JP2004134550A - 面発光レーザ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定して製造可能で、高反射率、低電気抵抗、低熱抵抗の面発光レーザ及びその製造方法を提供すること.
【解決手段】InP基板の一方の面上に形成される低抵抗層と、低抵抗層上に形成される活性層と、活性層上に形成される分布反射層と、分布反射層上に形成される第一金属層と、Si基板と、Si基板の一方の面上に形成される第二金属層と、第一金属層と第二金属層とを接合する接合層と、InP基板が除去されて露出した低抵抗層上に形成されるミラーと、露出した低抵抗層上でミラーの周囲に形成される第一電極と,Si基板の他方の面上に形成される第二電極、とを具備することを特徴とする面発光レーザ。
【選択図】 図1
【解決手段】InP基板の一方の面上に形成される低抵抗層と、低抵抗層上に形成される活性層と、活性層上に形成される分布反射層と、分布反射層上に形成される第一金属層と、Si基板と、Si基板の一方の面上に形成される第二金属層と、第一金属層と第二金属層とを接合する接合層と、InP基板が除去されて露出した低抵抗層上に形成されるミラーと、露出した低抵抗層上でミラーの周囲に形成される第一電極と,Si基板の他方の面上に形成される第二電極、とを具備することを特徴とする面発光レーザ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は光通信用光源や光計測用光源として用いられ、特にWDM(Wave Length DivisionMultiplexing:波長分割多重)等の波長多重通信に適用されている。
【0003】
従来の可変波長型の面発光レーザは、例えば、次の非特許文献1に記載されている。
【0004】
【非特許文献1】
大磯義孝、外4名、「オプトロニクス」(オプトロニクス社)、
No.241、2002年1月10日、p.105〜110
【0005】
図3は上記文献に記載されている面発光レーザの縦断面図である。
図3において、20はn型のGaAs基板、21はGaAs基板20の一方の面上に形成されたn型のGaAs/AlAsの多層膜で構成される分布反射層(Distributed Bragg Reflector、以下DBR層と記す)、22はn型のInP/InGaAsPの多層膜で構成されるDBR層、23はDBR層22上に形成されたMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)等を用いた活性層である。
【0006】
そして、24は活性層23上に形成されたn型のInP/InGaAsPの多層膜で構成されるDBR層、25はFeがドープされたInP層、26はp型のInGaAsからなる電流層、27はn型のInP層、28はSiO2/TiO2の多層膜で構成されるミラー、29は上部電極、30はGaAs基板20の他方の面に形成される下部電極である。
【0007】
そして、DBR層21とDBR層22とは、例えば水素雰囲気中で約600℃30分間アニールすることにより、GaAsとInPとを共有結合させることにより直接接合されている。
【0008】
ところで、一般に1.55μmの波長を得ることができる面発光レーザを作成するには、上述のようにInP系の材料を用いる必要があり、InP系の活性層の上下に反射率99.5%程度で、屈折率の高い材料と低い材料が交互に積層された反射膜(DBR層)が必要である。
【0009】
そして、活性層の上部に製膜するDBR層は蒸着等で形成可能であるが、活性層の下部のDBR層は、その上に活性層をエピ成長させる必要があることからDBR層もInP基板上にエピ成長させたものでなければならない。
【0010】
しかし、InP基板に格子整合してエピ成長させることができる材料の組合わせでは屈折率差をあまり大きく取ることができないため、大きな反射率を得るにはDBR層の層数を多くしなければならないが、例えばInGaAs/InAlAs等は電気抵抗と熱抵抗が高く、層数を多くすることには限界がある。
【0011】
従って、図3にに示した面発光レーザにおいては、図示しないInP基板上にDBR層等を形成した後InP基板を除去し、露出したInP系のDBR層22と、屈折率差を大きく取ることが可能で、電気抵抗や熱抵抗の低いGaAs系のDBR層21を直接接合するようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような面発光レーザにおいては、次のような問題点があった。
異種ウエハを貼り合わせる工程は、面粗さやパーティクルの影響を受けやすいため、品質を安定させて製造することが困難である。
また、貼り合わせ面には低電気抵抗と低熱抵抗であることが要求されるが、貼り合わせ界面に自然酸化膜が形成されるため、それらの値がばらついてしまう場合がある。
