JP2004134412A - 空間的分散補償光学システム - Google Patents

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ナッテルマン、クルト
Ewald Moersen
モエルゼン、エヴァルト
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

【目的】立方晶系結晶構造を有する材料から成る素子が含まれるが、空間的分散が効率的に補償され、光学的遅延の減少のみが結果として生ずる光学系(システム)を提供する。
【解決手段】光学軸(10)に沿って配置された第一の光学素子(11,17,19,26)と第二の光学素子(12,18,20,27)を含んで成り、第一の光学素子は光学軸に対して第一の配向を有し、第二の光学素子は光学軸に対して第二の配向を有し、第一の光学素子と第二の光学素子の少なくとも一方が圧縮応力(σ、σ1、σ2)の印加によりプレストレスされ、該圧縮応力が光学軸(10)に対して半径方向に対称的に印加されて空間的分散を補償するようにした空間的分散補償光学システム。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光軸に対して第一の配向を有する第一の光学素子と、光軸に対して第二の配向を有する第二の光学素子を有し、第二の配向が第一の配向に対して光軸の周りに或る角度で回転されている、空間的分散が補償された光学系(システム)に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学系の材料、例えば対物レンズ(鏡)、レンズ、プリズム及びこれ等の部品及び又は素子を含む装置の材料は本質上、光学的に等方的であるべきで、即ちこれ等を通過する光線又は光ビームは全方向に、且つその偏光とは無関係に同一速度でこれ等を伝搬すべきである。複屈折は多くの結晶において、伝搬速度が異なることの典型的なあらわれである。複屈折は一般に、立方晶系結晶では通常の意味で生じない。だが、立方晶系結晶は波長が短い放射線に対しては、光学的に異方性である。この作用は空間的分散と呼ばれ、これ等の結晶に固有の特性である。所謂遅延、即ち望ましくない干渉をもたらす波面の発散は、立方晶系結晶構造の材料が光学系に用いられるとき、空間的分散のために生ずる。例えば、マイクロリソグラフィー用の対物レンズは回折が制限され、それによって望ましくない干渉効果が画像生成を悪くする。マイクロリソグラフィーでは、短い波長、例えばλ=157nmの放射線が用いられる。この種の短波長UV放射線を取り扱う光学系の材料の規格は高度の、即ち厳格なものである。この短波長放射線は相容れない材料を破壊することがある。この理由で、マイクロリソグラフィーに用いられる光学系の材料としてはCaFが優先され、比較的短い波長での高エネルギー放射線が十分伝達されるようにしている。J.H.Burnett,Z.H.Levine,E.Shirley「弗化カルシウム及び弗化バリウムにける固有複屈折」,Phys.Rev.B64,241102(R),2001によれば、CaF結晶内の[110]放射に対して波長λ=157nmが要する遅延は約11.5nm/cmである。マイクロリソグラフィー用の対物レンズが要する遅延は回折制限があることから、<1nm/cmである。このため、空間的分散を<1nm/cmに制限できる光学系が望ましく、マイクロリソグラフィーでは、157nm放射線に対する光学系用の材料として例えば、CaFを用いることができる。
【0003】
空間的分散により生ずる個々の光線の行路差は、結晶内放射伝搬方向によって異なる。例えば、光線の伝搬方向が第一の光学素子内では所謂速い軸、即ち伝搬速度が速い方の軸に沿い、第二の光学素子内では遅い軸、即ち伝搬速度が遅い方の軸に沿うとき、空間的分散を補償することが可能である。従って、空間的分散により生ずる遅延はこのようにして補償されるが、この補償はいまだ不十分である。空間的分散によるこの残留遅延はなお、常に光学系(システム)の画像化特性に大きな欠陥をもたらすものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、立方晶系結晶構造を有する材料から成る素子が含まれるが、空間的分散が効率的に補償され、空間的分散に基づく低下した光学的遅延のみが結果として生ずる光学系(システム)を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的及び以下より明らかとなろう他の目的は、第一の光学素子と第二の光学素子が光学軸に沿って配置され、第一の光学素子が光学軸に対して第一の配向を有し、第二の光学素子が光学軸に対して第二の配向を有するように構成された光学系(システム)によって達成される。
