자선 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7339167B2 (en) Charged particle beam apparatus
JP3182158B2 (ja) 露光装置用のステージ支持装置
JP4335495B2 (ja) 定圧チャンバ、それを用いた照射装置及び回路パターンの検査装置
US9310688B2 (en) Processing apparatus and article manufacturing method using same
US6414323B1 (en) Charged particle beam apparatus and method of controlling charged particle beam
WO2013157474A1 (ja) 荷電粒子線装置
JP4853836B2 (ja) 精密微動位置決め装置およびそれを備えた微動位置決めステージ
JP2004134635A (ja) 電子ビーム描画装置
JP6170694B2 (ja) 測長計の設置構造
KR102344480B1 (ko) 조정 조립체 및 이러한 조정 조립체를 포함하는 기판 노광 시스템
KR20030030869A (ko) 전자빔 노광방법 및 노광장치
US6794665B2 (en) Electron beam drawing apparatus
US20160056009A1 (en) Charged-particle beam drawing apparatus and vibration damping mechanism
JP3713450B2 (ja) 走査形電子顕微鏡
US6965115B2 (en) Airtight processing apparatus, airtight processing method, and electron beam processing apparatus
US20030043357A1 (en) Vacuum chamber having instrument- mounting bulkhead exhibiting reduced deformation in response to pressure differential, and energy-beam systems comprising same
US11456156B2 (en) Charged particle beam apparatus
US6734969B2 (en) Vacuum measurement device
US20020154839A1 (en) Kinematic stage assembly
JP4544694B2 (ja) 流体軸受面の歪み減少装置
JPH0737794A (ja) 真空内駆動装置
JP2003017394A (ja) 荷電粒子ビーム描画装置
JP3498034B2 (ja) ロ−ドロック室
US20230139507A1 (en) Charged particle beam device
US20200105499A1 (en) Charged particle beam irradiation apparatus