【0013】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、安定して製造可能で、高反射率、低電気抵抗、低熱抵抗の面発光レーザ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、InP基板の一方の面上に形成される低抵抗層と、前記低抵抗層上に形成される活性層と、前記活性層上に形成される分布反射層と、前記分布反射層上に形成される第一金属層と、Si基板と、前記Si基板の一方の面上に形成される第二金属層と、前記第一金属層と前記第二金属層とを接合する接合層と、前記InP基板が除去されて露出した前記低抵抗層上に形成されるミラーと、露出した前記低抵抗層上で前記ミラーの周囲に形成される第一電極と、前記Si基板の他方の面上に形成される第二電極、とを具備することを特徴とする面発光レーザである。
【0015】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の面発光レーザにおいて、前記活性層の前記ミラーに対向しない部分に形成される電流狭窄部を設けたことを特徴とする面発光レーザである。
【0016】
本発明の請求項3においては、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザの製造方法において、InP基板上に低抵抗層を形成する工程と、前記低抵抗層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に分布反射層を形成する工程と、前記分布反射層上に第一金属層を形成する工程と、Si基板の一方の面上に第二金属層を形成する工程と、前記第一金属層と前記第二金属層とを接合する工程と、前記InP基板を選択除去して前記活性層を露出させる工程と、露出した前記活性層上にミラーを形成する工程と、露出した前記活性層上で前記ミラーの周囲に第一電極を形成する工程と、前記Si基板の他方の面上に第二電極を形成する工程、とを具備することを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
【0017】
本発明の請求項4においては、請求項3記載の面発光レーザの製造方法において、前記活性層の前記ミラーに対向しない部分に電流狭窄部を形成する工程、を設けたことを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
【0018】
本発明の請求項5においては、請求項3記載の面発光レーザの製造方法において、前記第一金属層と前記第二金属層とを半田により接合することを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明による面発光レーザの構成を示す断面図である。
図1において、1は図示しないInP基板の一方の面上に形成される低抵抗層、2は低抵抗層1上に形成されるMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)等を用いた活性層、3は活性層2上に形成される分布反射層(Distributed Bragg Reflector、以下DBR層と記す)、4は分布反射層3上に形成される第一金属層である。
【0020】
そして、5はSi基板であり、6はSi基板5の一方の面上に形成される第二金属層、7は第一金属層4と第二金属層6とを接合するための接合層、8は図示しないInP基板が除去されて露出した低抵抗層1上に形成されるミラー、9は露出した低抵抗層1上でミラー8の周囲に形成される第一電極、10はSi基板5の他方の面上に形成される第二電極である。
【0021】
この場合、低抵抗層1は、例えばInP基板に格子整合して形成されたInP系のエピ層に不純物が高濃度にドーピングされて電気抵抗が低くされた層で、DBR層3は例えばInGaAs/InAlAs等のInP系の多層膜であり、第一金属層4と第二金属層6は例えばAuからなり、接合層7は例えばAuSnからなる半田層である。
【0022】
そして、ミラー8は、例えばSiO2/TiO2等の誘電体多層膜で構成され、低抵抗層1上に例えばドーナツ状にパターニングされて形成されている。
【0023】
そして、11は活性層2のミラー8に対向しない部分に例えばFeがドーピングされて形成される電流狭窄部であり、12は活性層2のミラー8に対向し電流狭窄部11が形成されていない発光部である。
【0024】
尚、上述においては、DBR層3はInP系多層膜で構成した場合を説明したが、DBR層3を例えば、多結晶のGaAs/AlAs多層膜によって構成するようにしても良い。
【0025】
次に、図1に示した面発光レーザの製造方法を説明する。
図2(a)〜(i)は面発光レーザの製造方法を示す工程図である。