【0006】
本発明によれば、第一の光学素子と第二の光学素子の少なくとも一方が光学軸に対して半径方向に対称的に圧縮応力でプレストレス(予め応力を付与)され、空間的分散を補償する。この圧縮応力は、光学軸に垂直で、光学素子の周縁に均一に分散される力によって生成される。
【0007】
この圧縮応力により応力複屈折を生成することができるが、これが空間的分散に重畳される。このようにして、速い軸及び遅い軸の位置と、これ等の軸に生ずる伝搬速度の差が変化する。従って、一方の光学素子により生成される遅延をこのように調節して、それが他方の光学素子により生成される遅延を略完全に相殺するようにすることができる。必要な圧縮応力の大きさは、実験又は計算により決定が可能である。このため、例えば、所謂光線追跡が行われる。また、商業的光線追跡プログラム、即ちCode V of Optical Research Associates, 3280 EastFoothill Blvd., Pasadena, California, 91197, USA を実行して、光学的応力修正がより少なくて済むようにする。
【0008】
本発明のより好適な実施態様においては、圧縮応力を実質的に均一で、且つ等方性にする。更に、圧縮応力が光学素子に及ぼす力を均一にする、例えばレンズの外周上で内側に向けて半径方向対称にする。圧縮応力は0.5〜50MPa。好もしくは0.6〜1.6MPaとすべきである。
【0009】
第一の光学素子及び/又は第二の光学素子を光学軸(10)に垂直な面で、また勿論光学軸に垂直な半径方向の面で、平面的プレストレス状態にあるようにしてシステムの制御を簡単にし、その計算可能性を高めるべきである。この平面的応力付与状態を再現性良く作るには、外周部において均一な内側に向かう圧縮応力を加えれば良い。
【0010】
圧縮応力の生成のため、応力生成装置が通常用いられる。この応力生成装置は一般に、光学素子に対して圧縮力を均一に、特に光学軸に向かって半径方向に及ぼす装置の組み合わせから成る。通常の装置は例えば、クランプリング、チューブのような素子を取り囲む静水圧リング、又は例えばアイソスタティック(等静)圧を生成するのに用いられる他の通常の手段を含む。
【0011】
クランプリングは半径方向の圧縮応力を、特に容易に生成する装置である。例えば、レンズの外周面をこのクランプリングで内方に押圧して、クランプ力、即ち圧縮力が光学軸に向かって半径方向に作用するようにすることができる。圧縮力を調整するための調整手段があると有利である。この圧縮手段により、所望の値を設定することができる。特に、必要な圧縮応力を決定する実験において、圧縮応力が残留する遅延を最小値にするようにすべきである。
【0012】
本発明の他の実施態様においては、第一の光学素子が第一の圧縮応力でプレストレスされ、第二の光学素子が第一の圧縮応力と異なる第二の圧縮応力でプレストレスされるようにする。このようにして、異なる圧縮応力を用いるこのプレストレス化により、両素子の遅延が互いに、特に有効に補償されるようにすることができる。
【0013】
材料は好ましくは、CaF又はBaFのような立方晶系結晶構造を有するものである。これ等の結晶は、特に短波長放射に対して特に好ましい特性を有する。また、MgFは短波長放射に対して伝達を良好にする。
【0014】
本発明による配置においては、第一と第二の光学素子は第一と第二の軸をもつ第一と第二の配向(向き付け)を有し、これ等は同一でも、異なっても良く、また互いに平行に、又は互いに或る角度で延びる軸又は配向とすることができる。このようにして、第一の配向の所謂速い軸を第二の配向で相関する、又は切り換るようにすると更に有利である。この場合、速い軸に沿う第一の光学素子内の波頭の速い伝搬を、第二の光学素子内での随伴する遅い軸に沿う遅い伝播で補償、及び/又は切り換えることができる。
【0015】
本発明のより好適な実施態様においては、両光学素子は光学軸に対するそれ等の回転対称性に従って、光学軸の周りに互いに回転された状態にある。その回転角度は夫々の配向において、光学素子を構成する材料の対称回転角の半分、又はその奇数倍数である。対称角120°となる3回対称の材料では、両素子はこの角度の約半分の角度、即ち60°或いは3倍、5倍又は7倍倍数だけ互いにねじられているべきである。光学軸に対してn回回転対称性の材料では、対称角は360°である。その結果、両素子は約5{360°/n}又はこの値の奇数倍数だけ互いに対して回転的にオフセットされているべきである。
【0016】
本発明の光学系(システム)の好適な実施態様は、材料が4回対称のものである場合、第一の配向における光学軸の周りの角度が45°、135°、225°又は315°のとき得られる。これは、例えばCaF結晶において、[100]軸、[010]軸、[001]軸が第一の配向及び第二の配向において光学軸に平行な場合である。この場合、CaF結晶の(100)面、(010)面及び(001)面は光学軸に対して垂直に配置される。角度90°又はその倍数回転すれば、再び同等の結晶配置、従って遅い軸と早い軸がもたらされる。
【0017】
3回回転対称の材料の結晶では、光学軸の周りに回転する又はねじりを与える角度は第一の配向において60°、180°又は360°であるべきである。これは、第一の配向及び第二の配向における[111]軸、[−1−11]軸、[1−11]軸が光学軸に平行な場合である。この場合、結晶の(111)面、(−1−11)及び(1−11)面は光学軸に対して直角に配置されている。120°又はその倍数の角度回転すると、同様の結晶配向、従って遅い軸及び速い軸がもたらされる。
【0018】
本発明の更なる実施態様においては、第一の光学素子と第二の光学素子は夫々の面が平面/平面、凸面/凹面又は凹面/凸面として互い向かい合う。だが、他の実施態様においては向かい合う面を平面/凹面又は平面/凸面とすることもできる。向かい合う面が互いに平面であれば、両光学素子を例えば凸/凸レンズの両半分として形成することができる。凸面/凹面構造又は凹面/凸面構造により、廉価なレンズ群を形成することができる。両光学素子は互いに強固に結合されるようにしても、間隙で隔てられるようにしても良い。
【0019】
好ましくは、第一の光学素子と第二の光学素子が対物レンズの末端群を構成するようにする。この実施態様においては、この末端群が従って、システム全体の遅延を補償する。この末端群から画像が出来る点まで他の画像誤差が生じることは無い。
【0020】
第一の光学素子と第二の光学素子が平面修正素子を形成するようにすることも出来る。この場合、修正素子となる第一の光学素子と第二の光学素子が続く通常の光学素子が用いられる。この実施態様は、第一の光学素子と第二の光学素子を厚みが等しい平面層又は円板とすれば、特に好適である。このようにして形成された修正小板、即ち素子は、取り付けが簡単で、簡単且つ容易に応力付与状態にすることができる。
【0021】
【実施態様】
図1は立方晶系結晶構造を取る結晶を示すもので、結晶軸と結晶面を示している。結晶は、結晶軸の定義に対する通常の規約、例えばC.Kittel「物性物理学概論」,4th Edition,Oldenbourg, Muenchen, 1976にあるような規約に従って作製される。この図には、方向[100]、[010]及び[001]が示されている。更に、(100)表面が示されている。方向ベクトル[100]は、この表面に垂直に延びている。この図には加えて、方向ベクトル[010]及び[001]に対して45°の角度で延びる方向ベクトル[011]も示されている。
【0022】
図2に、本発明の第一の実施態様における光学系(システム)を光学軸10と共に示す。図示の光学系は第一の光学素子11と、第二の光学素子12を有する。図示の実施態様では、第一の光学素子11及び第二の光学素子がCaF系結晶材料から成る。これ等の素子の(100)面は夫々、光学軸10に対して直角に配置されている。このことは、それ等の軸[100]が夫々、光学軸10と平行であることを意味している。第一の光学素子11は平らな面13と曲面14を有して、平凸レンズである。第二の光学素子も平面15と曲面16を有して、同様に平凸レンズである。平面13及び15は互いに向かい合い、両者間に空間が介在せず、互いに当接する関係にある。図示の実施態様では、これ等素子は要すれば、互いに接着されるようにしても良い。平面13及び15は光学軸10に対して垂直である。このようにして、第一の光学素子11と第二の光学素子12は、図2に子午線図で示された両凸レンズを形成する。光線の経路は図2において、左から右又はその逆である。第一の光学素子11及び第二の光学素子12の各径は例えば15mmであり、曲面14及び16の曲率は例えば500mmである。
【0023】