尚、以下の図面において、図1と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
【0026】
まず、図2(a)において、InP基板13上に不純物が高濃度にドープされたInP系のエピ層を格子整合した状態でエピ成長させて低抵抗層1を形成する。
次に、図2(b)において、低抵抗層1上に活性層2を格子整合した状態でエピ成長させ、図2(c)において、活性層2に例えばドーナツ状に不純物として例えばFeを注入し、発光部12及び電流狭窄部11を形成する。
【0027】
次に、図2(d)において、活性層2上にDBR層3を格子整合した状態でエピ成長させ、次に図2(e)において、DBR層3上に第一金属層4を蒸着等により成膜する。
次に、図(f)において、Si基板5の一方の面上に蒸着等ににより形成された第二金属層6と第一金属層4とを例えば半田(AuSn)から構成される接合層7により接合する。
【0028】
次に、図2(g)において、InP基板13を選択エッチングにより除去して低抵抗層1を露出させる。
そして、図2(h)において、露出した低抵抗層1上に誘電体多層膜を形成し、発光部に対向する位置を例えば円形にパターニングしてミラー8を形成する。
【0029】
次に、図2(i)において、露出した活性層2上でミラー8の周囲に第一電極9を形成すると共に、Si基板5の他方の面上に第二電極10を形成する。
【0030】
この場合、低抵抗層1、活性層2及びDBR層3は、InP基板13上に格子整合した状態で、例えば有機金属気相成長(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により成長層として順次積層される。
【0031】
次に、図1に示した面発光レーザの動作について説明する。
第一電極9と第二電極10との間に電圧が印加されると、第一電極9から低抵抗層1、活性層2、DBR層3、第一金属層4、接合層7、第二金属層6及びSi基板5を通り第二電極10まで電流(正孔)が流れる。また、逆に第二電極10から第一電極9に向かって電子が流れる。
【0032】
尚、この場合、電流狭窄部11に流れ込んだ電流は、横方向から発光部12に流れ込み、DBR層3、第一金属層4、接合層7、第二金属層6及びSi基板5を通り第二電極10に流れる。
【0033】
そして、バンドギャップの最も狭い発光部12において正孔と電子の結合が生じて光が発光部12より発光され、DBR層3とミラー8との間に形成される光共振器によって光増幅され、ミラー8の上部より出射される。
【0034】
この場合、活性層2下部の反射膜は、InP系の多層膜(DBR層3)と電気抵抗及び熱抵抗の低い金属膜(第一金属層4、接合層7および第二金属層6)の組合わせで構成されているので、反射率を高くすると共に、InP系の多層膜(DBR層3)の層数を減らすことができ、結果として電気抵抗と熱抵抗を小さくすることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、金属と金属を半田接合することにより活性層下の反射膜をInP系DBR層と金属膜の組合わせで構成されるようにしたので、接合界面の面粗さやパーティクルの影響を受け難く、製造工程を安定化させることができる。
また、界面に形成される自然酸化膜の影響を小さくすることができるので、面発光レーザの電気抵抗と熱抵抗のばらつきの発生を防止することができる。
【0036】
上述のような面発光レーザにおいては、熱抵抗が低いので、活性層温度の上昇による利得の減少、光出力の減少等のレーザ特性の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面発光レーザの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した面発光レーザの製造方法を説明するための図である。
【図3】従来の面発光レーザの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 低抵抗層
2 活性層
3 DBR層
4 第一金属層
5 Si基板
6 第二金属層
7 接合層
8 ミラー
9 第一電極
10 第二電極
11 電流狭窄層
12 発光部
【発明の属する技術分野】
本発明は、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は光通信用光源や光計測用光源として用いられ、特にWDM(Wave Length DivisionMultiplexing:波長分割多重)等の波長多重通信に適用されている。
【0003】
従来の可変波長型の面発光レーザは、例えば、次の非特許文献1に記載されている。
【0004】
【非特許文献1】
大磯義孝、外4名、「オプトロニクス」(オプトロニクス社)、