図示のように、第一の光学素子11の[010]結晶軸は紙面において光学軸10に対して上方に直角に延びている。これに対して、第二の光学素子12の結晶配向は第二の光学素子11の結晶配向に対して光学軸10の周りに約45°回転又はねじりを加えたようになっている。そのようになることは、図示のように[011]結晶軸が紙面上方に延び、光学軸10に垂直であることから明らかである。第一の光学素子11と第二の光学素子12は両者が連携して、回転対称体形式の光学系を構成している。内側に向けられた圧縮応力σは、第一及び第二の光学素子の外周面に加わる。この圧縮応力σは、レンズ周縁にクランプリングCを配置する(図7に、固く締められた状態ではなく、概略的且つ形式的に示されている)ことにより印加が可能である。このようにして、圧縮応力σは光学素子の外周に均一に伝えられる。即ち、半径方向に等方性で、均質の圧縮応力σが第一の光学素子11と第二の光学素子12内に生ずる。
【0024】
波長157nmの光線が左から光学軸10に沿って走行し、直径D=80mm、開口角2θMAX=106°をもつ図2の光学系内の第一の光学素子11の曲面14に当たると、圧縮応力σが−1.35MPaの時、第一及び第二の光学素子11及び12を通る開口数NAはNA=0.8であるとして、最大位相差は6゜となる。この値を圧縮応力が印加されない場合(σ=0)の位相差50°と比較すると、上記圧縮圧力を印加することにより、圧縮圧力が無い場合の値の僅か約12%までに減少したことになる。
【0025】
第一の光学素子11と第二の光学素子12の[010]軸又は[001]軸を光学軸10に平行にし、第二の光学素子12を第一の光学軸11に対して約45°のねじり又は回転を与えても、同様の値となる。更に、角度45°の代わりに135°、225°又は315°の回転角が可能である。平面13及び15は接着結合される必要は無く、両者間に間隙又は介在空間があるようにしても良い。
【0026】
図3は、図1のものと同様の斜視図を示し、(111)面と共に[111]方向を示すものである。[111]方向は、方向ベクトル[100]、[001]及び[010]で記述される立方晶系構造における空間対角線として延びている。これは、(111)面に垂直である。
【0027】
図4に、本発明による光学系の第二の実施態様が示されている。この光学系(システム)は、図2の第一の光学素子11及び第二の光学素子12に類似の第一の光学素子17及び第二の光学素子18を有する。光学系の両実施態様における同一機能又は素子は図中、同一参照番号が付されている。第一の光学素子17及び第二の光学素子18は第一の光学素子11及び第二の光学素子12とは、結晶配向の違いの点で異なる。
【0028】
第一の光学素子17及び第二の光学素子18においては、[1,1,1]方向が光学軸10に平行である。第一の光学素子17では、[−1,−1,2]方向は光学軸10に対して垂直であり、紙面で上方に延びている。図5に示されているように、[−1,−1,2]方向は(111)面に平行で、図5では上方に向いている。これに対して、第二の光学素子18では[1,1,−2]軸が光学軸10に垂直で、紙面で垂直に上方を向いている。図5において、[1,1,−2]方向は[−1,−1,2]方向に平行であるが、その向きは反対である。従って、第二の光学素子18は第一の光学素子17に対して、光学軸の周りに180°のねじり又は回転が加えられている。
【0029】
圧縮応力σが−1.7MPaであれば、放射ビームが波長157nmを有し、図中、左から右に走行し、D=80mm、角度範囲2θMAX=106°及び開口数NA=0.8の同一予備設定条件の下では、最大位相差は約4.5°となる。
【0030】
この最大位相差は、圧縮応力の無い場合の位相差値の僅か約13%となる。
【0031】
従って、第一の光学素子17及び第二の光学素子18において[−1,1,1]、[−1,−1,1]又は[1,−1,1]方向が[1,1,1]方向の代わりに光学軸10に平行であり、第二の光学素子18が第一の光学素子17に対して約180°の回転又はねじりが与えられていれば、同一の結果が得られる。同一効果はまた、第二の光学素子18が第一の光学素子17に対して光学軸10の周りに60°又は300°回転しても得られる。
【0032】
図6に、本発明による光学系(システム)の第三の実施態様を示す。第一の光学素子19及び第二の光学素子20の結晶配向は、図2に示された第一の実施態様における第一の光学素子及び第二の光学素子のものに対応する。第一の光学素子19は凸面21と凹面22を有する凹凸レンズである。凸面21の曲率半径は750mmであり、凹面22の曲率半径は1,000mmである。第一の光学素子19の厚みは光学軸10の近傍において15mmである。第二の光学素子20は第一の凸面23と第二の凸面24を有する両凸レンズである。凸面23及び24の各々は曲率半径500mmを有する。第二の光学素子20は厚み30mmを有する。第一の光学素子19と第二の光学素子20の各々は径が100mmである。第一の凸面23は凹面22に面する。このようにして、第一の凸面23はその殆どが、凹面22により形成される凹部内にある。
【0033】
第一の光学素子19はその外縁で均一な第一の圧縮応力σ1を受ける。第二の光学素子20はその外縁で均一な第二の圧縮応力σ2を受ける。凹面22にあたる光線又はビームの波長157nm、D=80mm、角度範囲2θMAX=106°で開口数NA=0.8になるものに対して、第一の圧縮応力σ1=40MPa、第二の圧縮応力σ2=−1.0MPaとすると、最大位相差は約7°である。これは、約88°の最大位相差の10%以下に対応する。
【0034】
図7に、本発明の特徴を備える光学系の更なる実施態様を示す。この光学系(システム)はレンズが図4の第一の光学素子17及び第二の光学素子18と、それ等の下流に設けた修正素子25から成るものである。修正素子25は、平面状のディスクとして形成された第一の光学素子26及び第二の光学素子27を有する。第一の光学素子26と第二の光学素子27はCaF結晶から成り、第一の光学素子26及び第二の光学素子27の[111]軸は光学軸10に平行である。第一の光学素子26は平面28を有し、第二の光学素子27は平面28に面する平面29を有している。第一の光学素子26の[−1,−1,2]方向は、紙面で上方を向くように配置された[111]方向に対して垂直である。これに対して、第二の光学素子27の配向は[111]方向の周りに約180°のねじり又は回転が与えられており、[1,1,−2]方向が[111]方向に垂直で、紙面内で上方に向いている。
【0035】
図7の実施態様において、圧縮応力σは前記クランプCにより第一と第二の光学素子26及び27に印加される。これ等の光学素子に印加される圧縮応力σは、クランプCの調整ねじSにより調整可能である。
【0036】
波長157nmをもつ放射ビームが図7の光学系を通して案内され、曲面14に当たり、D=80mm及び角度範囲2θMAX=106°であって、光学系の開口数NAが0.8になるようにすると、最大位相差は修正素子25上の圧縮応力σ=−6.3MPaとして6°になる。これは、圧縮応力が無い場合に得られる最大位相差50°がその12%になることに対応する。
【0037】
以上、空間的分散補償光学システムに具現されるものとして本発明を例示、記載したが、本発明の精神をいかようにも逸脱することなく種々の修正及び変更が可能であるから、本発明は示された詳細に限定されるものではない。
従って、以上は本発明の要旨を、他者が現在の知識を適用することにより、本発明の一般的又は特定の側面の本質的特長を、従来技術の観点から相応に構成する特徴を省略することなく、それを種々の応用にできる程度まで十分に示すものである。
茲に特許として請求されるものは新規なものであり、本明細書冒頭の請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶軸と結晶面を示した立方晶系結晶の概略的斜視図である。
【図2】本発明による光学系の第一の実施態様の子午線断面図である。
【図3】(111)面の位置を示す、図1と類似の概略的斜視図である。
【図4】本発明による光学系の第二の実施態様の子午線断面図である。
【図5】(−1,−1,2)軸を示す、図3と類似の概略的斜視図である。
【図6】本発明による光学系の第三の実施態様の断面図である。
【図7】レンズと本発明による修正プレートを含んだ、光学系の更なる実施態様の断面図である。
【符号の説明】
10 光学軸
11 第一の光学素子
12 第二の光学素子
13 平面
14 曲面
15 平面
16 曲面
17 第一の光学素子
18 第二の光学素子
19 第一の光学素子
20 第二の光学素子
21 凸面
22 凹面
23 凸面
24 凸面
25 修正素子
26 第一の光学素子
27 第二の光学素子
28 平面
29 平面
C クランプ
S 調整ねじ

Claims (23)

  1. 光学軸(10)に沿って配置された第一の光学素子(11,17,19,26)と第二の光学素子(12,18,20,27)を含んで成り、第一の光学素子は光学軸に対して第一の配向を有し、第二の光学素子は光学軸に対して第二の配向を有し、第一の光学素子と第二の光学素子の少なくとも一方が圧縮応力(σ、σ1、σ2)の印加によりプレストレスされ、該圧縮応力が光学軸(10)に対して半径方向に対称的に印加されて空間的分散を補償するようにした空間的分散補償光学システム。