No.241、2002年1月10日、p.105〜110
【0005】
図3は上記文献に記載されている面発光レーザの縦断面図である。
図3において、20はn型のGaAs基板、21はGaAs基板20の一方の面上に形成されたn型のGaAs/AlAsの多層膜で構成される分布反射層(Distributed Bragg Reflector、以下DBR層と記す)、22はn型のInP/InGaAsPの多層膜で構成されるDBR層、23はDBR層22上に形成されたMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)等を用いた活性層である。
【0006】
そして、24は活性層23上に形成されたn型のInP/InGaAsPの多層膜で構成されるDBR層、25はFeがドープされたInP層、26はp型のInGaAsからなる電流層、27はn型のInP層、28はSiO2/TiO2の多層膜で構成されるミラー、29は上部電極、30はGaAs基板20の他方の面に形成される下部電極である。
【0007】
そして、DBR層21とDBR層22とは、例えば水素雰囲気中で約600℃30分間アニールすることにより、GaAsとInPとを共有結合させることにより直接接合されている。
【0008】
ところで、一般に1.55μmの波長を得ることができる面発光レーザを作成するには、上述のようにInP系の材料を用いる必要があり、InP系の活性層の上下に反射率99.5%程度で、屈折率の高い材料と低い材料が交互に積層された反射膜(DBR層)が必要である。
【0009】
そして、活性層の上部に製膜するDBR層は蒸着等で形成可能であるが、活性層の下部のDBR層は、その上に活性層をエピ成長させる必要があることからDBR層もInP基板上にエピ成長させたものでなければならない。
【0010】
しかし、InP基板に格子整合してエピ成長させることができる材料の組合わせでは屈折率差をあまり大きく取ることができないため、大きな反射率を得るにはDBR層の層数を多くしなければならないが、例えばInGaAs/InAlAs等は電気抵抗と熱抵抗が高く、層数を多くすることには限界がある。
【0011】
従って、図3にに示した面発光レーザにおいては、図示しないInP基板上にDBR層等を形成した後InP基板を除去し、露出したInP系のDBR層22と、屈折率差を大きく取ることが可能で、電気抵抗や熱抵抗の低いGaAs系のDBR層21を直接接合するようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような面発光レーザにおいては、次のような問題点があった。
異種ウエハを貼り合わせる工程は、面粗さやパーティクルの影響を受けやすいため、品質を安定させて製造することが困難である。
また、貼り合わせ面には低電気抵抗と低熱抵抗であることが要求されるが、貼り合わせ界面に自然酸化膜が形成されるため、それらの値がばらついてしまう場合がある。
【0013】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、安定して製造可能で、高反射率、低電気抵抗、低熱抵抗の面発光レーザ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、InP基板の一方の面上に形成される低抵抗層と、前記低抵抗層上に形成される活性層と、前記活性層上に形成される分布反射層と、前記分布反射層上に形成される第一金属層と、Si基板と、前記Si基板の一方の面上に形成される第二金属層と、前記第一金属層と前記第二金属層とを接合する接合層と、前記InP基板が除去されて露出した前記低抵抗層上に形成されるミラーと、露出した前記低抵抗層上で前記ミラーの周囲に形成される第一電極と、前記Si基板の他方の面上に形成される第二電極、とを具備することを特徴とする面発光レーザである。
【0015】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の面発光レーザにおいて、前記活性層の前記ミラーに対向しない部分に形成される電流狭窄部を設けたことを特徴とする面発光レーザである。
【0016】
本発明の請求項3においては、成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザの製造方法において、InP基板上に低抵抗層を形成する工程と、前記低抵抗層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に分布反射層を形成する工程と、前記分布反射層上に第一金属層を形成する工程と、Si基板の一方の面上に第二金属層を形成する工程と、前記第一金属層と前記第二金属層とを接合する工程と、前記InP基板を選択除去して前記活性層を露出させる工程と、露出した前記活性層上にミラーを形成する工程と、露出した前記活性層上で前記ミラーの周囲に第一電極を形成する工程と、前記Si基板の他方の面上に第二電極を形成する工程、とを具備することを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
【0017】
本発明の請求項4においては、請求項3記載の面発光レーザの製造方法において、前記活性層の前記ミラーに対向しない部分に電流狭窄部を形成する工程、を設けたことを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
【0018】
本発明の請求項5においては、請求項3記載の面発光レーザの製造方法において、前記第一金属層と前記第二金属層とを半田により接合することを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明による面発光レーザの構成を示す断面図である。
図1において、1は図示しないInP基板の一方の面上に形成される低抵抗層、2は低抵抗層1上に形成されるMQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)等を用いた活性層、3は活性層2上に形成される分布反射層(Distributed Bragg Reflector、以下DBR層と記す)、4は分布反射層3上に形成される第一金属層である。
【0020】
そして、5はSi基板であり、6はSi基板5の一方の面上に形成される第二金属層、7は第一金属層4と第二金属層6とを接合するための接合層、8は図示しないInP基板が除去されて露出した低抵抗層1上に形成されるミラー、9は露出した低抵抗層1上でミラー8の周囲に形成される第一電極、10はSi基板5の他方の面上に形成される第二電極である。
【0021】
この場合、低抵抗層1は、例えばInP基板に格子整合して形成されたInP系のエピ層に不純物が高濃度にドーピングされて電気抵抗が低くされた層で、DBR層3は例えばInGaAs/InAlAs等のInP系の多層膜であり、第一金属層4と第二金属層6は例えばAuからなり、接合層7は例えばAuSnからなる半田層である。
【0022】
そして、ミラー8は、例えばSiO2/TiO2等の誘電体多層膜で構成され、低抵抗層1上に例えばドーナツ状にパターニングされて形成されている。
【0023】
そして、11は活性層2のミラー8に対向しない部分に例えばFeがドーピングされて形成される電流狭窄部であり、12は活性層2のミラー8に対向し電流狭窄部11が形成されていない発光部である。
【0024】
尚、上述においては、DBR層3はInP系多層膜で構成した場合を説明したが、DBR層3を例えば、多結晶のGaAs/AlAs多層膜によって構成するようにしても良い。
【0025】
次に、図1に示した面発光レーザの製造方法を説明する。
図2(a)〜(i)は面発光レーザの製造方法を示す工程図である。
尚、以下の図面において、図1と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
【0026】
まず、図2(a)において、InP基板13上に不純物が高濃度にドープされたInP系のエピ層を格子整合した状態でエピ成長させて低抵抗層1を形成する。
次に、図2(b)において、低抵抗層1上に活性層2を格子整合した状態でエピ成長させ、図2(c)において、活性層2に例えばドーナツ状に不純物として例えばFeを注入し、発光部12及び電流狭窄部11を形成する。
【0027】
次に、図2(d)において、活性層2上にDBR層3を格子整合した状態でエピ成長させ、次に図2(e)において、DBR層3上に第一金属層4を蒸着等により成膜する。
次に、図(f)において、Si基板5の一方の面上に蒸着等ににより形成された第二金属層6と第一金属層4とを例えば半田(AuSn)から構成される接合層7により接合する。
【0028】
次に、図2(g)において、InP基板13を選択エッチングにより除去して低抵抗層1を露出させる。
そして、図2(h)において、露出した低抵抗層1上に誘電体多層膜を形成し、発光部に対向する位置を例えば円形にパターニングしてミラー8を形成する。
【0029】
次に、図2(i)において、露出した活性層2上でミラー8の周囲に第一電極9を形成すると共に、Si基板5の他方の面上に第二電極10を形成する。
【0030】
この場合、低抵抗層1、活性層2及びDBR層3は、InP基板13上に格子整合した状態で、例えば有機金属気相成長(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により成長層として順次積層される。
【0031】
次に、図1に示した面発光レーザの動作について説明する。