  2. 前記圧縮応力(σ、σ1、σ2)が等方性で、且つ均一である請求項1に記載の光学システム。
  3. 前記圧縮応力(σ、σ1、σ2)が0.5〜50MPaである請求項1に記載の光学システム。
  4. 前記圧縮応力が0.6〜1.6MPaである請求項3に記載の光学システム。
  5. 前記第一の光学素子と第二の光学素子の少なくとも一方が光学軸(10)に垂直な面内で二次元のプレストレス状態にある請求項1に記載の光学システム。
  6. 前記圧縮応力(σ、σ1、σ2)を生成するための手段(C)を更に含んで成る請求項1に記載の光学システム。
  7. 前記圧縮応力(σ、σ1、σ2)を生成するための手段(C)と該圧縮応力を調整する手段(S)とを更に含んで成る請求項1に記載の光学システム。
  8. 前記圧縮応力(σ、σ1、σ2)が前記第一の光学素子に印加される第一の圧縮応力(σ1)と前記第二の光学素子に印加される第二の圧縮応力(σ2)を含んで成る請求項1に記載の光学システム。
  9. 前記第一と第二の光学素子が立方晶系結晶構造の結晶材料から成る請求項1に記載の光学システム。
  10. 前記立方晶系結晶構造の結晶材料がCaF又はBaFである請求項9に記載の光学システム。
  11. 前記第一の光学素子が遅い軸を有し、前記第二の光学素子が速い軸を有し、該速い軸が該遅い軸と一致する請求項1に記載の光学システム。
  12. 前記第一の光学素子が遅い軸を有し、前記第二の光学素子が速い軸を有し、該速い軸が上記遅い軸の方向に対して反対方向に向いた請求項1に記載の光学システム。
  13. 前記第一と第二の光学素子が4回回転対称の材料から成り、該第一と第二の光学素子が互いに回転角45°、135°、225°又は315°のねじり又は回転が付与されている請求項1に記載の光学システム。
  14. 前記第一と第二の光学素子が3回回転対称の材料から成り、該第一と第二の光学素子が互いに回転角60°、180°又は300°のねじり又は回転が付与されている請求項1に記載の光学システム。
  15. 前記第一と第二の光学素子が[100]軸、[010]軸、[001]軸、[111]軸、[−1−11]軸及び[1−11]軸を有する立方晶系結晶構造を有し、該[100]軸、[010]軸、[001]軸、[111]軸、[−1−11]軸又は[1−11]軸が前記第一の配向及び第二の配向に平行である請求項1に記載の光学システム。
  16. 前記第一の光学素子と第二の光学素子が、互いに向かい合う平面を夫々有する請求項1に記載の光学システム。
  17. 前記第一の光学素子が凹面を有し、前記第二の光学素子が凸面を有し、該凹面と凸面が互いに向かい合う請求項1に記載の光学システム。
  18. 前記第一の光学素子が凸面を有し、前記第二の光学素子が凹面を有し、該凹面と凸面が互いに向かい合う請求項1に記載の光学システム。
  19. 前記第一と第二の光学素子が対物レンズの末端群を構成する請求項に記載の光学システム。
  20. 前記第一と第二の光学素子が平面状修正素子を構成する請求項1に記載の光学システム。
  21. 前記第一と第二の光学素子は厚みが等しい請求項1に記載の光学システム。
  22. 光学軸(10)に沿って配置された第一の光学素子(11,17,19,26)と第二の光学素子(12,18,20,27)を含んで成り、第一の光学素子は光学軸に対して第一の配向を有し、第二の光学素子は光学軸に対して第二の配向を有し、第一の光学素子と第二の光学素子の少なくとも一方が圧縮応力(σ、σ1、σ2)の印加によりプレストレスされ、該圧縮応力が光学軸(10)に対して半径方向に対称的に印加されて空間的分散を補償するようにした空間的分散補償光学装置と、
    レンズ、プリズム、光導通ロッド、光学ウインドー、DUV光リソグラフィー用光学部品、ステッパー及びエキシマレーザーの少なくとも一つを備えて成る装置。
  23. コンピュータチップ、集積回路又は電子装置を含み、且つ光学軸(10)に沿って配置された第一の光学素子(11,17,19,26)と第二の光学素子(12,18,20,27)を含んで成り、第一の光学素子は光学軸に対して第一の配向を有し、第二の光学素子は光学軸に対して第二の配向を有し、第一の光学素子と第二の光学素子の少なくとも一方が圧縮応力(σ、σ1、σ2)の印加によりプレストレスされ、該圧縮応力が光学軸(10)に対して半径方向に対称的に印加されて空間的分散を補償するようにした空間的分散補償光学装置を含んで成る装置。
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