第一電極9と第二電極10との間に電圧が印加されると、第一電極9から低抵抗層1、活性層2、DBR層3、第一金属層4、接合層7、第二金属層6及びSi基板5を通り第二電極10まで電流(正孔)が流れる。また、逆に第二電極10から第一電極9に向かって電子が流れる。
【0032】
尚、この場合、電流狭窄部11に流れ込んだ電流は、横方向から発光部12に流れ込み、DBR層3、第一金属層4、接合層7、第二金属層6及びSi基板5を通り第二電極10に流れる。
【0033】
そして、バンドギャップの最も狭い発光部12において正孔と電子の結合が生じて光が発光部12より発光され、DBR層3とミラー8との間に形成される光共振器によって光増幅され、ミラー8の上部より出射される。
【0034】
この場合、活性層2下部の反射膜は、InP系の多層膜(DBR層3)と電気抵抗及び熱抵抗の低い金属膜(第一金属層4、接合層7および第二金属層6)の組合わせで構成されているので、反射率を高くすると共に、InP系の多層膜(DBR層3)の層数を減らすことができ、結果として電気抵抗と熱抵抗を小さくすることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、金属と金属を半田接合することにより活性層下の反射膜をInP系DBR層と金属膜の組合わせで構成されるようにしたので、接合界面の面粗さやパーティクルの影響を受け難く、製造工程を安定化させることができる。
また、界面に形成される自然酸化膜の影響を小さくすることができるので、面発光レーザの電気抵抗と熱抵抗のばらつきの発生を防止することができる。
【0036】
上述のような面発光レーザにおいては、熱抵抗が低いので、活性層温度の上昇による利得の減少、光出力の減少等のレーザ特性の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面発光レーザの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した面発光レーザの製造方法を説明するための図である。
【図3】従来の面発光レーザの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 低抵抗層
2 活性層
3 DBR層
4 第一金属層
5 Si基板
6 第二金属層
7 接合層
8 ミラー
9 第一電極
10 第二電極
11 電流狭窄層
12 発光部
Claims (5)
- 成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザにおいて、
InP基板の一方の面上に形成される低抵抗層と、前記低抵抗層上に形成される活性層と、前記活性層上に形成される分布反射層と、前記分布反射層上に形成される第一金属層と、Si基板と、前記Si基板の一方の面上に形成される第二金属層と、前記第一金属層と前記第二金属層とを接合する接合層と、前記InP基板が除去されて露出した前記低抵抗層上に形成されるミラーと、露出した前記低抵抗層上で前記ミラーの周囲に形成される第一電極と、前記Si基板の他方の面上に形成される第二電極、とを具備することを特徴とする面発光レーザ。 - 請求項1記載の面発光レーザにおいて、
前記活性層の前記ミラーに対向しない部分に形成される電流狭窄部を設けたことを特徴とする面発光レーザ。 - 成長層に垂直な方向にレーザ光を出射する面発光レーザの製造方法において、
InP基板上に低抵抗層を形成する工程と、前記低抵抗層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に分布反射層を形成する工程と、前記分布反射層上に第一金属層を形成する工程と、Si基板の一方の面上に第二金属層を形成する工程と、前記第一金属層と前記第二金属層とを接合する工程と、前記InP基板を選択除去して前記活性層を露出させる工程と、露出した前記活性層上にミラーを形成する工程と、露出した前記活性層上で前記ミラーの周囲に第一電極を形成する工程と、前記Si基板の他方の面上に第二電極を形成する工程、とを具備することを特徴とする面発光レーザの製造方法。 - 請求項3記載の面発光レーザの製造方法において、
前記活性層の前記ミラーに対向しない部分に電流狭窄部を形成する工程、を設けたことを特徴とする面発光レーザの製造方法。 - 請求項3記載の面発光レーザの製造方法において、
前記第一金属層と前記第二金属層とを半田により接合することを特徴とする面発光レーザの製造方法。
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JP2002297050A JP2004134550A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | 面発光レーザ及びその製造方法 |
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